JP2020066161A - 接合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物を主成分とする成形体と、樹脂成形体とを安定して強固に接着させて、当該成形体と当該樹脂成形体の接合体を製造する方法の提供。【解決手段】下記工程1及び2を含む、接合体の製造方法。工程1:樹脂成形体の表面に対して、珪素化合物の存在下で、所定の表面加工を行う処理(i)と、樹脂成形体の表面に対して、所定の表面加工を行った後に、当該表面を珪素化合物と接触させる処理(ii)の少なくとも一つの処理を実施する工程。工程2:工程1を経た樹脂成形体と、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物を主成分とする成形体とを、樹脂成形体の処理(i)と(ii)の少なくとも一方がなされた表面と成形体とが接するように積層し、加熱圧着する工程。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物を含む成形体と、樹脂成形体とを接着して接合体を製造する方法に関する。
アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物は、ガラス板と樹脂シートとの接着や、金属箔と樹脂シートとの接着等に有用であり、例えば特許文献1〜3には、医薬品や食品の包装、太陽電池モジュール用封止材、有機EL素子用封止材、電子部品用封止材、および合わせガラス中間膜等に利用できることが開示されている。
そして、特許文献3では、アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物からなるシートと熱可塑性樹脂シートとが接着してなる接合体を作製するに際し、これら二つのシートの加熱圧着に先んじて、熱可塑性樹脂シートの表面に対して、プラズマ照射、エキシマ紫外線照射及びコロナ放電から選ばれる少なくとも一種の活性化処理を行うことで、これらの二つのシートを強固に接着させることが提案されている。
国際公開第2015/137376号 特開2017−171833号公報 国際公開第2017/154718号
しかしながら、本発明者が検討したところ、上記特許文献3の活性化処理は、その効果が維持される時間が必ずしも長いとはいえないという問題点があることが明らかとなった。そのため、アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物からなるシートと熱可塑性樹脂シートとを貼り合わせた製品を製造するに際し、貼り合わせ面の強固な接着力を確保するには、両者を貼り合わせる直前に上記活性化処理を行うことが必要となる等、製造上の制約となる虞があった。即ち、上記従来の手法では、アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物からなるシートと熱可塑性樹脂シートとが強固に接着してなる接合体を安定して製造することが困難であった。
そこで、本発明は、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物を主成分とする成形体と、樹脂成形体とを安定して強固に接着させて、当該成形体と当該樹脂成形体の接合体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物を主成分とする成形体と、樹脂成形体との貼り合わせに先んじて、樹脂成形体の表面に対して、珪素化合物の存在下で所定の表面加工を行う表面処理、及び/又は、所定の表面加工を施した後に珪素化合物を接触させる表面処理を行えば、表面処理の実施後長時間が経過した後に貼り合わせを行ったとしても、変性ブロック共重合体水素化物を主成分とする成形体と、樹脂成形体とを安定して強固に接着できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(3)の接合体の製造方法が提供される。
(1)アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]と、樹脂成形体[G]とを接着して接合体[H]を製造する方法であって、下記工程1及び2を含む、接合体の製造方法。
工程1:前記樹脂成形体[G]の表面に対して、珪素化合物の存在下で、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電、及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つを行う処理(i)と、前記樹脂成形体[G]の表面に対して、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つを行った後に、当該表面を珪素化合物と接触させる処理(ii)の少なくとも一つの処理を実施する工程。
工程2:前記工程1を経た前記樹脂成形体[G]と、前記成形体[F]とを、前記樹脂成形体[G]の前記処理(i)と(ii)の少なくとも一方がなされた表面と前記成形体[F]とが接するように積層し、加熱圧着する工程。
(2)前記接合体[H]における前記成形体[F]と前記樹脂成形体[G]との接着面の剥離強度が4N/cm以上である、(1)の接合体の製造方法。
(3)前記変性ブロック共重合体水素化物[E]が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕を主成分とする、少なくとも二つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕を主成分とする、少なくとも一つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]であって、前記構造単位〔a〕の全量がブロック共重合体[C]に占める質量分率をwaとし、前記構造単位〔b〕の全量がブロック共重合体[C]に占める質量分率をwbとしたときに、waとwbとの比wa:wbが20:80〜60:40であるブロック共重合体[C]の、前記構造単位〔b〕由来の炭素−炭素不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物[D]に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物である、(1)または(2)の接合体の製造方法。
本発明の接合体の製造方法によれば、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物を主成分とする成形体と、樹脂成形体とを安定して強固に接着させて、当該成形体と当該樹脂成形体の接合体を製造することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の接合体の製造方法は、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]と、樹脂成形体[G]とを接着して接合体[H]を製造する方法である。そして、本発明の接合体の製造方法は、少なくとも、以下の工程1及び2を含むことを特徴とする。
工程1:樹脂成形体[G]の表面に対して、珪素化合物の存在下で、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電、及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つの表面加工を行う処理(i)、並びに/又は、
樹脂成形体[G]の表面に対して、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つの表面加工を行った後に、当該表面加工を行った表面(以下、「被加工面」という。)を珪素化合物と接触させる処理(ii)、
を実施する工程。
工程2:上記工程1を経た樹脂成形体[G]と、成形体[F]とを、樹脂成形体[G]の上記処理(i)及び/又は上記処理(ii)がなされた表面(以下、「被処理面」という。)と成形体[F]とが接するように積層し、加熱圧着する工程。
そして、上述した工程1及び工程2を経ることで、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]と、樹脂成形体[G]とが強固に接着してなる接合体を、安定して製造することができる。
(成形体[F])
成形体[F]は、変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする。そして、成形体[F]は、変性ブロック共重合体水素化物[E]以外の成分(以下、「その他の成分」と称する。)を含んでいてもよい。
なお、本発明において、成形体が特定の重合体を「主成分とする」とは、「成形体の全質量を100質量%として、当該重合体を70質量%以上含む」ことを意味する。
なお、成形体[F]中に含まれる変性ブロック共重合体水素化物[E]の含有量は、成形体[F]全体を100質量%として、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
<変性ブロック共重合体水素化物[E]>
変性ブロック共重合体水素化物[E]は、前駆体であるブロック共重合体水素化物[D]に、アルコキシシリル基が導入された高分子である。
<<ブロック共重合体水素化物[D]>>
ここで、ブロック共重合体水素化物[D]は、アルコキシシリル基の導入が可能であれば特に限定されないが、ブロック共重合体水素化物[D]としては、例えば、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位〔a〕を主成分とする重合体ブロック[A]と鎖状共役ジエン化合物(直鎖状共役ジエン化合物、分岐鎖状共役ジエン化合物)に由来する構造単位〔b〕を主成分とする重合体ブロック[B]とを有するブロック共重合体[C]を水素化して得られる高分子を好適に用いることができる。
なお、本発明において、重合体ブロックが特定の構造単位を「主成分とする」とは、「重合体ブロックを構成する全構造単位(全繰り返し単位)を100質量%として、当該構造単位を70質量%以上含む」ことを意味する。
〔ブロック共重合体[C]〕
ブロック共重合体[C]は、少なくとも2個の重合体ブロック[A]と少なくとも1個の重合体ブロック[B]を有することが好ましい。
〔〔重合体ブロック[A]〕〕
重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位〔a〕を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック[A]中における構造単位〔a〕の含有割合は、重合体ブロック[A]を構成する全構造単位を100質量%として、70質量%以上であることが必要であり、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることが更に好ましい。重合体ブロック[A]中における構造単位〔a〕の含有割合が少な過ぎると、変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]の耐熱性が低下するおそれがある。なお、重合体ブロック[A]中における構造単位〔a〕の含有割合の上限は特に限定されず、100質量%以下とすることができる。
重合体ブロック[A]は、構造単位〔a〕以外の構造単位(その他の構造単位)を含有していてもよい。重合体ブロック[A]が含有しうるその他の構造単位としては、鎖状共役ジエン化合物に由来する構造単位〔b〕および/またはその他のビニル化合物に由来する構造単位〔j〕が挙げられる。重合体ブロック[A]中における鎖状共役ジエン化合物に由来する構造単位〔b〕およびその他のビニル化合物に由来する構造単位〔j〕の含有割合の合計は、重合体ブロック[A]を構成する全構造単位を100質量%として、30質量%以下であることが必要であり、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に好ましい。
―芳香族ビニル化合物―
ここで、構造単位〔a〕を導入するために使用される芳香族ビニル化合物としては、スチレン;α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン等の、置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有するスチレン類;4−メトキシスチレン等の、置換基として炭素数1以上6以下のアルコキシ基を有するスチレン類;4−フェニルスチレン等の、置換基としてアリール基を有するスチレン類;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等の、ビニルナフタレン類;等が挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
そしてこれらの中でも、成形体[F]の吸湿性を低下させる観点から、スチレンや、置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有するスチレン類等の、極性基を含有しない芳香族ビニル化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンが特に好ましい。
―鎖状共役ジエン化合物―
また、構造単位〔b〕を導入するために使用される鎖状共役ジエン系化合物(直鎖状共役ジエン化合物、分岐鎖状共役ジエン化合物)としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
そしてこれらの中でも、成形体[F]の吸湿性を低下させる観点から、極性基を含有しない鎖状共役ジエン系化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
―その他のビニル化合物―
そして、構造単位〔j〕を導入するために使用されるその他のビニル系化合物としては、芳香族ビニル化合物および鎖状共役ジエン化合物以外のビニル化合物、例えば、鎖状ビニル化合物、環状ビニル化合物、不飽和の環状酸無水物、不飽和イミド化合物等が挙げられる。これらの化合物は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。また、これらの化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。そしてこれらの中でも、成形体[F]の吸湿性を低下させる観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン等の、炭素数2以上20以下の鎖状ビニル化合物(鎖状オレフィン);ビニルシクロヘキサン、ノルボルネン等の炭素数5以上20以下の環状ビニル化合物(環状オレフィン);1,3−シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン化合物;等の、極性基を含有しないものが好ましい。
〔〔重合体ブロック[B]〕〕
重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン化合物に由来する構造単位〔b〕を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック[B]中における構造単位〔b〕の含有割合は、重合体ブロック[B]を構成する全構造単位を100質量%として、70質量%以上であることが必要であり、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。重合体ブロック[B]中における構造単位〔b〕の含有割合が少な過ぎると、成形体[F]の柔軟性が低下するおそれがある。なお、重合体ブロック[B]中における構造単位〔b〕の含有割合の上限は特に限定されず、100質量%以下とすることができる。
重合体ブロック[B]は、構造単位〔b〕以外の構造単位(その他の構造単位)を含有していてもよい。重合体ブロック[B]が含有しうるその他の構造単位としては、「重合体ブロック[A]」の項で上述した、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位〔a〕及び/又はその他のビニル化合物に由来する構造単位〔j〕が挙げられる。重合体ブロック[B]中における芳香族ビニル化合物に由来する構造単位〔a〕およびその他のビニル化合物に由来する構造単位〔j〕の含有割合の合計は、重合体ブロック[B]を構成する全構造単位を100質量%として、30質量%以下であることが必要であり、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
―鎖状共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及びその他のビニル化合物―
構造単位〔b〕を導入するために使用される鎖状共役ジエン化合物、構造単位〔a〕を導入するために使用される芳香族ビニル化合物、および、構造単位〔j〕を導入するために使用されるその他のビニル化合物の具体例としては、それぞれ「重合体ブロック[A]」の項で上述したものを使用することができ、それぞれの好適例も「重合体ブロック[A]」の項で好適例として挙げたものと同様である。
〔〔ブロック共重合体[C]の性状〕〕
ここで、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕の全量がブロック共重合体[C]に占める質量分率をwaとし、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕の全量がブロック共重合体[C]に占める質量分率をwbとしたときに、waとwbとの比wa:wbは、20:80〜60:40であることが好ましく、30:70〜55:45であることがより好ましく、40:60〜50:50であることが更に好ましい。
芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕の質量分率(wa)を60%以下にすることにより、成形体[F]の柔軟性を確保することができる。一方、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕の質量分率(wa)を20%以上にすることにより、成形体[F]の耐熱性を確保することができる。
なお、「waとwbとの比(wa:wb)」については、ブロック共重合体を製造する過程において、ブロック共重合体の重合に用いた芳香族ビニル化合物、鎖状共役ジエン化合物およびその他のビニル化合物の部数と、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用して測定されたブロック共重合体の各ブロックの重合終了段階での用いたモノマーの重合体への重合転化率より、算出することができる。
また、ブロック共重合体[C]中の全重合体ブロック[A]が、ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]が、ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)は、20:80〜60:40であることが好ましく、30:70〜55:45であることがより好ましく、40:60〜50:50であることが更に好ましい。
重合体ブロック[A]の質量分率(wA)を60%以下にすることにより、成形体[F]の柔軟性を確保することができる。一方、重合体ブロック[A]の質量分率(wA)を20%以上にすることにより、成形体[F]の耐熱性を確保することができる。
そして、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の数は、上述した通り2個以上であることが好ましく、3個以下であることが好ましく、2個であることがより好ましい。また、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[B]の数は、上述した通り1個以上であり、2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]及び重合体ブロック[B]の数が多くなると、ブロック共重合体水素化物[D]において、重合体ブロック[A]由来の水素化重合体ブロックと重合体ブロック[B]由来の水素化重合体ブロックとの相分離が不明瞭になり、重合体ブロック[A]由来の水素化重合体ブロックに基づく高温側のガラス転位温度が低下して、成形体[F]の耐熱性が低下するおそれがある。
なお、ブロック共重合体[C]に含まれる複数の重合体ブロック[A]同士は、組成及び/又はブロック長が互いに同一であっても、相異なっていてもよい。また、ブロック共重合体[C]が重合体ブロック[B]を複数有する場合、複数の重合体ブロック[B]同士は、組成及び/又はブロック長が互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
また、ブロック共重合体[C]のブロックの形態は、特に限定されず、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでもよい。鎖状型ブロックであるのが成形体[F]の機械的強度に優れ好ましい。
ブロック共重合体[C]の最も好ましい形態は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック共重合体([A]−[B]−[A])である。
そして、ブロック共重合体[C]の分子量は、成形体[F]の耐熱性および機械的強度を向上させる観点から、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、好ましくは35,000以上、より好ましくは38,000以上、更に好ましくは40,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、更に好ましくは100,000以下である。また、ブロック共重合体[C]の分子量分布(Mw/Mn)は、成形体[F]の耐熱性および機械的強度を向上させる観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.7以下である。
〔〔ブロック共重合体[C]の製造方法〕〕
ブロック共重合体[C]の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、ブロック共重合体[C]の製造方法としては、国際公開第2003/018656号、国際公開第2011/096389号等に記載の方法を採用することができる。
〔ブロック共重合体[C]の水素化〕
上述したブロック共重合体[C]の少なくとも鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合を水素化することで、ブロック共重合体水素化物[D]を得ることができる。
ここで、ブロック共重合体水素化物[D]は、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
水素化に際して、ブロック共重合体[C]の、構造単位〔b〕(鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位)由来の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、成形体[F]の耐光性及び耐熱劣化性を向上させる観点から、好ましくは、90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上である。
例えば、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化する場合、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上であり、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。
鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより、得られるブロック共重合体水素化物[D]はブロック共重合体[C]に比べて耐光性、耐熱劣化性が向上する。そして、鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率が90%を下回る場合、成形体[F]の耐光性、耐熱劣化性が劣るおそれがある。また、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を15%以下に抑制することにより、成形体[F]の耐熱劣化性を維持し易くなる。
また例えば、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する場合、水素化率は、全炭素−炭素不飽和結合の90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、98%以上であることが更に好ましい。水素化率を90%以上にすることにより、成形体[F]は、耐光性及び耐熱劣化性に優れる。また、鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化したブロック共重合体水素化物[D]を前駆体として得られる変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]に比較して、耐光性及び耐熱劣化性がより優れ、更に熱変形温度も高くなるため特に好ましい。
ブロック共重合体水素化物[D]の、鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率並びに芳香族ビニル化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、例えば、前駆体であるブロック共重合体[C]及びブロック共重合体水素化物[D]のH−NMRを測定することにより、求めることができる。
ブロック共重合体[C]中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよい。
ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素化する方法としては、例えば、特開2015−78090号公報等に記載された公知の水素化方法が挙げられる。
また、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号等に記載された方法が挙げられる。
水素化反応終了後においては、水素化触媒、又は水素化触媒及び重合触媒を反応溶液から除去した後、得られた溶液からブロック共重合体水素化物[D]を回収することができる。
回収されたブロック共重合体水素化物[D]の形態は限定されるものではないが、通常はペレット形状にして、その後のアルコキシシリル基の導入反応に供することができる。
ブロック共重合体水素化物[D]の分子量は、成形体[F]に十分な溶融成形性と機械的強度を付与する観点から、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、好ましくは35,000以上、より好ましくは38,000以上、更に好ましくは40,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、更に好ましくは100,000以下である。
また、ブロック共重合体水素化物[D]の分子量分布(Mw/Mn)は、成形体[F]に十分な溶融成形性と機械的強度を付与する観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.7以下である。
<<ブロック共重合体水素化物[D]へのアルコキシシリル基の導入>>
上述したブロック共重合体水素化物[D]に、アルコキシシリル基を導入することで、変性ブロック共重合体水素化物[E]を得ることができる。
ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入することにより、変性ブロック共重合体水素化物[E]にガラスや金属に対する強固な接着性が付与される。
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等の、トリ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、プロピルジメトキシシリル基、プロピルジエトキシシリル基等の、(炭素数1〜20アルキル)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基等の、(アリール)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;等が挙げられる。また、アルコキシシリル基は、ブロック共重合体水素化物[D]に、炭素数1〜20のアルキレン基や、炭素数2〜20のアルキレンオキシカルボニルアルキレン基等の2価の有機基を介して結合していても良い。これらの中でも、変性ブロック共重合体水素化物[E]にガラスや金属に対する更に優れた接着性を付与すると共に、成形体[F]と樹脂成形体[G]が一層強固に接着してなる接合体を安定して製造する観点から、トリメトキシシリル基がより好ましい。なお、ブロック共重合体水素化物[D]に導入されるアルコキシシリル基は、1種単独でもよく、複数種であってもよい。
ここで、ブロック共重合体水素化物[D]へのアルコキシシリル基の導入量は、ブロック共重合体水素化物[D]100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。アルコキシシリル基の導入量が多過ぎると、得られる変性ブロック共重合体水素化物[E]を所望の形状に溶融成形する前に微量の水分等で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋が進み、ゲル化したり、溶融時の流動性が低下して成形性が低下したりする等のおそれがある。一方、アルコキシシリル基の導入量が少な過ぎると、成形体[F]を樹脂成形体[G]と接着するのに十分な接着力が得られないおそれがある。
なお、変性ブロック共重合体水素化物[E]にアルコキシシリル基が導入されたことは、IRスペクトルで確認することができる。また、その導入量は、H−NMRスペクトルにて算出することができる。
ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入する方法は、特に限定されない。好ましい方法としては、例えば、ブロック共重合体水素化物[D]に、有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物を反応(グラフト化反応)させることにより、アルコキシシリル基を導入する方法が挙げられる。
用いるエチレン性不飽和シラン化合物としては、ブロック共重合体水素化物[D]とグラフト化反応し、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入するものであれば、特に限定されない。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、等が好適に用いられる。
これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。そして、これらの中でも、変性ブロック共重合体水素化物[E]にガラスや金属に対する更に優れた接着性を付与すると共に、成形体[F]と樹脂成形体[G]が一層強固に接着してなる接合体を安定して製造する観点から、ビニルトリメトキシシランが特に好ましい。
グラフト化反応に使用する有機過酸化物としては、1分間半減期温度が100℃以上190℃以下のものが好ましく使用される。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が好適に用いられる。
これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ブロック共重合体水素化物[D]とエチレン性不飽和シラン化合物とを、有機過酸化物の存在下で反応させる方法は、特に限定されない。例えば、ブロック共重合体水素化物[D]、エチレン性不飽和シラン化合物及び過酸化物からなる混合物を、二軸混練機にて溶融状態で所望の時間混練することにより、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を容易に導入することができる。二軸混練機による混練温度は、好ましくは180℃以上、より好ましくは185℃以上、更に好ましくは190℃以上であり、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下、更に好ましくは200℃以下である。加熱混練時間は、好ましくは0.1分以上10分以下、好ましくは0.2分以上5分以下、より好ましくは0.3分以上2分以下である。加熱混練温度、加熱混練時間(滞留時間)が上記範囲になるようにして、連続的に混練、押出しをすることにより、目的とする変性ブロック共重合体水素化物[E]を効率よく製造することができる。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E]の形態は限定されるものではないが、通常はペレット形状にして、その後の成形加工や添加剤などのその他の成分の配合に供することができる。
変性ブロック共重合体水素化物[E]の分子量は、導入されるアルコキシシリル基の量が少ないため、原料として用いたブロック共重合体水素化物[D]の分子量と大きくは変わらない。ただし、有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物と反応させるため、重合体の架橋反応、切断反応が併発し、変性ブロック共重合体水素化物[E]の分子量分布の値は大きくなる傾向にある。
変性ブロック共重合体水素化物[E]の分子量は、成形体[F]の耐熱性及び機械的強度を向上させる観点から、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、好ましくは35,000以上、より好ましくは38,000以上、更に好ましくは40,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、更に好ましくは100,000以下である。
また、分子量分布(Mw/Mn)は、成形体[F]の耐熱性及び機械的強度を向上させる観点から、好ましくは3.5以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下である。
<成形体[F]の製造方法>
成形体[F]は、主成分である変性ブロック共重合体水素化物[E]、及び、必要に応じて各種の添加剤や充填剤などのその他の成分を含有する樹脂組成物[f]を成形することにより得ることができる。
<<変性ブロック共重合体水素化物[E]>>
樹脂組成物[f]における変性ブロック共重合体水素化物[E]の含有量は、樹脂組成物[f]を100質量%として、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
<<その他の成分>>
〔添加剤〕
添加剤としては、粘着性付与剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、光安定剤等が挙げられる。これらは、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔〔粘着性付与剤〕〕
粘着性付与剤の具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−1−オクテン、エチレン・α−オレフィン共重合体等の低分子量体及びその水素化物;ポリイソプレン、ポリイソプレン−ブタジエン共重合体等の低分子量体及びその水素化物等が挙げられる。粘着性付与剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に透明性、耐光性を維持し、より低温での粘着性付与の効果に優れている点で、低分子量(数平均分子量が通常300以上5,000以下)のポリイソブチレン水素化物、低分子量(数平均分子量が通常300以上5,000以下)のポリイソプレン水素化物が好ましい。
〔〔紫外線吸収剤〕〕
紫外線吸収剤としては、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔〔赤外線吸収剤〕〕
赤外線吸収剤としては、金属酸化物微粒子、近赤外線吸収色素等が挙げられる。
金属酸化物微粒子としては、酸化錫、アルミニウムドープ酸化錫、インジウムドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化錫等の錫酸化物の微粒子;酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、錫ドープ酸化亜鉛、珪素ドープ酸化亜鉛等の亜鉛酸化物の微粒子;酸化チタン、ニオブドープ酸化チタン等のチタン酸化物の微粒子;酸化タングステン、ナトリウムドープ酸化タングステン、セシウムドープ酸化タングステン、タリウムドープ酸化タングステン、ルビジウムドープ酸化タングステン等のタングステン酸化物の微粒子;酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム等のインジウム酸化物の微粒子;等が挙げられる。
近赤外線吸収色素としては、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イモニウム化合物、ジイモニウム化合物、ポリメチン化合物、ジフェニルメタン化合物、アントラキノン化合物、ペンタジエン化合物、アゾメチン化合物、6ホウ化ランタン等が挙げられる。
赤外線吸収剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔〔酸化防止剤〕〕
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔〔ブロッキング防止剤〕〕
ブロッキング防止剤としては、エチレンビスステアリン酸アマイド、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ミリスチン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、ベヘン酸亜鉛、モンタン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等が挙げられる。ブロッキング防止剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔〔光安定剤〕〕
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が使用できる。光安定剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔〔添加量〕〕
粘着性付与剤の添加量は、変性ブロック共重合体水素化物[E]100質量部に対し、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。添加量は要求される粘着性に応じて適宜選定できる。
紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、光安定剤等の添加量は、これらの添加剤の合計が、変性ブロック共重合体水素化物[E]100質量部に対し、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
〔充填剤〕
充填剤としては、機械的強度を向上させるための有機繊維、無機繊維及び無機層状化合物;意匠性を付与するための顔料、色素及び中空粒子;導電性を付与するための金属繊維、炭素繊維及びカーボンナノチューブ;等が挙げられる。充填剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔その他の成分の配合方法〕
変性ブロック共重合体水素化物[E]に、上述した添加剤や充填剤などのその他の成分を配合する方法としては、一般に用いられる公知の方法が適用できる。
例えば、変性ブロック共重合体水素化物[E]のペレット及びその他の成分を、タンブラー、リボンブレンダー、ヘンシェルタイプミキサー等の混合機を使用して均等に混合した後、二軸押出し機等の連続式溶融混練機により溶融混合し、押出してペレット状にする方法や、変性ブロック共重合体水素化物[E]を、サイドフィーダーを備えた二軸押出し機により、サイドフィーダーから配合剤を連続的に添加しながら、溶融混練して押出し、ペレット状にする方法等によって、その他の成分が均一に分散された、成形体[F]製造用の樹脂組成物(f)を製造することができる。
<<成形体[F]の製造方法>>
樹脂組成物(f)を成形して成形体[F]を製造する方法としては、特に限定されず、溶融押出し成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、射出成型法、等の公知の成形方法が適用できる。なかでも、成形体[F]の形状がシート状である場合、成形体[F]の成形方法としては溶融押出し成形法が好ましく、比較的経済的で高品質な製品を得られる点で、Tダイからキャストロール面に押し出す方法が好ましく用いられる。
溶融押出し成形法により、シート状の成形体[F]を成形する場合は、樹脂温度は、好ましくは170℃以上250℃以下、より好ましくは180℃以上240℃以下、更に好ましくは190℃以上230℃以下の温度範囲で適宜選択される。
樹脂温度が低過ぎる場合は、流動性が悪化し、得られるシート状の成形体[F]にゆず肌やダイライン等の不良を生じ易く、また、シート状の成形体[F]の押出し速度が上げられず、工業的に不利となるおそれがある。樹脂温度が高過ぎる場合は、シート状の成形体[F]のガラスおよび金属ヘの接着性が不良となったり、シート状の成形体[F]の貯蔵安定性が低下して、常温常湿環境下で長期間貯蔵した後のガラスおよび金属に対する接着性が低下したりするおそれがある。
<<成形体[F]の性状>>
シート状の成形体[F]の表面は、平面状やエンボス加工を施した形状等とすることができる。また、シート状の成形体[F]同士のブロッキングを防止するために、シート状の成形体[F]の片面に、離型フィルムを重ねて保管することもできる。
シート状の成形体[F]の厚みは、特に制限されないが、好ましくは0.02mm以上、より好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上であり、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下である。
シート状の成形体[F]の厚みが上記範囲にあれば、例えば、ガラス板とシート状の樹脂成形体[G]の間に配置して接着剤として使用し、樹脂シートにより耐貫通性を強化した合わせガラス等として好適に使用できる。
シート状の成形体[F]の厚みは均一であっても不均一であっても良い。また、シート状の成形体[F]は、凹凸パターン、エンボス形状、段差、溝形状、貫通孔等の不均一構造を有するものであっても良い。
(樹脂成形体[G])
樹脂成形体[G]は、上述した変性ブロック共重合体水素化物[E]以外の樹脂材料を主成分とする。
そして、樹脂成形体[G]は、樹脂材料(熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂など)を含み、任意に各種添加剤や充填剤等を含む樹脂組成物を成形して得られる。樹脂成形体[G]は、厚さが均等なシート状の成形体であっても各部位の厚さが不均等な成形体であってもよい。
なお、樹脂成形体[G]がポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなるフィルムの場合は、本発明の製造方法で得られる接合体[H]を合わせガラスの中間膜等に使用することにより、合わせガラスの耐貫通性を向上させる等の効果が期待できる。
本発明の製造方法で使用する樹脂成形体[G]は、透明であっても不透明であってもよいが、透明性を有するものが特に好ましい。
例えば、本発明の製造方法により得られる接合体[H]が合わせガラス等の光透過性や透明性を要求されるような用途で使用される場合、透明性を有するシート状の樹脂成形体[G]を使用することで、成形体[F]と接合することにより透明性が良好な接合体[H]を得ることができる。
<樹脂材料>
ここで、樹脂成形体[G]の主成分である樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れも用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・ビニルノルボルネン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;
エチレン・ノルボルネン共重合体、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体、ノルボルネン誘導体の開環メタセシス重合体水素化物、シクロヘキサジエン重合体等のシクロオレフィンポリマー;
エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体に例示されるオレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体;
エチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体を金属化合物と反応させて得られたアイオノマー樹脂;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;
ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のビスフェノール類と塩化カルボニル等のカルボニル化合物との反応で得られるポリカーボネート樹脂;
ポリスチレン、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂;
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル・メタクリル酸グリシジル共重合体、メタクリル酸メチル・メタクリル酸トリシクロデシル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体;
エチレン・酢酸ビニル共重合体;
ポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体等の含ハロゲン系樹脂;
ポリウレタン系樹脂;
ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の芳香族系樹脂;
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6T等のポリアミド系樹脂;等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、
エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂;等が挙げられる。
これらの樹脂材料は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、例えば、ガラス板と積層して使用する場合は、優れた透明性、機械的強度等の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体がより好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよび/またはメタクリルを意味し、「(共)重合体」は、単独重合体および/または共重合体を意味する。
樹脂成形体[G]が、熱可塑性樹脂を主成分とする場合、樹脂成形体[G]中における熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂成形体[G]を100質量%として、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
樹脂成形体[G]が、熱硬化性樹脂を含む場合、樹脂成形体[G]中における熱硬化性樹脂の含有量は、樹脂成形体[G]を100質量%として、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。
<その他の成分>
樹脂成形体[G]に含まれる添加剤としては、特に限定されないが、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。これらの具体例としては、「成形体[F]」の項で上述したものと同様のものが挙げられる。
<樹脂成形体[G]の製造方法>
樹脂組成物を成形して樹脂成形体[G]を得る成形方法は、特に限定されず、溶融押出し成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、射出成形法等の公知の成形方法が挙げられる。
<樹脂成形体[G]の性状>
樹脂成形体[G]の厚さは、特に制限されない。樹脂成形体[G]が、厚さが略均等なシート状の成形体の場合は、厚さは、好ましくは0.02mm以上、より好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上であり、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。シート状の樹脂成形体[G]の厚さは均一であっても不均一であってもよい。また、樹脂成形体[G]は、凹凸パターン、エンボス形状、段差、溝形状、貫通孔等の不均一構造を有するものであっても良い。
シート状の樹脂成形体[G]の厚さが上記範囲にあれば、例えば、シート状の成形体[F]を使用してガラス板と樹脂成形体[G]を接着して合わせガラスを製造した場合に、合わせガラスの耐貫通性や耐衝撃性を十分に高めることができる。
(工程1)
本発明の接合体の製造方法は、上述した成形体[F]と、上述した樹脂成形体[G]を接着(加熱圧着)する前に、樹脂成形体[G]の表面の少なくとも一部に、所定の表面処理を施す工程を必須とする。
具体的には、工程1は、樹脂成形体[G]の表面の少なくとも一部に対して、珪素化合物の存在下で、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つの表面加工を行う処理(i)、並びに/又は、樹脂成形体[G]の表面の少なくとも一部に対して、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つの表面加工を行った後に、当該表面を珪素化合物と接触させる処理(ii)、の少なくとも一つの処理を実施する工程である。
<プラズマ照射>
プラズマ照射としては、大気圧下でプラズマ照射を行う常圧プラズマ照射、減圧下でプラズマ照射を行う減圧プラズマ照射が挙げられ、より簡便に均一に照射を行う観点から、常圧プラズマ照射が好ましい。
常圧プラズマ照射は、大気圧下、水素、ヘリウム、窒素、酸素、アルゴンから選択される少なくとも1種のガス雰囲気下で行うことが好ましく、大気圧下、窒素と乾燥空気又は窒素と酸素との混合ガス雰囲気下で行うことがさらに好ましい。
常圧プラズマ照射において、プラズマ照射の出力は0.1kW以上2kW以下であることが好ましい。プラズマ照射の照射速度は1cm/分以上100cm/分以下が好ましい。プラズマ発生源と樹脂成形体[G]との距離は1mm以上20mm以下が好ましい。
プラズマ照射を減圧下で行うときは、0.001kPa以上10kPa以下(絶対圧)の低圧ガス(アルゴン、酸素、窒素、又はこれらの混合ガス等)を用いてプラズマ照射を行うことが好ましい。
低圧ガスとしては、窒素と酸素との混合ガスを用いることが特に好ましい。窒素と酸素との混合比は体積比で10:1〜1:10であることが好ましい。減圧プラズマ照射において、プラズマ照射の出力は好ましくは50W以上500W以下である。
<コロナ放電>
コロナ放電は、乾燥空気雰囲気下で行うことが好ましい。
コロナ放電の出力は好ましくは50W以上1000W以下、放電電量は好ましくは20W・分/m以上550W・分/m以下である。電極と樹脂成形体[G]との距離は1mm以上20mm以下が好ましい。
<紫外線照射>
紫外線照射は、窒素と乾燥空気又は酸素との混合ガスを流しながらエキシマ紫外線ランプを用いてエキシマ紫外線照射することが好ましい。該混合ガスの酸素濃度は、好ましくは0.01体積%以上15体積%以下、より好ましくは0.05体積%以上5体積%以下である。
エキシマ紫外線ランプと樹脂成形体[G]の被照射面との距離は、10mm以下が好ましく、1mm以上5mm以下がより好ましい。
照射の強度(照度)は、好ましくは5mW/cm以上200mW/cm以下、より好ましくは30mW/cm以上150mW/cm以下である。
<火炎吹き付け>
火炎吹き付けは、樹脂成形体[G]の表面に対して燃料ガスの火炎を吹き付けることにより行う。火炎の温度は、好ましくは500℃以上1,500℃以下、より好ましくは550℃以上1,200℃以下、更に好ましくは600℃以上900℃以下である。火炎の温度は、使用する燃料ガスの種類や、燃料ガス及び空気の流量によって、適宜調節することができる。
火炎による処理時間は、好ましくは0.1秒以上100秒以下、より好ましくは0.3秒以上30秒以下、更に好ましくは0.5秒以上20秒以下である。
上述した表面加工は1種を単独で、また2種以上を組み合わせて実施することができる。そしてこれらの表面加工の中でも、成形体[F]と樹脂成形体[G]が一層強固に接着してなる接合体を安定して製造する観点から、プラズマ照射、コロナ放電及び火炎吹き付けが好ましく、プラズマ照射及びコロナ放電がより好ましい。
<珪素化合物>
本発明の接合体の製造方法において使用する珪素化合物は、アルコキシシリル基とアルキルシリル基の少なくとも一方を有する化合物である。
樹脂成形体[G]の表面に対して、珪素化合物の存在下で所定の表面加工を行う場合(すなわち、処理(i)を採用する場合)は、例えば、珪素化合物を気化した状態で窒素、アルゴン、ヘリウム等のキャリアガスと共に、表面処理装置内に導入することができる。特に、火炎吹き付けを採用する場合は、キャリアガスとして、天然ガス、プロパンガス等の可燃性ガス、空気、酸素等の支燃性ガスを使用することもできる。
樹脂成形体[G]の表面に対して、所定の表面加工を施した後に珪素化合物を接触させる場合(すなわち、処理(ii)を採用する場合)は、例えば、樹脂成形体[G]の被加工面と、気化した状態の珪素化合物を上記のキャリアガスと共に接触させる方法、及び/又は、溶媒(水、水−アルコール混合溶剤等)に溶解した状態の珪素化合物を接触させる方法を適用することができる。
珪素化合物を気化した状態で使用する場合、珪素化合物の沸点は、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、更に好ましくは200℃以下である。沸点が300℃を超える場合は、キャリアガス中の珪素化合物濃度を十分高くできず、珪素化合物を用いた表面処理の効果が発現できなくなるおそれがある。また、珪素化合物の沸点の下限は、特に限定されないが、例えば−111℃以上である。
なお、本発明において、「沸点」とは、常圧における沸点を意味する。
珪素化合物の具体例としては、シラン(沸点:−111℃)、メチルシラン(沸点:−57℃)、ジシラン(沸点:−15℃)、トリメチルシラン(沸点:7℃)、テトラメチルシラン(沸点:28℃)、ジメチルジメトキシシラン(沸点:81℃)、メチルトリメトキシシラン(沸点:102℃)、ヘキサメチルジシラン(沸点:113℃)、ジメチルジエトキシシラン(沸点:114℃)、テトラメトキシシラン(沸点:121℃)、ビニルトリメトキシシラン(沸点:123℃)、ヘキサメチルジシラザン(沸点:125℃)、メチルトリエトキシシラン(沸点:143℃)、テトラエチルシラン(沸点:155℃)、ビニルトリエトキシシラン(沸点:161℃)、テトラエトキシシラン(沸点:168℃)、ヘキシルトリメトキシシラン(沸点:202℃)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:215℃)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(沸点:217℃)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(沸点:234℃)、フェニルトリエトキシシラン(沸点:236℃)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(沸点:255℃)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(沸点:259℃)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:259℃)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(沸点:265℃)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(沸点:290℃)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(沸点:310℃)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(沸点:312℃)、等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせ用いることができる。
なお、気化した状態の珪素化合物を混合ガスの一部として用いる場合、混合ガス中における珪素化合物の濃度(例えば、キャリアガスと気化した珪素化合物との混合ガス中の珪素化合物の濃度)は、好ましくは1×10−5g/L以上5×10−1g/L以下、より好ましくは1×10−4g/L以上2×10−1g/L以下、更に好ましくは1×10−3g/L以上1×10−1g/L以下である。
珪素化合物の濃度が低すぎる場合は、珪素化合物を用いた表面処理の効果が十分に発現しないおそれがある。珪素化合物の濃度が高すぎる場合は、珪素化合物の消費量が多くなり経済性に劣るおそれがある。
混合ガス中の珪素化合物の濃度は、例えばガスクロマトグラフィー等により測定できる。
珪素化合物を溶液にした状態で使用する場合、珪素化合物の沸点は特に限定されない。珪素化合物を溶液にした状態で使用する場合は、上記具体的に例示した珪素化合物に加え、例えば特開2015−155196号公報、特開2015−211940号公報等に記載の、シランカップリング剤として公知の化合物を使用することができる。
珪素化合物の溶液は上記の珪素化合物を溶媒で希釈したものである。溶媒の具体例としては、水あるいは有機溶剤をそれぞれ単独あるいは2種以上混合して用いることができる。有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等どのケトン類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等どの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。珪素化合物の溶液には、更にギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸等の有機酸やアンモニア水等のpH調整剤、界面活性剤等を添加することもできる。
珪素化合物の溶液中における珪素化合物の濃度は、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以上2質量%以下である。
珪素化合物の濃度が低すぎる場合は、珪素化合物を用いた表面処理の効果が十分に発現しないおそれがある。珪素化合物の濃度が高すぎる場合は、珪素化合物の消費量が多くなり経済性に劣るおそれがある。
そして、工程1で用いる珪素化合物としては、成形体[F]と樹脂成形体[G]が一層強固に接着してなる接合体を安定して製造する観点から、上述した中でも、テトラメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
より具体的には、珪素化合物を気化した状態で使用する場合、工程1で用いる珪素化合物としては、テトラメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランが好ましく、珪素化合物を溶液にした状態で使用する場合、工程1で用いる珪素化合物としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
(工程2)
本発明の接合体の製造方法の工程2は、上述した工程1を経た樹脂成形体[G]と、上述した成形体[F]とを、工程1において処理(i)及び/又は処理(ii)が施された被処理面と成形体[F]とが接するように積層し、加熱圧着する工程である。
ここで、本発明の製造方法によれば、工程1で樹脂成形体[G]の表面に処理(i)及び/又は処理(ii)を施した直後から、樹脂成形体[G]に成形体[F]を積層して加熱圧着するまでの時間を長くとった場合であっても、成形体[F]と樹脂成形体[G]を強固に接着することができる。なお、表面処理(処理(i)及び/又は処理(ii))後から、積層して加熱圧着するまでの時間は、特に限定されないが、成形体[F]と樹脂成形体[G]を十分強固に接着させる観点から、好ましくは7日以内、より好ましくは5日以内、更に好ましくは3日以内である。
表面処理後から積層して加熱圧着して強固に接着できるまでの時間が十分長いことにより、変性ブロック共重合体水素化物と樹脂成形体とが強固に接着された接合体を安定して生産することができる。
成形体[F]と樹脂成形体[G]を積層して加熱圧着する方法は特に限定されない。
例えば、成形体[F]及び樹脂成形体[G]が何れもシート状であれば、成形体[F]と樹脂成形体[G]を、成形体[F]と樹脂成形体[G]の被処理面が接するようにして重ね合わせ、得られた積層物を可撓性の袋(以下、「バッグ」ということがある。)に入れて、バッグ内の空気を脱気しながら、加熱圧着して接合体とする方法;上記と同様にして得られた積層物をバックに入れて、バッグ内の空気を脱気した後、オートクレーブ中で、加熱圧着して貼り合わせて接合体とする方法;上記と同様にして得られた積層物を熱プレス装置で加熱圧着して接合体とする方法等が挙げられる。また、上記と同様にして得られた積層物を、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の加圧機を使用して加熱圧着する方法等も用いることができる。
成形体[F]と樹脂成形体[G]の接合体は、更に必要に応じてその他の部材を同時に重ね合わせて多種材の接合体としてもよい。
ここで、バッグに入れて加熱圧着して接合体を得る方法は、曲面形状を有する接合体を製造する方法として特に有用である。また、平面状の樹脂成形体[G]を成形体[F]と貼り合わせて曲面形状を有する接合体を製造する場合、工程1を経た樹脂成形体[G]を、加熱軟化させた状態で成形体[F]と積層して貼り合わせて曲面形状を有する接合体を得ることもできる。
成形体[F]と樹脂成形体[G]を加熱して圧着する際の温度(加熱圧着温度)は、好ましくは80℃以上180℃以下、より好ましくは90℃以上170℃以下、更に好ましくは90℃以上160℃以下である。
加熱圧着温度が上記範囲であれば、十分な接着強度が得られ、また、接着面に気泡等の不良も発生し難い。
オートクレーブ中で加熱圧着を行う際の圧力は、好ましくは0.1MPa以上1.5MPa以下、より好ましくは0.2MPa以上1.2MPa以下、更に好ましくは0.3MPa以上1.0MPa以下である。加熱圧着を行う際の圧力が上記範囲であれば、十分な接着強度が得られ、また、接着面に気泡等の不良も発生し難い。
熱プレス装置を使用して加熱圧着を行う際の圧力は、好ましくは0.1MPa以上10MPa以下、より好ましくは0.2MPa以上5MPa以下、更に好ましくは0.3MPa以上2MPa以下である。加熱圧着を行う際の圧力が上記範囲であれば、十分な接着強度が得られ、また、接着面に気泡等の不良も発生し難い。
オートクレーブ中で加熱圧着を行う際の時間(加熱圧着時間)は、十分な生産性を維持する観点から、好ましくは10分以上60分以下、より好ましくは15分以上50分以下、更に好ましくは20分以上40分以下である。
熱プレス装置を使用して加熱圧着を行う際の時間(加熱圧着時間)は、十分な生産性を維持する観点から、好ましくは0.2分以上15分以下、より好ましくは0.4分以上10分以下、更に好ましくは0.5分以上5分以下である。
(接合体[H])
本発明の製造方法によって得られる接合体[H]は、変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]と、樹脂成形体[G]とが十分な接着強度で接合されたものである。接合体[H]は、成形体[F]と樹脂成形体[G]との接着面の剥離強度が、特に限定されないが、好ましくは4N/cm以上、より好ましくは6N/cm以上、更に好ましくは8N/cm以上、特に好ましくは10N/cm以上である。接着面の剥離強度が4N/cm以上であれば、接合体[H]は、成形体[F]と樹脂成形体[G]が容易には剥離しない。剥離強度は、例えば、実施例に記載されたJIS6854−3:1999等の方法により、測定することができる。
なお、成形体[F]と樹脂成形体[G]の接着面の剥離強度の上限は、特に限定されないが、例えば30N/cm以下である。
本発明の製造方法によって得られる接合体[H]は、少なくとも一つ以上の成形体[F]と、少なくとも一つ以上の樹脂成形体[G]とを備え、成形体[F]と樹脂成形体[G]が互いに接する面の一部又は全部が接着した部位を有する接合体である。
なお、成形体[F]及び/又は樹脂成形体[G]は、互いに接する面とは異なる面(シート状である場合は、反対側の面)に、それぞれガラス、金属、他樹脂等からなる他の部材が接合していても良い。
本発明の製造方法により得られる接合体[H]としては、具体的には、成形体[F]/樹脂成形体[G]の構成からなる2部材接合体;成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]、樹脂成形体[G]/成形体[F]/樹脂成形体[G]、ガラス板/成形体[F]/樹脂成形体[G]、金属板/成形体[F]/樹脂成形体[G]、樹脂成形体[G]/成形体[F]/金属メッキ部位を有する他樹脂成形体等の構成からなる3部材接合体(3層接合体);ガラス板/成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]、金属板/成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]、樹脂成形体[G]/成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]、ハードコート層/樹脂成形体[G]/成形体[F]/金属メッキ部位を有する他樹脂成形体等の構成からなる4部材接合体(4層接合体);ガラス板/成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]/ガラス板、ガラス板/成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]/金属板、ガラス板/成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]/樹脂成形体[G]、金属板/成形体[F]/樹脂成形体[G]/成形体[F]/金属板等の構成からなる5部材接合体(5層接合体);ガラス板とガラス板の間に成形体[F]/樹脂成形体[G]からなる多数の層が積層された多部材(6部材以上の)接合体(多層接合体);等の構成を有するものが挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる接合体[H]が、例えば、合わせガラスである場合、使用する2枚以上のガラス板同士は、厚さや材質等が互いに同一であっても、相異なっていてもよい。使用するガラス板の厚さは特に限定されないが、好ましくは0.05mm以上10mm以下である。また、例えば、ガラス板/シート状の成形体[F]/シート状のポリカーボネート樹脂成形体[G]/シート状の成形体[F]/ガラス板のような5層構成となるような、耐貫通性に優れた合わせガラス(それぞれの厚みは、例えば、1mm(ガラス板)/0.8mm(成形体[F])/2mm(ポリカーボネート樹脂成形体[G])/0.8mm(成形体[F])/1mm(ガラス板))等とすることもできる。
以下に実施例を示しながら、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行った。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体[C]及びブロック共重合体水素化物[D]の分子量は、THFを溶離液とするGPCによる標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8320GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物[D]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、ブロック共重合体[C]及びブロック共重合体水素化物[D]のH−NMRを測定して算出した。
(3)接着性(所定条件で保持後の剥離強度)
工程1の表面処理を経た樹脂成形体[G]を、温度25℃、湿度50%RHの大気中に保持した。保持時間をそれぞれ、1時間、24時間、48時間とした樹脂成形体[G]を使用して、シート状の成形体[F]と加熱圧着して得られた接合体[H]の剥離強度を測定し評価した。剥離強度は、以下のようにして測定した。
得られた接合体[H]から、長さ200mm×幅25mmの試験片を採取した。試験片の非接着部位(積層の際に剥離フィルムを挟んだことにより、成形体[F]と樹脂成形体[G]が接着していない部位)から、JIS K6854−3:1999(接着剤-はく離接着強さ試験方法-第3部:T形はく離)に準じて、オートグラフ(島津製作所製、製品名「AGS−X」)を使用して、剥離速度100mm/分で成形体[F]と樹脂成形体[G]を剥離し、剥離強度を測定した。
剥離強度が4N/cm以上の場合を接着性が「良好」、4N/cm未満の場合を接着性が「不良」と評価した。特に、保持時間が48時間の場合であっても剥離強度が4N/cm以上である場合は、成形体[F]と樹脂成形体[G]が強固に接着してなる接合体を、十分に安定して製造することができると言える。
[製造例1]変性ブロック共重合体水素化物[E1]を主成分とする成形体[F1]の製造
(ブロック共重合体[C1]の調製)
十分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25.0部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液0.68部を加えて重合を開始した。
攪拌しながら60℃で60分反応させた。ガスクロマトグラフィーにより測定したこの時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、脱水イソプレン50.0部を加えそのまま30分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は99%であった。
その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.096部を加えて反応を停止した。得られたブロック共重合体[C1]の重量平均分子量(Mw)は61,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、wa:wb=50:50、であった。
なお、上記「wa:wb」は、芳香族ビニル化合物としてのスチレンに由来する構造単位〔a〕がブロック共重合体[C1]に占める質量分率をwaとし、鎖状共役ジエン化合物としてのイソプレンに由来する構造単位〔b〕がブロック共重合体[C1]に占める質量分率をwbとしたときのwaとwbとの比(wa:wb)を表す。以下の製造例2においても同様である。
(ブロック共重合体水素化物[D1]の調製)
次に、上記のようにして得られた重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、トルエン1.0部中で、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.042部とジエチルアルミニウムクロライド0.122部を混合した溶液を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、更に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度90℃、圧力1.0MPaにて5時間水素化反応を行った。
水素化反応後のブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は62,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
水素化反応終了後、反応溶液に水0.10部を添加して、60℃で60分間攪拌した。その後、30℃以下まで冷却し、活性白土(製品名「ガレオンアース(登録商標)」、水澤化学工業社製)1.5部及びタルク(製品名「ミクロエース(登録商標)」、日本タルク社製)1.5部を添加して、反応溶液を濾過ろ過して不溶物を除去した。濾過された溶液にフェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](SONGWON社製、製品名「Songnox1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮乾燥器に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーでカットしてブロック共重合体水素化物[D1]のペレット92部を得た。ペレットにはブロッキング防止剤として約100ppmのエチレンビスステアリン酸アマイドの微粉を添加した。得られたブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は62,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.11であった。鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素二重結合の水素化率は99%、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素二重結合の水素化率は5%未満であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[E1]の調製)
得られたブロック共重合体水素化物[D1]のペレット100部に対してビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加し、混合物を得た。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM37B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[E1]のペレット97部を得た。ペレットには約100ppmのブロッキング防止剤(エチレンビスステアリン酸アマイドの微粉)を追加添加した。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E1]のペレット10部をシクロヘキサン100部に溶解した後、脱水したメタノール400部中に注いで変性ブロック共重合体水素化物[E1]を凝固させ、濾別した後、25℃で真空乾燥して変性ブロック共重合体水素化物[E1]のクラム9.0部を単離した。FT−IRスペクトルでは、1090cm−1にSi−OCH基、825cm−1と739cm−1にSi−CH基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのそれらの1075cm−1、808cm−1、及び766cm−1と異なる位置に観察された。また、H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)では3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づく吸収帯が観察され、ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[D1]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
(成形体[F1]の調製)
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E1]のペレット100部に対して、紫外線吸収剤である2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(Tinuvin(登録商標)329、BASFジャパン社製)0.2部を添加して、均等に混合した。得られた混合物を、直径20mmのスクリューを備えた単軸押出し機、Tダイ(幅300mm)、および、梨地エンボスパターンを有するキャストロール(幅300mm)を備えたシート引取機からなるフィルム成形機(商品名:「SZW20−25MG」、テクノベル社製)を使用し、溶融樹脂温度220℃、Tダイ温度220℃、キャストロール温度60℃の成形条件でシート状の成形体[F1](厚さ0.40mm、幅230mm)を作製した。成形体[F1]はロール状に巻き取り回収した。
[製造例2]変性ブロック共重合体水素化物[E2]を主成分とする成形体[F2]の製造
(ブロック共重合体[C2]の調製)
製造例1と同様の装置を使用し、n−ジブチルエーテルの使用量を0.59部、n−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液の使用量を1.04部、イソプロピルアルコールの使用量を0.43部に変える以外は製造例1と同様にして重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。
得られたブロック共重合体[C2]の重量平均分子量(Mw)は40,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.15、wa:wb=50:50、であった。
(ブロック共重合体水素化物[D2]の調製)
次に、上記の重合体溶液を、製造例1と同様の耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)7.0部、および脱水シクロヘキサン80部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度150℃、圧力3.0MPaにて1時間水素化反応を行い、引続いて温度190℃、圧力4.5MPaに昇温昇圧して6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体水素化物[D2]の重量平均分子量(Mw)は41,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.20であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、製造例1と同じフェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して、溶解させて溶液を得た。
次いで、上記溶液を製造例1と同様に処理して、ブロック共重合体水素化物[D2]のペレット93部を製造した。
製造したペレット状のブロック共重合体水素化物[D2]は、重量平均分子量(Mw)が41,400、分子量分布(Mw/Mn)が1.25、鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素の二重結合の水素化率、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素二重結合の水素化率は、いずれもほぼ100%であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[E2]の調製)
ブロック共重合体水素化物[D1]に代えてブロック共重合体水素化物[D2]のペレットを使用する以外は製造例1と同様にしてアルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[E2]のペレット96部を得た。ペレットには約100ppmのブロッキング防止剤(エチレンビスステアリン酸アマイドの微粉)を追加添加した。
製造例1と同様に分析した結果、変性ブロック共重合体水素化物[E2]はブロック共重合体水素化物[D2]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
(変性ブロック共重合体水素化物[E2]を主成分とする成形体[F2]の調製)
変性ブロック共重合体水素化物[E1]に代えて変性ブロック共重合体水素化物[E2]のペレットを使用する以外は製造例1と同様にして、紫外線吸収剤である2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを添加して、シート状の成形体[F2](厚さ0.40mm、幅230mm)を作製した。
[実施例1]
(工程1)コロナ放電および珪素化合物との接触(処理(ii))
ポリカーボネート樹脂成形体[G1](帝人化成社製、製品名「パンライトシート」、PC−2151、厚さ0.5mmのシート状)から、縦300mm×横200mmのシート状の試験片を作製し、この試験片の片面に対して、コロナ表面処理装置(ウェッジ社製、製品名「A3SW−LW」)を使用してコロナ放電による表面加工(出力:60W、電極とポリカーボネート樹脂成形体[G1]の距離:10mm、処理速度:1m/分)を行った。
上記コロナ放電を行なった樹脂成形体[G1c]の被加工面を、珪素化合物である3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、製品名「KBM903」)の水溶液(濃度:2%)に浸漬した後、オーブン中で110℃、5分の条件で乾燥した。
上記のコロナ放電及びそれに続く珪素化合物との接触による処理(ii)を行った樹脂成形体[G1cs]を、25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間及び48時間保持した。
(工程2)積層および加熱圧着
上記の25℃、50%RHの環境で1時間保持したシート状の樹脂成形体[G1cs−1h]の被処理面と、製造例1で調製したシート状の成形体[F1]から切り出した縦300mm×横200mmの試験片を、縦端部の50mmには離形フィルムを挟み、対向させて重ねて積層物とした。
この成形体[F1]と樹脂成形体[G1cs−1h]の積層物を、NY(ナイロン)/接着層/PP(ポリプロピレン)の層構成を有する厚さ75μmの樹脂製の袋に入れた。袋の開口部の中央部を200mm幅残して両側をヒートシーラーでヒートシールした後、密封パック器(パナソニック社製、製品名「BH−951」)を使用して、袋内を脱気しながら開口部をヒートシールして積層物を密封包装した。その後、密封包装した積層物をオートクレーブに入れて、温度140℃、圧力0.8MPaで30分間加熱圧着し、接合体H(F1/G1cs−1h)を作製した。
得られた接合体H(F1/G1cs−1h)からT形はく離試験片を切り出し、成形体[F1]と樹脂成形体[G1cs−1h]の接着面の接着性を評価した結果、剥離強度は17N/cmであり、接着性の評価は良好であった。
接合体H(F1/G1cs−1h)の製造と同様にして、処理(ii)を行なった後25℃、50%RHの環境で24時間及び48時間保持した樹脂成形体[G1cs−24h]及び樹脂成形体[G1cs−48h]を使用して、成形体[F1]と樹脂成形体[G1cs−24h]及び樹脂成形体[G1cs−48h]を接着した接合体H(F1/G1cs−24h)及び接合体H(F1/G1cs−48h)を作製した。
接合体H(F1/G1cs−1h)と同様にして、接合体H(F1/G1cs−24h)及び接合体H(F1/G1cs−48h)における接着面の接着性を評価した結果、剥離強度は接合体H(F1/G1cs−24h)では16N/cm、接合体H(F1/G1cs−48h)では15N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例1]
珪素化合物に接触させないこと以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様のポリカーボネート樹脂成形体[G1]の片面に対してコロナ放電を行った。
上記のコロナ放電による表面加工を行った樹脂成形体[G1c]を実施例1と同様に25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間及び48時間保持した。その後、それぞれ製造例1で作製した成形体[F1]を重ねて、実施例1と同様にして接合体H(F1/G1c−1h)、接合体H(F1/G1c−24h)及び接合体H(F1/G1c−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F1/G1c−1h)、接合体H(F1/G1c−24h)、及び接合体H(F1/G1c−1h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F1/G1c−1h)の剥離強度は12N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F1/G1c−24h)及び接合体H(F1/G1c−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例2]
(工程1)珪素化合物存在下でのプラズマ照射(処理(i))
実施例1で使用したのと同様のポリカーボネート樹脂成形体[G1]から、縦200mm×横100mmの試験片を作製し、この試験片の片面に対して、常圧プラズマ処理装置(AcXys Technologies社製、製品名「UL−Coat」)を使用して、以下の条件で、珪素化合物であるヘキサメチルジシランの存在下、プラズマ照射を行なった。
出力:0.2kW、
ノズル―基材間距離(プラズマ発生源とポリカーボネート樹脂成形体[G1]との距離):15mm、
テーブル速度:320mm/分、
空気流量:5L/分、
珪素化合物(ヘキサメチルジシラン)流量:0.12g/分
なお、キャリアガス(空気)と気化した珪素化合物との混合ガス中の珪素化合物の濃度は、2.4×10−2g/Lであった。
上記の珪素化合物の存在下でのプラズマ照射による処理(i)を行った樹脂成形体[G1sp]を実施例1と同様に25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間又及び48時間保持した。
(工程2)積層および加熱圧着
その後、それぞれ製造例1で調製した成形体[F1]を重ねて、実施例1と同様にして接合体H(F1/G1sp−1h)、接合体H(F1/G1sp−24h)及び接合体H(F1/G1sp−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F1/G1sp−1h)、接合体H(F1/G1sp−24h)及び接合体H(F1/G1sp−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F1/G1sp−1h)の剥離強度は16N/cm、接合体H(F1/G1sp−24h)の剥離強度は15N/cm、接合体H(F1/G1sp−48h)の剥離強度は15N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例2]
珪素化合物を導入しないこと以外は実施例2と同様にして、実施例2と同様のポリカーボネート樹脂成形体[G1]の片面に対してプラズマ照射を行った。
上記のプラズマ照射による表面加工を行った樹脂成形体[G1p]を実施例2と同様に25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間及び48時間保持した。その後、それぞれ製造例1で作製した成形体[F1]を重ねて、実施例1と同様にして接合体H(F1/G1p−1h)、接合体H(F1/G1p−24h)及び接合体H(F1/G1p−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F1/G1p−1h)、接合体H(F1/G1p−24h)及び接合体H(F1/G1p−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F1/G1p−1h)の剥離強度は11N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F1/G1p−24h)及び接合体H(F1/G1p−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例3]
(工程1)珪素化合物存在下での火炎吹き付け(処理(i))
実施例1で使用したのと同様のポリカーボネート樹脂成形体[G1]から、なる縦200mm×横200mmの試験片を作製し、この試験片の片面に対して、火炎処理装置(イトロ社製、製品名「イトロ処理装置」)を使用して、以下の条件で、珪素化合物であるヘキサメチルジシランの存在下、火炎吹き付けを行なった。
バーナーノズルから処理対象物までの距離:50mm、
空気流量:150L/分、
可燃ガス(LPG)流量:8L/分、
珪素化合物(ヘキサメチルジシラン)流量:4.7g/分
テーブル速度:760mm/秒
処理回数:1往復
なお、キャリアガス(空気とLPG)と気化した珪素化合物との混合ガス中の珪素化合物の濃度は、3.0×10−2g/Lであった。
上記の珪素化合物の存在下での火炎吹き付けによる表面加工を行った樹脂成形体[G1sf]を実施例1と同様に25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間及び48時間保持した。
(工程2)積層および加熱圧着
その後、それぞれ製造例1で調製した成形体[F1]を重ねて、実施例1と同様にして接合体H(F1/G1sf−1h)、接合体H(F1/G1sf−24h)及び接合体H(F1/G1sf−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F1/G1sf−1h)、接合体H(F1/G1sf−24h)及び接合体H(F1/G1sf−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F1/G1sf−1h)の剥離強度は16N/cm、接合体H(F1/G1sf−24h)の剥離強度は14N/cm、接合体H(F1/G1sf−48h)の剥離強度は13N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例3]
珪素化合物を導入しないこと以外は実施例3と同様にして、実施例3と同様のポリカーボネート樹脂成形体[G1]に対して火炎吹き付けを行った。
上記の火炎吹き付けによる表面加工を行った樹脂成形体[G1f]を実施例3と同様に25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間及び48時間保持した。その後、それぞれ製造例1で作製した成形体[F1]を重ねて、実施例1と同様にして接合体H(F1/G1f−1h)、接合体H(F1/G1f−24h)及び接合体H(F1/G1f−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F1/G1f−1h)、接合体H(F1/G1f−24h)及び接合体H(F1/G1f−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F1/G1f−1h)の剥離強度は10N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F1/G1f−24h)及び接合体H(F1/G1f−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例4]
製造例1で調製したシート状の成形体[F1]に代えて製造例2で調製したシート状の成形体[F2]を使用する以外は実施例1と同様にして、接合体H(F2/G1cs−1h)、H(F2/G1cs−24h)及びH(F2/G1cs−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G1cs−1h)、接合体H(F2/G1cs−24h)及び接合体H(F2/G1cs−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G1cs−1h)の剥離強度は16N/cm、接合体H(F1/G2cs−24h)の剥離強度は15N/cm、接合体H(F1/G2cs−48h)の剥離強度は15N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例4]
製造例1で調製したシート状の成形体[F1]に代えて製造例2で調製したシート状の成形体[F2]を使用する以外は比較例1と同様にして、接合体H(F2/G1c−1h)、H(F2/G1c−24h)及びH(F2/G1c−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G1c−1h)、接合体H(F2/G1c−24h)、及び接合体H(F2/G1c−1h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G1c−1h)の剥離強度は12N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G1c−24h)及び接合体H(F2/G1c−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例5]
製造例1で調製したシート状の成形体[F1]に代えて製造例2で調製したシート状の成形体[F2]を使用する以外は実施例2と同様にして、接合体H(F2/G1sp−1h)、H(F2/G1sp−24h)及びH(F2/G1sp−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G1sp−1h)、接合体H(F2/G1sp−24h)及び接合体H(F2/G1sp−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G1sp−1h)の剥離強度は16N/cm、接合体H(F1/G2sp−24h)の剥離強度は15N/cm、接合体H(F1/G2sp−48h)の剥離強度は14N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例5]
製造例1で調製したシート状の成形体[F1]に代えて製造例2で調製したシート状の成形体[F2]を使用する以外は比較例2と同様にして、接合体H(F2/G1p−1h)、H(F2/G1p−24h)及びH(F2/G1p−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G1p−1h)、接合体H(F2/G1p−24h)及び接合体H(F2/G1p−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G1p−1h)の剥離強度は10N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G1p−24h)及び接合体H(F2/G1p−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例6]
製造例1で調製したシート状の成形体[F1]に代えて製造例2で調製したシート状の成形体[F2]を使用する以外は実施例3と同様にして、接合体H(F2/G1sf−1h)、H(F2/G1sf−24h)及びH(F2/G1sf−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G1sf−1h)、接合体H(F2/G1sf−24h)及び接合体H(F2/G1sf−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G1sf−1h)の剥離強度は15N/cm、接合体H(F2/G1sf−24h)の剥離強度は13N/cm、接合体H(F2/G1sf−48h)の剥離強度は13N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例6]
製造例1で調製したシート状の成形体[F1]に代えて製造例2で調製したシート状の成形体[F2]を使用する以外は比較例3と同様にして、接合体H(F2/G1f−1h)、H(F2/G1f−24h)及びH(F2/G1f−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G1f−1h)、接合体H(F2/G1f−24h)及び接合体H(F2/G1f−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G1f−1h)の剥離強度は10N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G1f−24h)及び接合体H(F2/G1f−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例7]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えてポリエチレンテレフタレート樹脂成形体[G2](アクリサンデー社製、製品名「サンデーPET」、厚さ0.5mmのシート状)を使用する以外は、実施例4と同様にして接合体H(F2/G2cs−1h)、H(F2/G2cs−24h)及びH(F2/G2cs−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G2cs−1h)、接合体H(F2/G2cs−24h)及び接合体H(F2/G2cs−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G2cs−1h)の剥離強度は18N/cm、接合体H(F2/G2cs−24h)の剥離強度は17N/cm、接合体H(F2/G2cs−48h)の剥離強度は15N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例7]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えてポリエチレンテレフタレート樹脂成形体[G2]を使用する以外は、比較例4と同様にして接合体H(F2/G2c−1h)、H(F2/G2c−24h)及びH(F2/G2c−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G2c−1h)、接合体H(F2/G2c−24h)及び接合体H(F2/G2c−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G2c−1h)の剥離強度は13N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G2c−24h)及び接合体H(F2/G2c−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例8]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えてポリエチレンテレフタレート樹脂成形体[G2]を使用する以外は、実施例5と同様にして接合体H(F2/G2sp−1h)、H(F2/G2sp−24h)及びH(F2/G2sp−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G2sp−1h)、接合体H(F2/G2sp−24h)及び接合体H(F2/G2sp−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G2sp−1h)の剥離強度は19N/cm、接合体H(F2/G2sp−24h)の剥離強度は17N/cm、接合体H(F2/G2sp−48h)の剥離強度は16N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例8]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えてポリエチレンテレフタレート樹脂成形体[G2]を使用する以外は、比較例5と同様にして接合体H(F2/G2p−1h)、H(F2/G2p−24h)及びH(F2/G2p−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G2p−1h)、接合体H(F2/G2p−24h)及び接合体H(F2/G2p−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G2p−1h)の剥離強度は11N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G2p−24h)及び接合体H(F2/G2p−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例9]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えてポリエチレンテレフタレート樹脂成形体[G2]を使用する以外は、実施例6と同様にして接合体H(F2/G2sf−1h)、H(F2/G2sf−24h)及びH(F2/G2sf−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G2sf−1h)、接合体H(F2/G2sf−24h)及び接合体H(F2/G2sf−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G2sf−1h)の剥離強度は16N/cm、接合体H(F2/G2sf−24h)の剥離強度は14N/cm、接合体H(F2/G2sf−48h)の剥離強度は13N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例9]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えてポリエチレンテレフタレート樹脂成形体[G2]を使用する以外は、比較例6と同様にして接合体H(F2/G2f−1h)、H(F2/G2f−24h)及びH(F2/G2f−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G2f−1h)、接合体H(F2/G2f−24h)及び接合体H(F2/G2f−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G2f−1h)の剥離強度は12N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G2f−24h)及び接合体H(F2/G2f−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例10]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えて硬質塩化ビニル樹脂成形体[G3](アクリサンデー社製、製品名「サンデーシート」、透明タイプ、厚さ0.5mmのシート状)を使用する以外は、実施例4と同様にして接合体H(F2/G3cs−1h)、H(F2/G3cs−24h)及びH(F2/G3cs−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G3cs−1h)、接合体H(F2/G3cs−24h)及び接合体H(F2/G3cs−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G3cs−1h)の剥離強度は20N/cm、接合体H(F2/G3cs−24h)の剥離強度は18N/cm、接合体H(F2/G3cs−48h)の剥離強度は17N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例10]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えて硬質塩化ビニル樹脂成形体[G3]を使用する以外は、比較例4と同様にして接合体H(F2/G3c−1h)、H(F2/G3c−24h)及びH(F2/G3c−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G3c−1h)、接合体H(F2/G3c−24h)及び接合体H(F2/G3c−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G3c−1h)の剥離強度は15N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G3c−24h)及び接合体H(F2/G3c−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例11]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えて硬質塩化ビニル樹脂成形体[G3]を使用する以外は、実施例5と同様にして接合体H(F2/G3sp−1h)、H(F2/G3sp−24h)及びH(F2/G3sp−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G3sp−1h)、接合体H(F2/G3sp−24h)及び接合体H(F2/G3sp−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G3sp−1h)の剥離強度は21N/cm、接合体H(F2/G3sp−24h)の剥離強度は19N/cm、接合体H(F2/G3sp−48h)の剥離強度は18N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例11]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えて硬質塩化ビニル樹脂成形体[G3]を使用する以外は、比較例5と同様にして接合体H(F2/G3p−1h)、H(F2/G3p−24h)及びH(F2/G3p−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G3p−1h)、接合体H(F2/G3p−24h)及び接合体H(F2/G3p−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G3p−1h)の剥離強度は13N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G3p−24h)及び接合体H(F2/G3p−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例12]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えて硬質塩化ビニル樹脂成形体[G3]を使用する以外は、実施例6と同様にして接合体H(F2/G3sf−1h)、H(F2/G3sf−24h)及びH(F2/G3sf−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G3sf−1h)、接合体H(F2/G3sf−24h)及び接合体H(F2/G3sf−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G3sf−1h)の剥離強度は16N/cm、接合体H(F2/G3sf−24h)の剥離強度は13N/cm、接合体H(F2/G3sf−48h)の剥離強度は12N/cmであり、接着性の評価はいずれも良好であった。
[比較例12]
ポリカーボネート樹脂成形体[G1]に代えて硬質塩化ビニル樹脂成形体[G3]を使用する以外は、比較例6と同様にして接合体H(F2/G3f−1h)、H(F2/G3f−24h)及びH(F2/G3f−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F2/G3f−1h)、接合体H(F2/G3f−24h)及び接合体H(F2/G3f−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F2/G3f−1h)の剥離強度は10N/cmであり、接着性の評価は良好であったが、接合体H(F2/G3f−24h)及び接合体H(F2/G3f−48h)の剥離強度はいずれも4N/cm未満であり、接着性の評価は不良であった。
[実施例13]
(工程1)プラズマ照射および珪素化合物との接触(処理(ii))
珪素化合物を導入しないこと以外は実施例2と同様にして、実施例2と同様のポリカーボネート樹脂成形体[G1]に対してプラズマ照射を行った。
上記のプラズマ照射を行なった樹脂成形体[G1p]の被加工面を、珪素化合物である3−アミノプロピルトリメトキシシランの水溶液(濃度:2%)に浸漬した後、オーブン中で110℃、5分の条件で乾燥した。
(工程2)積層および加熱圧着
上記のプラズマ照射及びそれに続く珪素化合物との接触による処理(ii)を行った樹脂成形体[G1ps]を25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間及び48時間保持した。その後それぞれ製造例1で調製した成形体[F1]を重ねて、実施例1と同様にして接合体H(F1/G1ps−1h)、接合体H(F1/G1ps−24h)及び接合体H(F1/G1ps−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F1/G1ps−1h)、接合体H(F1/G1ps−24h)及び接合体H(F1/G1ps−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F1/G1ps−1h)の剥離強度は18N/cm、接合体H(F1/G1ps−24h)の剥離強度は16N/cm、接合体H(F1/G1ps−48h)の剥離強度は16N/cmであり、接着性の評価は良好であった。
[実施例14]
(工程1)紫外線照射および珪素化合物との接触(処理(ii))
実施例1で使用したのと同様のポリカーボネート樹脂成形体[G1]からなる縦200mm×横100mmのシート状の試験片を作製し、この試験片の片面に対して、キセノンエキシマ紫外線照射装置(エム・ディ・エキシマ社製、製品名「MECL−M−1−200」)を使用して、以下の条件で、紫外線照射(エキシマ紫外線照射)を行った。
照度:140mW/cm
ステージ温度:100℃、
試料と光源の距離(エキシマ紫外線ランプとポリカーボネート樹脂成形体[G1]の被照射面との距離):2mm、
処理環境:窒素ガス雰囲気下、酸素濃度0.1体積%、
ステージ可動速度:10mm/秒、
エキシマ光露光積算量:6500mJ/cm
上記のエキシマ紫外線照射を行なった樹脂成形体[G1uv]の被加工面を、珪素化合物である3−アミノプロピルトリメトキシシランの水溶液(濃度:2%)に浸漬した後、オーブン中で110℃、5分の条件で乾燥した。
(工程2)積層および加熱圧着
上記のエキシマ紫外線照射及びそれに続く珪素化合物との接触による処理(ii)を行った樹脂成形体[G1uvs]を25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間及び48時間保持した。その後それぞれ製造例1で調製した成形体[F1]を重ねて、実施例1と同様にして接合体H(F1/G1uvs−1h)、接合体H(F1/G1uvs−24h)及び接合体H(F1/G1uvs−48h)を作製した。
実施例1と同様にして、接合体H(F1/G1uvs−1h)、接合体H(F1/G1uvs−24h)及び接合体H(F1/G1uvs−48h)について接着面の接着性を評価した。
接合体H(F1/G1uvs−1h)の剥離強度は14N/cm、接合体H(F1/G1uvs−24h)の剥離強度は13N/cm、接合体H(F1/G1uvs−48h)の剥離強度は12N/cmであり、接着性の評価は良好であった。
上述した実施例1〜14および比較例1〜12の結果を、それぞれ以下の表1および2に示す。なお、表1および2中、
「APTM」は、3−アミノプロピルトリメトキシシランを示し、
「HMDS」は、ヘキサメチルジシランを示し、
「PC」は、ポリカーボネート樹脂を示し、
「PET」は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を示し、
「PVC」は、硬質塩化ビニル樹脂を示す。
Figure 2020066161
Figure 2020066161
本実施例及び比較例の結果から以下のことがわかる。
珪素化合物の非存在下で、表面に、コロナ放電、プラズマ照射又は火炎吹き付けを施した樹脂成形体[G]は、25℃、50%RHの環境条件の下で1時間保持した後では変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]と強固に接着できるが、24時間以上保持した後では成形体[F]と強固に接着できなくなっている(比較例1〜9)。
これに対し、珪素化合物の存在下で、表面に、プラズマ照射又は火炎吹き付けを行う処理(i)を行った樹脂成形体[G]は、25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間、48時間のいずれの時間保持した後でも、変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]と安定して強固に接着できる(実施例2、3、5、6、8、9、11、12)。また、表面に、コロナ放電、プラズマ照射又はエキシマ紫外線照射を施した後に珪素化合物と接触させる処理(ii)を行った樹脂成形体[G]は、25℃、50%RHの環境条件の下で1時間、24時間、48時間のいずれの時間保持した後でも、変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とするシート状の成形体[F]と安定して強固に接着できる(実施例1、4、7、10、13、14)。
また、樹脂成形体[G]の表面に対して、処理(i)及び処理(ii)の少なくとも一つの処理を実施した後、成形体[F]と接着して接合体[H]を製造する本発明の製造方法によれば、珪素化合物の非存在下で、表面加工(表面に、コロナ放電、プラズマ照射又は火炎吹き付けを施す)のみを実施した樹脂成形体[G]と成形体[F]と接着して接合体[H]を製造する方法に比較して、より強固な接着性を有する接合体が得られるという効果もある(実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例5と比較例5、実施例6と比較例6、実施例7と比較例7、実施例8と比較例8、実施例9と比較例9、実施例10と比較例10、実施例11と比較例11、実施例12と比較例12について、表1中「1時間保持後」の「剥離強度(N/cm)」を比較)。
本発明の接合体の製造方法によれば、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物を主成分とする成形体と、樹脂成形体とを安定して強固に接着させて、当該成形体と当該樹脂成形体の接合体を製造することができる。このため、本発明の接合体の製造方法は、アルコキシシリル基が導入された特定の変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]とポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等の樹脂成形体[G]との強固な接着性を必要とする太陽電池モジュールの封止、有機EL素子の封止、電子部品の封止、耐貫通性合わせガラスの貼り合わせ等の用途に有用である。

Claims (3)

  1. アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする成形体[F]と、樹脂成形体[G]とを接着して接合体[H]を製造する方法であって、下記工程1及び2を含む、接合体の製造方法。
    工程1:前記樹脂成形体[G]の表面に対して、珪素化合物の存在下で、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電、及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つを行う処理(i)と、前記樹脂成形体[G]の表面に対して、プラズマ照射、紫外線照射、コロナ放電及び火炎吹き付けからなる群から選ばれる少なくとも一つを行った後に、当該表面を珪素化合物と接触させる処理(ii)の少なくとも一つの処理を実施する工程。
    工程2:前記工程1を経た前記樹脂成形体[G]と、前記成形体[F]とを、前記樹脂成形体[G]の前記処理(i)と(ii)の少なくとも一方がなされた表面と前記成形体[F]とが接するように積層し、加熱圧着する工程。
  2. 前記接合体[H]における前記成形体[F]と前記樹脂成形体[G]との接着面の剥離強度が4N/cm以上である、請求項1に記載の接合体の製造方法。
  3. 前記変性ブロック共重合体水素化物[E]が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕を主成分とする、少なくとも二つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕を主成分とする、少なくとも一つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]であって、前記構造単位〔a〕の全量がブロック共重合体[C]に占める質量分率をwaとし、前記構造単位〔b〕の全量がブロック共重合体[C]に占める質量分率をwbとしたときに、waとwbとの比wa:wbが20:80〜60:40であるブロック共重合体[C]の、前記構造単位〔b〕由来の炭素−炭素不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物[D]に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物である、請求項1または2に記載の接合体の製造方法。
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