JP2020029606A - 亜鉛めっき異形棒鋼材とその製造方法および製造システム - Google Patents

亜鉛めっき異形棒鋼材とその製造方法および製造システム Download PDF

Info

Publication number
JP2020029606A
JP2020029606A JP2018156976A JP2018156976A JP2020029606A JP 2020029606 A JP2020029606 A JP 2020029606A JP 2018156976 A JP2018156976 A JP 2018156976A JP 2018156976 A JP2018156976 A JP 2018156976A JP 2020029606 A JP2020029606 A JP 2020029606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel bar
deformed steel
galvanized
plating
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018156976A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6755909B2 (ja
Inventor
敏夫 高間
Toshio Takama
敏夫 高間
文武 田中
Fumitake Tanaka
文武 田中
靖 加治
Yasushi Kaji
靖 加治
峰彦 重松
Minehiko Shigematsu
峰彦 重松
義大 三浦
Yoshihiro Miura
義大 三浦
旭弘 林田
Akihiro Hayashida
旭弘 林田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Steel Works Ltd
Original Assignee
Nichia Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Steel Works Ltd filed Critical Nichia Steel Works Ltd
Priority to JP2018156976A priority Critical patent/JP6755909B2/ja
Publication of JP2020029606A publication Critical patent/JP2020029606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6755909B2 publication Critical patent/JP6755909B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

【課題】加工性に優れた亜鉛めっき異形棒鋼材を簡単に製造できるようにする。【解決手段】鉄系の異形棒鋼材2が亜鉛を含むめっき層3で被覆された、直径が13mm以下である亜鉛めっき異形棒鋼材1であって、めっき層3は、異形棒鋼材2の上に形成されたZn−Fe合金層3aと、Zn−Fe合金層3aの上に形成されたZn層3bと、からなり、Zn−Fe合金層3aの厚さとZn層3bの厚さとの比は1:1〜1:6の範囲であり、めっきによるZnの付着量が300g/m2以上であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄系の異形棒鋼材が亜鉛を含むめっき層で被覆された亜鉛めっき異形棒鋼材と、その製造方法および製造システムに関する。
従来より、鉄筋コンクリートなどに用いられる鉄系の異形棒鋼を溶融亜鉛浴に浸漬させてめっきをして亜鉛めっき異形棒鋼を製造する方法が知られている。そのような製造方法として、めっきの必要な付着量を得るために、めっき浴への浸漬時間を長くすることによって、めっきの主成分であるZnと母材の主成分であるFeとのZn−Fe合金層を成長させてこの層を厚くさせる方法がある。
しかし、Zn−Fe合金層は脆く、剥離や割れが生じやすいため、Zn−Fe合金層が厚くなると亜鉛めっき異形棒鋼の加工性が悪くなるという問題がある。そこで、めっきの付着量を十分に得て、めっき層の剥離や割れを防止できるようにめっきする異形棒鋼の製造方法が、例えば、特許文献1に示されている。
特許文献1に示されている、Zn−Al系合金めっき異形棒鋼の製造方法では、Al、Ni、Zn等を所定の組成比で含む420℃〜490℃の第1のめっき浴に、異形棒鋼を浸漬した後、組成比が第1のめっき浴とは異なる第2のめっき浴に異形棒鋼を浸漬することにより、めっきされた異形棒鋼が製造される。
特許第5961433号公報
しかし、特許文献1の製造方法では、異形棒鋼を異なる2種類のめっき浴に浸漬するので、煩雑である。また、各めっき浴では、Zn、Al、Niの3種類の金属が含まれるので、めっき浴の調整に手間がかかる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工性に優れた亜鉛めっき異形棒鋼材を簡単に製造できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、切断によって亜鉛めっき異形棒鋼とされる亜鉛めっき異形棒鋼材を、めっき浴への浸漬時間およびめっき浴からの引き上げ速度、ならびに、めっき浴の温度を調整し、Zn−Fe合金層とZn層との厚さの比が1:1〜1:6となるようにした。
具体的に、本出願の発明は、鉄系の異形棒鋼材が、亜鉛を含むめっき層で被覆された、直径が13mm以下である亜鉛めっき異形棒鋼材であって、前記めっき層は、前記異形棒鋼材の上に形成されたZn−Fe合金層と、該Zn−Fe合金層の上に形成されたZn層と、からなり、前記Zn−Fe合金層の厚さと前記Zn層の厚さとの比は1:1〜1:6の範囲であり、めっきによるZnの付着量が300g/m以上であることを特徴とする。
これによれば、亜鉛めっき異形棒鋼材は、めっき層はZn−Fe合金層とZn層とからなるので、めっきにはZn以外の金属を必要としない。したがって、めっきするために複数の種類の金属を必要とする合金めっき異形棒鋼と比較して、簡単に製造できる。
また、亜鉛めっき異形棒鋼材は、めっき層におけるZn−Fe合金層とZn層との厚さの比が1:1〜1:6の範囲であることから、めっき層はZn層が占める体積の割合が大きい。Zn層は、Zn−Fe合金層に比べて展性および延性に富むことから、めっき層を構成する各層の厚さの比が上記範囲にある亜鉛めっき異形棒鋼材は、加工性に優れる。
一実施形態では、亜鉛めっき異形棒鋼材の直径は10mm以下であり、めっきによるZnの付着量が550g/m以上である。
一実施形態では、前記亜鉛めっき異形棒鋼材の表面の凸部の高さが、前記異形棒鋼材の表面の凸部の高さの0.5〜1.0倍である。
これによれば、亜鉛めっき異形棒鋼材は、表面の凸部の高さが異形棒鋼材の表面の高さの0.5〜1.0倍であるので、亜鉛めっき異形棒鋼材は、異形棒鋼材の表面の凹凸が維持されている。したがって、亜鉛めっき異形棒鋼材は、凹凸の効果、例えばコンクリートとの噛み合いの効果など、を発揮できる。
一実施形態では、亜鉛めっき異形棒鋼材の前記凹部の前記めっき層の厚さと前記凸部の前記めっき層の厚さとの比が、1:0.8〜1:1.2の範囲である。
これによれば、亜鉛めっき異形棒鋼材は、凹部のめっき層の厚さと凸部のめっき層の厚さとの比は上記範囲内にあるので、両者は略等しい。すなわち、亜鉛めっき異形棒鋼材は、めっき層の厚さが凹部と凸部とで略同じであり、凹凸が維持されている。したがって、亜鉛めっき異形棒鋼材は、上記と同様に、凹凸の効果、例えばコンクリートとの噛み合いの効果など、を発揮できる。
本出願の他の発明は、異形棒鋼材を繰出供給源から牽引してめっきを行い、亜鉛めっき異形棒鋼材を製造する方法であって、異形棒鋼材を、浴温が420℃以上500℃以下のめっき浴に6秒以上60秒以下の浸漬時間で浸漬する浸漬工程と、前記浸漬工程において浸漬された前記異形棒鋼材を5m/min〜30m/minの引上速度で垂直に引き上げる引上工程と、前記引上工程において引き上げられた前記異形棒鋼材を冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする。
ところで、従来の異形棒鋼のめっき方法においては、あらかじめ所定の長さに切断され、曲げ加工や溶接加工がされた異形棒鋼に対してめっき処理がなされる。しかし、そのような方法では、めっきされた異形棒鋼にはすでに前記の加工がなされているので、使用用途が限定され、汎用性がない。
本発明によれば、所定の長さに切断されていない異形棒鋼材を、繰出供給源から牽引してめっきを行うので、めっきされた亜鉛めっき異形棒鋼材は、用途に応じて切断して後加工することができ、汎用性がある。
また、異形棒鋼材のめっき浴への浸漬時間およびめっき浴からの引き上げ速度、ならびに、めっき浴の温度を調整することよって、簡単にZn−Fe合金層とZn層との厚さの比およびめっきによるZnの付着量を目的とする範囲になるようにすることができる。さらに、浸漬工程では、母材をZn以外の金属を必要としないめっき浴に、異形棒鋼材を一回のみ浸漬するので、複数種類の金属を含むめっき浴に複数回浸漬する方法に比べて、簡単である。
本出願のさらに他の発明は、異形棒鋼材を繰出供給源から牽引してめっきを行い、請求項1〜4のいずれか1項に記載した亜鉛めっき異形棒鋼材を製造する製造システムであって、浴温が420℃以上500℃以下であり前記異形棒鋼材が浸漬されるめっき浴と、前記めっき浴から引き上げられた前記異形棒鋼材を冷却する冷却手段と、前記めっき浴への浸漬と前記冷却手段による冷却とを連続せしめて行うように前記異形棒鋼材を牽引する牽引手段であって、前記異形棒鋼材が前記めっき浴に6秒以上60秒以下の浸漬時間で浸漬され、浸漬された前記異形棒鋼材が5m/min〜30m/minの引上速度で垂直に引き上げられるように、前記異形棒鋼材を牽引する牽引手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、前記の亜鉛めっき異形棒鋼材の製造方法を実施することができる。
以上説明したように、本発明によると、加工性に優れた亜鉛めっき異形棒鋼材を簡単な方法で製造することができる。
亜鉛めっき異形棒鋼材を示す。 亜鉛めっき異形棒鋼材の製造システムを示す。 実施例1の亜鉛めっき異形棒鋼材の凸部におけるFe地(母材)およびめっき層の軸線方向断面の光学顕微鏡による1000倍拡大画像である。 実施例2の亜鉛めっき異形棒鋼材の凹部および凸部におけるFe地(母材)及びめっき層の軸線方向断面の光学顕微鏡による50倍拡大画像である。 比較例の亜鉛めっき異形棒鋼の凸部における図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<亜鉛めっき異形棒鋼材>
図1は、実施形態に係る亜鉛めっき異形棒鋼材1を示す。
亜鉛めっき異形棒鋼材1は、例えば、長さ1700〜3600mでありコイル状に巻かれている。亜鉛めっき異形棒鋼材1の径は4mm〜13mmであり、例えば10mmである。
亜鉛めっき異形棒鋼材1は、図1に示すように、その表面に、突起1a(凸部)を有している。突起1aは、亜鉛めっき異形棒鋼材1の軸線方向に沿って延びて形成されている部分と、亜鉛めっき異形棒鋼材1の軸線周りにらせん状に形成されている部分とからなる。軸線方向に隣接するらせん状の突起1a,1aの間には、溝1b(凹部)が構成されている。
亜鉛めっき異形棒鋼材1は、鉄系母材である異形棒鋼材2(以下、母材という)が亜鉛を含むめっき層3で被覆されてなる。めっき層3は、母材2の上に形成されたZn−Fe合金層3aと、Zn−Fe合金層3aの上に形成されたZn層3bと、からなる。Zn−Fe合金層3aの厚さとZn層3bとの厚さの比は、1:1〜1:6の範囲であり、好ましくは1:2〜1:6の範囲である。また、めっきによるZnの付着量は550g/m以上である。
また、突起1aの高さ(溝1bの最も低い部分を基準とした高さ)は、めっきによって母材2の突起の高さとは異なっているが、その高さの倍率は、母材2の突起の高さに対して、0.5倍以上であり、好ましくは、0.5〜1.0倍、より好ましくは、0.8〜1.0倍である。
また、突起1aのめっき層3の厚さは、溝1bのめっき層3の厚さの0.8倍以上である。好ましくは、溝1bのめっき層3の厚さと突起1aのめっき層3の厚さとの比は、1:0.8〜1:1.2の範囲である。なお、溝1bのめっき層3の厚さは、溝1bの幅方向で異なるが、溝1bの幅方向中央部の厚さを意味するものとする。
以上説明したように、めっき層3におけるZn−Fe合金層3aとZn層3bとの厚さの比が1:1〜1:6の範囲であることから、めっき層3はZn層3bが占める体積の割合が大きい。Zn層3bは、Zn−Fe合金層3aに比べて展性および延性に富むことから、めっき層3を構成する各層の厚さの比が上記範囲にある亜鉛めっき異形棒鋼材1は、加工性がよい。
また、亜鉛めっき異形棒鋼材1の表面の突起1aの高さが、母材2の表面の突起の高さの0.5倍以上であり、突起1aのめっき層3の厚さは、溝1bのめっき層3の厚さの0.8倍以上である。これによって、亜鉛めっき異形棒鋼材1は、母材2の表面の凹凸が維持されている。したがって、亜鉛めっき異形棒鋼材1は、凹凸の効果、例えばコンクリートとの噛み合いの効果など、を発揮できる。
また、亜鉛めっき異形棒鋼材1は、あらかじめ所定の長さに切断され曲げ加工等された上でめっき処理がなされる従来の異形棒鋼と同様の用途に用いることができる。しかも、コイル状に巻かれており、用途に応じて切断して後加工することができるので、上記従来の異形棒鋼と比べて汎用性がある。
<亜鉛めっき異形棒鋼材の製造方法および製造システム>
図2は実施形態に係る亜鉛めっき異形棒鋼材1の製造システムSを示す。図2において、4は母材2が巻かれたコイル(繰出供給源)、5は酸洗槽、6はフラックス槽、7は乾燥炉、8はZn浴(めっき浴)、9は水冷槽(冷却手段)、10は巻取機(牽引手段)である。
製造システムSでは、母材2を、繰出供給源であるコイル4から巻取機10で牽引してめっきを行って亜鉛めっき異形棒鋼材1を製造する。以下、具体的に説明する。
−浸漬工程−
コイル4より繰り出された母材2は、酸洗槽5での酸洗い、フラックス槽6でのフラックス処理と乾燥炉7での乾燥を経て、Zn浴8に浸漬される。このとき母材2の表面の上にはZn浴8のZnが付着し、母材2を構成するFeとめっきによるZnとの間で反応が起こり、母材2の上にはZn−Fe合金層3aが形成される。
ここで、Zn−Fe合金層3aの厚さは、Zn浴8の温度と浸漬時間とによって決定される。Zn浴8の温度は、Zn−Fe合金層3aの厚さをZn層3bの厚さに対して1:1〜1:6の範囲の比になるようにするという理由から、420℃〜500℃が好ましく、430℃〜460℃がより好ましい。
また、同じ理由から、浸漬時間は、6秒以上60秒以下が好ましく、15秒以上30秒以下がより好ましい。図2に示すように、浸漬は、巻取機10で牽引される母材2の一部分で行われるので、浸漬時間は、巻取機10によって母材2を牽引する速度および母材2の浸漬される部分の長さによって調整される。
−引上工程−
浸漬によって表面上にZn−Fe合金層3aが形成された母材2は、その後引き上げられる。このとき、Zn−Fe合金層3aの上には、溶融Znが付着しており、流れ落ちずに付着したまま持ち上げられる溶融ZnがZn−Fe合金層3aの上にZn層3bを形成する。
ここで、母材2の引き上げ速度が速いほど付着したままとなる溶融Znの量が多くなり、その結果、Zn層3bが厚くなる。母材2を引き上げる引き上げ速度は、めっきによるZnの付着量を550g/m以上にするという理由から、5m/min〜30m/minが好ましく、8m/min〜15m/minがより好ましい。引き上げ速度は、巻取機10によって母材2を牽引する速度によって調整される。
−冷却工程−
引き上げられた母材2は、ターンローラ11(引上手段)に捲回されて水冷槽9で水冷される。これによって、母材2が亜鉛めっきされた亜鉛めっき異形棒鋼材1が得られる。
そして、亜鉛めっき異形棒鋼材1は、巻取機10によってコイル状に巻き取られる。
以上説明したように、実施形態に係る製造方法では、コイル状に巻かれた母材2を牽引してめっきを行い、めっきされた亜鉛めっき異形棒鋼材1は、再びコイル状に巻き取られるので、用途に応じて切断して後加工することができ、汎用性がある。
また、母材2のZn浴8への浸漬時間およびZn浴8からの引き上げ速度、ならびに、Zn浴8の温度を調整することよって、簡単にZn−Fe合金層3aとZn層3bとの厚さの比およびめっきによるZnの付着量を目的とする範囲になるようにすることができる。さらに、浸漬工程では、Zn浴8に母材2を一回のみ浸漬するので、複数の種類の金属を含むZn浴に複数回浸漬する方法に比べて、簡単である。
また、製造システムSによって、以上説明した亜鉛めっき異形棒鋼材1の製造方法を実施することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態において、亜鉛めっき異形棒鋼材1のめっきによるZnの付着量は550g/m以上としたが、使用目的によっては300g/m以上550g/m未満としてもよい。
異形コイル鉄筋を母材とし、この母材に図2に示す製造システムによってめっきをして、亜鉛めっきされた亜鉛めっき異形棒鋼材を製造した。以下の実施例1および2では、直径の異なる2種類の母材にめっきし、亜鉛めっき異形棒鋼材を製造した。
<実施例1>
母材および亜鉛めっき異形棒鋼材の直径は6mm、めっき用金属はZn、引き上げ速度は10m/min、Zn浴温度は450℃、浸漬時間は25秒とした。
図3は、実施例で製造された亜鉛めっき異形棒鋼材の突起の断面を光学顕微鏡によって撮像した1000倍拡大の画像である。
この実施例で製造された亜鉛めっき異形棒鋼材では、めっきによるZn付着量は621g/mであった。また、めっき層におけるZn−Fe合金層の厚さとZn層の厚さとの比は、1:3〜1:6であった。亜鉛めっき異形棒鋼材の突起のめっき層の高さは、母材の突起の高さの0.7倍であった。
<実施例2>
この実施例では、母材および亜鉛めっき異形棒鋼材の直径を10mmとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で亜鉛めっき異形棒鋼材を製造した。
図4は、亜鉛めっき異形棒鋼材の突起と溝を含む断面を光学顕微鏡によって撮像した50倍拡大の画像である。
この実施例で製造された亜鉛めっき異形棒鋼材では、めっきによるZn付着量は675g/mであった。めっき層におけるZn−Fe合金層の厚さとZn層の厚さとの比は、1:1〜1:1.5であった。また、亜鉛めっき異形棒鋼材の突起のめっき層の高さは、母材の突起の高さの0.9倍であった。また、亜鉛めっき異形棒鋼材の突起のめっき層の厚さと、溝の幅方向中央のめっき層の厚さとの比は、1:0.8〜1:1.2であった。
<比較例>
比較例では、実施例1と同じ直径(6mm)の母材を300mmの長さに切断し、定尺の異形棒鋼とした上で、この異形棒鋼を、温度480℃のZn浴に40秒の浸漬時間で浸漬し、めっきした。
図5は、比較例で製造された亜鉛めっき異形棒鋼の突起の断面を光学顕微鏡によって撮像した1000倍拡大の画像である。
比較例で製造された亜鉛めっき異形棒鋼のめっきによるZn付着量は576g/mであった。また、めっき層におけるZn−Fe合金層の厚さとZn層の厚さとの比は、1:0.4〜1:0.8であった。
以上のように、実施例1の亜鉛めっき異形棒鋼材のめっき層は、Zn−Fe合金層の厚さが、Zn層の厚さに対して1/6〜1/3である。また、実施例2の亜鉛めっき異形棒鋼材のめっき層は、Zn−Fe合金層の厚さが、Zn層の厚さに対して1/1.5〜1/1である。これに対して、比較例の亜鉛めっき異形棒鋼のめっき層は、Zn−Fe合金層の厚さが、Zn層の厚さに対して1/0.8〜1/0.4である。このように、各実施例の亜鉛めっき異形棒鋼材のZn−Fe合金層のZn層に対する相対的な厚さは、比較例の亜鉛めっき異形棒鋼のZn−Fe合金層のZn層に対する相対的な厚さと比較してかなり薄い。したがって、各実施例の亜鉛めっき異形棒鋼材の方が、比較例の亜鉛めっき異形棒鋼よりも加工性に優れている。
また、実施例1で製造された亜鉛めっき異形棒鋼材は、突起のめっき層の高さは、母材の突起の高さの0.7倍であり、実施例2で製造された亜鉛めっき異形棒鋼材は、突起のめっき層の高さは、母材の突起の高さの0.9倍であった。このように、各実施例で製造された亜鉛めっき異形棒鋼材は、母材の表面の凹凸が維持されている。したがって、各実施例で製造された亜鉛めっき異形棒鋼材は、凹凸の効果、例えばコンクリートとの噛み合いの効果など、を発揮できる。
S 亜鉛めっき異形棒鋼材の製造システム
1 亜鉛めっき異形棒鋼材
1a 突起(凸部)
1b 溝(凹部)
2 母材(異形棒鋼材)
3 めっき層
3a Zn−Fe合金層
3b Zn層
4 コイル(繰出供給源)
8 Zn浴(めっき浴)
9 水冷槽(冷却手段)
10 巻取機(牽引手段)
11 ターンローラ(引上手段)

Claims (6)

  1. 鉄系の異形棒鋼材が、亜鉛を含むめっき層で被覆された、直径が13mm以下である亜鉛めっき異形棒鋼材であって、
    前記めっき層は、前記異形棒鋼材の上に形成されたZn−Fe合金層と、該Zn−Fe合金層の上に形成されたZn層と、からなり、
    前記Zn−Fe合金層の厚さと前記Zn層の厚さとの比は1:1〜1:6の範囲であり、めっきによるZnの付着量が300g/m以上である
    ことを特徴とする亜鉛めっき異形棒鋼材。
  2. 請求項1に記載した亜鉛めっき異形棒鋼材において、
    直径が10mm以下であり、めっきによるZnの付着量が550g/m以上である
    ことを特徴とする亜鉛めっき異形棒鋼材。
  3. 請求項1または2に記載した亜鉛めっき異形棒鋼材において、
    前記亜鉛めっき異形棒鋼材の表面の凸部の高さが、前記異形棒鋼材の表面の凸部の高さの0.5〜1.0倍である
    ことを特徴とする亜鉛めっき異形棒鋼材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した亜鉛めっき異形棒鋼材において、
    前記亜鉛めっき異形棒鋼材表面の凹部の前記めっき層の厚さと凸部の前記めっき層の厚さとの比が、1:0.8〜1:1.2の範囲である
    ことを特徴とする亜鉛めっき異形棒鋼材。
  5. 異形棒鋼材を繰出供給源から牽引してめっきを行い、請求項1〜4のいずれか1項に記載した亜鉛めっき異形棒鋼材を製造する方法であって、
    前記異形棒鋼材を、浴温が420℃以上500℃以下のめっき浴に6秒以上60秒以下の浸漬時間で浸漬する浸漬工程と、
    前記浸漬工程において浸漬された前記異形棒鋼材を5m/min〜30m/minの引上速度で垂直に引き上げる引上工程と、
    前記引上工程において引き上げられた前記異形棒鋼材を冷却する冷却工程と、
    を含む
    ことを特徴とする製造方法。
  6. 異形棒鋼材を繰出供給源から牽引してめっきを行い、請求項1〜4のいずれか1項に記載した亜鉛めっき異形棒鋼材を製造する製造システムであって、
    浴温が420℃以上500℃以下であり前記異形棒鋼材が浸漬されるめっき浴と、
    前記めっき浴から引き上げられた前記異形棒鋼材を冷却する冷却手段と、
    前記めっき浴への浸漬と前記冷却手段による冷却とを連続せしめて行うように前記異形棒鋼材を牽引する牽引手段であって、前記異形棒鋼材が前記めっき浴に6秒以上60秒以下の浸漬時間で浸漬され、浸漬された前記異形棒鋼材が5m/min〜30m/minの引上速度で垂直に引き上げられるように、前記異形棒鋼材を牽引する牽引手段と、
    を含む
    ことを特徴とする製造システム。
JP2018156976A 2018-08-24 2018-08-24 亜鉛めっき異形棒鋼材の製造方法および製造システム Active JP6755909B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018156976A JP6755909B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 亜鉛めっき異形棒鋼材の製造方法および製造システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018156976A JP6755909B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 亜鉛めっき異形棒鋼材の製造方法および製造システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020029606A true JP2020029606A (ja) 2020-02-27
JP6755909B2 JP6755909B2 (ja) 2020-09-16

Family

ID=69623932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018156976A Active JP6755909B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 亜鉛めっき異形棒鋼材の製造方法および製造システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6755909B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7054827B2 (ja) 2017-10-30 2022-04-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 鋼管

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH116047A (ja) * 1997-06-12 1999-01-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 溶融亜鉛合金めっき浴用地金、めっき浴、溶融亜鉛合金めっき鉄鋼材及びその製造方法
JP2001107213A (ja) * 1999-08-03 2001-04-17 Nippon Steel Corp 溶融Zn−Mg−Al系合金めっき鋼線およびその製造方法
JP2001207250A (ja) * 2000-01-27 2001-07-31 Nippon Steel Corp 高耐食性を有する溶融めっき鋼線及びその製造方法
JP2002322574A (ja) * 2001-02-23 2002-11-08 Nichia Steel Works Ltd 金属被覆線、樹脂被覆線、金属製品への金属被覆方法
JP2003166041A (ja) * 2001-12-03 2003-06-13 Tatekawa Senzai Kk 架空送電線用超厚亜鉛めっき鋼線とその製造方法
JP2006082468A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Sumitomo Denko Steel Wire Kk 樹脂塗装異形鋼棒及びその製造方法
JP2006283178A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Nippon Steel Corp 耐滑り性に優れた異形溶融めっき線及びその製造方法
JP2009024210A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Tokyo Seiko Co Ltd 溶融亜鉛合金めっき鋼線
JP2011140866A (ja) * 2009-12-08 2011-07-21 Okabe Co Ltd アンカー
JP2013221196A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Takenaka Komuten Co Ltd Zn−Al系合金めっき鉄筋及び製造方法
US20160201288A1 (en) * 2015-01-12 2016-07-14 Sine Wall, Llc System and method for protective coating of reinforcement

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH116047A (ja) * 1997-06-12 1999-01-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 溶融亜鉛合金めっき浴用地金、めっき浴、溶融亜鉛合金めっき鉄鋼材及びその製造方法
JP2001107213A (ja) * 1999-08-03 2001-04-17 Nippon Steel Corp 溶融Zn−Mg−Al系合金めっき鋼線およびその製造方法
JP2001207250A (ja) * 2000-01-27 2001-07-31 Nippon Steel Corp 高耐食性を有する溶融めっき鋼線及びその製造方法
JP2002322574A (ja) * 2001-02-23 2002-11-08 Nichia Steel Works Ltd 金属被覆線、樹脂被覆線、金属製品への金属被覆方法
JP2003166041A (ja) * 2001-12-03 2003-06-13 Tatekawa Senzai Kk 架空送電線用超厚亜鉛めっき鋼線とその製造方法
JP2006082468A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Sumitomo Denko Steel Wire Kk 樹脂塗装異形鋼棒及びその製造方法
JP2006283178A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Nippon Steel Corp 耐滑り性に優れた異形溶融めっき線及びその製造方法
JP2009024210A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Tokyo Seiko Co Ltd 溶融亜鉛合金めっき鋼線
JP2011140866A (ja) * 2009-12-08 2011-07-21 Okabe Co Ltd アンカー
JP2013221196A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Takenaka Komuten Co Ltd Zn−Al系合金めっき鉄筋及び製造方法
US20160201288A1 (en) * 2015-01-12 2016-07-14 Sine Wall, Llc System and method for protective coating of reinforcement

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7054827B2 (ja) 2017-10-30 2022-04-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 鋼管

Also Published As

Publication number Publication date
JP6755909B2 (ja) 2020-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5754993B2 (ja) 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材と鋼管およびその製造方法
CA2911442C (en) Galvannealed steel sheet and manufacturing method thereof
TWI737066B (zh) 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr鍍覆鋼板及其製造方法
KR20190078509A (ko) 내식성 및 표면 평활성이 우수한 아연합금도금강재 및 그 제조방법
JP2010070810A (ja) 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法
KR101665883B1 (ko) 내식성 및 가공성이 우수한 도금 강선 및 그 제조방법
TWI724674B (zh) 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr鍍覆鋼板及其製造方法
JP3476408B2 (ja) 溶融Zn−Mg−Al系合金めっき鋼線およびその製造方法
TWI521092B (zh) 熔融Al-Zn系鍍覆鋼板及其製造方法
JP2020029606A (ja) 亜鉛めっき異形棒鋼材とその製造方法および製造システム
TWI652355B (zh) 熱浸鍍鋅鋼材及其製造方法
JP3769199B2 (ja) 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法
CN102712988A (zh) 金属镀覆钢带
JP2002047521A (ja) 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法
JP2019090112A (ja) 金属めっき鋼帯板
JP2002206156A (ja) 鉄塔用めっき鉄鋼製品とその製造方法および該製造方法で用いるフラックス
JPH08319557A (ja) アルミニウムの拡散希釈を利用した鋼の表面改質方法
JP3877542B2 (ja) 金属製品への金属被覆方法
JP2004124118A (ja) プレス成形性及び外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP3367456B2 (ja) スパングル模様の均一な溶融めっき鋼板の製造方法
JP6468492B2 (ja) 鋼材のめっき前処理用のフラックス及びめっき鋼材の製造方法
JP7406100B2 (ja) めっき線及びその製造方法
JP3644429B2 (ja) 架空送電線用超厚亜鉛めっき鋼線とその製造方法
KR102453010B1 (ko) 내식성 및 내열성이 우수한 도금 강판 및 이의 제조방법
KR102453008B1 (ko) 내식성, 가공성 및 표면 품질이 우수한 도금 강판 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6755909

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250