JP2020090618A - アスファルト組成物、舗装用アスファルト混合物、及び舗装体 - Google Patents

アスファルト組成物、舗装用アスファルト混合物、及び舗装体 Download PDF

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Abstract

【課題】施工後の舗装面の耐久性に優れるアスファルト組成物、舗装用アスファルト混合物、及び舗装体を提供する。【解決手段】アスファルト、金属元素、及びポリエステルを含有するアスファルト組成物であって、前記アスファルト組成物中の金属元素の含有量が、0.05質量%以上1質量%以下であり、前記ポリエステルの含有量が、前記アスファルト100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下である、アスファルト組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、道路の舗装に用いられるアスファルト組成物、舗装用アスファルト混合物、及び舗装体に関する。
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道等の舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむことから、アスファルト組成物を用いるアスファルト舗装が行われている。
このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されているので、舗装道路は良好な硬度や耐久性を有している。
しかしながら、アスファルト舗装面は、長期使用によって轍やひび割れが入るため、舗装の補修を行う必要が生じ、維持費用が増大するとともに、自動車の交通に大きな影響を与える結果となっていた。
特許文献1には、特定の一般式で表される脂肪酸金属塩を含有する改質アスファルト添加剤、アスファルト、及び改質剤であるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーを含有する、改質アスファルト組成物が開示されている。
特許文献2には、アスファルト、特定の構成単位を有するポリエステル樹脂、及び骨材を含有し、該特定のポリエステル樹脂を特定量含有する、道路舗装用アスファルト組成物が開示されている。
非特許文献1には、アスファルト中に、炭化水素酸化のための活性触媒となり得るバナジウムがほぼゼロから約1300ppmの範囲で典型的に含有し、該バナジウムの含有量とアスファルトの硬化指数との関係について記載されている。
特開2006−22159号公報 国際公開第2017/125421号
Transportation Research Circular E-C140: A Review of the Fundamentals of Asphalt Oxidation (October, 2009)
しかしながら、特許文献1、2に開示された技術、及び非特許文献1に記載された技術においても、より一層、轍が付きにくい耐久性に優れた舗装面を形成できるアスファルト組成物を得る観点からは、改善の余地があった。
そこで、本発明は、施工後の舗装面の耐久性に優れるアスファルト組成物、舗装用アスファルト混合物、及び舗装体に関する。
本発明の実施形態は、以下の〔1〕〜〔3〕に関する。
〔1〕アスファルト、金属元素、及びポリエステルを含有するアスファルト組成物であって、前記アスファルト組成物100質量%中の金属元素の含有量が、0.05質量%以上1質量%以下であり、前記ポリエステルの含有量が、前記アスファルト100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下である、アスファルト組成物。
〔2〕上記〔1〕に記載のアスファルト組成物と骨材とを含有する、舗装用アスファルト混合物。
〔3〕上記〔2〕に記載の舗装用アスファルト混合物で舗装してなる、舗装体。
本発明によれば、施工後の舗装面の耐久性に優れるアスファルト組成物、舗装用アスファルト混合物、及び舗装体を提供することができる。
[アスファルト組成物]
本発明のアスファルト組成物(以下、単に「アスファルト組成物」ともいう)は、アスファルト、金属元素、及びポリエステルを含有する。そして、アスファルト組成物100質量%中の金属元素の含有量が、0.05質量%以上1質量%以下である。さらに、前記ポリエステルの含有量が、前記アスファルト100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下である。
以上によれば、施工後の舗装面の耐久性(以下、単に「耐久性」ともいう)に優れるアスファルト組成物が得られる。更に、この技術を応用して、舗装用アスファルト混合物、及び舗装体を提供することができる。
本発明の効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推定される。
本発明のアスファルト組成物は、ポリエステルが含まれることで、アスファルトに溶融分散し、骨材(細骨材)と接触した際に骨材表面を覆い、骨材同士の接着強度を高める。
ところで、アスファルト中には、飽和脂肪族化合物、低分子芳香族化合物、レジン、アスファルテン等、種々の化合物が含まれている。これらの中でもアスファルテンがポリエステル及び細骨材に吸着して、アスファルテン−ポリエステル−細骨材の複合体が形成される。そして、当該複合体が粗骨材間を連結させて、骨材の移動を抑制し、施工後の舗装面の耐久性を向上させる。
耐わだち性を向上させるためには、アスファルト中の重質成分であるアスファルテンとポリエステルが相溶した状態、すなわち複合体を形成した状態で骨材へ吸着し、骨材とアスファルトの界面強度を上げることが重要であると考えられる。したがって、アスファルテン−ポリエステル複合体が多く存在するほど、耐わだち性は向上する。
金属元素にはアスファルト中のアスファルテン量を増加させる作用があるため、金属元素を添加することでポリエステルと複合体を形成し得るアスファルテンの量が増加すると考えられる。その結果、金属元素を添加しない場合と比べてより多くのアスファルテン―ポリエステル複合体が形成され、骨材に吸着すると推測される。結果として、アスファルテン−ポリエステル−細骨材の複合体も形成されやすくなると考えられる。そのため、当該複合体が粗骨材間をより強固に連結させて、骨材の移動を抑制し、施工後の舗装面の耐久性を一層向上させると考えられる。
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
「バインダ混合物」とは、アスファルトと熱可塑性エラストマーとを含む混合物を意味し、例えば、後述の熱可塑性エラストマーで改質されたアスファルト(以下、「改質アスファルト」ともいう)を含む概念である。
ポリエステル中、「アルコール成分由来の構成単位」とは、アルコール成分の水酸基から水素原子を除いた構造を意味し、「カルボン酸成分由来の構成単位」とは、カルボン酸成分のカルボキシル基から水酸基を除いた構造を意味する。
「カルボン酸化合物」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。カルボン酸化合物がカルボン酸のアルキルエステルである場合、カルボン酸化合物の炭素数には、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を算入しない。
〔アスファルト〕
アスファルトとしては、例えば、種々のアスファルトが使用できる。例えば舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトの他、改質アスファルトが挙げられる。改質アスファルトとしては、ブローンアスファルト;熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等の高分子材料で改質したアスファルト等が挙げられる。ストレートアスファルトとは、原油を常圧蒸留装置、減圧蒸留装置等で処理して得られる残留瀝青物質を意味する。また、ブローンアスファルトとは、ストレートアスファルトと重質油との混合物を加熱し、その後空気を吹き込んで酸化させることによって得られるアスファルトを意味する。耐久性の観点からは、改質アスファルトが好ましい。
本発明では、施工後の舗装面の耐久性を向上させる観点から、アスファルト中のアスファルテン含有量が、アスファルト100質量%中、好ましくは18質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、耐ひび割れ性の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは38質量%以下、更に好ましくは36質量%以下ある。
なお、アスファルト中のアスファルテン含有量は、石油学会規格JPI−5S−22−83「アスファルテンのカラムクロマトグラフィーによる組成分析法」により測定した値である。
アスファルト組成物中のアスファルトの含有量は、アスファルト組成物100質量%中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、更により好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97質量%以下である。
〔金属元素〕
アスファルト組成物中に含有する金属元素は、施工後の舗装面の耐久性をより向上させる観点から、遷移金属酸化物に由来する金属成分であることが好ましいが、アスファルト中のアスファルテンに含まれる天然由来の金属成分であってもよい。
(金属元素の含有量)
アスファルト組成物中の金属元素の含有量は、施工後の舗装面の耐久性を向上させる観点から、アスファルト組成物100質量%中、0.05質量%以上であり、好ましくは0.07質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、そして、コストを低減させる観点及び耐ひび割れ性の観点から、1質量%以下であり、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である。
なお、アスファルト組成物中の金属元素の含有量は、ICP発光分光分析装置(Agilent社製、製品名「Agilent 5110 ICP−OES」)により測定した値である。
(遷移金属酸化物)
遷移金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛等の第一遷移金属酸化物;酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化銀等の第二遷移金属酸化物;等が挙げられる。
これらの中でも、施工後の舗装面の耐久性をより向上させる効果が高いことから、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化鉄、及び酸化ニッケルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(遷移金属酸化物の含有量)
遷移金属酸化物の含有量は、施工後の舗装面の耐久性を向上させる観点から、アスファルト100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.07質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上であり、そして、コストを低減させる観点及び耐ひび割れ性の観点から、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下、更に好ましくは0.6質量部以下、更により好ましくは0.4質量部以下である。
〔ポリエステル〕
ポリエステルは、施工後の舗装面の耐久性をより向上させる観点から、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を60モル%以上含むアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含むことが好ましい。また、ポリエステルは、耐久性をより向上させる観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を、カルボン酸成分中50モル%以上含むことが好ましい。
<アルコール成分>
アルコール成分としては、例えば、ジオール、3価以上8価以下の多価アルコールが挙げられる。ジオールとしては、脂肪族ジオール、芳香族ジオールが挙げられる。これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、炭素数2以上20以下の脂肪族ジオールである。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブテンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
3価以上の多価アルコールは、例えば、3価アルコールである。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリンが挙げられる。
アルコール成分は、優れた耐久性を得る観点から、好ましくは、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を含み、より好ましくは式(I):
Figure 2020090618

〔式中、OR1及びR1Oはアルキレンオキシドであり、R1は炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す正の数を示し、xとyの和は好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上であり、そして、好ましくは16以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。〕
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を含む。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を60モル%以上含むアルコール成分由来の構成単位を含むポリエステルは、アスファルトが熱可塑性エラストマーで改質されたアスファルトである場合に、施工後の舗装面の耐久性を更に向上させることができ、好ましい。特に熱可塑性エラストマーの中では、後述のSBSやSBRがこの効果を発現しやすい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕のプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物及びビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の組合せが好ましい。
アルコール成分中におけるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の量は、アスファルトへの溶融分散性を高め、優れた耐久性を得る観点から、アルコール成分100モル%中、好ましくは65モル%以上、より好ましくは80モル%以上であり、そして、100モル%以下である。
アルコール成分中におけるビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物/ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のモル比率は、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上であり、そして、アスファルトへの溶融分散性をより高め、優れた耐久性を得る観点から、好ましくは50/50以下、より好ましくは40/60以下、更に好ましくは30/70以下である。
<カルボン酸成分>
カルボン酸成分としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸化合物、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上6価以下の多価カルボン酸化合物が挙げられる。これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジカルボン酸の主鎖の炭素数は、耐久性をより向上させる観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、炭素数1以上20以下のアルキル基若しくは炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸、又は、これらの無水物、これらのアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)が挙げられる。置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。以上の脂肪族ジカルボン酸化合物の中でも、フマル酸、マレイン酸及びアジピン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アジピン酸がより好ましい。
カルボン酸成分中における脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、ポリエステルの可撓性を上げて耐久性をより向上させる観点から、カルボン酸成分100モル%中、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、そして、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下である。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又は、これらの無水物、これらのアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)が挙げられる。以上の芳香族ジカルボン酸化合物の中でも、テレフタル酸及びイソフタル酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、耐久性をより向上させる観点から、テレフタル酸がより好ましい。
カルボン酸成分中における芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、優れた耐久性を得る観点から、カルボン酸成分100モル%中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは70モル%以上であり、そして、好ましくは99モル%以下、より好ましくは95モル%以下、更に好ましくは90モル%以下である。
(アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比)
アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比〔カルボン酸成分/アルコール成分〕は、酸価の調整の観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下である。
(ポリエステルの物性)
ポリエステルの軟化点は、耐久性を得る観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、そして、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは125℃以下、更に好ましくは120℃以下、更に好ましくは115℃以下である。
ポリエステルの酸価は、骨材への吸着を促進し、耐久性をより向上させる観点から、好ましくは2mgKOH/g以上、より好ましくは3mgKOH/g以上、更に好ましくは5mgKOH/g以上であり、そして、舗装面の耐水性を高める観点から、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは20mgKOH/g以下、より好ましくは18mgKOH/g以下である。
ポリエステルの水酸基価は、耐久性をより向上させる観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは2mgKOH/g以上、更に好ましくは5mgKOH/g以上、更に好ましくは10mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは70mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下、更に好ましくは20mgKOH/g以下、更に好ましくは20mgKOH/g未満、更に好ましくは18mgKOH/g以下である。
ポリエステルのガラス転移点は、耐久性を得る観点、及び、高温における耐流動性を向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上であり、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
軟化点、酸価、水酸基価、及びガラス転移点は、実施例に記載の方法により測定することができる。なお、軟化点、酸価、水酸基価、及びガラス転移点は、原料モノマー組成、分子量、触媒量又は反応条件により調整することができる。
(ポリエステルの製造方法)
ポリエステルの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上述したアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合することにより製造することができる。
重縮合反応の温度は、特に限定されるものではないが、反応性の観点から、好ましくは160℃以上260℃以下である。
重縮合反応には、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)等のSn−C結合を有していない錫(II)化合物を触媒として、アルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下、用いてもよい。
重縮合反応には、触媒に加えて、没食子酸等のピロガロール化合物をエステル化触媒として、アルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、そして、好ましくは0.15質量部以下、より好ましくは0.10質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下、用いてもよい。
(ポリエステルの含有量)
アスファルト組成物におけるポリエステルの含有量は、耐久性を向上させる観点から、アスファルト100質量部に対して、0.5質量部以上であり、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上であり、そして、コストを低減させる観点及び耐ひび割れ性の観点から、50質量部以下であり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
〔熱可塑性エラストマー〕
アスファルト組成物は、熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。アスファルト及び熱可塑性エラストマーは、これらの混合物であるバインダ混合物として使用されることが好ましい。バインダ混合物としては、熱可塑性エラストマーで改質されたストレートアスファルト(改質アスファルト)等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン/ブタジエンブロック共重合体(以下、単に「SB」ともいう)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(以下、単に「SBS」ともいう)、スチレン/ブタジエンランダム共重合体(以下、単に「SBR」ともいう)、スチレン/イソプレンブロック共重合体(以下、単に「SI」ともいう)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(以下、単に「SIS」ともいう)、スチレン/イソプレンランダム共重合体(以下、単に「SIR」ともいう)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、及びエチレン/アクリル酸エステル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
エチレン/アクリル酸エステル共重合体の市販品としては、例えば、「Elvaroy」(デュポン社製)が挙げられる。
これらの熱可塑性エラストマーの中でも、耐久性をより向上させる観点から、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、及びスチレン/イソプレンランダム共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、スチレン/ブタジエンランダム共重合体及びスチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
アスファルト組成物中の熱可塑性エラストマーの含有量は、耐久性をより向上させる観点から、アスファルト組成物100質量%中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
アスファルト組成物において、熱可塑性エラストマーの比率は、耐久性をより向上させる観点から、アスファルト100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
〔分散剤〕
アスファルト組成物は、分散剤を含んでいてもよい。
分散剤は、アスファルトに溶解するものであり、且つポリエステルとの親和性があるものが好ましい。
分散剤としては、例えば、高分子分散剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の界面活性剤等を挙げることができる。
高分子分散剤としては、例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
分散剤は、高温保管安定性を向上させる観点から、好ましくは高分子分散剤である。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。ポリマー種にもよるが、重量平均分子量としては、好ましくは2,000以上、より好ましくは4,000以上であり、そして、好ましくは80,000以下、より好ましくは40,000以下である。
分散剤は、好ましくは塩基性官能基を有する。塩基性官能基とは、共役酸のpKaが−3以上となるような基を意味する。塩基性官能基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、4級アンモニウム基が挙げられる。
分散剤の塩基価は、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上、更に好ましくは30mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは150mgKOH/g以下、より好ましくは120mgKOH/g以下、更に好ましくは100mgKOH/g以下である。塩基価の測定方法は、JIS K7237:1995に規定の方法により測定する。
市販の分散剤としては、例えば、「ディスパー」シリーズの「byk−101」、「byk−130」、「byk−161」、「byk−162」、「byk−170」、「byk−2020」、「byk−2164」、「byk−LPN21324」(以上、ビックケミー(BYK)社製);「ソルスパース」シリーズの「9000」、「11200」、「13240」、「13650」、「13940」、「17000」、「18000」、「24000」、「28000」、「32000」、「38500」、「71000」(以上、ルブリゾール社製);「アジスパー」シリーズの「PB821」、「PB822」、「PB880」、「PB881」(以上、味の素ファインテクノ株式会社製);「エフカ」シリーズの「46」、「47」、「48」、「49」、「4010」、「4047」、「4050」、「4165」、「5010」(以上、BASF社製);「フローレンTG−710」(共栄社化学株式会社製);「TAMN−15」(日光ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
分散剤の含有量は、ポリエステル100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上であり、そして、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
〔舗装用アスファルト混合物及び舗装体〕
本発明の実施形態に係る舗装用アスファルト混合物(以下、単に「アスファルト混合物」ともいう)は、前述のアスファルト組成物、及び骨材を含有する。更に、本発明の実施形態に係る舗装体は、アスファルト混合物で舗装してなる。
アスファルト混合物中のアスファルト組成物の含有量は、耐久性をより向上させる観点から、アスファルト混合物100質量%中、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
〔骨材〕
骨材としては、例えば、砕石、玉石、砂利、砂、再生骨材、セラミックス等を任意に選択して用いることができる。また、骨材としては、粒径2.36mm以上の粗骨材、粒径2.36mm未満の細骨材のいずれも使用することができる。
粗骨材としては、例えば、粒径範囲2.36mm以上4.75mm以下の砕石、粒径範囲4.75mm以上12.5mm以下の砕石、粒径範囲12.5mm以上19mm以下の砕石、粒径範囲19mm以上31.5mm以下の砕石が挙げられる。
細骨材は、好ましくは粒径0.075mm以上2.36mm未満の細骨材である。細骨材としては、例えば、川砂、丘砂、山砂、海砂、砕砂、細砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、人工砂、ガラスカレット、鋳物砂、再生骨材破砕砂が挙げられる。
上記の粒径はJIS A5001:1995に規定される値である。
これらの中でも、粗骨材と細骨材との組合せが好ましい。
なお、細骨材には、粒径0.075mm未満のフィラー(例えば、砂)が含まれていてもよい。フィラーとしては、砂、フライアッシュ、炭酸カルシウム、消石灰等が挙げられる。このうち、乾燥強度向上の観点から、炭酸カルシウムが好ましい。
フィラーの平均粒径は、乾燥強度向上の観点から、好ましくは0.001mm以上であり、そして、好ましくは0.05mm以下、より好ましくは0.03mm以下、更に好ましくは0.02mm以下である。フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。ここで、平均粒径とは、体積累積50%の平均粒径を意味する。
〔フィラー平均粒径の測定方法〕
フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)を用い、以下に示す条件で測定した値である。
・測定方法:フロー法
・分散媒:エタノール
・試料調製:2mg/100mL
・分散方法:撹拌、内蔵超音波1分
粗骨材と細骨材との質量比率は、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、更に好ましくは30/70以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、更に好ましくは70/30以下である。
アスファルト混合物における好適な配合例は、以下のとおりである。
(1)一例のアスファルト混合物は、例えば、30容量%以上45容量%未満の粗骨材と、30容量%以上50容量%以下の細骨材と、5容量%以上10容量%以下のアスファルト組成物とを含む(細粒度アスファルト)。
(2)一例のアスファルト混合物は、例えば、45容量%以上70容量%未満の粗骨材と、20容量%以45容量%以下の細骨材と、3容量%以上10容量%以下のアスファルト組成物とを含む(密粒度アスファルト)。
(3)一例のアスファルト混合物は、例えば、70容量%以上80容量%以下の粗骨材と、10容量%以上20容量%以下の細骨材と、3容量%以上10容量%以下のアスファルト組成物とを含む(ポーラスアスファルト)。
アスファルト混合物には、更に必要に応じて、その他の成分を配合してもよい。
なお、従来の骨材とアスファルトを含むアスファルト混合物におけるアスファルトの配合割合については、通常、社団法人日本道路協会発行の「舗装設計施工指針」に記載されている「アスファルト組成物の配合設計」から求められる最適アスファルト量に準じて用いられている。
本明細書においては、上記の最適アスファルト量が、アスファルト、熱可塑性エラストマー、金属元素、及びポリエステルの合計量に相当する。したがって、通常、前記最適アスファルト量を、アスファルト、熱可塑性エラストマー、金属元素、及びポリエステルの合計配合量とすることが好ましい。
ただし、「舗装設計施工指針」に記載の方法に限定する必要はなく、他の方法によって決定してもよい。
樹脂等の各物性値については次の方法により測定、評価した。
[測定方法]
〔ポリエステルの酸価及び水酸基価〕
ポリエステルの酸価及び水酸基価は、JIS K0070:1992の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070:1992の規定のエタノールとエーテルとの混合溶媒から、アセトンとトルエンとの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔ポリエステルの軟化点及びガラス転移点〕
(1)軟化点
フローテスター「CFT−500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計「Q−100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に昇温速度10℃/分で150℃まで昇温しながら測定した。吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とした。
〔アスファルト中のアスファルテン含有量〕
アスファルト中のアスファルテン含有量は、石油学会規格JPI−5S−22−83「アスファルテンのカラムクロマトグラフィーによる組成分析法」により測定した。
〔アスファルト組成物中の金属元素含有量〕
アスファルト組成物中の金属元素の含有量は、ICP発光分光分析装置(Agilent社製、製品名「Agilent 5110 ICP−OES」)により測定した。
製造例1
(ポリエステル樹脂(A1)の製造)
表1に示すポリエステルのアルコール成分と、テレフタル酸を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)20g及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後7時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステル樹脂(A1)を得た。
Figure 2020090618
実施例1
バインダ混合物として、180℃に加熱したSBS 2〜3質量%含有改質アスファルト(アメリカ Ergon Asphalt & Emulsions社製、アスファルト中のアスファルテン濃度:22質量%)700gを3Lのステンレス容器に入れて100rpmで撹拌し、遷移金属酸化物である五酸化バナジウム(V)(富士フイルム和光純薬株式会社製、製品名「酸化バナジウム(V)」、アスファルト100質量部に対して0.2質量部)1.4g、及び前述した製造例1で得られたポリエステル樹脂(A1)(アスファルト100質量部に対して3質量部)21gを徐々に添加し、500rpmにて2時間撹拌し、アスファルト組成物(AS−1)を作製した。
なお、アスファルト組成物(AS−1)100質量%中の金属元素の含有量は、0.14質量%であった。
次に180℃に加熱した骨材(骨材の組成は以下を参照)11kgをアスファルト用混合機に入れ、180℃にて60秒間混合した。
次いで前記アスファルト組成物(AS−1)621gを加え、アスファルト用混合機にて2分間混合した。得られたアスファルト混合物を180℃で2時間保管後、300×300×50cmの型枠に充填し、ローラーコンパクター(株式会社岩田工業所製)を用い、温度150℃、荷重0.44kPaにて25回転圧処理を行い、供試体を作成した。
<骨材の組成>
6号砕石 50.9質量部
砕砂1 10.4質量部
砕砂2 22.1質量部
細砂 10.4質量部
石粉 6.2質量部
通過質量%:
ふるい目 15 mm: 100 質量%
ふるい目 10 mm: 85.6質量%
ふるい目 5 mm: 49.7質量%
ふるい目 2.5 mm: 44.6質量%
ふるい目 1.2 mm: 31.6質量%
ふるい目 0.6 mm: 21.3質量%
ふるい目 0.3 mm: 12.7質量%
ふるい目 0.15mm: 7.1質量%
比較例1
実施例1において、前述した製造例1で得られたポリエステル樹脂(A1)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、アスファルト組成物(AS−C1)を得た。
なお、アスファルト組成物(AS−C1)100質量%中の金属元素の含有量は、0.14質量%であった。
実施例1において、アスファルト組成物(AS−1)621gをアスファルト組成物(AS−C1)603gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、供試体を得た。
比較例2
実施例1において、遷移金属酸化物である五酸化バナジウム(V)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、アスファルト組成物(AS−C2)を得た。
なお、アスファルト組成物(AS−C2)100質量%中の金属元素の含有量は、0.03質量%であった。
実施例1において、アスファルト組成物(AS−1)をアスファルト組成物(AS−C2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、供試体を得た。
比較例3
実施例1において、遷移金属酸化物である五酸化バナジウム(V)、及び前述した製造例1で得られたポリエステル樹脂(A1)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、アスファルト組成物(AS−C3)を得た。
なお、アスファルト組成物(AS−C3)100質量%中の金属元素の含有量は、0.03質量%であった。
実施例1において、アスファルト組成物(AS−1)をアスファルト組成物(AS−C3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、供試体を得た。
[評価]
〔耐久性〕
60℃恒温室にて60℃に設定した温水に前記供試体を浸漬し、株式会社岩田工業所製ホイールトラッキング試験機(荷重1370N、鉄輪幅47mm、線圧291.5N/cm)を用いて、速度15回/分にて供試体上に車輪を往復させ、通過回数2,500回時の変位量を測定した。その他の測定条件は、社団法人日本道路協会出版の「舗装調査・試験法便覧」に記載される「B003ホイールトラッキング試験」に準じた。結果を表2に示す。
Figure 2020090618
実施例1及び比較例1〜3の対比から、アスファルト組成物が金属元素及びポリエステルをそれぞれ所定量含有することで、施工後の舗装面の耐久性に優れ、轍掘れを抑制できることが分かる。
一方、アスファルト組成物が金属元素のみ所定量含有する比較例1では、施工後の舗装面の耐久性や轍掘れの抑制効果は実施例1の半分程度であった。
また、アスファルト組成物がポリエステルのみ所定量含有する比較例2では、施工後の舗装面の耐久性や轍掘れの抑制効果は実施例1の半分程度であった。

Claims (7)

  1. アスファルト、金属元素、及びポリエステルを含有するアスファルト組成物であって、
    前記アスファルト組成物100質量%中の金属元素の含有量が、0.05質量%以上1質量%以下であり、
    前記ポリエステルの含有量が、前記アスファルト100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下である、アスファルト組成物。
  2. 前記金属元素が遷移金属酸化物に由来する成分である、請求項1に記載のアスファルト組成物。
  3. 前記遷移金属酸化物が酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化鉄、及び酸化ニッケルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載のアスファルト組成物。
  4. 前記遷移金属酸化物の含有量が、前記アスファルト100質量部に対して0.05質量部以上1質量部以下である、請求項2又は3に記載のアスファルト組成物。
  5. さらに熱可塑性エラストマーを含有し、
    前記熱可塑性エラストマーの含有量が、前記アスファルト100質量部に対して1質量部以上10質量部以下である、請求項1〜4のいずれか1つに記載のアスファルト組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のアスファルト組成物と骨材とを含有する、舗装用アスファルト混合物。
  7. 請求項6に記載の舗装用アスファルト混合物で舗装してなる、舗装体。
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