JP2020105356A - コンデンサフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温および高周波数電流という過酷な環境において高い絶縁破壊電圧を有するとともに延伸性に優れるコンデンサフィルムを提供すること。【解決手段】本発明のコンデンサフィルムは、要件(1)〜(5)を満たすプロピレン単独重合体を含む樹脂層を少なくとも1層有する:(1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が1〜10g/10分である;(2)13C−NMRを用いて測定したペンタッドアイソタクティック分率が99.0%以上である;(3)クロス分別クロマトグラフ分析により124℃を超える温度で溶出する成分の割合が5〜30質量%である;(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4〜20である;(5)塩素含量が2質量ppm以下である。【選択図】なし

Description

本発明はコンデンサ用ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、機械的特性、耐熱性、化学的安定性および絶縁特性等に優れるため、包装用途およびテープ用途だけでなく、コンデンサ用フィルムとして幅広く利用されている。コンデンサ用フィルムは、主に自動車分野や家電分野などで需要が高まっており、更なる小型化、高容量化および高信頼性が要望されている。特に、ハイブリッドカーおよび電気自動車用途のように高出力化でコンデンサを使用する場合には、トランジスターやコンデンサ等の回路に大電流が流れて使用温度が高くなるため、コンデンサの高温下での耐電圧性も求められている。
ここで、フィルムを薄くすれば、コンデンサを小型化および高容量化をすることが可能になるが、高温下での耐電圧が著しく低下するため、高出力で使用するコンデンサフィルムに用いることができない。
特許文献1には、立体規則性の高いポリプロピレンと核剤を含む組成物からなるフィルムが開示されており、絶縁破壊電圧を高くするためにはポリプロピレンの立体規則性を高くすることが有効であると記載されている。
特許文献2には、クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)で得られる所定温度での溶出成分量の規定だけでなく、分子量分布も規定することにより、延伸性や絶縁破壊電圧等の調整を図ることができ、コンデンサフィルムの物性が良好なポリプロピレンが記載されている。
特許文献3には、クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)で得られる所定温度での溶出成分量を規定することにより、絶縁破壊電圧等の耐久性に優れたコンデンサフィルムを得ることができるポリプロピレンが記載されている。
特許文献4には、立体規則性が高く、クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)で得られる溶出ピークの半値幅の狭くすることにより、耐電圧に優れたンデンサフィルムを得ることができるポリプロピレンが記載されている。
特許文献5および6には、メタロセン触媒で得られるポリプロピレンとチーグラ触媒で得られるポリプロピレンからなるコンデンサフィルム用プロピレン単独重合体組成物およびそれからなるコンデンサフィルムが開示されている。
特開昭61−110906号公報 特開平9−052917号公報 特開2005−089683号公報 WO2010−087328号公報 WO2016−017752号公報 WO2016−017753号公報
しかしながら、従来の技術では、下記のとおり、延伸性(原反シートの延伸温度幅が広く、得られるコンデンサフィルム厚みの均一性に優れていること)と耐電圧性とのバランスが不十分であった。
特許文献1に記載の技術では、ポリプロピレンの立体規則性を向上させて、核剤を配合しても、十分な絶縁破壊電圧、特に高温および高周波数電流という過酷な環境において高い絶縁破壊電圧を有するフィルムを得ることはできていない。
特許文献2には、120℃溶出量(CFC)を特定範囲に規定したコンデンサフィルム用ポリプロピレンが提案され、下限未満だと延伸性が悪くなり、上限を超えると得られる絶縁破壊電圧が低下すると記載している。しかし、特許文献2に記載の技術では、延伸性と絶縁破壊電圧との両立には限界があった。
特許文献3には、分子量分布と110℃溶出量(CFC)を規定したコンデンサフィルム用ポリプロピレンが提案され、アンチブロックング性の優れたフィルムが提案されているが、フィルムの延伸性については何ら記載されていない。
特許文献4には、立体規則性が高く、90℃溶出量(CFC)が少なく、その溶出分布の狭く、キシレン可溶分量が所定の範囲であるコンデンサフィルムに適したポリプロピレンが提案されているが、ポリプロピレンの延伸性と得られるコンデンサフィルムの絶縁破壊電圧とを両立させる提案はされていない。
特許文献5、6に記載の技術では、メタロセン触媒で得られるポリプロピレンとチーグラ・ナッタ触媒で得られるポリプロピレンからなる組成物により、延伸温度幅と絶縁破壊電圧の両立を図っているが、未だ高温下での絶縁破壊電圧に限界があり、均一な薄厚フィルムの提案がなされていない。
上記のような従来技術に鑑み、本発明は、これまでにないレベルの高温および高周波数電流という過酷な環境において高い絶縁破壊電圧を有するとともに、延伸成形時の延伸温度幅が広く、フィルム厚みの均一性に優れるコンデンサフィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の固体状チタン触媒成分と特定の外部ドナーとを組み合わせて、これまでにないレベルの高立体規則性を有するプロピレンを重合することができ、さらに立体規則性が高いだけでなく、クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)で得られる高温溶出成分量が所定量以上含まれるプロピレン単独重合体は、延伸性(延伸温度幅、得られるフィルム厚みの均一性)を維持したまま耐電圧特性に極めて優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の事項を含む。
[1] 下記要件(1)〜(5)を満たすプロピレン単独重合体を含む樹脂層を少なくとも1層有するコンデンサフィルム:
(1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が1〜10g/10分である;
(2)13C−NMRを用いて測定したペンタッドアイソタクティック分率が99.0%以上である;
(3)クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)により124℃を超える温度で溶出する成分の割合が5〜30質量%である;
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4〜20である;
(5)塩素含量が2質量ppm以下である。
[2] 前記プロピレン単独重合体が、さらに下記要件(6)を満たす[1]に記載のコンデンサフィルム:
(6)23℃におけるn−デカン可溶成分量が1.0質量%以下である。
[3] フィルムの厚みが1〜50μmである[1]または[2]に記載のコンデンサフィルム。
[4] フィルムの厚みが1.5〜30μmである[1]または[2]に記載のコンデンサフィルム。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のコンデンサフィルムの製造方法であって、原反シートを、延伸面倍率(縦×横の面倍率)30〜80倍で延伸する工程を含むコンデンサフィルムの製造方法。
本発明によれば、高温耐電圧性及び延伸性に優れる(延伸成形時の延伸温度幅が広く、フィルム厚みの均一性に優れる)コンデンサフィルムを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係るコンデンサフィルムは、後述するプロピレン単独重合体を含む樹脂層を少なくとも1層有することを特徴とする。
[プロピレン単独重合体]
本発明で用いられるプロピレン単独重合体は下記要件(1)〜(5)を満たす。
<要件(1)>
前記プロピレン単独重合体のMFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が1〜10g/10分、好ましくは2〜6g/10分、より好ましくは2.5〜5g/10分である。
MFRが1.0g/10分未満の場合、押出機での原反成形が困難であり、また延伸時にチャック外れ等が生じ、所望の延伸フィルムが得られない。また、MFRが10.0g/10分を超えると、延伸時にフィルム破断が多発する等、フィルムの生産性が大幅に低下する。なお、MFRは、プロピレン樹脂の重合時に水素添加量を調整することができる。MFRは、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
<要件(2)>
前記プロピレン単独重合体の13C−NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が99.0%以上、好ましくは99.1〜100%、より好ましくは99.2〜100%である。
mmmmが99.0%以上の場合、高温耐電圧性が優れる。ここで、メソペンタッド分率は、分子鎖中の五連子アイソタクティック構造の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ構造を有する連鎖の中心にあるプロピレン構造単位の分率である。メソペンタッド分率は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
<要件(3)>
前記プロピレン単独重合体のクロス分別クロマトグラフ分析(CFC)により124℃を超える温度で溶出する成分の割合が5〜30質量%であり、好ましくは7〜20質量%であり、より好ましくは8〜15質量%である。
124℃を超える温度で溶出する成分の割合が5質量%未満の場合、高温耐電圧性の改良効果が得られないし、30質量%を超えると耐電圧性は向上するが、延伸性が低下する。所定の範囲内であれば、延伸性を損なうことなく、耐電圧を向上させることができ、特に高温下での耐電圧の影響が小さい点に特徴がある。
また、特許文献2および3において、CFCの120℃溶出量または110℃溶出量で規定したポリプロピレンが提案されているが、本発明に係るコンデンサフィルムにおける高温下での耐電圧の優れた点がこれらの溶出量では説明ができなかった。この理由として、低い溶出温度の溶出量で規定していたためと考えられる。本発明において検討した結果、従来の温度よりも高い124℃の溶出温度で規定することにより、本発明に係るコンデンサフィルムの高温下での耐電圧の優位性を説明できるとの結論に至った。
124℃を超える温度で溶出する成分の割合は、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
124℃を超える温度で溶出する成分の割合は、mmmmとともに増加する傾向にあるが、mmmmだけで一義的に決定されるものではない。この理由として、mmmmはプロピレン5連鎖の規則性の指標であり、分子鎖の局所的な規則性を平均した値であるのに対し、124℃を超える温度で溶出する成分の割合は、個々の分子鎖のmmmm、連鎖分布、分子量、末端構造、分岐構造などで影響される結晶性の指標であり、起因する構造が異なるからである。従って、mmmmが同一であっても、個々の分子鎖のmmmm、連鎖分布、分子量、末端構造、分岐構造などが異なれば、124℃を超える温度で溶出する成分の割合も異なる。
124℃を超える温度で溶出する成分が、高温下の耐電圧性改良の効果が大きい原因については明らかでないものの、ポリプロピレンからなる延伸フィルムの一定の面積内に1箇所でも欠陥があれば絶縁破壊することから、124℃を超える温度で溶出する成分は、フィルム内の欠陥を減少させる効果が大きいと解釈できる。また、前記割合が小さいために延伸性を損なうことなく高温耐電圧性を改良することができたと考えられる。
<要件(4)>
前記プロピレン単独重合体のGPCにより測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4〜20、好ましくは5〜15、より好ましくは6〜10である。
Mw/Mnが4以上の場合、二軸延伸フィルムを成形する際の延伸性に優れ、均一なフィルムが得られやすい。また、Mw/Mnが20以下において低分子量成分が少なく、成形時にベトツキ等が抑制され、成形性において好ましい。すなわち、Mw/Mnが前記範囲内であると、プロピレン系重合体の成形性及び延伸性および得られるコンデンサフィルムの厚みの均一性の観点から好ましい。Mw/Mnは、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
<要件(5)>
前記プロピレン単独重合体の塩素含有量が2質量ppm以下であり、好ましくは1.5質量ppm以下であり、より好ましくは1.2質量ppm以下である。塩素含有量が2質量ppmを超えると、得られる延伸フィルムの耐電圧性が低下するだけでなく、長期的なコンデンサ特性も低下する。コンデンサ使用時においてフィルム内部の塩素イオン近傍の電界が局所的に増大し、そこから絶縁破壊が生じやすくなるために耐電圧が低下すると解される。塩素含有量は、ポリプロピレン樹脂を後処理することにより、上記範囲内に制御することができる。
上述した要件(1)〜(5)を満たすプロピレン単独重合体は、例えば、後述するオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合させることにより得ることができる。なお、前記プロピレン単独重合体は、前記要件(1)〜(5)に加えて、下記要件(6)をも同時に満たすことが好ましい。
<要件(6)>
前記プロピレン単独重合体の23℃におけるn−デカン可溶成分量が1.0質量%以下、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。デカン可溶成分量が前記範囲内であると、得られるコンデンサフィルムにおいて高結晶性成分が充分に確保され、高温耐電圧性が向上するだけでなく、長期の耐電圧性が維持されることが期待される。
<オレフィン重合用触媒>
前記プロピレン単独重合体を製造するために用いるオレフィン重合用触媒は、前記プロピレン系重合体を得ることができれば特に限定されないが、例えば、
(i)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含み、かつ、下記要件(k1)〜(k4)を満たす固体状チタン触媒成分と、
(ii)下記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物成分と、
(iii)周期律表の1族、2族または13族に属する元素を含む有機金属化合物成分と
を含む触媒〔A〕、または、
前記触媒〔A〕にプロピレンが予備重合された予備重合触媒(p)と、前記有機ケイ素化合物成分(ii)と、前記有機金属化合物成分(iii)とを含む触媒〔B〕
が挙げられる。
(k1)チタン含有量が2.5質量%以下である。
(k2)電子供与体の含有量が8〜30質量%である。
(k3)電子供与体/チタン(質量比)が7以上である。
(k4)室温でのヘキサン洗浄によってチタンが実質的に脱離されることがない。
1Si(OR22(NR34) ・・・(II)
式(II)中、R1は2級または3級の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R2は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素基または水素原子を示し、R4は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
以下、前記オレフィン重合用触媒を構成する各成分について説明する。
≪固体状チタン触媒成分(i)≫
前記固体状チタン触媒成分(i)は、
(a)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含み、かつ室温でのヘキサン洗浄によってチタンが脱離することがない固体状チタン、
(b)芳香族炭化水素、
(c)液状チタン、および
(d)電子供与体
を接触させる工程を含む方法により調製することができる。
(a)固体状チタン
前記固体状チタン(a)は、マグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体(内部ドナー)などを種々の方法により接触させることにより、公知の固体状チタン触媒成分の調製法(例えば特開平4−096911号公報、特開昭58−83006号公報、特開平8−143580号公報等参照)により製造することができる。
前記マグネシウム化合物は固体状態で用いられることが好ましい。この固体状態のマグネシウム化合物は、マグネシウム化合物自体が固体状態であるものであってもよく、または電子供与体との付加物であってもよい。前記マグネシウム化合物としては、特開2004−2742号公報に記載のマグネシウム化合物、具体的には、塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、ブトキシマグネシウムなどが挙げられる。また、前記電子供与体としては、特開2004−2742号公報に記載のマグネシム化合物可溶化能を有する化合物、具体的には、アルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸及びこれらの混合物などが挙げられる。マグネシウム化合物及び電子供与体の使用量は、その種類、その接触条件等によっても異なるが、マグネシウム化合物を該液状の電子供与体に対して0.1〜20モル/リットル、好ましくは0.5〜5モル/リットルとなる量で用いることができる。
前記チタン化合物は液状状態で用いられることが好ましい。このようなチタン化合物としては、例えば、下記式(III)で示される4価のチタン化合物が挙げられる。
Ti(OR5)g4-g ・・・(III)
式(III)中、R5は炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、0≦g≦4である。
前記チタン化合物としては、特に四塩化チタンが好ましい。また、前記チタン化合物は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記電子供与体(内部ドナー)としては、例えば、下記式(IV)で表わされる化合物(以下「化合物(IV)」ともいう。)が挙げられる。
Figure 2020105356
式(IV)中、Rは、炭素原子数1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、R’は炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示し、nは0〜4の整数を示す。本発明では、nが0の化合物が好ましい。
RおよびR’のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
前記化合物(IV)の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ペンチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジn−ヘキシル、フタル酸ジn−ヘプチル、フタル酸ジ(メチルヘキシル)、フタル酸ジ(ジメチルペンチル)、フタル酸ジ(エチルペンチル)、フタル酸ジ(2,2,3-トリメチルブチル)、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルなどが挙げられる。これらの中では、フタル酸ジイソブチルが特に好ましい。
本発明では、前記電子供与体(内部ドナー)として、前記化合物(IV)以外の別の電子供与体を用いてもよい。別の電子供与体としては、例えば、複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「ポリエーテル化合物」ともいう。)が挙げられる。
前記ポリエーテル化合物としては、エーテル結合間に存在する原子が、炭素、ケイ素、酸素、窒素、イオウ、リン、ホウ素、またはこれらから選択される2種以上の原子である化合物などを挙げることができる。これらのうちエーテル結合間の原子に比較的嵩高い置換基が結合しており、2個以上のエーテル結合間に存在する原子に複数の炭素原子が含まれる化合物が好ましい。例えば、下記式(3)で表されるポリエーテル化合物が好ましい。
Figure 2020105356
前記式(3)において、mは1〜10の整数、好ましくは3〜10の整数、より好ましくは3〜5の整数である。R11、R12、R31〜R36は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素、水素、酸素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基である。R11およびR12は、それぞれ独立に、好ましくは炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数2〜6の炭化水素基である。R31〜R36は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
11およびR12の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。これらの中では、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基が好ましい。R31〜R36の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。これらの中では、水素原子、メチル基が好ましい。任意のR11、R12、R31〜R36(好ましくはR11、R12)は、共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれていてもよい。
前記ポリエーテル化合物の具体例としては、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジエチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−プロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−エチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(2−シクロヘキシルエチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−メチル−2−(2−エチルヘキシル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジブトキシプロパン、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジ−t−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジネオペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−シクロヘキシルメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,3−ジシクロヘキシル−1,4−ジエトキシブタン、2,3−ジイソプロピル−1,4−ジエトキシブタン、2,4−ジイソプロピル−1,5−ジメトキシペンタン、2,4−ジイソブチル−1,5−ジメトキシペンタン、2,4−ジイソアミル−1,5−ジメトキシペンタン、3−メトキシメチルテトラヒドロフラン、3−メトキシメチルジオキサン、1,2−ジイソブトキシプロパン、1,2−ジイソブトキシエタン、1,3−ジイソアミロキシエタン、1,3−ジイソアミロキシプロパン、1,3−ジイソネオペンチロキシエタン、1,3−ジネオペンチロキシプロパン、2,2−テトラメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ペンタメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ヘキサメチレン−1,3−ジメトキシプロパン、1,2−ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−イソアミル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−メトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−シクロヘキシル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−イソプロピル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジエトキシシクロヘキサン、2−イソブチル−2−エトキシメチル−1,3−ジメトキシシクロヘキサン等を例示することができる。
これらの中では、1,3−ジエーテル類が好ましく、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)1,3−ジメトキシプロパンがより好ましい。これらの化合物は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
固体状チタン(a)の調製
前記固体状チタン(a)は、前記マグネシウム化合物と、前記チタン化合物と、前記電子供与体との接触により調製することができる。この際、固体状態のマグネシウム化合物を炭化水素溶媒に懸濁して用いることが好ましい。また、これら各成分を接触させる際に、液状形態のチタン化合物を1回用いて固形物(1)を生成させてもよく、得られた固形物(1)にさらに液状形態のチタン化合物を接触させて固形物(2)を生成させてもよい。さらに、この固形物(1)または(2)を必要に応じて炭化水素溶媒で洗浄してから固体状チタン(a)を調製することが好ましい。
上記のような各成分の接触は、通常−70℃〜+200℃、好ましくは−50℃〜+150℃、より好ましくは−30℃〜+130℃の温度で行われる。固体状チタン(a)を調製する際に用いられる各成分の量は、調製方法によって異なり一概に規定できないが、例えばマグネシウム化合物1モル当り、電子供与体は0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5モルの量で、チタン化合物は0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜200モルの量で用いることができる。
本発明では、このようにして得られた固形物(1)または(2)をそのまま固体状チタン(i)として用いることができるが、この固形物を0〜150℃の炭化水素溶媒で洗浄することが好ましい。
この炭化水素溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、セタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの非ハロゲン系芳香族炭化水素溶媒、または、ハロゲン含有芳香族炭化水素溶媒などが用いられる。これらのうち、脂肪族炭化水素溶媒またはハロゲンを含まない芳香族炭化水素溶媒が好ましく用いられる。
固形物の洗浄に際しては、炭化水素溶媒は、固形物1gに対して通常10〜500ml好ましくは20〜100mlの量で用いられる。このようにして得られる固体状チタン(a)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有している。この固体状チタン(a)では、電子供与体/チタン(質量比)が6以下であることが好ましい。
このようにして得られた固体状チタン(a)は、室温でのヘキサン洗浄によってチタンが脱離することがない。
(b)芳香族炭化水素
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる芳香族炭化水素(b)としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、これらのハロゲン含有炭化水素などが挙げられる。これらの中では、キシレン(特にパラキシレン)が好ましい。前記固体状チタン(a)を、このような芳香族炭化水素(b)と接触させることにより、低立体規則性成分を副生する、いわゆる「剰余チタン化合物」を低減することができる。
(c)液状チタン
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる液状チタン(c)としては、該固体状チタン(a)を調製する際に用いたチタン化合物と同様のものを挙げることができる。それらの中でも、テトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。
(d)電子供与体
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる電子供与体(d)の例としては、上述した電子供与体(内部ドナー)で例示したものと同じものを挙げることができる。それらの中でも、前記固体状チタン(a)の調製に使用した電子供与体と同じものを用いることが好ましい。
≪固体状チタン触媒成分(i)の調製方法≫
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)の接触は、通常110〜160℃、好ましくは115℃〜150℃の温度で、1分間〜10時間、好ましくは10分間〜5時間行われる。
この接触では、芳香族炭化水素(b)は、固体状チタン(a)1gに対して通常1〜10000ml、好ましくは5〜5000mlより好ましくは10〜1000mlの量で用いられる。液状チタン(c)は、芳香族炭化水素(b)100mlに対して通常0.1〜50ml、好ましくは0.2〜20ml、特に好ましくは0.3〜10mlの範囲で用いられる。電子供与体(d)は、芳香族炭化水素(b)100mlに対して通常0.01〜10ml、好ましくは0.02〜5ml、特に好ましくは0.03〜3mlの量で用いられる。
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)の接触順序は、特に限定されることなく、同時または逐次に接触させることができる。
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)は、不活性ガス雰囲気下、攪拌下に接触させることが好ましい。例えば、充分に窒素置換された攪拌機付きガラス製フラスコ中で、固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)のスラリーを、上記温度で、攪拌機を100〜1000rpm、好ましくは200〜800rpmの回転数で、上記の時間、攪拌して、固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)を接触させることが望ましい。
接触後の固体状チタン(a)と芳香族炭化水素(b)とは、濾過により分離することができる。
このような固体状チタン(a)と芳香族炭化水素(b)との接触により、固体状チタン(a)よりもチタン含有量が減少された固体状チタン触媒成分(i)が得られる。具体的には、チタン含有量が固体状チタン(a)よりも25質量%以上、好ましくは30〜95質量%より好ましくは40〜90質量%少ない固体状チタン触媒成分(i)が得られる。
上記のようにして得られる固体状チタン触媒成分(i)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含み、かつ、下記要件(k1)〜(k4)を満たし、好ましくは下記要件(k5)をさらに満たしている。
(k1)固体状チタン触媒成分(i)のチタン含有量は2.5質量%以下、好ましくは2.2〜0.1質量%、より好ましくは2.0〜0.2質量%、特に好ましくは1.8〜0.3質量%、最も好ましくは1.5〜0.4質量%である。
(k2)電子供与体の含有量は8〜30質量%、好ましくは9〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
(k3)電子供与体/チタン(質量比)は7以上、好ましくは7.5〜35、より好ましくは8〜30、特に好ましくは8.5〜25である。
(k4)固体状チタン触媒成分(i)は、室温でのヘキサン洗浄によってチタンが実質的に脱離されることがない。なお、固体状チタン触媒成分(i)のヘキサン洗浄とは、固体状チタン触媒成分(i)1gに対して、通常10〜500ml、好ましくは20〜100mlの量のヘキサンで5分間洗浄することをいう。室温とは15〜25℃である。また、チタンが実質的に脱離されることがないとは、ヘキサン洗浄液中のチタン濃度が0.1g/リットル以下であることを意味する。
(k5)固体状チタン触媒成分(i)は、平均粒径が5〜70μmであり、好ましくは7〜65μmであり、より好ましくは8〜60μmであり、特に好ましくは10〜55μmである。
ここで、マグネシウム、ハロゲン、チタンおよび電子供与体の量は、それぞれ固体状チタン触媒成分(i)の単位質量あたりの質量%であり、マグネシウム、ハロゲンおよびチタンはプラズマ発光分光分析(ICP法)により、電子供与体はガスクロマトグラフィーにより定量される。また、触媒の平均粒径は、デカリン溶媒を用いた遠心沈降法により測定される。
上記のような固体状チタン触媒成分(i)は、オレフィン重合用触媒成分として用いると、プロピレンを高活性で重合させることができるとともに、立体規則性の低いポリプロピレンの生成量が少なく、高立体規則性のポリプロピレンを安定に製造することができる。
≪有機ケイ素化合物成分(ii)≫
本発明のオレフィン重合用触媒を構成する有機ケイ素化合物成分(ii)は、下記式(II)で表わされる。
1Si(OR22(NR34) ・・・(II)
式(II)中、R1は2級または3級の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R2は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素基または水素原子を示し、R4は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
1としては、脂環式炭化水素基、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシニル基、置換基を有するこれらの基などが挙げられる。
また、R1として、Siに隣接する炭素が2級炭素である炭化水素基としては、i-プロピル基、s-ブチル基、s-アミル基、α-メチルベンジル基などが挙げられ、Siに隣接する炭素が3級炭素である炭化水素基としては、tert-ブチル基、tert-アミル基、α,α'-ジメチルベンジル基、アドマンチル基などが挙げられる。
これらの中では、シクロペンチル基およびシクロブチル基が好ましく、特にシクロペンチル基が好ましい。
2としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中ではメチル基およびエチル基が特に好ましい。
3としては、例えば、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。これらの中では、エチル基が特に好ましい。
4としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。これらの中では、エチル基が特に好ましい。
前記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物の具体例としては、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシラン、シクロペンテニルジエチルアミノジメトキシシラン、シクロペンタジエニルジエチルアミノジメトキシシラン、シクロヘキシルジエチルアミノジメトキシシラン、イソプロピルジエチルアミノジメトキシシラン、tert-ブチルジエチルアミノジメトキシシランなどが挙げられる。
前記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物の中では、高立体規則性、特に、長いメソ連鎖長及びクロス分別クロマトグラフ分析(CFC)での高温溶出量割合を高める観点から、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシランが好ましい。
上述した有機ケイ素化合物成分(ii)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記固体状チタン触媒成分(i)と前記有機ケイ素化合物成分(ii)とを組み合わせて用いることにより、これまでにないレベルの高立体規則性を有するプロピレン系重合体を得ることができる。
≪有機金属化合物成分(iii)≫
本発明のオレフィン重合用触媒を構成する有機金属化合物成分(iii)は、周期律表の1族、2族または13族に属する金属を含む有機金属化合物であり、例えば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物、第2族金属の有機金属化合物などが挙げられる。なお、有機金属化合物成分(iii)は、2種以上を併用してもよい。
有機アルミニウム化合物
前記有機アルミニウム化合物は、例えば下記式で示される。
a nAlX3-n
式中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。
aは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル、フェニル、トリルなどである。
また、前記有機アルミニウム化合物として、下記式で示される化合物を挙げることもできる。
a nAlY3-n
式中、Raは上記と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
・ Ra nAl(ORb)3-n で表される化合物、例えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
・Ra nAl(OSiRc)3-n で表される化合物、例えばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu) 2Al(OSiEt3)など。
・Ra nAl(OAlRd 2)3-nEt2AlOAlEt2、(iso-Bu) 2AlOAl(iso-Bu) 2 など。
上記のような有機アルミニウム化合物のうちでも、Ra 3Alで表される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。
<オレフィン重合用触媒の製造方法>
前記オレフィン重合用触媒は、前記固体状チタン触媒成分(i)と、前記有機ケイ素化合物成分(ii)と、前記有機金属化合物成分(iii)とを接触させる工程を含む方法により製造することができる。
本発明では、これら各成分(i)、(ii)、(iii)からオレフィン重合用触媒を形成する際に、必要に応じて他の成分を用いることもできる。
本発明では、上記のような各成分から予備重合触媒(p)が形成されていてもよい。予備重合触媒(p)は、上述した各成分(i)、(ii)、(iii)および必要に応じて用いられる他の成分の存在下に、プロピレンを予備重合させることにより形成される。このような予備重合触媒(p)は、通常、有機ケイ素化合物(ii)および有機金属化合物(iii)とともにオレフィン重合用触媒を形成するが、予備重合触媒(p)のみをオレフィン重合用触媒として用いることができる場合もある。
<プロピレン単独重合体の製造方法>
前記プロピレン単独重合体の製造方法では、上述したオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合させる。
なお、プロピレンの重合を行う際に、本発明に係るコンデンサフィルムの品質を損なわない範囲で、プロピレンに加えて、少量のプロピレン以外の他のオレフィンまたは少量のジエン化合物を重合系内に共存させてランダム共重合体を製造してもよい。このようなプロピレン以外の他のオレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテンなどの炭素数2〜8のオレフィンが挙げられる。これらの中ではエチレンが好ましい。ランダム共重合体の場合、プロピレン以外の他のコモノマーの含有量は、好ましくは6モル%以下、より好ましくは3モル%以下である。
本発明では、重合は溶液重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれにおいても実施することができる。重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒として、不活性有機溶媒を用いることもできるし、反応温度において液状のオレフィンを用いることもできる。
不活性有機溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;脂環族炭化水素;芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの接触物などを挙げることができる。これらの中では、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
重合に際しては、固体状チタン触媒成分(i)または予備重合触媒(p)は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は約1×10-5〜1ミリモル、好ましくは約1×10-4〜0.1ミリモルの量で用いられる。
有機ケイ素化合物(ii)は、有機金属化合物(iii)の金属原子1モルに対し、通常約0.001モル〜10モル、好ましくは0.01モル〜5モルの量で用いられる。
有機金属化合物(iii)は、該化合物(iii)中の金属原子が重合系中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなるような量で用いられる。
なお、この重合時に予備重合触媒(p)を用いると、有機ケイ素化合物(ii)および/または有機金属化合物(iii)を添加しなくてもよい場合がある。予備重合触媒(p)、成分(ii)および成分(iii)からオレフィン重合用触媒が形成されるときには、これら各成分(ii)および(iii)は上記のような量で用いることができる。
重合時に水素を用いれば、得られるプロピレン重合体の分子量を調節することができ、MFRの大きい重合体が得られる。
本発明では、重合は、通常、約20〜150℃、好ましくは約50〜100℃の温度で、また常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2の圧力下で行われる。
本発明では、重合を、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。
<添加剤>
本発明のコンデンサフィルム用プロピレン単独重合体には、発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を添加してもよい。好ましくは、各種酸化防止剤(イルガノックス1010、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、イルガフォス168など)、ステアリン酸カルシウムなどの各種添加剤を添加しながら、180〜280℃の範囲で溶融押出しにて配合することが例として挙げられる。
[コンデンサフィルム]
本発明に係るコンデンサフィルムは、上記のプロピレン単独重合体から得た原反シートを延伸して得られる。本発明に係るコンデンサフィルムの厚さは、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは1.5〜30μmであり、更に好ましくは1.5〜20μmであり、特に好ましくは2〜15μmである。厚さが1μm以上であることにより、フィルム破断が起きにくく、フィルムの生産性が向上する。一方、厚さが50μm以下であることにより、軽量かつ柔軟性にも優れたフィルムとすることができる。
<コンデンサフィルムの製造方法>
本発明に係るコンデンサフィルムは、例えば原反シートを製造した後、これを延伸することによって得られる。本発明のコンデンサフィルムの製造方法は、好ましくは、原反シートを、延伸面倍率(縦×横の面倍率)30〜80倍で延伸する工程を含む。本発明のコンデンサフィルムの製造方法においては、延伸温度幅が広く、炉内の温度ムラがあっても本発明に係るコンデンサフィルムが製造することができる。本発明のコンデンサフィルムのより具体的な製造方法は以下のとおりである。
前記プロピレン単独重合体をホッパーから押出機に供給し、好ましくは170〜300℃、より好ましくは200〜260℃で加熱溶融してTダイから溶融押出する。その後、これを好ましくは70〜120℃の金属製チルロールで冷却固化させて、未延伸の原反シートが得られる。該原反シートの厚みは特に限定されないが、60〜800μmが好ましく、80〜400μmがより好ましい。原反シートの厚みが60μm未満である場合、延伸時に破断する場合がある。また、該厚みが800μmを超えると、薄膜のフィルムを得ることができないため、コンデンサフィルムとして適さない場合がある。
前記原反シートを延伸することで、コンデンサフィルムを作製することができる。延伸方法としては、一軸延伸法、二軸延伸法が挙げられるが、二軸延伸法が好ましい。二軸延伸法としては、フィルムに対して機械方向へ一軸延伸を行い、次いで機械方向に対して直角方向へ延伸する逐次二軸延伸法、機械方向とそれに対して直角方向へ同時に延伸する同時二軸延伸法などが挙げられる。具体的には、テンター法、チューブラーフィルム法などの逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法を用いることができる。
テンター法では、例えば以下の方法により行うことができる。Tダイから溶融押出された溶融シートを冷却ロールで固化させ、該シートを必要により予熱した後延伸ゾーンに導入する。次いで、該シートを機械方向(縦方向)に120〜160℃の温度で3〜9倍延伸し、機械方向の直角方向(横方向)に150〜190℃の温度で5〜11倍で延伸する。合計の延伸面倍率は、30〜80倍、好ましくは35〜75倍、より好ましくは35〜70倍、更に好ましくは35〜50倍である。延伸面倍率が30倍未満である場合、所望の強度や厚み精度を得ることが困難となる場合がある。また、延伸面倍率が80倍を超える場合、延伸時に破断が生じやすくなり、生産性に劣る場合がある。
また、必要に応じて、二軸延伸されたフィルムに対して160〜190℃で熱固定することもできる。これにより、熱寸法安定性、耐摩耗性などがより向上したコンデンサフィルムを得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例に記載された各種物性の測定方法は以下のとおりである。
<メソペンタッド分率(mmmm(ノイズ除去法))>
1.測定条件
装置:ブルカー・バイオスピン製AVANCE III cryo−500型核磁気共鳴装置
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00マイクロ秒)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:256回
測定溶媒:o−ジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20体積%)混合溶媒
試料濃度:50mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフト基準:21.59ppm(メソpentad methyl peak shifts)
2.算出法
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたメソペンタッド分率(mmmm, %)は、上記1の測定条件により得られた13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。
ここで、本発明における測定対象のような、これまでにないレベルの高い立体規則性を有するポリプロピレンの場合、rmmr、mmrm、rmrr、rmrm、mrrr領域を積分値に含めると、「ノイズ」の積分値への影響度が大きくなり、一般的な算出方法におけるS2を過大評価、即ちmmmm(%)を過少評価してしまうという問題があると考える。Prog. Polym. Sci. 26(2001), 443−533においても、95%以上の立体規則性を有するポリプロピレンの場合、一定要件を満たせば、rmmr、mmrm、rmrr、rmrm、mrrr領域の積分値は、理論上、合計0.1%以下となることが報告されており、一般的な算出方法におけるS2の過大評価に繋がることを示唆している。
そこで、本発明では、下記(式1)に従い算出した。rmmr, mmrm, rmrr, rmrm, mrrr領域については、Prog. Polym. Sci. 26(2001), 443−533の示唆に従い計算から除いた。以下、本明細書での算出法を「ノイズ除去法」と称する。
mmmm(ノイズ除去法)(%)= S1/S2 * 100 ・・・(式1)
S1 = (mmmm, mmmrを含むピーク)-(n−プロピル末端)-(n−ブチル末端)- mrrm * 2
S2 = S1 + mmmr + mmrr + mrrm + rrrr
= S1 + 5 * mrrm + rrrr
上記(式1)で算出するにあたり、例として、下記の如く帰属した。なお、mmmmのピークには、mmmrと(n−プロピル末端)及び(n−ブチル末端)の各ピークが重複している。
mmmm, mmmrを含むピーク:21.2〜22.0ppmのピーク面積
mmmr = mrrm * 2
mmrr = mrrm * 2
mrrm:19.5〜19.7ppmのピーク面積
rrrr:20.0〜20.2ppmのピーク面積
n−プロピル末端:(A1 + A3)/2
A1:14.2ppmのピーク面積
A3:39.4ppmのピーク面積
n−ブチル末端:36.7ppmのピーク面積
<クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)>
クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)にて、124℃を超える温度で溶出する成分の割合は、100%から下記条件における昇温分別測定によって得られる124℃以下の温度で溶出した成分の割合を差し引いて計算した。
装置:Polymer Char製CFC2型クロス分別クロマトグラフ
検出器:Polymer Char製IR4型赤外分光光度計(内蔵)
移動相:o−ジクロロベンゼン、BHT添加
流速:1.0mL/min
試料濃度:90mg/30mL
注入量:0.5mL
溶解条件:145℃、30min
安定化条件:135℃、30min
降温速度:1.0mL/min
溶出区分:−20℃〜0℃ 10℃刻み、0℃〜80℃ 5℃刻み、
80℃〜104℃ 3℃刻み、104〜126℃ 2℃刻み
溶出時間:3min
<分子量分布>
分子量分布の指標であるMw/Mn値は、下記条件で測定したクロマトグラムを公知の方法によって解析することによって得た。
装置:Waters製ゲル浸透クロマトグラフAllianceGPC2000型
カラム:東ソー製TSKgel GMH6−HT x2 + TSKgel GMH6−HTL x2
移動相:o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
流速:1.0ml/min
温度:140℃
カラム校正:東ソー製単分散ポリスチレン
試料濃度:0.15%(w/v)
注入量:0.4ミリリットル
<メルトフローレート(MFR)>
ASTM D1238Eに準拠し、測定温度は230℃、荷重は2.16kgとした。
<デカン可溶成分量>
ガラス製の測定容器にプロピレン系重合体約6グラム(この質量を、下式においてb(グラム)と表した)、デカン500ml、およびデカンに可溶な耐熱安定剤を少量装入し、窒素雰囲気下、スターラーで攪拌しながら2時間で150℃に昇温してプロピレン重合体を溶解させ、150℃で2時間保持した後、8時間掛けて23℃まで徐冷した。得られたプロピレン重合体の析出物を含む液を、磐田ガラス社製25G−4規格のグラスフィルターにて減圧濾過した。濾液の100mlを採取し、これを減圧乾燥してデカン可溶成分の一部を得た。この質量を、下式においてa(グラム)と表した。この操作の後、デカン可溶成分量を下記式によって決定した。
デカン可溶成分含有率(質量%)=100×(500×a)/(100×b)
<塩素含有量>
試料0.8gを、三菱化成社製燃焼装置を用いてアルゴン/酸素気流下で、400〜900℃で燃焼した。その後、燃焼ガスを超純水で捕捉し、濃縮後の試料液を、DIONEX−DX300型イオンクロマト装置(商品名、日本ダイオネック(株)製)および陰イオンカラムAS4A−SC(商品名、ダイオネック社製)を用いて測定して塩素含有量を求めた。
<耐電圧(BDV)>
得られた延伸フィルムのBDVをJIS−C2330に準拠して測定した。二軸延伸フィルムの絶縁破壊電圧を120℃および140℃で測定した。耐電圧(BDV、V/μm)は、絶縁破壊電圧をフィルム厚みで除して算出した。
<延伸性>
延伸温度幅は、フィルムの二軸延伸において、予熱温度を変えて、延伸が可能な温度幅を測定した。延伸フィルムの厚みの均一性は干渉縞の発生の有無で判断した。延伸フィルムに干渉縞が発生したときは、フィルム厚みの均一性が低く、×と記し、干渉縞が認められないときは、フィルム厚みの均一性がよく、〇と記した。
[実施例1]
<固体状チタン(a−1)の調製>
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、該装置に精製灯油700ml、塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王アトラス(株)製「エマゾール320」)3gを装入した。この系を撹拌下で昇温し、120℃および800rpmの条件で30分間撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。得られた固体を濾過し、精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
次いで、前記固体状付加物(マグネシウム原子に換算して45ミリモル)をデカン20mlに懸濁させた後、−20℃に保持した四塩化チタン195ml中に、攪拌下で全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、ジイソブチルフタレート1.8ml(6.2ミリモル)を添加した。引き続き110℃まで昇温して1.5時間攪拌した。
1.5時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよび室温のヘキサンによって、ろ液中にチタンが検出されなくなるまで洗浄した。このようにして、チタン3.8質量%、マグネシウム16質量%、ジイソブチルフタレ−ト18.2質量%、エタノ−ル残基1.1質量%を含有する固体状チタン(a−1)を得た。
<固体状チタン触媒成分(i-1)の調製>
充分に窒素置換された200mlのガラス製反応器に、得られた固体状チタン(a−1)6.8g、パラキシレン113ml、デカン11ml、四塩化チタン2.5ml(23ミリモル)及びジイソブチルフタレ−ト0.34ml(1.2ミリモル)を入れた。反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌して接触処理した後、熱ろ過により固体部を採取した。この固体部を101mlのパラキシレンに再懸濁させ、さらに四塩化チタン1.7ml(15ミリモル)及びジイソブチルフタレート0.22ml(0.8ミリモル)を添加した。
次いで、130℃に昇温し、該温度を保持しながら1時間攪拌して反応させた。反応終了後、再び熱ろ過にて固液分離を行い、得られた固体部を100℃のデカン及び室温のヘキサンによって触媒中のパラキシレンが1質量%以下となるまで洗浄した。このようにして、チタン1.3質量%、マグネシウム20質量%、ジイソブチルフタレート13.8質量%を含有する固体状チタン触媒成分(i-1)を得た。
<予備重合触媒(p-1)の調製>
窒素置換された200mlのガラス製反応器に、ヘキサン50ml、トリエチルアルミニウム2.5ミリモル、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシラン0.5ミリモル、および上記で得られた固体状チタン触媒成分(i-1)をチタン原子換算で0.25ミリモル装入した後、系内の温度を20℃に保ちながら、1.47リットル/時間の量でプロピレンを1時間供給した。この操作により、固体状チタン触媒成分(i-1)1g当り3gのプロピレンが予備重合された予備重合触媒(p−1)を得た。
<本重合>
内容積2リットルのオートクレーブに、プロピレン500gと水素3.5リットルとを装入し、系内の温度を60℃に昇温した。その後、トリエチルアルミニウムを1.4ミリモル、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシランを0.7ミリモルおよび上記で得られた予備重合触媒(p-1)をチタン原子換算で0.0028ミリモル添加することにより重合を開始した。系内の温度を70℃に保ちながら1時間重合を行った。次いで、エタノールを添加することにより重合を停止し、未反応のプロピレンをパージしてポリプロピレン248gを得た。
同様の操作を複数回実施し、計5kgのポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレン1キログラムに対し、純水0.6グラムとプロピレンオキサイド5.4ミリリットルを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後に80℃にて真空乾燥を行い、ポリプロピレンパウダーを得た。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
<添加剤の配合・造粒>
次に、得られたプロピレン単独重合体100質量部に対して、酸化防止剤として3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.2質量部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.2質量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.01質量部配合してドライブレンドした。その後、造粒機として株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル単軸押出機D2025型(L/D=25)を用いて、樹脂温度230℃で溶融混練してペレット化を行った。
<原反シートの成形>
得られたプロピレン単独重合体組成物のペレットを25mmφのTダイシート成形機(株式会社プラスチック工学研究所製)で230℃に溶融後、押し出し、60℃に保持された1個の冷却ロールにより、引張り速度1.0m/分で冷却し、厚み150μmの原反シートを得た。
<延伸フィルムの作製>
得られた原反シートを85mm×85mmにカットし、下記の条件で二軸延伸し、厚さ4μmの二軸延伸フィルム(コンデンサフィルム)を得た。厚みは予熱温度を変えて調整した。得られたフィルムについて前記の方法に従い耐電圧(BDV)、延伸性を評価した。結果を表1に示す。
<延伸条件>
延伸装置:KAROIV(商品名、ブルックナー社製)
予熱温度:145〜160℃
予熱時間:60秒
延伸倍率:縦方向(機械方向)5倍×横方向9倍の逐次二軸延伸(延伸面倍率:45倍)
延伸速度:6m/分
[実施例2]
実施例1の本重合において、装入した水素を3.5リットルから3リットル、添加したトリエチルアルミニウムを1.4ミリモルから0.7ミリモル、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシランを0.7ミリモルから0.14ミリモルに変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンの製造を行った。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
また、添加剤の配合・造粒、原反フィルムの成形、延伸フィルムの作製及びその評価は、得られたポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の本重合において、装入した水素を3.5リットルから3リットル、添加したトリエチルアルミニウムを1.4ミリモルから0.5ミリモル、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシランを0.7ミリモルから0.1ミリモル、および予備重合触媒(p-1)をチタン原子換算で0.0028ミリモルから0.002ミリモルに変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリプロピレンの製造を行った。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
また、添加剤の配合・造粒、原反フィルムの成形、延伸フィルムの作製及びその評価は、得られたポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
ヘプタン7mlを入れた30mlガラス容器に、トリエチルアルミニウムを0.35ミリモル、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシランを0.07ミリモル、および実施例1で得られた固体状チタン触媒成分(i-1)をチタン原子換算で0.0028ミリモル装入し、20℃で10分間接触させてオレフィン重合用触媒を調製した。次いで、プロピレン500gを装入した内容積2リットルのオートクレーブ内に、前記オレフィン重合用触媒を装入して20℃で10分間重合を行った後、さらに水素3リットルを装入し、系内の温度を70℃に昇温して1時間重合を行った。次いで、エタノールを添加することにより重合を停止し、未反応のプロピレンをパージしてポリプロピレン312gを得た。
同様の操作を複数回実施し、計5kgのポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレン1キログラムに対し、純水0.6グラムとプロピレンオキサイド5.4ミリリットルを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後に80℃にて真空乾燥を行い、ポリプロピレンパウダーを得た。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
また、添加剤の配合・造粒、原反フィルムの成形、延伸フィルムの作製及びその評価は、得られたポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例4において、添加したトリエチルアルミニウムを0.35ミリモルから0.25ミリモル、添加したシラン化合物をシクロペンチルジエチルアミノジメトキシシラン0.7ミリモルからジシクロペンチルジメトキシシランを0.05ミリモル、実施例1で得られた固体状チタン触媒成分(i-1)をチタン原子換算で0.0028ミリモルから0.002ミリモル、および装入した水素を3リットルから2.5リットルに変更したこと以外は実施例4と同様にしてポリプロピレンの製造を行った。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
また、添加剤の配合・造粒、原反フィルムの成形、延伸フィルムの作製及びその評価は、得られたポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
<固体状チタン(a−2)の調製>
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製(TKホモミクサーM型))を充分窒素置換した後、この装置に精製デカン700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名レオドールSP−S20(花王(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、この懸濁液を撹拌しながら反応系を昇温し、懸濁液を120℃にて800rpmで30分撹拌した。次いで、この懸濁液を、沈殿物が生じないように高速撹拌しながら、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製デカン1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移した。移液により生成した固体を濾過し、精製n−ヘプタンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
この固体状付加物をデカンで懸濁状にして、マグネシウム原子に換算して23mmolの上記固体状付加物を、−20℃に保持した四塩化チタン100ml中に、攪拌下、導入して混合液を得た。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところで、3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を、固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.085モルの割合の量で添加し、40分間で110℃まで昇温した。110℃に到達したところで更にシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.0625モルの割合の量で添加し、温度を110℃で90分間攪拌しながら保持することによりこれらを反応させた。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を100mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して110℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持することによりこれらを反応させた。45分間の反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘプタンで、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって調製した固体状チタン(a−2)はデカン懸濁液として保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。このようにして得られた固体状チタン(a−2)の組成はチタン3.2質量%、マグネシウム17質量%、塩素57質量%、3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル10.6質量%、シクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル8.9質量%およびエチルアルコール残基0.6質量%であった。
<本重合>
ヘプタン7mlを入れた30mlガラス容器に、トリエチルアルミニウムを0.5ミリモル、シクロペンチルジエチルアミノジメトキシシランを0.1ミリモル、および上記で得られた固体状チタン(a−2)をチタン原子換算で0.004ミリモル装入し、20℃で10分間接触させてオレフィン重合用触媒を調製した。
次いで、プロピレン500gを装入した内容積2リットルのオートクレーブ内に、前記オレフィン重合用触媒を装入して20℃で10分間重合を行った後、さらに水素1.5リットルを装入し、系内の温度を70℃に昇温して1時間重合を行った。次いで、エタノールを添加することにより重合を停止し、未反応のプロピレンをパージしてポリプロピレン156gを得た。
同様の操作を複数回実施し、計5kgのポリプロピレンを得た。得られたポリプロピレン1キログラムに対し、純水0.6グラムとプロピレンオキサイド5.4ミリリットルを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後に80℃にて真空乾燥を行い、ポリプロピレンパウダーを得た。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
また、添加剤の配合・造粒、原反フィルムの成形、延伸フィルムの作製及びその評価は、得られたポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
特開2011−256278号の実施例2で用いたPP−2に準じてポリプロピレンを調製した。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
また、添加剤の配合・造粒、原反フィルムの成形、延伸フィルムの作製及びその評価は、得られたポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
国際公開WO2016/017752号の製造例5(PP5)に準じてポリプロピレンを調製した。得られたポリプロピレンの物性を評価した結果を表1に示す。
また、添加剤の配合・造粒、原反フィルムの成形、延伸フィルムの作製及びその評価は、得られたポリプロピレンを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 2020105356
上記の表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4のフィルムは高温下の絶縁破壊電圧が高いことが分かる。これに対して、比較例1〜4のフィルムは本発明の要件を満たしていないため、目的の性能が発現していないことがわかる。
本発明に係るコンデンサフィルムは、高温耐電圧性及びフィルム厚みの均一性に優れているため、また、フィルムの製造方法において延伸温度幅が広く、炉内の温度ムラがあっても本発明に係るコンデンサフィルムが製造することができることから、本発明に係るプロピレン単独重合体を含む樹脂層を1層含むコンデンサフィルム及びその製造方法の工業的価値は極めて高い。

Claims (5)

  1. 下記要件(1)〜(5)を満たすプロピレン単独重合体を含む樹脂層を少なくとも1層有するコンデンサフィルム:
    (1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が1〜10g/10分である;
    (2)13C−NMRを用いて測定したペンタッドアイソタクティック分率が99.0%以上である;
    (3)クロス分別クロマトグラフ分析(CFC)により124℃を超える温度で溶出する成分の割合が5〜30質量%である;
    (4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4〜20である;
    (5)塩素含量が2質量ppm以下である。
  2. 前記プロピレン単独重合体が、さらに下記要件(6)を満たす請求項1に記載のコンデンサフィルム:
    (6)23℃におけるn−デカン可溶成分量が1.0質量%以下である。
  3. フィルムの厚みが1〜50μmである請求項1または2に記載のコンデンサフィルム。
  4. フィルムの厚みが1.5〜30μmである請求項1または2に記載のコンデンサフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンデンサフィルムの製造方法であって、原反シートを、延伸面倍率(縦×横の面倍率)30〜80倍で延伸する工程を含むコンデンサフィルムの製造方法。
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