JP5221380B2 - 改質アスファルトバインダー組成物の製造方法、改質アスファルトバインダー組成物の形成方法、改質アスファルトバインダー組成物およびアスファルト組成物 - Google Patents

改質アスファルトバインダー組成物の製造方法、改質アスファルトバインダー組成物の形成方法、改質アスファルトバインダー組成物およびアスファルト組成物 Download PDF

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Description

本出願は、2005年12月29日に出願された米国仮出願第60/755,666号、第60/755,670号、第60/755,668号、第60/755,667号及び2006年6月15日に出願された米国仮出願第60/813,950号の利益を主張するものである。
本発明の一以上の実施態様は、五硫化リン及び重合体を用いることで製造された改質アスファルトバインダー組成物、並びに該バインダー組成物を用いて製造されたアスファルト舗装用組成物に向けられている。
アスファルトバインダーと骨材との混合物を含むアスファルト舗装用組成物は、舗装の製造に長く使用されてきた。その舗装での長年に渡る技術上の課題は、極端な温度におけるその挙動であった。即ち、高温では、舗装が軟らかくなり、低温では、舗装が壊れ易い。
極端な温度にて受ける問題を軽減するために、数十年にも渡って添加剤が使用されてきた。例えば、アスファルトバインダー組成物に重合体を加えている。米国特許第4,145,322号は、ビチューメンの機械的性質、特にゴム状弾性を改善するために使用できるエラストマー(例えば、ポリイソプレン、ブチルゴム、SBRゴム)を含む、重合体で改質されたビチューメン組成物を教示する。そして、該ビチューメン組成物に特定のスチレンとジエン単量体とのブロック共重合体を用いることによって、低温でさえ望ましい機械的性質を有する組成物が提供される。
同様に、特開昭51−149312号公報(1976年)は、五酸化リン、ポリリン酸又は五硫化リン等のリン化合物を含む改質アスファルト組成物を教示する。それらのリン化合物はアスファルト中のアスファルテンに結合し、更にそのゲル構造を強化するので、該リン化合物がアスファルトを改質できることが提案されている。それらのリン化合物に関連した分散性や取り扱いの問題を克服するには、該リン化合物を石油組成物と混合し、その混合物をアスファルト組成物に加える。上記石油組成物は、150℃以上の発火点を特徴とし、アスファルテンを0.5〜40%含む。該石油組成物中にリン化合物を0.5〜50重量パーセントの量で含むことができ、改質するためにアスファルトに加えるリン化合物の量は、0.2〜5.0重量パーセントとしてもよい。
米国特許第6,569,351号は、促進剤−ゲル添加剤を重合体及びアスファルトと組み合わせて、200°F〜500°Fの温度にて重合体で改質されたアスファルトを硬化することにより製造された、重合体改質のアスファルト組成物を教示する。上記促進剤−ゲル添加剤は、促進剤2〜75%、プロセスオイル25〜88%、及びクレー0.5〜10%を含む。上記促進剤としては、硫黄、4,4'-ジチオジモルホリン、チアゾール誘導体、ジチオカルボナート、五硫化リン、五酸化リン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、又はそれら加硫剤若しくは促進剤若しくは他の加硫剤若しくは促進剤の組み合わせを挙げることができる。約1〜25%の重合体の濃縮物に、促進剤−ゲル添加剤を加えてもよい。
米国特許第5,990,206号は、アスファルト組成物に用いる重合体とリン化合物との混合物(改質剤組成物)を教示する。上記重合体としては、ゴム系重合体(改質剤)及び/又は樹脂系重合体(改質剤)を挙げることができる。上記リン化合物としては、無水リン酸(P25)、ポリリン酸、オルトリン酸、オキシ塩化リン(POCl3)、三塩化リン(PCl3)及び五硫化リン(P25)を挙げることができる。上記混合物は、リン化合物を約0.1〜約10重量%含有することができ、重合体/リン化合物のブレンド(改質剤組成物)を0.1〜30重量%含有するアスファルト組成物を製造することができる。無機リン化合物は、ゴム系改質剤及び/又は樹脂系改質剤とアスファルト中の高次網状構造(アスファルテン)との間の架橋剤として機能し、アスファルト中のゲル構造を強化するのに有用であると思われる。
米国特許第4,145,322号 特開昭51−149312号公報 米国特許第6,569,351号 米国特許第5,990,206号
本発明の一以上の実施態様は、改質アスファルトバインダー組成物の製造方法を提供するものであり、該方法は、アスファルトバインダー、不飽和重合体及び五硫化リンを混合し、改質アスファルト組成物を形成する工程を含み、前記不飽和重合体の量がアスファルト100重量部当たり0.5〜10重量部であり、前記五硫化リンの量がアスファルト100重量部当たり0.001〜10重量部であり、前記不飽和重合体のビニル含有量が11〜40%であり、前記不飽和重合体のブロックスチレン含有量が10〜50重量%であり、前記不飽和重合体の五硫化リンに対する重量比が、少なくとも0.5:1でかつ8:1未満であり、前記不飽和重合体と五硫化リンの予備混合又は予備ブレンドのいずれかに先立って、該不飽和重合体と五硫化リンを前記アスファルトバインダーに直接添加する。
更に、本発明の一以上の実施態様は、改質アスファルトバインダー組成物の製造方法を提供するものであり、該方法は、アスファルトバインダーに重合体を導入する工程と、アスファルトバインダーに五硫化リンを導入する工程とを含み、ここで、アスファルトに五硫化リンを導入する工程は、5重量%より少ない炭化水素物質を含有する五硫化リン組成物を加える工程を含む。
また更に、本発明の一以上の実施態様は、改質アスファルトバインダー組成物の形成方法を提供するものであり、該方法は、五硫化リン及びアスファルトバインダーを導入して混合することによって五硫化リン−バインダー濃縮物を調製する工程であって、該五硫化リン−バインダー濃縮物がアスファルト100重量部当たり五硫化リンを0.5重量部を超えて含む工程と、不飽和重合体及びアスファルトバインダーを導入して混合することによって不飽和重合体−バインダー濃縮物を調製する工程であって、該不飽和重合体−バインダー濃縮物がアスファルト100重量部当たり不飽和重合体を5重量部を超えて含む工程と、前記五硫化リン−バインダー濃縮物を前記不飽和重合体−バインダー濃縮物と共に導入して混合し、改質アスファルトバインダー組成物を形成する工程とを含み、前記不飽和重合体のビニル含有量が11〜40%であり、前記不飽和重合体のブロックスチレン含有量が10〜50重量%であり、前記不飽和重合体の五硫化リンに対する重量比が、少なくとも0.5:1でかつ8:1未満である
更にまた、本発明の一以上の実施態様は、上記改質アスファルトバインダー組成物の製造方法により得られ、アスファルト、五硫化リン及び不飽和重合体の組み合わせ又は反応生成物を含む改質アスファルトバインダー組成物を提供するものである。
更に、本発明の一以上の実施態様は、上記改質アスファルトバインダー組成物の製造方法により得られ、アスファルト、不飽和重合体、リン源及び硫黄源の反応生成物を含むアスファルト組成物を提供するものであり、ここで、リン源及び硫黄源が、アスファルトと不飽和重合体の成分間に反応性架橋を形成し、前記リン源及び前記硫黄源が五硫化リンを含む。
本発明の一以上の実施態様は、アスファルト舗装用組成物を調製するのに有用な改質アスファルトバインダー組成物の形成方法を提供する。一以上の実施態様においては、アスファルトバインダー、重合体及び五硫化リンを導入して混合することによって、上記改質アスファルトバインダー組成物を形成することができる。該改質アスファルトバインダー組成物を骨材と組み合わせて、アスファルト舗装用組成物を形成することができる。特定の実施態様において、アスファルト舗装用組成物は、舗装を形成することができる。
「アスファルトバインダー」の用語は、当業者によって理解されるものとして使用され、AASHTO M320によって与えられる意味と一致している。アスファルトバインダーを骨材と組み合わせた場合、「アスファルト舗装用組成物」の用語を用いる。本願明細書内で使用されるように、「アスファルト」と「アスファルトバインダー」の用語を同義語として使用することができる。アスファルトバインダーの材料は、天然アスファルト、タールサンドから生産されるロックアスファルト又は石油の精製過程で得られる石油アスファルト等のアスファルト源のいずれかに由来し得る。アスファルトバインダーは、パフォーマンス・グレーデッド・アスファルト・バインダーズを含めて、AASHTO M320やASTM D−6373によって、現在等級分けされたものから選択することができる。他の実施態様においては、アスファルトバインダーが、特定の等級の定義をいずれも満たしていない様々なアスファルトのブレンドを含んでもよい。これは、空気を吹き込んだアスファルト、減圧蒸留されたアスファルト、蒸気蒸留されたアスファルト、カットバックアスファルト又はルーフィングアスファルトが挙げられる。或いは、単独で使用するか又は石油アスファルトと混合される天然又は合成のギルソナイトを選択してもよい。本発明の使用に適した合成アスファルト混合物は、例えば、米国特許第4,437,896号に記載されている。一以上の実施態様においては、アスファルトが、石油由来のアスファルトやアスファルト残留物を含む。それらの組成物は、アスファルテン、樹脂、環状化合物及び飽和化合物を含んでもよい。アスファルトバインダー組成物全体におけるそれら成分の割合は、アスファルト源に基づいて変えることができる。
アスファルテンは、炭素及び水素に加えて、幾らかの窒素、硫黄及び酸素を含有する黒色非晶質固体を含む。また、ニッケルやバナジウム等の微量元素が存在してもよい。アスファルテンは、一般に、数平均分子量が約2000〜5000g/molの高極性芳香族物質と考えられており、アスファルトの約5〜約25重量%を構成し得る。
樹脂(極性芳香族化合物)は、マルテン中に存在し、比較的高分子量を有し且つ非常に粘着性のある暗色で固体及び半固体の留分を含む。それらは、アスファルテン用しゃく解剤の分散助剤を含んでもよく、樹脂のアスファルテンに対する比率は、アスファルトのゾル又はゲル型の特徴をある程度決定する。ビチューメンから分離される樹脂は、約0.8〜約2kg/molの数平均分子量を有する場合があるが、分子量分布は広い。この成分は、アスファルトの約15〜約25重量%を構成し得る。
環状化合物(ナフテン系芳香族化合物)は、ビチューメン中の最も低い分子量の化合物を含み、解凝固したアスファルテン用分散媒の主要部を示す。それらは、アスファルトバインダー全体の約45〜約60重量%を構成することができ、暗色の粘稠液体の場合がある。それらは、側鎖の構成部分と共に芳香核及びナフテン系芳香核を有する化合物を含むことができ、0.5〜約9kg/molの分子量を有する場合がある。
飽和化合物は、アルキルナフテンや幾らかのアルキル芳香族化合物と共に、主としてビチューメン中に存在する直鎖及び枝分れ鎖の脂肪族炭化水素を含む。その平均分子量の範囲は、上記環状化合物とほぼ同様な場合があり、また、その成分は、蝋質飽和化合物や非蝋質飽和化合物を含んでもよい。この留分は、アスファルトの約5〜約20重量%とすることができる。
それらの実施態様又は他の実施態様において、アスファルトバインダーは、自然界に存在する又は石油精製で得ることができるビチューメンを含むことができる。アスファルトは、アスファルテンと称された、二硫化炭素、ピリジン、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素及びTHFに可溶となり得る非常に高分子量の炭化水素を含有することができる。アスファルト又はビチューメン材料は、固体、半固体又は液体でもよい。
一以上の実施態様において、改質前の(即ち、不飽和重合体又はP25との組み合わせ前の)アスファルトバインダーは、少なくともPG64−22のPG等級を特徴とし、他の実施態様においては少なくともPG52−28であり、他の実施態様においては少なくともPG52−34である。それらの例示的なアスファルトバインダーは、それぞれが86℃の温度性能範囲を有することに注目すべきである。それらアスファルトバインダーの選択によって、有利で、望ましい特定の実施態様とすることができるが、本発明の実施によって低温範囲を改善できるため、本発明の実施は、低温範囲でベースアスファルトバインダーの使用を有利に可能にする。例えば、PG64−16、PG58−22又はPG52−28を改質し、その温度範囲を上昇させることができる。当業者が理解するように、PG等級は、米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO M320)により資金供給された研究によって米国において開発された、スーパー・ペイブ(スーペリア・パフォーミング・ペイブメンツ)パフォーマンス・グレーデッド(PG)バインダー規格を指す。
一以上の実施態様において、重合体は、DSC分析によって測定した、20℃未満のガラス転移温度(Tg)を特徴とすることができ、他の実施態様においては0℃未満であり、他の実施態様においては-20℃未満であり、他の実施態様においては-35℃未満であり、他の実施態様においては約-90℃〜約-20℃である。
一以上の実施態様において、使用される重合体は、不飽和重合体である。一以上の実施態様においては、不飽和重合体として、重合体中の炭素原子の合計数(ペンダント炭素原子を含む)当たりの二重結合(骨格又はペンダントの非共役の二重結合)の数に基づいて定量化できる、ある程度又は量の不飽和を有する炭化水素系重合体が挙げられる。例えば、一以上の実施態様においては、不飽和重合体が、該重合体中の100個の炭素原子当たり少なくとも5個の二重結合を含み、他の実施態様においては少なくとも7個の二重結合を含み、他の実施態様においては少なくとも12個の二重結合を含み、他の実施態様においては少なくとも16個の二重結合を含む。それらの実施態様又は他の実施態様においては、不飽和重合体が、100個の炭素原子当たり、約7〜約25個の二重結合を含み、他の実施態様においては約10〜約20個の二重結合を含み、他の実施態様においては約12〜約18個の二重結合を含む。
上記不飽和重合体としては、骨格、ペンダント又は骨格及びペンダントの双方に不飽和(即ち、非共役の二重結合)を含む重合体が挙げられる。例えば、1,3-ブタジエンの1,2-重合機構に由来する単量体単位又はイソプレンの3,4-重合機構に由来する単量体単位は、ペンダントのビニル単位である。ペンダントの非共役二重結合の量は、不飽和を含有する単量体単位のビニル率に基づいて定量化できる。例えば、ビニル含有量が30%の重合体は、不飽和単量体単位の30%がペンダントの非共役二重結合である重合体を指す。一以上の実施態様においては、本発明の実施に用いられる不飽和重合体が、ゼロ又はほんのわずかなビニル含有量を含む。他の実施態様においては、不飽和重合体が低ビニル含有量(例えば、1〜約10%)を含み、他の実施態様においては、それらが中間のビニル含有量(例えば、11〜40%)を含み、他の実施態様においては、それらが高ビニル含有量(例えば、40%を超える)を含む。
また、一以上の実施態様においては、不飽和重合体が、非共役の二重結合を含まない単量体単位を含んでもよい。例えば、スチレン等のコモノマーの重合に由来する単量体単位は、非共役の二重結合を含まない。一以上の実施態様においては、不飽和重合体が、非共役の二重結合を提供しない単量体(例えば、スチレン)に由来する単量体単位を(即ち、モルに基づき)約0%〜約55%含み、他の実施態様においては約3〜約50%の単量体単位を含み、他の実施態様においては約10〜約45%の単量体単位を含む。
一以上の実施態様においては、不飽和重合体が、1,000dg/分未満のメルトインデックス(ASTM D−1238;190℃にて負荷2.16kg)を特徴とすることができ、他の実施態様においては500dg/分であり、他の実施態様においては50dg/分であり、他の実施態様においては20dg/分であり、他の実施態様においては10dg/分であり、他の実施態様においては1dg/分である。それらの実施態様又は他の実施態様においては、不飽和重合体が、3〜15dg/分のメルトインデックスを有することができ、他の実施態様においては4〜12dg/分である。
一以上の実施態様においては、不飽和重合体が、約10〜約1,000kg/molの数平均分子量(Mn)を特徴とすることができ、他の実施態様においては約40〜約500kg/molであり、他の実施態様においては約80〜約200kg/molである。また、それらの実施態様又は他の実施態様においては、不飽和重合体が、約10〜約4,000kg/molの重量平均分子量(Mw)を特徴とすることができ、他の実施態様においては約80〜約800kg/molである。一以上の実施態様においては、不飽和重合体が、約1.1〜約5の分子量分布を特徴とすることができ、他の実施態様においては約1.5〜約4.5であり、他の実施態様においては約1.8〜約4.0である。分子量は、標準ポリスチレンで検量され、問題の重合体についてのマーク-ホーウインク定数で調整されるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定できる。
上記炭化水素系重合体は、線状重合体、枝分れ重合体又はカップリングした重合体とすることができる。炭化水素系重合体の種類としては、天然高分子又は合成重合体を挙げることができる。有用な合成重合体としては、ポリジエン又は非ジエンコモノマー(例えば、スチレン)とのポリジエン共重合体を挙げることができる。該共重合体としては、ブロック共重合体及びランダム共重合体を挙げることができる。カップリングした重合体としては、線状に結合した重合体(例えば、ジカップリングした重合体)又は放射状に結合した重合体(例えば、トリカップリング、テトラカップリング、ペンタカップリング、ヘキサカップリング等)を挙げることができる。例示的なポリジエンとしては、ポリブタジエン及びポリイソプレンが挙げられる。例示的な共重合体としては、ランダムスチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ランダムスチレン−イソプレン、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエンブロック共重合体、ランダムスチレン−イソプレン−ブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、クロロプレンゴムを挙げることができる。一以上の実施態様においては、重合体は、国際出願PCT/US2005/028343号に記載される高ビニルブロック重合体を含むことができる。一以上の実施態様においては、不飽和重合体が、線状ブロック共重合体又は放射状ブロック共重合体を含み、該ブロック共重合体は、末端スチレンブロックを含む。例えば、放射状のトリカップリングした重合体の場合には、該重合体の三本の放射状の腕が、それぞれ末端スチレンブロックを含むことになる。それらの実施態様又は他の実施態様においては、放射状の腕の内部セグメントが、ポリブタジエンブロック等のポリジエンブロックを含む。それらの実施態様又は他の実施態様においては、それらブロック共重合体のスチレン含有量が、10重量%〜50重量%とすることができ、他の実施態様においては15重量%〜45重量%であり、他の実施態様においては20重量%〜40重量%である。
一以上の実施態様においては、重合体がアニオン重合された重合体を含んでもよい。他の実施態様において、重合体は、コバルト系、ニッケル系又はランタニド系配位システムの使用等、配位触媒によって製造できる。
一以上の実施態様においては、重合体が、極性基を含有するポリジエン及び/又はポリジエン共重合体を含んでもよい。それら極性基は、重合体の骨格にぶら下がって、及び/又は重合体の骨格の末端に位置することができる。一以上の実施態様においては、極性基として、カルボン酸基又は無水物基等のカルボニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、カルバミン酸基、ケイ素含有基、金属含有基、リン含有基等を挙げることができる。
一以上の実施態様においては、アスファルト組成物に重合体を幾つかの形態で導入することができる。例えば、重合体は、小片として、粉砕された重合体として、ペレットとして、溶融重合体として又は液状重合体として添加できる。
一以上の実施態様において、五硫化リンは、実験式P25又はP410によって定義される化合物を含み、それら双方は、当業者によって同意語として使用される。一以上の実施態様において、五硫化リン化合物は、下記式:
Figure 0005221380
によって定義されたもの又はそのリンを多量に含んだ誘導体を含む。それらリンを多量に含んだ誘導体は、リン原子に二重結合する硫黄原子が失われた場合に生じると思われる。一以上の実施態様においては、五硫化リン組成物のリン濃度が少なくとも27.85重量パーセントであり、他の実施態様においては約27.87〜約28.3重量パーセントであり、他の実施態様においては約28.90〜約28.00重量パーセントである。五硫化リンは、ICLパフォーマンスプロダクツL.P.等の供給元から市販されている。
一以上の実施態様においては、本発明で使用される五硫化リンが、固体粒子等の固形で使用される。一の実施態様においては、五硫化リンが、20mm未満の粒径(即ち、平均粒径)を有することを特徴とすることができ、他の実施態様においては2mm未満であり、他の実施態様においては0.2mm未満であり、他の実施態様においては0.02mm未満であり、それらの実施態様又は他の実施態様においては、該粒径が0.001mmを超えてもよく、他の実施態様においては0.009mmを超え、他の実施態様においては0.01mmを超える。それらの実施態様又は他の実施態様において、五硫化リンの中程度の粒径は、約0.03〜約1.00mmとすることができ、他の実施態様においては約0.05〜約0.95mmであり、他の実施態様においては約0.06〜約0.90mmであり、他の実施態様においては約0.07〜約0.085mmである。それらの実施態様又は他の実施態様においては、五硫化リンの粒子の少なくとも30%が、他の実施態様においては少なくとも50%が、他の実施態様においては少なくとも70%が、約0.03〜約1.00mmの範囲内にあり、他の実施態様においては約0.05〜約0.95mmの範囲内にあり、他の実施態様においては約0.06〜約0.90mmの範囲内にあり、他の実施態様においては約0.07〜0.085mmの範囲内にある。
本発明において用いられる五硫化リンは、比較的純粋であってもよい。一以上の実施態様においては、五硫化リンが、10重量パーセント未満の不純物を含み、他の実施態様においては5重量パーセント未満の不純物を含み、他の実施態様においては2重量パーセント未満の不純物を含み、他の実施態様においては0.5重量パーセント未満の不純物を含む。また、一以上の実施態様において、アスファルトと共に混合するため該アスファルトに導入される五硫化リンは、ニート状である。一以上の実施態様において、ニート状の五硫化リンは、5重量パーセント未満の有機物若しくは炭化水素物又は不純物を含有する固体粒子を指し、他の実施態様においては2重量パーセント未満であり、他の実施態様においては0.5重量パーセント未満であり、他の実施態様においては0.1重量パーセント未満であり、他の実施態様においては0.05重量パーセント未満である。
一以上の実施態様においては、改質せずに、五硫化リンを使用してもよい。他の実施態様においては、五硫化リンが、アスファルト組成物内の五硫化リンの溶解性を改質するために反応しなかった又は反応若しくは予備反応を受けなかった物質を含む。例えば、有利に、五硫化リンを該五硫化リンに結合することが可能な水酸基を有する化合物と反応させずに五硫化リンを使用できることを見出した。一以上の実施態様においては、五硫化リンをポリアルキレンオキシドと予備反応させずに五硫化リンを使用することができる。
また、本発明の改質アスファルトバインダー組成物は、その業界において通常使用される他の配合剤又は成分を含んでもよい。例えば、上記組成物は、剥離防止化合物を含むことができる。
他の実施態様においては、この実施態様の改質アスファルトバインダー組成物に硬化剤を任意に加えることができる。硬化剤としては、フェノール樹脂及び硫黄元素を挙げることができる。一例としては、ビスマレイミド硬化剤である。本発明の実施には、通常の量を用いることができる。一以上の実施態様においては、硬化剤、特に硫黄の必要性を排除する。言い換えれば、五硫化リン以外の硬化剤及び/又はイオン含有硬化剤を添加せずに、本発明のアスファルトバインダー組成物を調製することができる。
本発明のアスファルトバインダー組成物は、アスファルトバインダー100重量部当たり重合体を約0.1〜約10重量部含むことができ、他の実施態様においては約0.2〜約6重量部含み、他の実施態様においては約0.5〜約4重量部含む。それらの実施態様又は他の実施態様においては、本発明のアスファルトバインダー組成物が、アスファルトバインダー100重量部当たり重合体を5重量部未満含み、他の実施態様においては4重量部未満含み、他の実施態様においては3重量部未満含み、他の実施態様においては2.5重量部未満含み、他の実施態様においては2重量部未満含み、他の実施態様においては1.8重量部未満含み、他の実施態様においては1.5重量部未満含む。それらの実施態様又は他の実施態様においては、アスファルトバインダー組成物が、アスファルトバインダー100重量部当たり重合体を少なくとも0.1重量部含み、他の実施態様においては少なくとも0.5重量部含み、他の実施態様においては少なくとも0.7重量部含み、他の実施態様においては少なくとも1.0重量部含み、他の実施態様においては少なくとも1.2重量部含む。
本発明のアスファルトバインダー組成物は、アスファルトバインダー100重量部当たり五硫化リンを約0.001〜約10重量部含むことができ、他の実施態様においては約0.05〜約5重量部含み、他の実施態様においては約0.01〜約1重量部含む。
一以上の実施態様において、改質アスファルトバインダー組成物内での不飽和重合体の五硫化リンに対する重量比は、少なくとも0.5:1とすることができ、他の実施態様においては少なくとも0.7:1であり、他の実施態様においては少なくとも1:1であり、他の実施態様においては少なくとも1.3:1であり、他の実施態様においては少なくとも1.5:1であり、他の実施態様においては少なくとも1.8:1であり、他の実施態様においては少なくとも2.0:1である。それらの実施態様又は他の実施態様においては、上記不飽和重合体の五硫化リンに対する重量比が8:1未満であり、他の実施態様においては7:1未満であり、他の実施態様においては6:1未満であり、他の実施態様においては5:1未満であり、他の実施態様においては4:1未満であり、他の実施態様においては3:1未満である。
硬化剤を用いる実施態様において、本発明のアスファルト組成物は、アスファルト100重量部当たり硬化剤を約0.1〜約10重量部含むことができ、他の実施態様においては約0.2〜約6重量部含み、他の実施態様においては約0.5〜約4重量部含む。それらの実施態様又は他の実施態様において、本発明のアスファルトバインダー組成物の形成は、アスファルトバインダー100重量部当たり、硬化剤(例えば、遊離硫黄又は硫黄元素)を3重量部未満用いることができ、他の実施態様においては1重量部未満であり、他の実施態様においては0.5重量部未満であり、他の実施態様においては0.25重量部未満であり、他の実施態様においては0.1重量部未満であり、他の実施態様においては0.01重量部未満である。
一以上の実施態様においては、本発明の実施においてポリリン酸又はその誘導体を使用せずに五硫化リンを用いることができる。特定の実施態様においては、本発明の実施にアスファルト100重量部当たりポリリン酸又はその誘導体を1重量部未満用い、他の実施態様においては0.1重量部未満用い、他の実施態様においては0.05重量部未満用い、他の実施態様においては0.01重量部未満用いる。一以上の実施態様においては、ポリリン酸をアスファルト組成物に用いたり、加えたりしない。一以上の実施態様において、本発明のアスファルト組成物は、ポリリン酸又は該ポリリン酸とアスファルト組成物の一以上の成分との反応生成物を欠いている。
一以上の実施態様においては、本発明のアスファルト組成物が、有機リン化合物を1重量%未満含むことができ、他の実施態様においては0.5重量%未満含み、他の実施態様においては0.1重量%未満含み、他の実施態様おいては0.05重量%未満含む。それらの実施態様又は他の実施態様において、本発明のアスファルト組成物は、有機リン化合物を実質的に欠いている。ここで、「実質的に欠いている」とは、該組成物に感知できる程の影響を及ぼさない有機リン化合物の量又はそれより少ない量を指す。有機リン化合物としては、米国特許第5,990,206号及び第6,024,788号に開示されるものが挙げられ、参照することにより本願に組み込まれる。
一以上の実施態様においては、本発明の改質アスファルトバインダー組成物が、所望の温度にて所望の量の重合体(例えば、不飽和重合体)及び五硫化リンと共にアスファルトバインダーを導入することで調製できる。一の実施態様においては約120℃より高い温度で、他の実施態様においては約140〜約210℃にて、溶融アスファルトバインダーに重合体及び五硫化リンを加えることができる。一以上の実施態様においては、五硫化リン、重合体及びアスファルトを、それらの導入の後に又はその間に、混合し又はブレンドすることができる。次に、約145℃〜約205℃(他の実施態様においては約160℃〜約193℃)の温度にて約25〜約400分間、混合を継続してもよい。一以上の実施態様においては、アスファルト中に重合体を素早く分散させるため、アスファルトバインダー、重合体及び五硫化リンの混合物をせん断してもよい。例えば、シーファー社によって生産されたもの等の高せん断ミル内でせん断を達成することができる。他の実施態様において、時間がそれほど重要でない場合には、単純な低せん断混合を用いることができる。一以上の実施態様において得られる本発明の改質アスファルトバインダーは、均一混合物であり、ASTM D-7173で決定されるように2℃で重合体の1重量%未満がアスファルトから分離する混合物である。
一以上の実施態様においては、アスファルトバインダー組成物に、重合体と共に(即ち、同時に)五硫化リンを有利に添加することができる。言い換えれば、重合体の添加に先立って、アスファルトバインダー中に五硫化リンを予備混合する必要がない。同様に、五硫化リンの添加に先立って、アスファルトバインダー組成物中に重合体を予備混合する必要がない。
一以上の実施態様においては、五硫化リンと不飽和重合体を一緒に予備ブレンドすることなく、アスファルトバインダー(例えば、溶融アスファルトバインダー)に五硫化リンと重合体を直接添加することができる。アスファルトバインダーに、五硫化リンと重合体とを同時に又は連続的に加えてもよい。一以上の実施態様において、同一のバインダー組成物に五硫化リンと重合体とを添加する場合には、最初に五硫化リンを加えて、次いで重合体を加えてもよい。他の実施態様においては、最初、アスファルトバインダーに重合体を加えて、次いで五硫化リンを加えてもよい。
更に他の実施態様においては、五硫化リン及び不飽和重合体を、別のアスファルトバインダー組成物に別々に導入して混合することができ、その後に個々のバインダー組成物を導入してブレンドすることができる。例えば、第一アスファルトバインダー組成物に五硫化リンを加えて、第一マスターバッチバインダー組成物を形成することができる。同様に、第二アスファルトバインダー組成物に重合体を加えて、第二マスターバッチバインダー組成物を形成することができる。次に、第一マスターバッチ組成物と第二マスターバッチ組成物とを互いに導入してブレンドし、本発明に従う改質アスファルトバインダー組成物を形成することができる。
一以上の実施態様において、本発明は一の方法を提供し、それによって、重合体とアスファルトバインダーの濃縮物と共に、五硫化リンとアスファルトバインダーの濃縮物を導入してブレンドする。この方法は、有利に、五硫化リン組成物及び/又は重合体アスファルトバインダー組成物の効率的な移送及び/又は貯蔵を可能にする。言い換えれば、重合体、五硫化リン及びアスファルトバインダーを導入して組み合わせないことによって、五硫化リンと不飽和重合体とを別のバインダー濃縮物中に導入して混合する限りは、アスファルトバインダー組成物内での五硫化リン及び/又は重合体の高濃度を達成できることを有利に見出した。有利には、それらの濃縮物を互いに導入してブレンドできる多くの局所的位置に該濃縮物を運搬することができ、及び/又は有利にそれらの濃縮物を該局所的位置にて追加のアスファルトバインダーを用いて希釈することができる。
一以上の実施態様においては、五硫化リン−バインダー濃縮物が、アスファルト100重量部当たり五硫化リンを0.5重量部を超えて含むことができ、他の実施態様においては2.0重量部を超えて含み、他の実施態様においては5.0重量部を超えて含み、他の実施態様においては8.0重量部を超えて含む。それらの実施態様又は他の実施態様においては、五硫化リン−バインダー濃縮物が、アスファルトバインダー100重量部当たり五硫化リンを10重量部まで含むことができ、他の実施態様においては12重量部まで含む。当業者は、アスファルトを加工し及び取り扱う能力(例えば、AASHTO T316によるポンプ能力)が、アスファルトバインダーに添加できる五硫化リンの上方のレベルを決定できることを正しく理解する。
同様に、重合体−バインダー濃縮物は、アスファルト100重量部当たり重合体を5重量部を超えて含むことができ、他の実施態様においては10重量部を超えて含み、他の実施態様においては15重量部を超えて含み、他の実施態様においては18重量部を超えて含む。それらの実施態様又は他の実施態様においては、重合体−バインダー濃縮物が、アスファルトバインダー100重量部当たり重合体を20重量部まで含むことができ、他の実施態様においては25重量部まで含み、他の実施態様においては30重量部まで含む。当業者は、アスファルトを加工し及び取り扱う能力(例えば、AASHTO T316によるポンプ能力)が、アスファルトバインダーに添加できる重合体の上方のレベルを決定できることを正しく理解する。重合体濃度の上限に影響を及ぼし得る他の要因としては、重合体の分子量、重合体のマクロ構造及びアスファルトの特性が挙げられる。
一以上の実施態様においては、五硫化リン−バインダー濃縮物を調製するのに用いるアスファルトは、重合体−バインダー濃縮物を製造するのに用いるアスファルトと異なる特性を有することができる。例えば、一の実施態様において、重合体−バインダー濃縮物を調製するのに用いるアスファルトは、五硫化リン−バインダー濃縮物を調製するのに用いられるものに比べて、軟質のアスファルトとすることができる。このことは、より軟質なアスファルトにより大きな添加量の重合体を加えることができ、それによって、より少ないアスファルトでより多くの重合体を移送し及び/又は貯蔵する能力を提供するので、有利である。また、五硫化リン−バインダー濃縮物と重合体−バインダー濃縮物とを全く異なるアスファルトを用いて調製することによって、ブレンドの際に望ましい特性を達成することができる。例えば、五硫化リン−バインダー濃縮物を比較的硬質のアスファルトで調製することができ、比較的軟質のアスファルトで製造された重合体−バインダー濃縮物とブレンドした場合に、該濃縮物を製造するのに用いるアスファルトバインダー間で、ある硬度を達成することができる。
本発明に係る方法の一の特定の実施態様を図1に示す。五硫化リン22の貯蔵容器、アスファルトバインダー24の貯蔵容器、及び重合体26の貯蔵容器が、改質アスファルトバインダー施設12に位置することができる。五硫化リンとアスファルトバインダーとを導入してブレンドすることによって、五硫化リン−バインダー濃縮物28を形成することができる。約120℃〜約205℃の温度に維持されたアスファルトバインダー組成物に粒子状の五硫化リンを加えることによって、上記の導入してブレンドする工程を達成することができる。同様に、不飽和重合体をアスファルトバインダーと共に導入して混合することによって、不飽和重合体−バインダー濃縮物30を調製することができる。約120℃〜約205℃の温度に維持された溶融アスファルトバインダー組成物に不飽和重合体のペレットを加えることによって、不飽和重合体とバインダーの導入及び混合を達成することができる。次に、それぞれのアスファルトバインダー濃縮物(即ち、濃縮物28及び濃縮物30)をターミナル14に運搬することができる。該濃縮物の運搬は、加熱されるか又は絶縁された貨物キャリアによって行うことができる。有利には、絶縁された貨物キャリアによって改質アスファルトバインダー施設12から1,000マイルまでに位置したり、1,000マイルを超えて位置するターミナル14にそれらの濃縮物を運搬することができる。
ターミナルの位置14にて、五硫化リン−バインダー濃縮物と不飽和重合体−バインダー濃縮物を導入してブレンドすることができる。この導入とブレンドは、約145℃〜約170℃の温度で行うことができる。また、濃縮物は、それらの導入及びブレンドの前又はその後に、追加のアスファルトバインダーで希釈することができ、ターミナル14にて容器32内に貯蔵することができる。次いで、本明細書に提供されるように、五硫化リン及び/又は不飽和重合体を所望のレベルに希釈した改質バインダー34を加熱混合工場16に移送することができる。この改質アスファルトバインダー組成物の移送は、加熱されるか又は絶縁された貨物キャリア内で行ってもよく、加熱混合工場16まで300マイル以下の距離を運搬したり、300マイルを超えて運搬することができる。
加熱混合工場16にて、改質バインダー組成物を骨材36と共に導入して混合し、舗装用組成物38を形成することができる。骨材と改質バインダー組成物を導入して混合する方法は、その技術分野において知られており、回分混合や連続混合を含む。一以上の実施態様においては、最初に改質アスファルトバインダーを約120℃〜約200℃の温度に予備加熱して、骨材と改質アスファルトバインダーを導入し混合する。舗装用組成物38を予備調製した時点で、道路を舗装できる現場(例えば、道床)に舗装用組成物を移送することができる。舗装用組成物の移送は、加熱されるか又は絶縁された貨物キャリア内で行うことができる。
本発明に従い調製される改質アスファルトバインダー組成物を用いて、アスファルト舗装用組成物を調製することができる。それらの舗装用組成物は、改質アスファルトバインダーと、骨材と、当技術分野において知られる舗装用組成物中に加えることができる他の任意の成分とを含むことができる。この実施態様の実施においては、舗装業界で通常用いられる骨材を利用することができる。骨材としては、岩、石、スラグ、砕石、砂利、砂、シリカ又はそれらの一種以上の混合物を挙げることができる。骨材の具体例としては、大理石、石灰石、玄武岩、白雲石、砂岩、花崗岩、珪岩、製鋼スラグ、及びそれらの一種以上の混合物が挙げられる。
骨材は、典型的に、サブミクロンの粒子(例えば、粉塵)から直径63mm程のゴルフボールの大きさの塊に及ぶ広範な分布の粒径を有する。最良の粒径分布は、用途毎に異なる。
また、本発明の舗装用組成物は、骨材と改質アスファルトバインダーに加えて、アスファルト舗装用組成物を調製するのに使用し得る他の成分又は配合剤を含んでもよい。それら追加の成分又は配合剤としては、繊維、離型剤及び充填剤を挙げることができる。他の例としては、水酸化カルシウム、サンダーダスト、セルロース繊維、プロピレン系繊維及びそれらの二種以上の混合物が挙げられる。
本発明のアスファルト舗装用組成物は、標準的な装置及び手順を用いることによって調製することができる。一以上の実施態様においては、改質アスファルトバインダーと共に骨材を混合し、実質的に均一なアスファルト舗装を達成することができる。例えば、改質アスファルトバインダーと共に骨材を混合し、標準的なミキサーの連続形式でアスファルト舗装用組成物を製造することができる。一以上の実施態様において、本発明の実施は、有利に、アスファルトコンクリートの形成の前に骨材を処理する必要性を取り除く。
アスファルト舗装用組成物を調製する場合、一般には、(アスファルト舗装用組成物の全重量に対して)約1重量パーセントから約10重量パーセントの改質アスファルトと、約90重量パーセントから約99重量パーセントの骨材とを混合する。一の実施態様においては、上記舗装用組成物は、約2〜約8重量パーセントの改質アスファルトを含む。
本発明に従って調製されるアスファルトバインダー組成物及びアスファルト舗装用組成物は、幾つかの有利な特性を示す。一以上の実施態様において、該組成物は、重合体とアスファルトバインダーの分離点に悪影響を与えることなく、高温にて有利に貯蔵されることができる。
本発明に従って調製されるアスファルト舗装用組成物は、舗装を製造するのに特に有利である。それらの舗装としては、特に限定されるものではないが、車道、空港の滑走路、歩道、小道、ゴルフカートの通り道、池の中敷き、埋め立て地のカバー及び船橋楼甲板を挙げることができる。また、本発明の改質アスファルトバインダー組成物は、上記舗装用組成物に加えて、他の組成物を製造するのに有利である。例えば、上記改質アスファルト組成物は、ルーフィング用途に有用な場合がある。
本発明の実施を示すため、以下に示す例を調製して試験した。しかしながら、それらの例は、本発明の範囲を制限するものとしてみなすべきでない。特許請求の範囲が、本発明を明確にする役目を果たすことになる。
(例1〜7)
下記の方法を用いて、アスファルトバインダー組成物を調製した。163℃に予熱したアスファルトバインダー500gを1クオート缶の容器に加えた。アスファルトバインダーは、BP(ホワイティング、IN)から得られ、AASHTO M320による64−22のPG等級を有した。1クオート缶の加熱器を用いて、アスファルトバインダーを190℃に加熱し、シルバーソンハイシアーミキサー中で回転させ、その時に、アスファルトバインダーへの直接の添加によって粒子状五硫化リンを加え、アスファルトバインダーへの直接の添加によって不飽和重合体のペレットを加えた。容器内での試料のせん断を30分間継続した。容器上に蓋を軽く置いて、163℃で18時間に設定されたオーブンに該容器を置いた。オーブンから容器を取り除き、蓋を外して、存在するスキム層をいずれも取り除いた。次に、試料を攪拌し、20メッシュスクリーンを通して注ぎ、試験用試料を用意するために選別された物質を用いた。
各試料に添加された改質剤(例えば、五硫化リン及び不飽和重合体)の量を表1に示す。各試料の一部を取り、使用される標準的な試験のそれぞれに必要とされる様々な試験片に用意した。それらの例を通して用いられる試験方法を表1に提供する。
この組の試料に用いられる不飽和重合体は、約16.5%のビニルを特徴とし、90%のテトラカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約53kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約228kg/モルのカップリング後のMpを有する放射状重合体であって、この重合体は、商標名161−BTM(LCY;中国)で得られた。
不飽和重合体と五硫化リンの量を、アスファルト100重量部当たりの重量部で(pha)、表1に提供する。
Figure 0005221380
PGの推定される実際の等級は、アスファルトバインダー性能の温度範囲における温度分布の測定である。その数値を合わせると、PGの温度分布を与える。その数値が大きいと、その性能の温度範囲に優れ、その温度範囲に渡ってアスファルトバインダーが機能することになる。
試料1のアスファルトバインダーは、ニート状のアスファルトバインダーであり、89℃の範囲に渡って機能する。試料2は、飽和重合体含み、89℃から91℃へ2℃の向上を示す。試料3は、五硫化リンを含み、PG温度分布においてベースアスファルトに対し4℃の小さな向上を示す。試料4は、不飽和重合体及び硫黄を含み、ニート状のバインダーに対して96℃への7℃の向上を示す。試料5は、不飽和重合体及びポリリン酸を含み、5℃の向上を示す。試料6は、本発明を示し、予想外にベースアスファルトに対して14℃の温度向上を示し、103℃のPG温度分布を形成する。加えて、試料6の弾性回復(a.k.a伸長回復)は87.5%であり、例外的に高く、高い重合体の添加量の場合にのみ通常達成される高弾性重合体のアスファルトバインダーを示唆する。軟化点と、77℃のPG高温推定値は、改質アスファルトバインダーに対して技術的に有用な高温を示唆する。最後に、試料6についての位相角は69.7であって、それは、アスファルトバインダーで形成される強弾性構造を示唆する。
(例8〜13)
先の試料に記載されたものと同様な方法を用いることで、追加の改質アスファルト組成物を調製したが、比較の試料(試料11、12及び13)については、飽和重合体を用いることで試料を調製した。表2は、各試料に用いた各改質剤の量、及び各試料について行った機能解析の結果を提供する。
試料8に用いた不飽和重合体は、約16.5%のビニルを特徴とし、90%のテトラカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約53kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約228kg/モルのカップリング後のMpを有する放射状重合体であって、この重合体は、商標名161−BTM(LCY;中国)で得られ、この重合体は、表にて放射状重合体として記載されている。
試料9に用いた不飽和重合体は、約13%のビニルを特徴とし、92%のジカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約60kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約106kg/モルのカップリング後のMpを有するジカップリングした線状重合体であって、この重合体は、商標名6302TM(LCY;中国)で得られ、この重合体は、表にて高分子量重合体として記載されている。
試料10に用いた不飽和重合体は、約13%のビニルを特徴とし、25%のジカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約50kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約90kg/モルのカップリング後のMpを有するジッカップリングした線状重合体であって、この重合体は、商標名6320TM(LCY;中国)で得られ、この重合体は、表にて中間分子量重合体として記載されている。
試料11に用いた飽和重合体は、商標名KRATONTM G1652で得られる水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(S-E/B-S)であった。
試料12に用いた飽和重合体は、商標名EP35(JSR;日本)で得られるエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)であって、Tgが約-51℃で、結晶化度が0%で、ムーニー粘度(10℃でのML1+4)が91.6で、Mnが約72kg/molで、Mwが約214kg/molで、MWDが約2.94で、エチレン含有量が約52%で、ジエン含有量が約5.9%であることを特徴とする。この重合体は完全に飽和でないことに注意する。
試料13に用いた飽和重合体は、商標名ELVAXTM 460(デュポン)で得られるエチレン−ビニル−アセテート重合体(EVA)であった。
Figure 0005221380
表2の試料7は、表1の試料1に用いたニート状のアスファルトバインダーと同じである。試料8〜10は不飽和重合体を含み、それらの改質アスファルトバインダーの試験から得られるデータは、該不飽和重合体が、その重合体の添加量について予期したものより高い弾性(位相角及び弾性回復)を有するバインダーをもたらすことを示す。これは、予想外に、不飽和重合体と五硫化リンとの組み合わせによって高弾性アスファルトバインダーを作り出すことを示す。加えて、RTFO DRS 破壊温度(老化)について、不飽和重合体を含む試料は、高温性能に関しニート状のアスファルトバインダーを超えて10.7℃〜12℃の間の向上を示す。加えて、試料8,9及び10は、高い弾性回復を作り出し、実際には、それぞれが80%を超えた。一方、飽和重合体(又は不飽和が低いレベルの重合体)の使用は、ニート状のアスファルトを超える弾性の向上をほとんど示さなかった(高温剛性8.3℃〜8.8℃の向上は若干あった)。全体的に、表2のデータは、五硫化リン、不飽和重合体及びアスファルトバインダー間の相乗効果を示唆しており、予想外に改良された弾性アスファルトバインダーをもたらす。
(例14〜23)
不飽和重合体と五硫化リンとの間の重量比を、アスファルト100重量部当たり1.25重量部の重合体を維持しながら、試料を通して変化させること以外は、上記試料に用いたものと同様の方法を用いることによって、幾つかの改質アスファルト組成物を調製した。使用した不飽和重合体は、約16.5%のビニルを特徴とし、90%のテトラカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約53kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約228kg/モルのカップリング後のMpを有する放射状重合体であって、この重合体は、商標名161−BTM(LCY;中国)で得られた。表3は、重合体と五硫化リンとの間の重量比、及び各試料の試験結果を提供する。
Figure 0005221380
のデータは、重合体の五硫化リンに対する割合の変化について、予期しない効果を示す。その割合が減少するにつれて、改質バインダーの弾性回復は上昇し、およそ1.8:1で最高に達する。その割合を減少し続けると、その後の弾性回復は減少し始める。加えて、位相角は1.8:1の比まで着実に減少し、その後、その比より低いところで上昇する。
(試料24〜33)
試料14〜23と同様の方法で、追加の改質アスファルト組成物を調製し、アスファルト100重量部当たり1.25重量部の重合体を維持しながら、不飽和重合体と五硫化リンとの間の重量比を変化させた。それらの例は、使用した不飽和重合体に基づき、試料14〜23と異なり、該不飽和重合体は、約13%のビニルを特徴とし、25%のジカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約50kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約90kg/モルのカップリング後のMpを有するジッカップリングした線状重合体であって、この重合体は、商標名6320TM(LCY;中国)で得られた。
表4は、重合体と五硫化リンとの間の重量比、及び各試料の試験結果を提供する。
Figure 0005221380
表3のデータと同様に、表4のデータは、その割合が低くなるにつれて、弾性回復が増加し、1.8:1で最高に達することを示す。同様に、弾性回復はその割合より低いところで予想外に減少し始める。位相角は、比が1.6:1まで減少すると共に位相角が減少するパターンに従い、その後、上昇した。
(試料34〜45)
五硫化リンの効果を他の化合物と比較すること以外は、上記試料に用いたものと同様な方法を用いて、追加の改質アスファルト組成物を調製した。各試料の試験結果と共に種々の化合物の性質を表5に提供する。
使用した不飽和重合体は、約16.5%のビニルを特徴とし、90%のテトラカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約53kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約228kg/モルのカップリング後のMpを有する放射状重合体であって、この重合体は、商標名161−BTM(LCY;中国)で得られた。
Figure 0005221380
表5のデータは、多くの他の化合物を五硫化リンと比較すると、五硫化リンが、後のRTFOT DSR 破壊温度によって測定されるように、一貫して最も高い剛性を有することを示す。加えて、五硫化リンは、著しく高い弾性回復を作り出した。最後に、五硫化リンは、全体で最も高い軟化点を作り出した。
(例46〜51)
先に与えられたものと同様な技術を用いて、追加の試料を調製した。この一連の試料では、アスファルト100重量部当たりの重合体の添加量を変化させた。行った試験結果と共に、各試料の重合体の量を表6に提供する。
試料46及び49では、不飽和重合体は、約16.5%のビニルを特徴とし、90%のテトラカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約53kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約228kg/モルのカップリング後のMpを有する放射状重合体であって、この重合体は、商標名161−BTM(LCY;中国)で得られ、放射状重合体として記載されている。
試料47及び50では、不飽和重合体は、約13%のビニルを特徴とし、92%のジカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約60kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約106kg/モルのカップリング後のMpを有するジカップリングした線状重合体であって、この重合体は、商標名6302TM(LCY;中国)で得られ、この重合体は、表にて高分子量重合体として記載されている。
試料48及び51では、不飽和重合体は、約13%のビニルを特徴とし、25%のジカップリングで、約30%のブロックスチレンを含み、約50kg/モルの基礎ピーク分子量(Mp)及び約90kg/モルのカップリング後のMpを有するジカップリングした線状重合体であって、この重合体は、商標名6320TM(LCY;中国)で得られ、この重合体は、表にて中間分子量重合体として記載されている。
Figure 0005221380
表6は、促進剤としての硫黄と共にアスファルト100重量部当たり4重量部の重合体が、五硫化リンを用いたアスファルト100重量部当たり1.5重量部の重合体の使用と極めて類似の結果を与えたことを示す。有意には、関連した試料間で得られた結果は、各性能基準において実質的に同様のものであった。このことは、本発明がかなり低い重合体の添加量で同程度の性能を可能とするのに有利である。
特定の理論又は反応機構に縛られることを望むものではないが、本発明の一以上の実施態様の改質アスファルトバインダー組成物は、アスファルトバインダーと不飽和重合体の成分間に反応性の架橋を含有することができると思われる。これらの反応性の架橋は、アスファルテン等のアスファルトバインダー中の炭化水素系成分及び/又は重合体鎖の間を架橋するリン原子や硫黄原子を含有できることが推測される。一以上の実施態様において、反応性架橋は、アスファルトバインダーの成分及び/又は重合体の炭素原子に結合したリン−硫黄の基を含むことができる。それらの実施態様又は他の実施態様において、該架橋は、アスファルトバインダー及び/又は重合体の炭素原子に結合したリン−硫黄−リンの基を含むことができる。例えば、反応性架橋は、炭素−リン−硫黄−リン−炭素によって表される橋を含むことができ、ここで、炭素原子は、アスファルトバインダー及び/又は重合体内部におけるそれぞれの成分の一部である。リン−硫黄結合は反応性であると思われる。ここで、反応性とは、リン−硫黄結合が求核試薬等の他の反応種によって攻撃を受け易いことを意味する。求核試薬は容易にアスファルトバインダー中に存在するため、本発明の改質アスファルトバインダーの内部に活動的な状況で存在することができ、それによって、反応性架橋は、攻撃を受けてアスファルトバインダー内の様々な成分にリン結合及び硫黄の架橋を形成し、おそらく不飽和重合体でさえも形成されると思われる。リン−硫黄の架橋は、特定の分子配列中に硫黄源とリン源の双方を提供できる化合物によって達成することができると思われる。このようにそれらの源を提供できる化合物の一つは、五硫化リンであり、重合体と共に独特の改質アスファルトバインダーを予想外に与えることが見出された。
本発明の一以上の実施態様において、予想外に達成された利点は、アスファルトバインダーの重量に対し比較的低い重合体の添加量にて、技術的に有用な改質アスファルトバインダー組成物を達成する能力である。例えば、一以上の実施態様においては2.5重量部未満、他の実施態様においては2.0重量部未満、他の実施態様においては1.8重量部未満、他の実施態様においては1.5重量部未満の重合体と五硫化リンとを用いて調製された改質アスファルトバインダー組成物は、AASHTO T315に準拠して決定された76℃での位相角が80°未満、他の実施態様においては77°未満、他の実施態様においては75°未満、他の実施態様においては72°未満、他の実施態様においては70°未満であることを示す。同様に、一以上の実施態様においては2.5重量部未満、他の実施態様においては2.0重量部未満、他の実施態様においては1.8重量部未満、他の実施態様においては1.5重量部未満の重合体と五硫化リンとを用いて調製された改質アスファルトバインダー組成物は、AASHTO T301に準拠して決定された25℃での伸長回復(a.k.a.弾性回復)が75%を超え、他の実施態様においては77%を超え、他の実施態様においては80%を超え、他の実施態様においては83%を超え、他の実施態様においては85%を超えることを示す。
本発明の範囲と精神から逸脱しない様々な修正や変更は、当業者にとって明らかになる。本発明は、本願において記載される具体例に正当に限定されるものではない。
本発明の特定の実施態様を示す流れ図である。
符号の説明
12 改質アスファルトバインダー施設
14 ターミナル
16 加熱混合工場
22 五硫化リン
24 アスファルトバインダー
26 重合体
28 五硫化リン−バインダー濃縮物
30 不飽和重合体−バインダー濃縮物
32 容器
34 改質バインダー
36 骨材
38 舗装用組成物

Claims (14)

  1. アスファルトバインダー、不飽和重合体及び五硫化リンを混合して、改質アスファルト組成物を形成させる工程を含み、前記不飽和重合体の量がアスファルト100重量部当たり0.5〜10重量部であり、前記五硫化リンの量がアスファルト100重量部当たり0.001〜10重量部であり、前記不飽和重合体のビニル含有量が11〜40%であり、前記不飽和重合体のブロックスチレン含有量が10〜50重量%であり、前記不飽和重合体の五硫化リンに対する重量比が、少なくとも0.5:1でかつ8:1未満であり、前記不飽和重合体と五硫化リンの予備混合又は予備ブレンドのいずれかに先立って、該不飽和重合体と五硫化リンを前記アスファルトバインダーに直接添加することを特徴とする改質アスファルトバインダー組成物の製造方法。
  2. 前記アスファルトバインダーに、前記五硫化リンを固形粒子状五硫化リンの形態で添加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記不飽和重合体が線状重合体であり、前記不飽和重合体の量がアスファルト100重量部当たり5重量部未満であり、前記五硫化リンの量がアスファルト100重量部当たり0.05〜5重量部であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記不飽和重合体が放射状重合体であり、前記不飽和重合体の量がアスファルト100重量部当たり5重量部未満であり、前記五硫化リンの量がアスファルト100重量部当たり0.05〜5重量部であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記不飽和重合体を第一アスファルトバインダー組成物に直接添加し、前記五硫化リンを第二アスファルトバインダー組成物に直接添加し、前記第一アスファルトバインダー組成物及び前記第二アスファルトバインダー組成物を混合して前記改質アスファルトバインダー組成物を形成させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記不飽和重合体及び前記五硫化リンを単一のアスファルトバインダー組成物に直接添加して混合し、前記改質アスファルトバインダー組成物を形成させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記五硫化リンをニート状の五硫化リンとして前記アスファルトバインダーに添加し、前記混合により改質アスファルト組成物を形成させる工程は前記五硫化リン以外の硫黄含有硬化剤を混合する工程がないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記混合の工程がせん断することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記混合の工程が、均一混合物である改質アスファルト組成物を形成させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記不飽和重合体の五硫化リンに対する重量比が少なくとも1.3:1で且つ5:1未満であり、前記改質アスファルトバインダー組成物がアスファルトバインダー100重量部当たり不飽和重合体を2.5重量部未満含み、前記不飽和重合体が該不飽和重合体中100個の炭素原子当たり少なくとも7個の非共役の二重結合を含み、前記五硫化リンを前記アスファルトバインダーに導入する工程が、2重量%より少ない炭化水素物質又は不純物を含む五硫化リン組成物を添加する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 五硫化リン及びアスファルトバインダーを導入して混合することによって五硫化リン−バインダー濃縮物を調製する工程であって、該五硫化リン−バインダー濃縮物が、アスファルト100重量部当たり五硫化リンを0.5重量部を超えて含む工程と、
    不飽和重合体及びアスファルトバインダーを導入して混合することによって不飽和重合体−バインダー濃縮物を調製する工程であって、該不飽和重合体−バインダー濃縮物が、アスファルト100重量部当たり不飽和重合体を5重量部を超えて含む工程と、
    前記五硫化リン−バインダー濃縮物を前記不飽和重合体−バインダー濃縮物と共に導入して混合し、改質アスファルトバインダー組成物を形成する工程と、
    を含み、
    前記不飽和重合体のビニル含有量が11〜40%であり、前記不飽和重合体のブロックスチレン含有量が10〜50重量%であり、前記不飽和重合体の五硫化リンに対する重量比が、少なくとも0.5:1でかつ8:1未満である、
    ことを特徴とする改質アスファルトバインダー組成物の形成方法。
  12. 請求項1に記載の方法により得られ、アスファルト、五硫化リン及び不飽和重合体の組み合わせ又は反応生成物を含むことを特徴とする改質アスファルトバインダー組成物。
  13. 請求項1に記載の方法により得られ、アスファルト、不飽和重合体、リン源及び硫黄源の反応生成物を含むアスファルト組成物であって、前記リン源及び前記硫黄源が、アスファルトと不飽和重合体との成分間に反応性の架橋を形成し、前記リン源及び前記硫黄源が五硫化リンを含むことを特徴とするアスファルト組成物。
  14. 前記量の選択により前記改質アスファルトバインダー組成物の25℃での弾性回復率が72.5%以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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