JP6229460B2 - 薄膜ガラス積層体 - Google Patents
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前記接着剤層は、変性ブロック共重合体水素化物[3]100重量部に対して、数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体[4]1〜50重量部を配合してなる樹脂組成物[5]から構成されたものであることが好ましい。
また、前記接着層の厚さは、10〜200μmであることが好ましい。
1.ブロック共重合体[1]
本発明に係る変成ブロック共重合体水素化物[3]のもう一つの前駆体であるブロック共重合体水素化物[2]は、上記のブロック共重合体[1]の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものであり、その水素化率は通常90%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。水素化率が高いほど、本発明の接着剤層の透明性、耐光性、耐熱性が良好であり好ましい。ブロック共重合体水素化物[2]の水素化率は、1H−NMRスペクトルにて求めることができる。
本発明で使用する変成ブロック共重合体水素化物[3]は、上記ブロック共重合体水素化物[2]に、有機過酸化物の存在下でエチレン性不飽和シラン化合物と反応させることによりアルコキシシリル基が導入されたものである。アルコキシシリル基は、ブロック共重合体水素化物[2]にアルキレン基やアルキレンオキシカルボニルアルキレン基などの2価の有機基を介して結合していても良い。
本発明の薄膜ガラス積層体の接着剤層は、接着温度を低下させたり、薄膜ガラス積層体の反りを低減させるために変性ブロック共重合体水素化物[3]に可塑剤を配合してなる樹脂組成物[5]を使用して成形することができる。可塑剤としては、低分子量の炭化水素系重合体[4];一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステルなどの有機酸エステル系可塑剤;有機リン酸エステル系、有機亜リン酸エステル系などのリン酸エステル系可塑剤;等を挙げることができる。これらの可塑剤の中では、低分子量の炭化水素系重合体[4]が透明性を維持して接着温度を低下させ、薄膜ガラス積層体の反りを小さくすることができ、また、接着剤層を経由する水分の浸入を小さく維持できるため好ましい。
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]は、不飽和結合の含有量が少ないため耐光性、耐熱安定性に優れるが、これらの特性を更に向上させるために紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などの配合剤を含有させることは効果がある。
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]は、紫外線吸収剤を配合することにより耐光性を向上させることができる。効果のある紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤などが挙げられる。
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]の耐光性を向上させるための光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、構造中に3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基、あるいは、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基などを有している化合物が挙げられる。
変性ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]に、上記の紫外線吸収剤及び耐光安定剤の他に、更に酸化防止剤を配合することにより、熱安定性をより向上することもできる。添加することができる酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノ−ル系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが挙げられる。
本発明の変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]は、通常、シート状に成形して、ガラス板と積層する工程に供される。シートの厚さは、通常は10〜200μmの範囲にあることが好ましい。シート厚みが10μmよりも小さい場合は、本発明の薄膜ガラス積層体を他の基材に貼り合わせる際に接着不良部位が生じ易くなるため好ましくない。シート厚みが200μmよりも大きい場合は、接着層を経由して浸透する水分量が多くなるため好ましくない。
本発明に用いる薄膜ガラスの種類は特に限定されず、青板ガラス、白板ガラス、アルミノシリケート酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ウランガラス、カリガラス、ケイ酸ガラス、結晶化ガラス、ゲルマニウムガラス、石英ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、硼珪酸ガラス、表面に極薄の金属膜をコーティングした熱線反射ガラス、表面に極薄の金属酸化物膜をコーティングした導電性ガラスなどを挙げることができる。
本発明の薄膜ガラス積層体は、変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなるシートと厚さ20〜200μmの薄膜ガラスとを接着させて積層一体化してなるものである。薄膜ガラスに積層した変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなる層は、加熱することで他のガラスや金属の基材に対して接着が可能なものである。
本発明の薄膜ガラス積層体を製造するには、薄膜ガラスの上に変成ブロック共重合体水素化物[3]又はこれに低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなるシートを配置し、その上に更にPET製などの離形フィルムを配置した後、真空プレス、真空ラミネータ等を使用して、脱気しながら加熱して接着させれば良い。接着後に離形フィルムを除去することにより薄膜ガラス積層体が得られる。
ブロック共重合体[1]及びブロック共重合体水素化物[2]の分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8020GPCを用いた。
ブロック共重合体水素化物[2]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、1H−NMRスペクトルを測定して算出した。
縦60mm、横60mmの薄膜ガラス(厚さ50μm、Shott社製)に、厚さ45〜50μmの接着剤層を接着した薄膜ガラス積層体サンプルを、湾曲面の凹面を下向きに平坦な基材上に置き、中央部の高さを測定して、反りの大きさを測定した。反りの大きさが1.5mm以下の場合を○(良好)、1.5mmを超え2.5mm以下の場合を△、2.5mmを超える場合を×(不良)として評価した。
接着性を有する樹脂サンプルを使用して、縦50mm、横50mm、厚さ500〜550μmの試験片を作成した。この試験片を23℃の水中に168時間浸漬して、重量変化を測定することにより吸水率を測定した。
長さ65mm、幅20mm、厚さ1.9mmの2枚のガラス板を使用し、端部に長さ20mm、幅20mmの接着面で、接着剤樹脂層の厚さ360〜400μmとなるように貼り合せ、耐熱性評価用の試験片を作成した。試験片の片方の端部に5gの錘を取り付け、もう一方の端部にクリップを取り付け、錘を取り付けた側が下になるようにして、クリップでオーブン内に吊るして配置した。その後、オーブン内の温度を100℃にして、168時間保持した後、接着面でのガラスの位置ずれの大きさを測定した。位置ずれの大きさが0.5mm以内の場合を○(良好)、0.5mmを超え1mm以内の場合を△、1mmを超える場合を×(不良)として評価した。
縦100mm、横100mm、厚さ1.9mmの青板ガラス基板上の中心部に、縦8mm、横8mmに切り出した湿度インジケータ(NKラボラトリーズ社製)を置き、湿度インジケータの周囲を取り囲んで縦50mm、横50mm、厚さ360〜400μmの接着剤層が配置され、その上に縦50mm、横50mm、厚さ100μmの薄膜ガラス(Shott社製)が接着された、湿度インジケータがガラス板と薄膜ガラスの間に接着剤で封止された透湿性評価用の試験片を作成した(図1参照)。この試験片の薄膜ガラスの端部から湿度インジケータまでの最短距離は21mmである。
この試験片を恒温恒湿槽に入れ、85℃、85%RHの環境で168時間保持した後、封入した湿度インジケータの色変化から、水分の浸入有無を観察した。水分の浸入が確認されなかった場合を○(良好)、水分の浸入が確認された場合を×(不良)として評価した。
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1の作成
(ブロック共重合体[1]−1の作成)
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25.0部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液0.86部を加えて重合を開始した。攪拌しながら60℃で60分反応させた。ガスクロマトグラフィーにより測定したこの時点で重合転化率は99.5%であった。
次に、脱水イソプレン50.0部を加えそのまま30分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は99%であった。
その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.096部を加えて反応を停止した。得られたブロック共重合体[1]−1の重量平均分子量(Mw)は48,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
次に、上記重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として珪藻土担持型ニッケル触媒(日揮触媒化成社製、製品名「E22U」、ニッケル担持量60%)4.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、更に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応後のブロック共重合体水素化物[2]−1の重量平均分子量(Mw)は51,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
次いで、上記溶液を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノ社製、孔径0.5〜1μm)にて濾過し、更に別の金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)にて順次濾過して微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮乾燥器に直結したダイから溶融状態でストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーでカットしてブロック共重合体水素化物[2]−1のペレット93部を作成した。得られたブロック共重合体水素化物[2]−1の重量平均分子量(Mw)は51,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.10、水素化率はほぼ100%、wA:wB=50:50であった。
得られたブロック共重合体水素化物[2]−1のペレット100部に対してビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のペレット95部を得た。
変性ブロック共重合体水素化物[3]−2の作成
(ブロック共重合体水素化物[2]−2の作成)
重合段階でモノマーとして、スチレン20.0部、n−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液0.68部、イソプレン60.0部及びスチレン20.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2]−2のペレット93部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−2の重量平均分子量(Mw)は64,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.12、水素化率はほぼ100%、wA:wB=40:60であった。
参考例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[2]−2のペレット100部に参考例1と同じビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2部を添加し、参考例1と同様にして、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレット92部を得た。得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレットは、参考例1と同様にして分析し、ブロック共重合体水素化物[2]−2の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
変性ブロック共重合体水素化物[3]−3の作成
(ブロック共重合体水素化物[2]−3の作成)
重合段階でモノマーとして、スチレン35.0部、イソプレン30.0部及びスチレン35.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2]−3のペレット95部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−3の重量平均分子量(Mw)は52,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.11、水素化率はほぼ100%、wA:wB=70:30であった。
参考例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[2]−3のペレット100部に参考例1と同じビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2部を添加し、参考例1と同様にして、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレット85部を得た。得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレットは、参考例1と同様にして分析し、ブロック共重合体水素化物[2]−3の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.7部が結合したことが確認された。
変性ブロック共重合体水素化物[3]−4の作成
(ブロック共重合体水素化物[2]−4の作成)
重合段階でモノマーとして、スチレン10.0部、n−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液0.53部、イソプレン80.0部及びスチレン10.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2]−4のペレット91部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−4の重量平均分子量(Mw)は80,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.13、水素化率はほぼ100%、wA:wB=20:80であった。
参考例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[2]−4のペレット100部に参考例1と同じビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2部を添加し、参考例1と同様にして、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[3]−4のペレット77部を得た。得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−4のペレットは、参考例1と同様にして分析し、ブロック共重合体水素化物[2]−4の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
イソプレン重合体水素化物[4]−2の作成
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン400部、脱水イソプレン25.0部、n−ジブチルエーテル7.5部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウムの15%シクロヘキサン溶液20.0部を加えて重合を開始した。攪拌しながら60℃で30分反応させた。
次に、脱水イソプレン75.0部を3回に分けて30分おきに加え、その後60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率はほぼ100%であった。
ここでイソプロピルアルコール3.0部を加えて反応を停止した。得られたポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は1,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
次いで、上記溶液を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノ社製、孔径0.5〜1μm)にて濾過して微小な固形分を除去した。この濾液を、減圧下で50℃に加温してシクロヘキサン200部を留去させ、濃縮した。この濃縮した溶液にイソプロピルアルコール500部を加え、水素化ポリイソプレンを粘稠な液状体として分離させた。上澄み液を除去した後、120℃、減圧下で24時間保持して揮発成分を除去し、水素化ポリイソプレン76部を得た。得られたイソプレン重合体水素化物[4]−3の数平均分子量(Mn)は2,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.03、水素化率はほぼ100%であった。
(樹脂組成物[5]−1の作成)
参考例1で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のペレット100部に紫外線吸収剤である2−(3,5−ジクミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標) 234、BASFジャパン社製)0.4部を添加して、均等に混合した後、二軸押出機を用いて、樹脂温度190℃で押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングして樹脂組成物[5]−1のペレット97部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−1のペレットを、40mmφのスクリューを備えた押出し機を有するTダイ式フィルム成形機(Tダイ幅600mm)及び梨地パターンのエンボスロールを備えたシート引取機を使用し、溶融樹脂温度190℃、Tダイ温度190℃、ロール温度60℃の成形条件にて、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−1を押出し成形した。得られたシートはエンボス形状が転写されており、ロールに巻き取り回収した。
シート[6]−1(厚さ50μm)を、縦80mm、横80mmのサイズに切り出し、シートの中央部に縦60mm、横60mm、厚さ50μmの薄膜ガラスを重ねて配置した。これの上下にPET製離形フィルムを重ね、真空プレス機を使用して、温度160℃で10分間保持し、接着剤層を有する薄膜ガラス積層体を作成した。離形フィルムを除去し、薄膜ガラスからはみ出している接着剤層を切除して薄膜ガラス積層体の反り評価用試験片を作成した。この試験片を使用して反りを測定した結果を表1に記載した。
シート[6]−1(厚さ200μm)を3枚重ね、更に上下にPET製離形フィルムを重ね、真空プレス機を使用して、温度130℃で10分間保持し、厚さ530μmのシートを作成した。このシートから吸水率評価用試験片を作成した。この試験片を使用して吸水率を測定した結果を表1に記載した。
シート[6]−1(厚さ400μm)を単層で使用して、2枚のガラス板の所定部を真空プレス機により、温度160℃で10分間保持して接着し、耐熱性評価用試験片を作成した。この試験片を使用して耐熱性を評価した結果を表1に記載した。
縦50mm、横50mm、厚さ100μmの薄膜ガラスに、シート[6]−1(厚さ400μm)を重ねて配置した。これの上下にPET製離形フィルムを重ね、真空プレス機を使用して、温度150℃で5分間保持し、接着剤層を有する薄膜ガラス積層体を作成した。離形フィルムを除去し、薄膜ガラスの中心部の10mm四方の接着剤層を剥がして除去した。薄膜ガラス積層体サンプルの中心部の接着剤層を除去した部位に、縦8mm、横8mmの湿度インジケータを配置し、縦100mm、横100mm、厚さ1.9mmの青板ガラス基板上の中央部に接着剤層が接触する向きに重ね、真空プレス機を使用して、温度170℃で10分間保持して、接着剤層の厚さが360〜400μmになるように青板ガラス基板/接着剤樹脂層/薄膜ガラスの層構成で、接着剤層の中心部に湿度インジケータが封入された薄膜ガラス積層サンプルを作成した。薄膜ガラスの端部からはみ出した接着剤樹脂を切除して、透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
(樹脂組成物[5]−2の作成)
参考例1で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−1のペレット100部に実施例1と同様に紫外線吸収剤0.4部を添加して、均等に混合した後、液状物を添加できるサイドフィーダーを備えた二軸押出機を用いて、樹脂温度190℃で押し出した。
一方、サイドフィーダーから炭化水素系重合体[4]としてイソブテン重合体水素化物[4]−1(製品名「パールリーム(登録商標) 24」、日油社製、GPCによる標準ポリスチレン換算の数平均分子量:2,200)を、変性ブロック共重合体水素化物[3]−1の100部に対して10部の割合となるように連続的に添加して、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングして変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に紫外線吸収剤及びイソブテン重合体水素化物[4]−1を配合してなる樹脂組成物[5]−2のペレット104部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−2のペレットを使用し、溶融樹脂温度190℃、Tダイ温度190℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−2を押出し成形した。
シート[6]−2(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を140℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−2(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を140℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−2(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を140℃でとする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−2(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を130℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を140℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
(樹脂組成物[5]−3の作成)
イソブテン重合体水素化物[4]−1の量を20部にすること以外は実施例2と同様にして樹脂組成物[5]−3のペレット113部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−3のペレットを使用し、溶融樹脂温度185℃、Tダイ温度185℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−3を押出し成形した。
シート[6]−3(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−3(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−3(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−3(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
(樹脂組成物[5]−4の作成)
イソブテン重合体水素化物[4]−1に代えて参考例5で作成したイソプレン重合体水素化物[4]−2を使用する以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物[5]−4のペレット115部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−4のペレットを使用し、溶融樹脂温度185℃、Tダイ温度185℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外はする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−4を押出し成形した。
シート[6]−4(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−4(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−4(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−4(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
(樹脂組成物[5]−5の作成)
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例2で作成した変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレット100部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、変性ブロック共重合体水素化物[3]−2に紫外線吸収剤を配合してなる樹脂組成物[5]−5のペレット94部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−5のペレットを使用し、溶融樹脂温度190℃、Tダイ温度190℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−5を押出し成形した。
シート[6]−5(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を150℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−5(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を150℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−5(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を150℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−5(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を140℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を150℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
(樹脂組成物[5]−6の作成)
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例2で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−2のペレット100部を使用したこと以外は実施例2と同様にして、樹脂組成物[5]−6のペレット113部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−6のペレットを使用し、溶融樹脂温度185℃、Tダイ温度185℃、ロール温度50℃の成形条件にてする以外はする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−6を押出し成形した。
シート[6]−6(厚さ50μm)を使用し、プレス機温度を130℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−6(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス機温度を130℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−6(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を130℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−6(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を130℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を130℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例3で作成した変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレット100部を使用し、樹脂温度を210℃としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物[5]−7のペレット96部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−7のペレットを使用し、溶融樹脂温度210℃、Tダイ温度210℃、ロール温度70℃の成形条件にする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−7を押出し成形した。
シート[6]−7(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を180℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−5(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を180℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−5(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を180℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−5(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を180℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を180℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
(樹脂組成物[5]−6の作成)
参考例3で得られた変性ブロック共重合体水素化物[3]−3のペレットを用い、樹脂温度を210℃としたこと以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物[5]−8のペレット114部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−8のペレットを使用し、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、ロール温度70℃の成形条件にてする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−8を押出し成形した。
シート[6]−8(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を170℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−8(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を170℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−8(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を170℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−8(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を170℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を170℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
変性ブロック共重合体水素化物[3]−1に代えて参考例4で作成した変性ブロック共重合体水素化物[3]−4のペレット100部を使用し、樹脂温度を180℃としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物[5]−9のペレット86部を得た。
得られた樹脂組成物[5]−9のペレットを使用し、溶融樹脂温度180℃、Tダイ温度180℃、ロール温度30℃の成形条件にする以外は実施例1と同様にして、幅450mmで、厚さ50μm〜400μm、のシート[6]−9を押出し成形した。押出したシートは離形用のPETフィルムを重ねてロールに巻き取り回収した。
シート[6]−9(厚さ50μm)を使用し、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス積層体試験片を作成し、反りを測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−9(厚さ200μm)を3枚重ね、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして吸水率評価用試験片を作成し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート[6]−9(厚さ400μm)を単層で使用して、プレス温度を120℃にする以外は実施例1と同様にして耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
シート[6]−9(厚さ400μm)を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして薄膜ガラス上に接着層が成形された薄膜ガラス積層体を作成した。この薄膜ガラス積層体を使用し、プレス温度を120℃とする以外は実施例1と同様にして湿度インジケータが封入された透湿性評価用の試験片を作成した。この試験片を使用して接着剤層の透湿性を評価した結果を表1に記載した。
変性ブロック共重合体水素化物[3]に代えてエポキシ樹脂系接着剤(製品名「ボンドEセット」、コニシ社製)を使用して、接着剤の吸水率、耐熱性、接着剤層の透湿性の評価を行った。
エポキシ樹脂接着剤を、2枚の離形性PETフィルムの間で、温度40℃で24時間保持して硬化させ、厚さ550μmのシートを作成した。作成したシートから、縦50mm、横50mmの吸水率測定用試験片を切り出し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
エポキシ樹脂接着剤で、2枚のガラス板の間で、温度40℃で24時間保持して硬化させ、耐熱性評価用試験片を作成し、耐熱性を評価した。結果を表1に記載した。
薄膜ガラスと青板ガラスの間に湿度インジケータを配置し、その周囲をエポキシ樹脂接着剤で封止し、温度40℃で24時間保持して硬化させ、接着剤層の透湿性評価用試験片を作成した。透湿性の評価結果を表1に記載した。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(以降EVAと略して表記する。)(製品名「エバフレックス(登録商標) EV150」、酢酸ビニル含有量33重量%、三井・デュポンポリケミカル社製)のペレット95重量部に、トリアリルイソシアヌレート7重量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−503」、信越化学工業社製)0.5重量部及びジクミルパーオキサイド(商品名「パークミルD」、日油社製)1.0重量部を添加し、混合した。この混合物を、実施例1で使用したのと同じTダイ式フィルム成形機及びフィルム引取り機を使用し、溶融樹脂温度90℃、Tダイ温度90℃、ロール温度30℃の成形条件にて、幅450mmで、厚さ600μmのガラス接着性を有するEVAシート(EVAS−1)を押出し成形した。
EVAシート(EVAS−1)を2枚の離形性PETフィルムに挟み、真空ラミネータを使用して、温度150℃で5分間予熱した後、温度150℃、圧力0.01MPaで30分間加熱した。冷却した後、離形性PETフィルムを除去して、厚さ560μmのEVAシートを作成した。作成したEVAシートから、縦50mm、横50mmの吸水率測定用試験片を切り出し、吸水率を測定した。結果を表1に記載した。
シート(EVAS−1)を単層で使用して、真空ラミネータを使用して、温度150℃で5分間予熱した後、温度150℃、圧力0.01MPaで30分間加熱して、2枚のガラスの所定部を接着して耐熱性評価用試験片を作成した。この試験片を使用して耐熱性を評価した結果を表1に記載した。
シート(EVAS−1)を縦80mm、横80mm切り出し、中央部に10mm四方の切除部位を形成した。このEVAシートを青板ガラス基板上に配置し、中央の切除部位に湿度インジケータを配置した。EVAシートの上に薄膜ガラス及び離形性PETフィルムを重ね、真空ラミネータにより、温度150℃で5分間予熱した後、温度150℃、圧力0.01MPaで30分間加熱して貼り合せた。薄膜ガラス端部よりはみ出したEVA層を切除し、耐熱性評価用試験片を作成した。この試験片を使用して耐熱性を評価した結果を表1に記載した。
本発明の請求範囲内にある変性ブロック共重合体水素化物[3]又は変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合した樹脂組成物[5]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りが小さく、耐熱性を有し、120〜170℃でガラス基板に接着することができ、ガラス基板に接着した物は接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することができる(実施例1〜6)。
ブロック共重合体水素化物の芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとwBとの比(wA:wB)が本発明の範囲より大き過ぎる場合は、変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りが大きく、薄膜ガラスに積層する温度も高い。また、得られた薄膜ガラス積層体をガラス基板に貼り合せた場合も、接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することが不十分である
(比較例1)。
wAとwBとの比(wA:wB)が本発明の範囲より大き過ぎる場合は、変性ブロック共重合体水素化物[3]に低分子量の炭化水素系重合体[4]を配合してなる樹脂組成物[5]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りは小さくなるが、薄膜ガラスに積層する温度は高い。また、得られた薄膜ガラス積層体をガラス基板に貼り合せた場合も、接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することが不十分である(比較例2)。
wAとwBとの比(wA:wB)が本発明の範囲より小さ過ぎる場合は、変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる接着剤層を片面に積層した薄膜ガラス積層体は、反りは小さく、また、得られた薄膜ガラス積層体をガラス基板に貼り合せた場合も、接着剤層を経由する水分の浸透を抑制することが十分であるが、耐熱性が劣る(比較例3)。
エポキシ樹脂接着剤やEVA系接着剤を使用した場合は、基板の表面に水蒸気バリア性の高い薄膜ガラスを貼り付けた場合でも、接着剤層を経由して水分の浸透を抑制するには不十分である。(比較例4,5)
Claims (3)
- 厚さ20〜200μmの薄膜ガラスの片面に接着剤層を積層してなり、前記接着剤層を介して基材に接着するのに用いられる薄膜ガラス積層体であって、
前記接着剤層は、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなり、全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が25:75〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物[2]に、アルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[3]からなる、薄膜ガラス積層体。 - 接着剤層が、変性ブロック共重合体水素化物[3]100重量部に対して、数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体[4]10〜50重量部を配合してなる樹脂組成物[5]から構成されたものである請求項1記載の薄膜ガラス積層体。
- 接着剤層の厚さが10〜200μmである請求項1または2に記載の薄膜ガラス積層体。
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