JP2003052306A - チーズ含有可塑性油脂組成物 - Google Patents

チーズ含有可塑性油脂組成物

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JP2003052306A JP2001248843A JP2001248843A JP2003052306A JP 2003052306 A JP2003052306 A JP 2003052306A JP 2001248843 A JP2001248843 A JP 2001248843A JP 2001248843 A JP2001248843 A JP 2001248843A JP 2003052306 A JP2003052306 A JP 2003052306A
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浩 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 平均粒子径が50μm以下であるチーズ
粒子を含有し、加熱調理することにより、糸曵き性を呈
することを特徴とするチーズ含有可塑性油脂組成物の提
供。 【解決手段】 チーズを20℃以下で、油脂又は油脂組
成物に圧入、混練することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平均粒子径が50
μm以下であるチーズ粒子を含有し、加熱調理すること
により、糸曵き性を呈するチーズ含有可塑性油脂組成物
に関する。本発明のチーズ含有可塑性油脂組成物は、展
延性が良好で滑らかな組織を有し、原料チーズの風味及
び性質を維持している。
【0002】
【従来の技術】従来から、チーズを含有する油脂組成物
及びその製造方法が種々開示されている。マーガリンや
バター等の油脂中にチーズを含有させる方法としては、
主に、(1)チーズを粉砕したり、粉末状にし、油脂と
混合する方法、(2)チーズを粉砕したり、粉末状又は
適当な大きさのブロック状とし、油脂と混合する際に加
熱溶融させる方法がある。(1)の方法については、特
開昭54−122765号公報、特公昭57−2769
7号公報、特公昭58−48144号公報、特開昭60
−126038号公報、特開昭63−39546号公
報、特開平2−249451号公報、特公平4−249
72号公報等で開示されており、また(2)の方法につ
いては、特開昭56−158050号公報、特開昭60
−70032号公報、特開平2−261344号公報、
特開平7−89867号公報等で開示されている。
【0003】上記従来技術によれば、チーズ風味を有す
るチーズ含有油脂組成物を製造することはできるが、
(1)の方法で得られるチーズ含有油脂組成物では、含
有させたチーズの粒子径が大きく、パンなどに塗布する
際に良好な展延性や滑らかな組織を呈するものではな
い。このうち、特開昭63−39546号公報に記載の
可塑性油脂組成物では、微粒子化された食品を含有させ
るが、これらの食品は乾燥処理が施されており、原料チ
ーズの風味や組織が損なわれている。また、(2)の方
法で得られるチーズ含有油脂組成物は、製造工程中で加
熱処理が施されており、原料チーズが溶融しているた
め、糸曵き性等、原料チーズの本来有する風味や性質は
失われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、展延性
が良好で滑らかな組織を有し、原料チーズの風味及び性
質を維持しているチーズ含有可塑性油脂組成物を得るべ
く鋭意研究を進めたところ、チーズの平均粒子径が50
μm以下となるように、油脂又は油脂組成物中にチーズ
を連続的に圧入、混練することにより、加熱調理により
糸曵き性を呈し、展延性が良好で滑らかな組織を有し、
原料チーズの風味及び性質を維持しているチーズ含有可
塑性油脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。従って、本発明は、平均粒子径が50μ
m以下であるチーズ粒子を含有し、加熱調理により糸曵
き性を呈し、展延性が良好で滑らかな組織を有し、原料
チーズの風味及び性質を維持しているチーズ含有可塑性
油脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】本発明において、加熱調理とは、チーズ含
有可塑性油脂組成物をパン類等に塗布してオーブン、ト
ースター等で焼成することをいう。本発明において、加
熱調理することにより糸曵き性を呈するとは、チーズ含
有可塑性油脂組成物を食パンに塗布し、十字に切り込み
を入れて4等分とし、4片の食パンを密着させたまま、
トースター等で加熱調理後、1/4の食パンを引き離し
たときにチーズが糸を曳く性質をいう。本発明におい
て、展延性が良好であるとは、チーズ含有可塑性油脂組
成物をパン等にバターを塗る時と同様にして厚紙に延ば
した時、延びが良いことをいう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、チーズの平
均粒子径が50μm以下となるように、油脂又は油脂組
成物中にチーズを連続的に圧入、混練することで、加熱
調理により糸曵き性を呈し、展延性が良好で滑らかな組
織を有し、原料チーズの風味及び性質を維持しているチ
ーズ含有可塑性油脂組成物を製造する。このようにして
チーズの平均粒子径が50μm以下となるように圧入、
混練することにより、原料チーズが極めて微細にかつ均
一に油脂又は油脂組成物中に分散するため、得られるチ
ーズ含有可塑性油脂組成物は展延性が良好で滑らかな組
織を有するようになり、また油脂又は油脂組成物にチー
ズを圧入、混練する過程で加熱処理がなされていないた
め、原料チーズの風味及び性質をそのまま維持している
チーズ含有可塑性油脂組成物を得ることができる。な
お、含有させるチーズの平均粒子径が50μmを超える
と、油脂又は油脂組成物中に原料チーズの粗大粒子の残
存が見られるようになるため、好ましくない。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のチーズ含有可塑性油脂組
成物は、チーズを20℃以下で油脂又は油脂組成物に連
続的に圧入、混練することにより得られる。本発明にお
いて油脂としては、大豆油、ピーナッツ油、パーム油、
ヤシ油、なたね油、コーン油、サフラワー油、綿実油、
ひまわり油、バター、ラード、牛脂、魚油、チーズオイ
ル等、またはこれらの硬化油、エステル交換油、分別油
等の油脂を用いることができる。また、本発明において
油脂組成物としては、W/O型、O/W/O型等、連続
相が油脂である油脂組成物を用いることができる。油脂
組成物は、油相と水相を常法に従って乳化して調製する
ことができる。油脂組成物を調製する際の油相として
は、食用油脂であればいずれの油脂を用いてもよく、例
えば、大豆油、ピーナッツ油、パーム油、ヤシ油、なた
ね油、コーン油、サフラワー油、綿実油、ひまわり油、
バター、ラード、牛脂、魚油、チーズオイル等、またこ
れらの硬化油、エステル交換油、分別油等を挙げること
ができ、これらの油脂の中から1種以上を用いてもよ
い。また、油脂組成物を調製する際の水相に特に制限は
なく、いずれのものも用いることができる。これら油相
と水相を重量で油相:水相=25〜99:1〜75の割
合で用い、必要に応じて、グリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、レシチン、モノグリセリド誘導体、ポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステル等の親油性乳化剤
を油相に添加し、水相と合わせて撹拌後、均質化し、殺
菌、冷却する。また、油脂組成物を調製する際に、目的
とする油脂組成物の最終製品の風味や物性に合わせて、
各種チーズオイルやグアガム、カラギーナン、ゼラチ
ン、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム
等の高分子粘性物質、乳蛋白質、香料、香辛料、着色
料、食塩、果汁等を油相又は水相に適宜添加してもよ
い。
【0008】また、本発明においてチーズは、加熱調理
することにより糸曵き性を呈するナチュラルチーズを用
いることが好ましく、例えば、チェダーチーズ、ゴーダ
チーズ、エダムチーズ、モツァレラチーズ等を挙げるこ
とができる。最終製品のチーズ含有可塑性油脂組成物の
糸曵き性を考慮すると、チェダーチーズ、ゴーダチー
ズ、エダムチーズ等を用いる際には、熟度が15%以下
と比較的熟度の低いものを用いることがより好ましい。
また、これら糸曵き性を呈するナチュラルチーズととも
に、パルメザンチーズ、クリームチーズ、カマンベール
チーズ、ブルーチーズ等のナチュラルチーズを混合して
用いてもよい。ナチュラルチーズは、チーズ含有可塑性
油脂組成物中に10〜75重量%含有するように圧入、
混練することが好ましく、10〜50重量%含有するよ
うに圧入、混練することが特に好ましい。チーズの含量
が10重量%未満では、加熱調理した時に糸曵き性を呈
しないことがあるため好ましくなく、一方でチーズの含
量が75重量%を超えると、チーズ風味の点では好まし
いものの、展延性が低下するため好ましくない。
【0009】本発明においては、上記の油脂又は油脂組
成物を流動化させ、ここに適当な大きさに細断したチー
ズ粒子を二軸押出し機等によって圧入する。圧入時のチ
ーズの品温は、20℃以下であることが好ましく、20
℃を超えるとチーズの組織破壊等により脂肪や水分が分
離し、流動中の油脂又は油脂組成物が不安定となること
があるため好ましくない。また、油脂又は油脂組成物の
品温は、20℃以下であることが好ましく、20℃を超
えると油脂又は油脂組成物が不安定となるため好ましく
ない。油脂又は油脂組成物中にチーズを圧入後、インラ
インミキサー等の混練装置を用い、チーズが均一に分散
し、平均粒子径が50μm以下となるように、4000
s-1以上の剪断速度で混練することが好ましい。また、
混練は油脂又は油脂組成物が溶解、転相しないようにホ
モゲナイザー等を用い、チーズの粒子径の大きさを調整
しながら混練してもよい。このようにして得られるチー
ズ含有可塑性油脂組成物は、通常のマーガリン等のスプ
レッドと同様に、合成樹脂製の蓋付容器、チューブ容器
等に充填すればよい。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を示して、本発明を具
体的に説明すると共に、比較例及び試験例を示して、本
発明の効果をより明確にする。実施例1 (1)油脂組成物の調製 大豆硬化油38.9重量部、精製パーム油4.9重量部
及びなたね白絞油34重量部を混合した。この混合油脂
に、グリセリン脂肪酸エステル0.3重量部及びレシチ
ン0.2重量部を添加し、55℃で均質化して油相を調
製した。一方、水20.8重量部に食塩0.9重量部を
溶解させて水相を調製した。油相を回転撹拌機付き乳化
槽に投入し、水相を徐々に添加しながら、撹拌により乳
化させてW/O型エマルションを調製し、急冷可塑化混
練装置を用いて10℃まで冷却混練して油脂組成物を調
製した。 (2)チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 5℃に保存した糸曵き性を有するグリーンゴーダチーズ
(2週間熟成:熟度9.1%、水分含量39.2重量
%、蛋白質含量25重量%、脂肪含量28重量%)を二
軸押出し機により流動中の油脂組成物中に圧入した。二
軸押出し機の回転数は、圧入部における油脂組成物とチ
ーズの流量比が7:3となるように調整した。チーズを
圧入後、品温を15℃に維持しながらピンマシンにより
混練し、チーズ含有可塑性油脂組成物を得た。得られた
チーズ含有可塑性油脂組成物を、電子顕微鏡を用いて写
真撮影し、画像解析により含有されるチーズ粒子の大き
さを測定したところ、粒子径は8〜71.6μmであ
り、平均粒子径は29.6μmであった。
【0011】実施例2 (1)油脂組成物の調製 実施例1の方法と同様にして調製した。 (2)チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 5℃に保存した糸曵き性を有するグリーンゴーダチーズ
(2週間熟成:熟度9.1%、水分含量39.2重量
%、蛋白質含量25重量%、脂肪含量28重量%)を二
軸押出し機により流動中の油脂組成物中に圧入した。二
軸押出し機の回転数は、圧入部における油脂組成物とチ
ーズの流量比が3:7となるように調整した。チーズを
圧入後、品温を15℃に維持しながらピンマシンにより
混練し、チーズ含有可塑性油脂組成物を得た。得られた
チーズ含有可塑性油脂組成物を、電子顕微鏡を用いて写
真撮影し、画像解析により含有されるチーズ粒子の大き
さを測定したところ、粒子径は2〜118μmであり、
平均粒子径は15.8μmであった。
【0012】実施例3 (1)油脂組成物の調製 実施例1の方法と同様にして調製した。 (2)チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 5℃に保存した糸曵き性を有するグリーンゴーダチーズ
(2週間熟成:熟度9.1%、水分含量39.2重量
%、蛋白質含量25重量%、脂肪含量28重量%)15
重量部及び5℃に保存したチェダーチーズ(熟度25.
7%、水分含量35.3重量%、蛋白質含量25.7重
量%、脂肪含量33.8重量%)15重量部を二軸押出
し機により流動中の油脂組成物中に圧入した。二軸押出
し機の回転数は、圧入部における可塑性油脂組成物とチ
ーズの流量比が7:3となるように調整した。チーズを
圧入後、品温を15℃に維持しながら、ピンマシンによ
り混練し、チーズ含有可塑性油脂組成物を得た。得られ
たチーズ含有可塑性油脂組成物を、電子顕微鏡を用いて
写真撮影し、画像解析により含有されるチーズ粒子の大
きさを測定したところ、粒子径は1〜67μmであり、
平均粒子径は13.5μmであった。
【0013】実施例4 (1)油脂組成物の調製 実施例1の方法と同様にして調製した。 (2)チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 5℃に保存した糸曵き性を有するグリーンゴーダチーズ
(2週間熟成:熟度9.1%、水分含量39.2重量
%、蛋白質含量25重量%、脂肪含量28重量%)10
重量部及び5℃に保存したチェダーチーズ(熟度25.
7%、水分含量35.3重量%、蛋白質含量25.7重
量%、脂肪含量33.8重量%)20重量部を二軸押出
し機により流動中の油脂組成物中に圧入した。二軸押出
し機の回転数は、圧入部における油脂組成物とチーズの
流量比が7:3となるように調整した。チーズを圧入
後、品温を15℃に維持しながら、ピンマシンにより混
練し、チーズ含有可塑性油脂組成物を得た。得られたチ
ーズ含有可塑性油脂組成物を、電子顕微鏡を用いて写真
撮影し、画像解析により含有されるチーズ粒子の大きさ
を測定したところ、粒子径は1〜62.3μmであり、
平均粒子径は11.2μmであった。
【0014】比較例1 (1)油脂組成物の調製 実施例1の方法と同様にして調製した。 (2)チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 実施例1で用いたのと同じ糸曵き性を有するグリーンゴ
ーダチーズ(2週間熟成:熟度9.1%、水分含量3
9.2重量%、蛋白質含量25重量%、脂肪含量28重
量%)を適当な大きさ(5×5×5mm)に細断した。
油脂組成物とチーズの重量比が7:3となるようにホモ
ミキサーに投入し、25℃の条件下で混合した後、5℃
まで冷却した。得られたチーズ含有可塑性油脂組成物
を、電子顕微鏡を用いて写真撮影し、画像解析により含
有されるチーズ粒子の大きさを測定したところ、粒子径
は12〜200μmであり、平均粒子径は88.3μm
であった。
【0015】比較例2 (1)油脂組成物の調製 実施例1の方法と同様にして調製した。 (2)チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 実施例1で用いたのと同じ糸曵き性を有するグリーンゴ
ーダチーズ(2週間熟成:熟度9.1%、水分含量3
9.2重量%、蛋白質含量25重量%、脂肪含量28重
量%)を適当な大きさ(5×5×5mm)に細断した。
油脂組成物とチーズの重量比が3:7となるようにホモ
ミキサーに投入し、25℃の条件下で混合したところ、
チーズ同士が合一してしまい、目視でも確認できるよう
なチーズの塊ができ、均質なチーズ含有可塑性油脂組成
物は得られなかった。
【0016】比較例3 チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 大豆硬化油27.23重量部、精製パーム油3.43重
量部及びなたね白絞油23.8重量部を混合した。この
混合油脂に、グリセリン脂肪酸エステル0.21重量部
及びレシチン0.14重量部を添加し、55℃で均質化
して油相を調製した。一方、水14.56重量部に食塩
0.63重量部を溶解させ、さらにプロセスチーズ(水
分含量47重量%、蛋白質含量24重量%、脂肪含量2
7.5重量%)30重量部を加え、80℃で加熱し、チ
ーズを水相中に均一に分散させて水相を調製した。油相
を回転撹拌機付き乳化槽に投入し、水相を徐々に添加し
ながら、撹拌により乳化させてW/O型エマルションを
調製し、急冷可塑化混練装置を用いて10℃まで冷却混
練してチーズ含有可塑性油脂組成物を調製した。得られ
たチーズ含有可塑性油脂組成物を、電子顕微鏡を用いて
写真撮影し、画像解析により含有されるチーズ粒子の大
きさを測定したところ、チーズが製造工程中の加熱によ
り溶融しておりチーズ粒子は確認できなかった。
【0017】比較例4 チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 大豆硬化油11.67重量部、精製パーム油1.47重
量部及びなたね白絞油10.2重量部を混合した。この
混合油脂に、グリセリン脂肪酸エステル0.09重量部
及びレシチン0.06重量部を添加し、55℃で均質化
して油相を調製した。一方、水6.24重量部に食塩
0.63重量部を溶解させ、さらにプロセスチーズ(水
分含量47重量%、蛋白質含量24重量%、脂肪含量2
7.5重量%)70重量部を加え、80℃で加熱し、チ
ーズを水相中に均一に分散させて水相を調製した。油相
を回転撹拌機付き乳化槽に投入し、水相を徐々に添加し
ながら、チーズ含有可塑性油脂組成物の調製を試みた
が、撹拌により乳化させる過程でエマルションの転相が
生じ、チーズ含有可塑性油脂組成物は得られなかった。
【0018】比較例5 チーズ含有可塑性油脂組成物の調製 油相の調製は比較例3の方法に従った。一方、水14.
56重量部に食塩0.63重量部を溶解させ、さらに糸
曵き性を有するグリーンゴーダチーズ(2週間熟成:熟
度9.1%、水分含量39.2重量%、蛋白質含量25
重量%、脂肪含量28重量%)30重量部を加え、80
℃で加熱し、チーズを水相中に均一に分散させ水相を調
製した。油相を回転撹拌機付き乳化槽に投入し、水相を
徐々に添加しながら、撹拌により乳化させてW/O型エ
マルションを調製し、急冷可塑化混練装置を用いて10
℃まで冷却混練してチーズ含有可塑性油脂組成物を調製
した。得られたチーズ含有可塑性油脂組成物を、電子顕
微鏡を用いて写真撮影し、画像解析により含有されるチ
ーズ粒子の大きさを測定したところ、チーズが製造工程
中の加熱により溶融しておりチーズ粒子は確認できなか
った。上記実施例1〜4及び比較例1、3、5のチーズ
含量、水分含量及び蛋白質含量を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】試験例1 実施例1〜4及び比較例1、3、5で得られたチーズ含
有可塑性油脂組成物について、熟練パネラー10名によ
り、チーズ風味について官能評価を行い、展延性及び組
織についても評価を行い、さらに、糸曵き性についても
試験を行った。 1.官能評価のうち、チーズ風味は、食パンにチーズ含
有可塑性油脂組成物8gを塗布し、これを食べた時のチ
ーズ風味について、5=非常に強い、4=強い、3=普
通、2=弱い、1=非常に弱いの5段階で評価した。 2.展延性は、チーズ含有可塑性油脂組成物(7℃)8
gを、食パンにバターを塗る時と同様にして、厚紙に延
ばし、この時の展延性について、3=延びがよい、2=
やや固く延びが悪い、1=固く延びが悪いの3段階で評
価し、またこの時の組織について、3=組成物の組織が
均一でチーズの粒が見られない、2=組成物の組織がや
や不均一でチーズの粒が見られる、1=組成物の組織が
不均一でチーズの粒が多く見られ、塊もあるの3段階で
評価した。 3.チーズ含有可塑性油脂組成物(7℃)8gを食パン
に塗布し、十字に切り込みを入れて4等分とし、4片の
食パンを密着させたまま、トースター(1000W、三
洋電機社製)で2分間焼成した後、1/4の食パンを引
き離したときの糸曵き性について、3=全体に糸曳きが
見られる、2=細い糸曳きが少し見られる、1=糸曳き
が全くないの3段階で評価した。 いずれの評価もそれらの平均点を少数点第一位で四捨五
入し、整数で表した。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、実施例1〜4で
得られたチーズ含有可塑性油脂組成物は、チーズ風味が
強く、塗布した際の延びも良く、チーズの粒もみられ
ず、組織も滑らかであり、加熱調理後に糸曵き性を呈し
ているとの評価を得た。これは製造過程において、油脂
組成物とチーズを混練する際に、加熱処理がなされてい
ないため、原料チーズの風味がそのまま維持されている
のと、チーズの平均粒子径も50μm以下と微細になっ
ているためと考えられる。一方、比較例1では、チーズ
風味が良好で、糸曵きを呈するものの、ブロック状の原
料チーズをホモミキサーにより混合しているため、チー
ズの粒の大きさにばらつきが見られ、チーズの粒があ
り、展延しづらく、ざらつきのある組織となった。ま
た、比較例3、5では、原料チーズを水相に添加して加
熱溶融した後、油脂組成物と乳化することにより製造さ
れており、チーズの粒は見られず組織は良かったもの
の、加熱溶融によって原料チーズの風味が失われ、また
延びもやや悪く、加熱調理をしたところ、焼成中に離水
が生じ、チーズに糸曵きは見られなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、加熱調理により、糸曵
き性を呈し、展延性が良好で滑らかな組織を有し、原料
チーズの風味及び性質を維持しているチーズ含有可塑性
油脂組成物を提供することができる。本発明のチーズ含
有可塑性油脂組成物は、従来のチーズ含有可塑性油脂組
成物に比べ、含有されるチーズの平均粒子径が50μm
以下と小さく、さらに原料チーズが製造工程中で加熱溶
融されていないため、展延性が良好で滑らかな組織を有
し、原料チーズの風味及び性質をそのまま維持したもの
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元売 康幸 埼玉県所沢市東新井町287−20 (72)発明者 木村 修 東京都清瀬市竹丘2−7−4 アヴェニー ル竹丘211 (72)発明者 椎木 靖彦 東京都品川区北品川2丁目7−3 Fターム(参考) 4B001 AC05 AC15 BC01 BC08 EC04 4B026 DC06 DL08 DP01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が50μm以下であるチーズ
    粒子を含有し、加熱調理することにより、糸曵き性を呈
    することを特徴とするチーズ含有可塑性油脂組成物。
  2. 【請求項2】 チーズを20℃以下で、油脂又は油脂組
    成物に圧入、混練することを特徴とするチーズ含有可塑
    性油脂組成物の製造方法。
JP2001248843A 2001-08-20 2001-08-20 チーズ含有可塑性油脂組成物 Expired - Fee Related JP4429554B2 (ja)

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