JP6468492B2 - 鋼材のめっき前処理用のフラックス及びめっき鋼材の製造方法 - Google Patents
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また、一段での溶融Zn−Al合金めっき方法としては、特許文献3に溶融塩フラックスを用いる方法が開示されており、40〜80%の高Al濃度の浴に限定して適用されている。
(1) NaClを5〜14質量%、SnCl2を1.2〜5質量%、SnCl4またはSnO2の何れか一方または両方を合計で0.1〜1.5質量%、残部がZnCl2の組成からなるフラックス成分が、150〜300g/Lの濃度で水に溶解され、pHが2.0以下に調整されていることを特徴とする鋼材のめっき前処理用のフラックス。
(2) 前記フラックス成分が更に、NaF、KFの何れか一方または両方を合計で0質量%超2.0質量%以下の割合で含むことを特徴とする(1)に記載の鋼材のめっき前処理用のフラックス。
(3) 前記フラックス成分が更に、界面活性剤を0質量%超1.0質量%以下の割合で含む(1)または(2)に記載の鋼材のめっき前処理用のフラックス。
(4) (1)乃至(3)の何れか一項に記載のフラックスを鋼材に塗布して乾燥させ、
次いで、前記鋼材を、Al:2〜15質量%、Si:0.01〜1.0質量%を含み、残部がZnよりなる溶融めっき浴に浸漬して引き上げることを特徴とする、めっき鋼材の製造方法。
(5) 前記溶融めっき浴に更に、Mgが0.01〜3質量%の範囲で含有されることを特徴とする(4)に記載のめっき鋼材の製造方法。
本実施形態のめっき鋼材は、鋼材と、鋼材の表面に形成された溶融めっき層と、溶融めっき層と鋼材との界面に形成された合金層と、が備えられている。
本実施形態では、フラックス成分が150〜300g/Lの濃度で水に溶解され、pHが2.0以下に調整されているフラックスを用いる。フラックス成分には、ZnCl2、NaCl及びSnCl2と、SnCl4またはSnO2の何れか一方または両方と、が含有される。以下、フラックス成分について説明する。
本実施形態のめっき鋼材の製造方法は、上記のフラックスを鋼材に塗布して乾燥させ、次いで、鋼材を溶融めっき浴に浸漬して引き上げる。本実施形態のめっき鋼材の製造方法は、フラックスを用いた一段めっき法を採用する。
また、溶融めっき層中に、Al、Si及びFeを含み、かつ断面視で針状あるいは塊状の化合物が分散することで、溶融めっき層を厚くすることができ、耐食性をより向上できる。
また、本実施形態のフラックスによれば、ZnCl2、NaCl、SnCl2を含み、更に、SnCl4またはSnO2の何れか一方または両方を含むので、めっき前の鋼材の表面状態を最適な状態にすることができる。
更に、本実施形態のめっき鋼材の製造方法によれば、フラックスを鋼材に塗布して乾燥させ、次いで、鋼材を、Al:2〜15質量%、Si:0.01〜1.0質量%を含み、残部がZnよりなる溶融めっき浴に浸漬して引き上げるので、外観性、耐食性及び加工性に優れためっき鋼材を製造できる。
鋼材は、200mm×100mm×1.6mmの熱延鋼板の酸洗板、または黒皮付鋼板を用いた。酸洗板は、市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄後、50℃の10%HCl水溶液に約1分間浸漬して酸洗した。黒皮付鋼板は、市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄後、50℃の10%HCl水溶液に約10分間浸漬して表面のスケールを除去した。これらの鋼板を、60℃の熱水で洗浄後、表1に示す組成の全濃度250g/L、60℃のフラックスに約1分間浸漬し、200℃の加熱炉で大気雰囲気下5分間加熱乾燥した。この鋼板を、Zn−Al浴をベースとする480℃のめっき浴に、300秒浸漬してめっきした後、引き上げ、自然放冷し、めっきが完全に凝固した後に水冷した。このようにして、各種のめっき鋼材を製造した。
また、表2から、めっき浴の組成が本発明の範囲において良好なめっきが得られることが確認された。
No.7は、Si量が過剰なため、不めっきが起きて明らかに外観性が低下した。そのため、合金層、Sn付着量及び耐食性の評価は実施しなかった。
No.8は、Mg量が過剰なため、不めっきが多発してめっき明らかに外観が悪化した。そのため、合金層、Sn付着量及び耐食性の評価は実施しなかった。
No.9は、Al量が少ないため、FeZn合金が生成し、耐食性が低下した。また、加工性、外観性にも問題があった。そのため、合金層中のSn濃度及びSn付着量の評価は実施しなかった。
No.10は、Al量が少ない従来の浸漬亜鉛めっきであり、加工性及び耐食性がともに実施例に比べて劣っていた。
鋼材として、200mm×100mm×1.6mmの熱延鋼板(黒皮付鋼板)を用いた。熱延鋼板を市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄後、50℃の10%HCl水溶液に約10分間浸漬して表面のスケールを除去した。酸洗後、この鋼板を、60℃の熱水で洗浄後、所定の組成に調整した60℃のフラックスに約1分間浸漬し、200℃の加熱炉で大気雰囲気下5分間加熱乾燥した。この鋼板を、Zn−11%Al−0.3%Si−0.5%Mg組成の470℃のめっき浴に、100秒〜600秒浸漬してめっきした後、引き上げ、自然放冷し、めっきが完全に凝固した後に水冷した。このようにして、各種のめっき鋼材を製造した。
No.25は、フラックスにSnCl4及びSnO2が含まれなかったため、Snを含む合金層が形成されず、不めっきが多数発生し、外観が大幅に低下した。このため、耐食性及び加工性の評価は実施しなかった。
No.26は、フラックス中のSnO2量が過剰のため、めっき外観が悪化し、耐食性及び加工性も低下した。
No.27は、フラックス中のSnCl2量が過剰のため、鋼材にSnが過剰に付着し、めっき外観が悪化し、耐食性及び加工性も低下した。
No.28〜31は、フラックス中にSnCl2を含まないために、めっき外観が大幅に悪化した。このため、合金層、Sn付着量、耐食性及び加工性の評価は実施しなかった。
No.32は、NaCl量が過剰のため、めっき外観が悪化した。また、鋼材に対するSnの付着量も増大した。
鋼材として、200mm×100mm×4.2mmの熱延鋼板(黒皮付鋼板)を用いた。熱延鋼板を市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄後、50℃の10%HCl水溶液に約10分間浸漬して表面のスケールを除去した。酸洗後、この鋼板を、60℃の熱水で洗浄後、所定の組成に調整した60℃のフラックスに約1分間浸漬し、200℃の加熱炉で大気雰囲気下4分間加熱乾燥した。この鋼板を、Zn−4.5%Al−0.1%Si−1%Mg組成の450℃のめっき浴に、300秒浸漬してめっきした後、引き上げ、自然放冷し、めっきが完全に凝固した後に水冷した。フラックスの界面活性剤は、ポリオキシエチレン型の非イオン性界面活性剤を用いた。このようにして、各種のめっき鋼材を製造した。
Claims (5)
- NaClを5〜14質量%、SnCl2を1.2〜5質量%、SnCl4またはSnO2の何れか一方または両方を合計で0.1〜1.5質量%、残部がZnCl2の組成からなるフラックス成分が、150〜300g/Lの濃度で水に溶解され、pHが2.0以下に調整されていることを特徴とする鋼材のめっき前処理用のフラックス。
- 前記フラックス成分が更に、NaF、KFの何れか一方または両方を合計で0質量%超2.0質量%以下の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の鋼材のめっき前処理用のフラックス。
- 前記フラックス成分が更に、界面活性剤を0質量%超1.0質量%以下の割合で含む請求項1または請求項2に記載の鋼材のめっき前処理用のフラックス。
- 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフラックスを鋼材に塗布して乾燥させ、
次いで、前記鋼材を、Al:2〜15質量%、Si:0.01〜1.0質量%を含み、残部がZnよりなる溶融めっき浴に浸漬して引き上げることを特徴とする、めっき鋼材の製造方法。 - 前記溶融めっき浴に更に、Mgが0.01〜3質量%の範囲で含有されることを特徴とする請求項4に記載のめっき鋼材の製造方法。
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