JP2020080695A - プロセスチーズ類およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】特定の原料チーズや、高速せん断による均質工程を用いなくても、十分な加熱殺菌がされ、且つ口溶けの良いプロセスチーズ類を製造することができる新規な方法、及びこの製造方法により得られる新規なプロセスチーズ類を提供する【解決手段】原料チーズと、溶融塩と、を含むプロセスチーズ類であって、70〜120μmの直径を有する脂肪球が脂肪分の全体積の60%以上であるプロセスチーズ類。【選択図】なし

Description

本発明は、プロセスチーズ類の製造方法に関する。
なお、「プロセスチーズ類」とは、プロセスチーズ、チーズフードなど、乳等省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)、公正競争規約の成分規格において規定されたものの他、乳等を主要原料とする食品などの当該技術分野における通常の意味を有する範囲のものを全て包含する。
食の多様化を背景に、様々な食感・物性のプロセスチーズ類が求められており、その中のひとつに口どけの良いプロセスチーズ類がある。
特開2011−72203号公報(特許文献1)は、軟質チーズ含有量の高い原料を用いて、口溶けの滑らかさ、風味等の品質を充分に備えたチーズ含有食品をオイルオフなく製造することを課題とし、その解決手段として、ジュール加熱機による加熱後に高速剪断クッカーにより均質化を行う方法を開示している。
国際公開第2008/010572号公報(特許文献2)は、チーズを加熱融解した段階では、製造に必要な適度の粘性を有し、且つ、冷却後のチーズでは、風味の低下なく滑らかで口溶けの良好なチーズを得る方法を課題とし、その解決手段として原料チーズに、110℃以上で高温加熱された原料チーズを添加することで、加熱溶融状態のチーズ粘度及び風味に影響を与えずに、冷却後のチーズの食感、口溶け等の物性及び保存性を改善する方法を開示している。
特開2011−72203号公報 国際公開第2008/010572号公報
本発明は、特定の原料チーズや、高速せん断による均質工程を用いなくても、十分な加熱殺菌がされ、且つ口溶けの良いプロセスチーズ類を製造することができる新規な方法、及びこの製造方法により得られる新規なプロセスチーズ類を提供することを課題とする。
発明者らが鋭意検討した結果、プロセスチーズ類の製造工程で、加熱しながら撹拌する乳化工程等においてせん断が付与されるに伴なって、脂肪球径の小さい均一な組織となり、これによりプロセスチーズ類の硬さが上昇し、口溶けが不良となることを見出し、これに基づき、攪拌をしなくても十分な加熱殺菌を施すことができるジュール加熱による加熱工程を含み、かつ、過度な均質処理工程を含まないプロセスチーズ類の製造方法と、この製造方法によって得られる脂肪球径の過度な微細化が抑制された口溶けの良いプロセスチーズ類に係る発明を完成させた。
さらに、得ようとするプロセスチーズ類のpHに応じて、溶融塩を選択することで5.5〜6.2という広い範囲のpH域において口溶けの良いプロセスチーズ類を得られることができることも見出した。
具体的には、本発明は以下の内容に関する。
[1]原料チーズと、溶融塩と、を含むプロセスチーズ類であって、70〜120μmの直径を有する脂肪球が脂肪分の全体積の60%以上である、プロセスチーズ類。
[2]プロセスチーズ類を直径20mm×高さ2mmの円柱状に切り出し、温度を40℃に加温して、歪み量1%、周期1rad/s、の条件で測定したときの、貯蔵弾性率G’が30〜1000Pa、損失弾性率G”が80〜700Pa、である、[1]に記載のプロセスチーズ類。
[3]プロセスチーズ類に含まれる脂肪分が、プロセスチーズ類の全質量基準で、15質量%〜32質量%である、[1]又は[2]に記載のプロセスチーズ類。
[4]プロセスチーズ類のpHが、5.5〜6.2である、[1]から[3]のいずれか1つに記載のプロセスチーズ類。
[5]原料チーズ、溶融塩、を含む原料を混合して原料混合物を得る工程と、原料混合物を通電加熱する工程と、通電加熱した原料混合物を冷却する工程と、を備え、
70〜120μmの直径を有する脂肪球が脂肪分の全体積の60%以上であるプロセスチーズ類の製造方法。
[6]原料混合物を得る工程において、下記条件(1)〜(3):
(1)溶融塩としてポリリン酸塩を配合し、原料混合物をpH5.5〜6.0に調整する、
(2)溶融塩としてジリン酸塩を配合し、原料混合物をpH5.7〜6.2に調整する、
(3)溶融塩としてクエン酸塩を配合し、原料混合物をpH5.6〜6.1に調整する、
のいずれかが選択される[5]に記載のプロセスチーズ類の製造方法。
本発明によれば、本発明は、特定の原料チーズや、高速せん断による均質工程を用いなくても、十分な加熱殺菌がされ、且つ口溶けの良いプロセスチーズ類を製造することができる新規な方法、及びこの製造方法により得られる新規なプロセスチーズ類が提供される。
図1は実施例に係るプロセスチーズ類の脂肪球径の計測結果である。 図2は比較例に係るプロセスチーズ類の脂肪球径の計測結果である。
〔プロセスチーズ類〕
本発明のプロセスチーズ類について説明する。
本発明は、原料チーズと、溶融塩と、を含み、70〜120μmの直径を有する脂肪球が脂肪分の全体積の60%以上であるプロセスチーズ類に関する。また、本発明のプロセスチーズ類は、前記プロセスチーズ類を直径20mm×高さ2mmの円柱状に切り出し、温度を40℃に加温して、歪み量1%、周期1rad/s、の条件で測定したときの、貯蔵弾性率G’が30〜1000Pa、損失弾性率G”が80〜700Paであることが好ましい。
上記したとおり、本発明のプロセスチーズ類中に含まれる脂肪分の体積の60%以上を構成する脂肪球の直径は70〜120μmであればよいが、含まれる脂肪分の体積の70%以上を構成する脂肪球の直径が70〜120μmであることがより好ましく、含まれる脂肪分の体積の70%以上を構成する脂肪球の直径が80〜100μmであることが更に好ましい。本発明のプロセスチーズ類の脂肪分は、15%〜32%であることがこのましく、pHは5.5〜6.2であることが好ましい。また、本発明のプロセスチーズ類は、貯蔵弾性率G’が30〜1000Paであればよく、100〜500Paがより好ましい。損失弾性率G”は、80〜700Paであればよく、200〜600Paであることがより好ましい。
〔プロセスチーズ類の原材料〕
本発明のプロセスチーズ類の原材料について説明する。
(原料チーズ)
本発明のプロセスチーズ類の原料チーズは、チェダーチーズ、ゴーダチーズ、エダムチーズ、パルメザンチーズ、カマンベールチーズ、ブルーチーズ、クリームチーズ、カッテージチーズ、スキムチーズなどのナチュラルチーズを例示することができるが特に限定されるものではない。
原料チーズの熟度に関しても、最終的に得られるプロセスチーズ類において必要となる風味などにより選択すれば良い。2種類以上の原料チーズを混合して使用しても良い。
(溶融塩)
得られるプロセスチーズ類のpHを5.5〜6.0の範囲としたい場合は、溶融塩としてポリリン酸塩を使用することが好ましい。
得られるプロセスチーズ類のpHを5.7〜6.2の範囲としたい場合は、溶融塩としてジリン酸塩を使用することが好ましい。
上記したものと一部範囲が重複するが、得られるプロセスチーズ類のpHを5.6〜6.1の範囲としたい場合は、溶融塩としてクエン酸塩を使用することが好ましい。
溶融塩は風味や保存中のpH変化等により適宜選択すればよい。
(その他)
本発明のプロセスチーズ類の特徴を妨げない範囲で、プロセスチーズ類の製造において一般的に使用されている原材料を使用することができる。脱脂粉乳などの乳製品、乳成分、安定剤、乳化剤、デンプン、加工デンプン、植物性脂肪、糖質類、香辛料、香料、pH調整剤(重曹、リン酸及びリン酸塩、クエン酸や乳酸などの有機酸など)等が例示される。
〔製造方法〕
本発明のプロセスチーズ類の製造方法は、(イ)原料チーズ、溶融塩、を含む原料を混合する原料混合工程と、(ロ)混合した原料を通電加熱する工程と、(ハ)通電加熱した原料を冷却する工程と、を備える。以下、工程毎に詳しく説明する。
(原料混合工程)
原料混合工程において、原料チーズと、溶融塩と、適宜、その他の原材料と、を混合することが好ましい。
原料類の混合の方法は、得られるプロセスチーズ類において、70〜120μmの直径を有する脂肪球が脂肪分の全体積の60%以上となるような方法であればよく、限定はされないが、ケトル乳化機など混合時に原料類へ付加されるせん断応力が小さい混合方法が好ましい。また原料チーズを除く溶融塩やpH調整剤などの粉類を添加する方法は特に限定しないが、均一に混合しやすくするために、予め水に溶解・分散させた後に添加することが好ましい。
プロセスチーズ類の脂肪分は、原料混合工程において原料チーズ、バター、クリーム、植物性油脂等の脂肪分を含む原料の種類と配合量により調整すればよい。
また、プロセスチーズ類のpHは、原料混合工程において、上記した溶融塩やpH調整剤の種類と配合量により調整すればよい。なお、原料混合工程において得られた原料混合物のpHと、最終的に得られるプロセスチーズ類のpHはほぼ同じ値になる。
(通電加熱工程)
通電加熱処理はジュール加熱装置を用いて行うことが好ましい。ジュール加熱装置は二つの電極間に挟まれた食品に直接電気を流し、食品自らを発熱させる加熱方式である。
ジュール加熱装置は上記原理によるものであればどのようなものでも用いることができるが、(株)フロンティアエンジニアリング製ジュール加熱装置等を例示できる。
加熱条件は、食品として流通可能な製品となるよう、風味や保存期間等を考慮して適宜調整すればよいが、75〜100℃まで昇温させるとの条件を例示できる。好ましくは80〜85℃である。
(冷却工程)
冷却工程は通常のプロセスチーズ類の製造方法で用いられている方法であればどのようなものでもよい。なかでも、加熱後急速に冷却させる方法が好ましい。
〔評価方法・分析方法〕
(pH)
プロセスチーズ類のpHは、プロセスチーズ類12gに水40gを加え、ホモブレンダーで3分間均質化し、この均質溶液のpHをpHメーターで測定することにより確認することができる。
(脂肪球径)
本発明における脂肪球径は、以下の方法で計測することができる。
共焦点顕微鏡(オリンパス株式会社製等)を用いて脂肪のみを特異的に観察した写真を撮影し、該写真を画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製)に取り込み、観察した全ての脂肪球の各々について円相当径を得る。区間幅4μmの円相当径のヒストグラムを作成し、ある区間nでの脂肪球の体積の和anを下記式により算出する。

区間数nmaxの脂肪球の体積の総和Vは以下の式より求める。

体積の総和Vに占める、ある区間nの脂肪球の体積anの割合を以下に示す式で算出し、これを全脂肪の体積に占める各区間での脂肪の体積割合とする。
(動的粘弾性)
本発明における動的粘弾性は、以下の方法で計測することができる。直径20mm×高さ2mmの円柱状に切り出したプロセスチーズ類を、40℃とし、歪み量1%、周期1rad/sの条件で測定する。
(官能評価)
本発明における口溶けの滑らかさは、10名のパネラーが以下に示す規準で評価した結果の平均値で示した。
3 滑らか
2 普通
1 滑らかでない
平均値が1.0より大きく1.5未満で「×」、1.5以上2.0未満で「△」、2.0以上2.5未満で「○」、2.5以上3.0以下で「◎」とした。
以下に、本発明の実施例などを挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
原料チーズとしてチェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgおよびゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgと、溶融塩としてポリリン酸ナトリウムを60gと、pH調整剤として重曹或いは乳酸と、水(水分が45質量%になるように加水)とを、ケトル式乳化機(ニチラク機械製)に投入し混合した。得られた混合原料を、ジュール加熱機に供して通電させ、チーズの温度が85℃に達温した時点で通電を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(実施品1)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは6.0であった。
[実施例2]
原料チーズとしてチェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgおよびゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgと、溶融塩としてジリン酸ナトリウムを60gと、pH調整剤として重曹或いは乳酸と、水(水分が45質量%になるように加水)とを、ケトル式乳化機(ニチラク機械製)に投入し混合した。得られた混合原料をジュール加熱機に供して通電させ、チーズの温度が85℃に達温した時点で通電を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(実施品2)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは5.7であった。
[実施例3]
原料チーズとしてチェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgおよびゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgと、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを60gと、pH調整剤として重曹或いは乳酸と、水(水分が45質量%になるように加水)とを、ケトル式乳化機(ニチラク機械製)に投入し混合した。得られた混合原料をジュール加熱機に供して通電させ、チーズの温度が85℃に達温した時点で通電を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(実施品3)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは5.7であった。
[実施例4]
原料チーズとしてチェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgおよびゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgと、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを60gと、pH調整剤として重曹或いは乳酸と、水(水分が45質量%になるように加水)とを、ケトル式乳化機(ニチラク機械製)に投入し混合した。得られた混合原料をジュール加熱機に供して通電させ、チーズの温度が85℃に達温した時点で通電を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(実施品4)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは6.0であった。
[実施例5]
原料チーズとしてチェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgおよびゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgと、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを60gと、pH調整剤として重曹或いは乳酸と、水(水分が50質量%になるように加水)とを、ケトル式乳化機(ニチラク機械製)に投入し混合した。得られた混合原料をジュール加熱機に供して通電させ、チーズの温度が85℃に達温した時点で通電を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(実施品5)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは5.7であった。
官能評価結果と貯蔵弾性率、損失弾性率の評価結果を表1に、脂肪球径の計測結果を図1にまとめて示す。
図1より、実施品1〜5は、70μm〜108μmの径の脂肪球が脂肪分の全体積の70%以上を占めていた。このような実施品は、表1より、全て貯蔵弾性率G’が30〜1000Pa、損失弾性率G”が80〜700Paの範囲であり、官能評価において滑らかと評価された。このうち、実施品3、4は特に滑らかで口溶けが良かった。
[比較例1]
原料チーズとして、チェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgとゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgを破砕・混合して混合チーズを得た。その後、混合チーズ3.0gを高速剪断式乳化機(ニチラク機械製)に投入した。水分が45%になるように加水し、溶融塩としてポリリン酸ナトリウムを60g加えた。また、この混合物にpH調整剤として重曹或いは乳酸を加えた。乳化機の回転羽根の回転数を1,500rpmとし、ジャケットに蒸気を吹き込みながら加温して、チーズの温度が85℃に達温した時点で加温と撹拌を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(比較品1)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは6.0であった。
[比較例2]
原料チーズとして、チェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgとゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgを破砕・混合して混合チーズを得た。その後、混合チーズ3.0gをケトル式乳化機(ニチラク機械製)に投入した。水分が45質量%になるように加水し、溶融塩としてジリン酸ナトリウムを60g加えた。また、この混合物にpH調整剤として重曹或いは乳酸を加えた。乳化機の回転羽根の回転数を150rpmとし、ジャケットに蒸気を吹き込みながら加温して、チーズの温度が85℃に達温した時点で加温と撹拌を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(比較品2)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは6.0であった。
[比較例3]
原料チーズとして、チェダーチーズ(オーストラリア産)1.5kgとゴーダチーズ(オランダ産)1.5kgを破砕・混合して混合チーズを得た。その後、混合チーズ3.0gをケトル式乳化機(ニチラク機械製)に投入した。水分が質量45%になるように加水し、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを60g加えた。また、この混合物にpH調整剤として重曹或いは乳酸を加えた。乳化機の回転羽根の回転数を150rpmとし、ジャケットに蒸気を吹き込みながら加温して、チーズの温度が85℃に達温した時点で加温と撹拌を停止し、氷冷してプロセスチーズを製造した(比較品2)。なお、得られたプロセスチーズ類のpHは6.0であった。
官能評価結果と貯蔵弾性率、損失弾性率の評価結果を表2に、脂肪球径の計測結果を図2に示す。
図2より、比較品は、全ての脂肪球の径が40μm以下の範囲に収まっていた。このような比較品は、表2より、比較品1、2は貯蔵弾性率G’が2200Pa以上、損失弾性率G”が1000以上、比較品3は貯蔵弾性率G’が30〜1000Paで範囲内であったが、損失弾性率G”は700Pa以上であり、官能評価においていずれも滑らかさが感じらないと評価された。
実施品と比較品の対比より、混合材料を、動力を要する撹拌をせずに均一に加熱することにより、所定の脂肪球径と動的粘弾性を備える、滑らかな食感のプロセスチーズが得られることが分かった。

Claims (6)

  1. 原料チーズと、溶融塩と、を含むプロセスチーズ類であって、
    70〜120μmの直径を有する脂肪球が脂肪分の全体積の60%以上であることを特徴とするプロセスチーズ類。
  2. 前記プロセスチーズ類を直径20mm×高さ2mmの円柱状に切り出し、温度を40℃に加温して、歪み量1%、周期1rad/s、の条件で測定したときの、
    貯蔵弾性率G’が30〜1000Pa、
    損失弾性率G”が80〜700Pa、
    であることを特徴とする請求項1に記載のプロセスチーズ類。
  3. 前記プロセスチーズ類に含まれる脂肪分が、前記プロセスチーズ類の全質量基準で、15質量%〜32質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセスチーズ類。
  4. 前記プロセスチーズ類のpHが、5.5〜6.2であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のプロセスチーズ類。
  5. 原料チーズ、溶融塩、を含む原料を混合して原料混合物を得る工程と、
    前記原料混合物を通電加熱する工程と、
    前記通電加熱した原料混合物を冷却する工程と、を備え、
    70〜120μmの直径を有する脂肪球が脂肪分の全体積の60%以上であることを特徴とするプロセスチーズ類の製造方法。
  6. 前記原料混合物を得る工程において、下記条件(1)〜(3):
    (1)溶融塩としてポリリン酸塩を配合し、原料混合物をpH5.5〜6.0に調整する、
    (2)溶融塩としてジリン酸塩を配合し、原料混合物をpH5.7〜6.2に調整する、
    (3)溶融塩としてクエン酸塩を配合し、原料混合物をpH5.6〜6.1に調整する、
    のいずれかが選択されることを特徴とする請求項5に記載のプロセスチーズ類の製造方法。
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