JP2020084134A - プロピレン系樹脂組成物および成形体 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】高剛性および低線膨張性を有するプロピレン系樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、要件(1)〜(4)を満たすプロピレン系重合体(A1)およびプロピレン系ブロック共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(A)20〜99質量%、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)0〜50質量%、前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)0〜20質量%および無機充填材(D)1〜70質量%を含む:(1)MFRが0.5〜1000g/10分;(2)TREFにより122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、要件(1)のMFRをBg/10分とした場合、100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B);(3)mmmmが98.0%よりも高く99.9%以下;(4)Mw/Mnが4.2〜20である。【選択図】なし

Description

本発明は、高剛性および寸法安定性を有するプロピレン系樹脂組成物および該プロピレン系樹脂組成物からなる成形体に関する。
プロピレン系樹脂組成物を射出成形することにより得られる成形体は、機械物性や成形性に優れ、他材料に比べて相対的にコストパフォーマンスが有利であることにより、自動車部品や家電部品など様々な分野での利用が進んでいる。
また近年、自動車業界では環境に配慮した低燃費車の開発が盛んに行われており、自動車材料の分野においても軽量化を目的とした材料の樹脂化やさらなる薄肉化が求められている。このため、バンパー材をはじめとする自動車材料として数多くの実績があるプロピレン系材料における改善の期待は大きく、主に金属材料の代替として使用することを目的として、高い機械物性(主に剛性)を維持しつつ、寸法安定性に優れた(線膨張率が低い)材料の開発が求められている。
一方、ポリプロピレン成形品は、一般に温度に対する寸法変化(線膨張係数)が大きいことが知られており、寒暖の差が大きな環境下で例えば自動車外板用途に適用する場合は、部品の合わせ目に隙間ができる、あるいは部品組み立て時の建てつけ性が悪化するなどの問題点を抱えていた。
このようなポリプロピレン成形品の寸法安定性を改良するための様々な方法が開示されている。例えば、低分子量ポリオレフィンと、高メルトフローレート(MFR)を示す結晶性ポリプロピレンを含んでなるプロピレン・エチレンブロック共重合体の併用を特徴とした低線膨張材料の製造方法(特許文献1)、後添加ゴムの粘度を特定範囲に収めることを特徴とする製造方法(特許文献2)、プロピレン系ブロック共重合体の非晶部と結晶部の配合比と粘度を規定することを特徴とした製造方法(特許文献3)、タルク等の無機フィラーと特定形状を有する炭素繊維を併用することを特徴とした製造方法(特許文献4)等が挙げられる。
しかしながら、現実的に自動車材料として使用するには、原料入手が容易で、より単純化された製造方法により経済的に製造されることが望ましく、また、プロピレン系材料に対して、高剛性および寸法安定性のさらなる改良が望まれている。
特開2010−077396号公報 特開平5−051498号公報 特開2000−095919号公報 特開2005−232413号公報
上記のような従来技術に鑑み、本発明は、高剛性および低線膨張性を有するプロピレン系樹脂組成物、ならびに、前記プロピレン系樹脂組成物を用いて形成される成形体を提供することを課題とする。
また、さらなる薄肉化を実現するため、成形性(流動性)に優れる高MFR領域において、高剛性および低線膨張性のプロピレン系材料が特に求められており、この高MFR領域の高立体規則性プロピレン系重合体を含む樹脂組成物を用いて形成される成形体を提供することも課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、高立体規則性成分が多い特定のプロピレン系重合体と無機充填材とを含む樹脂組成物を用いることにより、プロピレン系重合体の結晶化が促進される結果、高剛性化および低線膨張化することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、
下記要件(1)〜(4)を満たすプロピレン系重合体(A1)、および、プロピレン単独重合体部とプロピレン・α−オレフィン共重合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(A)20〜99質量%、
エチレンに由来する構成単位50〜95モル%と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位5〜50モル%とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)0〜50質量%、
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)0〜20質量%、および
無機充填材(D)1〜70質量%
を含み(ただし、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)、
前記プロピレン系重合体プロピレン系ブロック共重合体(A2)が、
前記プロピレン単独重合体部として、前記プロピレン系重合体(A1)60〜99質量%、および
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体部として、プロピレンに由来する構成単位55〜90モル%と、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位10〜45モル%とを含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)1〜40質量%を含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。):
(1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分である;
(2)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす;
100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
(3)アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が98.0%よりも高く、99.9%以下である;
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20である。
本発明の成形体は、本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする。
本発明によれば、高剛性および低線膨張性を有するプロピレン系樹脂組成物が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のプロピレン系樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、
後述する、プロピレン系重合体(A1)、および、プロピレン単独重合体部とプロピレン・α−オレフィン共重合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(A)20〜99質量%、
エチレンに由来する構成単位50〜95モル%と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位5〜50モル%とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)0〜50質量%、
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)0〜20質量%、および
無機充填材(D)1〜70質量%
を含むことを特徴とする(ただし、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)。以下、各成分について説明する。
[成分(A)]
前記成分(A)として用いることができるプロピレン系重合体(A1)は下記要件(1)〜(4)を満たす。
(1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分である。
(2)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす。
100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
(3)アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が98.0%よりも高く、99.9%以下である。
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20である。
また、前記成分(A)として用いることができるプロピレン系ブロック共重合体(A2)は、
前記プロピレン単独重合体部として、前記プロピレン系重合体(A1)60〜99質量%、および
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体部として、プロピレンに由来する構成単位55〜90モル%と、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位10〜45モル%とを含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)1〜40質量%を含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。)。
I.プロピレン系重合体(A1)
以下、前記プロピレン系重合体(A1)の各要件について説明する。
<要件(1)>
前記プロピレン系重合体(A1)は、MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分、好ましくは1.0〜800g/10分、より好ましくは1.5〜500g/10分である。MFRが前記範囲内であると、本発明の組成物の成形性と機械強度とのバランスが優れる。なお、前記プロピレン系重合体(A1)は、好ましくは50〜1000g/10分、より好ましくは100〜1000g/10分、特に好ましくは100〜500g/10分の高MFR領域においても、高立体規則性を有する。
<要件(2)>
前記プロピレン系重合体(A1)は、TREFにより122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす。
100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
上記式(I)を満たすプロピレン系重合体(A1)は、MFRが一定以上であっても、一定の耐熱性および高剛性を示す立体規則性を有する点で好ましい。
<要件(3)>
前記プロピレン系重合体(A1)は、アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が、98.0%よりも高く99.9%以下であり、好ましくは98.1〜99.9%、より好ましくは98.2〜99.9%である。アイソタクチックメソペンタッド分率が前記範囲内であると、プロピレン系重合体(A1)の立体規則性が充分に高くなる傾向にある。
ここで、アイソタクチックメソペンタッド分率は、分子鎖中の五連子アイソタクティック構造の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ構造を有する連鎖の中心にあるプロピレン構造単位の分率である。アイソタクチックメソペンタッド分率は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
<要件(4)>
前記プロピレン系重合体(A1)は、GPCにより測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20、好ましくは4.5〜15、より好ましくは4.8〜10である。Mw/Mnが前記範囲内であると、プロピレン系重合体の成形性の観点から好ましい。
上述した要件(1)〜(4)を満たすプロピレン系重合体(A1)は、後述するオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合させることにより得ることができる。
なお、前記プロピレン系重合体(A1)は、前記要件(1)〜(4)に加えて、下記要件(5)を満たすことが好ましい。
(5)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したZ平均分子量(Mz)が30万〜500万である。
<要件(5)>
前記プロピレン系重合体(A1)は、TREFにより122℃以上の温度で溶出する成分のZ平均分子量(Mz)が、好ましくは30万〜500万、より好ましくは40万〜480万、特に好ましくは50万〜450万である。前記溶出成分のMzが前記範囲内であるとプロピレン系樹脂組成物の剛性が向上する観点で好ましい。
<オレフィン重合用触媒>
前記プロピレン系重合体(A1)を製造するために用いることができるオレフィン重合用触媒としては、特に限定されないが、例えば、
(i)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(内部ドナー)を含み、かつ、下記要件(k1)〜(k4)を満たす固体状チタン触媒成分と、
(ii)下記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物成分(外部ドナー)と、
(iii)周期律表の1族、2族または13族に属する元素を含む有機金属化合物成分と
を含む触媒〔A〕、または、
前記触媒〔A〕にプロピレンが予備重合された予備重合触媒(p)と、前記有機ケイ素化合物成分(ii)と、前記有機金属化合物成分(iii)とを含む触媒〔B〕
が挙げられる。
(k1)チタン含有量が2.5質量%以下である。
(k2)電子供与体の含有量が8〜30質量%である。
(k3)電子供与体/チタン(質量比)が5以上である。
(k4)室温でのヘキサン洗浄によってチタンが実質的に脱離されることがない。
1 nSi(OR22(NR342-n ・・・(II)
式(II)中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R2は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素基または水素原子を示し、R4は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、R3とR4とは互いに結合して炭素数3〜20の2価の炭化水素基を形成していてもよく、nは0もしくは1である。
以下、前記オレフィン重合用触媒を構成する各成分について説明する。
≪固体状チタン触媒成分(i)≫
前記固体状チタン触媒成分(i)は、
(a)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含み、かつ室温でのヘキサン洗浄によってチタンが脱離することがない固体状チタン、
(b)芳香族炭化水素、
(c)液状チタン、および
(d)電子供与体
を接触させる工程を含む方法により調製することができる。
(a)固体状チタン
前記固体状チタン(a)は、マグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体(内部ドナー)などを種々の方法により接触させることにより、公知の固体状チタン触媒成分の調製法(例えば特開平4−096911号公報、特開昭58−83006号公報、特開平8−143580号公報等参照)により製造することができる。
前記マグネシウム化合物は固体状態で用いられることが好ましい。この固体状態のマグネシウム化合物は、マグネシウム化合物自体が固体状態であるものであってもよく、または電子供与体との付加物であってもよい。前記マグネシウム化合物としては、特開2004−2742号公報に記載のマグネシウム化合物、具体的には、塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、ブトキシマグネシウムなどが挙げられる。また、前記電子供与体としては、特開2004−2742号公報に記載のマグネシム化合物可溶化能を有する化合物、具体的には、アルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸及びこれらの混合物などが挙げられる。マグネシウム化合物及び電子供与体の使用量は、その種類、その接触条件等によっても異なるが、マグネシウム化合物を該液状の電子供与体に対して0.1〜20モル/リットル、好ましくは0.5〜5モル/リットルとなる量で用いることができる。
前記チタン化合物は液状状態で用いられることが好ましい。このようなチタン化合物としては、例えば、下記式(III)で示される4価のチタン化合物が挙げられる。
Ti(OR5)g4-g ・・・(III)
式(III)中、R5は炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、0≦g≦4である。
前記チタン化合物としては、特に四塩化チタンが好ましい。また、前記チタン化合物は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記電子供与体(内部ドナー)としては、例えば、下記式(IV)で表わされる化合物(以下「化合物(IV)」ともいう。)が挙げられる。
Figure 2020084134
式(IV)中、Rは、炭素原子数1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、R'は炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、nは0〜4の整数を示す。本発明では、nが0の化合物が好ましい。
RおよびR'のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記化合物(IV)の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ペンチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジn−ヘキシル、フタル酸ジn−ヘプチル、フタル酸ジ(メチルヘキシル)、フタル酸ジ(ジメチルペンチル)、フタル酸ジ(エチルペンチル)、フタル酸ジ(2,2,3-トリメチルブチル)、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルなどが挙げられる。これらの中では、フタル酸ジイソブチルが特に好ましい。
本発明では、前記電子供与体(内部ドナー)として、前記化合物(IV)以外の別の電子供与体を用いてもよい。別の電子供与体としては、例えば、複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「ポリエーテル化合物」ともいう。)が挙げられる。
前記ポリエーテル化合物としては、エーテル結合間に存在する原子が、炭素、ケイ素、酸素、窒素、イオウ、リン、ホウ素、またはこれらから選択される2種以上の原子である化合物などを挙げることができる。これらのうちエーテル結合間の原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、2個以上のエーテル結合間に存在する原子に複数の炭素原子が含まれる化合物が好ましい。例えば、下記式(3)で表されるポリエーテル化合物が好ましい。
Figure 2020084134
前記式(3)において、mは1〜10の整数、好ましくは3〜10の整数、より好ましくは3〜5の整数である。R11、R12、R31〜R36は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素、水素、酸素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基である。R11およびR12は、それぞれ独立に、好ましくは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数2〜6の炭化水素基である。R31〜R36は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
11およびR12の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。これらの中では、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基が好ましい。R31〜R36の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。これらの中では、水素原子、メチル基が好ましい。任意のR11、R12、R31〜R36(好ましくはR11、R12)は、共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。
前記ポリエーテル化合物の具体例としては、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−プロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−エチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(2−シクロヘキシルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−(2−エチルヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジブトキシプロパン、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−t−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジネオペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジエトキシブタン、2,3−ジイソプロピル−1,4−ジエトキシブタン、2,4−ジイソプロピル−1,5−ジメトキシペンタン、2,4−ジイソブチル−1,5−ジメトキシペンタン、2,4−ジイソアミル−1,5−ジメトキシペンタン、3−メトキシメチルテトラヒドロフラン、3−メトキシメチルジオキサン、1,2−ジイソブトキシプロパン、1,2−ジイソブトキシエタン、1,3−ジイソアミロキシエタン、1,3−ジイソアミロキシプロパン、1,3−ジイソネオペンチロキシエタン、1,3−ジネオペンチロキシプロパン、2,2−テトラメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ペンタメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ヘキサメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、1,2−ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−イソアミル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン等を例示することができる。
これらの中では、1,3−ジエーテル類が好ましく、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)1,3−ジメトキシプロパンがより好ましい。これらの化合物は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記固体状チタン(a)は、前記マグネシウム化合物と、前記チタン化合物と、前記電子供与体との接触により調製することができる。この際、固体状態のマグネシウム化合物を炭化水素溶媒に懸濁して用いることが好ましい。また、これら各成分を接触させる際に、液状形態のチタン化合物を1回用いて固形物(1)を生成させてもよく、得られた固形物(1)にさらに液状形態のチタン化合物を接触させて固形物(2)を生成させてもよい。さらに、この固形物(1)または(2)を必要に応じて炭化水素溶媒で洗浄してから固体状チタン(a)を調製することが好ましい。
上記のような各成分の接触は、通常−70℃〜+200℃、好ましくは−50℃〜+150℃、より好ましくは−30℃〜+130℃の温度で行われる。固体状チタン(a)を調製する際に用いられる各成分の量は、調製方法によって異なり一概に規定できないが、例えばマグネシウム化合物1モル当り、電子供与体は0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5モルの量で、チタン化合物は0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜200モルの量で用いることができる。
本発明では、このようにして得られた固形物(1)または(2)をそのまま固体状チタン(i)として用いることができるが、この固形物を0〜150℃の炭化水素溶媒で洗浄することが好ましい。
この炭化水素溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、セタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの非ハロゲン系芳香族炭化水素溶媒、または、ハロゲン含有芳香族炭化水素溶媒などが用いられる。これらのうち、脂肪族炭化水素溶媒またはハロゲンを含まない芳香族炭化水素溶媒が好ましく用いられる。
固形物の洗浄に際しては、炭化水素溶媒は、固形物1gに対して通常10〜500ml好ましくは20〜100mlの量で用いられる。このようにして得られる固体状チタン(a)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有している。この固体状チタン(a)では、電子供与体/チタン(質量比)が6以下であることが好ましい。
このようにして得られた固体状チタン(a)は、室温でのヘキサン洗浄によってチタンが脱離することがない。
(b)芳香族炭化水素
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる芳香族炭化水素(b)としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、これらのハロゲン含有炭化水素などが挙げられる。これらの中では、キシレン(特にパラキシレン)が好ましい。前記固体状チタン(a)を、このような芳香族炭化水素(b)と接触させることにより、低立体規則性成分を副生する、いわゆる「剰余チタン化合物」を低減することができる。
(c)液状チタン
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる液状チタン(c)としては、該固体状チタン(a)を調製する際に用いたチタン化合物と同様のものを挙げることができる。それらの中でも、テトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。
(d)電子供与体
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる電子供与体(d)の例としては、上述した電子供与体(内部ドナー)で例示したものと同じものを挙げることができる。それらの中でも、前記固体状チタン(a)の調製に使用した電子供与体と同じものを用いることが好ましい。
固体状チタン触媒成分(i)の調製方法
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)の接触は、通常110〜160℃、好ましくは115℃〜150℃の温度で、1分間〜10時間、好ましくは10分間〜5時間行われる。
この接触では、芳香族炭化水素(b)は、固体状チタン(a)1gに対して通常1〜10000ml、好ましくは5〜5000mlより好ましくは10〜1000mlの量で用いられる。液状チタン(c)は、芳香族炭化水素(b)100mlに対して通常0.1〜50ml、好ましくは0.2〜20ml、特に好ましくは0.3〜10mlの範囲で用いられる。電子供与体(d)は、芳香族炭化水素(b)100mlに対して通常0.01〜10ml、好ましくは0.02〜5ml、特に好ましくは0.03〜3mlの量で用いられる。
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)の接触順序は、特に限定されることなく、同時または逐次に接触させることができる。
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)は、不活性ガス雰囲気下、攪拌下に接触させることが好ましい。例えば、充分に窒素置換された攪拌機付きガラス製フラスコ中で、固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)のスラリーを、上記温度で、攪拌機を100〜1000rpm、好ましくは200〜800rpmの回転数で、上記の時間、攪拌して、固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)を接触させることが望ましい。
接触後の固体状チタン(a)と芳香族炭化水素(b)とは、濾過により分離することができる。
このような固体状チタン(a)と芳香族炭化水素(b)との接触により、固体状チタン(a)よりもチタン含有量が減少された固体状チタン触媒成分(i)が得られる。具体的には、チタン含有量が固体状チタン(a)よりも25質量%以上、好ましくは30〜95質量%より好ましくは40〜90質量%少ない固体状チタン触媒成分(i)が得られる。
上記のようにして得られる固体状チタン触媒成分(i)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含み、かつ、下記要件(k1)〜(k4)を満たし、好ましくは下記要件(k5)をさらに満たしている。
(k1)固体状チタン触媒成分(i)のチタン含有量は2.5質量%以下、好ましくは2.2〜0.1質量%、より好ましくは2.0〜0.2質量%、特に好ましくは1.8〜0.3質量%、最も好ましくは1.6〜0.4質量%である。
(k2)電子供与体の含有量は8〜30質量%、好ましくは9〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
(k3)電子供与体/チタン(質量比)は5以上、好ましくは5.2〜35、より好ましくは5.5〜30、特に好ましくは6.0〜25である。
(k4)固体状チタン触媒成分(i)は、室温でのヘキサン洗浄によってチタンが実質的に脱離されることがない。なお、固体状チタン触媒成分(i)のヘキサン洗浄とは、固体状チタン触媒成分(i)1gに対して、通常10〜500ml、好ましくは20〜100mlの量のヘキサンで5分間洗浄することをいう。室温とは15〜25℃である。また、チタンが実質的に脱離されることがないとは、ヘキサン洗浄液中のチタン濃度が0.1g/リットル以下であることを意味する。
(k5)固体状チタン触媒成分(i)は、平均粒径が5〜80μmであり、好ましくは7〜75μmであり、より好ましくは8〜70μmであり、特に好ましくは10〜65μmである。
ここで、マグネシウム、ハロゲン、チタンおよび電子供与体の量は、それぞれ固体状チタン触媒成分(i)の単位質量あたりの質量%であり、マグネシウム、ハロゲンおよびチタンはプラズマ発光分光分析(ICP法)により、電子供与体はガスクロマトグラフィーにより定量される。また、触媒の平均粒径は、デカリン溶媒を用いた遠心沈降法により測定される。
上記のような固体状チタン触媒成分(i)は、オレフィン重合用触媒成分として用いると、プロピレンを高活性で重合させることができるとともに、立体規則性の低いポリプロピレンの生成量が少なく、高立体規則性のポリプロピレンを安定に製造することができる。
≪有機ケイ素化合物成分(ii)≫
前記オレフィン重合用触媒を構成する有機ケイ素化合物成分(ii)(外部ドナー)は、下記式(II)で表わされる。
1 nSi(OR22(NR342-n ・・・(II)
式(II)中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R2は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素基または水素原子を示し、R4は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、R3とR4とは互いに結合して炭素数3〜20の2価の炭化水素基を形成していてもよく、nは0もしくは1である。
1としては、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数1〜20の分岐状または直鎖状のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。
前記炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシニル基、置換基を有するこれらの基などが挙げられる。また、前記脂環式炭化水素基は、アダマンチル基、メチルアダマンチル基などの多環式基であってもよい。
前記炭素数1〜20の分岐状または直鎖状のアルキル基、および、前記炭素数7〜20のアラルキル基については、Siに隣接する炭素が、1級炭素であってもよく、2級炭素であってもよく、あるいは、3級炭素であってもよい。
Siに隣接する炭素が1級炭素である炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、i−ブチル基、i−アミル基などの炭素数1〜20の第1級アルキル基、および、ベンジル基などが挙げられる。
Siに隣接する炭素が2級炭素である炭化水素基としては、iso−プロピル基、sec−ブチル基、sec−アミル基などの炭素数1〜20の第2級アルキル基、および、α−メチルベンジル基などが挙げられる。
Siに隣接する炭素が3級炭素である炭化水素基としては、tert-ブチル基、tert-アミル基などの炭素数1〜20の第3級アルキル基、および、α,α−ジメチルベンジル基(クミル基)などが挙げられる。
これらの中では、エチル基、iso−プロピル基、シクロペンチル基およびシクロブチル基が好ましく、特にエチル基およびシクロペンチル基が好ましい。
2としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中ではメチル基およびエチル基が特に好ましい。
3としては、例えば、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。これらの中では、エチル基が特に好ましい。
4としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。これらの中では、エチル基が特に好ましい。
また、R3とR4とが互いに結合して形成される炭素数3〜20の2価の炭化水素基としては、例えば、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基などが挙げられる。これらは、NR34で表される基が、それぞれ、ピロリジノ基、ピペリジノ基、アゼチジノ基、アゼパノ基、アゾナノ基などの場合に相当する。前記2価の炭化水素基は、好ましくはブタン−1,4−ジイル基である。
前記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物のうち、nが1である化合物の具体例としては、シクロブチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、シクロペンチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、シクロペンテニル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、シクロペンタジエニル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、n−プロピル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、イソブチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、n−ブチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、tert-ブチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、エチル(ピペリジノジエチルアミノ)ジメトキシシラン、イソプロピル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、tert-ブチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、イソプロピルピロリジノジメトキシシラン、イソプロピルピペリジノジメトキシシランなどが挙げられる。
前記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物のうち、nが0である化合物の具体例としては、ジピロリジノジメトキシシラン、ジピペリジノジメトキシシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメトキシシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、ジエチルアミノ(メチルエチルアミノ)ジメトキシシラン、ピペリジノ(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン、ピペリジノ(ジメチルアミノ)ジメトキシシランなどが挙げられる。
前記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物の中では、高立体規則性、特にTREF高温溶出量割合を高める観点から、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシランおよびシクロペンチルジエチルアミノジメトキシシランが好ましい。
上述した有機ケイ素化合物成分(ii)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記固体状チタン触媒成分(i)と前記有機ケイ素化合物成分(ii)とを組み合わせて用いることにより、高立体規則性を有するプロピレン系重合体を得ることができる。
≪有機金属化合物成分(iii)≫
本発明のオレフィン重合用触媒を構成する有機金属化合物成分(iii)は、周期律表の1族、2族または13族に属する金属を含む有機金属化合物であり、例えば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物、第2族金属の有機金属化合物などが挙げられる。なお、有機金属化合物成分(iii)は、2種以上を併用してもよい。
前記有機アルミニウム化合物は、例えば下記式で示される。
a nAlX3-n
式中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。
aは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル、フェニル、トリルなどである。
また、前記有機アルミニウム化合物として、下記式で示される化合物を挙げることもできる。
a nAlY3-n
式中、Raは上記と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
・ Ra nAl(ORb)3-n で表される化合物、例えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
・Ra nAl(OSiRc)3-n で表される化合物、例えばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu) 2Al(OSiEt3)など。
・Ra nAl(OAlRd 2)3-nEt2AlOAlEt2、(iso-Bu) 2AlOAl(iso-Bu) 2 など。
上記のような有機アルミニウム化合物のうちでも、Ra 3Alで表される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。
≪オレフィン重合用触媒の製造方法≫
前記オレフィン重合用触媒は、前記固体状チタン触媒成分(i)と、前記有機ケイ素化合物成分(ii)と、前記有機金属化合物成分(iii)とを接触させる工程を含む方法により製造することができる。
本発明では、これら各成分(i)、(ii)、(iii)からオレフィン重合用触媒を形成する際に、必要に応じて他の成分を用いることもできる。
本発明では、上記のような各成分から予備重合触媒(p)が形成されていてもよい。予備重合触媒(p)は、上述した各成分(i)、(ii)、(iii)および必要に応じて用いられる他の成分の存在下に、プロピレンを予備重合させることにより形成される。このような予備重合触媒(p)は、通常、有機ケイ素化合物(ii)および有機金属化合物(iii)とともにオレフィン重合用触媒を形成するが、予備重合触媒(p)のみをオレフィン重合用触媒として用いることができる場合もある。
<プロピレン系重合体(A1)の製造方法>
前記プロピレン系重合体(A1)の製造方法では、上述したオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合させる。
なお、プロピレンの重合を行う際に、プロピレンに加えて、少量のプロピレン以外の他のオレフィンまたは少量のジエン化合物を重合系内に共存させてランダム共重合体を製造することもできる。このようなプロピレン以外の他のオレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテンなどの炭素数2〜8のオレフィンが挙げられる。これらの中ではエチレンが好ましい。ランダム共重合体の場合、プロピレン以外の他のコモノマーの含有量は、好ましくは6モル%以下、より好ましくは3モル%以下である。
本発明では、重合は溶液重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれにおいても実施することができる。重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒として、不活性有機溶媒を用いることもできるし、反応温度において液状のオレフィンを用いることもできる。
不活性有機溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;脂環族炭化水素;芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの接触物などを挙げることができる。これらの中では、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
重合に際しては、固体状チタン触媒成分(i)または予備重合触媒(p)は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は約1×10-5〜1ミリモル、好ましくは約1×10-4〜0.1ミリモルの量で用いられる。
有機ケイ素化合物(ii)は、有機金属化合物(iii)の金属原子1モルに対し、通常約0.001モル〜10モル、好ましくは0.01モル〜5モルの量で用いられる。
有機金属化合物(iii)は、該化合物(iii)中の金属原子が重合系中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなるような量で用いられる。
なお、この重合時に予備重合触媒(p)を用いると、有機ケイ素化合物(ii)および/または有機金属化合物(iii)を添加しなくてもよい場合がある。予備重合触媒(p)、成分(ii)および成分(iii)からオレフィン重合用触媒が形成されるときには、これら各成分(ii)および(iii)は上記のような量で用いることができる。
重合時に水素を用いれば、得られるプロピレン重合体の分子量を調節することができ、MFRの大きい重合体が得られる。
本発明では、重合は、通常、約20〜150℃、好ましくは約50〜100℃の温度で、また常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2の圧力下で行われる。
本発明では、重合を、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。また、本発明では、プロピレンの単独重合体を製造してもよく、またプロピレン以外のオレフィンからランダム共重合体またはブロック共重合体などを製造してもよい。
II.プロピレン系ブロック共重合体(A2)
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)は、プロピレン単独重合体部として前記プロピレン系重合体(A1)を60〜99質量%、好ましくは70〜97質量%、より好ましくは75〜95質量%の範囲で含み、前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)を1〜40質量%、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%の範囲で含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。)。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)は、前記プロピレン系重合体(A1)と前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)とを混合(例えば溶融混練)することにより製造することができる。なお、前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)を構成する前記プロピレン系重合体(A1)として、プロピレン単独重合体が用いられる。
このように前記プロピレン系重合体(A1)および前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)を用いてプロピレン系ブロック共重合体(A2)を形成することにより、剛性や耐熱性と耐衝撃性とのバランスに優れた成形体を形成することができる。
III.プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)は、プロピレンと、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、プロピレンに由来する構成単位を40〜90モル%、好ましくは45〜85モル%の範囲内で含有し、前記α−オレフィンに由来する構成単位を10〜60モル%、好ましくは15〜55モル%の範囲内で含有する(ただし、プロピレンに由来する構成単位とα−オレフィンに由来する構成単位の合計を100モル%とする。)。
プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、エチレンが好ましい。
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)のMFR(ASTM D1238E、測定温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは0.005g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上、さらに好ましくは0.3〜20g/10分である。
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)は、種々公知の製造方法、例えば、メタロセン触媒の存在下、プロピレンとプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより製造することができる。
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(B)]
本発明の組成物は、必要に応じてエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を含有してもよい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体であり、エチレンに由来する構成単位を50〜95モル%、好ましくは55〜90モル%の範囲内で含有し、前記α−オレフィンに由来する構成単位を5〜50モル%、好ましくは10〜45モル%の範囲内で含有する。前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)を前記成分(A)に配合することにより、耐衝撃性をさらに向上させることができる。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、1−ブテンおよび1−オクテンがより好ましい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)のMFR(ASTM D1238E、測定温度230℃、荷重2.16kg)は、好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは0.3〜20g/10分、さらに好ましくは0.5〜10g/10分である。また、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度は、好ましくは0.850〜0.920kg/m3、より好ましくは0.855〜0.900kg/m3である。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、公知の方法により製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。好ましい市販品としては、例えば、三井化学(株)社製の「タフマー(登録商標)A」シリーズおよび「タフマー(登録商標)H」シリーズ、デュポン・ダウ社製の「Engage(登録商標)」シリーズ、エクソンモービル社製の「Exact(登録商標)」シリーズなどが挙げられる。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[プロピレン系ブロック共重合体(C)]
本発明の組成物は、必要に応じて、前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)を含有してもよい。
前記プロピレン系ブロック共重合体(C)の、ASTM D1238に準拠して230℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローレート(MFR)は、1〜200g/10分、好ましくは2〜150g/10分、より好ましくは5〜100g/10分である。
プロピレン系ブロック共重合体(C)は、n−デカン溶剤分別した場合、23℃のn−デカンに可溶な成分(以下「デカン可溶部」とも記載する。)と23℃のn−デカンに不溶な成分(以下「デカン不溶部」とも記載する。)とに分別される。これらの成分の割合は、好ましくは、デカン可溶部が5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、デカン不溶部が50〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%である。デカン可溶部およびデカン不溶部の含有割合が前記範囲内にあると、剛性、耐衝撃性等の機械的物性に優れた成形体を得ることができる。
デカン不溶部は、通常プロピレンから導かれる構造単位のみからなるが、少量、たとえば10モル%以下、好ましくは5モル%以下の他のモノマー(例えば、プロピレン以外のα−オレフィンなど)から導かれる構造単位を含有していてもよい。
デカン可溶部は、主としてプロピレン・α−オレフィン共重合体からなるが、プロピレン単独重合体の一部、たとえば低分子量物等の重合の際に生じる副生物などが含まれ得る。
デカン可溶部のプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンは、エチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンなどである。このようなα−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンおよび1−ドデセンが挙げられる。これらの中では、エチレンが好ましい。
プロピレン系ブロック共重合体(C)のデカン可溶部の135℃デカリン中で測定される極限粘度([η])は、好ましくは1.0〜10.0dl/g、より好ましくは2.0〜9.0dl/gである。
プロピレン系ブロック共重合体(C)は、従来公知の方法、たとえば特開2004−323545号公報の[0018]−[0026]に記載の方法を参照して製造することができる。
前記プロピレン系ブロック共重合体(C)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[無機充填材(D)]
本発明の組成物に含まれる前記無機充填材(D)としては、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム塩、珪酸塩類、炭酸塩類、カーボンブラック、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の組成物では、無機充填材(D)としてタルクを用いることが好ましい。
[他の成分]
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述した成分(A)〜(D)以外の、樹脂、ゴム、充填剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、核剤などの他の成分を配合することができる。本発明のプロピレン系樹脂組成物における前記他の成分の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、特に限定されるものではない。
[プロピレン系樹脂組成物の態様]
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上述した成分(A)および無機充填材(D)を必須構成成分として含む樹脂組成物であり、成分(A)および(D)以外の成分については、用途に応じて適宜配合することができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物の好ましい態様としては、
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)20〜90質量%、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)1〜50質量%、および前記無機充填材(D)1〜70質量%を含む(ただし、成分(A2)、(B)および(D)の合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(以下「第1の組成物」ともいう。);
前記プロピレン系重合体(A1)20〜80質量%、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)1〜50質量%、前記プロピレン系ブロック共重合体(C)1〜20質量%、および前記無機充填材(D)1〜70質量%を含む(ただし、成分(A1)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(以下「第2の組成物」ともいう。);
前記プロピレン系重合体(A1)40〜99質量%、および前記無機充填材(D)1〜60質量%を含む(ただし、成分(A1)および(D)の合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(以下「第3の組成物」ともいう。)
などが挙げられる。
<第1の組成物>
本発明の第1の組成物は、前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)および前記無機充填材(D)を含む樹脂組成物である。
本発明の第1の組成物では、前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)を構成する前記プロピレン系重合体(A1)として、プロピレン単独重合体が用いられる。
本発明の第1の組成物は、前記プロピレン系重合体(A1)と前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)とを混合してプロピレン系ブロック共重合体(A2)を形成した後、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)および前記無機充填材(D)を混合することにより、調製することができる。
本発明の第1の組成物における成分(A2)、(B)および(D)の含有量としては、成分(A2)、(B)および(D)の合計を100質量%とした場合、成分(A2)が、20〜90質量%、好ましくは25〜85質量%、より好ましくは30〜80質量%であり、成分(B)が、1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、成分(D)が、1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
<第2の組成物>
本発明の第2の組成物は、前記プロピレン系重合体(A1)、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、前記プロピレン系ブロック共重合体(C)、および前記無機充填材(D)を含む樹脂組成物である。
本発明の第2の組成物で用いられる前記プロピレン系重合体(A1)は、プロピレン単独重合体でもよく、プロピレン以外のモノマーを共重合成分として含むランダム共重合体でもよい。
本発明の第2の組成物における成分(A1)、(B)、(C)および(D)の含有量は、成分(A1)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とした場合、成分(A1)が、20〜80質量%、好ましくは25〜75質量%、より好ましくは30〜70質量%であり、成分(B)が、1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、成分(C)が、1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%であり、成分(D)が、1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
<第3の組成物>
本発明の第3の組成物は、前記プロピレン系重合体(A1)および前記無機充填材(D)を含む樹脂組成物である。
本発明の第3の組成物で用いられる前記プロピレン系重合体(A1)は、プロピレン単独重合体およびランダム共重合体のいずれでもよい。
本発明の第3の組成物における成分(A1)および(D)の含有量は、成分(A1)および(D)の合計を100質量%とした場合、成分(A1)が、40〜99質量%、好ましくは45〜99質量%、より好ましくは50〜99質量%であり、成分(D)が、1〜60質量%、好ましくは1〜55質量%、より好ましくは1〜50質量%である。
<プロピレン系樹脂組成物の製造方法>
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上述した各成分を配合することにより製造することができる。各成分は、任意の順番で逐次配合してもよく、同時に混合してもよい。また、一部の成分を混合した後に他の成分を混合するような多段階の混合方法を採用してもよい。ただし、本発明の第1の組成物については、上述したように、前記プロピレン系重合体(A1)と前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)とを混合してプロピレン系ブロック共重合体(A2)を形成した後、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、前記無機充填材(D)および必要に応じて他の成分を混合することにより製造される。
各成分の配合方法としては、例えば、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機などの混合装置を用いて、各成分を同時にもしくは逐次に、混合または溶融混練する方法が挙げられる。
[成形体]
本発明の成形体は、上述した本発明の組成物を用いて形成される。本発明の組成物は、高剛性および低線膨張性を有することから、本発明の成形体は、温度変化による寸法変化が小さく寸法安定性に優れている。そのため、本発明の成形体は、例えば自動車用部品、家電部品、食品容器、医療容器など様々な分野に好適に用いることができる。前記自動車用部品としては、例えば、バンパーやインストルメンタルパネル等の自動車内外装部材、ルーフ、ドアパネル、フェンダー等の外板材などが挙げられる。
本発明の成形体の成形法としては、特に限定されず、重合体の成形法として公知の様々な方法を採用することができるが、特に射出成形やプレス成形が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例に記載された各種物性の測定方法は以下のとおりである。
<アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm))>
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたアイソタクチックメソペンタド分率mmmm〔%〕は、プロピレン系重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。13C−NMRスペクトルは、日本電子製EX−400の装置を用い、TMSを基準とし、温度130℃、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いて測定した。
<昇温溶出分別測定(TREF)>
立体規則性の指標の1つと考えられるTREF高温溶出成分量は、下記条件における昇温分別測定によって得られる122℃以上で溶出したポリマー濃度から算出した。
(測定条件)
装置:Polymer Char製CFC2型クロス分別クロマトグラフ
検出器:Polymer Char製IR4型赤外分光光度計(内蔵)
移動相:o−ジクロロベンゼン、BHT添加
流速:1.0mL/min
試料濃度:90mg/30mL
注入量:0.5mL
溶解条件:145℃、30min
安定化条件:135℃、30min
降温速度:1.0mL/min
溶出区分:−20℃〜0℃ 10℃刻み、0℃〜80℃ 5℃刻み、
80℃〜104℃ 3℃刻み、104〜126℃ 2℃刻み
溶出時間:3min
<融点>
前記昇温溶出分別測定(TREF)により122℃以上の温度で溶出した成分の融点を、示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)を用いて下記条件で測定を行った。ここで測定した第3stepにおける吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
(測定条件)
第1step : 10℃/minで240℃まで昇温し、10min間保持する。
第2step : 10℃/minで60℃まで降温する。
第3step : 10℃/minで240℃まで昇温する。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)>
分子量分布の指標であるMw/Mn値、およびZ平均分子量(Mz)は、下記条件で測定したクロマトグラムを公知の方法によって解析することによって得た。
(測定条件)
装置:Waters製ゲル浸透クロマトグラフAllianceGPC2000型
カラム:東ソー製TSKgel GMH6−HT x2 + TSKgel GMH6−HTL x2
移動相:o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
流速:1.0ml/min
温度:140℃
カラム校正:東ソー製単分散ポリスチレン
試料濃度:0.15%(w/v)
注入量:0.4ミリリットル
<メルトフローレート(MFR)>
ASTM D1238Eに準拠し、測定温度は230℃とし、2.16kg荷重で測定した。
<曲げ弾性率>
ISO 178に準拠して、以下の条件で曲げ弾性率(MPa)を測定した。
(測定条件)
温度:23℃
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
曲げ速度:2mm/分
スパン間:64mm
<線膨張係数>
線膨張係数(10-5/℃)は、TMA法(測定範囲:−30〜80℃)にて評価した。具体的には、長さ30mm、幅30mm、厚み2mmの角板の中央部を、10mm×5mm×2mm厚の形状に切り出して試験片として用い、射出成形流動方向および射出成形流動に対し垂直方向について、測定した値の平均値を線膨張係数とした。測定条件は以下のとおりである。
(測定条件)
測定装置:TMA2940(TA社製)
試験荷重:0.029N
試験温度範囲:−30〜80℃
昇温速度:5℃/min
テスト前アニール処理:120℃×30min
[合成例1]
<固体状チタン(a−1)の調製>
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、該装置に精製灯油700ml、塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王アトラス(株)製「エマゾール320」)3gを装入した。この系を撹拌下で昇温し、120℃および800rpmの条件で30分間撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。得られた固体を濾過し、精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
次いで、前記固体状付加物(マグネシウム原子に換算して45ミリモル)をデカン20mlに懸濁させた後、−20℃に保持した四塩化チタン195ml中に、攪拌下で全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、ジイソブチルフタレート1.8ml(6.2ミリモル)を添加した。引き続き110℃まで昇温して1.5時間攪拌した。
1.5時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよび室温のヘキサンによって、ろ液中にチタンが検出されなくなるまで洗浄した。このようにして、チタン3.8質量%、マグネシウム16質量%、ジイソブチルフタレ−ト18.2質量%、エタノ−ル残基1.1質量%を含有する固体状チタン(a−1)を得た。
<固体状チタン触媒成分(i-1)の調製>
充分に窒素置換された200mlのガラス製反応器に、得られた固体状チタン(a−1)6.8g、パラキシレン113ml、デカン11ml、四塩化チタン2.5ml(23ミリモル)及びジイソブチルフタレ−ト0.34ml(1.2ミリモル)を入れた。反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌して接触処理した後、熱ろ過により固体部を採取した。この固体部を101mlのパラキシレンに再懸濁させ、さらに四塩化チタン1.7ml(15ミリモル)及びジイソブチルフタレート0.22ml(0.8ミリモル)を添加した。
次いで、130℃に昇温し、該温度を保持しながら1時間攪拌して反応させた。反応終了後、再び熱ろ過にて固液分離を行い、得られた固体部を100℃のデカン及び室温のヘキサンによって触媒中のパラキシレンが1質量%以下となるまで洗浄した。このようにして、チタン1.3質量%、マグネシウム20質量%、ジイソブチルフタレート13.8質量%を含有する固体状チタン触媒成分(i-1)を得た。
<予備重合触媒(p-1)の調製>
窒素置換された200mlのガラス製反応器に、ヘキサン50ml、トリエチルアルミニウム2.5ミリモル、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン0.5ミリモル、および得られた固体状チタン触媒成分(i-1)をチタン原子換算で0.25ミリモル装入した後、系内の温度を20℃に保ちながら、1.47リットル/時間の量でプロピレンを1時間供給した。この操作により、固体状チタン触媒成分(i-1)1g当り3gのプロピレンが予備重合された予備重合触媒(p−1)を得た。
<本重合>
内容積2リットルのオートクレーブに、プロピレン500gと水素3.5リットルとを装入し、系内の温度を60℃に昇温した。その後、トリエチルアルミニウムを0.7ミリモル、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシランを0.7ミリモルおよび上記で得られた予備重合触媒(p-1)をチタン原子換算で0.0028ミリモル添加することにより重合を開始した。系内の温度を70℃に保ちながら1時間重合を行った。次いで、エタノールを添加することにより重合を停止し、未反応のプロピレンをパージしてプロピレン単独重合体(A1−1)286gを得た。得られたプロピレン単独重合体(A1−1)の物性を評価した結果を表1に示す。
[合成例2]
合成例1において、本重合にて水素の装入量を8.5リットルに変更したこと以外は合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(A1−2)の物性を評価した結果を表1に示す。
[合成例3]
合成例1において、本重合にて水素の装入量を9リットルに変更したこと以外は合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(A1−3)の物性を評価した結果を表1に示す。
[比較合成例1]
合成例1において、予備重合触媒(p-1)の調製および本重合で用いたエチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシランの代わりにジエチルアミノトリエトキシシランを用いたこと、および装入した水素量を1.8リットルに変更したこと以外は合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(a−1)の物性を評価した結果を表1に示す。
[比較合成例2]
比較合成例1において、本重合にて装入した水素量を4.5リットルに変更したこと以外は比較合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(a−2)の物性を評価した結果を表1に示す。
[比較合成例3]
比較合成例1において、本重合にて装入した水素量を5リットルに変更したこと以外は比較合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(a−3)の物性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2020084134
表1中の「オレフィン重合用触媒」の「外部ドナー」に関する記号の意味は以下のとおりである。
ii-1:エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン
ii-2:ジエチルアミノトリエトキシシラン
以下の実施例および比較例において用いた成分(A3)、(B)〜(D)は以下のとおりである。
・プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3):プロピレン・エチレン共重合体(商品名:タフマーS4020、三井化学(株)製)
・エチレン・α−オレフィン共重合体(B):エチレン・ブテン共重合体(商品名:タフマーA1050S、三井化学(株)製)
・プロピレン系ブロック共重合体(C):プロピレン・エチレンブロック共重合体(商品名:X855、(株)プライムポリマー製)
・無機充填材(D)
D−1:タルク(商品名:JM209、浅田製粉(株)製)
D−2:タルク(商品名:HAR 3G77、IMERYS社製)
[実施例1〜2および比較例1〜2]
まず、上述した合成例または比較合成例で得られたプロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)とを、表2に示す量で混合した後、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練することにより、プロピレン系ブロック共重合体を調製した。次いで、得られたプロピレン系ブロック共重合体に、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)および無機充填材(D)を表2に示す量で配合し、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を作製した。得られたペレットを用いて、射出成形機にて下記の条件で射出成形し、試験片を作製した。得られた射出成形体(試験片)の物性を表2に示す。
<溶融混練条件>
同方向二軸混練機:品番 KZW−15、(株)テクノベル 社製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:40rpm
<射出成形条件>
射出成形機:EC40(商品名、東芝機械(株)製)
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒
冷却時間:15秒
Figure 2020084134
[実施例3および比較例3〜4]
表3に示す組成となるように、上述した合成例または比較合成例で得られたプロピレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、プロピレン系ブロック共重合体(C)および無機充填材(D)を混合した後、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を作製した。得られたペレットを用いて、射出成形機にて下記の条件で射出成形し、試験片を作製した。得られた射出成形体(試験片)の物性を表3に示す。
<溶融混練条件>
同方向二軸混練機:品番 KZW−15、(株)テクノベル 社製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:40rpm
<射出成形条件>
射出成形機:EC40(商品名、東芝機械(株)製)
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒
冷却時間:15秒
Figure 2020084134
[実施例4〜5および比較例5〜6]
表4に示す組成となるように、上述した合成例または比較合成例で得られたプロピレン単独重合体および無機充填材(D)を混合した後、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を作製した。得られたペレットを用いて、射出成形機にて下記の条件で射出成形し、試験片を作製した。得られた射出成形体(試験片)の物性を表4に示す。
<溶融混練条件>
同方向二軸混練機:品番 KZW−15、(株)テクノベル 社製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:40rpm
<射出成形条件>
射出成形機:EC40(商品名、東芝機械(株)製)
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒
冷却時間:15秒
Figure 2020084134

Claims (3)

  1. 下記要件(1)〜(4)を満たすプロピレン系重合体(A1)、および、プロピレン単独重合体部とプロピレン・α−オレフィン共重合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(A)20〜99質量%、
    エチレンに由来する構成単位50〜95モル%と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位5〜50モル%とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)0〜50質量%、
    前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)0〜20質量%、および
    無機充填材(D)1〜70質量%
    を含み(ただし、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)、
    前記プロピレン系重合体プロピレン系ブロック共重合体(A2)が、
    前記プロピレン単独重合体部として、前記プロピレン系重合体(A1)60〜99質量%、および
    前記プロピレン・α−オレフィン共重合体部として、プロピレンに由来する構成単位55〜90モル%と、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位10〜45モル%とを含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)1〜40質量%を含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。)、プロピレン系樹脂組成物:
    (1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分である;
    (2)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす;
    100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
    (3)アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が98.0%よりも高く、99.9%以下である;
    (4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20である。
  2. 前記プロピレン系重合体(A1)が、下記要件(5)をさらに満たす請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物:
    (5)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したZ平均分子量(Mz)が30万〜500万である。
  3. 請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を用いて形成された成形体。
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