(本開示に至る経緯)
近年、(AI:artificial intelligence)技術の発展に伴い、ドライバーレスの自動運転車を利用したライドシェアサービスの研究が進められている。このようなライドシェアサービスの一形態として路線バスの運行がある。路線バスを自動運行させた場合、人間であるドライバーが従来行っていた様々な業務をコンピュータが行うことになるが、これらの業務をコンピュータに担わせることは容易ではない。
例えば、路線バスではバス停があり、バス停には路線の異なる複数の路線バスが往来するため、ドライバーはバス停にいる人物がこのバスに乗車しようとしている人物であるか、このバスに乗車しようとしていない人物であるかを判断する。そして、この人物がこのバスに乗車しようとしている人物であると判断した場合、ドライバーは、この人物を取り残すことなく安全にバスに乗車させるために、この人物が完全にバスに乗車するのを待った後、バスの走行を開始させる。
また、バス停では発車時刻間際になってバスに駆け寄ってくる人物もいるため、ドライバーはバスの周囲で歩行する人物がいる場合、この人物がこのバスに乗ろうとしている人物であるか否かも見極め、バスの走行を開始させる。
このように、バス停において、乗客を取り残すことなく安全に乗車させるためには、ドライバーは、バスの周囲にいる人物の行動、表情、及び位置といったバスの周囲の様々な状況を総合的に判断して、バスの走行を開始する。しかし、このような総合的な判断を、コンピュータが行うのは技術的に困難であり、路線バスを完全自動化するには困難が多い。
上述の特許文献1は、ゴルフ場で使用されるカートに関する技術であり、このようなカートでは、顔見知りである特定の人物がカートに乗車した後に、乗車しているある人物が走行開始をカートに指示すると自動運転が開始される。したがって、特許文献1は、顔見知りでない不特定の人物が発車間際になってカートに駆け寄ってくるような場面が想定できず、上述のような課題は生じない。
そこで、本発明者は、このような判断をコンピュータのみに行わせるのではなく路線バスの乗客の協力を得ることで、自動運転車両に乗車しようとする不特定のユーザの取り残し又は乗車の安全性を向上させることができるとの着想を得て本開示をするに至った。
本開示の一態様に係る情報処理装置は、車両の外の物体をセンシングする第1センサから第1センシングデータを取得する第1取得部と、
前記第1センシングデータに基づいて提示情報を生成し、前記車両内に存在する提示装置に前記提示情報を提示させる提示制御部と、
前記車両内に存在する入力装置を介して前記提示情報の提示に対する入力データを取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記入力データに応じて、前記車両への人の乗車を制御する乗車制御部と、を備える。
本構成によれば、センサにより得られた車外の物体をセンシングした第1センシングデータを用いて提示情報が提示され、提示情報に対する入力が取得され、その入力に応じて車両の乗車が制御される。これにより、例えば、車両に乗車しようとする人の有無の判断結果を車内の人に入力させ、入力された内容に応じて車両に乗車しようとする人の車両への乗車を制御することが可能となる。したがって、本構成は、車両に乗車しようとしている人の有無の判断処理について車内の人の判断を利用することができ、車両に乗車しようとする不特定の人の取り残し又は乗車の安全性を向上させることができる。
上記態様において、前記提示情報は、画像を含み、
前記入力データは、操作画像に対する操作を示す操作データを含み、
前記提示制御部は、前記操作画像を生成してもよい。
本構成によれば、提示情報において、車両の外の物体を示す画像を含ませることができので、車内の人はその画像を見ながら車両に乗車しようとしている人の有無を適切に判断し、その判断結果を操作画像を用いて容易に入力することができる。
上記態様において、前記操作画像は、前記車両の乗車口のドアの操作のための画像を含み、
前記乗車制御部は、前記操作データが示す操作に応じてドアを制御させてもよい。
本構成によれば、車両の乗車口のドアを操作するための操作画像を提示できるため、車内の人の操作で直接的に物理的な乗車の制御を行うことができる。例えば、車内の人は、車両に乗車しようとしている人が居ると判断した場合、ドアを閉めない操作を入力することにより、当該人を取り残すことなく安全に乗車させることができる。一方、車内の人は、車両に乗車しようとしている人が居ないと判断した場合、ドアを閉める操作を入力することで、車両を速やかに走行させることができる。
上記態様において、前記操作画像は、前記車両に乗車しようとする人がいるか否かを選択するための画像を含み、
前記乗車制御部は、前記操作データが示す操作に応じて前記車両の乗車口のドアを制御させてもよい。
本構成によれば、車両に乗車しようとする人の有無を選択するための操作画像が表示されるため、車内の人の操作で間接的に物理的な乗車の制御を行うことができる。これにより、車内の人は心理的に乗車させない判断をしにくくなり、ドアの開閉操作の場合よりも乗車しようとしている人を乗車させやすくすることができる。そのため、乗車しようとする人の取り残しを抑制することができる。
上記態様において、前記提示情報は、画像に映る人を強調する画像を含んでもよい。
本構成によれば、提示情報には画像に写る人が強調表示された画像が含まれるため、車内の人に、車両に乗車しようとする人の有無の判断を容易に行わせることができる。その結果、誤判断が抑制され、車両に乗車しようとする人の取り残しの抑制と安全確保ができる。
上記態様において、前記提示情報は、画像に映る人の動きを示す画像を含んでもよい。
本構成によれば、提示情報には、画像に写る人の動きを示す画像が含まれるため、例えば車内の人に、車両に駆け寄ってくる人の有無を正確に判断させることができる。その結果、誤判断が抑制され、車両に乗車しようとする人の取り残しの抑制と安全確保ができる。
上記態様において、前記第1取得部はさらに、前記車両に取り付けられた前記車両内をセンシングする第2センサから第2センシングデータを取得し、
前記第2センシングデータを用いて前記車両内の人を特定する特定部を更に備え、
前記提示制御部は、特定された前記人に前記提示情報を提示させてもよい。
本構成によれば、車両内に取り付けられたセンサが取得した第2センシングデータを用いて車両内の特定の人が特定され、特定された人に車両に乗車しようとする人の有無を判断させることができる。そのため、例えば、入力装置の近くに位置する人、判断について信頼のおけそうな人、及び車両に乗車しようとしている人を目視しやすい位置に乗車している人等の前記判断を利用することができ、前記判断の信頼性を高めることができる。
上記態様において、前記特定部は、前記入力データの履歴から人を特定してもよい。
本構成によれば、過去の入力履歴から人が特定されるため、例えば、過去の入力履歴から判断について信頼できる人に、車両に乗車しようとする人の有無の判断をさせることができ、前記判断の信頼性を高めることができる。
上記態様において、前記第1取得部はさらに、前記車両に取り付けられた前記車両内をセンシングする第2センサから第2センシングデータを取得し、
前記第2センシングデータを用いて前記車両内に人がいるか否かを判定する判定部を更に備え、
前記提示制御部は、前記判定部が前記車両内に前記人がいると判定した場合に前記提示情報を提示させてもよい。
本構成によれば、車両内に人がいる場合に提示情報を提示させることができるため、車両内に人がいない場合に提示情報が提示されることを防止でき、無駄な処理の発生を防止することができる。
上記態様において、前記入力装置に入力を行った人を特定する操作者特定部と、
特定された前記人にインセンティブを付与するインセンティブ付与部と、を更に備えてもよい。
本構成によれば、入力を行った人にインセンティブが付与されるので、車両に乗車しようとする人の有無の判断結果を入力する動機付けを車内の人に付与することができ、判断結果が入力されない事態を回避できる。
上記態様において、前記入力装置は、前記車両内の人によって所持され、前記情報処理
装置と通信する通信端末を含み、
前記第2取得部は、前記通信端末から通信を介して前記入力データを取得してもよい。
本構成によれば、車両に乗車しようとする人の判断結果の入力が車内の人の通信端末から行うことが可能であるため、当該人に当該入力を容易に行わせることができる。また、車両に入力装置を設置せずに済むため、コストを低減することができる。
上記態様において、前記提示装置は、前記車両内の人によって所持され、前記情報処理装置と通信する通信端末を含み、
前記第2取得部は、前記提示情報を前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、送信された前記提示情報を提示してもよい。
本構成によれば、車内の人の通信端末に提示情報が表示されるので、車両に乗車しようとする人の有無の判断を当該人に容易に行わせることができる。また、車両に提示装置を設置せずに済むため、コストを低減することができる。
本開示は、このような情報処理装置に含まれる特徴的な各構成をコンピュータに実行させる情報処理方法、コンピュータプログラム、或いはこのコンピュータプログラムによって動作するシステムとして実現することもできる。また、このようなコンピュータプログラムを、CD−ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る情報処理装置が適用された車両1において、車両1の外部構成と車両1の内部構成との一例を示す図である。図1において、上図は車両1の外部構成を示し、下図は車両1の内部構成を示している。本実施の形態では、車両1として路線バスが採用される。また、車両1は、AIが実装されたコンピュータによって自動運転されるドライバーレスの自動運転車両で構成される。
図1の上図を参照し、車両1は、車外センサ11及びドア16を備える。図1の上図の例では、車外センサ11は、車両1の前面の上部に設けられた車外センサ111と、車両1の側面中央の上部に設置された車外センサ112とを含む。なお、車外センサ112は、車両1ではなく車両とは別の場所に設けられてもよい。例えば、車外センサ112は、道路に面した建物又はバス停等の車両1の外部をセンシング可能な場所に設けられてよい。
ドア16は、車両1の側面の前方に設けられたドア161と車両1の側面の後方に設けられたドア162とを含む。ここでは、ドア161は乗客が車両1から降車する際に利用され、且つ、ドア162は乗客が車両1に乗車する場合に利用される。但し、これは一例である。例えば、ドア161は乗客が車両1に乗車する場合に利用され、且つ、ドア162は乗客が車両1から降車する場合に利用されてもよい。
車外センサ111は、車両1の前方の物体(例えば、別の車両及び人物等)を検出して、車両1を自動運転させるために必要なセンシングデータを取得するために使用される。ここでは、車外センサ111は、車両1の前面上部に設けられているが、これは一例であり、車両1の後方の物体を検出するために、車両1の後面に更に設けられてもよい。
車外センサ112は、車両1に乗車しようとしている人物が居るか否かを判断するために必要なセンシングデータを取得するために使用される。ここでは、車外センサ112は、車両の側面の上部に設置されているが、これは一例であり、車両1に乗車しようとしている人物を検出することができる位置であればどのような位置に設置されていてもよく、例えば、車両1の側面であってドア16の周囲に設置されていてもよい。例えば、前方のドア161から乗客が乗車する路線バスであれば、ドア161の上部に車外センサ112は設置されていてもよく、後方のドア162から乗客が乗車する路線バスであれば、ドア162の上部に車外センサ112は設置さていてもよい。或いは、ドア161及びドア162の両方に車外センサ112は設置されていてもよい。
図1の下図を参照し、車両1の内部には、通常の路線バスと同様、乗客が着座するために複数の座席1aと、座席1aの側方の上端から天井に向けて立設された複数のパイプ1bとを備えている。複数の座席1aは、通路を挟んで車両の長手方向に配列されている。車両1の内部には、入出力端末13及び車内センサ12が設けられている。
入出力端末13(入力装置の一例)は、例えば、CPU等のプロセッサ、液晶パネル等の表示装置、及び乗客からの操作が入力されるタッチパネル等の入力装置を含む情報処理装置で構成されている。入出力端末13は、バス停で車両1が発車しようとする際に、車両1に乗車しようとする人物Bの有無を車両1内の乗客Aに判断させるための画像を表示する。また、入出力端末13は、乗客Aによる判断結果を乗客Aが入力するための操作を受け付けるための操作画像を表示する。この例では、車両1はバス停で停車しており、人物Bがドア162に向けて駆け寄ってきている。そのため、乗客Aは、車両1に乗車しようとする人物Bがいると判断し、車両1に対してその人物Bが居るとの判断結果を入力している。これにより、車両1は人物Bの車内への乗車が完了したことを確認した後、バス停を発車する。そのため、車両1は人物Bをバス停に取り残すことなく安全に乗車させることができる。
ここでは、車外から乗客が乗車する際に利用されるドア162付近に設けられたパイプ1bにおいて1つの入出力端末13が設置されているが、これは一例である。例えば、入出力端末13は、各座席1aに1つずつ設置されてもよいし、2以上の所定数の座席1aごとに1つ設置されてもよい。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、特に断らない限り、入出力端末13は車内に1つ設置されているものとして説明する。
或いは、入出力端末13は、最前列の座席の付近に1つ設置されていてもよい。この場合、全ての乗客に画像を視認させるために、入出力端末13は、大型ディスプレイを備えて構成されてもよい。このように、入出力端末13の個数及び設置位置は特に限定はされない。
車内センサ12は、例えば、車内の天井に設置されたカメラで構成され、車内に乗客が居るか否かを情報処理装置が判断するために使用されるセンシングデータを取得する。ここでは、車内センサ12は、車内の全域を撮影するために天井の中央部に1つ設置された広角カメラで構成されているがこれは一例である。例えば、車内センサ12は、車内の全域を分担して撮影する複数のカメラで構成されてもよい。この場合、複数のカメラの通常の画角を持つカメラで構成されればよい。
図2は、図1に示す車両1の構成を示すブロック図である。車両1は、図1に示す車外センサ11(第1センサの一例)、車内センサ12(第2センサの一例)、入出力端末13、及びドア16に加えて、さらに情報処理装置14及び車両制御部15を備えている。
車外センサ11は、例えば、LIDAR(light detection and ranging)、ステレオカメラ、又はミリ波センサで構成され、車両1の前方の物体を示すセンシングデータ及び車両1の側方の物体を示すセンシングデータを、例えば、所定のフレームレートで定期的に取得する。
LIDARは、レーザを使って可視スペクトル外の光のパルスを方向を変えながら発射し、そのパルスが戻ってくる時間を計測することで、周囲に存在する物体の方向及び距離を測定するセンサである。ミリ波センサはミリ波を照射して、反射波と元の照射波とを加算して得られるビート周波数を測定することで周囲に存在する物体の方向及び距離を測定するセンサである。ステレオカメラは、例えば複数のカメラで撮影された画像に含まれる物体の視差から周囲に存在する物体の距離及び方向を測定するセンサである。
車内センサ12は、例えば、カメラで構成され、車内の乗客を示す画像を所定のフレームレートで取得する。
情報処理装置14は、プロセッサ140及び通信部150を備える。プロセッサ140は、例えば、CPUで構成され、運行制御部141、車内乗客検出部142、及び表示情報生成部143を備えている。運行制御部141〜表示情報生成部143は、例えば図略のメモリに記憶されたプログラムをプロセッサ140が実行することで実現される。
運行制御部141(乗車制御部の一例)は、車両1に対する人物の乗車の制御を司るものである。具体的には、運行制御部141は、例えば、予め定められた車両1の運行スケジュールを管理しており、この運行スケジュールにしたがって車両1を走行させる。
ここで、運行スケジュールには、例えば、停車するべき複数のバス停の位置情報(例えば、緯度及び経度)と、各バス停の到着時刻及び発車時刻と、車庫を発車してから停車するべきバス停を通って再び車庫に戻るまでの最適経路を示す経路情報等が含まれている。
したがって、運行制御部141は、例えば、車両1の現在地の位置情報とバス停の位置情報とを照合して、あるバス停に車両1が到着したことを検出すると車両1を停車させる制御コマンド及びドア16を開ける制御コマンドを、通信部150を用いて車両制御部15に送信する。なお、運行制御部141は、例えば図略のGPSセンサによって検出された位置情報を車両1の現在地の位置情報として取得すればよい。
また、運行制御部141は、当該バス停の発車時刻になるとそのことを車内乗客検出部142通知する。また、運行制御部141は、車両1に乗車しようとしている人物の有無を示す判断結果が乗客によって入力され、その判断結果が入出力端末13から送信されると、その判断結果に応じてドア16の開閉を制御する。この判断結果は入力データ及び操作データの一例に相当する。ここで、運行制御部141は、車両制御部15に通信部150を介して制御コマンドを送信することでドア16の開閉を制御すればよい。これにより、車両1に乗車しようとする人物が居るにも拘わらず、発車時刻になったからといって直ちに車両1が発車することが防止される。
車内乗客検出部142(判定部の一例)は、運行制御部141から発車時刻になったことが通知されると、車内センサ12が検出したセンシングデータ(第2センシングデータの一例)を通信部150を介して取得し、当該センシングデータ用いて、車内に乗客が居るか否かを検出する。ここで、車内センサ12はカメラで構成されているので、車内センサ12が検出したセンシングデータは車内の状況を示す画像データで構成されることになる。したがって、車内乗客検出部142は、この画像データに対して所定の画像処理を適用することで車内に居る乗客を検出すればよい。
ここで、所定の画像処理としては、例えば、ディープラーニングによって生成された分類器を使用して乗客を検出する処理が採用されてもよいし、テンプレートマッチングにより乗客を検出する処理が採用されてもよい。なお、車内乗客検出部142は、車内に乗客が居ることを検出した場合、そのことを表示情報生成部143に通知する。
表示情報生成部143(提示制御部の一例)は、車内乗客検出部142から車内に乗客が居ることが通知された場合、車外センサ11が取得したセンシングデータを通信部150を用いて取得する。そして、表示情報生成部143は、取得したセンシングデータを用いて、車両を発車させるか否かの判断結果(入力データの一例)を乗客に入力させるための提示情報を生成し、通信部150を介して入出力端末13に送信する。例えば、提示情報は、車両1に乗車しようとしている人物の有無の判断結果(操作データの一例)を乗客に入力させるための提示画像(操作画像の一例)であってよい。
通信部150(第1取得部及び第2取得部の一例)は、情報処理装置14、車外センサ11、車内センサ12、及び入出力端末13を通信可能に接続するための通信インターフェースで構成される。
車両制御部15は、ECU等のコンピュータと、車両1を走行させる走行モータと、車両1を制動させるブレーキと、ドア16を開閉させる開閉モータ等で構成され、情報処理装置14から送信される種々の制御コマンドにしたがって車両1を動作させる。例えば、車両制御部15は、通信部150からドア16を閉じる制御コマンドを受信すると開閉モータを動作させてドア16を閉じる。また、車両制御部15は、通信部150から車両1を発車させる制御コマンドを受信すると、走行モータを動作させ、車両1を発車させる。
また、車両制御部15は、車外センサ11が取得したセンシングデータを通信部150を介して所定周期で受信し、AI技術を用いて車両1を自動運転させる。
入出力端末13は、通信部131及び入出力部132を備える。通信部131は、入出力端末13を情報処理装置14と通信可能に接続する通信装置で構成されている。本開示では、通信部150は、情報処理装置14から送信される提示画像を受信すると共に、入出力部132が取得した提示画像に対する乗客の判断結果を情報処理装置14に送信する。入出力部132は、例えば、ディスプレイ等の出力装置と、タッチパネル等の入力装置と、出力装置及び入力装置を制御するプロセッサ等で構成されている。
本開示では、入出力部132は、情報処理装置14から送信された提示画像の画像データに基づいて提示画像を生成してディスプレイに表示すると共に、提示画像に対する乗客の入力を受け付ける。
続いて、情報処理装置14の処理について説明する。図3は、図1に示す情報処理装置14の処理の一例を示すフローチャートである。S11では、運行制御部141は、車両1がバス停に到着したか否かを判定する。ここで、運行制御部141は、車両1の現在地の位置情報と、運行スケジュールに含まれるバス停の位置情報とを照合することで、車両1がバス停に到着したか否かを判定する。なお、運行制御部141は、車両1の現在地がバス停に対して所定距離以下に位置すると、車両1をバス停で正確に停止させるために車両1を制動させる制御コマンドを通信部150を介して車両制御部15に送信すればよい。
車両1がバス停に到着したと判定されると(S11でYES)、処理はS12に進み、車両1がバス停に到着していないと判定されると(S11でNO)、処理は終了する。
S12では、運行制御部141は、ドア16を開ける制御コマンドを通信部150を介して車両制御部15に送信することで、車両制御部15にドア16を開けさせる。これにより、車両1はドア16を開けた状態でバス停で停車することになる。
S13では、運行制御部141は、現在時刻が当該バス停に対応する発車時刻になったか否かを判定する。ここで、運行制御部141は、情報処理装置14が備える時計(図略)と運行スケジュールに含まれる当該バス停の発車時刻とを照合することで、S13の判定を行う。現在時刻が発車時刻になったと判定されると(S13でYES)、処理はS14に進み、現在時刻が発車時刻になっていないと判定されると(S13でNO)、処理はS13に戻る。
S14では、車内乗客検出部142は、車内センサ12が取得したセンシングデータを用いて車内の乗客の有無を判定する。車内に乗客がいると判定された場合(S15でYES)、処理はS16に進み、車内に乗客がいないと判定された場合(S15でNO)、乗客判断処理の判断主体が車内に存在しないため、乗客判断処理を行うことなく、処理はS17に進む。これにより、判断主体がいない場合に無駄な処理が発生することを省くことができる。
S16では、乗客判定処理が実行される。乗客判定処理は、車内の乗客に車両1に乗車しようとしている人物の有無を判断させ、判断結果を入力させる処理であり、詳しくは図4で説明する。
S17では、運行制御部141は、車外センサ11が取得したセンシングデータを用いて乗車口の周囲に人物がいるか否かを判定する。ここで、運行制御部141は、例えば、上述した分類器にセンシングデータを入力することで人物を抽出し、その人物が乗車口から所定距離内に位置する場合、乗車口の周囲に人物が居ると判定し、乗車口から所定距離内に人物が居なければ、乗車口の周囲に人物は居ないと判定すればよい。ここで、乗車口とは人物が乗車するドア16が開閉される箇所を指す。また、所定距離としては、乗車口を基準にして例えば1m、2m、5mといった距離が採用できる。これにより、乗車中の人物が居るにも拘わらず車両1のドア16が閉じることが防止される。
乗車口の周辺に人物が居なければ(S17でYES)、処理はS18に進み、乗車口の周辺に人物が居れば(S17でNO)、処理はS16に戻り、再度、乗客判定処理が実行される。
S18では、運行制御部141は、ドア16を閉めるための制御コマンドを通信部150を用いて車両制御部15に送信し、車両制御部15に開閉モータを動作させることでドア16を閉める。
S19では、運行制御部141は、車両1を走行させる制御コマンドを通信部150を用いて車両制御部15に送信し、車両制御部15に走行モータを動作させることで車両1をバス停から発車させる。
図4は、図3に示す乗客判断処理の詳細を示すフローチャートである。S161では、表示情報生成部143は、車外センサ11が取得したセンシングデータを通信部150を介して取得する。S162では、表示情報生成部143は、車外センサ11が取得したセンシングデータを用いて車両1の周囲に人物が居るか居ないかを判定する。
ここで、表示情報生成部143は、車外センサ11が取得したセンシングデータに含まれる種々の物体を複数のクラスに分類する分類器を用いて、車両1の周囲に人物が居るか居ないかを判定すればよい。
分類器は、例えばディープラーニング等の機械学習により予め作成されたデータである。複数のクラスとしては、例えば、人物を示す人物クラス、自転車を示す自転車クラス、自動車を示す自動車クラスというような車両1の周囲に位置することが想定される物体に対応するクラスが採用される。ここでは、分類器を用いて車両1の周囲の人物の有無を検出したが、本開示はこれに限定されず、表示情報生成部143は、テンプレートマッチング等の公知の画像認識手法を用いて車両1周囲の人物の有無を検出してもよい。
車両1の周囲とは、例えば、車両1の重心から所定距離(例えば40m)内の領域を指す。なお、この40mは一例であり、10m、20m、30m等の他の距離が採用されてもよい。これにより、表示情報生成部143は、バス停に居る人物及び車両1に駆け寄ってくる人物等の車両1の周囲の人物を検出できる。
具体的には、表示情報生成部143は、車外センサ111、112が取得したセンシングデータを分類器に入力し、人物クラスとして出力された物体のうち、車両1からの距離が所定距離内に位置する物体があれば、車両1の周囲に人物が居ると判定すればよい。一方、人物クラスとして出力された物体のうち、車両1からの距離が所定距離内に位置する物体がない又は人物クラスとして出力された物体がいない場合、表示情報生成部143は、車両1の周囲に人物が居ないと判定すればよい。
車両1の周囲に人物が居ると判定された場合(S162でYES)、処理はS163に進み、車両1の周囲に人物が居ないと判定された場合(S162でNO)、処理は図3に戻る。
S163では、表示情報生成部143は、車両1の周囲に居る人物を示す画像と、その人物が車両1に乗車しようとしているか否かの車内の乗客による判断結果を入力させるための操作画像とを含む提示画像を生成し、通信部150を用いて入出力端末13に送信する。これにより、入出力端末13の入出力部132は、提示画像を表示する。
図5は、入出力端末13に表示される提示画像G1の一例を示す図である。提示画像G1は、車両1の前方の状況を表示する画像G11と、車両側方の状況を表示するための画像G12と、乗客からの判断結果が入力される操作画像G13とを含む。
画像G11は、車両1の前面に設置された車外センサ111が取得したセンシングデータに基づいて生成された画像である。画像G12は、車両1の側面に設置された車外センサ112が取得したセンシングデータに基づいて生成された画像である。例えば、車外センサ111及び車外センサ112がLIDAR又はミリ波センサで構成されている場合は、センシングデータに対して色付加工された画像が画像G11及び画像G12として採用されてもよい。また、車外センサ111及び車外センサ112がステレオカメラで構成されている場合は、ステレオカメラを構成するいずれか1つのカメラが取得した画像データが画像G11及び画像G12として表示されればよい。
画像G11及び画像G12は車外センサ11が取得したセンシングデータが所定のフレームレートで切り替えて表示される動画像で構成される。この例では、車両1の周囲に人物が居たため、画像G12には、車両1に乗車しようとする人物Bが含まれている。また、画像G12には、人物Bを強調表示するために強調画像L121が人物Bを取り囲むように画像G12対して重畳表示されている。この例では、強調画像L121は、人物Bを点線で取り囲む四角形の画像が採用されている。但し、これは一例であり、強調画像L121としては、例えば、人物Bの近傍に表示されるアノテーションマークが採用されてもよい。また、強調画像L121の形状は四角形に限らず円形又は楕円形であってもよいし、実線が採用されてもよい。
また、画像G12おいては、人物Bが動く方向を示す動きベクトル画像L123が強調画像L121に代えて又は加えて表示されてもよい。この場合、表示情報生成部143は、車外センサ112が取得したセンシングデータから抽出した人物Bを示す座標のフレーム間での差分を算出することで動きベクトルを算出し、動きベクトル画像L123を生成すればよい。
また、画像G12においては、人物Bを正面から撮像した画像が表示されているが、これは一例であり、車両1の上方から見たときの車両1周囲の状況を表示する俯瞰画像が採用されてもよい。この場合、車両1の前面、左側面、右側面、及び後面のそれぞれにカメラを車外センサ11として設ける。そして、表示情報生成部143は、これらのカメラで撮像された画像データを用いて俯瞰画像を生成して画像G12として採用すればよい。この俯瞰画像には、車両1周囲の地図画像がマッピングされていてもよい。
操作画像G13は、ドア16を開状態に維持するために乗客により選択される「ドア開」と記載された開ボタンB141と、ドア16を開状態から閉状態にするために乗客により選択される「ドア閉」と記載された閉ボタンB142とを備えている。
開ボタンB141は、画像G11,G12を見た乗客が車両1に乗車しようとする人物が居ると判断した場合に選択されるボタンである。閉ボタンB142は、画像G11,G12を見た乗客が車両1に乗車しようとする人物が居ないと判断した場合に選択されるボタンである。
画像G12には車両1に向かって人物Bが走っていることが示されており、車内の乗客が、画像G12及び目視により確認した車両1周囲の状況から、人物Bは車両1に乗車しようとしていると判断したとする。この場合、この乗客は開ボタンB141を選択する操作を入力する。すると、入出力端末13は、開ボタンB141の選択指示を判断結果として情報処理装置14に送信する。すなわち、開ボタンB141の選択指示は、車両1に乗車しようとする人物が居ると乗客が判断したときの判断結果を示すことになる。
一方、画像G11及び画像G12には人物が含まれているが、この人物は車両1に向けて進行しておらず、画像G11、画像G12、及び、目視により確認した車両1周囲の状況から、車両1に乗りそうな人物でないと車内の乗客が判断したとする。この場合、乗客は閉ボタンB142を選択する操作を入力する。すると、入出力端末13は、閉ボタンB142の選択指示を判断結果として情報処理装置14に送信する。すなわち、閉ボタンB142の選択指示は、車両1に乗車しようとする人物が居ないと乗客が判断したときの判断結果を示すことになる。
図4に参照を戻す。S164では、表示情報生成部143は、入出力端末13から送信された提示画像G1に対して乗客が入力した判断結果を、通信部150を介して取得する。判断結果が開ボタンB141の選択指示であれば(S165でYES)、処理はS166に進み、判断結果が閉ボタンB142の選択指示であれば(S165でNO)、処理は図3に戻る。
S166では、表示情報生成部143は、車両1の人物の乗車が完了していないため、車両を停車させていることを示す情報を通信部150を介して入出力端末13に送信する。この情報を受信した入出力端末13は、当該情報を示すメッセージを入出力部132に表示する。これにより、車両1が発車しない理由を乗客に知らせることができる。
一方、S164において、表示情報生成部143は、乗客よる判断結果を取得しなかった場合(S164でNO)、処理を167に進める。S167では、表示情報生成部143は、発車時刻になってから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していなければ(S167でNO)、乗客からの判断結果の入力を待機するために処理をS164に戻す。一方、発車時刻になってから所定時間が経過していれば(S167でYES)、処理を図3に戻す。すなわち、本フローは、発車時刻になってから所定時間内に乗客による判断結果の入力がなければ、処理をタイムアウトさせ、いつまでたっても車両1が発車しない事態を回避している。
このように、本実施の形態によれば、車両1の周囲の人物を示す画像G11及び画像G12を含む提示画像G1が入出力端末13に表示される。そして、車両1に乗車しようとする人物が居るとの判断結果が車内の乗客によって入力された場合、当該人物が車両1に乗車した後、ドア16が閉じられて車両1が発車される。したがって、本実施の形態は、車両1に乗車しようとしている人物の有無の判断処理について車内の乗客の判断を利用することができ、車両1に乗車しようとする人物の取り残し、又は乗車の安全性を向上させることができる。
(提示画像のバリエーション)
続いて、提示画像のバリエーションについて説明する。図6は、本開示の実施の形態1の他の一例に係る提示画像を示す図である。提示画像G2は図4のS163で入出力端末13に表示される画像である。なお、図6において図5に示す提示画像G1と同じ構成要素には同一の符号が付されている。このことは、後述する実施の形態の提示画像でも同じである。
提示画像G2において、提示画像G1との相違点は、操作画像G13に代えて操作画像G15が表示されている点にある。操作画像G13はドア16の開閉を車内の乗客に選択させる画像であったが、操作画像G15は車両1に乗車しようとする人物が居るか居ないかを車内の乗客に選択させる画像となっている。なお、操作画像は、車両1の周辺にいる人物が車両1に乗車しそうかどうかを入力させる画像であってもよい。
操作画像G15は、車両1に乗車しようとする人物が居ると車内の乗客が判断した場合に選択されるYESボタンB151と、車両1に乗車しようとする人物が居ないと車内の乗客が判断した場合に選択されるNOボタンB152とを備えている。
このように、提示画像G2は、操作画像G15を備えているため、車内の乗客の操作で間接的に物理的な乗車の制御を行うことができる。これにより、車内の乗客は心理的に乗車させない判断をしにくくなり、ドア16の開閉操作の場合よりも乗車しようとしている人物を乗車させやすくすることができる。そのため、乗車しようとする人物の取り残しを抑制することができる。
操作画像G15において、YESボタンB151が車内の乗客により選択され、その選択指示が入出力端末13から送信されると、表示情報生成部143は、提示画像G3を入出力端末13に表示させる。提示画像G3は、提示画像G2に対して操作画像G16の内容が異なる。操作画像G16は、車両1を発車させるか否かの判断結果を車内の乗客に入力させる画像である。操作画像G16は、車内の乗客が車両を発車させてもよいと判断した場合に選択されるYESボタンB161と、車内の乗客が車両を発車させないと判断した場合に選択されるNOボタンB162とを備えている。
車内の乗客は、画像G11及び画像G12が示す車両1の周囲の状況、並びに窓越しから実際に目視した車両1の状況等を総合的に判断して、車両1に乗車しようとしている人物が車両1の周囲に残っていないと判断した場合、YESボタンB161を選択する。YESボタンB161の選択指示が入出力端末13から送信されると、運行制御部141は、ドア16を閉める制御コマンド及び車両1を走行させる制御コマンドを車両制御部15に送信することで、車両制御部15にドア16を閉じさせた後、車両1を走行させる。
一方、車両1に乗車しようとしている人物が車両1の周囲に残っていると判断した場合、車内の乗客はNOボタンB162を選択する。NOボタンB162の選択指示が入出力端末13から送信されると、運行制御部141は、ドア16を閉める制御コマンド及び車両1を走行させる制御コマンドを車両制御部15に送信しない。これにより、車両1への乗車が完了しいない人物がいるにも拘わらず、ドア16が閉じて車両1が走行を開始する事態を回避でき、当該人物の安全を確保できる。
提示画像G4は、提示画像G2の操作画像G15においてNOボタンB152が車内の乗客により選択され、その選択指示が入出力端末13から送信されたときに、表示情報生成部143が入出力端末13に表示させる画像である。
提示画像G4では、提示画像G2に対して操作画像G15に代えて報知欄G17が表示されている点が相違している。報知欄G17は、車両1がバス停での停車時間を延長する旨を車内の乗客に報知するための画像である。ここでは、「乗降の待機中です。」とのメッセージが表示されると共に、「あと30秒」というように、車両が発車するまでの残り時間が表示されている。これにより、車内の乗客はまだ乗降中の人物が残っているため、車両1が発車しないことを認識すると共に、あとどのくらいの時間待機すれば車両1が発車するかを知ることができる。
ここで、提示画像G2の操作画像G15においてNOボタンB152が選択されると、運行制御部141は、予め定められた所定時間(例えば、30秒、1分等)、車両1の停車時間を延長する。そして、所定時間経過すると、表示情報生成部143は、提示画像G3を入出力端末13に表示させる。そして、提示画像G3において、YESボタンB161が車内の乗客により選択されると、運行制御部141は、ドア16を閉じた後、車両1を発車させればよい。一方、提示画像G3において、NOボタンB162が車内の乗客により選択されると、運行制御部141は、ドア16を開けた状態での車両1の停車を継続させればよい。なお、提示画像G3を表示してから所定時間が経過するまでに、YESボタンB161及びNOボタンB162のいずれもが選択されなかった場合、運行制御部141は、車両1の周囲に乗車しようとする人物が残っていないことを確認した後、ドア16を閉じて車両1を発車させればよい。
(実施の形態1の変形例)
以下、実施の形態1の変形例が説明される。なお、これらの変形例は後述の実施の形態にも適用可能である。
(1)上記説明では、入出力端末13は1つであるとしたが、本開示はこれに限定されず、複数であってもよい。この場合、例えば、ある乗客は車両1に乗車しようとする人物は居ないとの判断結果を入力したのに対して、別の乗客は車両1に乗車しようとする人物は居るとの判断結果を入力するというように、複数の乗客による判断結果が異なることが想定される。この場合、少なくとも1人の乗客が車両1に乗車しようとする人物が居るとの判断結果を入力した場合は、運行制御部141は、その判断結果を採用し、車両1の停車を継続させればよい。これにより、安全が確保される。
なお、複数の入出力端末13を設ける態様としては、例えば、図5に示す提示画像G1のうち画像G11及び画像G12を車内先頭付近に設けられた大画面ディスプレイに表示し、各座席1aに設けられた入出力端末13には操作画像G13のみを表示させる態様が採用できる。
(2)上記説明では、図3のS15において、車内に乗客が存在しない場合(S15でNO)、乗客判断処理は実行されないとして説明したが、本開示はこれに限定されず、外部者に判断を委ねてもよい。ここで、外部者とは、例えば車両1を遠隔から監視及び制御する監視者である。この場合、車両1を監視及び制御するための監視サーバが別途設けられ、この監視サーバを車両1と通信可能に接続させる。また、監視サーバは、ディスプレイ及び入力装置が設けられた端末と接続される。端末のディスプレイには、車外センサ11が取得したセンシングデータに基づき生成される提示情報が表示される。監視サーバが車両1から車内に乗客が存在しない旨の通知を受けると、監視サーバはアラーム等を鳴らすなどして、監視者にその旨を伝える。
監視者は、端末のディスプレイに表示される提示情報を確認し、車両1に乗車しようとする人物がいないと判断すれば、その判断結果を端末の入力装置を介して入力する。入力された判断結果は、監視サーバに送信され、監視サーバは、通信を介して車両1に発車指示を通知し、車両1を発車させる。一方、監視者は、車両1に乗車しようとする人物がいると判断すれば、その判断結果を端末の入力装置を介して入力する。入力された判断結果は、監視サーバに送信され、監視サーバは、通信を介して車両1に待機指示を通知し、車両1の停車を継続させればよい。これにより、車内に乗客が居ない場合であっても、車両1に乗車しようとする人物を取り残すことなく安全に乗車させることができる。
(3)上記説明では、提示画像は入出力端末13に表示されるものとして説明したが、本開示はこれに限定されず、例えば、プロジェクションマッピング等の技術を適用して車両1の窓に提示画像は表示されてもよい。この場合、入出力端末13又は車内の適所にプロジェクタを設け、窓に提示画像を表示させればよい。
(4)図4のS166では、人物の乗車が完了していないため、車両を停車させていることを示すメッセージが入出力端末13の画面上に表示されるとして説明したが、本開示はこれに限定されず、当該情報を示す音声メッセージが車内にアナウンスされてもよい。
(5)上記説明では、運行制御部141は、乗客の判断結果によってドア16の開閉を制御するとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、バス停に開閉可能なドアを備えるホーム柵が設けられているのであれば、運行制御部141は、このホーム柵に設けられたドアの開閉を、判断結果に応じて制御してもよい。この場合、車両1とホーム柵のプロセッサとを通信可能に接続させればよい。そして、車両1の情報処理装置14とホーム柵のプロセッサとは通信を介して種々のデータを送受すればよい。
(6)上記説明では、提示情報はセンシングデータに基づく情報であると説明したが、停車位置における過去の乗車制御結果又は乗車制御時のセンシングデータに基づく情報が含まれてもよい。例えば、提示情報は、過去に乗車のために待機制御が実行された停車位置であることを示す情報、又は当該待機制御が実行された時の画像もしくは当該画像に対する画像処理結果を含んでもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2は、車両1に乗車しようとしている人物が居るか否かの判断結果を入力した乗客に対してインセンティブ(特典)を付与するものである。ここでは、インセンティブとして、例えば、クレジットカード、マイレッジカード、乗車カード、及びキャッシュカード等のポイントカードに付与されるポイントが採用される。
図7は、実施の形態2に係る情報処理装置14が適用された車両管理システムの構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態において実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。このことは後述する実施の形態でも同じである。
車両管理システムは、車両1に加えて更に、サーバ2、外部サーバ3、及び乗客端末4を備えている。サーバ2及び乗客端末4は車両1と通信可能に接続され、外部サーバ3はサーバ2と通信可能に接続されている。
乗客端末4(通信端末の一例)は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末で構成され、車内の乗客によって所持される。乗客端末4は、所定の通信路を介して入出力端末13と通信可能に接続される。ここで、所定の通信路としては、NFC及びブルーツース(登録商標)等の近接無線が採用できる。但し、これは一例であり、所定の通信路としては、無線LANが採用されてもよい。
サーバ2は、1又は複数のコンピュータで構成され、インターネット通信網及び携帯電話通信網等の広域通信ネットワークを介して情報処理装置14と通信可能に接続されている。サーバ2は、通信部21及びプロセッサ22を備える。通信部21は、サーバ2を広域通信ネットワークに接続する通信回路で構成されている。
プロセッサ22は、操作者特定部221(特定部の一例)及びインセンティブ付与部222を備えている。操作者特定部221は、車両1に乗車しようとしている人物が居るか否かの判断結果を入力した車内の乗客を特定する。
ここで、乗客端末4は、車内の乗客による判断結果の入力の受け付けに先だって、乗客端末4を所持する乗客のユーザ識別子を含む特定依頼を入出力端末13に送信する。ここで、特定依頼は、乗客がサーバ2に対して自己を特定してもらうための依頼である。
入出力端末13は、この特定依頼を情報処理装置14を介してサーバ2に送信する。操作者特定部221は、この特定依頼に含まれるユーザ識別子を乗客として特定する。操作者特定部221は、乗客を特定すると、特定した乗客に対する判断結果の入力を許可する入力許可を情報処理装置14に送信する。
情報処理装置14が入力許可を受信すると、表示情報生成部143は、乗客に判断結果を入力させる操作画像を含む提示画像を入出力部132に表示させる。
インセンティブ付与部222は、操作者特定部221によって特定された乗客に対してインセンティブを付与する。ここで、インセンティブ付与部222は、特定された乗客に対して所定のポイントをインセンティブとして付与するための依頼通知を通信部21を介して外部サーバ3に送信する。依頼通知には、付与するポイント及びユーザ識別子が含まれる。
外部サーバ3は、例えば、インセンティブの付与対象となるポイントカードの管理会社によって管理されるサーバである。外部サーバ3は、ポイントカードを所持する1以上の顧客のユーザ識別子と、各顧客が所持するポイントとを対応付けて記憶する顧客データベースを備えている。したがって、外部サーバ3は、サーバ2から依頼通知を受信すると、その依頼通知に含まれるユーザ識別子をキーにして、顧客データベースに記憶されている当該乗客のポイントを依頼通知に含まれるポイント分加算することで、当該乗客にポイントを付与する。
図8は、実施の形態2に係る乗客判断処理を示すフローチャートである。なお、図8において、図4と同じ処理には同じ符号を付して説明を省く。
S162に続くS171では、表示情報生成部143は、乗客に特定依頼を送信させるための提示画像を生成し、入出力端末13に表示させる。この場合、例えば、図9で後述する提示画像G5が表示される。この提示画像G5を用いて乗客端末4から特定依頼が送信される。
S172では、サーバ2の操作者特定部221は、S171で送信された特定依頼を入出力端末13及び情報処理装置14を介して取得し、取得した特定依頼に含まれるユーザ識別子を用いて当該乗客を特定する。なお、操作者特定部221は、乗客を特定した場合、特定できた旨を示す情報を情報処理装置14に送信する。
S173では、表示情報生成部143は、特定できた旨を示す情報がサーバ2から送信されると、乗客に判断結果を入力させる操作画像を含む提示画像を生成し、入出力端末13に表示される。この場合、例えば、図9で後述する提示画像G1が表示される。この提示画像G1を用いて、実施の形態1と同様、乗客により判断結果が入力され、処理はS164に進められる。
S165のYESに続くS174では、インセンティブ付与部222は、S172で特定された乗客に対してインセンティブを付与し、処理をS166に進める。また、S165のNOに続くS175でも、インセンティブ付与部222は、S172で特定された乗客は、閉じるの判断結果を入力したため、当該乗客に対してインセンティブを付与し、処理を図3に戻す。
図9は、実施の形態2において入出力端末13に表示される提示画像の一例を示す図である。提示画像G5は図8のS171で入出力端末13に表示される画像である。提示画像G5において、提示画像G1との相違点は、操作画像G13に代えてQRコード(登録商標)の表示欄G18が表示されている点にある。表示欄G18には、乗客が乗客端末4を用いてサーバ2にアクセスするためのQRコードが表示されている。判断結果の入力に先だって、乗客は乗客端末4にQRコードを読み取らせる。すると、乗客端末4は、乗客をサーバ2に特定させるための特定依頼を入出力端末13及び情報処理装置14を介してサーバ2に送信する。そして、サーバ2の操作者特定部221により乗客が特定されて特定された旨の通知が情報処理装置14に送信されると、表示情報生成部143は、提示画像G1を入出力端末13に表示させる。この提示画像G1は図5で示した提示画像G1と同じである。
この提示画像G1を用いて、乗客により、開ボタンB141又は閉ボタンB142が選択されると、入出力端末13は、いずれか一方のボタンの選択指示を乗客の判断結果として情報処理装置14に送信し、情報処理装置14は、判断結果の入力の完了通知をサーバ2に送信する。サーバ2が完了通知を受信すると、インセンティブ付与部222は、外部サーバ3にポイント付与の依頼通知を送信すると共に、ポイントが付与されたことを示す付与通知を情報処理装置14に送信する。この付与通知を情報処理装置14が受信すると、表示情報生成部143は、ポイント付与を乗客に通知するための提示画像G6を生成し、入出力端末13に表示させる。
提示画像G6には、表示欄R61が含まれている。表示欄R61は、ポイントが付与された旨を乗客に通知するためのメッセージが含まれている。ここでは、「ご協力ありがとうございました10ポイントを付与しましたのでご確認ください。」とのメッセージが表示欄R61に表示されている。これにより、判断結果を入力した乗客はポイントが付与されたことを認識できる。
このように、本実施の形態によれば、判断結果を入力した人物にインセンティブが付与されるので、判断結果を入力する動機付けを乗客に付与することができ、判断結果がいつまでたっても入力されない事態を回避できる。
(実施の形態2の変形例)
以下、実施の形態2の変形例が説明される。なお、これらの変形例は前述及び後述の実施の形態にも適用可能である。
(1)上記説明では、乗客端末4から特定依頼を送信させることで、乗客が特定されたが本開示はこれに限定されず、画像から人物が特定されてもよい。この場合、入出力端末13にカメラ(図略)を設け、判断結果の入力に先だってカメラに乗客の顔を撮影させればよい。この場合、図9に示す提示画像G5に撮影ボタンを設け、撮影ボタンを乗客に押させることで入出力端末13に乗客の顔を撮影させればよい。撮影された乗客の顔の画像データは入出力端末13から情報処理装置14を介してサーバ2に送信され、サーバ2の操作者特定部221は、この画像データを用いて乗客を特定すればよい。
(2)上記説明では、QRコードを乗客端末4に読み取らせた場合、特定依頼は乗客端末4から入出力端末13及び情報処理装置14を介してサーバ2に送信されたが、本開示はこれに限定されない。例えば、QRコードを乗客端末4に読み取らせた場合、特定依頼は乗客端末4からサーバ2に直接送信されてもよい。
(3)上記説明では、サーバ2と外部サーバ3とは別のサーバであるとして説明したが、外部サーバ3の機能はサーバ2が備えていてもよい。この場合、サーバ2が各乗客が所持するポイントを管理することになる。
(4)上記説明では、判断結果を入力した乗客に対してポイントを付与するとして説明したが、本開示はこれに限定されず、ポイントカードとして乗車カードが採用されるのであれば、車両1の運賃をディスカウントする態様が採用されてもよい。また、商品券等のクーポンを乗客に付与する態様が採用されてもよい。この場合、乗客に後日、クーポンが郵送される態様が採用されてもよいし、百貨店等のカードに電子的にクーポンを記録する態様が採用されてもよい。
(5)上記説明では、提示画像は、入出力端末13に表示されるものとして説明したが、本開示はこれに限定されず、提示画像は乗客端末4に表示されてもよい。この場合、乗客は自己の乗客端末4から判断結果を入力できるので、当該入力を容易に行うことができる。
(実施の形態3)
車内に複数の入出力端末13が設置される態様が採用された場合、複数の乗客により判断結果が入力されることが想定される。この場合、乗客に応じて判断結果が相違すると、どの乗客の判断結果を採用するべきかが困難となる。そこで、実施の形態3は、車内の乗客の中から1人の乗客を特定し、その乗客に判断結果を入力させる。なお、本実施の形態では、入出力端末13は、複数の座席1aに対応して複数設けられているものとする。
図10は、実施の形態3に係る情報処理装置14が適用された車両1の構成を示すブロック図である。本実施の形態において、実施の形態1との相違点は、プロセッサ140に更に特定部144が設けられ、且つ、メモリ170が情報処理装置14に設けられている点にある。
メモリ170は例えば、半導体メモリで構成され、入力履歴171を記憶する。入力履歴171は、判断結果を入力した乗客のユーザ識別情報と、判断結果の正否と、判断結果の入力日時とを対応付けて記憶する。ユーザ識別情報としては、例えば、車内センサ12が取得したセンシングデータから抽出された判断結果を入力した乗客を示す画像の特徴量が採用されればよい。
表示情報生成部143は、乗客により判断結果が入力されると車内センサ12が取得したセンシングデータから当該判断結果を入力した乗客を特定する。この場合、表示情報生成部143は、判断結果が入力された入出力端末13の設置位置に対応するセンシングデータの座標を特定し、その座標に対して最も近くに位置する乗客を判断結果を入力した乗客として特定すればよい。
そして、表示情報生成部143は、判断結果が入力されてから車両1が発車するまでに車内センサ12で取得されたセンシングデータを分析することで、当該判断結果の正否を判断すればよい。例えば、表示情報生成部143は、乗車しそうな人物が居るとの判断結果が入力された場合、入力後、車両1が発車するまでのセンシングデータから乗車した人物が検出できなかった場合、当該判断結果の正誤を「誤」と判定し、センシングデータから乗車人物が検出できた場合、当該判断結果の正誤を「正」と判定する。
一方、表示情報生成部143は、乗車しそうな人物が居ないとの判断結果が入力された場合、入力後、車両1が発車するまでのセンシングデータから乗車した人物を検出できなかった場合、当該判断結果の正誤を「正」と判定し、乗車した人物を検出できた場合、当該判断結果の正誤を「誤」と判定する。そして、表示情報生成部143は、判断結果を入力した乗客のユーザ識別情報と、判断結果の正誤を示す情報(「正」又は「誤」)と、入力日時とを対応付けて入力履歴171に記憶する。
ここでは、入力履歴171は、車両1が今回の運行スケジュールにしたがって運行を開始してからの乗客の判断結果の正誤を記憶するものとする。但し、これは一例であり、入力履歴17は、今回の運行スケジュールによる判定結果の正誤のみならず、車両1が過去に運行したときの乗客の判断結果の正誤を記憶するものであってもよい。
特定部144は、車内センサ12が取得したセンシングデータを通信部150を介して取得し、取得したセンシングデータ及び入力履歴171を用いて判断結果を入力する1人の乗客を特定する。以下、特定される1人の乗客を特定乗客と記述する。
例えば、特定部144は、発車時刻になって特定乗客の特定タイミングが到来すると、車内センサ12が取得したセンシングデータを用いて現在、車内に居る乗客を抽出する。この場合、特定部144は、バス停に降車しようとする乗客は抽出する乗客から省けばよい。そして、特定部144は、抽出した乗客の判断結果の正誤を入力履歴171から読み出し、判断結果の正誤が「正」である数が最も多い乗客を特定乗客として特定すればよい。
ここで、判断結果の正誤が「正」である数が最も多い乗客が複数居た場合、特定部144は、(1)乗車口の近い方に着座している乗客を特定乗客として特定してもよいし、(2)窓側に着座している乗客を特定乗客として特定してもよいし、(3)年齢に基づいて特定乗客を特定してもよい。(1)、(2)を採用する理由は、乗車口の近くに着座する乗客又は窓側に座っている乗客は乗車口に駆け寄ってくる人物が視認し易いという考えに基づいている。したがって、乗車口の近くに着座する乗客に判断結果を入力する権限を付与することで、判断結果の信頼性を高めることができる。
(3)の態様を採用する場合、例えば、判断結果に信頼のおける年代の乗客が優先的に特定乗客として特定される手法が採用されればよい。例えば、幼児及び子供であれば、ふざけて判断結果を入力する可能性が高い。また、老人であれば、老化によって認知能力が低下していることもあり、誤った判断結果を入力する可能性が高い。したがって、信頼のおける年代としては、例えば、15歳〜60歳が採用できる。(3)の態様を採用する場合、特定部144は、車内センサ12のセンシングデータに含まれる各乗客の画像の特徴量から各乗客の年齢を推定すればよい。
なお、入力履歴171が車両1の運行開始直後は入力履歴171には判断結果の正誤が記憶されていない。この場合、特定部144は、車内の乗客の中からランダムに1の乗客を特定乗客として特定してもよいし、(1)〜(3)の態様を用いて特定乗客を特定してもよい。
ここでは、特定部144は、まず、入力履歴171を参照して特定乗客を特定するとして説明したが、本開示はこれに限定されず、入力履歴171を参照せずに、上記の(1)〜(3)のいずれかの1つの態様を用いて特定乗客を特定してもよいし、(1)〜(3)の態様を組み合わせて特定乗客を特定してもよい。(1)〜(3)の態様を組み合わせる場合、(1)〜(3)の態様の各々について評価値を算出し、各評価値の合計値が最も高い乗客が特定顧客として特定されればよい。
図11は、実施の形態3に係る乗客判断処理を示すフローチャートである。なお、図11において、図4と同じ処理には同じ符号を付して説明を省く。
S162に続くS181では、特定部144は、入力履歴171及びセンシングデータを用いて、判断結果を入力する特定乗客を特定する。
S182では、表示情報生成部143は、特定乗客に対応する入出力端末13を特定し、その入出力端末13に対してのみ提示画像を表示させる。ここで、対応する入出力端末13とは、特定乗客が着座する座席1aの前列の座席1aの背面、又は、特定乗客が着座する座席1aの近くのパイプ1bに取り付けられた入出力端末13が採用される。
これにより、特定乗客のみが判断結果を入力することが可能となる。そして、特定乗客が提示画像に対して判断結果を入力すると、図4で説明したS164以降の処理が実行される。
このように、本実施の形態によれば、特定乗客として特定された乗客のみが判断結果を入力することができるので、例えば、過去の判断結果から信頼性の高い乗客に判断を委ねることができ、判断の信頼性を高めることができる。
(実施の形態3の変形例)
(1)図11のS182では、特定乗客に対応する入出力端末13にのみ提示画像を表示するとして説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、全ての入出力端末13に提示画像を表示させ、特定乗客の判断結果の入力のみを受け付ける態様が採用されてもよい。この場合、特定部144は、予め特定乗客の画像の特徴量を入出力端末13に送信しておく。そして、入出力端末13は、カメラによって提示画像を操作する乗客を撮影し、撮影した乗客の画像の特徴量と予め送信された特定乗客の画像の特徴量とを照合することで、操作した乗客が特定乗客であるか否かを判定する。そして、入出力端末13は、特定乗客と判定した場合、その乗客からの操作を受け付け、特定乗客と判断しなかった場合、その乗客からの操作を受け付けなければよい。
(2)図11のS182では、特定乗客が所持する乗客端末4に提示画像を表示させてもよい。この場合、情報処理装置14のメモリ170には事前に特定乗客の乗客端末4の通信アドレスが記憶されているものとする。情報処理装置14は、例えば、乗車時に乗客に対してユーザ登録を課すことでメモリ170に乗客端末4の通信アドレスを記憶させればよい。
(実施の形態4)
実施の形態4は、車両1のプロセッサ140が実行していた処理をサーバ2で実行させるものである。図12は、実施の形態4に係る情報処理装置14が適用された車両管理システムの構成を示すブロック図である。
図12において、図7との相違点は、情報処理装置14からプロセッサ140が省かれ、プロセッサ140が備えていた運行制御部141、車内乗客検出部142、及び表示情報生成部143をサーバ2に設けた点にある。
具体的には、サーバ2のプロセッサ22は、図7に示す操作者特定部221及びインセンティブ付与部222に加えて、運行制御部223、車内乗客検出部224、及び表示情報生成部225を備える。これらのブロックの詳細は上述した実施の形態のものと同じである。
具体的には、通信部150は、車外センサ11及び車内センサ12のそれぞれが取得したセンシングデータをサーバ2に送信し、サーバ2の通信部21は、センシングデータを受信する。そして、運行制御部223、車内乗客検出部224、及び表示情報生成部225は、それぞれ、通信部21が受信したセンシングデータを用いて各種の処理を実行する。また、表示情報生成部225は、生成した提示画像を通信部21を用いて車両1に送信させることで、入出力端末13に提示画像を表示させる。また、運行制御部223は、種々の制御コマンドを通信部21を用いて車両1に送信することで、車両1の動作を制御する。また、入出力端末13に入力された乗客の判断結果は、通信部150を介してサーバ2に送信され、運行制御部223は、この判断結果に応じてドア16の開閉を制御する。
このように、本実施の形態では、情報処理装置14の機能をサーバ2に設けた場合であっても、上述した実施の形態と同じ効果が得られる。