JP3975370B2 - Nc切削機械の加工完了時間予測方法及びその装置 - Google Patents

Nc切削機械の加工完了時間予測方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は金型加工等に用いられるNC工作機械の加工完了時間予測方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
NC工作機械を用いてワークを加工する場合、加工完了時間がわかれば、生産準備作業、一次のワークの選定、スケジューリングなどを容易に行うことができる。そこで、従来、NCデータより理論的に加工完了時間を計算し、その理論値を加工完了時間と予測している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、NC工作機械がNCデータ側で設定した送り速度では実際問題として動かないため、従来例の加工完了時間予測方法では実際の加工完了時間と大きく異なる結果となる。この加工完了予測時間が大きくずれてしまうと、例えば、5時間もずれてしまうと、生産スケジュールが狂ってしまい、生産準備作業が無駄になってしまう。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑み、正確な加工完了時間を予測できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し実積加工時間を求める行程と;該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を算出する行程と;を備えていることを特徴とする NC切削機械の加工完了時間予測方法、である。
【0006】
この発明は、加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し実績加工時間を求める行程と;該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を求める行程と;前記実績加工時間と前記理論加工残時間とを合計し加工完了予測時間を求める行程と;を備えていることを特徴とする NC切削機械の加工完了時間予測方法、である。
【0007】
この発明は、加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し実績加工時間を求める行程と;該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を求める行程と;前記実績加工時間と前記理論加工残時間とを合計し加工完了予測時間を求める行程と;前記加工完了予測時間を表示手段に表示する行程と;を備えていることを特徴とする NC切削機械の加工完了時間予測方法、である。
【0008】
この発明は、NC切削機械の稼働を検出するセンサ手段と、該センサ手段の稼働信号及びNCデータが入力される演算手段と、を備えたNC切削機械の加工完了時間予測装置であって:該演算手段が、前記稼働信号に基き加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し実積加工時間を求め、該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を算出し、前記実績加工時間と前記理論加工時間とを合計して加工完了予測時間を求めることを特徴とするNC切削機械の加工完了時間予測装置、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者は、加工完了時間を予測する場合に、加工開始後実際に加工を行った実時間を利用すると正確な予測ができることに気づいた。
そこで、加工開始後の実時間を累積して実績加工時間を求め、この時の未加工部分のNCデータより理論加工残時間を求め、この実績加工時間と理論加工残時間との和により加工完了時間を予測した。
その結果、実際の加工完了時間とほぼ等しい加工完了予測時間を得ることができた。
【0010】
なお、理論加工残時間を算出する場合には調整係数を用いると、より正確に加工完了時間が予測できる。この調整係数はNC工作機械が保有するオーバーライド機能、自動加減速機能、切削工具交換時間などを考慮して決定される。
【0011】
ここで、オーバーライド機能とは、現在の送り速度を手動操作により変速できる機能で、通常0〜200%の速度調整が可能である。
【0012】
自動加減速機能とは、形状の凹凸により自動的に送り速度の最適化を行い、指定された値と異なった送り速度でNC工作機械を動かす機能である。
尚、切削工具を自動交換する際の工具交換時間は機械により異なる為、各機械毎に工具交換テーブルを作成し、加工時間の中にこの工具交換時間を加算する。
【0013】
【実施例】
この発明の実施例を図1〜図3により説明する。
NC工作機械1の制御部2は、ホストコンピュータ5に連結されている。この制御部2には、ホストコンピュータ5から送出されるNCデータを受信するDNC用インタフェィス6と、ホストコンピュータ5に稼働信号を送るサーボドライバ(又はレゾルバー)7と、が設けられている。
【0014】
ホストコンピュータ5は、表示装置8及び稼働表示板9とを備えている。
このコンピュータ5には、ハードデスク11が接続されており、このハードデスク11には、切削データ即ちNCデータ、自動工具交換テーブルなどが記憶されている。
【0015】
ホストコンピュータ5は、イーサ−ネットケーブル14を介して全体集計用ホストコンピュータ15に接続されている。このホストコンピュータ15には、表示装置16及び集合表示板17が連結されている。この表示装置16及び集合表示板17には複数のNC切削機械1、A、B、C、D、Eの加工完了予測時間などが表示される。
【0016】
本実施例の作動について説明する。NC切削機械1にワーク、例えば、2tの金型20をセットした後、駆動電源をONにしサイクルスタートボタンを押すと、ホストコンピュータ5からインタフェィス6にNCデータが送られ、ワーク20の加工が開始される。
このスタートボタンを押した時点を加工開始時間とする。NC工作機械の切削刃物は、図2に示す様な切削移動軌跡21を描きながら移動する。
【0017】
ホストコンピュータ5は、NCデータより加工完了時間の理論値、即ち、理論加工完了時間Stを算出する。
この理論加工完了時間Stは、NCデータ内にある制御コマンド、G00(早送り)、G01(切削送り)、Fxxx(切削送り速度指令、Txx(工具交換指令)、X、Y、Z(稼働量及び座標値)、により算出される。切削工具の交換時間は、工具交換テーブルに予め定められた時間を使用する。
【0018】
理論加工完了時間は、早送り時間、工具交換時間及び切削時間に対してオーバーライド比率及び切削速度係数を掛けた切削時間の合計となる。
【0019】
NC切削機械1が稼働すると、サーボドライバ7は稼働信号をホストコンピュータ5に送る。ホストコンピュータ5は、加工開始時点から連続して送られてくる稼働信号をタイマ等により累積し、実績加工時間Ctを算出する。
【0020】
次に、未加工部分のNCデータより加工残時間の理論値、即ち、理論加工残時間Stを算出する。未加工部分のNCデータより理論値算出に当たっては、NC切削機械が保有するオーバーライト機能、自動加減速機能、切削工具交換時間などを考慮し、理論加工残時間Stに切削速度係数などの調整係数を掛ける。
【0021】
この切削速度係数の値については、各切削機械1、A、B、C、D、Eの能力によって変化させる。切削刃物移動軌跡21が、図2に示す様に、ピックフィード部PFで加工方向が急激に変化する場合には、自動減速がかかる。
そのため、通常の理論加工残時間Stの求め方の様に、 稼働量/送り速度
で求めることはできない。
このような場合には、形状の変化によって切削送り速度係数を設定し、理論加工残時間Stにこの切削速度係数を掛けることにより実際の加工時間に近づけることができる。
【0022】
加工完了予測時間L、L1〜L5は、実績加工時間Ctと理論加工残時間Stとの和となるが、加工開始時点では、実績加工時間がないので、理論加工残時間Stが加工完了予測時間Lとなる。
【0023】
理論加工残時間Stは、設定された演算間隔、例えば、図3に示す様に6時間毎に5回再計算し、その都度新たに加工完了予測時間L1〜L5を求め、その結果を、例えば、次の様にして表示装置8、16、表示板9、17にそれぞれ表示する。
加工開始時間:10日 9時00分
加工完了時間:12日 6時00分
加工残時間 : 35時間00分
【0024】
【発明の効果】
この発明は以上の様に構成したので、加工完了時間を正確に予測することができる。従って、この加工完了時間に基きスケジューリングを行うことにより加工計画全体を円滑に遂行でき、無駄な作業もなくなるので、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】切削刃物移動軌跡を示す図である。
【図3】加工完了時間と再計算の回数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 NC工作機械
5 ホストコンピュータ
8 表示装置
9 稼働表示板
15 ホストコンピュータ
16 表示装置
17 集合表示板

Claims (7)

  1. 加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し、実積加工時間を求める行程と;該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を算出する行程と;を備えていることを特徴とするNC切削機械の加工完了時間予測方法。
  2. 加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し、実績加工時間を求める行程と;該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を求める行程と;前記実績加工時間と前記理論加工時間とを合計し加工完了予測時間を求める行程と;を備えていることを特徴とするNC切削機械の加工完了時間予測方法。
  3. 加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し、実績加工時間を求める行程と;該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を求める行程と;前記実加工時間と前記理論加工時間とを合計し加工完了予測時間を求める行程と;前記加工完了予測時間を表示手段に表示する行程と;を備えていることを特徴とするNC切削機械の加工完了時間予測方法。
  4. 理論加工残時間が、調整係数により調整されることを特徴とする請求項1、2、又は、3記載のNC切削機械の加工完了時間予測方法。
  5. NC切削機械の稼働を検出するセンサ手段と、該センサ手段の稼働信号及びNCデータが入力される演算手段と、を備えたNC切削機械の加工完了時間予測装置であって:
    該演算手段が、前記稼働信号に基き加工開始後実際にワークの加工が行われた実時間を累積し実積加工時間を求め、該ワークの未加工部分のNCデータより理論加工残時間を算出し、前記実績加工時間と前記理論加工時間とを合計して加工完了予測時間を求めることを特徴とするNC切削機械の加工完了時間予測装置。
  6. 演算手段が、表示手段に接続されていることを特徴とする請求項5記載のNC切削機械の加工完了時間予測装置。
  7. 表示手段が、加工開始日時、加工完了時間、加工残時間、を表示することを特徴とする請求項6記載のNC切削機械の加工完了時間予測装置。
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