JP4827638B2 - 脱気カッテージチーズ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、チーズケーキ類の原料として使用した場合に、非常に滑らかな組織のケーキを焼成することが可能な脱気カッテージチーズ及びその製造方法に関する。また、この脱気カッテージチーズを配合したチーズケーキに関する。
カッテージチーズは、わずかな酸味とさわやかな風味のフレッシュチーズで、そのままサラダやドレッシングに、またチーズケーキなどの菓子原料として広く用いられている。
カッテージチーズの法的な定義はなく、一般的な分類としてはナチュラルチーズ中のフレッシュチーズに分類される。しかしフレッシュチーズにも明確な法的な定義はなく、一般的に軟質のナチュラルチーズの一種で、熟成していないものとして分類されており、カッテージチーズやモッツアレラチーズ、クワルクチーズ、クリームチーズなどがこれに含まれる。この中で、カッテージチーズは、脱脂乳または全乳などに乳酸菌、凝乳酵素、あるいは酸性物質等を加えて凝固させたもので、凝固させたままの粒状タイプと、それを粉砕、せん断、すり潰し、あるいは裏ごし処理した裏ごしタイプがあり、一般的に脂肪が少ないのであっさりとした風味を有すると言う特徴がある。
従って、本発明においてもカッテージチーズを法的に明確に定義することは不可能であるが、一般的な分類において定義することは可能である。すなわち、本発明において「カッテージチーズ」の用語は、「熟成処理を行わない軟質のナチュラルチーズの一種で、一般的分類ではフレッシュチーズに分類されるものであり、製造方法としては、殺菌処理した脱脂乳(または乳)に、主に乳酸菌、凝乳酵素、あるいは酸性物質等を添加してpHを低下させ、凝固させたもの」と定義する。
さらに本発明では、用語の混乱を避けるために、粉砕、せん断、すり潰し、あるいは裏ごし処理を行っていない通常の粒状タイプのカッテージチーズを「カッテージチーズ」または「原料カッテージチーズ」と定義し、粉砕、せん断、すり潰し、あるいは裏ごし処理を「微粒化処理」と定義し、微粒化処理を行ったカッテージチーズを「微粒化カッテージチーズ」と定義し、さらに、微粒化処理と脱気処理を施して、体積ベースの気体含有率が5%以下になるように調整したカッテージチーズを「脱気カッテージチーズ」と定義する。
一般に、チーズケーキ類の原料として使用されるカッテージチーズは、乳に凝乳酵素、乳酸菌あるいは酸性物質等を添加して凝固物として得られるカッテージチーズをそのまま使用したり、あるいは必要に応じてこれに微粒化や粉砕の処理を加えて、より滑らかな組織にしたもの(微粒化カッテージチーズ)が用いられている。この場合、ある程度の微粒化処理や粉砕処理が行われたカッテージチーズをチーズケーキの原料として使用すると、焼き上がったチーズケーキの組織もより滑らかになる傾向がある。
カッテージチーズは、家庭でも比較的容易に作ることが出来るが、工業的にはバッチ型、半連続型、連続型等の多様な種類の製造装置が国内外のメーカーから提供されており、利用可能である。乳製品製造メーカーでは、このような汎用の装置を用いて製造した、すなわち、一般的な方法で製造されたカッテージチーズに、何らかの微粒化処理を施してチーズケーキ用の微粒化カッテージチーズを製造している場合が多い。
しかしながら、このような微粒化処理を行った製品でも、これを用いて完全に滑らかな組織のチーズケーキを焼き上げることは非常に難しく、これまでこの分野で効果的な対策はほとんど検討されておらず、論文、特許等でも具体的な提案はなされていない。
本発明は、上述したような従来技術に見られるカッテージチーズの問題点に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、チーズケーキ類の原料として使用した場合、従来のカッテージチーズまたは微粒化カッテージチーズを使用した場合と比べて、非常に滑らかな組織のチーズケーキを焼成することが可能なカッテージチーズを提供することである。本発明の他の課題は、そのようなカッテージチーズの製造方法を提供することである。さらに、そのようなカッテージチーズを配合した非常に滑らかな組織のチーズケーキを提供することである。
本発明者らは、組織の滑らかなチーズケーキを焼成することが可能なチーズケーキ用カッテージチーズについて鋭意研究を重ねた結果、焼き上がったチーズケーキの組織を粗くする要因は、(1)カッテージチーズまたは微粒化カッテージチーズ自体の粒子の大きさと、(2)これらのカッテージチーズ粒子の間隙に取り込まれた空気であることを見出した。そして、一般的な方法で製造されたカッテージチーズに十分な微粒化加工を施し、さらに脱気処理を施して、その体積ベースの気体含有率が5%以下になるように調整した脱気カッテージチーズは、これを原料としてチーズケーキを焼成した場合、未処理の、あるいは微粒化加工のみを施したカッテージチーズを原料とした場合と比べて、非常に滑らかな組織のチーズケーキが得られるという新事実を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明は、一般的な方法で製造されたカッテージチーズに微粒化加工がなされ、脱気処理されている、体積ベースの気体含有率を5%以下に調整してなる脱気カッテージチーズである。
前記課題を解決するための第2の発明は、一般的な方法で製造されたカッテージチーズに微粒化加工および脱気処理を施し、体積ベースの気体含有率が5%以下になるように調整することを特徴とする脱気カッテージチーズの製造方法である。
そして、カッテージチーズに微粒化加工がなされ、脱気処理されている、体積ベースの気体含有率を5%以下に調整してなる脱気カッテージチーズを配合した非常に滑らかな組織の新規のチーズケーキを得ることができる。
本発明の脱気カッテージチーズは、焼成するタイプのチーズケーキに応用されたとき、その組織を非常に滑らかにするという優れた機能を発揮する。
本発明者らの検討の中では、焼成しないタイプのチーズケーキ(いわゆるレアチーズケーキ)に応用した場合でも、滑らかな組織が得られた。これは焼成工程を経ないので気体の熱膨張は伴わないものの、通常の微粒化カッテージチーズに含まれる気泡の大きさと比べると、本発明が提供する脱気カッテージチーズ中に含まれる気泡の大きさや量は非常に少なく、その結果、レアチーズケーキにおいても組織が滑らかになることによる。
このような応用効果は、組織の滑らかさが必要とされるケーキやデザートなどの食品への応用においては、脱気カッテージチーズの使用により容易に同様の効果が発現する。すなわち、本発明が提供する脱気カッテージチーズの応用対象は、焼成タイプのチーズケーキに限定されるものではなく、その組織の滑らかさが必要とされる食品への全ての応用を対象としている。
上述のように、本発明者らは、カッテージチーズをチーズケーキ原料として用いた場合、焼き上がったチーズケーキの組織に影響を与える因子は主に二つあり、一つはカッテージチーズ自体の粒子の大きさ、もう一つはカッテージチーズ粒子の間隙にある気体(空気)であることを見出した。
これらの二つの因子は一見、独立しているように見えるが、実際の工程では、密接に関連することが多い。すなわち、カッテージチーズの粒子の粗さがそのままチーズケーキの組織に影響しないように微粒化(いわゆる裏ごし処理)を行うが、このとき、カッテージチーズの粒子は微粒化処理によって小さくなり、同時にカッテージチーズ粒子の間隙にある空気、あるいは微粒化処理によって外気から取り込まれた空気もまた微粒化され、外に抜けにくくなる。一般的に裏ごし処理を行った微粒化カッテージチーズは、未処理のものと比べ粘度や付着性が増加する傾向があり、このことが微粒化された空気をますます抜けにくくする。そしてその結果、このような微粒化カッテージチーズをチーズケーキ原料として使用し、チーズケーキを製造した場合、外見上、滑らかな組織に見える微粒化カッテージチーズであっても、その内部には多量の空気を含有しており、これがチーズケーキの焼成工程で熱膨張してチーズケーキの組織を多孔質にし、滑らかさを低下させるのである。
このような知見に基づいて、本発明者らは、チーズケーキに滑らかな組織を付与するチーズケーキ用のカッテージチーズは、第一にカッテージチーズ自体の粒子径が小さく、第二に空気の含有量が少ないことが必要であることを見出し、これを実現する方法を発明するに至った。
本発明に使用する原料としては、従来のカッテージチーズ製造に用いられる乳であれば全て用いることができる。すなわち、生乳、脱脂乳、部分脱脂乳、又はこれらの混合物、又は、これらとホエー、バターミルクとのいかなる混合物をも使用することができ、必要に応じて還元乳や脂肪調整した乳を用いることができる。この原料乳から本発明に使用するカッテージチーズをつくるには、カッテージチーズ製造の常法に従って行うことができる。すなわち、原料乳に凝乳酵素及び/又は酸、乳酸菌を添加して適温に保持してカードを形成させ、カードの切断、ホエーの排除、脱水を行ってカッテージチーズを得る。なお、乳酸菌は、従来のカッテージチーズ製造に用いられる乳酸菌であれば全て用いることができる。
本発明の提供する方法においては、先ず第1工程として、一般的な方法で製造した原料カッテージチーズを、粉砕、せん断、すり潰し、あるいは裏ごしなどの方法で微粒化し、次に第2工程として微粒化したカッテージチーズを、少なくとも体積ベースの気体含有率が5%以下になるように脱気処理することを主な特徴とする。脱気処理したカッテージチーズの気体含有率が5%を超えると、未脱気のものよりは明らかに滑らかではあるが、粗さが感じられるのでよくない。
本発明における体積ベースの気体含有率とは、一定体積中のカッテージチーズ中に占める気体の体積の比率(%)であり、この測定には様々な方法が利用できるが、本発明においては以下に定義する比重法により測定した。すなわち、カッテージチーズを1〜3℃程度の低温に冷却して水分の蒸発を抑制した上で、これにほぼ−760mmHgの高真空下で完全脱気処理を施す。そしてこの完全脱気カッテージチーズを一定容積とり、この重量を測り、単位体積当たりの重量を計算して比重を求め、これをρoとする。一方、同じ方法で試料であるカッテージチーズの比重を求め、これをρとする。気体の比重はカッテージチーズの比重に比べると非常に小さく無視できるので、試料の全体積をV、この中に含まれる気体の体積をVgとすると、試料の重量より、
ρ × V = ρo ×(V − Vg)
の関係が成立する。この式より、体積ベースの気体含有率(Vg / V ×100)は、
Vg / V × 100 =(1−ρ/ρo)× 100(%)
で求められる。本発明では、この方法を比重法と定義する。
微粒化処理及び脱気処理の形態としては、連続式、又はバッチ式、又はそれらの組み合わせのいずれであっても良い。更に、これら二つの工程の順序に関しては、微粒化工程で空気の混入が防止できるのであれば、逆にしても良い。すなわち、脱気処理工程の後に、微粒化工程を設定しても同様の効果が得られる。
また、もし微粒化工程を、気体含有率を低減できるような減圧下で行えるのであれば、もっとも効率的に同等の効果が得られる。この場合、この方法は、本発明が提供する脱気カッテージチーズの製造方法中の二つの工程の機能が一つの工程に集約されただけであって、本質的に本発明が提供する方法と同義である。
同様に、原料カッテージチーズに先に脱気処理を施し、その後微粒化処理を施すような方法も、本発明が提供する脱気カッテージチーズの製造方法中の二つの工程の順序を入れ替えただけで、その機能は同じであり、本質的に本発明が提供する方法と同義である。すなわち、本発明が提供する方法中の二つの工程、すなわち、微粒化工程と脱気処理工程はその順序を問わない。
カッテージチーズの供給部としては、市販のロータリーポンプやサインポンプ、あるいはモノポンプ等の通常の高粘性用定量ポンプが使用できる。
微粒化工程は、基本的には乳から凝乳酵素、乳酸菌あるいは酸性物質等を用いてカゼインを凝集させたときのカゼイン凝集物(カード)が、チーズケーキ原料として使用する場合は大きすぎるために、これを粉砕する工程である。上述のように、物理的には、粉砕やせん断、すり潰し、あるいは裏ごしなど様々な方法が考えられるが、実用的にはかなり強いせん断力をかける必要があり、このような装置としては市販の高速せん断装置、例えばコロイドミル(株式会社イワキ)や、ミクロカッター(ステファン社、ドイツ)などが利用可能である。
脱気工程は、上述のように、基本的にはカッテージチーズ粒子の間隙に取り込まれた空気や、微粒化工程で混入した空気を除去する工程であるが、特に、微粒化工程の後で脱気を行う場合は、空気も微粒化され、更にカッテージチーズは微粒化により密な組織となり、一般的に粘度も増加するので脱気しにくくなる傾向がある。
一方、過度の脱気処理を施すと、脱気カッテージチーズが硬く締まり過ぎたり、また条件によっては離水を起こし易くなったりする場合もある。また、比較的大きな塊状の原料カッテージチーズをそのまま脱気処理すると、その表面付近だけが脱気され、内部に気体が多量に残留しやすくなる。すなわち、脱気カッテージチーズ中の脱気状態に不均一な分布が発生してしまう。従って、脱気処理を行うに当たっては、カッテージチーズの厚さや形状、あるいは脱気圧力、脱気時間等を調整し、脱気レベルを最適化する必要がある。
このような脱気処理を行う装置としては、バッチ型及び連続型の両方が利用できる。いずれも減圧環境をつくる真空チャンバーと脱気を行う脱気部、カッテージチーズの供給部、処理した製品を排出する排出部等から構成される。
そして、バッチ型の場合は、前記の脱気カッテージチーズ中の脱気状態を均一にするために撹拌装置の使用が有効である。このようなバッチ型の脱気装置としては市販の撹拌脱気装置、例えばステファン型乳化装置(ステファン社、ドイツ)などが使用できる。
脱気処理を行った脱気カッテージチーズ中に残留する気体は通常は空気であるが、残留空気中の酸素によるカッテージチーズの酸化や、カッテージチーズ中の微生物の増殖が問題となるような場合は、通常のガス置換包装で用いられる例えば窒素のような不活性ガス、あるいは静菌作用のある二酸化炭素、あるいはこれらの混合ガスにより空気を置換してもよい。具体的には、原料のカッテージチーズ中の空気を予め前記のガスで置換しておき、その後、微粒化及び脱気処理を行う方法や、微粒化処理を行った後、微粒化カッテージチーズ中の空気を前記のガスで置換し、その後、脱気処理を行う方法などが利用できる。
真空チャンバーとしては通常の金属製密閉型容器が使用できる。脱気部としては、通常の真空ポンプと、必要があれば処理ミックスの真空ポンプへの流入を防ぐ通常のバッファータンクを用いる。
排出部としては、処理したカッテージチーズの流動性が確保できれば排出バルブのみで対応が可能である。充分な流動性が得られない場合や、排出部の口径が小さい場合は、排出用のオーガスクリューの設置などが有効である。
また、連続型の場合は、真空チャンバー内への供給を、連続的に、または半連続的に、原料または微粒化カッテージチーズを薄板状に、あるいはヌードル状に供給する吐出ノズルの使用が有効である。このような吐出ノズルとしては、開口部の断面が細長い箱状の平板状ノズルや、多穴ノズルの使用が有効である。
図1に本発明の標準的な脱気カッテージチーズの連続型製造工程のフローを示す。原料カッテージチーズ(2)は、供給ホッパー(1)から送液ポンプ(3)により、微粒化装置(4)に送られる。微粒化装置により原料カッテージチーズは微粒化され、微粒化カッテージチーズ(5)となり、真空チャンバーに移送する。そして、真空チャンバー(7)の中に設置された吐出ノズル(6)に連続的に、あるいは半連続的に、かつ定量的に供給される。真空チャンバーは、脱気装置(9)により所定の圧力に減圧されている。減圧の圧力は、好ましくは−500mmHg以下、さらに好ましくは−600〜−700mmHgである。この減圧下の真空チャンバーに吐出されたカッテージチーズは、脱気されて脱気カッテージチーズ(8)となり、排出装置(10)により、真空チャンバー外に排出される。
以上が本発明の脱気カッテージチーズの製造方法であるが、本製造方法により得られる脱気カッテージチーズは、焼成するタイプのチーズケーキに応用されたとき、その組織を非常に滑らかにするという優れた機能を発揮する。
なお、脱気カッテージチーズを用いて、チーズケーキを調製する場合は、従来のカッテージチーズを用いてチーズケーキを調製する通常の方法と変わりはない。すなわち、脱気カッテージチーズをよく練り、続いて砂糖、卵を少しずつ混ぜた後、薄力粉、生クリーム、レモン汁等を加えてさらに混練する。これを型に流し入れ、オーブンで焼き色がつくまで焼成し、ベークドタイプのチーズケーキとする。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明し、本発明の効果をより明確に示すが、実施の一例を示しただけであって本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(バッチ型脱気装置による脱気カッテージチーズの製造)
脱脂乳(脂肪率0.1%)を75℃で15秒間加熱殺菌した後、30℃に冷却した。この殺菌乳に0.5%の乳酸菌スターターを添加した。さらに、凝乳酵素0.003%を加えて30分間静置し、乳を凝固させてカードを得た。このカードをカッティングし、撹拌しながらカード中心温度が36℃となるように温湯を加えた。ホエーを排除した後、残ったカードを、フィルターにより1時間の脱水を行い、カッテージチーズを得た。このカッテージチーズを5℃の冷蔵庫で冷蔵保存した。
冷蔵保存した原料カッテージチーズをミクロカッター(ステファン社、ドイツ)にて粉砕して微粒化カッテージチーズとし、この微粒化カッテージチーズを、内部を減圧したチーズ乳化釜(ステファン社、ドイツ)に入れ、室温で、脱気圧力を−600mmHg、30秒間、撹拌回転数750rpmで撹拌しながら脱気処理を行った。得られた脱気カッテージチーズの気体含有率を、上記の比重法で測定したところ2.1%であった。
(連続型脱気装置による脱気カッテージチーズの製造)
実施例1と同じ冷蔵保存した原料カッテージチーズを、図1に示した連続型脱気装置のホッパーに満たし、微粒化装置(コロイドミル;株式会社イワキ)を通した。この微粒化カッテージチーズを脱気チャンバーに移送し、脱気チャンバー内の圧力を−650mmHgに調節し、流量500kg/hの条件で脱気処理を行った。脱気装置には真空ポンプを用いた。得られた脱気カッテージチーズの気体含有率は1.5%であった。
(脱気カッテージチーズを用いて焼成したチーズケーキ特性)
実施例1と同じ冷蔵保存した原料カッテージチーズを用いて実施例2と同様の方法にて、脱気圧力を変化させて気体含有率が異なる脱気処理を施したカッテージチーズを調製した。一方、コントロールとして、微粒化した後、脱気チャンバー内の圧力を大気圧に調節し、流量500kg/hの条件で、脱気処理を施さない微粒化カッテージチーズを調製した。これらの脱気処理したカッテージチーズと微粒化カッテージチーズを用いて、表1に示した配合でチーズケーキを焼成した。チーズケーキは次の方法で作った。すなわち、カッテージチーズをヘラでよく練り、続けて砂糖を加えて混ぜた。溶いた卵を少しずつ混ぜた後、振るった薄力粉、生クリーム、レモン汁を加えて混ぜた。これを型に流し入れ、180℃のオーブンで焼き色がつくまで約40分焼成し、ベークドタイプのチーズケーキを得た。
Figure 0004827638
得られたチーズケーキの滑らかさを8名の専門パネルによる記述式試験法にて官能評価した。滑らかさの評価は、微粒化カッテージチーズ(未脱気品)で調製したチーズケーキの滑らかさを0とし、より滑らかな方を+側として±3の下記のような7段階の相対評価で評価し、専門パネルの評点の平均値を算出した。
+3:非常に滑らかである
+2:かなり滑らかである
+1:少し滑らかである
0:未脱気品の場合と同等
−1:少し粗い
−2:かなり粗い
−3:非常に粗い
その評価結果を表2にまとめた。
脱気処理したカッテージチーズの気体含有率が5%以下になると、顕著に気体含有率の減少とともにチーズケーキの滑らかさが増す傾向が認められた。すなわち、脱気カッテージチーズを用いることにより明らかに滑らかな組織を持つチーズケーキが焼成された。
Figure 0004827638
連続型脱気装置による脱気カッテージチーズの製造の一例を示した図である(実施例2)。
符号の説明
1 供給ホッパー
2 原料カッテージチーズ
3 送液ポンプ
4 微粒化装置
5 微粒化カッテージチーズ
6 吐出ノズル
7 真空チャンバー
8 脱気カッテージチーズ
9 脱気装置
10 排出装置

Claims (3)

  1. カッテージチーズに微粒化加工がなされ、脱気処理されている、体積ベースの気体含有率を5%以下に調整してなる脱気カッテージチーズ。
  2. カッテージチーズに微粒化加工および脱気処理を施し、体積ベースの気体含有率が5%以下になるように調整することを特徴とする脱気カッテージチーズの製造方法。
  3. 請求項1記載の脱気カッテージチーズを配合したチーズケーキ。
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