JP2020062588A - 模様面の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】目地部と模様部との境界がすっきりとした仕上りとなり、美観性に優れた目地模様が形成できる方法の提供。【解決手段】(1)基材aに対し、下塗材を塗装して下塗材層bを形成する第1工程、(2)目地模様が打ち抜きされた型材cを、下塗材層bの表面に貼着する第2工程、(3)第2工程で得られた面に対し、仕上げ材を塗装して仕上げ材層eを形成する第3工程、(4)型材除去補助具を押し当てながら型材cを除去する第4工程、を行うものであり、型材除去補助具が、本体部と取手部を有し、本体部は、押さえ部を有し、押さえ部は、型材cの打ち抜き部の輪郭に沿うように押さえ板が配置されたものである目地模様を有する模様面の形成方法。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な模様面の形成方法に関するものである。
建築物や土木構造物の壁面等の塗装仕上げにおいて、タイル調やレンガ調模様等の目地模様を設ける手法が行われている。このような手法によれば、デザイン性の高い模様面を形成することができる。
目地模様を形成する方法としては、棒状または板状の目地材や、目地模様形成用型材を下地に貼り、仕上塗装を行った後に目地材、型材等を除去する方法があり、例えば、特開平2−292450号公報、特開2003−161031号公報等に記載されている。これら特許文献に記載された方法によれば、目地部と模様部とのコントラスト、段差等によって、デザイン性に溢れる模様面が得られるものと期待される。
特開平2−292450号公報 特開2003−161031号公報
しかし、上述の特許文献のような方法における目地材や型材の除去工程では、目地材や型材の除去する際に、仕上げ塗膜の欠損や剥離等が生じるおそれがある。特に、目地模様が打ち抜きされたステンシルシートのような型材の場合には、仕上げ塗膜の剥離がいっそう生じやすいため、作業者の熟練度によっては、作業に時間を要するおそれがあった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、目地模様が打ち抜きされた型材を容易に除去することができる模様面の形成方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の型材除去補助具を用いて型材を除去する模様面の形成方法に想到し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有するものである。
1.目地模様を有する模様面の形成方法であって、
(1)基材に対し、下塗材を塗装して下塗材層を形成する第1工程、
(2)目地模様が打ち抜きされた型材を、上記下塗材層の表面に貼着する第2工程、
(3)上記第2工程で得られた面に対し、仕上げ材を塗装して仕上げ材層を形成する第3工程、
(4)型材除去補助具を押し当てながら上記型材を除去する第4工程、
を行うものであり、
上記型材除去補助具が、本体部と取手部を有し
上記本体部は、押さえ部を有し、
上記押さえ部は、上記型材の打ち抜き部の輪郭に沿うように上記押さえ板が配置されたものであることを特徴とする模様面の形成方法。
本発明によれば、特定の型材除去補助具を用いることにより容易に型材を除去することができ、仕上がり性に優れた模様面を形成することが可能となる。
本発明の一例を示す概略図である。 型材の一例を示すモデル図(正面図)である。 型材の一例を示すモデル図(正面図)である。 本発明の別の一例を示す概略図である。 本発明型材除去補助具の一例を示すモデル図(斜視図)である。 本発明型材除去補助具の使用時の一例を示すモデル図(正面図)である。 本発明型材除去補助具の一例を示すモデル図(正面図)である。 図4(I)の(拡大図)である。 本発明型材除去補助具の一例を示すモデル図((a)正面図、(b)下側面図)である。 本発明型材除去補助具の一例を示すモデル図((a)正面図、(b)下側面図)である。 本発明型材除去補助具のバリエーションを示したイメージ図である。 本発明型材除去補助具のバリエーションを示したイメージ図である。
a:基材
b:下塗材層
c:型材
X:打ち抜き部
Y:網目状部
d:粘着層
e:仕上げ材層(中塗材層)
f,f1,f2:仕上げ材層(上塗材層)
g:目地部
h:模様部
1.型材除去補助具
A:本体部
A1:接続部
1a:固定具
A2:押さえ部
2a:押さえ板
B:取手部
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の模様面の形成方法は、以下の(1)〜(5)の工程を有するものである。
(1)基材に対し、下塗材を塗装して下塗材層を形成する第1工程、
(2)目地模様が打ち抜きされた型材を、上記下塗材層の表面に貼着する第2工程、
(3)上記第2工程で得られた面に対し、仕上げ材(中塗材、上塗材等)を塗装して仕上げ材層を形成する第3工程、
(4)型材除去補助具を押し当てながら上記型材を除去する第4工程
本発明では、上記(4)工程において、特定の型材除去補助具を用いることにより、容易に型材を除去することができ、作業性、仕上がり性に優れた模様面が形成されるものである。
[図1]は、本発明の一例を示す概略図である。なお、本発明において、目地部とは、模様面のうち線状の凹部を形成する部分であり、この目地部では下塗材層(b)が視認される。一方、模様部とは、模様面のうち凸部を形成する部分であり、この模様部では仕上げ材層(f)が視認される[図1:(5)]。
本発明は、例えば、建築物の内外壁面、天井、床等、あるいは土木構造物の表面等に適用することができる。このような部位を構成する基材aとしては、例えば、コンクリート、モルタル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、プラスチック板、金属板、木工板、陶磁器タイル等の各種基材が挙げられる。これら基材は、何らかの表面処理(例えば、洗浄剤塗布、高圧洗浄等による洗浄処理;サンダー、皮すき、ケレン棒等を用いた脆弱部除去処理;フィラー、サーフェーサ、シーラー等の塗装、メッシュ貼着等による下地処理等)が施されたものや、予め着色塗料等で着色されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたもの、断熱層が積層されたもの等であってもよい。
上述の基材(a)に対し、まず第1工程として下塗材を塗装して下塗材層(b)を形成する[図1:(1)]。この下塗材層(b)は、最終的な模様面において目地部(g)として現れるものである。したがって、下塗材層(b)の色調は、所望の目地色に合わせて設定すればよい。
下塗材としては、例えば、樹脂成分、及び着色顔料を含むものが使用できる。このような下塗材では、着色顔料の種類、混合比率等を適宜調整することにより、下塗材層を所望の色調に設定することができる。
上記樹脂成分は、結合材として作用するものである。樹脂成分の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等、あるいはこれらの複合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。樹脂成分の形態としては、水分散性樹脂(樹脂エマルション)及び/または水溶性樹脂が好ましい。このうち水分散性樹脂は、1段ないし多段(2段、または3段以上)の乳化重合法等によって製造することができる。
樹脂成分のガラス転移温度(以下「Tg」ともいう)は、好ましくは−30〜50℃、より好ましくは−10〜40℃である。Tgがこのような範囲内であれば、耐汚染性、耐割れ性、目地材の接着性と除去性等において良好な性能を確保することが可能となる。ここに言うTgは、樹脂成分を構成するモノマーの種類とその構成比率から、Foxの計算式によって求められる値である。なお、本発明において、「α〜β」は「α以上β以下」と同義である。
このような樹脂成分は、塗膜形成後に架橋反応を生じる性質(架橋反応性)を有するものであってもよい。樹脂成分が架橋反応性を有する場合は、下塗材層(b)の耐水性、耐候性、密着性等を高めることができ、型材除去性等の点でも好適である。このような樹脂成分は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。このような反応性官能基の組み合わせは、1種または2種以上で使用できる。
上記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、カーボンブラック、酸化第二鉄(弁柄)、黄色酸化鉄、酸化鉄、群青、コバルトグリーン、鉄−クロム複合酸化物、マンガン−ビスマス複合酸化物、マンガン−イットリウム複合酸化物、マンガン−鉄−コバルト複合酸化物等の無機着色顔料;アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機着色顔料;アルミニウム顔料、パール顔料等の光輝性顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
着色顔料の重量比率は、樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは3〜300重量部、より好ましくは5〜250重量部である。
下塗材としては、樹脂成分、着色顔料に加え、さらに平均粒子径1〜100μm、屈折率1.3〜1.7の粉粒体(以下単に「粉粒体」ともいう)を含むものがより好適である。このような下塗材では、着色顔料によって色調の設定が容易であると共に、粉粒体の作用により、型材の接着性と除去性、目地部の仕上り性等において優れた性能を確保することが可能となる。
粉粒体の平均粒子径は、好ましくは1〜100μm、より好ましくは3〜70μm、さらに好ましくは4〜50μmである。平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置によって測定される50%粒子径を意味するものである。また、粉粒体の屈折率は、好ましくは1.3〜1.7である。屈折率は、アッベ屈折計を用いて測定することができる。本発明では、このような条件を満たす粉粒体を使用することにより、着色顔料による色調を保持しつつ、型材の接着性と除去性、目地部の仕上り性等を高めることができる。とりわけ、平均粒子径の下限が上記値以上であることにより、型材の除去性、目地部の仕上り性等において有利な効果を得ることができ、その上限が上記値以下であることにより、型材の接着性、目地部の仕上り性等において有利な効果を得ることができる。
粉粒体としては、例えば、重質炭酸カルシウム、寒水石、軽微性炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、珪砂、珪石粉、石英粉、樹脂粉、樹脂ビーズ等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
粉粒体の重量比率は、樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは50〜600重量部、より好ましくは100〜500重量部、さらに好ましくは150〜450重量部である。粉粒体の重量比率の下限が上記値以上であることにより、型材の除去性、目地部の仕上り性等において有利な効果を得ることができ、その上限が上記値以下であることにより、型材の接着性、目地部の仕上り性、下塗材層(b)の耐候性、耐割れ性、密着性等において有利な効果を得ることができる。
下塗材は、上記成分の他、公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、例えば、骨材、繊維類、分散剤、乳化剤、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、カップリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、乾燥調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、消泡剤、吸着剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。下塗材は、上記成分を常法によって適宜混合することにより製造することができる。
下塗材層(b)は、このような下塗材を基材aに塗装することによって形成される。下塗材の塗装方法としては、特に限定されず、例えば、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り等の方法を採用することができる。本発明では、このうちローラー塗装が好適であり、ローラーとしては、多孔質ローラーを用いることが望ましい。このようなローラーを使用した場合、下塗材層(b)の表面に適度な起伏が形成され、型材の除去性、目地部の仕上り性等をより高めることができる。
多孔質ローラーは、例えば、筒状の芯材の外表面に多孔質層が備わったものであり、筒状の芯材は、軸を備えたハンドルを装着できるように空洞となっており、該空洞にハンドル軸を装着して使用することができるものである。
多孔質ローラーとしては、例えば、スポンジ状の多孔質層を有するローラーが好ましく、また多孔質層としては、連通孔を有するものが好ましい。多孔質層の材質としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂等が挙げられ、これらをスポンジ状に多孔化したものが望ましい。
このような多孔質層の孔径は、好ましくは0.3〜10mm、より好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは0.8〜3mmである。なお、各孔の孔径は、各孔の重心からの最大距離×2で算出すればよく、多孔質層の孔径は、10か所の孔の平均値を算出すればよい。また、多孔質層の厚みは、好ましくは1〜25mm、より好ましくは2〜20mmである。多孔質ローラーの幅(長さ)は、好ましくは50〜300mmである。多孔質ローラーの直径(多孔質層の外周を円周率で除した値)は、好ましくは15〜100mmである。
下塗材の塗装時には水等の希釈剤を混合して粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、好ましくは0〜10重量%である。
下塗材の塗付け量は、基材(a)が下塗材層(b)によって隠蔽される程度であればよいが、好ましくは0.1〜1kg/m、より好ましくは0.2〜0.6kg/mである。下塗材の乾燥は、好ましくは常温(0〜40℃)で行えばよい。乾燥時間は、好ましくは3時間以上、より好ましくは6時間以上である。本発明では、下塗材層(b)の乾燥後に次工程を行うことが望ましい。
第2工程では、目地模様が打ち抜きされた型材(c)を、下塗材層(b)の表面に貼着する[図1:(2)]。ここで使用する型材(c)は、粘着層(d)を有することが好ましい。粘着層(d)としては、可剥性を有するものが望ましい。型材(c)の貼着は、上記下塗材層(b)が乾燥した後、粘着層(d)が下塗材層(b)に接するようにして行えばよい。また、型材(c)を貼着した後には、ゴムローラー、プラスチックローラー、金属ローラー等を用いて、型材(c)の表面を押さえ、型材cを下塗材層bに圧着することもできる。
目地模様が打ち抜きされた型材(c)としては、公知のステンシルシート等の型材(型枠)が挙げられる。その材質としては、特に限定されず、例えば、紙製、プラスチック製、発泡樹脂製等が挙げられ、これらは防水処理等の何らかの表面処理が施されたものであってもよい。また、型材(c)は、目地部(g)に相当する部分が網目状に形成されており、模様部(h)に相当する部分が打ち抜きされたもの(打ち抜き部;透孔)である。その網目パターンは、一般にタイルやレンガ等で形成されるような種々の模様に対応したものが使用できる。特に、本発明は、タイル調模様、格子調模様等の型材(c)において十分な効果を発揮することができる。
型材(c)の模様としては、例えば、[図2:(a)〜(h)]に示すような模様部(h)に相当する四角形の打ち抜き部を複数有する目地模様の型材(c)が好適に使用することができる。具体的に、[図2:(a)〜(d)]は、長方形の打ち抜き部(X)を複数有する型材である。[図2:(e)]は、正方形の打ち抜き部(X’)を複数有する型材である。[図2:(f)〜(h)]は、打ち抜き部(X)と、それとは異なる打ち抜き部(X’’)が複数組み合わされた型材である。
本発明では、[図3]に示すように、型材(c)において、長方形の打ち抜き部(X)の長手方向の辺を(X)、短手方向の辺を(X)とし、打ち抜き部(X)の角部を(X)と表す。また、目地に相当する網目状部(目地部)を(Y)とし、その幅(目地幅)を(Y)、その厚み(高さ)を(Y)と表す。なお、本発明において、打ち抜き部(X)の輪郭とは、打ち抜き部(X)と網目状部(Y)の境界部のことであり、目地交叉部付近の打ち抜き部(X)のことを打ち抜き部(X)の角部(X)と示す。上記打ち抜き部(X)の長手方向の辺(X)、短手方向の辺を(X)は、所望の模様に応じて適宜設定すればよいが、長手方向の辺(X)は好ましくは30〜200mm、短手方向の辺(X)は好ましくは30〜200mmである。また、網目状部(Y)の目地幅(Y)は、好ましくは1〜20mm、その高さ(厚み)(Y)は、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.2〜3mmである。
なお、正方形の打ち抜き部(X’)の場合、長手方向の辺(X’)と短手方向の辺(X’)は、好ましくは30〜200mmである。また、打ち抜き部(X)と異なる大きさの打ち抜き部(X’’)の長辺(X’’)は、打ち抜き部(X)の長辺(X)の1/3〜2/3(より好ましくは1/2)が好ましく、短辺(X’’)は、打ち抜き部(X)の短辺(X)と同じであることが好ましい。
第3工程では、第2工程で得られた面に対し、仕上げ材を塗装して仕上げ材層(模様部h)を形成する。仕上げ材層は、少なくとも1種以上の仕上げ材を塗装して仕上げ材層を形成すればよく、本発明では、仕上げ材として、中塗材及び上塗材を塗装することが好ましい。この場合、第3−1工程として中塗材を塗装して中塗材層(e)を形成後[図1:(3−1)]、第3−2工程として上塗材を塗装して、上塗材層(f)を形成[図1:(3−2)]することが好適である。
第3−1工程は、必要に応じて行えばよいが、美観性向上のためには行うことが好ましい。この第3−1工程では、少なくとも、型材(c)と中塗材層(e)との境界部(型材(c)の側面と、中塗材層(e)の表面とが接する部分)に塗装すればよく、この場合、中塗材層(e)は不連続塗膜であってもよい。但し、作業効率向上化等の点では、型材(c)が貼着された中塗材層(e)の全面、すなわち、型材(c)が貼着された部分を含む全面に対して中塗材を塗装することが望ましい。
中塗材としては、下塗材層(b)と中塗材層(e)との色差が10未満(より好ましくは8以下、さらに好ましくは5以下)となるものを使用することが好ましい。本発明では、このような条件を満たす中塗材を塗装することにより、目地部(g)と模様部(h)との境界がすっきりとした仕上りとなり、美観性に優れた目地模様が形成できる。このような効果は、下塗材層(b)と型材(c)の隙間が、下塗材層(b)とほぼ同色の中塗材によって封鎖され、後の工程で用いる上塗材の当該隙間への入り込みを抑制することによって奏されるものと考えられる。本発明では、型材の除去性等を高めるために下塗材の組成を調整した結果、下塗材層(b)と型材(c)との接触面に隙間が生じやすくなった場合であっても、美観性に優れた目地模様が形成できる。
本発明における色差(△E)は、乾燥後の各層の色調を、色彩色差計にて測定して算出される値である。具体的に、下塗材層(b)と中塗材層(e)との色差(△Eeb)は、それぞれの層のL値、a値、b値より下記式1にて算出することができる。
<式1>△Eeb={(L −L +(a −a +(b −b 0.5
(式中、L 、a 、b はそれぞれ中塗材層eのL、a、b。L 、a 、b はそれぞれ下塗材層(b)のL、a、b
中塗材としては、例えば、樹脂成分、及び着色顔料を含むものが使用できる。このような中塗材では、着色顔料の種類、混合比率等を適宜調整することにより、中塗材層(e)を所望の色調に設定することができる。
中塗材における樹脂成分、着色顔料としては、下塗材にて説明したものと同様のものが使用できる。
中塗材における樹脂成分は、そのTgが好ましくは−30〜50℃、より好ましくは−10〜40℃である。また、樹脂成分は架橋反応性を有するものであってもよい。このような場合、型材除去時において、目地部の幅(Y)で切り取るように型材(c)を除去することができるため、型材(c)と共に模様部(h)が剥れてしまう不具合が抑制され、型材(c)を効率よく除去することが可能となる。
中塗材における着色顔料の重量比率は、樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは3〜300重量部、より好ましくは5〜250重量部である。
中塗材としては、樹脂成分、着色顔料に加え、さらに下塗材と同様の粉粒体を含むものも使用できる。このような中塗材では、着色顔料によって色調の設定が容易であると共に、目地材の除去性、目地部の仕上り性等において優れた性能を確保することが可能となる。
中塗材における粉粒体の重量比率は、樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは30〜400重量部、さらに好ましくは50〜300重量部である。粉粒体の重量比率の下限が上記値以上であることにより、型材除去時において、目地部の幅(Y)で切り取るように型材(c)を除去することができるため、型材(c)と共に模様部(h)が剥れてしまう不具合が抑制され、型材(c)を効率よく除去することができ、さらに型材下部の隙間封鎖に供された中塗材が目立ちにくく、目地部の仕上り性等において有利な効果を得ることができる。粉粒体の重量比率の上限が上記値以下であることにより、型材下部において隙間を封鎖する機能が十分に発揮され、目地部の仕上り性をいっそう高めることができる。
中塗材における粉粒体の重量比率は、下塗材における粉粒体の重量比率よりも小であることが望ましい。具体的に、中塗材における粉粒体の重量比率は、下塗材における粉粒体の重量比率よりも30重量部以上小であることがより望ましく、50重量部以上小であることがさらに望ましく、80重量部以上小であることが特に望ましい。このような場合、上述の効果が得られやすくなる。
中塗材は、上記成分の他、公知の添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、例えば、下塗材にて説明したものと同様のものが使用できる。中塗材は、上記成分を常法によって適宜混合することにより製造することができる。
中塗材層(e)は、このような中塗材を、下塗材層(b)の表面に塗装することによって形成される。中塗材の塗装方法としては、特に限定されず、例えば、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り等の方法を採用することができる。本発明では、このうちローラー塗装が好適であり、ローラーとしては、繊維質ローラーを用いることが望ましい。このような繊維質ローラーを使用した場合、目地材下部において隙間を封鎖する機能が十分に発揮されやすくなり、目地部の仕上り性をより高めることができる。
繊維質ローラーは、例えば、筒状の芯材の外表面に繊維質層が備わったものであり、筒状の芯材は、軸を備えたハンドルを装着できるように空洞となっており、該空洞にハンドル軸を装着して使用することができるものである。
繊維質層の材質としては、特に限定されないが、例えば、豚毛、馬毛、山羊毛、羊毛、狸毛等の他、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維等が挙げられる。
繊維質層の厚み(乾燥時の厚み)は、好ましくは2〜30mmである。また、繊維質層を構成する繊維の長さは、好ましくは、3〜40mmである。このような繊維を、編み込んだり、2点以上で固定化したりする等、何らかの方法で繊維の自由度を抑えることによって、上記厚みの繊維質層を得ることができる。
繊維質ローラーの幅(長さ)は、好ましくは50〜300mmである。繊維質ローラーの直径(繊維質層の外周を円周率で除した値)は、好ましくは15〜100mmである。
中塗材の塗装時には水等の希釈剤を混合して粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、好ましくは0〜10重量%である。
中塗材の塗付け量は、目地材下部における隙間封鎖作用が発揮される範囲内で設定すればよいが、好ましくは0.03〜0.5kg/m、より好ましくは0.05〜0.3kg/mである。中塗材の乾燥は、好ましくは常温(0〜40℃)で行えばよい。乾燥時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上である。本発明では、中塗材層eの乾燥後に次工程を行うことが望ましい。
第3−2工程では、中塗材層(e)の表面に上塗材を塗装して上塗材層(f)を形成する[図1:(3−2)]。この第3−2工程では、型材(c)が貼着された部分を含む全面に対して上塗材を塗装することが望ましい。これにより作業効率を高めることができる。
上塗材としては、下塗材層(b)と上塗材層(f)との色差が10以上(より好ましくは12以上、さらに好ましくは15以上)となるものを使用することが望ましい。本発明では、このような条件を満たす上塗材を塗装した場合であっても、目地部(g)と模様部(h)との境界がすっきりとした仕上りとなり、しかも目地部(g)と模様部(h)とのコントラストが明瞭となり、美観性に優れた目地模様が形成できる。
下塗材層(b)と上塗材層(f)との色差(△Efb)は、それぞれの層のL値、a値、b値より下記式2にて算出することができる。
<式2>△E={(L −L +(a −a +(b −b 0.5
(式中、L 、a 、b はそれぞれ上塗材層fのL、a、b。L 、a 、b はそれぞれ下塗材層bのL、a、b
上塗材としては、例えば、樹脂成分、及び着色顔料を含むものが使用できる。このような上塗材では、着色顔料の種類、混合比率等を適宜調整することにより、上塗材層(f)を所望の色調に設定することができる。
上塗材における樹脂成分、着色顔料としては、下塗材にて説明したものと同様のものが使用できる。
上塗材における着色顔料の重量比率は、樹脂成分の固形分100重量部に対し、好ましくは3〜300重量部、より好ましくは5〜250重量部である。
上塗材は、上記成分の他、下塗材と同様の粉粒体を含むことができ、また公知の添加剤を含むこともできる。このような添加剤としては、例えば、下塗材にて説明したものと同様のものが使用できる。上塗材は、上記成分を常法によって適宜混合することにより製造することができる。
上塗材層(f)は、このような上塗材を、中塗材層(e)の表面に塗装することによって形成される。上塗材の塗装方法としては、特に限定されず、例えば、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り等の方法を採用することができる。
上塗材の塗装時には水等の希釈剤を混合して粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、好ましくは0〜20重量%である。
上塗材の塗付け量は、所望の模様部が形成される範囲内で適宜設定すればよいが、好ましくは0.03〜1kg/m、より好ましくは0.05〜0.8kg/mである。上塗材の乾燥は、好ましくは常温(0〜40℃)で行えばよい。乾燥時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上である。
本発明では、第3−2工程において、2種以上の上塗材を塗装することができる。すなわち、2種以上の上塗材層を積層することができる。[図4]は、第3−2工程において、2種の上塗材を塗装して、2種の上塗材層を積層した例(上塗材層(f1)、上塗材層(f2))を示す概略図である。
[図4]に示す方法において、第3−2工程以外の工程は、[図1]と同様であり、その詳細は上述の通りである。
[図4]では、第3−2・1工程として、中塗材層(e)の表面に第1上塗材を塗装して、第1上塗材層(f1)を形成している[図4:(3−2・1)]。第1上塗材としては、[図1]と同様のものが使用でき、その詳細は上述の通りである。
次いで、第3−2・2工程として、第1上塗材層(f1)の表面に第2上塗材を塗装して、第2上塗材層(f2)を形成している[図4:(3−2・2)]。本発明では、第1上塗材層(f1)の乾燥後に、第2上塗材を塗装することが望ましい。
第2上塗材としては、美観性向上化等の点から、多色模様が形成できるものが好適である。このような第2上塗材としては、液状またはゲル状の色粒が水性媒体に分散してなるもの等が使用できる。第2上塗材としては、例えばJIS K5667:2003に規定される材料等が使用でき、第2上塗材を構成する色粒と水性媒体との組み合わせ(色粒/水性媒体)によって、水中油型(O/W型)、または水中水型(W/W型)に分類される。本発明では、この中でも上塗材が水中水型(W/W型)である場合に顕著な効果が得られる。色粒と水性媒体との重量比率(色粒:水性媒体)は、好ましくは1:99〜80:20(より好ましくは10:90〜75:25、さらに好ましくは30:70〜70:30)である。
第2上塗材における色粒は、樹脂と着色顔料、及び必要に応じ各種添加剤等を含む着色材が、水性媒体中に、液状またはゲル状の状態にて粒状に分散されたものである。着色材中の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、アルギン酸誘導体、セルロース誘導体等が挙げられる。このような樹脂が、水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂(樹脂エマルション)の形態であることにより、着色材を水性媒体に分散させると水中水型(W/W型)の上塗材となる。
着色材における着色顔料としては、例えば、上記下塗材における着色顔料と同様のものが挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
着色材を水性媒体中に粒状に分散させる方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、分散安定剤等を含む水性媒体に、着色材を分散させる方法等を採用することができる。分散安定剤は、着色材を粒状に安定化させる成分であり、樹脂や着色材の種類等に応じて選定することができる。分散安定剤の具体例としては、例えば、マグネシウム塩類、カルシウム塩類、バリウム塩類、アルミニウム塩類、ナトリウム塩類、カリウム塩類、ホウ酸塩類、リン酸塩類等が挙げられる。この他、分散安定剤として、例えば、水溶性高分子類、粘土類等を使用することもできる。水性媒体は、上述と同様の樹脂(水溶性樹脂、樹脂エマルション等)を含むこともできる。なお、水性媒体が樹脂を含む場合、その樹脂が目地材下部の隙間に滲入して目地部の仕上り性等に影響するおそれがあるが、本発明では中塗材等の作用により、このような影響を抑制することができる。
着色材、水性媒体においては、公知の添加剤を適宜使用することができる。このような添加剤としては、例えば、体質顔料、骨材、充填剤、艶消し剤、繊維類、ゲル形成剤、顔料分散剤、乳化剤、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、カップリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、乾燥調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、消泡剤、吸着剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。
色粒の粒径や形状は、適宜設定することができる。具体的には、製造時における攪拌羽根の形状、攪拌槽に対する攪拌羽根の大きさや位置、攪拌羽根の回転速度、着色材の粘性、分散安定剤の添加方法や濃度、水性媒体の粘性等を適宜選択・調整すればよい。色粒の粒径は、好ましくは0.01〜10mm(より好ましくは0.1〜8mm)である。
第2上塗材の塗装方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を採用することができる。このうち、ローラーとしては、例えば、多孔質ローラー等が使用できる。
第2上塗材は、1回ないし複数回塗付することができる。第2上塗材の塗付け量は、1回当たり好ましくは0.2〜1.5kg/m、より好ましくは0.3〜1.2kg/mである。
第2上塗材の塗付時には水等の希釈剤を混合して粘性を適宜調製することもできる。希釈割合は、好ましくは0〜10重量%である。
第2上塗材を用いる場合、第1上塗材層の色調は、第2上塗材に近似した色調(共色)に設定しておくことが望ましい。これにより、第2上塗材層の色粒間から第1上塗材層が視認される場合であっても違和感がなく、美観性に優れた仕上りを得ることができる。
第4工程では、型材(c)を除去する[図1:(4)、図4:(4)]。型材(c)を除去することにより、目地部(g)が形成され、目地部(g)と模様部(h)との色調及び高低差を有する、美観性に優れた模様面が得られる。型材(c)の除去は、上塗材塗装後であればよく、上塗材の乾燥前ないし乾燥後のいずれでもよいが、乾燥後に型材(c)を除去することが好ましい。本発明では、この第4工程において、型材(c)を除去する場合、特定の型材除去補助具を使用して模様部を押えながら、型材を除去することを特徴とする。
[図5]に、第4工程で使用する型材除去補助具の一例を示す。
まず、本発明で使用する型材除去補助具の一例として、[図4]に示す型材除去補助具について詳細に説明する。
なお、本発明では[図5]における、型材除去補助具の長手方向(L)、短手方向(W)、高さ方向(H)について、その「サイズ」をそれぞれ次のように表す。
・長手方向(L):「長さ」
・短手方向(W):「幅」
・高さ方向(H):「高さ(厚み)」
本発明の型材除去補助具は、本体部と取手部を有するものであり、
上記本体部は、接続部、押え部を有し、
上記押さえ部は、上記使用する型材の打ち抜き部の少なくとも角部形状に沿うように押さえ板が配置されたものであることを特徴とする。
[図5]に示す型材除去補助具(1)は、例えば、[図2:(a)〜(h)]に示すような型材(c)を除去する工程において使用することができる。特に、本発明の型材除去補助具(1)は、 [図2:(b)]に示すような長方形の打ち抜き部(X)を複数有する破れ目地模様の型材(c)を除去する工程において、好適に使用することができる。(以下、[図2:(b)]の型材を用いて詳細に説明する。)
[図6]に、本発明型材除去補助具の使用時の一例を示す。本発明の型材除去補助具は、[図6:(I)]に示すように、押さえ部(A2)を、除去する型材(2)の打ち抜き部(X)の輪郭に沿うように押し当てて使用するものである。本発明において、打ち抜き部(X)の輪郭に沿うように押し当てて使用する場合、打ち抜き部(X)の少なくとも一部または全部の輪郭に沿うようにすればよいが、打ち抜き部の少なくとも角部(X)の形状に沿うように押し当てて使用することが好ましい。具体的には、[図6:(I)1段目除去工程→(II)2段目除去工程→(III)3段目除去工程]のように、型材除去補助具(1)を移動させながら打ち抜き部(X)の輪郭に沿うように押さえ部(A2)を押し当て、型材(2)を1段ずつ除去して使用することができる。これにより、型材を容易に除去することができるとともに、仕上がり性を高めることができる。なお、[図6]は、正面図の上下方向に型材(c)を除去する一例を示しているが、型材(c)の貼着方向によっては、左右(右左)方向に型材(c)を除去することもできる。
型材除去補助具(1)の各構成部材について具体的に説明する。
[図7]は、本発明型材除去補助具の正面図である。本発明の型材除去補助具(1)は、本体部(A)と取手部(B)を有し、本体部(A)は、少なくとも連結部(A1)、押さえ部(A2)を有することを特徴とする。
連結部(A1)は、取手部(B)との連結部分であり、取手部(B)を保持できるものであれはよい。その材質としては、例えば、金属製(アルミニウム、ステンレス等)、合成樹脂製(プラスチック製)、発泡樹脂製(硬質発泡樹脂製等)、ゴム製、木製、セラミック製、等が使用できる。
また、連結部(A1)の形状は、特に限定されないが、例えば、[図5]に示すような長方形(板状)のものが好適である。この連結部(A1)の長さ(A1)は、型材(2)の大きさ等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは打ち抜き部(X)1つ分以上の長さ(より好ましくは2つ分以上の長さ、さらに好ましくは3つ分以上の長さ)であり、かつ1m以下(より好ましくは50cm以下)程度であることが好ましい。このような場合、本発明の効果が得られやすく、作業効率が向上する。一方、連結部(A1)の幅(A1)は、適宜設定すればよく、好ましくは3〜30cm(より好ましくは5〜15cm)である。また、その厚み(A1)は、好ましくは0.1〜5mm(より好ましくは0.5〜3mm)である。
押さえ部(A2)は、型材(2)を除去する際に仕上げ塗膜面を軽く押さえ、打ち抜き部(X)に塗付された仕上げ塗膜の欠損や剥離等を抑制する役割を担うものである。押さえ部(A2)は、塗膜面と接触した際に荷重を付加できる程度に剛性を有するものであればよい。その材質としては、例えば、金属製、合成樹脂製(プラスチック製)、木製、セラミック製、等が使用できる。また、その厚みは、好ましくは0.1〜5mm(より好ましくは0.5〜3mm)である。
押さえ部(A2)には、型材(2)の打ち抜き部(X)の輪郭に沿うように(少なくとも角部(X)形状に沿うように)押さえ板(2a)が配置される。押さえ板(2a)の形状(正面形状)は、打ち抜き部(X)の角部(X)形状に沿うものであれば特に限定されず、例えば、三角形、四角形、円形、楕円形、等が挙げられるが、四角形が好適である。
また、押さえ部(A2)は、少なくとも2枚以上の押さえ板(2a)を有することが好ましい。また、この2枚以上の押さえ板(2a)は、2つ以上の打ち抜き部(X)の輪郭に沿うように配置されることが好ましい。これにより、型材の除去性を高め、作業性を高めることができる。
具体的に、[図7]の型材除去補助具は、押さえ部(A2)に四角形の押さえ板(2a)を6枚有し、それぞれが間隔(Z)を介して配置されている。[図6]のように押さえ板(2a)2枚が、打ち抜き部(X)1つ分に相当するように配置(好ましくは等間隔で配置)、すなわち押さえ板(2a)6枚で、打ち抜き部(X)3つ分に相当するように配置されている。[図8]に、[図6:(I)]点線部の拡大図を示す。押さえ板(2a)が、打ち抜き部(X)の輪郭(角部(X)形状)に沿うように配置される態様としては、[図8:(a)]のように、打ち抜き部(X)の角部(X)に押さえ板(2a)が密接するように配置される態様、あるいは、[図8:(b)]のように、打ち抜き部(X)の角部(X)に押さえ板(2a)が近接するように配置される態様等が挙げられる。本発明では打ち抜き部(X)の角部(X)に押さえ板(2a)が近接するように配置される態様が好ましく、打ち抜き部(X)の輪郭(角部(X)形状)よりも好ましくは0.5〜5mm(より好ましくは1〜3mm)内側に沿うように押さえ板(2a)が配置される。
押さえ板(2a)の長さ(2a)、及び幅(2a)は、型材(2)の打ち抜き部(X)に応じて設定すればよい。例えば、本発明の型材除去補助具(1)では、押さえ板(2a)の長さ(2a)と打ち抜き部(X)の長辺(X)の比が、(2a)/(X)<0.5(より好ましくは0.35<(2a)/(X)<0.5)であることが好ましい。このような場合、打ち抜き部(X)の角部(X)に近接して(やや内側に)押さえ板(2a)が配置されるため、打ち抜き部(X)の角部(X)に沿うように押さえ板(2a)を押し当てることができ、本発明の効果を高めることができる。さらに、[図2:(b)]のような打ち抜き部(X)が半分ずつずらして配置された型材を除去する場合、[図6]のように型材除去補助具を次の段に動かすだけで、打ち抜き部(X)の角部(X)に沿うように押さえ板(2a)を押し当てることができるため、作業性を高めることができる。
また、押さえ板(a2)の幅(a2)は、打ち抜き部(X)の幅(X)と略同じであることが好ましく、押さえ板(a2)の幅(a2)と打ち抜き部(X)の幅(X)の比が、(2a)/(X)≒1(より好ましくは0.7<(2a)/(X)<0.99)であることが好ましい。このような場合、型材(2)を1段ずつ除去することができるため、仕上げ塗膜の欠損や剥離を十分に抑制することができる。
さらに、押さえ板(a2)の間隔(Z)は、型材(2)の目地幅(Y)よりもやや広いことが好ましく、間隔(Z)と目地幅(Y)の比が、1<(Z)/(Y)<1.5であることが好ましい。このような場合、型材(2)によじれ等が生じた場合であっても、スムーズに型材(2)を除去することができ、仕上げ塗膜の欠損や剥離を十分に抑制することができる。
本発明において、接続部(A1)と押さえ部(A2)の連結の態様は、[図9:(a)正面図、(b)下側面図]のように接続部(A1)と押さえ部(A2)が一体的に連結した態様、[図10:(a)正面図、(b)下側面図]のように接続部(A1)と押さえ部(A2)(押さえ板(2a))が固定具(1a)等で固定された態様であってもよい。後者の場合は、使用する型材(2)の打ち抜き部(X)の形状に応じて、押さえ部(A2)(押さえ板(2a))を適宜付け替えて使用することもできる。
また、接続部(A1)と押さえ部(A2)は、[図11]のように、高さや傾斜を適宜設定することができる。傾斜を設定する場合は、好ましくはθ=45°以下である。この場合、本発明の効果が得られやすい。
本発明の取手部(B)は、本体部(A)の接続部(A1)の上面に取り付けられるものであり、その形状は特に限定されない。
本体部Aの上部に取手部Bが取り付けられた型材除去補助具の高さ(H)は、好ましくは3〜15cm(より好ましくは5〜10cm)である。このような場合、作業性を高め本発明の効果を十分に得ることができる。
本発明の型材除去補助具のその他のバリエーションとして、[図12]に型材(c)と型材除去補助具(1)の組み合わせの例を示す。[図12:(a)(b)]のように、型材(c)の打ち抜き部Xと同じ形状の押さえ板(2a)を複数配置したり、[図12:(c)(d)]のように、型材(c)の打ち抜き部の形状に合わせて、形状の異なる押さえ板(2a)を配置することもできる。
第4工程の後には、クリアコート材を塗装することも可能である。このようなクリアコート材の塗装は、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐久性、耐汚染性等の向上化の点で好適である。クリアコート材の塗装は、目地部(g)及び模様部(h)を含む全面に行うことが望ましい。クリアコート材としては、例えば、アクリル樹脂系クリアコート材、ウレタン樹脂系クリアコート材、アクリルシリコン樹脂系クリアコート材、シリカ系クリアコート材、フッ素樹脂系クリアコート材等が挙げられる。本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、着色タイプのクリアコート材を使用することも可能である。
クリアコート材の塗装においては、公知の方法が採用でき、例えば、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等の各種方法が採用できる。クリアコート材の塗付け量は、好ましくは0.01〜0.5kg/m、より好ましくは0.03〜0.4kg/mである。クリアコート材の乾燥は、好ましくは常温(0〜40℃)で行えばよい。乾燥時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
・下塗材1
架橋反応性樹脂{カルボニル基含有アクリル樹脂エマルション(Tg20℃)とアジピン酸ジヒドラジドとの混合物、固形分50重量%}の固形分100重量部に対し、着色顔料(カーボンブラック、弁柄、黄色酸化鉄、酸化チタン)24重量部、粉粒体{炭酸カルシウム(平均粒子径32μm、屈折率1.6)、カオリン(平均粒子径5μm、屈折率1.6)}320重量部、その他添加剤(造膜助剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等)を均一に混合して、濃灰色の下塗材1を製造した。
・中塗材1
架橋反応性樹脂{カルボニル基含有アクリル樹脂エマルション(Tg20℃)とアジピン酸ジヒドラジドとの混合物、固形分50重量%}の固形分100重量部に対し、着色顔料(カーボンブラック、弁柄、黄色酸化鉄、酸化チタン)24重量部、粉粒体{炭酸カルシウム(平均粒子径4μm、屈折率1.6)、カオリン(平均粒子径5μm、屈折率1.6)}170重量部、その他添加剤(造膜助剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等)を均一に混合して、濃灰色の中塗材1を製造した。
・上塗材1
架橋反応性樹脂{アクリルシリコン樹脂エマルション(Tg16℃、固形分50重量%)}の固形分100重量部に対し、着色顔料(酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、黄色酸化鉄)62重量部、その他添加剤(骨材、造膜助剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等)を均一に混合して、淡灰色の上塗材1を製造した。
・上塗材2
ゲル状色粒1(淡黄色ゲル状粒子;アクリルシリコン樹脂エマルション、酸化チタン、黄色酸化鉄、弁柄、水を主成分とする着色材の粒状化物、粒子径1〜3mm)15重量部、ゲル状色粒2(淡灰色ゲル状粒子;アクリルシリコン樹脂エマルション、黒色酸化鉄、酸化チタン、水を主成分とする着色材の粒状化物、粒子径0.5〜2mm)25重量部、ゲル状色粒3(茶色ゲル状粒子;アクリルシリコン樹脂エマルション、弁柄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、水を主成分とする着色材の粒状化物、粒子径1〜3mm)10重量部、水性媒体(アクリルシリコン樹脂エマルション、水を主成分とする水性媒体)50重量部を含む上塗材2を製造した。
(実施例1)
45×30cmの基材(スレート板)の全面に、下塗材1を塗付け量0.3kg/mにて多孔質ローラー(多孔質層の孔径1mm)を用いて塗装し、16時間乾燥後、図2(b)に示す破れ目地模様の型材を貼着した。
次いで、中塗材1を塗付け量0.1kg/mにて繊維質ローラー(繊維質層の厚み13mm)を用いて全面に塗装し、3時間乾燥させた。その後、上塗材1を塗付け量0.4kg/mにて多孔質ローラー(多孔質層の孔径1mm)を用いて全面に塗装した。3時間乾燥後、上塗材2を塗付け量0.4kg/mにて多孔質ローラー(多孔質層の孔径3mm)を用いて全面に2回塗装し、24時間乾燥させた。
その後、図5(図7)に示す型材除去補助具を図6のように押し当てながら型材を除去した。
下塗材層1(下塗材1の塗膜)と中塗材層1(中塗材1の塗膜)との色差(△Eeb)は、0.4であった。下塗材層1と上塗材層1(上塗材1の塗膜)との色差(△Efb)は45であった。
以上の工程によって得られた模様面は、仕上げ塗材(模様部)の欠損、剥離等もなく、模様部の目地部と模様部との境界がすっきりとした直線状の仕上りとなり、目地部と模様部とのコントラストも明瞭であり、美観性に優れた目地模様であった。
なお、使用した型材、型材除去補助具の各構成は以下の通りである。
(型材)
・図2(b)に示す破れ目地模様の型材
・打ち抜き部(X)(長辺(X)=94mm、短辺(X)=43mm)
・目地部(厚み(Y)=0.8mm、目地幅(Y)=6.5mm)
(型材除去補助具)
・接続部(A1):(A1)30cm、(A1)6cm、(A1)3mm、アルミニウム製
・押さえ部(A2):押さえ板(2a)6枚、間隔(Z)9.25mm
押え板(2a):(2a)41mm、(2a)41mm、(2a)3mm、アルミニウム製
・型材除去補助具の高さ(H):6cm


Claims (1)

  1. 目地模様を有する模様面の形成方法であって、
    (1)基材に対し、下塗材を塗装して下塗材層を形成する第1工程、
    (2)目地模様が打ち抜きされた型材を、上記下塗材層の表面に貼着する第2工程、
    (3)上記第2工程で得られた面に対し、仕上げ材を塗装して仕上げ材層を形成する第3工程、
    (4)型材除去補助具を押し当てながら上記型材を除去する第4工程、
    を行うものであり、
    上記型材除去補助具が、本体部と取手部を有し
    上記本体部は、押さえ部を有し、
    上記押さえ部は、上記型材の打ち抜き部の輪郭に沿うように上記押さえ板が配置されたものであることを特徴とする模様面の形成方法。


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