JP6229460B2 - 薄膜ガラス積層体 - Google Patents

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本発明は、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL照明などの光学材料に対して水蒸気バリア層を形成するのに有効な薄膜ガラス積層体に関し、さらに詳しくは、薄膜ガラスのハンドリング性に優れ、透明性、低複屈折性に優れ、ガラス、金属、プラスチックなどの基材に対する接着剤層を有する薄膜ガラス積層体に関する。
有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL照明などの光学材料に適したシートとしてガラスが広く用いられている。ガラスは光線透過率、耐傷性、水蒸気バリア性、ガスバリア性などに優れ、信頼性の高いシート材である一方、プラスチックフィルムに比べて重く、柔軟性が劣る。ガラスを薄膜化することにより湾曲させることは可能になるが、薄膜化することにより割れ易くなりハンドリング性が悪化する問題がある。
これに対し、軽量、薄膜で割れないシートとして水蒸気バリア性を高めた各種のプラスチックシートが提案されている。水蒸気バリア性を高めるものとして例えば、特許文献1にはプラスチックシートにSiOなどのガスバリア層を形成した技術が開示されている。しかし、SiOなどのガスバリア膜は割れなどの欠陥を生じる問題がある。また、特許文献2には無機のガスバリア膜及び有機膜を組み合わせた手法などが提案されている。しかし、これらの特許文献に記載のガスバリア性フィルムでは、水蒸気透過率が、10−2g/m・day程度が下限であり、ガラスには及ばない。また、蒸着層を形成するため高コストとなる問題がある。
薄膜ガラスの問題点を改善する方法として、特許文献3には、薄膜ガラスの両面に樹脂フィルムを接着剤を使用して積層して補強したものがガラスの脆さを補い、可撓性を持たせ、ガスバリア性と強度が両立した薄膜ガラス積層シートが提案されている。また特許文献4には薄膜ガラスの少なくとも片面にビニルエステル組成物と多官能アクリレートと混合した混合組成物の硬化・架橋物からなる層が積層された薄膜シートが、ハンドリング性に優れ、光学的等方性を有する薄膜ガラス積層シートとして提案されている。しかし、これらの薄膜ガラス積層シートは、薄膜ガラスの割れ易さを低減し、ハンドリング性の改善はあるものの、有機EL表示素子や液晶表示素子の耐水分劣化用保護層として利用するには、これらの薄膜ガラス積層シートを更に接着剤を使用して表示素子に貼り合せることが必要で、工程数が多くなる上に、素子を劣化させる水分がガラスに積層した樹脂層や接着剤層を経由して浸入するため、薄膜ガラスの水分バリア性が活かされないという問題がある。
このため、透明で複屈折が小さく、水分バリア性に優れ、基板ガラスや金属に対する接着性を有し、ガラスの脆さを補強してハンドリング性を高めることのできる接着剤層を有する薄膜ガラス積層シートが待望されている。
ところで、特定のブロック共重合体の、全不飽和結合を水素化して得られるブロック共重合体水素化物に、アルコキシシリル基を導入した変性ブロック共重合体水素化物がガラスとの強固な接着力を維持し、太陽電池素子用の封止材として用いることができることが特許文献5に開示されている。しかし、この変性ブロック共重合体水素化物を薄膜ガラスに積層して薄膜ガラスの脆さを補強し、同時に他の基板材料に接着することにより顕著な水分バリア性を付与するという概念に関して記載はない。
特開2007−15350号公報 特開2006−231644号公報 特開2002−299041号公報 特開2009−202456号公報 国際公開WO2012/043708号
本発明の目的は、基材に対して水蒸気バリア層を形成するのに有効な接着剤層を有する薄膜ガラス積層体を提供するもので、さらに詳しくは、薄膜ガラスのハンドリング性に優れ、透明性、低複屈折性に優れ、ガラス、金属、プラスチックなどの基材に対する接着剤層を有する薄膜ガラス積層体を提供することにある。
本発明者らは、この目的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、特許文献5に提案されているアルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]からなるシートを、特定の温度以下で薄膜ガラスに加熱接着した場合、得られた薄膜ガラス積層体は、再度加熱することにより変性ブロック共重合体水素化物[3]層を介してガラス、金属、セラミックス等の基材に接着できることを見出し本発明を完成した。
かくして本発明によれば、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなり、全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が25:75〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物[2]に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる接着剤層を、厚さ20〜200μmの薄膜ガラスの片面に積層してなる薄膜ガラス積層体が提供される。
前記接着剤層は、変性ブロック共重合体水素化物[3]100重量部に対して、数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体[4]1〜50重量部を配合してなる樹脂組成物[5]から構成されたものであることが好ましい。
また、前記接着層の厚さは、10〜200μmであることが好ましい。
本発明の接着剤層を有する薄膜ガラス積層体は、基材に対して水蒸気バリア層を形成するのに有効な薄膜ガラス積層体であり、薄膜ガラスの割れ易さを改善してハンドリング性に優れ、透明性、低複屈折性に優れ、ガラス、金属、プラスチックなどの基材に対する接着性を有する薄膜ガラス積層体を提供することができる。また、本発明の接着剤層を有する薄膜ガラス積層体は、ガラス基材や金属基材との貼り合せ前に含有水分量の調整などの特別な処理は必要とせず、長期間、常温常湿の環境下に保管しておいたものをそのまま使用することができ、保管や取り扱いが容易である。
本発明の接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、特定のブロック共重合体水素化物[2]に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる接着剤層を、厚さ20〜200μmの薄膜ガラスの片面に積層していることを特徴とする。
1.ブロック共重合体[1]
本発明に係る変成ブロック共重合体水素化物[3]の前駆体であるブロック共重合体[1]は、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と少なくとも1つの重合体ブロック[B]を含有する。
重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とするものであり、重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。また、重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位以外の成分としては、鎖状共役ジエン由来の構造単位及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位を含むことができ、その含有量は通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位が少なすぎると、本発明の薄膜ガラス積層体の接着層の耐熱性が低下する恐れがあるため好ましくない。複数の重合体ブロック[A]は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とするものであり、重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位が上記範囲にあると、本発明の薄膜ガラス積層体の接着層の柔軟性が良好で、得られる薄膜ガラス積層体の反りが小さくなるため好ましい。また、重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位以外の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の構造単位及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位を含むことができ、その含有量は、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック[B]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量が増加すると、本発明の薄膜ガラス積層体の接着層の柔軟性が低下し、得られる薄膜ガラス積層体の反りが大きくなるため好ましくない。重合体ブロック[B]が複数有る場合には、重合体ブロック[B]は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
芳香族ビニル化合物としては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレンなどが挙げられ、工業的な入手の容易さからスチレンが特に好ましい。
鎖状共役ジエン系化合物としては、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、工業的な入手の容易さ、重合反応の制御の容易さから1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
その他のビニル系化合物としては、鎖状ビニル化合物や環状ビニル化合物が挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテンなどの鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサンなどの環状オレフィンなどの、極性基を含有しないものが吸湿性の面で好ましく、鎖状オレフィンがより好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
ブロック共重合体[1]中の重合体ブロック[A]の数は、通常4個以下、好ましくは3個以下、より好ましくは2個である。重合体ブロック[A]及び/又は重合体ブロック[B]が複数存在する際、重合体ブロック[A]の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(A1)及びMw(A2)とし、重合体ブロック[B]の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(B1)及びMw(B2)とした時、該Mw(A1)とMw(A2)との比(Mw(A1)/Mw(A2))、及び、該Mw(B1)とMw(B2)との比(Mw(B1)/Mw(B2))は、それぞれ2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。
ブロック共重合体[1]のブロックの形態は、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、鎖状型ブロックであるものが、機械的強度に優れ好ましい。ブロック共重合体[1]の最も好ましい形態は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック共重合体、及び、重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、更に、該両重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合したペンタブロック共重合体である。
ブロック共重合体中[1]の、全重合体ブロック[A]がブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]がブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとした時に、wAとwBとの比(wA:wB)は、25:75〜65:35、好ましくは30:70〜60:40、より好ましくは35:65〜50:50である。wAが大き過ぎる場合は、本発明で使用する変成ブロック共重合体水素化物[3]の耐熱性は高くなるが、柔軟性が低く、薄膜ガラスへ積層した場合に薄膜ガラスの反りが大きくなり易く好ましくない。wAが小さ過ぎる場合は、耐熱性が劣るため好ましくない。
ブロック共重合体[1]の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常30,000〜200,000、好ましくは40,000〜150,000、より好ましくは50,000〜100,000である。また、ブロック共重合体[1]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下である。Mw及びMw/Mnが上記範囲内となるようにすると、本発明の薄膜ガラス積層体の機械強度が良好で、ハンドリング性が良いため好ましい。
ブロック共重合体[1]の製造方法は、例えばリビングアニオン重合などの方法により、芳香族ビニル化合物を主成分として含有するモノマー混合物(a)と鎖状共役ジエン系化合物を主成分として含有するモノマー混合物(b)を交互に重合させる方法;芳香族ビニル化合物を主成分として含有するモノマー混合物(a)と鎖状共役ジエン系化合物を主成分として含有するモノマー混合物(b)を順に重合させた後、重合体ブロック[B]の末端同士を、カップリング剤によりカップリングさせる方法などがある。
2.ブロック共重合体水素化物[2]
本発明に係る変成ブロック共重合体水素化物[3]のもう一つの前駆体であるブロック共重合体水素化物[2]は、上記のブロック共重合体[1]の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものであり、その水素化率は通常90%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。水素化率が高いほど、本発明の接着剤層の透明性、耐光性、耐熱性が良好であり好ましい。ブロック共重合体水素化物[2]の水素化率は、H−NMRスペクトルにて求めることができる。
不飽和結合の水素化方法や反応形態などは特に限定されず、公知の方法にしたがって行えばよいが、水素化率を高くでき、重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましい。このような水素化方法としては、例えば、国際公開WO2011/096389号公報、国際公開WO2012/043708号公報などに記載された方法を挙げることができる。
上記した方法で得られるブロック共重合体水素化物[2]は、水素化触媒及び/又は重合触媒を、ブロック共重合体水素化物[2]を含む反応溶液から除去した後、反応溶液から回収される。回収されたブロック共重合体水素化物[2]の形態は限定されるものではないが、その後のシリル化変性反応に供し易いように通常はペレット形状にすることが好ましい。
ブロック共重合体水素化物[2]の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000〜200,000、好ましくは40,000〜150,000、より好ましくは45,000〜100,000である。また、ブロック共重合体水素化物[2]の分子量分布(Mw/Mn)を、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下にする。Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明の薄膜ガラス積層体の機械強度が良好で、ハンドリング性が良いため好ましい。
3.変成ブロック共重合体水素化物[3]
本発明で使用する変成ブロック共重合体水素化物[3]は、上記ブロック共重合体水素化物[2]に、有機過酸化物の存在下でエチレン性不飽和シラン化合物と反応させることによりアルコキシシリル基が導入されたものである。アルコキシシリル基は、ブロック共重合体水素化物[2]にアルキレン基やアルキレンオキシカルボニルアルキレン基などの2価の有機基を介して結合していても良い。
アルコキシシリル基の導入量は、通常、ブロック共重合体水素化物[2]100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部である。アルコキシシリル基の導入量が多過ぎると、所望の形状に溶融成形する前に微量の水分等で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋が進み、ゲルが発生したり、溶融時の流動性が低下して成形性が低下するなどの問題を生じ易く好ましくない。アルコキシシリル基の導入量が少な過ぎると、ガラスとの十分な接着力が得られないという不具合が生じるため好ましくない。アルコキシシリル基の導入はIRスペクトルで確認することができ、導入量はH−NMRスペクトル(導入量が少ない場合は積算回数を増やす)にて算出することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、ブロック共重合体水素化物[2]とグラフト重合し、ブロック共重合体水素化物[2]にアルコキシシリル基を導入するものであれば特に限定されないが、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、などが好適に用いられる。
これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、ブロック共重合体水素化物[2]100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部である。
過酸化物としては、1分間半減期温度が170〜190℃のものが好ましく使用され、例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジー(2−t一ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが好適に用いられる。
これらの過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物[2]100重量部に対して、通常0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.2〜0.5重量である。
上記のブロック共重合体水素化物[2]とエチレン性不飽和シラン化合物とを過酸化物の存在下で反応させる方法は特に限定されないが、例えば、二軸混練機にて所望の温度で所望の時間混練することによりアルコキシシリル基を導入することができる。本発明のブロック共重合体水素化物[2]では、その温度は、通常180〜220℃、好ましくは185〜210℃、より好ましくは190〜200℃である。加熱混練時間は、通常0.1〜10分、好ましくは0.2〜5分、より好ましくは0.3〜2分程度である。温度、滞留時間が上記範囲になるようにして、連続的に混練、押出しをすればよい。
本発明に係る変性ブロック共重合体水素化物[3]の分子量は、導入されるアルコキシシリル基の量が少ないため、原料として用いたブロック共重合体水素化物[2]の分子量と実質的には変わらないが、過酸化物の存在下でエチレン性不飽和シラン化合物と反応させるため、重合体の架橋反応、切断反応も併発し、分子量分布は大きくなる。THFを溶媒としたGPCにより測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常30,000〜300,000、好ましくは40,000〜200,000、より好ましくは50,000〜150,000である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.5以下、より好ましくは2.5以下、特に好ましくは2.0以下である。Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明の薄膜ガラス積層体の機械強度が良好で、ハンドリング性が良いため好ましい。
4.変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]
本発明の薄膜ガラス積層体の接着剤層は、接着温度を低下させたり、薄膜ガラス積層体の反りを低減させるために変性ブロック共重合体水素化物[3]に可塑剤を配合してなる樹脂組成物[5]を使用して成形することができる。可塑剤としては、低分子量の炭化水素系重合体[4];一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステルなどの有機酸エステル系可塑剤;有機リン酸エステル系、有機亜リン酸エステル系などのリン酸エステル系可塑剤;等を挙げることができる。これらの可塑剤の中では、低分子量の炭化水素系重合体[4]が透明性を維持して接着温度を低下させ、薄膜ガラス積層体の反りを小さくすることができ、また、接着剤層を経由する水分の浸入を小さく維持できるため好ましい。
低分子量の炭化水素系重合体[4]は、変性ブロック共重合体水素化物[3]に均一に溶解ないし分散できるものが好ましく、数平均分子量300〜5,000の炭化水素系重合体[4]が好ましい。低分子量の炭化水素系重合体[4]の具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−1−オクテン、エチレン・α−オレフィン共重合体等の低分子量体及びその水素化物; 脂肪族系炭化水素樹脂及びその水素化物; 脂環族炭化水素樹脂及びその水素化物; インデン・スチレン共重合体水素化物; 低分子量ポリイソプレン及びその水素化物; などが挙げられる。これらの中でも、特に透明性に優れた接着性樹脂組成物が得られる点で、低分子量のポリイソブチレン水素化物、低分子量のポリイソプレン水素化物が好ましい。
低分子量の炭化水素系重合体[4]の分子量は、THFを溶媒とするGPCにより測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)で、通常300〜5,000、好ましくは500〜4,000、より好ましくは1,000〜3,000である。Mnが300を下回る場合は、本発明の樹脂組成物[5]を溶融成形する際に気泡を発生し易くなるため好ましくない。また、Mnが5,000を超える場合は、ガラスとの接着温度を低下させる効果が小さくなるため好ましくない。
樹脂組成物[5]は、変性ブロック共重合体水素化物[3]100重量部に対して低分子量の炭化水素系重合体[4]を、通常1〜50重量部、好ましくは5〜35重量部、より好ましくは10〜25重量部配合して得られる。低分子量の炭化水素系重合体[4]の配合量が上記範囲となるようにすると、本発明の樹脂組成物[5]のガラスとの接着温度を低下させ、得られる薄膜ガラス積層体の反りを低減する効果があるため好ましい。
変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合する方法は、例えば、低分子量の炭化水素系重合体[4]を適当な溶剤に溶解して変性ブロック共重合体水素化物[3]の前駆体であるブロック共重合体水素化物[2]の溶液に添加した後、溶媒を除去して低分子量の炭化水素系重合体[4]を含むブロック共重合体水素化物[2]を回収し、これとエチレン性不飽和シラン化合物とを過酸化物の存在下で反応させる方法; 二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機などでブロック共重合体水素化物[2]を溶融状態にして低分子量の炭化水素系重合体[4]を混練した後、この樹脂組成物とエチレン性不飽和シラン化合物とを過酸化物の存在下で反応させる方法; 二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機などで変性ブロック共重合体水素化物[3]を溶融状態にして低分子量の炭化水素系重合体[4]を混練する方法; ブロック共重合体水素化物[2]とエチレン性不飽和シラン化合物とを過酸化物の存在下で反応させる際に同時に低分子量の炭化水素系重合体[4]も混練する方法などが挙げられる。
5.配合剤
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]は、不飽和結合の含有量が少ないため耐光性、耐熱安定性に優れるが、これらの特性を更に向上させるために紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などの配合剤を含有させることは効果がある。
[紫外線吸収剤]
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]は、紫外線吸収剤を配合することにより耐光性を向上させることができる。効果のある紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は、変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]100重量部に対して、通常0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部、より好ましくは0.2〜1.0重量部である。紫外線吸収剤の配合量が上記範囲となるようにすると、薄膜ガラス積層体の接着層のガラスや金属に対する接着力の低下を生じることなく、耐光性を改善することができるため好ましい。
[光安定剤]
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]の耐光性を向上させるための光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、構造中に3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基、あるいは、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基などを有している化合物が挙げられる。
ヒンダードアミン系耐光安定剤の量は、変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]100重量部に対して、通常0.01〜0.5重量部、好ましくは0.02〜0.3重量部、より好ましくは0.04〜0.1重量部である。ヒンダードアミン系耐光安定剤の量が上記範囲となるようにすると、薄膜ガラス積層体の接着層のガラスや金属に対する接着力の低下を生じることなく、耐光性を改善することができるため好ましい。
[酸化防止剤]
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]に、上記の紫外線吸収剤及び耐光安定剤の他に、更に酸化防止剤を配合することにより、熱安定性をより向上することもできる。添加することができる酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノ−ル系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが挙げられる。
酸化防止剤の量は、変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]100重量部に対して、通常0.02〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。酸化防止剤の量が上記範囲となるようにすると、変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]を溶融成形する際の熱劣化を抑制する効果があり好ましい。
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]に、上記配合剤を均一に分散する方法は、前述した変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合するのと同様の方法で行うことができる。
6.変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなるシート
本発明の変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]は、通常、シート状に成形して、ガラス板と積層する工程に供される。シートの厚さは、通常は10〜200μmの範囲にあることが好ましい。シート厚みが10μmよりも小さい場合は、本発明の薄膜ガラス積層体を他の基材に貼り合わせる際に接着不良部位が生じ易くなるため好ましくない。シート厚みが200μmよりも大きい場合は、接着層を経由して浸透する水分量が多くなるため好ましくない。
シートの製造方法は、特に制限は無いが、公知の溶融押出し成形、圧縮成形、カレンダー成形、インフレーション成形等が適用できる。本発明の変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]は、熱架橋性を付与するための有機過酸化物の配合を必要としないため、溶融成形温度の選択領域も広い。シートの成形条件は、成形方法により適宜選択されが、例えば溶融押出し成形法による場合は、樹脂温度は、通常150〜250℃、好ましくは170〜230℃、より好ましくは190〜210℃の範囲で適宜選択される。樹脂温度が低過ぎる場合は、流動性が悪化し、成形シートにゆず肌やダイラインなどの不良を生じ易く、また、シートの押出し速度が上げられず工業的に好ましくない。樹脂温度が高過ぎる場合は、変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]のガラスへの接着性が不良となったり、シートの貯蔵安定性が低下して、シートを常温常湿環境で長期間貯蔵した後のガラスに対する接着性が低下するなどの不具合を生じ易く、好ましくない。
変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなるシートの形状は、平面状やエンボス加工を施した形状などとすることができる。シート同士のブロッキングを防止するために、該シートの片面に離型フィルムを重ねて保管することもできる。エンボス加工したシートは、薄膜ガラス板の貼り合わせ工程での真空ラミネータや真空プレスを使用した真空ラミネート時やオートクレーブでの加圧ラミネート時の脱気性が良く、薄膜ガラス積層体のガラスと接着層の間に気泡が残り難い点で好ましい。
7.薄膜ガラス
本発明に用いる薄膜ガラスの種類は特に限定されず、青板ガラス、白板ガラス、アルミノシリケート酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ウランガラス、カリガラス、ケイ酸ガラス、結晶化ガラス、ゲルマニウムガラス、石英ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、硼珪酸ガラス、表面に極薄の金属膜をコーティングした熱線反射ガラス、表面に極薄の金属酸化物膜をコーティングした導電性ガラスなどを挙げることができる。
使用する薄膜ガラスの厚みは、20〜200μm、好ましくは20〜150μm、より好ましくは30〜100μmで、目的とする用途に応じた厚みを選択することができる。通常は厚さが上記範囲より薄い場合は、非常に脆く、ハンドリングが困難であるため好ましくない。また、上記範囲より厚い場合は、可撓性が低下し湾曲させることが困難となり、また、他の基材に貼り合せた際に厚みが厚く意匠性を損なうため好ましくない。
8.薄膜ガラス積層体
本発明の薄膜ガラス積層体は、変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなるシートと厚さ20〜200μmの薄膜ガラスとを接着させて積層一体化してなるものである。薄膜ガラスに積層した変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなる層は、加熱することで他のガラスや金属の基材に対して接着が可能なものである。
本発明の薄膜ガラス積層体を製造するには、薄膜ガラスの上に変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなるシートを配置し、その上に更にPET製などの離形フィルムを配置した後、真空プレス、真空ラミネータ等を使用して、脱気しながら加熱して接着させれば良い。接着後に離形フィルムを除去することにより薄膜ガラス積層体が得られる。
薄膜ガラス積層体を製造する際の加熱温度は、通常100〜150℃、好ましくは110〜140℃、より好ましくは120〜130℃であり、加熱時間は、通常2〜60分、好ましくは3〜30分、より好ましくは5〜20分である。加熱温度が上記範囲を下回る場合は、薄膜ガラスと変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなる接着層との間の十分な接着力が得られず、また、上記範囲を超える場合は、得られる薄膜ガラス積層体を再度加熱して他の基材に貼り合せる際に他の基材との間の十分な接着力が得られなくなるため好ましくない。
本発明の薄膜ガラス積層体を、接着剤層を介して他の基材に貼り合せるには、真空プレス、真空ラミネータ、複合材料加熱硬化用オートクレーブ等を使用し、加熱下で圧着することにより行うことができる。貼り合せる際の温度は、上記の薄膜ガラス積層体を製造する際の温度とほぼ同様である。
本発明の接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、ガラス、金属、セラミックス、プラスチック、木材等の基材に貼り合せることにより、透明性を維持して防湿機能や耐傷性を付与するために有用である。例えば、本発明の薄膜ガラス積層体を貼り合せたアクリル樹脂板やポリカーボネート板は、表面の耐傷性が優れるため自動車用透明部材、建材用透明部材、光学用透明部材等として有用である。また、例えば、水分で劣化し易い有機EL素子を使用する有機EL装置に用いるフィルムに本発明の薄膜ガラス積層体を貼り合せることにより、高い防湿性を付与できるため軽量で薄型の有機EL装置を得るにも有用である。また、タッチパネル液晶ディスプレイ等に貼り合せることにより耐傷性を向上させることにも有用である。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部及び%は、特に断りがない限り、重量基準である。以下に各種物性の測定法を示す。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体[1]及びブロック共重合体水素化物[2]の分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物[2]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、H−NMRスペクトルを測定して算出した。
(3)薄膜ガラス積層体の反り
縦60mm、横60mmの薄膜ガラス(厚さ50μm、Shott社製)に、厚さ45〜50μmの接着剤層を接着した薄膜ガラス積層体サンプルを、湾曲面の凹面を下向きに平坦な基材上に置き、中央部の高さを測定して、反りの大きさを測定した。反りの大きさが1.5mm以下の場合を○(良好)、1.5mmを超え2.5mm以下の場合を△、2.5mmを超える場合を×(不良)として評価した。
(4)接着剤の吸水率
接着性を有する樹脂サンプルを使用して、縦50mm、横50mm、厚さ500〜550μmの試験片を作成した。この試験片を23℃の水中に168時間浸漬して、重量変化を測定することにより吸水率を測定した。
(5)耐熱性
長さ65mm、幅20mm、厚さ1.9mmの2枚のガラス板を使用し、端部に長さ20mm、幅20mmの接着面で、接着剤樹脂層の厚さ360〜400μmとなるように貼り合せ、耐熱性評価用の試験片を作成した。試験片の片方の端部に5gの錘を取り付け、もう一方の端部にクリップを取り付け、錘を取り付けた側が下になるようにして、クリップでオーブン内に吊るして配置した。その後、オーブン内の温度を100℃にして、168時間保持した後、接着面でのガラスの位置ずれの大きさを測定した。位置ずれの大きさが0.5mm以内の場合を○(良好)、0.5mmを超え1mm以内の場合を△、1mmを超える場合を×(不良)として評価した。
(6)接着剤層の透湿性
縦100mm、横100mm、厚さ1.9mmの青板ガラス基板上の中心部に、縦8mm、横8mmに切り出した湿度インジケータ(NKラボラトリーズ社製)を置き、湿度インジケータの周囲を取り囲んで縦50mm、横50mm、厚さ360〜400μmの接着剤層が配置され、その上に縦50mm、横50mm、厚さ100μmの薄膜ガラス(Shott社製)が接着された、湿度インジケータがガラス板と薄膜ガラスの間に接着剤で封止された透湿性評価用の試験片を作成した(図1参照)。この試験片の薄膜ガラスの端部から湿度インジケータまでの最短距離は21mmである。
この試験片を恒温恒湿槽に入れ、85℃、85%RHの環境で168時間保持した後、封入した湿度インジケータの色変化から、水分の浸入有無を観察した。水分の浸入が確認されなかった場合を○(良好)、水分の浸入が確認された場合を×(不良)として評価した。
[参考例1]
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1の作成
(ブロック共重合体[1]−1の作成)
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25.0部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液0.86部を加えて重合を開始した。攪拌しながら60℃で60分反応させた。ガスクロマトグラフィーにより測定したこの時点で重合転化率は99.5%であった。
次に、脱水イソプレン50.0部を加えそのまま30分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は99%であった。
その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.096部を加えて反応を停止した。得られたブロック共重合体[1]−1の重量平均分子量(Mw)は48,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
(ブロック共重合体水素化物[2]−1の作成)
次に、上記重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として珪藻土担持型ニッケル触媒(日揮触媒化成社製、製品名「E22U」、ニッケル担持量60%)4.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、更に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応後のブロック共重合体水素化物[2]−1の重量平均分子量(Mw)は51,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノ−ル系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「イルガノックス(登録商標)1010」、BASF社製)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノ社製、孔径0.5〜1μm)にて濾過し、更に別の金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)にて順次濾過して微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮乾燥器に直結したダイから溶融状態でストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーでカットしてブロック共重合体水素化物[2]−1のペレット93部を作成した。得られたブロック共重合体水素化物[2]−1の重量平均分子量(Mw)は51,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.10、水素化率はほぼ100%、wA:wB=50:50であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[3]−1の作成)
得られたブロック共重合体水素化物[2]−1のペレット100部に対してビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のペレット95部を得た。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のペレット10部をシクロヘキサン100部に溶解した後、脱水したメタノール400部中に注いで変性ブロック共重合体水素化物[3]−1を凝固させ、濾別した後、25℃で真空乾燥して変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のクラム9.0部を単離した。FT−IRスペクトルでは、1090cm−1にSi−OCH基、825cm−1と739cm−1にSi−CH基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのそれらの1075cm−1、808cm−1及び766cm−1と異なる位置に観察された。また、H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)では3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づく吸収帯が観察され、ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[2]−1の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
[参考例2]
変性ブロック共重合体水素化物[3]−2の作成
(ブロック共重合体水素化物[2]−2の作成)
重合段階でモノマーとして、スチレン20.0部、n−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液0.68部、イソプレン60.0部及びスチレン20.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2]−2のペレット93部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−2の重量平均分子量(Mw)は64,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.12、水素化率はほぼ100%、wA:wB=40:60であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[3]−2の作成)
参考例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[2]−2のペレット100部に参考例1と同じビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2部を添加し、参考例1と同様にして、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレット92部を得た。得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレットは、参考例1と同様にして分析し、ブロック共重合体水素化物[2]−2の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
[参考例3]
変性ブロック共重合体水素化物[3]−3の作成
(ブロック共重合体水素化物[2]−3の作成)
重合段階でモノマーとして、スチレン35.0部、イソプレン30.0部及びスチレン35.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2]−3のペレット95部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−3の重量平均分子量(Mw)は52,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.11、水素化率はほぼ100%、wA:wB=70:30であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[3]−3の作成)
参考例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[2]−3のペレット100部に参考例1と同じビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2部を添加し、参考例1と同様にして、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレット85部を得た。得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレットは、参考例1と同様にして分析し、ブロック共重合体水素化物[2]−3の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.7部が結合したことが確認された。
[参考例4]
変性ブロック共重合体水素化物[3]−4の作成
(ブロック共重合体水素化物[2]−4の作成)
重合段階でモノマーとして、スチレン10.0部、n−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液0.53部、イソプレン80.0部及びスチレン10.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2]−4のペレット91部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−4の重量平均分子量(Mw)は80,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.13、水素化率はほぼ100%、wA:wB=20:80であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[3]−4の作成)
参考例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[2]−4のペレット100部に参考例1と同じビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2部を添加し、参考例1と同様にして、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−4のペレット77部を得た。得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−4のペレットは、参考例1と同様にして分析し、ブロック共重合体水素化物[2]−4の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
[参考例5]
イソプレン重合体水素化物[4]−2の作成
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン400部、脱水イソプレン25.0部、n−ジブチルエーテル7.5部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液20.0部を加えて重合を開始した。攪拌しながら60℃で30分反応させた。
次に、脱水イソプレン75.0部を3回に分けて30分おきに加え、その後60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率はほぼ100%であった。
ここでイソプロピルアルコール3.0部を加えて反応を停止した。得られたポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は1,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
次に、上記重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として珪藻土担持型ニッケル触媒(日揮触媒化成社製、製品名「E22U」、ニッケル担持量60%)1.5部及び脱水シクロヘキサン50部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、更に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度160℃、圧力4.5MPaにて4時間水素化反応を行った。水素化反応後のイソプレン重合体水素化物[4]−3の数平均分子量(Mn)は1,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノ−ル系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「イルガノックス(登録商標)1010」、BASF社製)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノ社製、孔径0.5〜1μm)にて濾過して微小な固形分を除去した。この濾液を、減圧下で50℃に加温してシクロヘキサン200部を留去させ、濃縮した。この濃縮した溶液にイソプロピルアルコール500部を加え、水素化ポリイソプレンを粘稠な液状体として分離させた。上澄み液を除去した後、120℃、減圧下で24時間保持して揮発成分を除去し、水素化ポリイソプレン76部を得た。得られたイソプレン重合体水素化物[4]−3の数平均分子量(Mn)は2,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.03、水素化率はほぼ100%であった。
[実施例1]
(樹脂組成物[5]−1の作成)
参考例1で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のペレット100部に紫外線吸収剤である2−(3,5−ジクミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標) 234、BASFジャパン社製)0.4部を添加して、均等に混合した後、二軸押出機を用いて、樹脂温度190℃で押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングして樹脂組成物[5]−1のペレット97部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−1のペレットを、40mmφのスクリューを備えた押出し機を有するTダイ式フィルム成形機(Tダイ幅600mm)及び梨地パターンのエンボスロールを備えたシート引取機を使用し、溶融樹脂温度190℃、Tダイ温度190℃、ロール温度60℃の成形条件にて、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−1を押出し成形した。得られたシートはエンボス形状が転写されており、ロールに巻き取り回収した。
得られた押出しシート[6]−1を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−1(厚さ50μm)を、縦80mm、横80mmのサイズに切り出し、シートの中央部に縦60mm、横60mm、厚さ50μmの薄膜ガラスを重ねて配置した。これの上下にPET製離形フィルムを重ね、真空プレス機を使用して、温度160℃で10分間保持し、接着剤層を有する薄膜ガラス積層体を作成した。離形フィルムを除去し、薄膜ガラスからはみ出している接着剤層を切除して薄膜ガラス積層体の反り評価用試験片を作成した。この試験片を使用して反りを測定した結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−1(厚さ200μm)を3枚重ね、更に上下にPET製離形フィルムを重ね、真空プレス機を使用して、温度130℃で10分間保持し、厚さ530μmのシートを作成した。このシートから吸水率評価用試験片を作成した。この試験片を使用して吸水率を測定した結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−1(厚さ400μm)を単層で使用して、2枚のガラス板の所定部を真空プレス機により、温度160℃で10分間保持して接着し、耐熱性評価用試験片を作成した。この試験片を使用して耐熱性を評価した結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
縦50mm、横50mm、厚さ100μmの薄膜ガラスに、シート[6]−1(厚さ400μm)を重ねて配置した。これの上下にPET製離形フィルムを重ね、真空プレス機を使用して、温度150℃で5分間保持し、接着剤層を有する薄膜ガラス積層体を作成した。離形フィルムを除去し、薄膜ガラスの中心部の10mm四方の接着剤層を剥がして除去した。薄膜ガラス積層体サンプルの中心部の接着剤層を除去した部位に、縦8mm、横8mmの湿度インジケータを配置し、縦100mm、横100mm、厚さ1.9mmの青板ガラス基板上の中央部に接着剤層が接触する向きに重ね、真空プレス機を使用して、温度170℃で10分間保持して、接着剤層の厚さが360〜400μmになるように青板ガラス基板/接着剤樹脂層/薄膜ガラスの層構成で、接着剤層の中心部に湿度インジケータが封入された薄膜ガラス積層サンプルを作成した。薄膜ガラスの端部からはみ出した接着剤樹脂を切除して、透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[実施例2]
(樹脂組成物[5]−2の作成)
参考例1で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のペレット100部に実施例1と同様に紫外線吸収剤0.4部を添加して、均等に混合した後、液状物を添加できるサイドフィーダーを備えた二軸押出機を用いて、樹脂温度190℃で押し出した。
一方、サイドフィーダーから炭化水素系重合体[4]としてイソブテン重合体水素化物[4]−1(製品名「パールリーム(登録商標) 24」、日油社製、GPCによる標準ポリスチレン換算の数平均分子量:2,200)を、変性ブロック共重合体水素化物[3]−1の100部に対して10部の割合となるように連続的に添加して、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングして変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に紫外線吸収剤及びイソブテン重合体水素化物[4]−1を配合してなる樹脂組成物[5]−2のペレット104部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−2のペレットを使用し、溶融樹脂温度190℃、Tダイ温度190℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−2を押出し成形した。
得られた押出しシート[6]−2を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−2(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を140℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−2(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を140℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−2(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を140℃でとする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−2(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を130℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を140℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[実施例3]
(樹脂組成物[5]−3の作成)
イソブテン重合体水素化物[4]−1の量を20部にすること以外は実施例2と同様にして樹脂組成物[5]−3のペレット113部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−3のペレットを使用し、溶融樹脂温度185℃、Tダイ温度185℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−3を押出し成形した。
得られた押出しシート[6]−3を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−3(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−3(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−3(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−3(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[実施例4]
(樹脂組成物[5]−4の作成)
イソブテン重合体水素化物[4]−1に代えて参考例5で作成したイソプレン重合体水素化物[4]−2を使用する以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物[5]−4のペレット115部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−4のペレットを使用し、溶融樹脂温度185℃、Tダイ温度185℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外はする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−4を押出し成形した。
得られた押出しシート[6]−4を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−4(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−4(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−4(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−4(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[実施例5]
(樹脂組成物[5]−5の作成)
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例2で作成した変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレット100部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、変性ブロック共重合体水素化物[3]−2に紫外線吸収剤を配合してなる樹脂組成物[5]−5のペレット94部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−5のペレットを使用し、溶融樹脂温度190℃、Tダイ温度190℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−5を押出し成形した。
得られた押出しシート[6]−5を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−5(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を150℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−5(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を150℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−5(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を150℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−5(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を140℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を150℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[実施例6]
(樹脂組成物[5]−6の作成)
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例2で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレット100部を使用したこと以外は実施例2と同様にして、樹脂組成物[5]−6のペレット113部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−6のペレットを使用し、溶融樹脂温度185℃、Tダイ温度185℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外はする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−6を押出し成形した。
得られた押出しシート[6]−6を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−6(厚さ50μm)を使用し、プレス機温度を130℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−6(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス機温度を130℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−6(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を130℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−6(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を130℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を130℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[比較例1]
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例3で作成した変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレット100部を使用し、樹脂温度を210℃としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物[5]−7のペレット96部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−7のペレットを使用し、溶融樹脂温度210℃、Tダイ温度210℃、ロール温度70℃の成形条件にする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−7を押出し成形した。
得られた押出しシート[6]−7を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−7(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を180℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−5(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を180℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−5(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を180℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−5(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を180℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を180℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[比較例2]
(樹脂組成物[5]−6の作成)
参考例3で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレットを用い、樹脂温度を210℃としたこと以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物[5]−8のペレット114部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−8のペレットを使用し、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、ロール温度70℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−8を押出し成形した。
得られた押出しシート[6]−8を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−8(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を170℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−8(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を170℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−8(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を170℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−8(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を170℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を170℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[比較例3]
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例4で作成した変性ブロック共重合体水素化物[3]−4のペレット100部を使用し、樹脂温度を180℃としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物[5]−9のペレット86部を得た。
(押出しフィルム化)
得られた樹脂組成物[5]−9のペレットを使用し、溶融樹脂温度180℃、Tダイ温度180℃、ロール温度30℃の成形条件にする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−9を押出し成形した。押出したシートは離形用のPETフィルムを重ねてロールに巻き取り回収した。
得られた押出しシート[6]−9を使用して、薄膜ガラス積層体の反り、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(薄膜ガラス積層体の反り)
シート[6]−9(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
(接着剤の吸水率)
シート[6]−9(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート[6]−9(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート[6]−9(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
[比較例4]
変性ブロック共重合体水素化物[3]に代えてエポキシ樹脂系接着剤(製品名「ボンドEセット」、コニシ社製)を使用して、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
(接着剤の吸水率)
エポキシ樹脂接着剤を、2枚の離形性PETフィルムの間で、温度40℃で24時間保持して硬化させ、厚さ550μmのシートを作成した。作成したシートから、縦50mm、横50mmの吸水率測定用試験片を切り出し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
エポキシ樹脂接着剤で、2枚のガラス板の間で、温度40℃で24時間保持して硬化させ、耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
薄膜ガラスと青板ガラスの間に湿度インジケータを配置し、その周囲をエポキシ樹脂接着剤で封止し、温度40℃で24時間保持して硬化させ、接着剤層の透湿性評価用試験片を作成した。透湿性の評価結果を表1に記載した。
[比較例5]
エチレン・酢酸ビニル共重合体(以降EVAと略して表記する。)(製品名「エバフレックス(登録商標) EV150」、酢酸ビニル含有量33重量%、三井・デュポンポリケミカル社製)のペレット95重量部に、トリアリルイソシアヌレート7重量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−503」、信越化学工業社製)0.5重量部及びジクミルパーオキサイド(商品名「パークミルD」、日油社製)1.0重量部を添加し、混合した。この混合物を、実施例1で使用したのと同じTダイ式フィルム成形機及びフィルム引取り機を使用し、溶融樹脂温度90℃、Tダイ温度90℃、ロール温度30℃の成形条件にて、幅450mmで、厚さ600μmのガラス接着性を有するEVAシート(EVAS−1)を押出し成形した。
(接着剤の吸水率)
EVAシート(EVAS−1)を2枚の離形性PETフィルムに挟み、真空ラミネータを使用して、温度150℃で5分間予熱した後、温度150℃、圧力0.01MPaで30分間加熱した。冷却した後、離形性PETフィルムを除去して、厚さ560μmのEVAシートを作成した。作成したEVAシートから、縦50mm、横50mmの吸水率測定用試験片を切り出し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
(耐熱性)
シート(EVAS−1)を単層で使用して、真空ラミネータを使用して、温度150℃で5分間予熱した後、温度150℃、圧力0.01MPaで30分間加熱して、2枚のガラスの所定部を接着して耐熱性評価用試験片を作成した。この試験片を使用して耐熱性を評価した結果を表1に記載した。
(接着剤層の透湿性)
シート(EVAS−1)を縦80mm、横80mm切り出し、中央部に10mm四方の切除部位を形成した。このEVAシートを青板ガラス基板上に配置し、中央の切除部位に湿度インジケータを配置した。EVAシートの上に薄膜ガラス及び離形性PETフィルムを重ね、真空ラミネータにより、温度150℃で5分間予熱した後、温度150℃、圧力0.01MPaで30分間加熱して貼り合せた。薄膜ガラス端部よりはみ出したEVA層を切除し、耐熱性評価用試験片を作成した。この試験片を使用して耐熱性を評価した結果を表1に記載した。
Figure 0006229460
実施例及び比較例の結果から以下のことがわかる。
本発明の請求範囲内にある変性ブロック共重合体水素化物[3]又は変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合した樹脂組成物[5]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りが小さく、耐熱性を有し、120〜170℃でガラス基板に接着することができ、ガラス基板に接着した物は接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することができる(実施例1〜6)。
ブロック共重合体水素化物の芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとwBとの比(wA:wB)が本発明の範囲より大き過ぎる場合は、変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りが大きく、薄膜ガラスに積層する温度も高い。また、得られた薄膜ガラス積層体をガラス基板に貼り合せた場合も、接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することが不十分である
(比較例1)。
wAとwBとの比(wA:wB)が本発明の範囲より大き過ぎる場合は、変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りは小さくなるが、薄膜ガラスに積層する温度は高い。また、得られた薄膜ガラス積層体をガラス基板に貼り合せた場合も、接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することが不十分である(比較例2)。
wAとwBとの比(wA:wB)が本発明の範囲より小さ過ぎる場合は、変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りは小さく、また、得られた薄膜ガラス積層体をガラス基板に貼り合せた場合も、接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することが十分であるが、耐熱性が劣る(比較例3)。
エポキシ樹脂接着剤やEVA系接着剤を使用した場合は、基板の表面に水蒸気バリア性の高い薄膜ガラスを貼り付けた場合でも、接着剤層を経由して水分の浸透を抑制するには不十分である。(比較例4,5)
本発明の変性ブロック共重合体水素化物[3]あるいは変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合した樹脂組成物[5]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、基材に対して水蒸気バリア層を形成するのに有効な薄膜ガラス積層体である。また、薄膜ガラスの割れ易さを改善してハンドリング性に優れ、透明性、低複屈折性に優れ、ガラス、金属、プラスチックなどの基材に対する接着性を有する薄膜ガラス積層体を提供することができるため、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL照明などの光学材料に対して水蒸気バリア層を形成可能な素材として有用である。
図1は、実施例において接着層の透湿性評価に用いた試料の構造を説明する図である。

Claims (3)

  1. 厚さ20〜200μmの薄膜ガラスの片面に接着剤層を積層してなり、前記接着剤層を介して基材に接着するのに用いられる薄膜ガラス積層体であって、
    前記接着剤層は、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなり、全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が25:75〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物[2]に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる、薄膜ガラス積層体。
  2. 接着剤層が、変性ブロック共重合体水素化物[3]100重量部に対して、数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体[4]10〜50重量部を配合してなる樹脂組成物[5]から構成されたものである請求項1記載の薄膜ガラス積層体。
  3. 接着剤層の厚さが10〜200μmである請求項1または2に記載の薄膜ガラス積層体。
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