JP6870438B2 - 耐食性に優れためっき鋼材 - Google Patents
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Description
[2]前記Fe−Al系合金層中のFe及びAlの合計含有量が30〜90質量%であることを特徴とする、[1]に記載のめっき鋼材。
[3]前記Fe−Al系合金層が、更に、平均含有量で、Cr:0超〜1.0質量%を含有することを特徴とする、[1]または[2]に記載のめっき鋼材。
[4]前記Fe−Al系合金層が複数の層からなり、前記複数の層のうち前記表面めっき層に接する層のCr含有量が前記複数の層における他の層のCr含有量よりも高いことを特徴とする、[3]に記載のめっき鋼材。
[5]前記Fe−Al系合金層が、更に、平均含有量で、Mg:0超〜4質量%を含有し、かつMg含有量が前記Fe−Al系合金層中のZn含有量の1/10以下であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のめっき鋼材。
[6]前記めっき層が前記表面めっき層を含み、前記表面めっき層が、更に、平均含有量で、Cr:0超〜0.2質量%、及びMg:0超〜5質量%を含有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のめっき鋼材。
本発明の実施形態のめっき鋼材は、鋼材表面を、FeAl合金を主体とするFe−Al系合金層で被覆し、更にFe−Al系合金層の上(すなわち表面側)に最小限の表面めっき層を形成するか、または表面めっき層を除去することで、耐食性をより向上させたものである。Fe−Al系合金層上のめっき存在量を小さくするか、または無くすことにより、Fe−Al系合金層の優れた耐食性を最大限に活かすことができる。以下、本実施形態のめっき鋼材について説明する。
めっき層を構成するFe−Al系合金層は、鋼材の表面に形成されており、平均含有量で、Fe:10〜60質量%、Al:20〜60質量%、残部が実質的にZn及び不純物よりなる層である。さらに、Mg、Cr等の添加元素が含まれていても良い。Fe−Al系合金層の組成は、めっき浴の組成、及びめっき浴の温度、浸漬時間に依存する。
次に、表面めっき層は、平均含有量で、Al:数質量%、残部が実質的にZn及び不純物よりなる層であり、Fe−Al系合金層の上に形成される。表面めっき層は、Znを主成分とするめっき層であるため、犠牲防食機能を発揮するとともにめっき表面に亜鉛の腐食生成物を堆積させて防蝕に寄与する、とされている。このため、一般的には、このZnめっき層は厚いほどめっき全体の防食機能は高くなることが予想される。しかしながら、本発明者らの試験によれば、この表面めっき層は必ずしも常にめっきの防食能を高めるだけでないことがわかった。むしろ、平均値で15μm未満の厚さにすることで明らかにめっき全体の防食能が向上し、赤錆発生が遅くなることわかった。しかし、めっきの全体厚が大きくなると、Fe−Al系合金層−表面めっき層の界面の凹凸が大きくなるため、遠心処理、エアナイフなどでの除去は難しく、表面めっき層を薄くすることは困難になる。この場合は、表面めっき層の厚さを全体の1/10未満にすることが、耐食性を向上させる上での一つの目安になることわかった。Fe−Al系合金層が厚くなれば、耐食性も当然向上するため、表面めっき層の悪い影響も小さくなるためである。このため、表面めっき層の厚さは15μm未満またはめっき層全体の厚さの1/10未満とする。
鋼材として、200mm×100mm×1.6mmの熱延鋼板(黒皮付SS400)を用いた。市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄後、10%塩酸酸洗して表面のスケールを除去した。酸洗後の鋼板を、60℃の熱水で洗浄後、80℃のフラックス(ZnCl2/NaCl/SnCl2=200/20/6g/l、pH=6.0)に約1分間浸漬し、200℃の加熱炉で大気雰囲気下5分間加熱乾燥した。この鋼板を、Zn−2.7質量%Al−0.005質量%Cr−2.5質量%Mg組成の480℃のめっき浴に、300〜600秒浸漬してめっきした後、引き上げ、自然放冷し、めっきが完全に凝固した後に水冷した。得られためっき鋼板をフライス切削処理して表面めっき層を除去してFe−Al系合金層をむき出しにし、めっきしたままの鋼板と比較した。また、別の鋼板では、めっき層の右半分のみを研磨布を用いて表面めっき層を除去した。めっき厚・めっき組成は、断面顕微鏡観察と化学分析により評価した。表面めっき層厚は試験片中央部の断面組織を写真撮影し、試験片約1mm長の平均値を画像解析して算出した。全めっき厚は電磁膜厚計で測定し、Fe−Al系合金層厚は全めっき厚から表面めっき層厚を差し引いた値を平均厚さとして示した。
「白錆発生」:試験面の面積にして50%以下で白錆が発生している状態
「全面白錆」:試験面の面積にして50%以上が白錆であり赤錆が発生していない状態
「点状赤錆」:白錆の中に直径3mm以下程度の(目立たない)赤錆が発生している状態
「全面赤錆」:試験面の面積にして50%以上が赤錆を生じている状態
鋼材として、30mmφx300mm長の鋼管を用いた。市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄−10%塩酸酸洗−水洗後、80℃のフラックス(ZnCl2/NaCl/SnCl2=200/20/6g/l、pH=6.0)に約1分間浸漬し、200℃の加熱炉で大気雰囲気下で10分間加熱乾燥した。この鋼管を、Zn−2.0質量%Al−0.010質量%Cr−1.0質量%Mg組成の500℃のめっき浴に、300秒浸漬してめっきした後、引き上げ時にアラミド繊維布で表面を拭い表面めっき層を除去した。めっき厚・めっき組成は、断面顕微鏡観察と化学分析により評価した。表面めっき層厚は試験片中央部の断面組織を写真撮影し、試験片約1mm長の平均値を画像解析して算出した。全めっき厚も同様に断面組織写真より算出し、Fe−Al系合金層厚は全めっき厚から表面めっき層厚を差し引いた値を平均厚さとして示した。なお、鋼管内面は表面めっき層を除去していないため、分析・評価の対象外とした。
鋼材として、市販のエキスパンドメタル(JIS XS32)を用いた。市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄−10%塩酸酸洗−水洗後、80℃のフラックス(ZnCl2/NaCl/SnCl2=200/20/6g/l、pH=6.0)に約1分間浸漬し、200℃の加熱炉で大気雰囲気下で5分間加熱乾燥した。このエキスパンドメタルを、Zn−2.0質量%Al−0.010質量%Cr−2.0質量%Mg−0.05質量%Ca組成の500℃のめっき浴に、180秒浸漬してめっきした後、引き上げ後に自然凝固させたものと、エアナイフで表面めっき層を除去しためっき材を試作した。めっき厚・めっき組成は、断面顕微鏡観察と化学分析により評価した。表面めっき層厚は試験片中央部の断面組織を写真撮影し、試験片約1mm長の平均値を画像解析して算出した。全めっき厚は電磁膜厚計で測定し、Fe−Al系合金層厚は全めっき厚から表面めっき層厚を差し引いた値を平均厚さとして示した。
鋼材として、200mm×100mm×2.3mmの熱延鋼板(黒皮付SS400)を用いた。市販のアルカリ性脱脂剤により表面洗浄後、10%塩酸酸洗して表面のスケールを除去した。酸洗後の鋼板を、60℃の熱水で洗浄後、80℃のフラックス(ZnCl2/NaCl/BiCl3=200/20/8g/l、pH=6.0)に約30秒浸漬し、200℃の加熱炉で大気雰囲気下10分間加熱乾燥した。この鋼板を、Zn−(0.5〜4.0)質量%Al−(0〜0.010)質量%Cr−(0〜12)質量%Mg組成の480〜520℃のめっき浴に、300〜600秒浸漬してめっきした後、溶融状態の表面めっき層をエアナイフで除去しながら引き上げ、自然放冷し、めっきが完全に凝固した後に水冷した。めっき厚・めっき組成は、断面顕微鏡観察と化学分析により評価した。表面めっき層厚は試験片中央部の断面組織を写真撮影し、試験片約1mm長の平均値を画像解析して算出した。全めっき厚は電磁膜厚計で測定し、Fe−Al系合金層厚は全めっき厚から表面めっき層厚を差し引いた値を平均厚さとして示した。
Claims (6)
- 鋼材と、前記鋼材の表面に形成されためっき層とを有するめっき鋼材であって、前記めっき層は、Fe、Al及びZnを含有するFe−Al系合金層のみからなるか、または前記鋼材側から、Fe、Al及びZnを含有するFe−Al系合金層と、Zn及びAlを含有する表面めっき層が順次形成されてなり、前記Fe−Al系合金層は、平均含有量で、Fe:10〜60質量%、Al:26〜60質量%、残部が実質的にZn及び不純物からなり、前記Fe−Al系合金層の平均厚さが30μm以上であり、前記めっき層が前記表面めっき層を含む場合には、前記表面めっき層は、平均含有量で、Al:0.1〜5.0質量%、残部が実質的にZn及び不純物からなり、前記表面めっき層の平均厚さが15μm未満であるか、または前記めっき層全体の厚さの1/10未満であることを特徴とする、耐食性に優れためっき鋼材。
- 前記Fe−Al系合金層中のFe及びAlの合計含有量が90質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のめっき鋼材。
- 前記Fe−Al系合金層が、更に、平均含有量で、Cr:0超〜1.0質量%を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のめっき鋼材。
- 前記Fe−Al系合金層が複数の層からなり、前記複数の層のうち前記表面めっき層に接する層のCr含有量が前記複数の層における他の層のCr含有量よりも高いことを特徴とする、請求項3に記載のめっき鋼材。
- 前記Fe−Al系合金層が、更に、平均含有量で、Mg:0超〜4質量%を含有し、かつMg含有量が前記Fe−Al系合金層中のZn含有量の1/10以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のめっき鋼材。
- 前記めっき層が前記表面めっき層を含み、前記表面めっき層が、更に、平均含有量で、Cr:0超〜0.2質量%、及びMg:0超〜5質量%を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のめっき鋼材。
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