JP2016060779A - 変性ブロック共重合体水素化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、この文献の実施例には、反応により得られた反応性の高いアルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物の冷却方法やペレット化方法として、二軸押出し機を使用して変性反応を行った後、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物を二軸押出し機からストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングしてペレット状にしたことが記載されている。
しかし、空冷により溶融状態の樹脂を冷却固化する方法は、工業的に生産性に優れた方法とはいえない。
本発明の変性ブロック共重合体水素化物の製造方法は、特定のブロック共重合体水素化物とエチレン性不飽和シラン化合物を、有機過酸化物の存在下で反応させて得られるアルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物を、特定温度範囲の溶融状態で特定温度以下の水と接触させて冷却固化するものである。
本発明で用いるブロック共重合体水素化物(以下、「ブロック共重合体水素化物[D]」ということがある。)は、少なくとも2つの、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]と、少なくとも1つの、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体であって、ブロック共重合体全体に占める、重合体ブロック[A]の重量分率をwAとし、ブロック共重合体全体に占める、重合体ブロック[B]の重量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が20:80〜70:30であるブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体[C]」ということがある。)の、全不飽和結合の90%以上を水素化して得られる高分子である。
ブロック共重合体[C]は、ブロック共重合体水素化物[D]の前駆体であり、分子内に、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と少なくとも1つの重合体ブロック[B]を有する高分子である。
重合体ブロック[A]及び/又は重合体ブロック[B]が複数存在する際、重合体ブロック[A]の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(A1)及びMw(A2)とし、重合体ブロック[B]の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(B1)及びMw(B2)とした時、該Mw(A1)とMw(A2)との比(Mw(A1)/Mw(A2))、及び、該Mw(B1)とMw(B2)との比(Mw(B1)/Mw(B2))は、それぞれ通常5.0以下、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下である。
本発明のブロック共重合体の最も好ましい形態は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック共重合体([A]−[B]−[A])、及び、重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、更に、該両重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合したペンタブロック共重合体([A]−[B]−[A]−[B]−[A])である。
本発明に用いるブロック共重合体水素化物[D]は、上記のブロック共重合体[C]の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化して得られたものである。その水素化率は、通常99%以上、好ましくは99.5%以上、より好ましくは99.9%以上である。水素化率が99%を下回る場合は、変性ブロック共重合体水素化物の成形品の耐光性、耐熱劣化性等が低下するおそれがある。
ブロック共重合体水素化物[D]の水素化率は、1H−NMRによる測定や、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による、UV検出器とRI検出器とのピーク面積の比較などにより求めることができる。
本発明で製造するアルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物(以下、「変性ブロック共重合体水素化物[E]」ということがある。)は、前記のブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基が導入されたものである。
2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基;1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレン基等の炭素数6〜20のアリーレン基;−C(=O)−O−、−O−C(=O)−等のエステル基;−C(=O)−;及びこれらの組み合わせ;等が挙げられる。
アルコキシシリル基の導入量は、1H−NMRスペクトル(導入量が少ない場合は積算回数を増やす)を測定し、得られた測定データから算出することができる。
本発明の変性ブロック共重合体水素化物[E]の製造方法は、有機過酸化物の存在下に、ブロック共重合体水素化物[D]とエチレン性不飽和シラン化合物とを反応させるものである。
これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、ブロック共重合体水素化物[D]の100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部である。
有機過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物100重量部に対して、通常0.01〜3.0重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部、より好ましくは0.3〜1.0重量部である。
加熱混練時間は、通常0.3〜5分、好ましくは0.5〜3分、より好ましくは0.7〜2分程度である。混練時間は使用する有機過酸化物の通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上が分解するような時間となるように適宜決定することができる。有機過酸化物の分解する割合は、過酸化物の所定温度における半減期の数値により推算することができる。
二軸混練機、短軸押出し機等の連続混練設備を使用する場合は、滞留時間が上記範囲になるようにして、連続的に混練、押出しをすればよい。
本発明の製造方法は、(i)ブロック共重合体水素化物[D]と、エチレン性不飽和シラン化合物を有機過酸化物の存在下で反応させて、得られる変性ブロック共重合体水素化物[E]を一旦単離し、単離した変性ブロック共重合体水素化物[E]を温度180〜230℃の溶融状態とした後、温度60℃以下の水と接触させて冷却固化するものであっても、(ii)ブロック共重合体水素化物[D]と、エチレン性不飽和シラン化合物を有機過酸化物の存在下、固体状態で反応させて得られる、温度180〜230℃の溶融状態の変性ブロック共重合体水素化物[E]を、温度60℃以下の水と接触させて冷却固化するものであってもよいが、より効率よく目的とする変性ブロック共重合体水素化物[E]を得ることができることから、(ii)の方法が好ましい。
冷却に使用する水の温度は、加熱混練装置から押し出される溶融状態の変性ブロック共重合体水素化物[E]の温度に合わせて適宜調整することができる。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体及びブロック共重合体水素化物の分子量は、THFを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製、HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物[D]の水素化率は、前駆体であるブロック共重合体[C]の芳香族ビニル化合物由来の構造単位に含まれる芳香環の炭素−炭素不飽和結合及び鎖状共役ジエン由来の構造単位に含まれる炭素−炭素不飽和結合の合計に対して水素化された炭素−炭素結合の割合である。
ブロック共重合体水素化物[D]の水素化率は、1H−NMRスペクトル又はGPC分析により算出される。
水素化率99%以下の領域は、1H−NMRスペクトルを測定して算出し、99%を超える領域は、GPC分析により、UV検出器とRI検出器によるピーク面積の比率から算出した。
変性ブロック共重合体水素化物[E]のペレットを押出し成形して、厚さ0.76mm、幅230mmの片面に梨地エンボスパターンが形成されたシートを成形した。
このシートから試験片を切り出し、厚さ1.2mm、幅50mm、長さ50mmの2枚の白板ガラスの間に挟み積層した。この積層物を、厚さ75μmのポリプロピレン製の袋に入れ、密封パック器(BH−951、パナソニック社製)を使用して、袋内を脱気しながら開口部をヒートシールして積層物を密封包装した。その後、密封包装した積層物をオートクレーブに入れて、温度130℃、圧力0.8MPaで30分間処理して、合せガラス試験片[S](ガラス/変性ブロック共重合体水素化物[E]/ガラス)を作製した。
この合せガラス試験片[S]のヘイズをヘイズメータ(日本電色工業社製、NDH2000)により測定した。成形品の濁りは、ヘイズの値が、1%以下の場合を「○(良好)」、1%を超えている場合を「×(不良)」と評価した。
変性ブロック共重合体水素化物[E]のペレットを押出し成形して、厚さ0.38mm、幅230mmの片面に梨地エンボスパターンが形成されたシートを成形した。
このシートから試験片を切り出し、シート端部に非接着部位を設けて厚さ2mm、幅25mm、長さ65mmのソーダライムガラス板の上にエンボス面をガラス面に接触するように重ね、上記(3)成形品の濁りの項に記載したのと同様に、密封包装した後オートクレーブを使用して貼り合せ、剥離試験用試験片[T]を作成した。
試験片[T]のシート面に15mm幅の切り目を入れ、オートグラフ(島津製作所製、AGS−X)を使用して、シートの非接着部位から、剥離速度50mm/分で、180度剥離試験を行い、剥離強度を測定した。接着性は、剥離強度が15N/cm以上の場合を「○(良好)」、15N/cm未満の場合を「×(不良)」と評価した。
ブロック共重合体水素化物[D1]の作製
内部が充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25.0部、及び、n−ジブチルエーテル0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.83部を加えて重合を開始させ、60℃で攪拌しながら、さらに60分反応させた。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、この時点で重合転化率は99.5%であった。
その後、反応液に脱水イソプレン50.0部を加え、そのまま60℃で30分攪拌を続けた。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、この時点で重合転化率は99%であった。
その後さらに、反応液に脱水スチレンを25.0部加え、全容を60℃で60分攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、この時点での重合転化率はほぼ100%であった。
ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体[C1]の重量平均分子量(Mw)は49,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.04、wA:wB=50:50であった。
水素化反応により得られたブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は52,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
次いで、上記溶液を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノ社製、孔径0.5〜1μm)にて濾過し、更に別の金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)にて順次濾過して微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製、コントロ)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮乾燥器に直結したダイから溶融状態でストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーでカットして、ブロック共重合体水素化物[D1]のペレット95部を得た。
得られたブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は51,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、水素化率はほぼ100%であった。
ブロック共重合体水素化物[D2]の作製
重合段階で、モノマーとして、スチレン20.0部、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.81部、イソプレン60.0部及びスチレン20.0部をこの順に反応系に添加して重合反応を行う以外は、参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[D2]のペレット93部を得た。
得られたブロック共重合体水素化物[D2]の重量平均分子量(Mw)は53,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、水素化率はほぼ100%、wA:wB=40:60であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[E1]−1の製造)
参考例1で得たブロック共重合体水素化物[D1]のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及びジ−t−ブチルパーオキサイド(日油社製、パーブチルD、半減期が1分となる温度:185.9℃)0.2部を添加し、ブレンダーで混合した。この混合物を、二軸押出機(東芝機械社製、TEM37B)を用いて、樹脂温度220℃で、滞留時間が約40秒となるように制御して連続的に混練した。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E1]−1のペレットの表面のATR法によるIRスペクトルを、赤外分光装置(Thermo Fisher Scienthific社製、iS5)を使用して測定した。IRスペクトルには、1090cm−1にSi−OCH3基、825cm−1と739cm−1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのそれらの1075cm−1、808cm−1、及び766cm−1と異なる位置に観察された。
変性ブロック共重合体水素化物[E1]−1のペレットを、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅300mm)、キャストロール(梨地エンボスパターン付き)、ゴム製ニップロール及びシート引き取り装置を備えた押出しシート成形機を使用して、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、キャストロール温度80℃の成形条件にて押出し成形し、変性ブロック共重合体水素化物[E1]−1からなるシート[F1]−1(厚さ0.76mm、幅230mm)及びシート[F1]−2(厚さ0.38mm、幅230mm)を成形した。シート[F1]−1及びシート[F1]−2は、押出しシートの片面をニップロールでエンボスロールに押し当てることにより、エンボスパターンを転写し、ロール状に巻き取り回収した。
得られたシート[F1]−1、[F1]−2を使用して、それぞれのシートの濁り及びガラスとの接着性を評価した。評価結果は、両シートとも、濁りは「○」、接着性は「○」であった。これらの評価結果を表1に示した。
(変性ブロック共重合体水素化物[E1]−2〜「E1」−4の製造及び成形品の評価)
製造条件の樹脂温度を190〜230℃、混練時間を20〜300秒、押出し時のダイ温度を190〜230℃、冷却水の温度を60℃に変え、表1に示した組合わせの条件とする以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[D1]、ビニルトリメトキシシラン及びジ−t−ブチルパーオキサイド混練して、変性ブロック共重合体水素化物[E1]−2〜[E1]−4を製造した。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E1]−2〜[E1]−4について、実施例1と同様にしてシートを成形し、成形品の濁り及びガラスとの接着性を評価合した。評価結果を表1にまとめて示した。
(変性ブロック共重合体水素化物[E1]−5〜「E1」−9の製造及び成形品の評価)
製造条件の樹脂温度を190〜240℃、混練時間を20〜300秒、押出し時のダイ温度を190〜240℃、冷却水の温度を20〜70℃に変え、表1に示した組合わせの条件とする以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[D1]、ビニルトリメトキシシラン及びジ−t−ブチルパーオキサイドを混練して、変性ブロック共重合体水素化物[E1]−5〜[E1]−9を製造した。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E1]−5〜「E1」−9のペレット表面のATR法によるIRスペクトルには、1030cm−1と1055cm−1にSi−O―Si基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのIRスペクトルとは異なる位置に観察された。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E1]−5〜[E1]−9について、実施例1と同様にしてシートを成形し、成形品の濁り及びガラスとの接着性を評価合した。評価結果を表1にまとめて示した。
(変性ブロック共重合体水素化物の製造)
参考例2で得たブロック共重合体水素化物[D2]のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.2部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製、パーヘキサ25B、半減期が1分となる温度:179.8℃)0.2部を添加し、ブレンダーで混合した。この混合物を、実施例1と同様の二軸押出機を用いて、樹脂温度210℃で、滞留時間が約60秒となるように制御して連続的に混練した。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E2]を、実施例1と同様に分析した。ATR法によるIRスペクトルには、変性ブロック共重合体水素化物[E1]と同様に、1090cm−1にSi−OCH3基、825cm−1と739cm−1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が観察された。
また、溶解、凝固、単離した変性ブロック共重合体水素化物[E2]のFT−IRスペクトルでは、ペレットの表面のIRスペクトルと同様に、1090cm−1、825cm−1及び739cm−1に新たな吸収帯が観察された。また、1H−NMRスペクトルでは3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づく吸収帯が観察され、ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[D2]の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.9部が結合していることが確認された。
変性ブロック共重合体水素化物[E2]−1のペレットを使用する以外は、実施例1と同様にして、シート[F2]−1(厚さ0.76mm、幅230mm)及びシート[F2]−2(厚さ0.38mm、幅230mm)を成形した。
得られたシート[F2]−1、[F2]−2を使用して、それぞれのシートの濁り及びガラスとの接着性を評価した。評価結果は、両シートとも、濁りは「○」、接着性は「○」であった。これらの評価結果を表2に示した。
(変性ブロック共重合体水素化物[E2]−2〜「E2」−4の製造及び成形品の評価)
製造条件の樹脂温度を190〜230℃、混練時間を20〜300秒、押出し時のダイ温度を190〜230℃、冷却水の温度を60℃に変え、表2に示した組合わせの条件とする以外は、実施例2と同様にして、ブロック共重合体水素化物[D2]、ビニルトリメトキシシラン及び 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン混練して、変性ブロック共重合体水素化物[E2]−2〜[E2]−4を製造した。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E2]−2〜[E2]−4について、実施例1と同様にしてシートを成形し、成形品の濁り及びガラスとの接着性を評価合した。評価結果を表2にまとめて示した。
(変性ブロック共重合体水素化物[E2]−5〜「E2」−9の製造及び成形品の評価)
製造条件の樹脂温度を190〜240℃、混練時間を20〜300秒、押出し時のダイ温度を190〜240℃、冷却水の温度を20〜70℃に変え、表2に示した組合わせの条件とする以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[D2]、ビニルトリメトキシシラン及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン混練して、変性ブロック共重合体水素化物[E2]−5〜[E2]−9を製造した。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E2]−5〜「E2」−9のペレット表面のATR法によるIRスペクトルには、1030cm−1と1055cm−1にSi−O―Si基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのIRスペクトルとは異なる位置に観察された。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E2]−5〜[E2]−9について、実施例1と同様にしてシートを成形し、成形品の濁り及びガラスとの接着性を評価合した。評価結果を表2にまとめて示した。
本発明の製造方法の条件で、ブロック共重合体水素化物[D]とエチレン性不飽和シラン化合物とを有機過酸化物の存在下で反応させた場合、得られた変性ブロック共重合体水素化物[E]から成形されたシートは、透明で濁りが小さく、ガラスとの良好な接着性を示す(実施例1〜8)。
反応温度が本発明の製造方法の上限温度(230℃)を超えた場合、得られた変性ブロック共重合体水素化物[E]から成形されたシートは、濁りが大きく、ガラスとの接着性も低くなる(比較例4、9)。
冷却水の温度が本発明の製造方法の上限温度(60℃)を超えた場合、得られた変性ブロック共重合体水素化物[E]から成形されたシートは、濁りが大きくなる(比較例1〜10)。
冷却水の温度が本発明の製造方法の上限温度(60℃)を大きく超え、70℃となった場合は、得られた変性ブロック共重合体水素化物[E]から成形されたシートは、濁りだけでなく、ガラスとの接着性も不良となる(比較例2、5、7、10)。
Claims (1)
- 少なくとも2つの、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]と、少なくとも1つの、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体であって、
ブロック共重合体全体に占める、重合体ブロック[A]の重量分率をwAとし、ブロック共重合体全体に占める、重合体ブロック[B]の重量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が20:80〜70:30であるブロック共重合体の、全不飽和結合の90%以上を水素化して得られるブロック共重合体水素化物と、エチレン性不飽和シラン化合物を、有機過酸化物の存在下で反応させて得られるアルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物を、温度180〜230℃の溶融状態で温度60℃以下の水と接触させて冷却固化することを特徴とする、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物の製造方法。
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