JP2020089933A - 計測装置、計測方法、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】実加工時間の計測精度向上をコスト削減を図りながら実現する。【解決手段】被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、加工部による被加工物の加工時間を計測する。具体的に、加工部による被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に加工装置又は被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、加工制御部が加工制御情報に従って加工部に被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、加工制御部との通信を行って特定すると共に、加工制御期間内における検出信号のみを対象として、検出信号に基づく被加工物の加工時間計測を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、例えばNC(Numerically Control)工作機械等、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、加工部が被加工物を実際に加工している時間である実加工時間を計測するための技術分野に関する。
例えばNC(Numerically Control)工作機械等、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置については、加工部が実際に被加工物を加工している時間である実加工時間を計測することが重要とされている。実加工時間を正確に計測することで、例えば切削のためのドリル等の工具の交換時期や、加工作業の効率を適切に判断することが可能となるためである。
実加工時間については、上記の加工制御情報に基づいて大凡の時間を把握することは可能である。具体的には、加工制御部が加工制御情報に従って加工部に被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を実加工時間とみなすものである。
しかしながら、加工制御情報において規定される加工範囲は、実際の加工範囲によりも広範囲となる。例えば、加工部に加工動作を開始/終了させる位置は、実際の加工開始位置(つまり加工部が被加工物に接する位置)や加工終了位置に厳密に一致させようとすると、被加工物に意図しない非加工部分が形成される虞があるため、加工部に加工動作を開始させる座標位置は加工部が被加工物に接する座標位置よりも手前に設定され、また加工部に加工動作を終了させる座標位置は加工部の被加工物に対する接触状態が終了する座標位置よりも後側に設定されることになり、従って加工制御期間は実加工時間よりも長い期間となる。このため、加工制御期間を実加工時間とみなす手法では、実加工時間を正確に把握することはできない。
ここで、実加工時間を計測するための技術については、例えば下記特許文献1、2に開示される技術を挙げることができる。
特許文献1には、切削中/非切削中の各状態で主軸モータの負荷や切削粉、切削音、切削工具とワークとの接触等が異なることに着目し、接触センサ、主軸モータの電流センサ、画像センサ、音センサ、振動センサの何れか一つ、又は複数に基づいて実加工時間を計測することが開示されている。
また、特許文献2には、振動の検出周波数帯域を異にする複数の振動センサを用い、それらの振動センサが同時に信号を検出した場合に実加工と判断し、実加工時間を計測する技術が開示されている。
特開平11−28640号公報 特開昭61−159354号公報
ここで、上記特許文献1に関して、センサを複数用いて実加工時間を計測することは、計測精度の向上を図る上で有利となるが、センサが増えることはコストアップに繋がる。一方で、センサを単数とした場合には、ノイズに対する耐性が低下し、実加工時間の計測精度低下を招くことになる。
また、上記特許文献2に関しては、センサを複数用いることを前提としているため、コストアップが不可避となる。
本発明は上記問題点に鑑み為されたものであり、実加工時間の計測精度向上をコスト削減を図りながら実現することを目的とする。
本発明に係る計測装置は、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って前記加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、前記加工部による前記被加工物の加工時間を計測する計測装置であって、前記加工部による前記被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に前記加工装置又は前記被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力する入力部と、前記加工制御部が前記加工制御情報に従って前記加工部に前記被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、前記加工制御部との通信を行って特定すると共に、前記加工制御期間内における前記検出信号のみを対象として、前記検出信号に基づく前記被加工物の加工時間計測を行う計測部と、備えるものである。
これにより、加工部の早送り期間等、加工制御期間以外の期間に振動センサによる検出信号に生じるノイズに反応して実加工時間が計測されてしまうことの防止が図られる。また、実加工時間の計測にあたり、振動センサを複数用いる必要はない。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記計測部は、前記加工制御期間内における前記検出信号の振幅値が閾値を超える時間を前記被加工物の加工時間として計測する構成とすることが可能である。
これにより、加工に伴い振動が大きくなる期間を実加工時間として計測可能とされる。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記計測部は、前記閾値を変更可能に構成されたものとすることが可能である。
加工時に生じる振動の大きさは加工部の駆動の態様(例えば、工具の回転速度等)や用いる工具の種類、被加工物の材料の種類等によって変化し得る。閾値を変更可能とすることで、これらの振動変化要因に応じた適切な閾値設定が可能となる。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記加工部は工具を回転させる主軸を有し、前記計測部は、前記主軸の空転状態で得られる前記検出信号の振幅値に基づき前記閾値を決定する構成とすることが可能である。
検出信号において、加工に起因して生じる振動成分である加工振動成分は、主軸の回転振動成分である主軸回転振動成分に重畳して発生する。このため、空転時の検出信号から主軸回転振動成分の信号振幅値を求め、該信号振幅値に所定のマージン値を加える等、該信号振幅値に応じた値を閾値として決定する。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記計測部は、前記加工制御期間が開始される際の前記主軸の空転期間内における前記検出信号の振幅値に基づき前記閾値を決定する構成とすることが可能である。
これにより、加工部の駆動態様や工具の種類等、振動変化要因に応じた適切な閾値を用いた実時間計測を行うにあたり、該振動変化要因に応じた閾値を予め求めておくためのキャリブレーションを行う必要がなくなる。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記計測部は、前記検出信号の特定周波数帯域の成分を抽出した信号に基づいて前記加工時間計測を行う構成とすることが可能である。
これにより、例えば主軸回転振動成分等、加工に起因せずに生じる振動成分を除去した検出信号に基づき実加工時間の計測を行うことが可能とされる。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記加工部は工具を回転させる主軸を有し、前記計測部は、前記検出信号から前記主軸の回転振動の周波数成分である主軸回転振動成分を除去した信号に基づいて前記加工時間計測を行う構成とすることが可能である。
これにより、主軸回転振動成分を除去した検出信号に基づき実加工時間の計測が行われる。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記計測部は、前記検出信号から除去する信号成分の周波数帯域を前記主軸の回転速度に応じて変更する構成とすることが可能である。
主軸回転振動成分の周波数帯域は主軸の回転速度に応じて変化するものである。上記構成によれば、加工装置が主軸の回転速度を適宜変更して加工を行う場合に対応して、各回転速度に応じた適切な除去周波数帯域を設定することが可能とされる。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記計測部は、前記主軸をそれぞれ異なる回転速度で空転させた際に得られる前記検出信号に基づき、前記主軸回転振動成分の周波数帯域を前記回転速度ごとに学習する構成とすることが可能である。
これにより、回転速度ごとの主軸回転振動成分の周波数帯域が実測した検出信号に基づき求められ、各回転速度に応じた適切な除去周波数帯域を設定することが可能とされる。
上記した本発明に係る計測装置においては、前記計測部は、前記加工制御期間を表す情報と計測した前記加工時間の情報とを外部装置に送信する制御を行う構成とすることが可能である。
これにより、外部装置を使用するユーザに加工制御期間と実加工時間との関係を把握させることが可能となる。
また、本発明に係る計測方法は、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って前記加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、前記加工部による前記被加工物の加工時間を計測する計測方法であって、前記加工部による前記被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に前記加工装置又は前記被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、前記加工制御部が前記加工制御情報に従って前記加工部に前記被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、前記加工制御部との通信を行って特定すると共に、前記加工制御期間内における前記検出信号のみを対象として、前記検出信号に基づく前記被加工物の加工時間計測を行う計測方法である。
このような計測方法によっても、上記した本発明に係る計測装置と同様の作用が得られる。
また、本発明に係るプログラムは、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って前記加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、前記加工部による前記被加工物の加工時間を計測するコンピュータ装置に処理を実行させるプログラムであって、前記加工部による前記被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に前記加工装置又は前記被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、前記加工制御部が前記加工制御情報に従って前記加工部に前記被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、前記加工制御部との通信を行って特定すると共に、前記加工制御期間内における前記検出信号のみを対象として、前記検出信号に基づく前記被加工物の加工時間計測を行う処理、を前記コンピュータ装置に実行させるプログラムである。
このようなプログラムにより、上記した本発明に係る計測装置が実現される。
本発明によれば、実加工時間の計測精度向上をコスト削減を図りながら実現することができる。
実施形態としての計測装置を備えたNC工作システムの構成を説明するための図である。 実施形態におけるNC工作機械の構成例を示した図である。 実施形態におけるセンサ装置の構成例を示した図である。 実施形態としての計測装置1の構成例を示した図である。 ワークに対する加工ルートの一例を示した図である。 第一実施形態としての計測手法についての説明図である。 第一実施形態としての計測手法を実現するために実行すべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。 第二実施形態としての計測装置が備える制御部の機能ブロック図である。 第二実施形態としての計測手法を実現するために実行すべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。 加工時に得られる振動信号の周波数解析結果を例示した図である。 第三実施形態としての計測装置が備える制御部の機能ブロック図である。 第三実施形態としての計測装置が生成するテーブルの例を示した図である。 第三実施形態においてキャリブレーション時に対応して実行すべき具体的な処理手順を示したフローチャートである。 第三実施形態において本番の加工時に対応して実行されるべき具体的な処理手順を示したフローチャートである。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
以下で説明する構成はあくまで一具体例であり、本発明は下記構成に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。

<1.第一実施形態>
[1-1.NC工作システムの構成]
[1-2.実施形態としての計測手法]
[1-3.処理手順]
<2.第二実施形態>
<3.第三実施形態>
<4.変形例>
<5.プログラム>
<6.実施形態のまとめ>
<1.第一実施形態>
[1-1.NC工作システムの構成]

図1は、本発明に係る計測装置の一実施形態である計測装置1を備えたNC(Numerically Control)工作システム100の構成を説明するための図である。
図示のようにNC工作システム100は、計測装置1、センサ装置2、NC工作機械3、中間装置4、サーバ装置5、クラウドサーバ6、及び表示端末7を備えている。
NC工作機械3は、加工用の工具が取り付けられた加工部(後述する加工部36)の動作をNCプログラム(後述するNCプログラム34a)としての加工制御情報に従って制御することで、被加工物としてのワークWを加工する。
図2は、NC工作機械3の構成例を示した図である。
NC工作機械3は、主軸回転駆動部31、位置調整用駆動部32、制御部33、記憶部34、通信部35、及び加工部36を備えている。
本例において、NC工作機械3は切削によりワークWを加工するNC工作機械とされ、加工部36はドリル等の切削用の工具を回転させる主軸を有している。加工部36は、主軸に対し工具を着脱自在に装着することが可能に構成されている。
主軸回転駆動部31は、加工部36における主軸を回転させるモータを有して構成されている。
位置調整用駆動部32は、NC工作機械3が有する不図示の位置調整機構を駆動するためのアクチュエータ(例えばモータ等)を有して構成されている。この位置調整機構は、加工部36とワークWとの位置関係を変化させるための機構とされる。本例では、位置調整機構は、加工部36の上下、左右、前後の各方向における位置を変化させる機構として構成されている。
なお、位置調整機構は加工部36を変位させる構成に限らず、ワークW側を変位させる構成とすることもできる。例えば、ワークWを載置するステージを変位させる構成等である。
制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、CPUがプログラムに従った処理を実行することでNC工作機械3の動作を制御する。
特に、制御部33(CPU)は、例えば不揮発性の記憶装置とされた記憶部34に格納されているNCプログラム34aに従った処理、具体的には、NCプログラム34aに従った主軸回転駆動部31及び位置調整用駆動部32の制御を行うことで、加工部36における主軸の回転動作制御や加工部36とワークWとの位置関係の調整を行う。
NCプログラム34aには、加工部36の移動目標位置を表す座標データや加工部36の送り速度を表すデータ、主軸の回転速度を指定するデータ等が含まれている。このようなNCプログラム34aに従って制御部33が主軸回転駆動部31及び位置調整用駆動部32を制御することで、プログラム設計者の意図に沿ったワークWの加工動作が実現される。
通信部35は、外部装置、特に本実施形態では計測装置1との間で所定の通信方式によるデータ通信を行う。本例では、通信部35はイーサネット (Ethernet:登録商標) 規格に対応した通信方式による有線通信を行う。
制御部33は、通信部35を介して外部装置との間でデータの送受信を行うことが可能とされている。
図1において、センサ装置2は、加工部36がワークWを加工することに起因して生じる振動を検出し、該振動の検出信号である振動信号を計測装置1に送信する。
図3は、センサ装置2の構成例を示しているが、図示のようにセンサ装置2は、振動センサ21とマイクロコンピュータ22と通信部23とを備えている。
振動センサ21は、振動を検出可能なセンサ、具体的に本例では加速度センサとされ、加工部36によるワークWの加工に伴い生じる振動を検出する。本例において、振動センサ21は、加工部36に装着されることで加工時に生じる振動を検出可能とされている。
なお、振動センサ21は、加工部36に対してではなくワークWを載置するステージ等、NC工作機械3の他の部分に対して装着することや、ワークW自体に対して装着することも可能である。
マイクロコンピュータ22は、CPUやROM、RAM等を備えて構成され、例えば上記ROM等に記憶されたプログラムに従った処理を実行することでセンサ装置2の動作を制御する。
マイクロコンピュータ22には通信部23が接続されている。通信部23は、外部装置、特に本実施形態では計測装置1との間で所定の通信方式によるデータ通信を行うことが可能に構成されている。本例では、通信部23は例えばRS−232C等のシリアル通信規格に対応した有線通信を行う。
マイクロコンピュータ22は、計測装置1からの要求に応じ、振動センサ21による検出信号を通信部23を介して計測装置1に送信する処理を行う。
図1に戻り、計測装置1は、センサ装置2から入力した振動センサ21の検出信号(振動信号)に基づき、加工部36によるワークWの加工時間を計測する。
図4は、計測装置1の構成例を示している。
計測装置1は、制御部11、第一通信部12、第二通信部13、及び第三通信部14を備えている。
制御部11は、例えばCPUやROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、CPUが上記ROM等に格納されたプログラムに従った処理を実行することで計測装置1の動作を制御する。
第一通信部12は、NC工作機械3における通信部35が対応する通信方式によるデータ通信を行うことが可能とされている。これにより制御部11は、第一通信部12を介してNC工作機械3における制御部33との間でデータの送受信を行うことが可能とされている。
第二通信部13は、センサ装置2における通信部23が対応する通信方式によるデータ通信を行うことが可能とされ、これにより制御部11は、第二通信部13を介してセンサ装置2におけるマイクロコンピュータ22との間でデータの送受信を行うことが可能とされている。特に、振動センサ21により得られる振動信号を第二通信部13経由で取得することが可能とされている。
第三通信部14は、図1に示す中間装置4との間で所定の通信方式によるデータ通信を行うことが可能とされている。具体的に、本例の第三通信部14は、中間装置4との間で所定の通信規格に従った無線通信を行うことが可能とされている。
なお、本実施形態における制御部11が実行する具体的な処理については後述する。
図1において、中間装置4は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置と、計測装置1との間でデータ通信を行うための通信部と、サーバ装置5との間でデータ通信を行うための通信部とを少なくとも備えた装置とされ、計測装置1とサーバ装置5との間でやりとりすべきデータの中継器として機能する。
サーバ装置5は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置と、中間装置4との間でデータ通信を行うための通信部と、例えばインターネットとされたネットワークNTを介して外部装置との間でデータ通信を行うための通信部とを少なくとも備えた装置とされる。
サーバ装置5は、中間装置4を介して計測装置1から受信したデータ(例えば実加工時間についての計測データ等)の管理を行う。サーバ装置5は、計測装置1から受信したデータを、ネットワークNTを介してクラウドサーバ6に送信することが可能とされている。
クラウドサーバ6、表示端末7は、それぞれマイクロコンピュータ等の演算処理装置と、ネットワークNTを介して外部装置との間でデータ通信を行うための通信部とを少なくとも備えている。
表示端末7は、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等、ユーザからの操作入力の受け付けやユーザに対する視覚情報の表示が可能な装置として構成されている。
クラウドサーバ6は、ネットワークNT経由でサーバ装置5から送信された計測装置1による計測データを受信し、保存することが可能とされている。また、クラウドサーバ6は、表示端末7からの要求に応じ、保存したデータをネットワークNT経由で表示端末7に送信することが可能とされている。
上記のように構成されたNC工作システム100において、ユーザは、表示端末7に対する操作入力を行うことで、計測装置1による計測データを視覚化した情報を表示端末7の画面上(或いは表示端末7に接続されたディスプレイの画面上)に表示させることができ、計測装置1による計測結果の確認を行うことができる。
[1-2.実施形態としての計測手法]

ここで、NC工作機械3については、加工部36が実際にワークWを加工している時間である実加工時間を計測することが重要であるとされている。
具体的に、実加工時間を適切に計測することで、例えば切削のためのドリル等の工具(消耗品)の交換時期を適切に把握することができる。
また、実加工時間を把握できれば、加工作業の効率を推し量ることが可能となる。
図5は、ワークWに対する切削加工時に加工部36が辿るルート(加工ルート)の一例を模式的に表している。
NCプログラム34a上では、図中の始点Psから終点Peまでの範囲が、加工範囲として規定される。前述のように、加工部36に加工動作を開始/終了させる位置は、実際に加工部36がワークWに接触を開始する/接触が終了する位置に厳密に一致させようとすると、ワークWに意図しない非加工部分が形成される虞があるため、NCプログラム34a上で規定される加工範囲は、実際の加工範囲(ワークWに対して実際に加工が行われる範囲)よりも広範囲とされている。
確認のため述べておくと、図中で示す矢印全体の範囲(始点Psから終点Peまでの範囲)がNCプログラム34a上での加工範囲を表しており、波線で示す部分が実際にワークWが加工される範囲を表している。つまり、波線で示す部分を加工部36が辿る時間の総計が、実加工時間として求めるべき時間とされる。
ここで、NC工作機械3において、制御部33がNCプログラム34aに従って加工部36に加工動作を実行させる制御を行う期間のことを「加工制御期間」と表記する。
本例において、加工制御期間は、主軸回転駆動部31により加工部36の主軸を回転させつつ、位置調整用駆動部32により加工部36を加工時用の送り速度で変位させている期間を意味する。
図5の例において、仮に、加工制御期間(始点Psから終点Peまでに要する期間)を実加工時間(波線部の加工に要する時間)とみなした場合には、実際の加工時間との乖離が大きくなり、実加工時間を正確に把握できないことが分かる。また、実加工時間を適切に計測できれば、加工制御期間との対比により、作業の効率を推し量ることができる。図5の例では、加工制御期間に対する実加工時間の乖離が大きく(実加工時間に対し加工制御期間が長く)なっており、作業効率が低いと評価することができる。
本実施形態では、実加工時間の計測精度を高めるべく、次の図6で説明する計測手法を採用する。
先ず前提として、ワークWに対する加工を行う際には、加工部36は、先ず所定の退避位置から早送りとしての送り速度により始点Psとして表す加工動作開始位置まで移動される。本例では、加工部36の主軸は、早送りが開始されるタイミングで回転を開始される。
その後、加工部36は、主軸が回転した状態で、切削送りとしての、早送り時よりも遅い加工時用の送り速度で終点Peとして表す加工動作終了位置まで移動され、ワークWに対する加工(切削)が行われる。加工動作終了位置に到達したことに応じ、加工部36は早送りにより所定の退避位置に移動される。なお、主軸の回転は、加工動作終了位置に到達した以降の所要のタイミングで停止されればよい。
上記のような加工部36の一連の動作により実現されるワークWの加工について、本実施形態では、実加工時間は、基本的には振動センサ21の検出信号(振動信号)に基づき計測する。具体的には、振動信号の振幅値が所定の閾値THを超えるか否かにより、実加工状態か否かを判別することで、実加工時間の計測を行う。
但し、振動信号にはノイズが重畳し得ることを考慮すべきであり、単純に閾値THとの比較を行うのみでは実加工時間の計測精度低下を招く虞がある。例えば、早送り時にNC工作機械3に何らかの要因により振動が与えられることもあり(例えば、図中の矢印Aで表す部分を参照)、その場合には、振動信号の振幅値が閾値THを超えて実加工時間として誤ってカウントされてしまう虞がある。
そこで、本実施形態の計測装置1では、加工制御期間内における振動信号のみを対象として、振動信号に基づいた加工時間計測を行う。具体的には、加工制御期間内において振動信号の振幅値が閾値THを超える時間を実加工時間として計測する。
これにより、例えば早送り期間等の加工制御期間以外の期間で振動信号に生じたノイズに反応して、実際は加工が行われていない時間が実加工時間として含まれてしまうことの防止が図られ、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
また、実加工時間の計測精度向上を図るにあたり、複数の振動センサ21を用いることは不要であり、振動センサ21は単数とすることができる。
[1-3.処理手順]

続いて、図7のフローチャートを参照し、上記した実施形態としての計測手法を実現するために計測装置1の制御部11が実行すべき具体的な処理の手順を説明する。
なお、図7に示す処理は、制御部11のCPUが例えば制御部11のROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに基づき実行するものである。
先ず、制御部11はステップS101で、加工制御開始となるまで待機する。具体的に、制御部11は、第一通信部12を介した通信により、NC工作機械3の制御部33に例えば0.1秒周期等の所定の周期で制御ステータスの問合せを行い、該問合せの結果、制御ステータスが加工制御開始のステータスとなるまで待機する。先の説明から理解されるように、本例では、加工制御開始は、位置調整用駆動部32により加工部36を加工時用の送り速度で変位させる制御の開始を意味する。
ステップS101において、加工制御開始であると判定した場合、制御部11はステップS102に進んで振動信号の振幅値と閾値THとの比較を開始する。
続くステップS103で制御部11は、振幅値が閾値THを超えたか否かを判定し、振幅値が閾値THを超えた場合には、ステップS104でタイムカウントを開始し、ステップS105で振幅値が閾値TH以下となるまで待機する。
振幅値が閾値TH以下となったら、制御部11はステップS106でタイムカウントを停止し、ステップS107で加工制御終了か否かを判定する。すなわち、上記した制御ステータスの問合せの結果、制御ステータスが加工制御終了のステータスとなっているか否かを判定する。本例では、加工制御終了は、位置調整用駆動部32により加工部36を所定の退避位置に早送りとしての移動速度で移動させる制御の開始を意味する。
ステップS107において、加工制御終了ではないと判定した場合、制御部11はステップS103に戻る。これにより、加工制御期間内において、実加工時間の計測を断続的に行うことが可能とされている。
一方、ステップS107において、加工制御終了ではないと判定した場合、制御部11はステップS108に進んで処理終了条件が成立したか否かを判定する。ここでの処理終了条件としては、例えば中間装置4等の外部装置より実加工時間の計測処理を終了すべき旨の通知を受けたこと等、実加工時間の計測処理を終了すべきものとして予め定められた所定の条件を意味する。
処理終了条件が成立していないと判定した場合、制御部11はステップS101に戻る。
一方、処理終了条件が成立したと判定した場合、制御部11は図7に示す一連の処理を終える。
なお、上記では、加工制御期間以外の早送り期間においても主軸の回転が行われる例を挙げたが、主軸の回転は加工制御期間内でのみ行われてもよい。その場合、加工制御開始の判定(S101)は、主軸の回転が開始したか否かの判定として行うこともでき、また、加工制御終了の判定(S107)は主軸の回転が終了したか否かの判定として行うこともできる。
ここで、図示による説明は省略するが、制御部11は、図7に示した処理により計測した実加工時間のデータを、中間装置4及びサーバ装置5を介してクラウドサーバ6に送信する。
また、図示による説明は省略するが、制御部11は、加工制御期間の計測も行う。具体的には、ステップS101で加工制御開始と判定した時点からステップS107で加工制御終了と判定した時点までの期間を加工制御期間として計測する。本例において、制御部11は、このように計測した加工制御期間のデータについても中間装置4及びサーバ装置5を介してクラウドサーバ6に送信する。
これにより、ユーザは、表示端末7を用いてこれら実加工時間や加工制御期間の視覚情報を閲覧することが可能とされる。また、実加工時間と加工制御期間の対比により、加工作業の効率についての評価を行うことが可能とされる。さらに言えば、このような作業効率についての評価結果に基づき、切削加工時に加工部36が辿る加工ルート(図5参照)の見直しを図ることで、作業効率の改善を図ることができる。
<2.第二実施形態>

続いて、第二実施形態について説明する。
第二実施形態は、実加工状態か否かを判定するための閾値THを可変とするものである。
ワークWの加工に伴い生じる振動の大きさは、加工部36の駆動態様(例えば、工具の回転速度等)や用いる工具の種類、またワークWの材料の種類等によって変化し得る。閾値THを可変とすることで、これら加工時の振動変化要因に応じた適切な閾値設定を行うことが可能となり、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
以下では、閾値THを可変とする例として、閾値THを、主軸の空転状態で得られる振動信号の振幅値に基づき決定する例を挙げる。ここで、空転状態とは、工具が他の物体に非接触の状態で主軸を回転させている状態を意味する。
具体的に、本例では、空転状態で得られる振動信号の振幅値を取得し、該振幅値に所定のオフセット値(マージン値)を加算した値を閾値THとして決定する。
振動信号において、加工によって生じる振動成分である加工振動成分は、主軸の回転振動成分である主軸回転振動成分に重畳して発生するものである(図6における早送り期間における波形と実加工時間における波形とを参照)。このため、空転時の振動信号から主軸回転振動成分の信号振幅値を求め、該信号振幅値に所定のオフセット値を加えた値を閾値THとすることで、主軸回転振動成分に加工振動成分が重畳した状態、すなわち実加工状態を適切に検出することが可能となる。
なお、確認のため述べておくと、上記のように空転状態での振動信号振幅値に基づき閾値THを決定する手法は、上述した振動変化要因のうち、工具の回転速度や用いる工具の種類に起因した振動変化に対応可能な手法となる(ワークWの材料の種類に起因した振動変化への対応は不能)。
図8は、第二実施形態としての計測装置1が備える制御部11Aの機能ブロック図である。
なお、第二実施形態としての計測装置1は、第一実施形態としての計測装置1と比較して、制御部11に代えて制御部11Aが設けられる点以外は同様となるため、内部構成の図示による説明は省略する。また、図8では、制御部11Aが有する機能のうち、第二実施形態において特徴的となる機能に対応した機能ブロックのみを抜粋して示している。
なお、以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号、同一ステップ番号を付して説明を省略する。
図8に示すように、制御部11Aは、空転時振動解析部F1と閾値決定部F2としての機能を有している。
空転時振動解析部F1は、主軸の空転状態で得られる振動信号について解析を行い、該空転状態における振動信号の振幅値(以下「振幅値a1」と表記)を求める。具体的に、本例の空転時振動解析部F1は、加工制御期間が開始される際の主軸の空転期間内における振動信号を解析し、振幅値a1を求める。この際、振幅値a1としては、例えば所定のサンプリング期間内における振動信号振幅値の平均値として求める。
閾値決定部F2は、空転時振動解析部F1で得られた振幅値a1に基づき、閾値THを決定する。具体的に本例では、振幅値a1に所定のオフセット値を加算した値を閾値THとして決定する。
図9は、第二実施形態における制御部11Aが実加工時間計測のために実行すべき具体的な処理の手順を示している。
なお、図9に示す処理は、制御部11AにおけるCPUが例えば制御部11Aの有するROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに従って実行する。
図示のように制御部11Aは、ステップS101で加工制御開始と判定したことに応じ、ステップS201で空転時振動解析処理を実行する。すなわち、加工制御開始に応じて振動センサ21による振動信号の解析を行って、上述した振幅値a1を求める。これにより、振幅値a1として、加工制御期間が開始される際の主軸の空転期間内に得られる振動信号の振幅値が取得される。
ステップS201に続くステップS202で制御部11Aは、閾値決定処理を実行する。すなわち、ステップS201で求まった振幅値a1に所定のオフセット値を加算した値を閾値THとして決定する。
そして、制御部11Aは、ステップS202の決定処理を実行したことに応じ、ステップS102に処理を進める。
なお、ステップS102以降の処理については図7の場合と同様となるため重複説明は避ける。
ここで、主軸の空転状態で得られる振動信号の振幅値に基づき閾値THを決定する手法としては、上記のように加工制御期間が開始される際の主軸の空転期間内での振動信号振幅値を用いる手法に限定されない。
例えば、キャリブレーションとして、工具の回転速度(主軸の回転速度)と工具の種類の組み合わせごとに主軸を空転させた際の振動信号振幅値をそれぞれ取得し、それら組み合わせごとの閾値THを予め決定し、閾値THのテーブルを作成しておくこともできる。この場合、制御部11Aは、該テーブルから工具の回転速度と工具の種類の組み合わせに対応した閾値THを取得し、該取得した閾値THを実加工時間の計測に用いる。
但し、このようなキャリブレーションを行う場合には、本番としてのワークWの加工を行う前に、主軸の回転速度を都度変更したり工具を換装したりする等、閾値THのキャリブレーションを実現するための作業負担をユーザに負わせることになる。図9で例示したように加工制御期間が開始される際の主軸の空転期間内での振動信号振幅値を用いる手法とすれば、このようなキャリブレーションに係る作業負担をユーザに負わせずに済むものとなる。
また、閾値THは、実際にワークWを加工している際の振動信号の振幅値に基づいて決定することもできる。
その場合、例えばキャリブレーションとして、工具の回転速度、工具の種類、及びワークWの材料の種類の組み合わせごとに、実際にワークWを加工している際の振動信号振幅値をそれぞれ取得し、それら組み合わせごとの閾値THを予め決定し、閾値THのテーブルを作成しておくことが考えられる。すなわち、本番としてのワークWの加工時には、制御部11Aは、このようにキャリブレーションにより事前に作成したテーブルを参照して、振動変化要因の組み合わせに応じた閾値THを取得し、該取得した閾値THを用いて実加工時間の計測を行う。
これにより、ワークWの材料の種類を含む振動変化要因に応じた適切な閾値THを設定することが可能となり、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
なお、この場合における閾値THは、例えば加工時の振動信号振幅値から所定のオフセット値を減じた値とすればよい。
<3.第三実施形態>

第三実施形態は、振動信号の特定周波数帯域の成分を抽出した信号に基づいて実加工時間の計測を行うものである。
図10は、加工時に得られる振動信号(本例では加速度信号)の周波数解析結果を例示している。
図中、「B1」と示す周波数帯域は、主軸の回転振動成分である主軸回転振動成分の周波数帯域であり、図中「B2」と示す周波数帯域は、加工によって生じる振動成分である加工振動成分の周波数帯域である。
このように加工時の振動信号において、主軸回転振動成分と加工振動成分とは周波数帯域を異にするものであり、周波数領域において両者を検出し分けることが可能なものである。
ここで、主軸回転振動成分は、加工に起因せずに生じる成分であり、実加工時間の計測においてはノイズ成分として扱うことができる。そこで、本例では、振動信号から主軸回転振動成分を除去した信号を用いて実加工時間の計測を行うという手法を採る。
このとき、主軸回転振動成分の周波数帯域は、主軸の回転速度によって変化し得る。このため、本例では、主軸回転振動成分の周波数帯域を、主軸の回転速度ごとに特定するためのキャリブレーションを行う。
具体的には、主軸をそれぞれ異なる回転速度により空転させ、各回転速度による空転状態ごとに、振動信号の周波数解析を行って主軸回転振動成分の周波数帯域を決定する。
ここで、以下、主軸回転振動成分の周波数帯域については「回転成分帯域B1」と表記する。
また、本例では、このように決定した回転成分帯域B1の情報を回転速度ごとに格納したテーブルを生成し、実加工時間の計測は、このテーブルから参照される回転成分帯域B1の成分を除去した振動信号に基づいて行う。具体的に本例では、信号抽出帯域を変更可能とされたBPF(バンドパスフィルタ)によって、振動信号から回転成分帯域B1の成分(つまり主軸回転振動成分)を除去する。
図11は、第三実施形態としての計測装置1が備える制御部11Bの機能ブロック図である。
第三実施形態としての計測装置1は、第一実施形態としての計測装置1と比較して制御部11に代えて制御部11Bが設けられる点以外は同様となるため、内部構成の図示による説明は省略する。
なお、図11では、制御部11Bが有する機能のうち、第三実施形態において特徴的となる機能に対応した機能ブロックのみを抜粋して示している。
制御部11Bは、キャリブレーション処理部F5及び抽出信号生成部F6としての機能を有する。
キャリブレーション処理部F5は、上記したキャリブレーションを実現するための各機能を包括的に表したものであり、図示のように回転動作制御部F51、周波数解析部F52、回転成分帯域決定部F53、及びテーブル生成部F54を有している。
回転動作制御部F51は、NC工作機械3の制御部33に対する指示を行って、主軸の回転速度を変更させる。周波数解析部F52は、回転動作制御部F51によって主軸がそれぞれ異なる回転速度により回転される下で、それぞれの回転速度による回転状態ごとに、振動センサ21による振動信号の周波数解析を行う。本例では、周波数解析としてFFT(Fast Fourier Transform Analysis)等のフーリエ変換を行う。
回転成分帯域決定部F53は、周波数解析部F52による振動信号の周波数解析結果に基づき、回転速度ごとの回転成分帯域B1を決定する。周波数解析結果から回転成分帯域B1を決定する手法については種々考えられるが、例えば、スペクトル強度が一定値以上となっている帯域を回転成分帯域B1として決定する手法等を挙げることができる。
テーブル生成部F54は、回転成分帯域決定部F53が回転速度ごとに決定した回転成分帯域B1の情報に基づき、例えば図12に例示するように回転速度ごとに回転成分帯域B1を対応づけて格納したテーブルを生成する。図12の例では、500rpm刻みの5000rpmまでの回転速度ごとにそれぞれ対応する回転成分帯域B1を格納したテーブルを示しているが、対応する回転速度の上限、及び分解能は例示した5000rpmや500rpmに限定されるものではない。
図11に戻り、抽出信号生成部F6は、主軸の回転速度に応じた回転成分帯域B1の情報をテーブルから取得し、取得した回転成分帯域B1以外の成分を振動信号から抽出した信号を生成するための各機能を包括的に表したものであり、図示のようにBPF部F61、回転速度情報取得部F62、及び抽出帯域調整部F63を有している。
BPF部F61は、センサ装置2から入力した振動信号について、特定周波数帯域の成分を抽出する処理を行う。本例では、BPF部F61は、抽出対象とする周波数帯域(以下、単に「抽出帯域」とも表記する)を変更可能に構成されている。
回転速度情報取得部F62は、NC工作機械3の制御部33との通信を行って加工部36における主軸の回転速度情報を取得する。この主軸の回転速度情報としては、本番としての加工時における回転速度情報を取得する。
抽出帯域調整部F63は、回転速度情報取得部F62が取得した回転速度情報に基づき、BPF部F61の抽出帯域を調整する。具体的には、テーブル生成部F54が生成したテーブルから、上記取得した回転速度情報が表す回速速度に対応した回転成分帯域B1の情報を取得し、BPF部F61の抽出帯域が該取得した回転成分帯域B1を除く周波数帯域となるように調整を行う。
第三実施形態において、制御部11Bは、このように抽出帯域が調整されたBPF部F61により特定帯域の成分が抽出された振動信号に基づき、第一実施形態の場合と同様に実加工時間の計測を行う。すなわち、実加工期間内において該振動信号の振幅値が所定の閾値THを超える期間を実加工時間として計測する。
図13及び図14は、上記した第三実施形態としての計測手法を実現するために制御部11Aが実行すべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
図13は、図11に示したキャリブレーション処理部F5としての機能を実現するために実行すべき具体的な処理手順を示し、図14は、抽出信号生成部F6としての機能を含む、本番としての加工時に対応して実行されるべき具体的な処理手順を示している。
なお、図13及び図14に示す処理は、制御部11BにおけるCPUが例えば制御部11Bの有するROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに従って実行する。
図13において、制御部11BはステップS301で、NC工作機械3の制御部33に対し初期回転速度での回転指示を行う。つまり本例では、先ずは500rpmによる回転速度での主軸の回転指示を行う。
続くステップS302で制御部11Bは、振動信号の周波数解析を行う。すなわち、センサ装置2から入力した振動信号についてFFTによる周波数解析を行う。次いで、制御部11BはステップS303で、周波数解析結果に基づき回転成分帯域B1の決定を行う。
さらに、続くステップS304で制御部11Bは、決定した帯域(回転成分帯域B1)の情報を記憶する処理を行う。
ステップS304の記憶処理を実行したことに応じ、制御部11BはステップS305で全回転速度分の処理を完了したか否かを判定する。具体的に本例では、500rpm刻みで5000rpmまでの各回転速度について、ステップS302〜S304の処理を完了した否かを判定する。
全回転速度分の処理が完了していないと判定した場合、制御部11BはステップS306に進んで回転速度切替指示を制御部33に対して行う。具体的には、主軸の回転速度を500rpm上昇させる指示を行う。そして、ステップS302に戻る。
これにより、各回転速度ごとの回転成分帯域B1の情報が記憶される。
一方、全回転速度分の処理が完了したと判定した場合、制御部11BはステップS307のテーブル生成処理として、回転速度ごとに回転成分帯域B1の情報を格納したテーブルを生成する処理を行い、図13に示す一連の処理を終える。
続いて、図14の処理を説明する。
先ず、制御部11Bは、ステップS101で加工制御開始と判定したことに応じ、ステップS401に処理を進める。ステップS401で制御部11Bは、回転速度情報取得処理を行う。すなわち、制御部33に対する問合せを行って現在の主軸の回転速度(つまり加工時の回転速度と同義)を表す情報を取得する。
ステップS401に続くステップS402で制御部11Bは、テーブルから回転成分帯域B1の情報を取得する。すなわち、先のステップS307で生成したテーブルから、ステップS401で取得した回転速度情報が示す回転速度に対応する回転成分帯域B1の情報を取得する。
なお、ステップS402の取得処理では、テーブルにおいて回転速度ごと(本例では500rpmごと)に対応づけられた回転成分帯域B1の情報のうち、ステップS401で取得した回転速度情報が表す回転速度との差分が最も小さい回転速度に対応づけられている情報を取得する。
ステップS402で回転成分帯域B1の情報を取得したことに応じ、制御部11BはステップS403でBPFのフィルタ特性設定処理を実行する。すなわち、BPF部F61の抽出帯域がステップS402で取得した回転成分帯域B1を除く周波数帯域となるようにフィルタ特性の設定を行う。
そして、ステップS403に続くステップS404で制御部11Bは、BPF通過後の振動信号の振幅値と閾値THとの比較を開始する。
図示のように、ステップS404の処理の実行後、制御部11BはステップS103に処理を進める。ステップS103以降の処理については、図7の場合と同様となるので重複説明は避ける。
なお、上記では、加工制御期間が開始される際に制御部33に問合せを行って加工時の主軸回転速度の情報を取得するものとしたが(ステップS401参照)、加工時の主軸回転速度の情報を取得するタイミングは少なくとも実加工期間よりも前のタイミングであればよい。例えば、NCプログラム34aには、加工時の主軸回転速度を指定する情報が記憶されているため、該情報を始点Psへの早送りが開始される際に取得する等、加工制御期間よりも前の任意タイミングで取得しておくこともできる。
ここで、上記では、振動信号から特定周波数帯域の成分を抽出する例として、主軸回転振動成分以外の成分を抽出する例を挙げたが、加工振動成分を抽出するという手法を採ることもできる。
その場合は、キャリブレーションにより、例えばワークWの材料の種類ごとに加工振動成分の周波数帯域を特定し、材料の種類と周波数帯域との対応関係を表すテーブルを生成しておき、本番の加工時には、該テーブルに基づき、振動信号から加工対象とするワークWの材料の種類に応じた周波数帯域成分を抽出し、抽出後の信号に基づいて実加工時間の計測を行うことが考えられる。
また、この際、加工振動成分の振幅強度は、例えば工具の回転速度等の加工部36の駆動態様や用いる工具の種類、ワークWの材料の種類等、振動変化要因によって変化することも考えられる。このため、これら振動変化要因の少なくとも何れかに応じて閾値THを変更するということも可能である。例えば、キャリブレーションにより、回転速度ごとに加工振動成分の振幅強度を特定し、それら加工振動成分の振幅強度に基づいて回転速度ごとの閾値THを決定し、回転速度と閾値THとの対応関係を表すテーブルを作成しておく。そして、本番の加工時には、該テーブルに基づき、主軸の回転速度に応じた閾値THを取得し、該取得した閾値THに基づいて実加工時間の計測を行うことが考えられる。
或いは、キャリブレーションにより、ワークWの材料の種類ごとに加工振動成分の振幅強度を特定し、それら加工振動成分の振幅強度に基づいて材料の種類ごとの閾値THを決定し、材料の種類と閾値THとの対応関係を表すテーブルを作成しておく。本番の加工時には、該テーブルに基づき、ワークWの材料の種類に応じた閾値THを取得し、該取得した閾値THに基づいて実加工時間の計測を行うということも考えられる。
<4.変形例>

なお、上記では、実加工時間をリアルタイムに計測する例を挙げたが、振動信号の波形データ、及び加工制御期間の情報を記録しておき、これら波形データと加工制御期間の情報、及び閾値THに基づいて事後的に実加工時間の計測を行ってもよい。
また、図1に示した構成はあくまで一例であり、例えば、計測装置1はNC工作機械3に一体に組み込まれてもよい。また、センサ装置2(振動センサ21)が計測装置1に一体に組み込まれてもよい。
<5.プログラム>

以上、実施形態としての計測装置1を説明してきたが、実施形態のプログラムは、計測装置1としての処理をCPU等のコンピュータ装置に実行させるプログラムである。
実施形態のプログラムは、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、加工部による被加工物の加工時間を計測するコンピュータ装置に処理を実行させるプログラムであって、加工部による被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に加工装置又は被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、加工制御部が加工制御情報に従って加工部に被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、加工制御部との通信を行って特定すると共に、加工制御期間内における検出信号のみを対象として、検出信号に基づく被加工物の加工時間計測を行う処理、をコンピュータ装置に実行させるプログラムである。
すなわち、このプログラムは、例えばコンピュータ装置に図7や図9、図13及び図14等により説明した処理を実行させるプログラムに相当する。
このようなプログラムは、コンピュータ装置が読み取り可能な記憶媒体、例えばROMやSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等に予め記憶しておくことができる。或いはまた、半導体メモリ、メモリーカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等のリムーバブル記憶媒体に、一時的又は永続的に格納(記憶)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記憶媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記憶媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークを介してスマートフォン等の所要の情報処理装置にダウンロードすることもできる。
<6.実施形態のまとめ>

上記のように実施形態としての計測装置(同1)は、被加工物(ワークW)を加工する加工部(同36)と加工制御情報(NCプログラム34a)に従って加工部の動作を制御する加工制御部(制御部33)とを有する加工装置(NC工作機械3)について、加工部による被加工物の加工時間を計測する計測装置であって、加工部による被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に加工装置又は被加工物に装着された振動センサ(同21)による検出信号を入力する入力部(第二通信部13)と、加工制御部が加工制御情報に従って加工部に被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、加工制御部との通信を行って特定すると共に、加工制御期間内における検出信号のみを対象として、検出信号に基づく被加工物の加工時間計測を行う計測部(制御部11、11A、11B)とを備えるものである。
これにより、加工部の早送り期間等、加工制御期間以外の期間に振動センサによる検出信号に生じるノイズに反応して実加工時間が計測されてしまうことの防止が図られる。また、実加工時間の計測にあたり、振動センサを複数用いる必要はない。
従って、実加工時間の計測精度向上をコスト削減を図りながら実現することができる。
また、実施形態の計測装置においては、計測部は、加工制御期間内における検出信号の振幅値が閾値を超える時間を被加工物の加工時間として計測している。
これにより、加工に伴い振動が大きくなる期間を実加工時間として計測可能とされる。
従って、実加工時間を適切に計測することができる。
さらに、実施形態の計測装置においては、計測部(制御部11A)は、閾値を変更可能に構成されている。
加工時に生じる振動の大きさは加工部の駆動の態様(例えば、工具の回転速度等)や用いる工具の種類、被加工物の材料の種類等によって変化し得る。閾値を変更可能とすることで、これらの振動変化要因に応じた適切な閾値設定が可能となる。
従って、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
さらにまた、実施形態の計測装置においては、加工部は工具を回転させる主軸を有し、計測部は、主軸の空転状態で得られる検出信号の振幅値に基づき閾値を決定している。
検出信号において、加工に起因して生じる振動成分である加工振動成分は、主軸の回転振動成分である主軸回転振動成分に重畳して発生する。このため、空転時の検出信号から主軸回転振動成分の信号振幅値を求め、該信号振幅値に所定のマージン値を加える等、該信号振幅値に応じた値を閾値として決定する。
これにより、実測した検出信号振幅値に基づく適切な閾値を設定することが可能となり、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
また、実施形態の計測装置においては、計測部は、加工制御期間が開始される際の主軸の空転期間内における検出信号の振幅値に基づき閾値を決定している。
これにより、加工部の駆動態様や工具の種類等の振動変化要因に応じた適切な閾値を用いた実時間計測を行うにあたり、該振動変化要因に応じた閾値を予め求めておくためのキャリブレーションを行う必要がなくなる。
従って、例えば主軸の回転速度を都度変更したり工具を換装したりする等、閾値のキャリブレーションを実現するための作業負担をユーザに負わせる必要がなくなり、実加工時間の計測精度向上を図るにあたってのユーザの作業負担軽減、及び作業時間短縮による効率向上を図ることができる。
さらに、実施形態の計測装置においては、計測部(制御部11B)は、検出信号の特定周波数帯域の成分を抽出した信号に基づいて加工時間計測を行っている。
これにより、例えば主軸回転振動成分等、加工に起因せずに生じる振動成分を除去した検出信号に基づき実加工時間の計測を行うことが可能とされる。
従って、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
さらにまた、実施形態の計測装置においては、加工部は工具を回転させる主軸を有し、計測部は、検出信号から主軸の回転振動の周波数成分である主軸回転振動成分を除去した信号に基づいて加工時間計測を行っている。
これにより、主軸回転振動成分を除去した検出信号に基づき実加工時間の計測が行われる。
従って、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
また、実施形態の計測装置においては、計測部は、検出信号から除去する信号成分の周波数帯域を主軸の回転速度に応じて変更している。
主軸回転振動成分の周波数帯域は主軸の回転速度に応じて変化するものである。上記構成によれば、加工装置が主軸の回転速度を適宜変更して加工を行う場合に対応して、各回転速度に応じた適切な除去周波数帯域を設定することが可能とされる。
すなわち、加工装置が主軸の回転速度を適宜変更して加工を行う場合であっても、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
さらに、実施形態の計測装置においては、計測部は、主軸をそれぞれ異なる回転速度で空転させた際に得られる検出信号に基づき、主軸回転振動成分の周波数帯域を回転速度ごとに学習している。
これにより、回転速度ごとの主軸回転振動成分の周波数帯域が実測した検出信号に基づき求められ、各回転速度に応じた適切な除去周波数帯域を設定することが可能とされる。
従って、加工装置が主軸の回転速度を適宜変更して加工を行う場合において、実加工時間の計測精度向上を図ることができる。
さらにまた、実施形態の計測装置においては、計測部は、加工制御期間を表す情報と計測した加工時間の情報とを外部装置に送信する制御を行っている。
これにより、外部装置を使用するユーザに加工制御期間と実加工時間との関係を把握させることが可能となる。
従って、ユーザに加工作業効率の評価に資する情報を提供することができ、加工作業効率向上に寄与することができる。
また、実施形態の計測方法は、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、加工部による被加工物の加工時間を計測する計測方法であって、加工部による被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に加工装置又は被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、加工制御部が加工制御情報に従って加工部に被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、加工制御部との通信を行って特定すると共に、加工制御期間内における検出信号のみを対象として、検出信号に基づく被加工物の加工時間計測を行う、計測方法である。
このような計測方法によっても、上記した実施形態としての計測装置と同様の作用及び効果が得られる。
また、実施形態のプログラムは、被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、加工部による被加工物の加工時間を計測するコンピュータ装置に処理を実行させるプログラムであって、加工部による被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に加工装置又は被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、加工制御部が加工制御情報に従って加工部に被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、加工制御部との通信を行って特定すると共に、加工制御期間内における検出信号のみを対象として、検出信号に基づく被加工物の加工時間計測を行う処理、をコンピュータ装置に実行させるプログラムである。
このようなプログラムにより、上記した実施形態としての計測装置を実現することができる。
1 計測装置、2 センサ装置、3 NC工作機械、11、11A、11B 制御部、
13 第二通信部、21 振動センサ、31 主軸回転駆動部、32 位置調整用駆動部、33 制御部、34 記憶部、34a NCプログラム、36 加工部、W ワーク(被加工物)、Ps 始点、Pe 終点、F1 空転時振動解析部、F2 閾値決定部、F5 キャリブレーション処理部、F51 回転動作制御部、F52 周波数解析部、F53 回転成分帯域決定部、F54 テーブル生成部、F6 抽出信号生成部、F61 BPF(バンドパスフィルタ)部、F62 回転速度情報取得部、F63 抽出帯域調整部

Claims (12)

  1. 被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って前記加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、前記加工部による前記被加工物の加工時間を計測する計測装置であって、
    前記加工部による前記被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に前記加工装置又は前記被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力する入力部と、
    前記加工制御部が前記加工制御情報に従って前記加工部に前記被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、前記加工制御部との通信を行って特定すると共に、前記加工制御期間内における前記検出信号のみを対象として、前記検出信号に基づく前記被加工物の加工時間計測を行う計測部と、を備える
    計測装置。
  2. 前記計測部は、
    前記加工制御期間内における前記検出信号の振幅値が閾値を超える時間を前記被加工物の加工時間として計測する
    請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記計測部は、
    前記閾値を変更可能に構成された
    請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記加工部は工具を回転させる主軸を有し、
    前記計測部は、
    前記主軸の空転状態で得られる前記検出信号の振幅値に基づき前記閾値を決定する
    請求項3に記載の計測装置。
  5. 前記計測部は、
    前記加工制御期間が開始される際の前記主軸の空転期間内における前記検出信号の振幅値に基づき前記閾値を決定する
    請求項4に記載の計測装置。
  6. 前記計測部は、
    前記検出信号の特定周波数帯域の成分を抽出した信号に基づいて前記加工時間計測を行う
    請求項1から請求項3の何れかに記載の計測装置。
  7. 前記加工部は工具を回転させる主軸を有し、
    前記計測部は、
    前記検出信号から前記主軸の回転振動の周波数成分である主軸回転振動成分を除去した信号に基づいて前記加工時間計測を行う
    請求項6に記載の計測装置。
  8. 前記計測部は、
    前記検出信号から除去する信号成分の周波数帯域を前記主軸の回転速度に応じて変更する
    請求項7に記載の計測装置。
  9. 前記計測部は、
    前記主軸をそれぞれ異なる回転速度で空転させた際に得られる前記検出信号に基づき、前記主軸回転振動成分の周波数帯域を前記回転速度ごとに学習する
    請求項8に記載の計測装置。
  10. 前記計測部は、
    前記加工制御期間を表す情報と計測した前記加工時間の情報とを外部装置に送信する制御を行う
    請求項1から請求項9の何れかに記載の計測装置。
  11. 被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って前記加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、前記加工部による前記被加工物の加工時間を計測する計測方法であって、
    前記加工部による前記被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に前記加工装置又は前記被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、
    前記加工制御部が前記加工制御情報に従って前記加工部に前記被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、前記加工制御部との通信を行って特定すると共に、前記加工制御期間内における前記検出信号のみを対象として、前記検出信号に基づく前記被加工物の加工時間計測を行う
    計測方法。
  12. 被加工物を加工する加工部と加工制御情報に従って前記加工部の動作を制御する加工制御部とを有する加工装置について、前記加工部による前記被加工物の加工時間を計測するコンピュータ装置に処理を実行させるプログラムであって、
    前記加工部による前記被加工物の加工に伴い生じる振動を検出可能に前記加工装置又は前記被加工物に装着された振動センサによる検出信号を入力し、
    前記加工制御部が前記加工制御情報に従って前記加工部に前記被加工物の加工動作を実行させる期間である加工制御期間を、前記加工制御部との通信を行って特定すると共に、前記加工制御期間内における前記検出信号のみを対象として、前記検出信号に基づく前記被加工物の加工時間計測を行う処理、
    を前記コンピュータ装置に実行させる
    プログラム。
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