JPH09262054A - チーズスプレッドおよびその製造方法 - Google Patents

チーズスプレッドおよびその製造方法

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JPH09262054A
JPH09262054A JP8099235A JP9923596A JPH09262054A JP H09262054 A JPH09262054 A JP H09262054A JP 8099235 A JP8099235 A JP 8099235A JP 9923596 A JP9923596 A JP 9923596A JP H09262054 A JPH09262054 A JP H09262054A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】非熟成のフレッシュチーズと熟成させたナ
チュラルチーズを原料チーズ成分として調製され、熟度
指標が15〜22%であるチーズスプレッド。非熟成の
フレッシュチーズと熟成させたナチュラルチーズとから
なる原料チーズ成分、溶融塩、水、ならびに必要に応じ
て、風味物質、安定剤およびpH調整剤を混合して加熱溶
融し、次いで乳化することを特徴とするチーズスプレッ
ドの製造方法。 【効果】 本発明のチーズスプレッドは、風味と食感に
優れ、しかもスプレダビリティーが良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、チーズスプレッド
およびその製造方法に関する。本発明のチーズスプレッ
ドは、風味と食感に優れ、しかもスプレダビリティーが
良好である。
【0002】
【従来の技術】チーズスプレッドは、パンや菓子類、あ
るいは果物や野菜類のトッピング材やスプレッドとして
用いられている。チーズスプレッドは、風味や食感と共
にスプレダビリティーの良否も製品価値を左右する要素
の一つであると言われている。このため従来から、チー
ズスプレッドのスプレダビリティーを改良する技術が、
種々試みられ、提案されている。例えば、特開平5−9
5757号公報には、熟成ナチュラルチーズ、クエン酸
塩および/またはリン酸塩からなる溶融塩、食用乳化剤
および水を配合し、混合乳化した後、耐熱性包装容器に
充填密封してなるチーズスプレッド類が開示されてい
る。また、特開昭60−214838号公報には、蛋白
質(レンネットカゼイン、酸カゼイン等)1重量部に対
して0.7〜3.3重量部の食用油脂および3.7〜10
重量部の水と、上記蛋白質、食用油脂および水の合計量
に対し、0.3〜3.5重量%のリン酸塩またはクエン酸
ナトリウムおよび0.1〜2.0重量%の有機酸と、更に
必要により食塩、ガム質、デンプン類、香料を配合した
スプレット食品が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平5−95757号公報に開示されているチーズス
プレッド類は、ナチュラルチーズに対して60〜100
%もの水を配合してスプレダビリティーを付与している
ため、水分が相対的に多くなり、これが起因となって固
形分が低下し、風味が淡白となって、濃厚感のないスプ
レッド類になるといった問題がある。また、同公報に開
示されたチーズスプレッドは、いずれの条件において製
造されたものであっても、水分含有量が高いため、乳脂
肪分と乳蛋白質の成分が相対的に低下して、「乳および
乳製品の成分規格等に関する厚生省令」(昭和26年12月
27日、厚生省令第52号、以下「乳等省令」という)に規
定する「プロセスチーズ」の規格から逸脱するものであ
る。さらに、上記の特開昭60−214838号公報に
開示されているスプレッド食品は、脂肪分率が高く、ま
た水分率も高いため、スプレダビリティーは良好であっ
ても、食感が悪く、チーズ風味にも欠けるものである。
このように、従来のチーズスプレッド類は、スプレダビ
リティーは良好であっても、風味が淡白であったり、チ
ーズ風味に欠け、満足できるものでなかった。
【0004】本発明者らは、上記の従来技術の問題点に
鑑み、濃厚感があり、食感に優れ、チーズ風味を有し、
しかも、パンや菓子等のスプレッドとして用いた際に
は、スプレダビリティーのあるチーズスプレッドとその
製造方法を得ることを目的として、鋭意研究を重ねた。
その結果、チーズとして非熟成のフレッシュチーズと熟
成させたナチュラルチーズとを原料チーズ成分として調
製し特定の熟度指標にすることにより、風味と食感に優
れ、しかもスプレダビリティーの良好なチーズスプレッ
ドを得ることができることを見出し、この知見に基づき
本発明を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、非熟
成のフレッシュチーズと熟成させたナチュラルチーズを
原料チーズ成分として調製され、熟度指標が15〜22
%であるチーズスプレッドである。本発明はまた、原料
チーズ成分が、非熟成のフレッシュチーズ30〜70重
量%と熟成させたナチュラルチーズ30〜70重量%か
らなる前記チーズスプレッドである。本発明はまた、1
0℃における貯蔵弾性率が、7×103〜2.5×104d
yn/cm2である前記チーズスプレッドである。本発明はま
た、非熟成のフレッシュチーズと熟成させたナチュラル
チーズとからなる原料チーズ成分、溶融塩、水、ならび
に必要に応じて、風味物質、安定剤およびpH調整剤を混
合して加熱溶融し、次いで乳化することを特徴とするチ
ーズスプレッドの製造方法である。本発明はまた、原料
チーズ成分が、非熟成のフレッシュチーズ30〜70重
量%と熟成させたナチュラルチーズ30〜70重量%か
らなり、原料チーズ成分に対する溶融塩の配合量が0.
5〜3重量%である請求項5記載のチーズスプレッドの
製造方法である。
【0006】尚、本発明において、「熟度指標」とは、
チーズスプレッド中の全窒素に対する可溶性窒素の割合
を示すもので、風味の指標になるものである。熟度指標
は、具体的には下記の方法により測定することができ
る。 (1) 測定試料液の調製:チーズスプレッド10gに対
し、0.5Nのクエン酸ナトリウム40mlを加え、ホモブ
レンダーで5分間磨砕した後、メスフラスコに移し、蒸
留水を加えて200mlに定容する。 (2) 全窒素量の測定:上記(1)で調製した試料液10ml
を採取して、ケルダール法により測定する。 (3) 可溶性窒素量の測定:上記上記(1)で調製した試料
液10mlに、1.41Nの塩酸10mlを加えた後、蒸留水
で125mlに定容する。生成した蛋白沈殿物を濾過した
後、濾液10mlを採取し、ケルダール法により測定す
る。 (4) 上記(2)および(3)において測定された全窒素量と可
溶性窒素量を用いて、熟度指標を、次式により算出す
る。
【0007】
【数1】 熟度指標(%)=(可溶性窒素/全窒素)×100
【0008】また、本発明において、「貯蔵弾性率」
は、製品に加えられた応力(ひずみ)を受け止める力の
程度を示し、チーズスプレッドのスプレダビリティーの
指標となるものである。貯蔵弾性率は、下記の方法によ
り測定することができる。 (1) 測定器具として、例えばフルイドスペクトロメータ
ー(FLUIDS SPECTROMETER)(RFS II;Rheometrics社製)を
用いて、チーズスプレッド1gを試料とし、これを下部
プレート上に供試する。 (2) 上部プレートを下げて、試料を挟んで押しつぶし、
厚さ1mmに押し広げる。 (3) チャンバーを閉じ、試料を10℃にする。 (4) 試料の温度が均一になったら、10%のひずみを与
えて、貯蔵弾性率を測定する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のチーズスプレッドの製造において、原料チーズ
成分としては、非熟成のフレッシュチーズと熟成したナ
チュラルチーズとが用いられる。非熟成のフレッシュチ
ーズは、原料乳に乳酸菌スターターを添加して、乳酸菌
の産生する乳酸の作用により、等電点付近で凝固した乳
蛋白質から、ホエーの一部を排除して得られたチーズで
あることが好ましい。乳酸菌の例としては、ストレプト
コッカス ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレ
プトコッカス クレモリス(S.cremoris)、ストレプト
コッカス ダイアセチラクチス(S.diacetylactis)、
ストレプトコッカス サーモフイラス(S.thermophilu
s)、ストレプトコッカス デュランス(S.durance)、
ストレプトコッカス フェカリス(S.faecalis)、スト
レプトコッカス シトロボラス(S.citrovorus)、スト
レプトコッカス パラシトロボラス(S.paracitrovoru
s)、ロイコノストック シトロボラム(Leuconostoc c
itrovorum)、ロイコノストック デキストラニクム
(L.dextranicum)、ロイコノストック クレモリス
(L.cremoris)等を挙げることができ、これらを1種以
上用いることができる。
【0010】また、非熟成のフレッシュチーズは、上記
の乳酸菌の替りに、原料乳にクエン酸、乳酸、酢酸、酒
石酸またはリンゴ酸等の有機酸を添加して、その作用に
より凝固させて得られたものであってもよい。しかし、
より良好な風味を有するチーズスプレッドを得るために
は、乳酸菌の生成する乳酸によって凝固させて得られた
非熟成のフレッシュチーズを用いることが好ましい。
尚、本発明において、非熟成のフレッシュチーズの種類
は、特に限定されないが、例えば、クワルク、フロマー
ジュブラン、クリームチーズ、ヨーク、プチスイス、ケ
ンブリッジ、カテージチーズ、モツァレラチーズ、リコ
ッタチーズ等を挙げることができ、これらを一種以上用
いることができる。尚、これらの非熟成のフレッシュチ
ーズが有する熟度指標は、通常、6〜7%程度である。
【0011】一方、熟成したナチュラルチーズとして
は、原料乳を凝乳酵素、例えばレンネットによって乳蛋
白質を固めてホエーを排除した後、上記の非熟成のフレ
ッシュチーズの調製に用いられるものと同様の乳酸菌に
よって発酵し、熟成させたチーズを用いる。熟成したナ
チュラルチーズの種類は、特に限定されないが、例え
ば、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、エメンタールチー
ズ、カマンベールチーズ、ロックフォールチーズ等を挙
げることができ、これらを一種以上用いることができ
る。尚、熟成したチーズが有する熟度指標は、製造直後
では、6〜7%程度であり、熟成が進むにつれて上昇
し、通常は、24〜30%程度である。
【0012】本発明では、上記の非熟成のフレッシュチ
ーズと熟成したナチュラルチーズを混合し、チーズスプ
レッドの風味の指標となる熟度指標が、15〜22%と
なるように調整する。熟度指標が15%未満であると、
風味が淡白になり、濃厚感のないチーズスプレッドにな
るので好ましくない。一方、熟度指標が22%を超える
と、チーズ風味が強くなり、食感も重くなるので好まし
くない。熟度指標は、チーズの種類や熟成度合によって
個々に異なるため、上記範囲の熟度指標を維持するため
には、原料となる非熟成のフレッシュチーズと熟成した
ナチュラルチーズのそれぞれの熟度指標を予め測定して
調整することが必要である。特に熟成したナチュラルチ
ーズの熟度指標および含有量は、チーズスプレッドの熟
度指標に大きな影響を与える。
【0013】また、本発明において、チーズスプレッド
のスプレダビリティーの指標となる貯蔵弾性率を、10
℃において7×103〜2.5×104dyn/cm2の範囲にす
ることが好ましい。貯蔵弾性率が7×103dyn/cm2
満になると、スプレダビリティーは向上するが、柔らか
くなり過ぎて保形性がなく、パン等に塗布した時に垂れ
の問題が起こるので好ましくない。一方、2.5×104
dyn/cm2を超えると、硬い組織を有するチーズスプレッ
ドとなって、延びがなくなり、スプレダビリティーが低
下するので好ましくない。原料チーズのうち、特に非熟
成のフレッシュチーズの含有量は、後記する水分や脂肪
の含有量および溶融塩の種類と共に、貯蔵弾性率に大き
な影響を与える。すなわち、非熟成のフレッシュチーズ
の含有量によって、チーズスプレッドのスプレダビリテ
ィーの良否が左右される。
【0014】本発明において、上記のような熟度指標お
よび貯蔵弾性率を得るためには、非熟成のフレッシュチ
ーズと熟成させたナチュラルチーズの混合割合を、非熟
成のフレッシュチーズを30〜70重量%、熟成させた
ナチュラルチーズを30〜70重量%とすることが好ま
しい。
【0015】本発明において、上記のように、非熟成の
フレッシュチーズと熟成したナチュラルチーズとを混合
した後、溶融塩、水、ならびに必要に応じて、風味物
質、安定剤およびpH調整剤を配合し、加熱溶融し、次い
で乳化する。溶融塩としては、例えば、クエン酸塩、モ
ノリン酸塩、ジリン酸塩(ピロリン酸塩)、トリリン酸
塩、テトラリン酸塩、ペンタリン酸塩およびヘキサリン
酸塩等のポリリン酸塩またはグラハム塩等を挙げること
ができ、これらを1種または2種以上の混合物として用
いることができる。この中で、ポリリン酸塩を使用した
場合には、使用量が多くなると粘度が増し、貯蔵弾性率
に影響を与えて、スプレダビリティーが悪くなるので、
乳化力の弱いクエン酸塩やモノリン酸塩を20重量%以
上含有する混合溶融塩として用いることが好ましい。ま
た、溶融塩は、非熟成のフレッシュチーズと熟成させた
ナチュラルチーズからなる原料チーズ成分に対して、
0.5〜3重量%になるように配合することが好まし
い。チーズ成分に対する溶融塩の配合量が0.5重量%
未満となると、乳化が不十分となり、口溶け性も悪くな
り、一方、3重量%を超えると、溶融塩のエグ味が現
れ、風味の低下が避けられないので好ましくない。
【0016】水の配合量は、原料チーズ中の水分含有量
を考慮して、最終製品中で水分が42〜52重量%にな
るようにすることが好ましい。水の含有量がこの範囲外
となると、最終製品であるチーズスプレッドの貯蔵弾性
率が、上記の10℃における7×103〜2.5×104d
yn/cm2の範囲とならず、スプレダビリティーや摂取し
た時の濃厚感にも悪影響を与えるので、好ましくない。
【0017】風味物質としては、バター等の油脂成分、
香辛料あるいはフレーバー等が挙げられる。風味物質は
任意の成分であり、配合量も特に限定されないが、原料
チーズ成分に対して、0.5〜20重量%程度とするこ
とが好ましい。特に、油脂成分は貯蔵弾性率に影響を与
えるので、配合する際には、非熟成フレッシュチーズ、
溶融塩および水分等のその他の成分の配合量を考慮し
て、その配合量を決定しなければならない。安定剤とし
ては、グアーガムやローカストビーンガム等の増粘多糖
類が挙げられる。安定剤は任意の成分であるが、配合す
ることにより、保存中の温度上昇による軟化防止を図る
ことができる。安定剤の配合量は、特に限定されない
が、原料チーズ成分に対して、0.3〜2重量%程度と
することが好ましい。pH調整剤としては、アルカリ剤と
して重曹を挙げることができ、また酸性剤としてクエン
酸、乳酸、酢酸等の有機酸を挙げることができる。pH調
整剤も、任意の成分であるが、最終製品のチーズスプレ
ッドのpHが、風味上好ましい範囲である5.8〜6.2と
なるように配合して調整することが好ましい。さらに、
本発明のチーズスプレッドには、細片化したハムやサー
モン等の固形食品や、調味料等を配合して風味の変化を
図ることもできる。
【0018】これらの成分を配合した後、加熱溶融を行
うが、加熱方法としては、乳化機の外套部に蒸気または
熱水を導入する間接加熱方法、蒸気吹込みによる直接加
熱方法またはその複合方式等が挙げられる。
【0019】次いで、乳化を行うが、乳化は、乳化機を
使用して行うことが好ましく、乳化機としては、プロセ
スチーズの製造に通常用いられているものであれば、い
ずれの乳化機も使用することができ、例えば、低速で攪
拌するケトル乳化機や高速で攪拌するステファン乳化機
等が挙げられる。本発明のチーズスプレッドの製造にお
けるその他の条件および方法は、特に限定されず、慣用
の条件および方法を採用することができる。このように
して調製された本発明のチーズスプレッドは、コクのあ
る風味を有し、食感が良好で、しかもスプレダビリティ
ーが良好である。
【0020】以下、実施例を示して本発明を具体的に説
明すると共に、比較例および試験例を示して本発明の効
果をより明確に示す。
【実施例】
実施例1 非熟成フレッシュチーズとしてクリームチーズ13kg
と、熟成したナチュラルチーズとして熟度指標30%の
ゴーダチーズ4kgおよび熟度指標29%のチェダーチー
ズ4kgとを混合して粉砕したものに、クエン酸ナトリウ
ム36g、モノリン酸ナトリウム36g、ポリリン酸ナト
リウム124g 、重曹120gおよび水1300gを加え
た後、ステファン融化釜を用いて、750rpmで撹拌し
ながら、85℃に加熱溶融して、乳化した。これを10
℃まで冷却して、熟度指標が15.5%で、貯蔵弾性率
が2.0×104dyn/cm2のチーズスプレッドを得た。
【0021】実施例2 非熟成フレッシュチーズとしてクワルクチーズ7kgと、
熟成したナチュラルチーズとして熟度指標29%のゴー
ダチーズ3kgおよび熟度指標28%のチェダーチーズ1
0kgとを混合して粉砕したものに、モノリン酸ナトリウ
ム300g、ポリリン酸ナトリウム200g、重曹60
g、バター3kgおよび水3300gを加えて、ケトル融化
釜を用いて、100rpmで撹拌しながら、87℃に加熱
溶融して、乳化した。これを10℃まで冷却して、熟度
指標が20.8%で、貯蔵弾性率が8.8×103dyn/cm2
のチーズスプレッドを得た。
【0022】実施例3 非熟成フレッシュチーズとしてクリームチーズ10kg
と、熟成したナチュラルチーズとして熟度指標28%の
ゴーダチーズ5kgおよび熟度指標25%のチェダーチー
ズ5kgとを粉砕したものに、モノリン酸ナトリウム30
0g、クエン酸ナトリウム100g、ポリリン酸ナトリウ
ム200g、重曹90g、バター2kgおよび水3700g
を加えて、ケトル融化釜を用いて、150rpmで攪拌し
ながら、87℃に加熱溶融して、乳化した。これを10
℃まで冷却して、熟度指標が16.7%で、貯蔵弾性率
が1.1×104dyn/cm2のチーズスプレッドを得た。
【0023】比較例1(熟成したナチュラルチーズのみ
の使用) 実施例1で用いた非熟成のフレッシュチーズのクリーム
チーズに替えて、熟成したナチュラルチーズの熟度指標
30%のゴーダチーズ6.5kgと熟度指標29%のチェ
ダーチーズ6.5kgを用い、また脂肪分調整のためにバ
ター0.6kgを用いたこと以外は、実施例1と同様にし
てチーズスプレッドを調製した。得られたチーズスプレ
ッドの熟度指標は29.5%で、貯蔵弾性率は1.3×1
6dyn/cm2であった。
【0024】比較例2(熟成したナチュラルチーズのみ
の使用) 実施例2で用いた非熟成のフレッシュチーズのクワルク
チーズに替えて、熟成したナチュラルチーズの熟度指標
29%のゴーダチーズ3.5kgと熟度指標28%のチェ
ダーチーズ3.5kgを用い、また脂肪分調整のためにバ
ター0.5kgを用いたこと以外は、実施例2と同様にし
てチーズスプレッドを調製した。得られたチーズスプレ
ッドの熟度指標は28.3%で、貯蔵弾性率は4.4×1
5dyn/cm2であった。
【0025】比較例3(熟成したナチュラルチーズのみ
の使用) 実施例3で用いた非熟成フレッシュチーズのクリームチ
ーズに替えて、熟成したナチュラルチーズの熟度指標2
8%のゴーダチーズ5.0kgと熟度指標25%のチェダ
ーチーズ5.0kgを用い、また脂肪分調整のためにバタ
ー2kgを用いたこと以外は、実施例3と同様にしてチー
ズスプレッドを調製した。得られたチーズスプレッドの
熟度指標は26.5%で、貯蔵弾性率は8.2×105dyn
/cm2であった。
【0026】試験例1 上記の実施例1〜3および比較例1〜3で得られたそれ
ぞれのチーズスプレッドについて、10名のパネラーに
より、風味および食感の評価を行った。結果を表1に示
す。評価点は、次の評点を基準に評価し、中間に評価さ
れるものは中間点を付し、10名の平均点を求めた。 風味;口当たりが軽く適度にコクがある。 ・・・・+3点 どちらにも属さず、中間である。 ・・・・ 0点 口当たりが重くチーズ風味が強すぎる。 ・・・・−3点 食感;口溶けが良好でさらさらした感じがする。 ・・・・+3点 どちらにも属さず、中間である。 ・・・・ 0点 口溶けが悪く粘っこい感じがする。 ・・・・−3点
【0027】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 例 熟度指標 貯蔵弾性率 風 味 食 感 (%) (dyn/cm2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 15.1 2.0×104 +1.2 +1.0 実施例2 20.8 8.8×103 +2.0 +2.6 実施例3 16.7 1.1×104 +2.2 +2.0 比較例1 29.5 1.3×106 −2.1 −2.2 比較例2 28.3 4.4×105 −1.2 −1.0 比較例3 26.5 8.2×105 −1.4 −1.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0028】表1から明らかなように、実施例1〜3に
よって得られたチーズスプレッドは、非熟成のフレッシ
ュチーズと熟成したナチュラルチーズが適度に混合され
ているために、良好なスプレダビリティー(貯蔵弾性率
が小さい)を示し、熟度指標を反映した風味を有しなが
らも、口当たりが軽く、食感も良好であった。これに対
して、比較例1〜3によって得られたチーズスプレッド
は、熟成したナチュラルチーズのみによって調製されて
いるため、スプレダビリティーが劣り(貯蔵弾性率が大
きい)、口当たりが重く、食感が劣り、風味もチーズ臭
が強いものであった。すなわち、表1に示される結果か
ら、本発明のチーズスプレッドは、熟成したナチュラル
チーズのみからなるチーズスプレッド(比較例1〜3)
に比べて、口当たりが軽く、適度にコクがあり、食感が
良好で、口溶け性とスブレダビリティーが優れたもので
あることが判明した。
【0029】
【発明の効果】本発明のチーズスプレッドは、原料チー
ズ成分として、非熟成のフレッシュチーズと熟成したナ
チュラルチーズを混合して用いたものであるため、口当
たりが軽く食感が良好で、風味的にも適度にコクがあ
り、しかもスプレダビリティーが優れたものである。ま
た、本発明のチーズスプレッドは、口に含んだ時の口溶
け性が良好で、さらさらした従来のチーズスプレッドに
はない新規で優れた食感を呈するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非熟成のフレッシュチーズと熟成させた
    ナチュラルチーズを原料チーズ成分として調製され、熟
    度指標が15〜22%であるチーズスプレッド。
  2. 【請求項2】 原料チーズ成分が、非熟成のフレッシュ
    チーズ30〜70重量%と熟成させたナチュラルチーズ
    30〜70重量%からなる請求項1記載のチーズスプレ
    ッド。
  3. 【請求項3】 10℃における貯蔵弾性率が、7×10
    3〜2.5×104dyn/cm2である請求項1または2記載の
    チーズスプレッド。
  4. 【請求項4】 非熟成のフレッシュチーズと熟成させた
    ナチュラルチーズとからなる原料チーズ成分、溶融塩、
    水、ならびに必要に応じて、風味物質、安定剤およびpH
    調整剤を混合して加熱溶融し、次いで乳化することを特
    徴とするチーズスプレッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 原料チーズ成分が、非熟成のフレッシュ
    チーズ30〜70重量%と熟成させたナチュラルチーズ
    30〜70重量%からなり、原料チーズ成分に対する溶
    融塩の配合量が0.5〜3重量%である請求項4記載の
    チーズスプレッドの製造方法。
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