JP2006022159A - 改質アスファルト添加剤 - Google Patents

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Yuichi Honma
祐一 本間
Hideki Yanagi
秀樹 柳
Tatsuya Ito
達也 伊藤
Hidemi Oki
秀実 黄木
Ryotaro Onodera
陵太郎 小野寺
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Abstract

【課題】 アスファルトと熱可塑性エラストマーからなる改質アスファルトの製造時間を短縮し、良好な相分離抑制効果を備え、硫化水素の発生のない改質アスファルト用添加剤を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)で表される化合物(A)を含有する改質アスファルト添加剤。
【化1】
Figure 2006022159

(式中、Rは炭素数2〜22の飽和の直鎖炭化水素基、nは1〜3の数、pは0又は1、Meは鉄、バナジウム、ニッケル、銅、コバルト、亜鉛から選ばれる金属原子である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、アスファルトと改質材の相容均一性が良好で、相分離抑制効果に優れた改質アスファルト添加剤、改質アスファルト組成物、改質アスファルト組成物の製造方法等に
に関する。
道路舗装には、施工後の養生期間の長いコンクリート舗装に代わって、所定粒度の砕石等の骨材を混合したアスファルト混合物を使用するアスファルト舗装が多用されている。しかし、アスファルトは、その粘度が温度により大きく変化するため、アスファルトに改質材を混入して、アスファルトの粘度等で示される粘弾性状の温度依存性を小さくしたり、軟化温度を高くしたり、あるいは耐摩耗性及び耐流動性を向上させたりして、アスファルトの諸物性の改善を図ることが行われている。
改質材としては、耐摩耗性、耐流動性等を改善するために、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)や、クロロプレンゴム(CR)等のゴム、あるいは、スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)等の熱可塑性エラストマーが使用されている。しかしながら、アスファルトと改質材(ゴムや熱可塑性エラストマー)は、互いの物性が異なるため、改質アスファルトでは、両者の相容均一性及び相分離が問題となる。
従来、改質アスファルトの製造は、SBSと相容性の悪いアスファルトを使用した場合、200℃で攪拌しても8時間以上の製造時間が必要であった。製造時間を短縮すると相容せず不均一となり、保存時の相分離が生じてしまい目的とした舗装体の強度が得られない。
製造時間を短縮しながら、相容均一性を良好にし保存時の相分離や物性変化を防止する方策として、改質材とアスファルトとの相互の溶解性、親和性の良好な組合せを指標として実験的に探索し、その配合組合せに対して相分離の良否をみて改質材とアスファルトの組合せを決定していたが、この方法では、配合設計の自由度が制限され、作業の面でも繁雑である。
このような背景から、種々の添加剤が提案されている。例えば、特許文献1には、硫黄と特定構造のポリスルフィドを添加する方法が開示されている。特許文献2には、相分離を抑制するために、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを使用した道路舗装用改質アスファルトが開示されている。特許文献3には、特定物性の相溶化剤と相分離抑制剤とを併用することにより、SBSの高混合領域での相分離抑制効果に優れた道路舗装用改質アスファルトが得られることが開示されている。
特許第2731442号公報 特許第2968961号公報 特許第3068079号公報
特許文献1は、硫黄元素を加熱したアスファルト中に添加するため、熱により硫化水素が発生するという作業安全上の問題がある。また、特許文献2、3は、これらの技術は硫黄を添加した場合ほどの効果は得られていない。
本発明の課題は、改質材とアスファルトとの相容性を向上させることで改質アスファルトの製造時間の短縮と貯蔵時の相分離を抑制できる、作業安全性も高い改質アスファルト添加剤、及び改質アスファルト添加剤キットを提供することである。
本発明の他の課題は、上記の改質アスファルト添加剤とを含有する改質アスファルト組成物、その製造方法を提供することである。
本発明の更に他の課題は、上記の改質アスファルト組成物と骨材とを含有する道路舗装用混合物、その道路舗装用混合物で舗装してなる舗装体を提供することである。
従来、改質アスファルトは、アスファルトと、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン トリブロックポリマー)に代表される改質材とを高温攪拌することで、強制的に相容させている。
本発明者は、改質アスファルトの製造開始から終了までのSBS等の改質材の状態を詳細に検討した結果、SBS等の改質材を低分子化することが、SBS等の改質材とアスファルトの相容性を高める上で効果的であることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、課題の解決手段として、下記一般式(I)で表される化合物(A)を含有する改質アスファルト添加剤、及び更に有機過酸化物(B)を含有する改質アスファルト添加剤キットを提供する。
Figure 2006022159
(式中、Rは炭素数2〜22の飽和の直鎖炭化水素基、nは1〜3の数、pは0又は1、Meは鉄、バナジウム、ニッケル、銅、コバルト、亜鉛から選ばれる金属原子である。)
本発明は、他の課題の解決手段として、アスファルト、ゴム及び/又は熱可塑性エラストマー、並びに請求項1〜4のいずれかに記載の改質アスファルト添加剤を含有する改質アスファルト組成物と、その製造方法を提供する。
本発明は、更に他の課題の解決手段として、上記の改質アスファルト組成物と骨材とを含有する道路舗装用混合物、及びそれを用いて舗装してなる舗装体を提供する。
本発明における改質アスファルト添加剤キットとは、予め同一又は異なるキット(容器)内に化合物(A)と(B)を分離保存しておき、使用時に別々に添加使用するものが含まれるがそれだけには限定されず、化合物(A)と有機過酸化物(B)を併用する場合において、化合物(A)と有機過酸化物(B)が、別々に添加使用できる状態に維持されている場合を全て含むものである。
本発明の改質アスファルト組成物では、改質アスファルト添加剤中の化合物(A)が、アスファルト中に分散させたSBS等の改質材を選択的に低分子化させる酸化触媒として作用するものと推定される。このため、改質材であるゴム及び/又は熱可塑性エラストマーのアスファルトに対する相溶性が高められ、その結果、改質アスファルト組成物の製造時間を大幅に短縮することができ、しかも得られた組成物は、相分離が格段に抑制されるため、物性の経時変化がなく保存安定性に優れている。
<改質アスファルト添加剤>
改質アスファルト添加剤は、一般式(I)で表される化合物(A)を含有するものである。
化合物(A)において、Rは炭素数2〜22の飽和の直鎖炭化水素基で、製造時間短縮の観点から炭素数7〜21のものが好ましく、炭素数9〜17のものがより好ましく、炭素数17のものが特に好ましい。nは1〜3で金属原子の価数と一致する数であり、pは0か1の数である。
化合物(A)の金属原子は、鉄、バナジウム、ニッケル、銅、コバルト、亜鉛から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができ、SBS等の改質材に対する酸化能に優れている点から、鉄、バナジウムが好ましい。
化合物(A)は、SBS等の改質材を選択的に低分子化させる酸化触媒としての作用の点から、Rが上記の定義で、Meが鉄、nが3、pが0のものであるか、又はRが上記の定義で、Meがバナジウム、nが2、pが1のものが好ましい。
改質アスファルト添加剤は、酸化触媒としての作用促進の観点から、原料として化合物(A)と有機過酸化物(B)を併用することができる。
改質アスファルト添加剤をアスファルトに添加する際には、化合物(A)と有機過酸化物(B)との混合物を添加する方法、又は化合物(A)と有機過酸化物(B)を別々に(同時に又は前後して)添加する方法のいずれも適用できる。これらの中でも、化合物(A)と有機過酸化物(B)は反応性を有するため、化合物(A)と有機過酸化物(B)を別々に時間を前後して添加する方法が好ましい。
化合物(A)と有機過酸化物(B)を別々に時間を前後して添加する方法としては、下記の方法(以下、下記の方法を「時間差添加法」と称する)が好ましい。
例えば、常温のプロセスオイルに有機過酸化物(B)を少量ずつ添加し、有機過酸化物(B)入りプロセスオイルを調製する。この有機過酸化物(B)入りプロセスオイルを先にアスファルトと混合しておき、化合物(A)は、ゴム、その他の添加剤と共に所定温度(約100〜300℃)で添加する。
有機過酸化物(B)としては、ジクミルパーオキサイド、2,5ジメチル2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5ジメチル2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。特に、ジクミルパーオキサイドや2,5ジメチル2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が、相分離抑制の点で好ましい。
有機過酸化物(B)は、アスファルト100質量部に対して、0.001〜1質量部、更に0.005〜0.7質量部、特に0.01〜0.5質量部の比率で用いられることが、相分離抑制の点で好ましい。効果の発現の点から0.001質量部以上が好ましく、最終アスファルトの物性の点から1質量部以下が好ましい。
化合物(A)は、アスファルト100質量部に対して、0.01〜10質量部、更に0.1〜7質量部、特に0.5〜5質量部の比率で用いられることが、製造時間短縮の点で好ましい。効果の発現の点から0.01質量部以上が好ましく、最終アスファルトの物性の点から10質量部以下が好ましい。
改質アスファルト添加剤の原料として化合物(A)と有機過酸化物(B)を併用する場合には、それぞれが上記したアスファルトに対する使用量になるように配合するが、化合物(A)と有機過酸化物(B)の質量比〔(A)/(B)〕は、100/0.1〜0.1/100が好ましく、100/1〜1/100がより好ましく、100/10〜10/100が更に好ましい。
<改質アスファルト添加剤キット>
改質アスファルト添加剤キットは、改質アスファルト添加剤を化合物(A)と有機過酸化物(B)の併用系にする場合において、化合物(A)と有機過酸化物(B)を別々に時間差をおいてアスファルトに添加使用できる状態に維持する(即ち、アスファルトへの添加前に化合物(A)と有機過酸化物(B)が接触しないように維持する)ことで、添加前における化合物(A)と有機過酸化物(B)の反応を防止したものである。
改質アスファルト添加剤キット及びその使用例としては、同一の容器内において化合物(A)と有機過酸化物(B)を分離保存しておき、使用時に別々に時間差をおいて添加する場合、異なる容器内において化合物(A)と有機過酸化物(B)を保存しておき、使用時に別々に時間差をおいて添加する場合、化合物(A)と有機過酸化物(B)が反応しないような状態で保存しておき、使用時に別々に時間差をおいて添加する場合〔例えば、有機過酸化物(B)を石油系配合油(プロセスオイル等)に混合して保存する)等が挙げられるほか、同等の効果が得られる他の方法が挙げられる。
<改質アスファルト組成物>
本発明の改質アスファルト組成物は、アスファルトと、改質材としてのゴム及び/又は熱可塑性エラストマーと、改質アスファルト添加剤とを含有するものである。
(アスファルト)
アスファルトとしては、レーキアスファルト等の天然アスファルト、カットバックアスファルト、石油タール、ピッチ、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱瀝アスファルト(例えば、プロパン脱瀝アスファルト)等の石油アスファルトが挙げられ、これらのアスファルトは単独で使用しても、2種以上を混合しても良い。
さらに、石油系配合油と粘着付与剤樹脂類を、アスファルトに任意の割合で添加しても良い。
石油系配合油はプロセスオイルとも呼ばれ、芳香族炭素数が全炭素数の35質量%以上である芳香族系、ナフテン環炭素数が全炭素数の30〜45質量%であるナフテン系、及びパラフィン側鎖炭素数が全炭素数の50質量%以上であるパラフィン系等があり、本発明においては、これらのうちの1種又は2種以上を適宜使用できる。
石油系配合油の代わりに潤滑油を使用しても良く、また、両者を併用しても良い。両者を併用する場合は、その合計量が所定の量であれば良い。
潤滑油としては、石油系潤滑油、合成潤滑油、脂肪油等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が適宜使用できるが、合成潤滑油を用いるのが特に好ましい。
石油系潤滑油とは、原油の常圧蒸留の蒸留残油として得られる沸点およそ30℃以上の重油を、真空蒸留によって各種流出油に分け、それぞれに、例えば、脱ロウ、硫酸処理、溶剤抽出、脱アスファルト、白土処理等の適当な精製処理を行い、最終製品に仕上げたものである。
合成潤滑油とは、有機合成法によって製造される潤滑油で、一般に用途によって区分けされ、例えば、スピンドル油、コンプレッサ油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、エンジン油、ジェットエンジン油、作動油等が挙げられる。
脂肪油とは、主として石油系潤滑油に混合し、混成油として油性又は乳化性を必要とする用途に使用されるものである。
粘着付与剤樹脂類としては、天然系樹脂及び合成系樹脂のいずれをも使用することができるが、天然系樹脂ではテルペン樹脂、合成系樹脂では石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂等の重合系樹脂を使用するのが良い。
石油樹脂としては、ナフサ分解生成物の蒸留により分離される沸点が20〜60℃の留分(C5留分)を主成分とする脂肪族系(C5系)石油樹脂、同じくナフサ分解生成物の蒸留により分離される沸点が160〜260℃の留分(C9留分)を主成分とする芳香族系(C9系)石油樹脂、これらC5系及びC9系石油樹脂を共重合させた脂肪族/芳香族共重合系(C5/C9系)石油樹脂、主としてナフサ分解生成物の蒸留により分離される高純度のジシクロペンタジエンを主成分とする脂環族系(DCPD系)石油樹脂テルペン類とフェノール類を共重合させたテルペンフェノール樹脂等があり、そのほかに天然ワックス,合成ワックス,配合ワックス等の石油系,石炭系及びポリマー系の各種のワックス類も同様に使用することができる。
これらには、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、スラックワックス、フィシャートロプッシュワックス、カスターワックス、水素化ワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等があり、本発明においてはこれらのうちの1種又は種以上を混合して使用できる。
(改質材)
ゴムとしては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴムが、耐摩耗性や耐熱性の点で好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエンブロック共重合物、スチレン−イソプレンブロック共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−エチルアクリレートの共重合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンの単独重合物又はこれらを組み合わせた共重合物等が挙げられる。特に、スチレン−ブタジエンブロック共重合物、スチレン−イソプレンブロック共重合物が、耐摩耗性や耐熱性の点で好ましい。
改質材(ゴム及び/又は熱可塑性エラストマー)は、合計で、アスファルト100質量部に対して、0.1〜25質量部、更に1〜20質量部、特に3〜15質量部の比率で用いられることが、耐摩耗性及び耐流動性を向上させる点で好ましい。
本発明の組成物では、改質アスファルト添加剤(化合物(A)を含み、有機過酸化物(B)を含まない)の添加による相容性をより向上させる観点から、化合物(A)と共に上記した有機過酸化物(B)を含有させることが好ましい。なお、有機過酸化物(B)は、製造過程において分解するため、最終的に改質アスファルト組成物中には残存しない。
有機過酸化物(B)は、組成物の製造時において、化合物(A)と同時に添加混合しても良いし、化合物(A)とは別々に添加しても良いが、化合物(A)と有機過酸化物(B)は反応するため、それらを別々に時間を前後して添加することが好ましい。また、上記した石油系配合油(プロセスオイル等)に混合したものを配合しても良く、この場合には化合物(A)との反応が抑制されるので添加順序は問わない。有機過酸化物(B)の配合量は、上記した数値範囲と同様である。
本発明の組成物には、本発明の効果を妨げない限り、種々の添加剤を配合することができる。配合する添加剤は特に限定はなく、一般にアスファルトに添加されている添加剤の中から適宣選択できる。
添加剤の具体例としては、石粉、タルク、炭酸カルシウム等のフィラー、消石灰、アミン類、アミド類等の剥離防止剤、メチルセルロース等の繊維質補強材、粘度低下剤、粘度向上剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
<改質アスファルト組成物の製造方法>
次に、本発明の改質アスファルト組成物の製造方法を説明する。この製造方法は、改質アスファルト組成物を道路舗装用に適用する際の製造方法として適している。改質アスファルト組成物の製造方法は、アスファルト、並びにゴム及び/又は熱可塑性エラストマーに改質アスファルト添加剤を添加する工程を含むものであればよく、加熱条件や添加順序は限定されるものではない。以下に好ましい実施形態を示す。
まず、アスファルトを100〜300℃に加熱する。その後、改質アスファルト添加剤〔化合物(A)、又は化合物(A)及び有機過酸化物(B)〕、改質材(ゴム及び/又は熱可塑性エラストマー)、必要に応じて他の添加剤を添加し、ホモミキサー等の通常用いられている混合機で、150〜250℃に加熱し、各成分が均一に分散するまで攪拌混合することにより得られる。その際、化合物(A)、有機過酸化物(B)、改質材であるゴム及び/又は熱可塑性エラストマー、その他の添加剤の添加順序は問わないが、化合物(A)と有機過酸化物(B)は、上記したとおり、別々に添加することが好ましい。
混合時〔化合物(A)と有機過酸化物(B)を添加する場合)には、必要に応じて比較的低温(上記温度範囲内で本混合に比べて低温)で、短時間(約3〜10分間)予備混合した後、比較的高温(上記温度範囲内で予備混合に比べて高温)で、約5〜8時間、本混合する方法を適用しても良い。
<道路舗装用混合物及び舗装体>
本発明の道路舗装用混合物は、耐摩耗性や耐流動性の優れたものであり、改質アスファルト組成物に砕石等の骨材と混合することにより得ることができる。
本発明の道路舗装用混合物を舗設して得られる舗装体は、強度が高いので舗装に高空隙率の排水性舗装及び透水性舗装や、重交通道路舗装に好適である。
実施例1
下記成分を、ホモミキサー(特殊機化工業製 T.K.オートホモミキサーM型)に入れ、160℃、2500rpm/minで5分間混合後、200℃、4000rpm/minで5時間混合し、改質アスファルト組成物を得た。但し、アスファルトは、マントルヒーターで予め160℃で加熱溶融したものを用いた。
アスファルト 100質量部
ゴム 8質量部
石油系配合油 5質量部
添加剤 0.6質量部
ゴム:スチレン・ブタジエンブロック共重合体(ジェイエスアールクレイトンエラストマー社製 D1101CS)
アスファルト:日石三菱石油社製60−80
石油系配合油:日石三菱石油製 コウモレックス
添加剤:ステアリン酸鉄(III)塩(炭素数17,n=3,p=0)
実施例2
下記成分を、ホモミキサー(特殊機化工業製 T.K.オートホモミキサーM型)に入れ、160℃、2500rpm/minで5分間混合後、200℃、4000rpm/minで5時間混合し、改質アスファルト組成物を得た。但し、アスファルトは、マントルヒーターで予め160℃で加熱溶融したものを用いた。
アスファルト 100質量部
ゴム 8質量部
石油系配合油 5質量部
添加剤 0.6質量部
ゴム:スチレン・ブタジエンブロック共重合体(ジェイエスアールクレイトンエラストマー社製 D1101CS)
アスファルト:日石三菱石油社製60−80
石油系配合油:日石三菱石油製 コウモレックス
添加剤:ステアリン酸酸化バナジウム(II)塩(炭素数17,n=2,p=1)
実施例3〜12、比較例2、3
実施例1の添加剤に代えて、表1に示したものを表1の比率で用いた以外は、実施例1と同様にして、改質アスファルト組成物を得た。実施例3、4、10、12は、さらに有機過酸化物を予め常温で石油系配合油に添加したもの使用し、上記した時間差添加法により、改質アスファルト組成物を得た。
比較例1
添加剤を使用しない以外は、実施例1と同様にして、改質アスファルト組成物を得た。
比較例2
200℃、4000rpm/minの5時間混合を7時間にした以外は、比較例1と同様にして、改質アスファルト組成物を得た
比較例3
200℃、4000rpm/minの5時間混合を9時間にした以外は、比較例1と同様にして、改質アスファルト組成物を得た
比較例4〜7
添加剤として表1記載の金属塩を表1の比率で用いた以外は、実施例1と同様にして、改質アスファルト組成物を得た。
<性能評価>
(1)相容性
上記で調製された改質アスファルト組成物を、光学顕微鏡で400倍に拡大し、アスファルトとゴム/熱可塑性エラストマーの粒径を、粒径見本と目視にて比較し、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
ここでいう粒径見本とは、「直径400μm(1μmの400倍)の円を、描画全範囲に対して面積比で1/20になるだけの個数の円を、重ならないようランダムにコンピューターの描画ソフト(Adobe Systems 社製Illustrator)で作成し、印刷したもの。」であり、同様に、直径1200μm(3μmの400倍)の円を描いた粒径見本、直径4000μm(10μmの400倍)の円を描いた粒径見本、の2種類の粒径見本も用意した。
〔評価基準〕
◎:粒径が1μm未満であり、均一な相容性を示すレベル。
○:粒径が1μm以上、3μm未満であり、実用的に充分な相容レベル。
△:粒径が3μm以上10μm未満であり、相容性はやや不足するレベル。
×:粒径が10μm以上であり、相容性は不充分なレベル。
(2)保存性
直径5cm×高さ11cmの缶に上記で調製された改質アスファルト組成物を充填し、160℃で5日間放置した。改質アスファルト組成物を室温にした後、缶ごと上下に切断し、アスファルト組成物を180℃まで加熱してから別の容器に移し、ガラス棒で20回で攪拌した後、それぞれの針入度をJIS K 2207に準拠した方法で測定し、保存性を、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
◎:上下の針入度の差が±1以内であり、良好な保存性を有するレベル。
○:上下の針入度の差が±1超、±3未満であり、保存上、問題はないレベル。
△:上下の針入度の差が±3超、±5未満であり、保存上、問題はないレベル。
×:上下の針入度の差が±5以上であり、保存上、問題が生じるレベル。
Figure 2006022159
以上の結果より、実施例1〜12で得られた改質アスファルト組成物は、混合5時間で良好な相容性を有し、優れた保存性を有していることが確認された。
これに対し、比較例1、2で得られた改質アスファルト組成物は、相容性にも保存性にも劣っていた。比較例3で得られた改質アスファルトは混合9時間で相容性は良好になるが、保存性は劣っていた。さらに比較例4〜7で得られた改質アスファルト組成物は、相容性と保存性ともに劣っていた。
このように本発明の改質アスファルト組成物は、製造時間の短縮により生産性を向上させることができるほか、相分離が抑制され、保存後の物性変化が殆どないため、前記組成物を道路舗装用混合物として使用し、舗設して得られる舗装体の強度を高めることができるようになる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物(A)を含有する改質アスファルト添加剤。
    Figure 2006022159
    (式中、Rは炭素数2〜22の飽和の直鎖炭化水素基、nは1〜3の数、pは0又は1、Meは鉄、バナジウム、ニッケル、銅、コバルト、亜鉛から選ばれる金属原子である。)
  2. 化合物(A)が、Meが鉄、nが3、pが0であるか、又はMeがバナジウム、nが2、pが1である請求項1記載の改質アスファルト添加剤。
  3. 請求項1又は2記載の改質アスファルト添加剤と有機過酸化物(B)を含む改質アスファルト添加剤キット。
  4. アスファルト、ゴム及び/又は熱可塑性エラストマー、並びに請求項1又は2記載の改質アスファルト添加剤、或いは請求項3記載の改質アスファルト添加剤キットを含有する改質アスファルト組成物。
  5. アスファルト、並びにゴム及び/又は熱可塑性エラストマーに、請求項1又は2記載の改質アスファルト添加剤、或いは請求項3記載の改質アスファルト添加剤キットを添加する工程を含む改質アスファルト組成物の製造方法。
  6. 100〜300℃に加熱されたアスファルトに、請求項1又は2記載の改質アスファルト添加剤或いは請求項3記載の改質アスファルト添加剤キットと、ゴム及び/又は熱可塑性エラストマーを添加する改質アスファルト組成物の製造方法。
  7. 請求項3記載の改質アスファルト添加剤キットを用いる改質アスファルト組成物の製造方法であって、改質アスファルト添加剤と有機過酸化物(B)を、一方を先に添加し、他方を後で添加する請求項5又は6記載の改質アスファルト組成物の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法により製造される改質アスファルト組成物。
  9. 請求項4記載の改質アスファルト組成物と骨材とを含有する道路舗装用混合物。
  10. 請求項9記載の道路舗装用混合物で舗装してなる舗装体。


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