JP2006082468A - 樹脂塗装異形鋼棒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂塗装を厚くしても、ピンホールがなく優れた耐腐食性を維持すると同時に、コンクリートとの十分な付着力を確保することができる樹脂塗装異形鋼棒、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】 外周にリブ2を有する鋼棒1の表面に樹脂塗装膜3を設けた樹脂塗装異形鋼棒であって、樹脂塗装膜3の最小膜厚を200μ以上とし、リブ2の根元部2bの切り上がり面における樹脂塗装膜3の平均膜厚を、リブ2のない母材部1aにおける平均膜厚の1.3倍以下とする。この樹脂塗装異形鋼棒は、水平方向に指示した異形鋼棒を回転させながら、樹脂塗料の静電塗装と硬化を行うことにより作製できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、厳しい腐食環境下での耐久性が要求されるコンクリート構造物、例えば海洋構造物、港湾構造物、ロックボルト、アースアンカー等に使用される樹脂塗装異形鋼棒に関するものである。
従来、耐腐食性を向上させた鋼棒としては、(1)鋼棒の表面に金属メッキ、特に亜鉛メッキを施したもの、(2)鋼棒の表面にグリース等を塗布した上にポリエチレンシースで被覆したもの、(3)鋼棒の材質を炭素鋼からステンレス鋼に変更したもの、(4)鋼棒の表面をエポキシ樹脂で被覆したもの等がある。
しかし、上記(1)の亜鉛メッキ鋼棒は、亜鉛メッキ層にピンホールが多数存在するため、これらのピンホールから腐食が進行しやすい。また、亜鉛がコンクリート中のアルカリと反応することにより、表面が荒れて耐腐食性が低下したり、反応により発生する水素ガスが鋼棒や定着具内等に取り込まれたりするため、遅れ破壊の発生の危険性がある。(2)のグリースの上からポリエチレンシースで被覆した鋼棒は、耐腐食性には優れているものの、ポリエチレン自身のコンクリートとの付着力が低いという欠点を有している。また、(3)のステンレス鋼からなる鋼棒はコストが高く、経済性に劣るという問題がある。
一方、上記(4)の樹脂塗装した鋼棒は耐腐食性と付着力が期待できるため、プレストレストコンクリート用鋼棒(以下、PC鋼棒とも言う)等に主に使用されている。現在多く使用されているのは、鋼棒の表面に粉体塗装により平均膜厚で約200μのエポキシ樹脂を被覆したものである。尚、土木学会の「エポキシ樹脂塗装鉄筋を用いる鉄筋コンクリートの設計施工指針(案)」、昭和61年12月(以下、「エポキシ鉄筋指針」と称する)によれば、樹脂の膜厚が200±50μmを越える測定点の頻度が10%以下と規定されている。そのため、樹脂塗装にピンホールが発生し、強酸性土壌等の厳しい環境条件では鋼棒の腐食が生じる恐れがあった。
また、耐腐食性を確保するために、エポキシ樹脂塗装の膜厚を300μmと厚くしてピンホールをなくし、同時にコンクリートとの付着力を確保するために、樹脂塗装膜中に粒径200μm以下の砂粒子を埋め込んだ耐食PC鋼棒も提案されている(特許2636067号公報)。この耐食PC鋼棒は、エポキシ樹脂塗装の膜厚を厚くしてピンホールをなくす反面、後述するように鋼棒の外周に設けたリブの根元部で塗装の膜厚が特に厚くなり、コンクリートとの付着力が低下するため、砂粒子を埋め込んで所定の付着力の確保を目指したものである。
特許第2636067号公報
上記したように、従来のエポキシ樹脂塗装したPC鋼棒は、腐食環境が緩やかな状況で使用される建築用鉄筋に適用されている仕様に基づいて製造されることが多い。そのため、下記するように厳しい腐食環境下での耐久性に乏しく、特に外周にリブを有する異形鋼棒では、エポキシ樹脂塗装を施しても、耐腐食性と同時にコンクリートとの優れた付着力を備えることは難しかった。
即ち、上記「エポキシ鉄筋指針」によれば、エポキシ樹脂塗装膜の平均膜厚は200μmと薄く、最小膜厚が130μm程度まで許容されている。そのため、一定量(例えば、直径22mm以上の鋼棒で8ヶ以下/m)のピンホールが発生し、強酸性土壌等の厳しい環境条件に曝されると鋼棒が腐食する恐れがあった。しかも、高張力で且つ荷重が負荷されるところに使用される鋼棒、特にプレストレスを加えられるPC鋼棒では、使用状況によっては、少しのピンホールから腐食が生じることによって遅れ破壊という現象が発生することもある。
また、ピンホールを無くす目的で、樹脂塗装膜の膜厚を厚くすることも行われている。上記「エポキシ鉄筋指針」のエポキシ樹脂塗装鉄筋の品質と試験方法の章によれば、図1に示すように、エポキシ樹脂塗装膜の平均膜厚を200μm以上にするとピンホールが極端に少なくなり、約300μm程度でピンホールフリーになることが分っている。そして、従来用いられている静電塗装法では、塗装する鋼棒のスピードを遅くすること、若しくは単位時間当たりの粉体供給量を増やすこと等によって、鋼棒の単位長さあたりの膜厚を厚くすることができる。
しかし、樹脂塗装膜を厚くすると、鋼棒に塗布された硬化前の溶融状態の樹脂塗料が自重により下方に向かって移動しやすくなり、膜厚の不均一が拡大する。例えば、図2に示すように、コンクリートとの付着力を維持するために異形鋼棒1の外周に設けられているリブ2の部分では、溶融状態の樹脂塗料が自重によりリブ2の山部2aから根元部2bへ移動するため、特に根元部2の切り上がり面で樹脂塗装膜3の膜厚dが他の部分(異形鋼棒1のリブ2のない母材部1a)よりも厚くなる。その結果、コンクリートとの付着力に最も大きな影響力を与える部分、即ちリブ2の根元部2bの切り上がり面における曲率半径Rが増大してしまう。
一般に、リブの根元部の切り上がり面における曲率半径Rは、この部分に応力が集中して負荷されることを考慮して0.8mm以上と規定されている。しかしながら、上記のごとく樹脂塗装膜の膜厚を厚くすると、図2に示すように、特にリブ2の根元部2bの切り上がり面での膜厚dが母材部1aでの膜厚よりも極端に厚くなるため、この部分での曲率半径Rが必要以上に大きくなり、樹脂塗装膜が鋼棒やコンクリートに比べて低い弾性係数を有することと相俟って、付着力の低下を招く結果となっていた。
具体的には、樹脂塗装膜の平均膜厚を300μm程度まで厚くすると、従来の膜厚200μmの場合と比較して、コンクリートとの付着力が低下して、初期すべりの荷重が低下するようになると共に、最大付着荷重についても低下が起りやすかった。特に、高張力のロックボルトやアンカーボルト等に用いるPC鋼棒では、荷重が負荷され、付着力を期待した使用方法が多いため、付着力の低下は大きな課題となっていった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、樹脂塗装膜を厚くしてピンホールをなくし、優れた耐腐食性を維持すると同時に、樹脂塗装膜を厚くしてもコンクリートとの十分な付着力を確保することができる樹脂塗装異形鋼棒、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、外周にリブを有する異形鋼棒の表面に樹脂塗装膜を設けた樹脂塗装異形鋼棒であって、樹脂塗装膜の最小膜厚が200μ以上であり、リブの根元部の切り上がり面における樹脂塗装膜の平均膜厚が、リブのない母材部における樹脂塗装膜の平均膜厚の1.3倍以下であることを特徴とする樹脂塗装異形鋼棒を提供するものである。
また、本発明は、外周にリブを有する異形鋼棒の表面に、静電塗装により樹脂塗装膜を形成する樹脂塗装異形鋼棒の製造方法であって、水平方向に支持された異形鋼棒を回転させながら、樹脂塗料の静電塗装と硬化を行うことを特徴とする樹脂塗装異形鋼棒の製造方法を提供するものである。
本発明の樹脂塗装異形鋼棒によれば、樹脂塗装膜の最小膜厚を200μmとすることでピンホールをなくし、厳しい環境下でも優れた耐腐食性を確保することができる。しかも、樹脂塗装膜の最小膜厚を200μmとすることで平均膜厚が厚くなっても、膜厚の不均一化を小さく抑え、特にリブの根元部の切り上がり面とリブのない母材部との間における樹脂塗装膜の膜厚の差をできるだけ小さく抑えるで、コンクリートとの付着力の低下を抑制することができ、望ましい初期すべりの荷重と最大付着荷重を確保することができる。
本発明の樹脂塗装異形鋼棒において、図3に示すように、母材となる異形鋼棒1は直径23〜36mm程度の鋼棒の外周にねじ状のリブ2を有するものである。一般的に、リブ2の高さaは1.4〜2.2mm程度、根元部2bの幅bは5.5〜8.6mm程度であり、リブ2のピッチcは12〜18mm程度である。また、リブ2の側面の傾斜角は45度(α=90度)であり、根元部2の切り上がり面の曲率半径Rについては応力集中を考慮して0.8mm以上が好ましいとされているが、必要以上に大きくなるとコンクリートとの付着力が低下する。
本発明の樹脂塗装異形鋼棒は、図4に示すように、鋼棒の外周にリブ2を有する異形鋼棒1の表面に樹脂塗装膜3が設けてあり、この樹脂塗装膜3の最小膜厚を200μm以上とする。樹脂塗装膜3の最小膜厚を200μm以上とすることによって、ピンホールのない樹脂塗装膜3を得ることができる(図1参照)。樹脂塗装膜3が厚いほど耐腐食性が確保され、そのためには樹脂塗装膜の平均膜厚を300μm以上とすることが好ましいが、厚すぎると膜厚の不均一化が起りやすいうえ、高価な樹脂の使用量も増えるので、400μm程度の平均膜厚が最も望ましい。
また、本発明における樹脂塗装膜3は、図4に示すように、全体に膜厚が均一化されていることが特徴であり、特にリブ2の根元部2bの切り上がり面における樹脂塗装膜3の平均膜厚を、異形鋼棒1のリブ2のない母材部1aにおける樹脂塗装膜3の平均膜厚の1.3倍以下とする。上記リブ2の根元部2bの切り上がり面における樹脂塗装膜3の平均膜厚が、母材部1aにおける平均膜厚の1.3倍を超えると、樹脂塗装膜3を含めたリブ2の根元部2bの切り上がり面での曲率半径Rが大きくなりすぎ、コンクリートとの付着力が低下するため好ましくない。
上記した本発明の樹脂塗装異形鋼棒は、樹脂塗装膜を静電塗装法により形成する際に、母材となる異形鋼棒を水平方向に支持して回転させながら、樹脂塗料の静電塗装と硬化を行うことにより製造することができる。このように被塗装物である異形鋼棒を回転させながら塗装を施すことによって、溶融した樹脂が回転している異形鋼棒の外周に均一に付着して硬化するようになり、樹脂塗装膜が局部的に厚くなることを防止できる。
即ち、回転していない異形鋼棒に静電塗装を行うと、塗装された溶融状態の樹脂は自重によって、水平方向に支持された鋼棒の上方から下方に及び高い所から低い所へと移動する。例えば図2に示すように、異形鋼棒1の外周から突起したリブ2付近においても、異形鋼棒1の上側にあるリブ2では溶融状態の樹脂が山部2aから根元部2bへと移動し、また下側にあるリブ2では樹脂が山部2aへ向かって移動する時に山部2aと母材部1aとの間の表面張力によってリブ2の根元部2bに溜りやすい。これに対して、本発明方法によれば、水平方向に支持された異形鋼棒を回転させながら樹脂塗料の静電塗装と硬化を行うので、塗装された溶融状態の樹脂の自重による移動を抑制でき、全体に均一な膜厚の樹脂塗装膜を得ることができる。
尚、樹脂塗装膜に用いる樹脂としては、エポキシ樹脂のほか、ポリエステル樹脂やポリエチレン樹脂等があるが、耐腐食性及び付着性においてエポキシ樹脂が好ましい。また、樹脂塗装膜の形成方法としては、鋼棒との密着性や耐腐食性の点で静電塗装法が優れている。
かかる本発明方法によれば、ピンホールをなくすために最小膜厚が200μm以上となるように、好ましくは平均膜厚が300μm以上になるように、樹脂塗装膜の膜厚を厚くしても、塗装された溶融状態の樹脂の移動を抑えて均一な膜厚の樹脂塗装膜を得ることができる。そのため、リブの根元部の切り上がり面において、樹脂塗装膜の曲率半径Rを樹脂塗装膜がない裸の異形鋼棒での値に近づけることができる。その結果、コンクリートとの高い付着力が得られ、望ましい初期すべり荷重を維持すると共に、最大付着荷重の低下を抑制することが可能となった。
従って、本発明による樹脂塗装異形鋼棒は、厳しい耐腐食性が要求される環境条件の下でも使用でき、且つコンクリートとの高い付着力によりアンカー工法において定着長部分を短くすることができる。また、強酸性土壌で且つ地山のはらみ出しが大きいトンネル等において、将来の荷重の増大が予測される場合でも、本発明の樹脂塗装異形鋼棒を用いることで、高い付着力が必要とされるロックボルト工法が可能になる。
[実施例1]
図3に示すように、鋼棒の外周にねじ状のリブ2を有する異形鋼棒1を用い、静電塗装法により、その表面にエポキシ樹脂の塗装を行った。尚、使用した異形鋼棒1は、直径が23mmであり、リブ2の高さaが1.4mm、根元部2bの幅bが5.5mm、リブ2の側面の傾斜角が45度(α=90度)、リブ2のピッチcが12mmであって、根元部2bの切り上がり面の曲率半径Rが約2mmである。
まず、上記異形鋼棒の表面のスケールと異物を除去し、樹脂塗装膜との密着度を高めるために、リン酸又はショットブラスト等により異形鋼棒の表面を清浄にした。その後、塗布された樹脂塗料が溶融・硬化するのに必要な熱量を与えるため異形鋼棒を250℃まで加熱し、並列に2台配置した静電吹き付け塗装機に順に供給した。その際、水平方向に支持されて移動する異形鋼棒を回転させながら、斜め横両サイドから樹脂塗料を吹き付けて塗装し、塗装後に水冷した。
得られた樹脂塗装異形鋼棒(本発明鋼棒)について、リブの根元部の切り上がり面における樹脂塗装膜の膜厚と、リブのない母材部における樹脂塗装膜の膜厚を、それぞれ20ケ所測定した。これらの測定から、切り上がり面における樹脂塗装膜の最小膜厚と最大膜厚、並びに切り上がり面と母材部の平均膜厚を求め、その結果を下記表1に示した。
また、この樹脂塗装異形鋼棒(本発明鋼棒)について、3000Vの電圧をかけてピンホール試験を実施したところ、ピンホールは全く検出されなかった。更に、この樹脂塗装異形鋼棒(本発明鋼棒)は、3000時間の塩水噴霧試験においても、全く腐食が認められなかった。
参考のために、上記と同じ異形鋼棒を用い、従来方法により鋼棒を回転させずに樹脂塗装膜を形成することにより、従来から一般的な目標平均膜厚200μmの比較鋼棒1と、目標平均膜厚を400μmと厚くした比較鋼棒2を作製した。これらの比較鋼棒1、2についても、上記と同様に樹脂塗装膜の膜厚を測定し、切り上がり面における樹脂塗装膜の最小膜厚と最大膜厚、並びに切り上がり面と母材部平均膜厚を求め、その結果を下記表1に示した。
次に、上記の本発明鋼棒、比較鋼棒1、2、及び上記と同じ異形鋼棒で樹脂塗装膜のないもの(裸鋼棒)について、コンクリート学会のコンクリート試験方法に基づいて、コンクリ−トとの付着試験を行った。即ち、図5に示すように、試料となる各鋼棒10を、内径130mmの螺旋状に巻いた直径6mmの鉄筋12と共に、直径20cmのコンクリートブロック11(モルタル強度が273kg/cm)に埋め込んだ。
このコンクリートブロック11の一端を固定プレート13で支持し、他端側にダイヤルゲージ14を配置して、その測定子14aを鋼棒10の他端に当接させると共に、その基準点14をコンクリートブロック11の他端に設定した。この状態で鋼棒10を一端側に引っ張り、鋼棒10が0.05mm移動した時点での初期すべり荷重(3回の平均値)と、鋼棒10が引き抜かれたときの最大付着荷重(3回の平均値)とを測定した。得られた結果を、下記表1に併せて示した。
Figure 2006082468
上記の結果から、従来方法により異形鋼棒を回転させずに樹脂塗装膜を形成した比較鋼棒1と比較鋼棒2を比較すると、樹脂塗装膜の母材部の平均膜厚に対する切り上がり面の平均膜厚の比が、従来例としての目標平均膜厚200μmの比較鋼棒1では約1.15であるのに対し、目標平均膜厚400μmの比較鋼棒2では約1.43に増大し、それに伴って初期すべり荷重及び最大付着荷重とも低下していることが分る。
一方、本発明鋼棒は、樹脂塗装膜の最小膜厚が315μmで最大膜厚が535μm、母材部における平均膜厚が427μmであるにもかかわらず、切り上がり面の平均膜厚が470μmであって、母材部の平均膜厚に対する切り上がり面における平均膜厚の比は約1.1と小さい。その結果、初期すべり荷重及び最大付着荷重ともに、従来例としての目標平均膜厚200μmの比較鋼棒1と同等又はそれ以上であることが分る。
[実施例2]
上記実施例1と同じ異形鋼棒を用い、実施例1と同様の塗装法により、目標平均膜厚が400μmのエポキシ樹脂の樹脂塗装膜を形成した。ただし、その際に鋼棒の回転速度を変えることにより、リブの根元部の切り上がり面における樹脂塗装膜の膜厚を変化させた試料1〜5の樹脂塗装異形鋼棒を作製した。
得られた各試料の樹脂塗装異形鋼棒について、リブの根元部の切り上がり面における樹脂塗装膜の平均膜厚と、リブのない母材部における樹脂塗装膜の平均膜厚を、それぞれ20ケ所測定した。これらの測定から、母材部の平均膜厚Aに対する切り上がり面の平均膜厚Bの比B/Aを求め、その結果を下記表2に示した。また、各試料の樹脂塗装異形鋼棒について、実施例1と同様の付着試験を行って初期すべり荷重及び最大付着荷重を測定し、得られた結果を下記表2に併せて示した。
Figure 2006082468
この結果から、切り上がり面の平均膜厚が母材部の平均膜厚の1.3倍以下では、従来例としての目標平均膜厚200μmの比較鋼棒1(上記表1参照)と同等又はそれ以上の最大付着荷重が得られるのに対し、切り上がり面の平均膜厚が母材部の平均膜厚の1.3倍を超えると、最大付着荷重が低下することが分る。
エポキシ樹脂塗装膜の平均膜厚とピンホール数の関係を示すグラフである。 従来の樹脂塗装異形鋼棒の要部を示す概略の断面図である。 異形鋼棒の要部を示す概略の断面図である。 本発明の樹脂塗装異形鋼棒の要部を示す概略の断面図である。 鋼棒とコンクリ−トとの付着試験を模式的に示す概略の説明図である。
符号の説明
1 異形鋼棒
1a 母材部
2 リブ
2a 山部
2b 根元部
3 樹脂塗装膜
10 鋼棒
11 コンクリートブロック
12 鉄筋
13 固定プレート
14 ダイヤルゲージ
14a 測定子

Claims (2)

  1. 外周にリブを有する異形鋼棒の表面に樹脂塗装膜を設けた樹脂塗装異形鋼棒であって、樹脂塗装膜の最小膜厚が200μ以上であり、リブの根元部の切り上がり面における樹脂塗装膜の平均膜厚が、リブのない母材部における樹脂塗装膜の平均膜厚の1.3倍以下であることを特徴とする樹脂塗装異形鋼棒。
  2. 外周にリブを有する異形鋼棒の表面に、静電塗装により樹脂塗装膜を形成する樹脂塗装異形鋼棒の製造方法であって、水平方向に支持された異形鋼棒を回転させながら、樹脂塗料の静電塗装と硬化を行うことを特徴とする樹脂塗装異形鋼棒の製造方法。


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JP2020029606A (ja) * 2018-08-24 2020-02-27 日亜鋼業株式会社 亜鉛めっき異形棒鋼材とその製造方法および製造システム

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