JPH08266222A - ナチュラルチーズ様プロセスチーズの製造方法及びその装置 - Google Patents
ナチュラルチーズ様プロセスチーズの製造方法及びその装置Info
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Abstract
感等に優れたプロセスチーズを得ることを目的とする。 【構成】 チーズ、溶融塩、水及びその他の添加物から
なるプロセスチーズ原料を撹拌下で加熱溶融するプロセ
スチーズの乳化処理において、乳化処理下のプロセスチ
ーズの温度が所要の温度となり、かつ、その粘度が最小
となる時点で乳化処理操作を終了する方法および装置で
ある。
Description
ュラルチーズ様のプロセスチーズを効果的に、かつ、安
定して製造するためのナチュラルチーズ様プロセスチー
ズの製造方法及びその製造装置に関する。
として供されるプロセスチーズの製造工程における乳化
装置としては、ケトル釜やステファン釜あるいは二重螺
旋スクリュー釜等のバッチ式乳化釜や、掻き取り型熱交
換機のような連続式乳化機等が広く一般的に用いられて
きた。これらの乳化機は、それぞれに長所、短所があ
り、製造されたチーズの特性は、原材料配合はもちろ
ん、乳化機あるいは乳化条件によっても大きく異なるも
のであった。すなわち、製造されるプロセスチーズの品
質は、乳化処理におけるナチュラルチーズや溶融塩、水
及びその他の添加物等のプロセスチーズ原料の配合や、
撹拌羽根やプロセスチーズ原料を入れる、または通過さ
せるチャンバー等の乳化装置の構成、あるいは乳化温
度、乳化処理時間、撹拌羽根の回転数等の乳化処理条件
等、多くの因子の影響を受けるものであった。そして、
このような条件の設定は通常経験的に行われていた。
ために、高速撹拌による短時間の乳化処理が行われるこ
とが多い。従って、従来のチーズ製造においては、乳化
処理時の撹拌により、原材料配合が同じであれば、プロ
セスチーズの品質特性は乳化処理終了時点でほぼ一定値
に収斂すると見なされており、事実このようにして製造
されたプロセスチーズはやや硬く、口溶けが余り良くな
いものの、製品の品質の制御は比較的容易であった。
化条件の設定では、原材料のロット間の特性のばらつき
や乳化条件が変動すると製品の品質も大きく変動するも
のであり、また、高速撹拌による短時間の乳化処理で
は、強い剪断処理のため組織が均一となり、安定した品
質を比較的維持しやすいという利点があるが、製造され
たプロセスチーズはナチュラルチーズと比べてやや硬め
の弾力性のある組織となり、口溶けが均一でなかった
り、口溶けがやや遅くなったりすることが多かった。
費拡大に伴い、プロセスチーズにおいても風味や食感が
ナチュラルチーズに近いものが求められるようになり、
そのためには従来の高速撹拌による短時間の乳化処理よ
りも、ナチュラルチーズの物性があまり変わったものに
ならないような低剪断の穏やかな乳化処理が必要となっ
てきた。そこで、プロセスチーズの乳化方法において、
撹拌羽根の回転数を低下させて撹拌による剪断力を抑制
し、ナチュラルチーズの物性の一部をプロセスチーズに
継承させることにより、目的とする特性を持ったプロセ
スチーズを得ようとした。ところが、このようなプロセ
スチーズは従来のプロセスチーズのように乳化時のチー
ズ原材料の化学的及び物理的変化が乳化時の強い撹拌、
剪断により安定状態に到達したものと異なり、これらの
変化を中断させた状態にあり、乳化時間が長過ぎたりあ
るいは撹拌が強過ぎたりすると従来のような硬くて口溶
けの劣るチーズに変化するものであった。つまり、この
場合も、プロセスチーズの品質が撹拌の強さや撹拌時
間、あるいは乳化温度等に大きく影響され、これらの乳
化条件あるいは原材料の僅かな変動によって製品の品質
が大きく変動するものであった。そこで、本発明は上記
課題に鑑み、風味、食感がナチュラルチーズ様の特性を
呈し、かつ、プロセスチーズ原料や乳化条件が変動した
としても製品品質の変動が極めて小さいナチュラルチー
ズ様プロセスチーズの製造方法及びその製造装置を得る
ことを目的とするものである。
達成するために、次のような構成の製造方法と装置を提
供するものである。すなわち、ナチュラルチーズ、溶融
塩、水及びその他の添加物からなるプロセスチーズ原料
を撹拌下で加熱溶融するプロセスチーズの乳化処理にお
いて、この溶融下のプロセスチーズの温度および粘度を
連続的に計測し、その温度が所要の温度となり、かつ、
その粘度が最小となる時点で乳化処理操作を終了するよ
うなプロセスチーズの製造方法である。このとき、粘度
の測定においては一般的な粘度計を用いる方法と、乳化
時の撹拌羽根の駆動動力、あるいは撹拌羽根の受けるト
ルクの変化を粘度に換算する方法がある。
びその他の添加物からなるプロセスチーズ原料を入れ
る、または通過させるチャンバーと、これを撹拌する撹
拌羽根と、撹拌羽根を駆動する動力装置と、プロセスチ
ーズ原料を加熱溶融する加熱装置と、温度調整装置と、
溶融チーズの温度を計測する測温装置と、溶融チーズの
粘度を連続的に計測する粘度計測装置と、溶融チーズの
温度が所要の温度に達していることを前提にして計測し
た粘度特性から粘度が最小となる時点をもって乳化処理
操作終了を判断する論理制御装置とからなることを特徴
とするプロセスチーズの製造装置である。なお、本発明
で用いられるナチュラルチーズは熟成タイプのチーズ
で、ゴーダ、チェダー、エメンタール、カマンベール、
ブルー等の硬質、軟質チーズのすべてを用い得る。溶融
塩としては、クエン酸塩やリン酸塩の各種が用いられ
る。添加物は香料や着色料等である。
(殺菌工程も兼ねる時は、殺菌効果を奏する温度で行
う。例えば、通常80℃〜90℃程度)に設定し、チー
ズ乳化処理時の温度がこの設定値に到達すると加熱を止
め、その温度を維持しながらチーズ組織の均一化のため
に撹拌を続ける。そして、溶融したチーズの粘度が最小
となった時点で乳化処理操作を終了させると、ナチュラ
ルチーズ様の風味、食感を持ち、特に口溶けの優れたプ
ロセスチーズが得られる。
ズ原材料と乳化装置を用いて、目的とする特性を持つプ
ロセスチーズを得るための乳化条件、すなわち、最適乳
化処理条件を決定する方法について、図面を引用しなが
ら詳細に説明する。図1は本発明の装置全体を表す概略
構成図である。この図1で表すように、ナチュラルチー
ズ、溶融塩、水及びその他の添加物からなるプロセスチ
ーズ原料(A)を、ポンプ(P)を介して撹拌下で加熱
溶融するプロセスチーズの乳化処理において、この乳化
処理を受けているチーズ(B)の温度及び粘度を連続的
にモニタリングする。このとき、粘度の計測は一般的な
回転型粘度計が使用できるが、他の方法として撹拌羽根
の駆動動力の変化や、あるいは撹拌羽根の受けるトルク
の変化を計測し、これを粘度に換算する方法もある。温
度の計測は一般的な熱電対で計測できる。ナチュラルチ
ーズは一般的に常温では固体なので、これを含むプロセ
スチーズ原料を加熱により溶融していくと、その粘度は
急激に低下していく。なお、加熱はジャケットによる間
接的加熱やスチームの直接吹き込み、あるいはそれらの
組み合わせでも良い。
理は殺菌工程も兼ねているので、乳化時の温度は、ある
設定値(通常80℃〜90℃程度)に到達させる必要が
あり、チーズの温度がこの設定値に到達すると加熱を止
めて、チーズ組織の均一化のために、さらに撹拌を続け
る。すると、溶融したチーズの粘度は次第に低下してい
って、やがて最小となり、さらに撹拌を続けると増加し
始める。この増加の速さや、その終点は使用する乳化装
置やその操作条件、あるいは溶融塩や溶融チーズのp
H、水分率等によって大きく影響されるが、いずれにし
てもこの粘度増加に伴って製品としてのプロセスチーズ
の品質は硬く口溶けの劣るものに変化していく。すなわ
ち、本発明の方法は、この溶融したチーズの粘度が最小
となる時点を検知して乳化処理を終了する方法であっ
て、この時に得られるプロセスチーズはナチュラルチー
ズ様の風味、食感を持ち、特に口溶けの優れたチーズと
なる。
施例を示す。これらは乳化処理における変化の過程で細
かくサンプリングを行い、各試料について品質を確認し
たものである。 (実施例1)まず、図2で示すように、乳化処理下の溶
融チーズの特性の変化を経時的に調べ、かつ、それを冷
却して得られたプロセスチーズの特性を評価した。この
実施例1では、チェダーチーズ(40%)、ゴーダチー
ズ(60%)を混合したものを用い、水分は最終製品で
43%となるように調整した。(なお、本発明の「%」
はすべて重量%を意味する。)溶融塩としてはポリリン
酸ナトリウム(2%)を用い、炭酸水素ナトリウム(重
曹)を添加してプロセスチーズのpHが5.9になるよ
うに調整した。乳化はケトル釜に4kgの前記チーズおよ
び前記溶融塩、水を入れ、撹拌羽根の回転数を100r
pmとしジャケットによる間接加熱で乳化し、85℃を
乳化・殺菌温度とした。そして、この乳化工程で表1の
ようなサンプリングを行った。各試料はプラスチック・
フィルムに袋詰めにした後、薄く延ばし氷水により急冷
した。
的にモニタリングするために撹拌用モーターの消費電力
を計測した。使用したモーターは3相交流仕様なのでそ
の電圧、電流および位相を測定し、これから消費電力に
対応する電圧出力を発生させた。このとき出力値のノイ
ズを抑制するために1.5Hzのローパスフィルターを
使用した。計測した出力値はアナログ/デジタル変換機
を経由し、デジタルコンピューターに取り込み、コンピ
ューター上で無負荷時の消費電力を差し引き、チーズ1
kg当たりのモーター消費電力(W)(以下、乳化エネル
ギーという)に換算した。この乳化エネルギーと実際の
粘度の相関を見るために別途、粘度も計測した。粘度は
市販の回転型粘度計に直径15mm×1mmの円盤を使用し
て計測した。このときの粘度計の回転数は62.5rp
mであった。
す。この図3で分かるように、乳化エネルギーは温度の
増加とともにチーズが柔らかくなるので低下する。そし
て、約7分後に溶融チーズは85℃に到達し、ここで、
加熱を止めた。その後、乳化エネルギーはさらに、低下
を続け、約9分後に最小となり、約10分後には増加し
始め、約20分後に一定値に近づいた。すでに述べたよ
うに、粘度が最小となる時点で撹拌の駆動動力(ここで
は乳化エネルギー)も最小となっている。
ル25名による官能検査の結果は表1に示されている。
これによると、粘度が最小となる時点での試料が最も柔
らかく、口溶けが良く風味も優れていた。また、ナチュ
ラルチーズ様の官能特性を呈した。粘度が増加し始めた
後の試料は粘度増加に伴って硬くなり、また、官能特性
も劣化していた。本発明におけるチーズの硬さは、直径
10mm、高さ10mmの試料チーズを、加重軸(直径10
mm)で1分間に10mmの速度で押し下げたときの荷重の
最大値をgfで表した時の値であって、おおむね200
0gf以下が望ましく、風味、口溶け、総合評価は評点
として3点以上を好ましいものとした。
ンを用い、本発明によるプロセスチーズの試作を行っ
た。乳化機は80kg仕様のケトル釜で、回転数は120
rpmとした。この実施例2では、ゴーダチーズ(45
%)、チェダーチーズ(55%)を用い、溶融塩として
はクエン酸塩とリン酸塩の混合物を2%添加した。溶融
チーズの温度計測は熱電対で行い、粘度計測は「実施例
1」で述べた乳化エネルギーの計測で代替した。これら
の計測データをコンピューターに取り込み、プログラム
によって乳化温度が83℃に達した後、粘度が最小とな
る時点で乳化処理を停止し、溶融チーズを包装機に供給
した。このようにして試作したスライスチーズと従来の
市販のスライスチーズとをナチュラルチーズらしさに関
して、パネル25名による官能検査により比較し、表2
の結果を得た。数値はその試料がナチュラルチーズらし
いと応えた人数の比率(%)である。表2に示したよう
に、本発明によるチーズは、風味、食感、口溶け等全て
の項目に対して、圧倒的に従来品よりナチュラルチーズ
様であると評価された。
うに、溶融チーズの粘度が最小となる時点の試料が、目
的とするナチュラルチーズ様の風味、食感を持ち、特に
口溶けの優れたチーズとなっている。そして、同様の結
果は乳化機の種類やその運転条件、あるいはチーズや溶
融塩の種類を変えても得られ、溶融チーズの温度が所要
の値に到達したという条件下で粘度が最小になる時点で
乳化を終了させる本発明による方法は再現性があり、広
く適用できる製造方法であることが確認された。
近傍でも同様の特性を有するプロセスチーズが得られる
が、これは数学的にはある連続関数の最小値や最大値付
近ではその関数の変化率(微分係数)が小さいために、
独立変数が変動しても関数値の変動が少ないという一般
的な性質による。従って、本発明でいう『粘度が最小と
なる時点』は、粘度があまり大きく変化しない範囲でこ
の『粘度が最小となる時点』の近傍を含むものである。
『粘度が最小となる時点』を乳化処理の終了点と見なす
方法は、プロセスチーズ原料や装置条件によらず、広く
一般的に適用できる。ただし、この『粘度が最小となる
時点』が何故、広く一般的に口溶けの良いプロセスチー
ズを与えるのかについては理論的な検討を加えていると
ころで、現時点では充分な理解を得ていないが、敢えて
推察すると、以下のようなモデルを考えることができ
る。
ュラルチーズが溶融すると、これに溶融塩が作用し、溶
融チーズ中の非水溶性の乳蛋白質であるカゼインサブミ
セル(以下サブミセルという)会合物の表面が徐々に水
溶性に変わる。このとき大きなサブミセル会合物は撹拌
によりやや小さな会合物に砕かれ、溶融チーズ中の水滴
と混合される。この状態を模式的に説明したのが図4
(イ)の状態であって、まだ乳化は充分ではない。チー
ズ中の乳蛋白質と水の割合はほぼ同じなので、撹拌が進
むと両者とも破砕されながら塊状のサブミセル会合物と
水が交互に入り組んだ構造を形成していく。これに従っ
て溶融チーズの粘度が低下すると考えられる。この状態
が図4(ロ)であり、本発明の最適点である。やがて、
温度が所要の値に達した後で、加熱を止めてさらに、撹
拌を続けるとサブミセル会合物は解離し始め、糸状ある
いは網状に水相に分散し、構造的に疎なネットワークを
形成する。サブミセル会合物の解離が進んでいくとネッ
トワークは次第に密になって行き、これに伴って溶融チ
ーズの粘度は上昇し、これを冷却して得られるプロセス
チーズも硬く、弾力性の強いものになると考えられる。
この状態が図4(ハ)であり、この時点になるとナチュ
ラルチーズらしさからはずれたものとなる。このことは
分子や会合物の長さが長くなると粘度が高くなるという
高分子等で見られる一般的な現象に対応している。残り
のサブミセル会合物が減少していくと、この変化は小さ
くなり、全てのサブミセル会合物が解離すると変化が終
了する。このようなサブミセル会合物の変化の過程は電
子顕微鏡による観察結果と一致しており、定性的ではあ
るがモデルの妥当性を示唆している。
している粘度が最小となる時点は、上述の塊状のサブミ
セル会合物と水が交互に入り組んだ構造を形成する時点
に対応している。すなわち、撹拌と加熱によりサブミセ
ル会合物と水が小さなブロック状に分散しており、解離
した糸状あるいは網状のサブミセル会合物はまだ発生し
ていないか、あるいは非常に少ない状態である。このと
き塊状のサブミセル会合物と水は外部からの力によって
互いの位置を比較的容易に入れ換えられ、このことが溶
融チーズの粘度が最小となることと対応していると推察
される。同時にこのような組織のプロセスチーズは、食
した時にこのサブミセル会合物が容易に水に分散するこ
とから口溶けが良く、また、サブミセル会合物のネット
ワークが無いことから柔らかく、弾力性の小さい特性を
持つと考えられる。従って、このようなプロセスチーズ
の組織が形成されたときは、その原料配合や乳化装置、
あるいは乳化条件によらず粘度は常に最小となる訳で、
このことによって、本発明が提供する『粘度が最小とな
る時点』を乳化処理の終了点と見なす方法が、プロセス
チーズ原料や装置条件によらず、広く一般的に適用でき
る理由であると考えられる。
基づき詳細に説明する。図1は本発明の製造装置の全体
図であって、ナチュラルチーズ、溶融塩、水及びその他
の添加物からなるプロセスチーズ原料(A)を入れる、
または通過させるチャンバー(1)と、これを撹拌する
撹拌羽根(2)と、撹拌羽根を駆動する動力装置(3)
と、チーズ(B)を間接的に、またはスチームの直接吹
き込み等により加熱溶融する加熱装置(4)と、温度調
整装置(5)と、溶融チーズの温度を計測する測温装置
(6)と、溶融チーズの粘度を連続的に計測する粘度計
測装置(7)と、溶融チーズの温度が所要の温度に達し
ていることを前提にして計測した粘度特性から粘度が最
小となる時点をもって乳化処理操作の終了を判断する論
理制御装置(8)とからなっている。
ては一般的な粘度計の他に、一般的なトルク計で測定さ
れる撹拌羽根(2)の受けるトルクの変化や、動力装置
(3)の消費エネルギー、例えばモーターの消費電力等
の変化を計測し、これを粘度に換算することも可能であ
る。この場合、計測されるトルクや消費電力はかなりの
ノイズを含んでいることが多いのでローパスフィルター
を用いてフィルタリングすることが望ましい。なお、一
般的にこれらのトルクや消費電力は粘度とほぼ比例関係
にあるので、これらの値が最小となる時点で粘度も最小
になると見なし、上記の粘度への換算を省略してもよ
い。連続式の乳化機の場合は粘度計測装置(7)は乳化
処理したチーズの出口に設置し、その粘度が最小となる
ように滞留時間を設定すればよい。論理制御装置(8)
としては一般的なプロセスコントローラーやパソコン、
あるいはコンピューターが利用できる。その出力として
は単に乳化処理終了の警報を出し、人手により乳化処理
を停止するシステムや自動的に乳化機を停止し、次工程
に移るシステムとすることができる。乳化処理の終了し
た溶融チーズはそのまま容器に充填されて冷却された
り、あるいは先に冷却されて包装され、プロセスチーズ
として市場に供給される。
ーズ原材料と乳化装置の組み合わせの下で適当な撹拌回
転数と乳化温度を設定した場合の最適な乳化時間を決定
する方法を提供するものであって、乳化装置が連続式の
場合はチーズが乳化機の中で乳化処理を受ける最適な時
間、すなわち、最適滞留時間を決定する方法を提供する
ものである。また、逆にこの最適乳化時間あるいは最適
滞留時間が実用上短すぎたり、あるいは長すぎたりする
ようであれば撹拌回転数や乳化温度等の乳化条件や、さ
らに、撹拌羽根の形状やチーズを入れるチャンバーの形
状等の装置構成条件等の適正化のための情報を提供する
ものである。
ロセスチーズはナチュラルチーズ様の組織を有してお
り、風味、食感に優れ、特に食したときの口溶けが良
い。また、本発明はプロセスチーズの製造において、異
なるプロセスチーズ原料配合と乳化装置の任意の組み合
わせに対して最適な乳化処理操作を行うための方法と装
置を提供し、製造工程の最適化や製品品質の安定化に大
きく寄与するものである。
造装置全体の概略構成図
グラフ図
たモデル図
Claims (4)
- 【請求項1】 ナチュラルチーズ、溶融塩、水及びその
他の添加物からなるプロセスチーズ原料を撹拌下で加熱
溶融するプロセスチーズの乳化処理において、溶融状態
のプロセスチーズの温度および粘度を連続的に計測し、
該プロセスチーズの温度が所要の温度となり、かつ、そ
の粘度が最小となる時点で乳化処理操作を終了すること
を特徴とするナチュラルチーズ様プロセスチーズの製造
方法。 - 【請求項2】 乳化処理下のプロセスチーズの粘度の計
測において、プロセスチーズ原料の撹拌に要する単位時
間当たりの撹拌動力を計測し、これを粘度に換算するこ
とを特徴とする請求項1に記載のナチュラルチーズ様プ
ロセスチーズの製造方法。 - 【請求項3】 乳化処理下のプロセスチーズの粘度の計
測において、加熱溶融したプロセスチーズ原料を撹拌す
る撹拌羽根の受けるトルクを計測し、これを粘度に換算
することを特徴とする請求項1に記載のナチュラルチー
ズ様プロセスチーズの製造方法。 - 【請求項4】 ナチュラルチーズ、溶融塩、水及びその
他の添加物からなるプロセスチーズ原料を入れる、また
は通過させるチャンバーと、これを撹拌する撹拌羽根
と、撹拌羽根を駆動する動力装置と、プロセスチーズ原
料を加熱溶融する加熱装置と、温度調整装置と、溶融チ
ーズの温度を計測する測温装置と、溶融チーズの粘度を
連続的に計測する粘度計測装置と、溶融チーズの温度が
所要の温度に達していることを前提にして計測した粘度
特性から粘度が最小となる時点をもって乳化処理操作終
了を判断する論理制御装置とからなることを特徴とする
ナチュラルチーズ様プロセスチーズの製造装置。
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