JP2020066742A - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性炭吸着剤の生成に用いられるフェノール樹脂において、フェノール樹脂の組成を改良することにより、樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高め、窒素を含有する低分子化合物を迅速かつ効率的に吸着可能とする活性炭吸着剤を生成するためのフェノール樹脂の製造方法を提供する。【解決手段】炭化して賦活されて活性炭吸着剤とされる活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂であって、フェノールに対し、水溶性のナイロンを付与し溶融して原料を調製する原料調製工程と、該原料にホルムアルデヒドと、塩基性触媒と、乳化剤とを混合しながら加熱してナイロンを含有するナイロン含有レゾール樹脂を調製するレゾール調整工程とを有するフェノール樹脂の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、フェノール樹脂の製造方法に関し、特に、活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂の組成を改良することにより、該フェノール樹脂を炭化し、賦活して得た活性炭吸着剤の性能を向上させることができるフェノール樹脂の製造方法に関する。
腎疾患又は肝疾患の患者は、血液中に毒性物質が蓄積し、その結果として尿毒症や意識障害等の脳症を引き起こす。これらの患者数は年々増加する傾向にある。近年では、これらの患者の治療に、経口により摂取し体内で毒性物質を吸着し、体外に排出する経口投与用吸着剤が開発されている(特許文献1、特許文献2等参照)。しかし、これらの吸着剤は、活性炭の吸着性能を利用した吸着剤であるため、除去すべき毒素の吸着容量や毒素の有用物質に対する選択吸着性が十分とはいえない。一般的に、活性炭の疎水性は高く、尿毒症の原因物質やその前駆物質に代表されるインドキシル硫酸、DL−β−アミノイソ酪酸、トリプトファン等の低分子量のイオン性有機化合物の吸着に適さないという問題点を内包している。
そこで、活性炭吸着剤の問題点を改善するべく、原料物質として木質、石油系もしくは石炭系の各種ピッチ類等を使用し球状等の樹脂化合物を形成し、これらを原料とした活性炭からなる抗ネフローゼ症候群剤が報告されている(例えば、特許文献3参照)。前出の活性炭は、石油系炭化水素(ピッチ)等を原料物質とし、比較的粒径を均一にして、炭化、賦活により調製される。また、活性炭自体の粒径を比較的均一化するとともに、当該活性炭における細孔容積等の分布について調整を試みた経口投与用吸着剤が報告されている(特許文献4参照)。このように、薬用活性炭は、比較的粒径を均一にすることに伴い、腸内の流動性の悪さを改善し、同時に細孔を調整することにより当該活性炭の吸着性能の向上を図った。そこで、多くの軽度の慢性腎不全患者に服用されている。
薬用活性炭には、尿毒症の原因物質やその前駆物質に対する迅速かつ効率的な吸着が要求される。しかしながら、従来の薬用活性炭における細孔の調整は良好とはいえず、吸着性能も安定しなかった。そのため、一日当たりの服用量を多くしなければならない。特に、慢性腎不全患者は水分の摂取量を制限されていることから、少量の水分により嚥下することは患者にとって大変な苦痛となっていた。加えて、胃、小腸等の消化管においては、糖、タンパク質等の生理機能に不可欠な化合物及び腸壁より分泌される酵素等の種々物質の混在する環境である。その中において、尿毒症等の原因となる毒性物質、特には、窒素を含有する化合物を迅速に吸着し、そのまま便とともに体外に排泄する薬用の活性炭吸着剤が望まれていた。
発明者は活性炭吸着剤の炭化前の原料、細孔の発達について精査した。その結果、活性炭の原料となる樹脂成分にフェノール樹脂を採用するとともに樹脂の組成を工夫することにより、樹脂炭化物由来の活性炭の細孔を好適に制御して、低分子量の含窒素化合物の迅速かつ効率的な吸着に好適な細孔分布を備えた活性炭を見出すに至った。
特許第3835698号公報 特開2008−303193号公報 特開平6−135841号公報 特開2002−308785号公報
本発明は、前記の点に鑑みなされたもので、活性炭吸着剤の生成に用いられるフェノール樹脂において、フェノール樹脂の組成を改良することにより、樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高め、窒素を含有する低分子化合物を迅速かつ効率的に吸着可能とする活性炭吸着剤を生成するためのフェノール樹脂の製造方法を提供する。
すなわち、第1の発明は、炭化して賦活されて活性炭吸着剤とされる活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂であって、フェノールに対し、水溶性のナイロンを付与し溶融して原料を調製する原料調製工程と、該原料にホルムアルデヒドと、塩基性触媒と、乳化剤とを混合しながら加熱してナイロンを含有するナイロン含有レゾール樹脂を調製するレゾール調整工程とを有することを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に係る。
第2の発明は、炭化して賦活されて活性炭吸着剤とされる活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂であって、フェノールに対し、ナイロンを付与し溶融して原料を調製する原料調製工程と、該原料にホルムアルデヒドと、酸性触媒と乳化剤とを混合しながら加熱してノボラック樹脂分を調製するノボラック樹脂合成工程と、前記ノボラック樹脂合成工程により得た溶液中に、ホルムアルデヒドと、塩基性触媒とを混合しながら加熱してレゾール樹脂成分を合成するとともに前記ノボラック樹脂分も含有したナイロン含有複合フェノール樹脂を調整する複合フェノール樹脂調整工程とを有することを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に係る。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記ナイロンが付与される量が、フェノール100重量部に対して0.5〜5重量部であるフェノール樹脂の製造方法に係る。
第4の発明は、第1の発明の前記ナイロン含有レゾール樹脂より得た活性炭吸着剤であって、下記式(i)に示される50〜1000nmにおける水銀細孔容積(V1M)(g/mL)と7.5〜1000nmにおける水銀細孔容積(V2M)(g/mL)との割合(RV)が、0.3〜0.6であることを特徴とする活性炭吸着剤に係る。
Figure 2020066742
第5の発明は、第2の発明の前記ナイロン含有複合フェノール樹脂より得た活性炭吸着剤であって、上記式(i)に示される50〜1000nmにおける水銀細孔容積(V1M)(g/mL)と7.5〜1000nmにおける水銀細孔容積(V2M)(g/mL)との割合(RV)が、0.3〜0.8であることを特徴とする活性炭吸着剤に係る。
第6の発明は、第1ないし5の発明のいずれかにおいて、前記活性炭吸着剤が、経口投与用腎疾患又は経口投与用肝疾患のための治療剤又は予防剤であることを特徴とする経口投与用吸着剤に係る。
第1の発明に係るフェノール樹脂の製造方法によると、炭化して賦活されて活性炭吸着剤とされる活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂であって、フェノールに対し、水溶性のナイロンを付与し溶融して原料を調製する原料調製工程と、該原料にホルムアルデヒドと、塩基性触媒と、乳化剤とを混合しながら加熱してナイロンを含有するナイロン含有レゾール樹脂を調製するレゾール調整工程とを有するため、フェノール樹脂に由来する活性炭において、フェノール樹脂中の樹脂組成を改良することにより樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高めることができ、窒素を含有する低分子化合物を迅速かつ効率的に吸着可能な活性炭吸着剤を生成するためのフェノール樹脂を得ることができる。
第2の発明に係るフェノール樹脂の製造方法によると、炭化して賦活されて活性炭吸着剤とされる活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂であって、フェノールに対し、ナイロンを付与し溶融して原料を調製する原料調製工程と、該原料にホルムアルデヒドと、酸性触媒と乳化剤とを混合しながら加熱してノボラック樹脂分を調製するノボラック樹脂合成工程と、前記ノボラック樹脂合成工程により得た溶液中に、ホルムアルデヒドと、塩基性触媒とを混合しながら加熱してレゾール樹脂成分を合成するとともに前記ノボラック樹脂分も含有したナイロン含有複合フェノール樹脂を調整する複合フェノール樹脂調整工程とを有するため、フェノール樹脂に由来する活性炭において、フェノール樹脂中の樹脂組成を改良することにより樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高めることができ、窒素を含有する低分子化合物を迅速に吸着可能な活性炭吸着剤を生成するためのフェノール樹脂を得ることができる。
第3の発明に係るフェノール樹脂の製造方法によると、第1又は2の発明において、前記ナイロンが付与される量が、フェノール100重量部に対して0.5〜5重量部であるため、フェノール樹脂を活性炭吸着剤としたときに、樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高めつつ、充填密度の低下を防ぐことができる。
第4の発明に係る活性炭吸着剤によると、第1の発明に記載の前記ナイロン含有レゾール樹脂より得た活性炭吸着剤であって、式(i)に示される50〜1000nmにおける水銀細孔容積(V1M)(g/mL)と7.5〜1000nmにおける水銀細孔容積(V2M)(g/mL)との割合(RV)が、0.3〜0.6であることから、窒素を含有する低分子化合物を迅速に吸着可能な活性炭吸着剤とすることができる。
第5の発明に係る活性炭吸着剤によると、第2の発明に記載の前記ナイロン含有複合フェノール樹脂より得た活性炭吸着剤であって、式(i)に示される50〜1000nmにおける水銀細孔容積(V1M)(g/mL)と7.5〜1000nmにおける水銀細孔容積(V2M)(g/mL)との割合(RV)が、0.3〜0.8であることから、窒素を含有する低分子化合物を迅速に吸着可能な活性炭吸着剤とすることができる。
第6の発明に係る経口投与用吸着剤によると、第1ないし5の発明のいずれかにおいて、前記活性炭吸着剤が、経口投与用腎疾患又は経口投与用肝疾患のための治療剤又は予防剤であるため、腎疾患又は肝疾患の原因物質を選択的に吸着する効果が高く、治療剤又は予防剤に相応しい。
本発明の活性炭吸着剤生成用のナイロン含有レゾール樹脂の製造方法を示す工程図である。 本発明の活性炭吸着剤生成用のナイロン含有複合フェノール樹脂の製造方法を示す工程図である。 図1及び図2の製造方法により製造されたフェノール樹脂から活性炭吸着剤に至る製造方法を示す工程図である。
本発明の製造方法により製造されるフェノール樹脂は、活性炭吸着剤生成に用いられるフェノール樹脂であって、特に、ナイロンを含有させたフェノール樹脂である。フェノール樹脂にナイロンを含有させることにより、樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高め、窒素を含有する低分子化合物を迅速かつ効率的に吸着可能とする活性炭吸着剤を得ることができる。はじめに、図1の工程図を用い活性炭吸着剤の出発原料となるフェノール樹脂、特にレゾール樹脂の合成工程から説明する。
はじめにフェノール樹脂の原料となるフェノールにナイロンが添加、混合され、フェノールに溶解し、原料として調製される(「原料調製工程」)。縮合反応させるフェノール樹脂は、ノボラック樹脂やレゾール樹脂を用いることができ、成形性、硬度、細孔調製の観点から、レゾール樹脂を用いるのが好ましい。特に、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂と比較して充填密度が高いことから、医薬用吸着剤としての活性炭吸着剤とすると服用体積が減り、患者の負担を小さくすることができ有用である。また、後述する図2に示す工程図において製造された試作例においては、ノボラック樹脂とレゾール樹脂とを複合した複合フェノール樹脂を採用した。複合フェノール樹脂とすると、活性炭吸着剤の吸着性能が向上するため有用である。
図1に示す工程図にかかる製造方法においては、ナイロンは水溶性のナイロンとするのがよい。発明者の研究によれば、後述するレゾール樹脂合成工程において、原料調整工程においてナイロンがフェノールに完全に溶解していたとしても、水溶性でないナイロンは、反応媒体水等に析出してしまい、合成されたフェノール樹脂中にほとんど含有されないことが分かったためである。ナイロンの添加量は、フェノール100重量部に対して0.5〜5重量部程度がよいと考えられる。炭化工程や賦活工程において、少なすぎると樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高めることができない。また、多すぎると、ナイロンは熱により分解されて焼成物中に残存しないため、活性炭吸着剤の充填密度が低下してスカスカとなり、強度や吸着性能が低下するおそれがあると考えられる。
次に、ホルムアルデヒド、乳化剤、反応媒体水が添加、混合され、両分子の架橋形成目的の塩基性触媒が添加される。これらは攪拌されながらの30ないし100℃の加熱により脱水縮合反応が進み、球状フェノール樹脂が合成される(「レゾール樹脂合成工程」)。なお、生成樹脂分は適宜洗浄される。
前述の工程にて使用のフェノールに代えて、水酸基を有する芳香族化合物も用いられる。例えば、クレゾール(o−、m−、p−位)、p−フェニルフェノール、キシレノール(2,5−、3,5−)、レゾルシノール、各種ビスフェノール等が挙げられる。
前述の工程にて使用のホルムアルデヒドに代えて、次のアルデヒド化合物も用いられる。アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキサール、フルフラール等が挙げられる。
レゾール樹脂の合成に使用される塩基性触媒にはアミン化合物が使用される。アミン化合物はレゾール樹脂分の合成に多用され、安定した反応を得る上で好適である。試作例では、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン、1,3,5,7−テトラアザアダマンタン)、トリエチレンテトラミン(N,N’−ジ(2−アミノエチル)エチレンジアミン)が使用される。これらに加えて、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等も塩基性触媒として挙げられる。レゾール樹脂調製工程にて添加される塩基性触媒の量は、当該工程中の総仕込量の1ないし10重量%である。添加量は塩基性触媒の種類等に依存する。
フェノール樹脂は、炭化及び賦活を経て樹脂炭化物、最終的に経口投与用の活性炭吸着剤となる。それゆえ、活性炭吸着剤は、口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸と消化管内を円滑に流動しながら尿毒症等の原因物質を吸着して、便とともに肛門から排泄される。そうすると、抵抗の少ない粒径ないし球形は、各種の消化管内の円滑な流動の便宜から望ましい形状である。この点に鑑み、炭化前の樹脂の段階から粒状物ないし球状物であることが望ましい。
そこで、レゾール樹脂調製工程においては乳化剤が添加される。同工程にて調製されるレゾール樹脂は、乳化剤の作用による分散により粒状物ないし球状物になる。乳化剤として、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアガム(アラビアゴム)等の水溶性の多糖類が使用される。乳化剤の添加量は、レゾール樹脂調製工程における総仕込量の0.1ないし5重量%である。乳化剤の種類、反応条件により適宜増減される。
乳化剤が添加されているため、レゾール樹脂調製工程中の加熱と攪拌を通じてエマルジョン化が進み、反応液中に粒状物ないし球状物となったレゾール(フェノール)樹脂(フェノール樹脂粒子)が生じる。乳化剤の添加によりフェノール等を含む反応液の表面張力は高まり、微小な液滴が生じて球状化は促進すると考えられる。当該フェノール樹脂の望ましい大きさは、平均粒径200ないし700μmの粒状物ないし球状物である。当該範囲の粒径は、次述の炭化の焼成に伴う体積減少を見越した大きさである。かつ、出来上がる活性炭吸着剤は経口投与の服用に適する大きさとなる。
次に、図2に示す工程図に係るナイロン含有複合フェノール樹脂調整工程について説明する。ナイロン含有複合フェノール樹脂は、ナイロンを含有したノボラック樹脂とレゾール樹脂よりなる複合フェノール樹脂である。はじめにフェノール樹脂の原料となる粒状フェノールにナイロンが付与、混合され、ナイロンはフェノールに溶解し、原料として調製される(「原料調製工程」)。ナイロンの添加量は、図1に係るレゾール樹脂調整工程と同様に、フェノール100重量部に対して0.5〜5重量部程度がよいと考えられる。
なお、図1に示すナイロン含有レゾール樹脂における原料調整工程においては、ナイロンは水溶性を有するナイロンを採用したが、図2に示すナイロン含有複合フェノール樹脂の原料調整工程におけるナイロンは水溶性を有するナイロンに限られない。これは、後述する生成されたノボラック樹脂にナイロンが溶解するためである。後述の試作例においても、通常の(水溶性を有さない)ナイロンを採用したところ、反応媒体水等にほとんどのナイロンが析出するようなことはなく、フェノール樹脂中にナイロンが含有されていた。
そして、先だってノボラック樹脂を生成するためのホルムアルデヒドと酸性触媒と、粒状物ないし球状物とするための乳化剤が添加されて撹拌されながら30ないし100℃に加熱されてノボラック樹脂分が調製される(「ノボラック樹脂合成工程」)。なお、反応触媒水も適宜適切に添加される。その後、ナイロンが付与されたフェノールにホルムアルデヒド、酸触媒及び乳化剤が添加されてなる溶液中に、ホルムアルデヒドと塩基性触媒が添加される。該溶液は、先の工程により生じたノボラック樹脂と、未反応のフェノールが含まれている。溶液中に残存した未反応のフェノールと、追加されたホルムアルデヒド及び添加された塩基性触媒とは攪拌されながらの30ないし100℃の加熱により脱水縮合反応が進み、未反応のフェノールからレゾール樹脂分が合成される(「複合フェノール樹脂調整工程」)。そこで、当該工程にて合成されたレゾール樹脂分とともに、先の工程にて合成されたノボラック樹脂分も含有する複合フェノール樹脂が調製される。なお、生成樹脂分は適宜洗浄される。
使用されるフェノールや代替の芳香族化合物や、ホルムアルデヒドの代替のアルデヒド化合物は、図1に示す工程図にかかるレゾール樹脂調整工程にて述べたものと同様である。そして、酸性触媒には、無機酸、有機酸が用いられる。試作例においてはシュウ酸を使用した。他にもギ酸等のカルボン酸、マロン酸等のジカルボン酸、塩酸、硫酸、リン酸等が酸性触媒として挙げられる。
一連の工程から調製されたフェノール樹脂(ナイロン含有レゾール樹脂及びナイロン含有複合フェノール樹脂)は、適宜の洗浄と乾燥後、図3の工程図に示す工程を経て樹脂炭化物となる。フェノール樹脂は、円筒状レトルト電気炉等の焼成炉内に収容され、炉内を窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下とし、300ないし1000℃、好ましくは450ないし700℃において1ないし20時間かけて炭化され、樹脂炭化物となる(「炭化工程」)。
炭化工程の後、樹脂炭化物は、ロータリー式外熱炉等の加熱炉等に収容され、750ないし1000℃、好ましくは800ないし1000℃、さらには850ないし950℃において水蒸気賦活される(「賦活工程」)。賦活時間は生産規模、設備等によるものの、0.5ないし50時間である。あるいは、二酸化炭素等のガス賦活も用いられる。賦活後の活性炭吸着剤は、希塩酸によって洗浄される。希塩酸洗浄後の活性炭吸着剤は、例えば、JIS K 1474(2014)に準拠したpHの測定により、pH5ないし7になるまで水洗される。
希塩酸の洗浄後、必要により活性炭吸着剤は、酸素及び窒素の混合気体中において加熱処理、水洗浄され、灰分等の不純物が取り除かれる。加熱処理により残留する塩酸分等は取り除かれる。そして、各処理を経ることにより活性炭吸着剤の表面酸化物量は調整される。酸洗浄後、賦活済みの樹脂炭化物に対する加熱処理を通じて、活性炭吸着剤の表面酸化物量は増加する。当該処理時の酸素濃度は0.1ないし21体積%である。また、加熱温度は150ないし1000℃、好ましくは400ないし800℃であり、15分ないし2時間である。
賦活処理後、又は賦活処理に続く加熱処理後の樹脂炭化物(活性炭吸着剤)は、篩別により平均粒子径150ないし500μmの粒状物ないし球状物の活性炭に選別されるのがよい。粒子径の調整及び分別により、活性炭吸着剤の吸着速度の一定化と吸着能力の安定化が図られる。粒子径の範囲特に限定されるものではないが、前記の範囲とすると、患者(服用者)の嚥下を円滑にするとともに活性炭吸着剤の表面積を確保することができる。また、粒子径が揃えられると、消化管内での吸着性能は安定することができる。しかも、粒子の硬さを維持して経口投与後(服用後)の消化管内でさらに粉化することも抑制される。ゆえに、経口投与用吸着剤の活性炭の形状は好ましくは球状物である。ただし、製造に起因する真球度のばらつき等も許容されるため、粒状物も含められる。
既述のとおり、図1に示す工程において、原料調製工程及びレゾール樹脂調製工程を経て調製されたフェノール樹脂(レゾール樹脂)は、ナイロンを含有している。ナイロンは熱可塑性樹脂であり、レゾール樹脂は熱硬化性樹脂である。従って、炭化工程の加熱温度にフェノール樹脂粒子が曝露された際、当該フェノール樹脂粒子中のナイロンとレゾール樹脂では耐熱性、溶融温度、揮発量等が互いに相違する。そうすると、焼成に伴う炭化は一様となるよりも、むしろフェノール樹脂粒子の炭化は不均質に進行すると考えられる。炭化時の加熱焼成によりフェノール樹脂粒子中から樹脂成分は揮発する。この揮発を通じて樹脂炭化物に割れ目、亀裂等が生じると予想される。このため、フェノール樹脂の樹脂炭化物由来の活性炭吸着剤には相対的にマクロ孔(およそ50nm以上)が発達しやすくなると考えられる。
フェノール樹脂から炭化を経て樹脂炭化物となり、さらに賦活を経て活性炭吸着剤に至る過程において、自明ながら揮発分の重量は減少する。そのため、揮発分の量が少ないほど活性炭吸着剤中の炭素量は増加し、より緻密な活性炭を得ることができる。そこで、ナイロン含有フェノール樹脂の揮発分は、50%以下に抑制される。
また、同様に、図2に示す工程において、ノボラック樹脂合成工程及び複合フェノール樹脂調製工程を経て調製されたナイロン含有複合フェノール樹脂は、ノボラック樹脂分とレゾール樹脂分の両方の異なる形質のフェノール樹脂とともにナイロンを含有している。フェノール樹脂の内、ノボラック樹脂は熱可塑性樹脂であり、レゾール樹脂は熱硬化性樹脂である。従って、炭化工程の加熱温度に複合フェノール樹脂粒子が曝露された際、当該複合フェノール樹脂粒子中のノボラック樹脂分とレゾール樹脂分及びナイロンでは耐熱性、溶融温度、揮発量等が互いに相違する。併せて、さらに耐熱性、溶融温度、揮発量等が異なるナイロンを含有することから、焼成に伴う炭化は一様となるよりも、むしろ複合フェノール樹脂粒子の炭化はさらに不均質に進行すると考えられる。炭化時の加熱焼成により複合フェノール樹脂粒子中から炭化分解ガスが揮発する。この揮発を通じて樹脂炭化物に割れ目、亀裂等が生じると予想される。このため、複合フェノール樹脂の樹脂炭化物由来の活性炭吸着剤には相対的にマクロ孔(およそ50nm以上)がさらに発達しやすくなると考えられる。
そこで、複合フェノール樹脂(複合フェノール樹脂粒子)中に占めるノボラック樹脂分(前者)とレゾール樹脂分(後者)の割合は、9:1ないし5:5である。ノボラック樹脂分とレゾール樹脂分を含有することによって、樹脂炭化物に生じる細孔中のマクロ孔の割合を高めることができる。また、吸着する目的物によって、割合を変更することで、任意の吸着性能を有する活性炭を製造することができる。
複合フェノール樹脂(複合フェノール樹脂粒子)から炭化を経て樹脂炭化物となり、さらに賦活を経て活性炭吸着剤に至る過程において、自明ながら揮発分の重量は減少する。そのため、揮発分の量が少ないほど活性炭吸着剤中の炭素量は増加し、より緻密な活性炭を得ることができる。そこで、複合フェノール樹脂(複合フェノール樹脂粒子)の揮発分は、60%以下に抑制される。
ナイロン含有レゾール樹脂及びナイロン含有複合フェノール樹脂は分子中に芳香環構造を有しているため、炭化率は高まる。さらに賦活により表面積の大きな活性炭吸着剤が生じる。賦活後の活性炭吸着剤は、従来の木質やヤシ殻、石油ピッチ等の活性炭と比較しても、細孔径は小さく充填密度は高い。そのため、比較的小さい分子量(分子量が数十ないし数百の範囲)のイオン性有機化合物の吸着に適する。また、ナイロンを含有する両フェノール樹脂は従来の活性炭原料の木質等と比較して窒素、リン、ナトリウム、マグネシウム等の灰分が少なく単位質量当たりの炭素の比率は高い。このため、不純物の少ない活性炭吸着剤を得ることができる。
マクロ孔側の割合が相対的に高められることにより、吸着対象は活性炭吸着剤内部へ容易に侵入できる。そして、吸着対象はマクロ孔に接続したメソ孔さらにはミクロ孔に補足され、吸着は速く進む。通常、摂食から排泄までのうち、食物が消化により分解されて小腸内を流動する時間はおよそ3ないし5時間と考えられる。つまり、小腸内を流動する間に経口投与用吸着剤(活性炭吸着剤)が目的の吸着対象である窒素を含有する低分子を吸着する必要がある。そこで、腸管内における効率良い吸着を勘案すると、短時間の吸着が望ましいといえる。このことから、活性炭吸着剤のマクロ孔側の細孔を多く発達させることには意味がある。
前述の製造方法から得られた活性炭吸着剤には、後記する試作例に掲げる肝機能障害や腎機能障害の原因物質を極力速やかに吸着すること、また比較的少ない服用量で十分な吸着性能を発揮することが求められる。具備すべき性質の調和範囲を見いだすべく、活性炭吸着剤は、水銀細孔容積値の容積比の指標で規定した。そして、後記する試作例の傾向等から明らかなとおり、各指標の好適な範囲値が導出される。なお、以下に記載する前記活性炭の物性等の測定方法及び諸条件等は、試作例において詳述する。
そして、活性炭吸着剤は粒状物ないし球状物であり、その平均粒子径は特に規定されないが、150ないし400μmであることが望ましい。粒子自体の大きさが前記の範囲であると、マクロ孔等の細孔が適宜に発達し、選択吸着性の面から好ましい。また、表面積が適当となるため、吸着速度や強度の面からも好ましい。
本明細書及び試作例における活性炭吸着剤の平均粒子径はレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%における粒径とした。
水銀細孔容積(VM)は活性炭のメソ孔ないしマクロ孔の大きな細孔を評価する指標である。そこで、細孔直径7.5〜1000nmの範囲のいわゆるメソ孔〜マクロ孔の範囲の水銀細孔容積(V2M)を求めた。また、細孔直径50〜1000nmの範囲が、吸着対象物の吸着に際し、有効な細孔の大きさであると考えられるため、該範囲、いわゆるマクロ孔の範囲の水銀細孔容積(V1M)を併せて求めた。
容積比(RV)は、前掲の式(i)にて示されるナイロン含有レゾール樹脂よりなる活性炭吸着剤において容積比(RV)は、0.3〜0.6と規定される。同式(i)の容積比(RV)は、細孔直径50〜1000nmの範囲(マクロ孔)の窒素細孔容積(V1M)を、細孔直径7.5〜1000nmの範囲(メソ孔〜マクロ孔)の水銀細孔容積(V2M)により除した商である。
そして、ナイロン含有複合フェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤において、容積比(RV)は、0.3〜0.8と規定される。
容積比(RV)は、すなわち、メソ孔ないしマクロ孔の範囲においてマクロ孔の割合が高いことを示す指標である。活性炭のような吸着剤の場合、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔のいずれの細孔も存在している。その中で、いずれの範囲の細孔をより多く発達させるかにより、活性炭吸着剤の吸着対象、性能は変化する。本発明において所望される活性炭吸着剤は、尿毒症の原因物質やその前駆物質に代表されるインドキシル硫酸、アミノイソ酪酸、トリプトファン等の窒素を含有する低分子量のイオン性有機化合物の吸着を想定する。そして、本発明の活性炭吸着剤は、前記の吸着対象の分子を従前の活性炭吸着剤よりも速く吸着することである。
先に述べたように、小腸内での活性炭吸着剤の滞在時間は3ないし5時間と考えられるため、短時間で経口投与用吸着剤(活性炭吸着剤)が目的の吸着対象である窒素を含有する低分子を吸着する必要がある。このことから、活性炭吸着剤のマクロ孔側の細孔を多く発達させることには意味がある。後記の試作例に開示するように、容積比(RV)の数値が高まるほど、吸着速度は速まる。
また、活性炭の充填密度については、0.3ないし0.6g/mLとするのがよい。充填密度が0.3g/mL未満の場合、服用量が増加してしまい経口投与時に嚥下しづらくなる。充填密度が0.6g/mLを超える場合、フェノール樹脂由来の活性炭としての選択吸着性が伴わなくなるおそれがある。このようなことから、充填密度は前記の範囲が好適となる。
このような活性炭吸着剤は、経口投与を目的とした薬剤であって、腎疾患又は肝疾患の治療剤又は予防剤となる。活性炭吸着剤の表面に発達した細孔内に疾患、慢性症状の原因物質が吸着、保持され、体外へ排出されることにより、症状悪化は緩和され、病態改善につながる。さらに、先天的あるいは後天的に代謝異常又はそのおそれのある場合、予め活性炭吸着剤を内服することにより、疾患、慢性症状の原因物質の体内濃度は下げられる。そこで、症状悪化を防ぐ予防としての服用も考えられる。
腎疾患として、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、さらに、透析前の軽度腎不全を挙げることができる。肝疾患として、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振戦(しんせん)、脳症、代謝異常、機能異常を挙げることができる。
活性炭吸着剤を経口投与用吸着剤として使用する際の投与量は、年令、性別、体格又は病状等に影響されるため一律の規定は難しい。しかし、一般にヒトを対象とする場合、活性炭吸着剤の重量換算で1日当り1〜20g、2〜4回の服用が想定される。活性炭吸着剤の経口投与用吸着剤は、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、懸濁剤、スティック剤、分包包装体、又は乳剤等による形態、剤型で投与される。
[試作例の合成]
試作例の活性炭吸着剤を調整するに際し、各試作例に対応するナイロン含有レゾール樹脂、ナイロン含有複合フェノール樹脂を合成した。そして、それぞれ合成した樹脂を炭化し、賦活して試作例の活性炭吸着剤を得た。
ナイロンとして、6種類を使用した。
・東レ株式会社製AQナイロン「A−90」(水溶性ナイロン)
(以下、N1という。)
・東レ株式会社製AQナイロン「P−70」(水溶性ナイロン)
(以下、N2という。)
・宇部興産株式会社製6−ナイロン「1011FB」
(以下、N3という。)
・宇部興産株式会社製6−ナイロン「1022B」
(以下、N4という。)
・宇部興産株式会社製6−ナイロン「1030B」
(以下、N5という。)
・宇部興産株式会社製ポリアミドエラストマー「9040X1」
(以下、N6という。)
〈試作例1〉
90%フェノール300重量部にナイロン(N1)2.7重量部を攪拌機、還流冷却器を備えた1Lのセパラブルフラスコ内に投入して60ないし80℃で1時間加熱した。そして、37%ホルムアルデヒド(ホルマリン)303重量部、乳化剤としてのアラビアゴム1.6重量部、塩基性触媒としてのトリエチレンテトラミン21.6重量部、水166重量部をセパラブルフラスコ内に投入し60℃を維持しながら1時間加熱して反応を進めた。その後、95℃以上に加熱し4時間還流してナイロン含有レゾール樹脂を調製した。
なお、レゾール樹脂分の合成促進と、未反応物の低減から原料物質量は当量比(モル換算量)により規定される。レゾール樹脂分の合成時のフェノールの当量(P1R)とホルムアルデヒドの当量(F1R)との当量比(R11)の関係は、式(ii)より導かれ、1.3であった。当量比(R11)は、1.1ないし1.8の範囲、より好ましくは1.1ないし1.6の範囲であれば、レゾール樹脂分とノボラック樹脂分の量の割合は好ましくなる。当量比(R11)が1.1を下回る場合、フェノールの量が過少であり、同当量比(R11)が1.8を上回る場合、相対的にフェノールの量が過剰である。当該当量比(R11)の範囲は好適なエマルジョン形成等を加味した範囲である。試作例1の当量比(R11)は1.3であった。
Figure 2020066742
〈試作例2〉
ナイロンをナイロン(N2)とした以外は試作例1と同様とし、試作例2のナイロン含有レゾール樹脂を調製した。試作例2の当量比(R11)は1.3であった。
〈試作例3〉
ナイロン(N2)を1.35重量部とした以外は試作例2と同様とし、試作例3のナイロン含有レゾール樹脂を調製した。試作例3の当量比(R11)は1.3であった。
〈試作例4〉
ナイロン(N2)を8.1重量部とした以外は試作例2と同様とし、試作例4のナイロン含有レゾール樹脂を調製した。試作例4の当量比(R11)は1.3であった。
〈比較例1〉
90%フェノール300重量部を攪拌機、還流冷却器を備えた1Lのセパラブルフラスコ内に投入して、37%ホルムアルデヒド(ホルマリン)303重量部、乳化剤としてのアラビアゴム1.6重量部、塩基性触媒としてのトリエチレンテトラミン21.6重量部、水163重量部をセパラブルフラスコ内に投入し60℃を維持しながら1時間加熱して反応を進めた。その後、95℃以上に加熱し4時間還流してレゾール樹脂を調製した。比較例1の当量比(R11)は1.3であった。
〈試作例5〉
次に、90%フェノール300重量部にナイロン(N3)2.7重量部を攪拌機、還流冷却器を備えた1Lのセパラブルフラスコ内に投入して60ないし80℃で1時間加熱した。そして、37%ホルムアルデヒド(ホルマリン)209.6重量部、酸性触媒としてのシュウ酸1.4重量部、乳化剤としてのアラビアゴム2.7重量部、水132.3重量部をさらに加えて90ないし100℃で2時間反応した。次に、37%ホルムアルデヒド(ホルマリン)93.2重量部、塩基性触媒としてのヘキサメチレンテトラミン18.9重量部とトリエチレンテトラミン8.1重量部、水40.5重量部を同セパラブルフラスコ内に投入し60℃を維持しながら1時間加熱して反応を進めた。その後、95℃以上に加熱し4時間還流して試作例5のナイロン含有複合フェノール樹脂を調製した。試作例5の当量比(R11)は1.3であった。
ノボラック樹脂分の合成促進と、未反応物の低減から原料物質量も当量比(モル換算量)により規定される。ノボラック樹脂分の合成時のフェノールの当量(P2N)とホルムアルデヒドの当量(F2N)との当量比(R21)の関係は、式(iii)より導かれ、試作例6においては0.9であった。当量比(R21)は、0.5ないし0.9の範囲であればノボラック樹脂分の合成に都合よい。当量比(R21)が0.5を下回る場合、フェノールの量が過少であり、同当量比(R21)が0.9を上回る場合、相対的にフェノールの量が過剰である。当該当量比(R21)の範囲も、当量比(R11)と同様に好適なエマルジョン形成等を加味した範囲である。
Figure 2020066742
〈試作例6〉
ナイロンをナイロン(N4)とした以外は試作例5と同様とし、試作例6のナイロン含有複合フェノール樹脂を調製した。当量比(R11)は、1.3、当量比(R21)は0.9であった。
〈試作例7〉
ナイロンをナイロン(N5)とした以外は試作例5と同様とし、試作例7のナイロン含有複合フェノール樹脂を調製した。当量比(R11)は、1.3、当量比(R21)は0.9であった。
〈試作例8〉
ナイロンをナイロン(N6)とした以外は試作例5と同様とし、試作例8のナイロン含有複合フェノール樹脂を調製した。当量比(R11)は、1.3、当量比(R21)は0.9であった。
〈比較例2〉
90%フェノール300重量部を攪拌機、還流冷却器を備えた1Lのセパラブルフラスコ内に投入し、37%ホルムアルデヒド(ホルマリン)209.6重量部、酸性触媒としてのシュウ酸1.4重量部、乳化剤としてのアラビアゴム3.2重量部、水158.8重量部をさらに加えて90ないし100℃で2時間反応した。次に、37%ホルムアルデヒド(ホルマリン)93.2重量部、塩基性触媒としてのヘキサメチレンテトラミン18.9重量部とトリエチレンテトラミン8.1重量部、水40.5重量部を同セパラブルフラスコ内に投入し60℃を維持しながら1時間加熱して反応を進めた。その後、95℃以上に加熱し4時間還流してナイロン含有複合フェノール樹脂を調製した。比較例2の当量比(R11)は、1.3、当量比(R21)は0.9であった。
各試作例及び比較例のナイロン含有レゾール樹脂、ナイロン含有複合フェノール樹脂におけるフェノール樹脂の種類、当量比(R11)、当量比(R21)、ナイロンの種類、ナイロンの含有率(%)を表1及び表2に示す。なお、ナイロンの含有率は、フェノール樹脂量に対するナイロン量の比率を表す。
Figure 2020066742
Figure 2020066742
[活性炭吸着剤の調製]
試作例のナイロン含有レゾール樹脂、ナイロン含有複合フェノール樹脂及び各比較例について、それぞれを円筒状のレトルト電気炉に収容し炉内を窒素により充たした後、600℃まで100℃/1時間で昇温し、600℃を1時間維持して炉内のフェノール樹脂を炭化した。その後、フェノール樹脂の炭化物を900℃に加熱し炉内に水蒸気を注入して900℃で一定時間維持して賦活した。賦活後、0.1%塩酸水溶液で洗浄して各試作例及び比較例の活性炭吸着剤を得た。
洗浄後の活性炭吸着剤について、JIS K 1474(2014)に記載の方法でpHを測定し、おおむねpH5ないし7になるまで水洗した。水洗後の活性炭吸着剤をロータリー式外熱炉により窒素雰囲気中において600℃で1時間加熱して、試作例に対応する活性炭吸着剤を得た。
[測定項目・測定方法]
試作例の複合フェノール樹脂及び活性炭吸着剤に関し、収率(%)、7.5〜1000nmの水銀細孔容積(V2M)(mL/g)、50〜1000nmの水銀細孔容積(V1M)(mL/g)、容積比(RV)、窒素細孔容積(VH)、平均粒子径(μm)、充填密度(g/mL)を測定した。結果は表3及び表4である。
〔収率〕
収率(%)は、炭化前の樹脂段階の重量と、炭化、賦活、洗浄、篩別を終えて最終的に分取した活性炭吸着剤の重量を計測して減少量を求めた。そして、当初の樹脂重量からの割合とした。
〔水銀細孔容積(VM)〕
各試作例及び比較例の活性炭吸着剤の水銀細孔容積(VM)は、株式会社島津製作所製,オートポア9500を使用し、接触角130°、表面張力484ダイン/cm(4.84mN/m)に設定し、細孔直径7.5〜1000nmの水銀圧入法による細孔容積値(V2M)(mL/g)及び細孔直径50〜1000nmの水銀圧入法による細孔容積値(V1M)(mL/g)を求めた。
〔容積比(RV)〕
容積比(RV)は、前述の式(i)に示されるように、細孔直径50〜1000nmの範囲(マクロ孔)の窒素細孔容積(V1M)を、細孔直径7.5〜1000nmの水銀細孔容積(V2M)により除した商とした。
〔窒素細孔容積(VH)〕
各試作例及び比較例の活性炭吸着剤の窒素細孔容積(VH)は、Gurvitschの法則を適用し、日本ベル株式会社製BELSORPminiを使用し、相対圧0.953における液体窒素換算した窒素吸着量(Vads)を(iv)式から液体状態の窒素体積(VH)に換算して求めた。同方法は細孔直径0.7ないし2.0nmの範囲を対象とした。(iv)式において、Mgは吸着質の分子量(窒素:28.020)、ρg(g/cm3)は吸着質の密度(窒素:0.808)である。
Figure 2020066742
〔平均粒径〕
試作例及び比較例の活性炭吸着剤の平均粒子径(μm)は、株式会社島津製作所製のレーザー光散乱式粒度分布測定装置(SALD3000S)を使用して測定し、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%における粒径とした。
〔充填密度〕
試作例及び比較例の活性炭吸着剤の充填密度(g/mL)は、JIS K 1474(2014)に準拠して測定した。
Figure 2020066742
Figure 2020066742
[物性値に関する考察]
ナイロン含有レゾール樹脂よりなる活性炭吸着剤である試作例1〜4は、レゾール樹脂よりなる活性炭吸着剤である比較例1に比較してメソ孔〜マクロ孔の範囲の水銀細孔容積(V2M)は大きく、マクロ孔の範囲の水銀細孔容積(V1M)も大きい。そして、同時に、容積比(RV)も大きくなった。すなわち、マクロ孔は多く発達し、その比率が高くなったことを確認できた。なお、ミクロ孔自体も窒素細孔容積(VH)の測定から、ミクロ孔についても多く発達したことも確認できた。
ナイロン含有複合フェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤である試作例5〜7は、複合フェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤である比較例2に比較して、水銀細孔容積(V1M)、(V2M)ともに大きくなったことが確認され、試作例8についてもおおよそ同等であることが確認された。そして、容積比(RV)については試作例5〜8のいずれも大きくなったことから、マクロ孔は多く発達し、その比率が高くなったことを確認できた。なお、ミクロ孔自体も窒素細孔容積(VH)の測定から、ミクロ孔についても多く発達したことも確認できた。
なお、比較例2の複合フェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤は、そもそもの水銀細孔容積(V1M)、(V2M)ともに大きく、容積比(RV)も高い値を示すものの、試作例5〜8のように活性炭吸着剤の原料となる複合フェノール樹脂にナイロンを含有させることで、さらにマクロ孔の割合を高めることができることが示された。
マクロ孔の発達は、フェノール樹脂に対する炭化焼成時において、樹脂成分の熱膨張(膨張率の相違)、揮発条件の相違等が複合的に重なり合い、活性炭表面の細孔に留まらず、活性炭の粒子内部に侵入する深さの細孔が生じたことが原因であると推察することができる。
マクロ孔が発達した結果、吸着能力を有するミクロ孔に通ずる道筋が拡大され、毒素が容易にミクロ孔に導入されると考えられることから、毒素を迅速に吸着することができる。
[吸着性能評価]
前述のとおり、試作例のナイロン含有レゾール樹脂及びナイロン含有複合フェノール樹脂の炭化、賦活の工程を経て調製した活性炭吸着剤は比較例のレゾール樹脂及び複合フェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤とそれぞれ比較してマクロ孔の相体割合が大きい。この点を踏まえ、発明者は、尿毒症等の原因となり得る窒素を含有する化合物に対する吸着性能の良否を検討した。
〔吸着性能実験1〕
そこで、含窒素低分子化合物から毒性物質として「トリプトファン、インドール、インドール酢酸及びインドキシル硫酸」の4種類の物質を選択した。各試作例及び比較例の活性炭吸着剤について、振とうによる激しい攪拌条件下で、3時間後の当該4種の分子の吸着率(%)を測定した。
トリプトファン、インドール、インドール酢酸及びインドキシル硫酸の4種類の吸着率については、pH7.4のリン酸緩衝液に前記の物質をそれぞれ溶解して0.1g/Lの濃度の標準溶液を調製した。
トリプトファンの標準溶液50mLに各試作例、比較例の球状活性炭をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
インドールの標準溶液50mLに各試作例、比較例の球状活性炭をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
インドール酢酸の標準溶液50mLに各試作例、比較例の球状活性炭をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
インドキシル硫酸の標準溶液50mLに各試作例、比較例の球状活性炭をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
その後、濾過して得た濾液について、全有機体炭素計(株式会社島津製作所製、TOC5000A)を用い、各濾液中のTOC濃度(mg/L)を測定し、各濾液中の被吸着物質の質量を算出した。各被吸着物質の吸着率(%)は(v)式より求めた。
Figure 2020066742
〔吸着性能実験2〕
また、小腸内の流動時間がおおよそ3ないし5時間であることから、遠心パドルによる緩やかな攪拌条件下で、3時間後のインドールの吸着率(Ar1)と24時間後のインドールの吸着率(Ar2)を測定し、下記式(vi)に示される該3時間後のインドールの吸着率(Ar1)を24時間後のインドールの吸着率(Ar2)で除した割合(As)(%)を、毒性物質の吸着速度の指標として計測することとした。
Figure 2020066742
インドールの標準溶液を溶出試験機用ベッセルに500mLずつ入れ、加温して37℃の一定温度とした。温度が安定した後、各試作例及び比較例の球状活性炭をそれぞれ0.1g添加し、パドル法100rpmで攪拌した。
3時間後及び24時間後に濾過して得た濾液について、分光光度計(株式会社島津製作所製、UVmini−1240)を用い、吸光光度法により279nmの吸光度を測定した。
表5及び6に、各試作例及び比較例の活性炭吸着剤について、吸着性能実験1としての上記4種類の物質の3時間後の吸着率(%)、吸着性能実験2としてのインドールの3時間後の吸着率(Ar1)(%)及び24時間後の吸着率(Ar2)(%)、そして(Ar1)を(Ar2)で除した3時間後の吸着率の割合(As)(%)を示した。
Figure 2020066742
Figure 2020066742
[吸着性能の結果・考察]
試作例1〜4のナイロン含有レゾール樹脂よりなる活性炭吸着剤は、吸着性能評価に供した毒性物質4種類の含窒素化合物のいずれについて、比較例1のレゾール樹脂よりなる活性炭吸着剤よりも同等ないしは高い吸着性能を発揮した。また、インドールの吸着速度の指標としての(Ar1)を(Ar2)で除した3時間後の吸着率の割合(As)に関しては、試作例1〜4の活性炭吸着剤は比較例1よりも高い性能を発揮した。試作例5〜8のナイロン含有複合フェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤は、比較例2の複合フェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤よりも高い吸着性能を発揮した。また、インドールの吸着速度に関しては同等ないしは高い性能を発揮した。この結果より、実際の投与後の消化管内においても迅速かつ効率的な吸着が進み、体外への排泄が期待できる。そこで、本発明により製造されたフェノール樹脂よりなる活性炭吸着剤は腎機能、肝機能障害等の治療、予防に有効な経口投与用吸着剤となり得る。
本発明の製造方法によるフェノール樹脂から生成された活性炭吸着剤は、経口投与により消化器官に達し、尿毒症、腎機能、肝機能障害等の原因となる窒素を含有する化合物を迅速に吸着できることから、治療剤又は予防剤として有望である。また本発明の活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂の製造方法は、活性炭吸着剤におけるマクロ孔を効率良く発達できることから、毒性物質の吸着性能及び吸着速度の高い活性炭吸着剤を得ることができる。

Claims (6)

  1. 炭化して賦活されて活性炭吸着剤とされる活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂であって、
    フェノールに対し、水溶性のナイロンを付与し溶融して原料を調製する原料調製工程と、
    該原料にホルムアルデヒドと、塩基性触媒と、乳化剤とを混合しながら加熱してナイロンを含有するナイロン含有レゾール樹脂を調製するレゾール調整工程とを有する
    ことを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
  2. 炭化して賦活されて活性炭吸着剤とされる活性炭吸着剤生成用のフェノール樹脂であって、
    フェノールに対し、ナイロンを付与し溶融して原料を調製する原料調製工程と、
    該原料にホルムアルデヒドと、酸性触媒と乳化剤とを混合しながら加熱してノボラック樹脂分を調製するノボラック樹脂合成工程と、
    前記ノボラック樹脂合成工程により得た溶液中に、ホルムアルデヒドと、塩基性触媒とを混合しながら加熱してレゾール樹脂成分を合成するとともに前記ノボラック樹脂分も含有したナイロン含有複合フェノール樹脂を調整する複合フェノール樹脂調整工程とを有する
    ことを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
  3. 前記ナイロンが付与される量が、フェノール100重量部に対して0.5〜5重量部である請求項1又は2に記載のフェノール樹脂の製造方法。
  4. 請求項1に記載の前記ナイロン含有レゾール樹脂より得た活性炭吸着剤であって、
    下記式(i)に示される50〜1000nmにおける水銀細孔容積(V1M)(g/mL)と7.5〜1000nmにおける水銀細孔容積(V2M)(g/mL)との割合(RV)が、0.3〜0.6であることを特徴とする活性炭吸着剤。
    Figure 2020066742
  5. 請求項2に記載の前記ナイロン含有複合フェノール樹脂より得た活性炭吸着剤であって、
    上記式(i)に示される50〜1000nmにおける水銀細孔容積(V1M)(g/mL)と7.5〜1000nmにおける水銀細孔容積(V2M)(g/mL)との割合(RV)が、0.3〜0.8であることを特徴とする活性炭吸着剤。
  6. 前記活性炭吸着剤が、経口投与用腎疾患又は経口投与用肝疾患のための治療剤又は予防剤であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の経口投与用吸着剤。
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