JP2020026867A - 粒状体ダンパ - Google Patents

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敦士 豊内
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聡 近松
隆久 望月
Takahisa Mochizuki
隆久 望月
英樹 川上
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英樹 川上
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Abstract

【課題】減衰力の変化をシャフトの回転角度に依存させることが可能な粒状体ダンパを提供する。【解決手段】粒状体ダンパDは、ケース10と、シャフト20と、回転盤30と、複数の粒状体40と、スライダ50とを備えている。シャフト20は、ケース10から外部に突出して軸周りに回転自在である。回転盤30は、ケース10内に収納されており、シャフト20に連結されてシャフト20とともに回転する。複数の粒状体40は、ケース10内に充填されている。スライダ50は、回転盤30に当接しており、回転盤30が一回転する間の所定の角度範囲Rでシャフト20の軸方向に移動して粒状体40を充填する充填空間11の容積を変える。【選択図】図5

Description

本発明は、粒状体ダンパに関する。
従来、粒状体を用いたダンパが知られている。例えば下記非特許文献1には、シリンダ内に粒状体を充填し、その中でシャフトを回転運動させる回転型の粒状体ダンパが記載されている。このダンパは、ケースに対してシャフトが回転すると、シャフトと粒状体との間に摩擦力が生じ、この摩擦力によってシャフトの回転が抑制される。粒状体による摩擦力(減衰力)の大きさは、粒状体の流動性に依存し、流動性は充填率に依存する。
林浩一、井門康司「回転型粒状体ダンパーのローター位置が減衰力特性に及ぼす影響」、日本機械学会東海支部第65期総会・講演会講演論文集、2016年3月17日−18日、No.163−1
しかしながら、上記のような構成では、粒状体による摩擦力(減衰力)の変化がケースやシャフトの形状によるため、例えば特定の狭い回転角度範囲において減衰力を増す等の細かい設定をすることが難しい。そこで、減衰力の変化をシャフトの回転角度に依存させることが可能な粒状体ダンパの開発が望まれていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、減衰力の変化をシャフトの回転角度に依存させることが可能な粒状体ダンパを提供することを目的とする。
本発明1の粒状体ダンパは、ケースと、シャフトと、回転盤と、複数の粒状体と、スライダとを備えている。シャフトは、ケースから外部に突出して軸周りに回転自在である。回転盤は、ケース内に収納されており、シャフトに連結されてシャフトとともに回転する。複数の粒状体は、ケース内に充填されている。スライダは、回転盤に当接しており、回転盤が一回転する間の所定の角度範囲でシャフトの軸方向に移動して粒状体を充填する充填空間の容積を変える。
本発明2の粒状体ダンパは、ケースと、シャフトと、仕切部材と、複数の粒状体と、回転盤とを備えている。シャフトは、ケースから外部に突出して軸周りに回転自在である。仕切部材は、シャフトが貫通し、ケース内に固定されている。複数の粒状体は、ケース内に充填されている。回転盤は、ケース内に収納され、仕切部材に当接しており、シャフトに連結されてシャフトとともに回転し、シャフトの軸周りに一回転する間の所定の角度範囲でシャフトの軸方向に移動して粒状体を充填する充填空間の容積を変える。
本発明1,2によれば、シャフトの回転範囲のうち所定の角度範囲で、充填空間の容積が相対的に変わり、粒状体による摩擦力が変化する。すなわち減衰力の変化をシャフトの回転角度に依存させることができる。
本発明1の粒状体ダンパは、回転盤には、スライダとの対向面に第1突部が設けられ、スライダには、回転盤との対向面に第2突部が設けられ、所定の角度範囲で第1突部と第2突部とが当接してスライダがシャフトの軸方向に移動するものとしてもよい。このような構成によれば、所定の角度範囲で第1突部と第2突部とが当接するように設定し、所定の角度範囲で減衰力を増すことができる。
また、本発明2の粒状体ダンパは、回転盤には、仕切部材との対向面に第1突部が設けられ、仕切部材には、回転盤との対向面に第2突部が設けられ、所定の角度範囲で第1突部と第2突部とが当接して回転盤がシャフトの軸方向に移動するものとしてもよい。このような構成によれば、所定の角度範囲で第1突部と第2突部とが当接するように設定し、所定の角度範囲で減衰力を増すことができる。
また、本発明1の粒状体ダンパは、ケース及びスライダが、スライダの軸周りの回転を規制した状態で軸方向の移動を案内するガイド部を備えているものとしてもよい。このような構成によれば、第2突部の位置をシャフトの回転方向において固定することができるから、所定の角度範囲で第1突部と第2突部とが当接するように容易に設定できる。
また、本発明1の粒状体ダンパは、スライダが、スライダ本体と、ピストン部材と、弾性部材とを備えているものとしてもよい。スライダ本体は、回転盤に対向する面に開口した凹部が形成されている。ピストン部材は、凹部の開口から回転盤側に突出した突出部が第2突部を構成し、突出部の突出量が増減する方向にスライダ本体に対して相対移動自在である。弾性部材は、凹部内に配されてピストン部材が突出する方向に弾性力を付与する。スライダ本体には、ピストン部材が突出量を減少する方向に移動する際に凹部内の空気を排出する空気孔が形成されている。このような構成によれば、シャフト及び回転盤の回転速度が遅く、ピストン部材(第2突部)を押す力がゆっくり増した場合、凹部内の空気が空気孔から抜けてピストン部材が凹部内を変位するため、スライダはほとんど移動しない。一方、シャフト及び回転盤の回転速度が速く、ピストン部材(第2突部)を押す力が急速に増した場合、凹部内の空気が空気孔から抜けにくいため、ピストン部材が凹部内を変位する量が小さく、その分スライダの移動量は大きくなる。したがって、この粒状体ダンパは、減衰力の変化をシャフトの回転速度に応じてシャフトの回転角度に依存させることができる。
実施形態1における粒状体ダンパを用いたドア用ヒンジが取り付けられたドアを示す概略図 粒状体ダンパを用いたドア用ヒンジを示す正面図 ドア用ヒンジに用いた場合の粒状体ダンパを示す断面図であって、図2のA−A位置における断面に相当する断面図 第1突部と第2突部とが当接していない状態の粒状体ダンパを示す断面図 第1突部と第2突部とが当接してスライダが軸方向に移動した状態の粒状体ダンパを示す断面図 ドア開放状態における第1突部及び第2突部の位置関係を示す概略図 ドア閉鎖状態における第1突部及び第2突部の位置関係を示す概略図 実施形態2における粒状体ダンパを示す断面図 実施形態3における粒状体ダンパのスライダを示す断面図 他の実施形態(1)におけるガイド部を示し、(A)はガイド部を示す断面図、(B)はガイド部を示す正面図
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1について、図1〜図7を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態1では、図1に示すように、粒状体ダンパDをドア用ヒンジに適用した場合について説明する。ここでは、粒状体ダンパDを、ドア枠2にドア1を固定する上下のドア用ヒンジのうち下側のドア用ヒンジに用いる場合を説明する。以下、各構成部材において、図3における上側(ドア用ヒンジとして用いた場合の上側)を上方、下側(ドア用ヒンジとして用いた場合の下側)を下方として説明する。
本実施形態1における粒状体ダンパDは、図3に示すように、ケース10、シャフト20、回転盤30、複数の粒状体40、及びスライダ50を備えている。シャフト20はケース10から外部に突出して軸周りに回転自在である。回転盤30はシャフト20に連結されてシャフト20とともに回転する。複数の粒状体40はケース10内に充填されている。スライダ50はシャフト20の軸方向に移動して粒状体40を充填する充填空間11の容積を変える。
ケース10は、上下方向における両端が開口した円筒状をなすケース本体12を備えている。ケース本体12の上端部には、シャフト20を摺動自在に軸支するロッドガイド13が固定され、ケース本体12の下端部には、キャップ14が嵌合されている。ケース10の内部には充填空間11が形成されている。
ケース10の内周面には、図3に示すように、シャフト20の軸線に沿って延びる溝状をなすガイド溝部15が形成されている。ガイド溝部15は、後述するスライダ50のガイド突部52とともに、スライダ50の軸周りの回転を規制した状態でスライダ50の軸方向の移動を案内するガイド部を構成する。ガイド溝部15は、ケース本体12の所定の高さ位置からケース本体12の下端まで直線状に延びている。ケース10には、ドア枠2に固定される羽根部16が備えられている(図2参照)。
シャフト20は、図3に示すように、少なくとも後述するロッドガイド13及びスライダ50を貫通する部分が円柱形状をなし、上端部はケース10から上方に突出している。シャフト20の上端部には、減衰対象となる部品が接続される接続部21が設けられている。本実施形態1では、接続部21に、ドア1に固定されたヒンジ部品3が接続されている。ヒンジ部品3は、シャフト20の回転軸Lに沿って同軸状に配される。ヒンジ部品3には、図2に示すように、ドア1に固定される羽根部4が備えられている。ヒンジ部品3は、ドア1の開閉に伴って回転し、それによりシャフト20が回転する。
シャフト20の下端部(スライダ50より下側に配置される部分)は、図3に示すように、ケース10の充填空間11内に配置されている。シャフト20の下端部には、回転軸L側から遠心方向に延出する回転子22が備えられている。回転子22は、回転軸L周りに等間隔で4つ設けられている。
回転盤30は、シャフト20の上下方向における略中心にシャフト20と一体に設けられ、ケース10内に収納されている。回転盤30は、シャフト20より一回り大きい外径寸法を有している。回転盤30の外径寸法は、ケース本体12の内径寸法と同等とされている。
回転盤30の下面(スライダ50との対向面であって、以後第1対向面31と称する)には、図3〜図6に示すように、第1突部32が設けられている。第1突部32は、図6に示すように、回転盤30の所定の角度範囲Rにわたって設けられている。第1突部32は、シャフト20の外周面から回転盤30の外周面にわたる全幅に設けられている。
第1突部32は、シャフト20の軸周りにおいて第1対向面31からの突出寸法が一定の部分(以後、不変部33と称する)と、第1対向面31からの突出寸法が変化する部分(以後、可変部34と称する)とを備えている。不変部33の突出面(下面)35は、回転軸Lに対して垂直、言い換えると、第1対向面31と平行である。
可変部34は、図6に示すように、不変部33を間に一対が設けられている。一対の可変部34のうちドア1の閉じ方向Cにおいて不変部33の前側に配されている可変部34を第1可変部34F、後側に配されている可変部34を第2可変部34Sと称する。また、所定の角度範囲Rのうち第1可変部34Fが設けられている範囲を第1角度範囲R1、不変部33が設けられている範囲を第2角度範囲R2、第2可変部34Sが設けられている範囲を第3角度範囲R3と称する。
第1可変部34Fの下面は、ドア1の閉じ方向Cにおける後側に向かって次第に突出寸法が増す傾斜面を構成し、第2可変部34Sの下面は、ドア1の閉じ方向Cにおける後側に向かって次第に突出寸法が小さくなる傾斜面を構成している。本実施形態1では、所定の角度範囲Rはおよそ65度であり、第1角度範囲R1は50度、第2角度範囲R2は13度、第3角度範囲R3は2度とされている。
スライダ50は、図4及び図5に示すように、回転盤30に当接しており、回転盤30が一回転する間の所定の角度範囲Rで上下方向(軸方向)に移動する。スライダ50は、中心部にシャフト20が貫通する貫通穴51を有するリング状をなし、回転盤30の下側に配置されている。スライダ50の外径寸法は、ケース本体12の内径寸法より僅かに小さい。充填空間11はスライダ50の下方に形成され、スライダ50により粒状体40が漏れ出ないように閉塞されている。
スライダ50の外周面には、ケース10のガイド溝部15とともにガイド部を構成するガイド突部52が突出して設けられている(図6参照)。ガイド突部52がガイド溝部15に嵌合し、スライダ50の軸周りの回転が規制され、ガイド突部52がガイド溝部15に沿って上下方向に移動し、スライダ50の軸方向の移動が案内される。
スライダ50の上面(回転盤30との対向面であって、以後、第2対向面53と称する)には、図4及び図5に示すように、第2突部54が設けられている。第2突部54は、スライダ50の第2対向面53の周方向における一部に形成されている。第2突部54は、突出面が丸みをなしたドーム状に形成されている。第2突部54は、図6に示すように、スライダ50の径方向に長い円形状をなし、スライダ50の内周面から外周面にわたっている。スライダ50は所定の角度範囲Rで第1突部32と第2突部54とが互いに当接して下方に移動する。また、スライダ50は、所定の角度範囲Rから外れたところで第1突部32と第2突部54とが当接しなくなり、上方に移動する。
複数の粒状体40は、直径が略同等の球形状をなす中実な小さい粒子であり、充填空間11の全体に均等に充填されている。粒状体40は、弾性体であり、例えばエラストマ粒子とされている。粒状体40は、ケース10の充填空間11内に80%程度の充填率で、すなわち、各々僅かに弾性変形が生じた状態で充填され、ケース10の内面及びシャフト20の外面に接触している。なお、各図においては、複数の粒状体40の一部が省略して示されている。粒状体40の材質は特に限定されず、また複数の粒状体40は、異なる粒径の粒状体40を混合したものであってもよい。
スライダ50が下方に移動すると、充填空間11の容積が小さくなり、粒状体40の充填率が大きくなって、シャフト20に作用する摩擦力(減衰力)が大きくなる。一方、スライダ50が上方に移動すると、充填空間11の容積が大きくなり、粒状体40の充填率が小さくなって、シャフト20に作用する摩擦力が小さくなる。すなわち、第1突部32と第2突部54とが互いに当接していない状態の減衰力に比して、第1突部32と第2突部54とが互いに当接している状態の減衰力が相対的に大きくなる。
次に、本実施形態1の粒状体ダンパDをドア用のヒンジに適用した場合の作用を説明する。本実施形態1では、ドアが完全に開いた状態(以後、ドア開放状態と称する)とドアが完全に閉じた状態(以後、ドア閉鎖状態と称する)との間でドア1は180度以下の角度範囲で回動する。第1突部32と第2突部54との位置関係は、ドア1がドア閉鎖状態に至る直前の所定の角度範囲Rにおいて互いに当接するように設定されている。なお、ドア開放状態における第1突部32と第2突部54との位置関係を図6に示し、ドア閉鎖状態における第1突部32と第2突部54との位置関係を図7に示した。ドア開放状態及びドア閉鎖状態では、第1突部32と第2突部54との位置は回転軸L周りにずれており、第1突部32と第2対向面53、第2突部54と第1対向面31とが上下に当接または近接した状態になる。この状態では、スライダ50は最も上側、すなわち充填空間11の容積が最も大きくなる位置に配され、粒状体40の充填密度は最小になり、摩擦力(減衰力)は最小値になっている(図4参照)。
ドア開放状態からドア閉鎖状態に至るまで、シャフト20及び回転盤30は回転軸Lを中心にC方向に回転する。ドア1がドア開放状態から閉じ方向Cに移動すると、やがて回転盤30の第1可変部34Fが第2突部54に当接し、第1可変部34Fの傾斜面によってスライダ50が下方に変位し、次第に充填空間11の容積が小さくなり、粒状体40の摩擦力は次第に大きくなる。
第1可変部34Fが第2突部54を乗り越えると、不変部33が第2突部54に当接する。これにより、スライダ50は最も下側、すなわち充填空間11の容積が最も小さくなる位置に配され、粒状体40の充填密度は最大になり、摩擦力(減衰力)は最大値になる(図5参照)。
不変部33が第2突部54を乗り越えると、第2可変部34Sが第2突部54に当接し、第2可変部34Sの傾斜面によってスライダ50が上方に変位し、充填空間11の容積が大きくなり、粒状体40の摩擦力は小さくなってドア閉鎖状態に至る。
すなわち本実施形態1の粒状体ダンパDを用いたドア用ヒンジによれば、ドア1を閉じる場合には、ドア閉鎖状態に近づいた所定の角度範囲R(第1角度範囲R1及び第2角度範囲R2)で減衰力が大きくなってドア1がゆっくり閉じ方向Cに変位し、ドア閉鎖状態の直前(第3角度範囲R3)で減衰力が小さくなって確実にドア1が閉められる。
ドア1を開ける場合には、シャフト20及び回転盤30は閉じ方向Cと反対方向に回転する。この場合、ドア1を閉じる場合とは逆の順番、すなわち第2可変部34Sが第2突部54に当接し、不変部33が第2突部54に当接し、第1可変部34Fが第2突部54に当接して、第1突部32と第2突部54とがずれた状態になる。本実施形態1の粒状体ダンパDを用いたドア用ヒンジによれば、ドア1を開ける場合には、回動動作の当初の所定の角度範囲Rのみ減衰力が大きく、所定の角度範囲Rを超えるとドア開放状態に至るまで減衰力が最小の状態に保持される。よって、ドア1を容易に開くことができる。
次に、上記のように構成された本実施形態1の作用および効果について説明する。
本実施形態1の粒状体ダンパDは、ケース10と、シャフト20と、回転盤30と、複数の粒状体40と、スライダ50とを備えている。シャフト20は、ケース10から外部に突出して軸周りに回転自在である。回転盤30は、ケース10内に収納されており、シャフト20に連結されてシャフト20とともに回転する。複数の粒状体40は、ケース10内に充填されている。スライダ50は、回転盤30に当接しており、回転盤30が一回転する間の所定の角度範囲Rでシャフト20の軸方向に移動して粒状体40を充填する充填空間11の容積を小さくする。
この構成によれば、シャフト20の回転範囲のうち所定の角度範囲Rで、充填空間11の容積が相対的に小さくなり粒状体40による摩擦力が増す。すなわち減衰力の変化をシャフト20の回転角度に依存させることができる。
また、回転盤30の第1対向面31に第1突部32が設けられ、スライダ50の第2対向面53に第2突部54が設けられ、所定の角度範囲Rで第1突部32と第2突部54とが当接してスライダ50がシャフト20の軸方向に移動する。この構成によれば、所定の角度範囲Rで第1突部32と第2突部54とが当接するように設定し、所定の角度範囲Rで減衰力を増すことができる。
また、ケース10及びスライダ50は、スライダ50の軸周りの回転を規制した状態で軸方向の移動を案内するガイド溝部15及びガイド突部52を備えている。この構成によれば、第2突部54の位置をシャフト20の回転方向において固定することができるから、所定の角度範囲Rで第1突部32と第2突部54とが当接するように容易に設定できる。
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2に係る粒状体ダンパ60を図8によって説明する。本実施形態2の粒状体ダンパ60は、回転盤30が充填空間11の容積を変える点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態2に係る粒状体ダンパ60は、実施形態1と同様に、ケース10、シャフト20、回転盤130、及び複数の粒状体40を備えている。シャフト20はケース10から外部に突出して軸周りに回転自在である。回転盤130はシャフト20に連結されてシャフト20とともに回転する。複数の粒状体40はケース10内に充填されている。また、本実施形態2における粒状体ダンパ60は、ケース10内に固定された仕切部材61を備えている。回転盤130は仕切部材61に当接してシャフト20の軸方向に移動する。
仕切部材61は、中心部にシャフト20が貫通する貫通穴62を有するリング状をなし、回転盤130の上側に配置されている。仕切部材61は、ケース本体12に対して上下方向に変位しないように固定されている。
回転盤130は、実施形態1と同様、シャフト20と一体に設けられ、ケース10内に収納されている。回転盤130は、実施形態1と同様、シャフト20より一回り大きい外径寸法を有している。回転盤130の外径寸法は、ケース本体12の内径寸法よりも僅かに小さい。充填空間11は、回転盤130の下方に形成されており、回転盤130により粒状体40が漏れ出ないように閉塞されている。
回転盤130の仕切部材61との対向面(以後、第1対向面63と称する)には、第1突部65が設けられ、仕切部材61の回転盤130との対向面(以後、第2対向面64と称する)には、第2突部66が設けられている。
第1突部65は、実施形態1と同様、回転盤130の所定の角度範囲Rにわたって設けられ、第2突部66は、実施形態1と同様、仕切部材61の第1対向面63の周方向における一部に形成されている。第1突部65及び第2突部66は、それぞれ実施形態1と同様の構成を有している。
次に、本実施形態2の粒状体ダンパ60をドア用のヒンジに適用した場合の作用を説明する。本実施形態2では、実施形態1と同様、第1突部65と第2突部66との位置関係は、ドア1がドア閉鎖状態に至る直前の所定の角度範囲Rにおいて互いに当接するように設定されている。すなわち本実施形態2の粒状体ダンパ60を用いたドア用ヒンジによれば、実施形態1と同様、ドア1を閉じる場合には、ドア閉鎖状態に近づいた所定の角度範囲R(第1角度範囲R1及び第2角度範囲R2)で減衰力が大きくなってドア1がゆっくり閉じ方向Cに変位し、ドア閉鎖状態の直前(第3角度範囲R3)で減衰力が小さくなって確実にドア1が閉められる。一方、ドア1を開ける場合には、回動動作の当初の所定の角度範囲Rのみ減衰力が大きく、所定の角度範囲Rを超えるとドア開放状態に至るまで減衰力が最小の状態に保持される。よって、ドア1を容易に開くことができる。
本実施形態2の粒状体ダンパ60は、実施形態1と同様、所定の角度範囲Rで第1突部65と第2突部66とが当接して回転盤130が下方に移動し、所定の角度範囲Rから外れると第1突部65と第2突部66とが当接しなくなって回転盤130が上方に移動する。回転盤130が下方に移動すると、充填空間11の容積が小さくなり、粒状体40の充填率が大きくなって、シャフト20に作用する摩擦力(減衰力)が大きくなる。一方、回転盤130が上方に移動すると、充填空間11の容積が大きくなり、粒状体40の充填率が小さくなって、シャフト20に作用する摩擦力が小さくなる。すなわち、本実施形態2の粒状体ダンパ60は、実施形態1の粒状体ダンパ60と同様、第1突部65と第2突部66とが互いに当接していない状態の減衰力に比して、第1突部65と第2突部66とが当接している状態の減衰力が相対的に大きくなる。
以上のように本実施形態2においては、ケース10内に仕切部材61が固定され、回転盤130が仕切部材61に当接して、シャフト20の軸周りに一回転する間の所定の角度範囲Rでシャフト20の軸方向に移動して粒状体40を充填する充填空間11の容積を小さくするから、実施形態1と同様、減衰力の変化をシャフト20の回転角度に依存させることができる。
<実施形態3>
次に、本発明を具体化した実施形態3に係る粒状体ダンパ70を図9によって説明する。本実施形態3の粒状体ダンパ70は、スライダ71がピストン部材74を備えている点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態3のスライダ71は、実施形態1と同様、中心部にシャフト20が貫通する貫通穴51を有するリング状をなし、回転盤30の下側に配置されている。スライダ71は、回転盤30に対向する第2対向面53に開口した凹部72が形成されたスライダ本体73と、凹部72の開口から上側(回転盤30側)に突出した形態で凹部72に嵌め込まれたピストン部材74と、凹部72内に配されてピストン部材74を支持する弾性部材75とを備えている。
ピストン部材74のうちスライダ本体73の上面(第2対向面53)から上方に突出した突出部76は、第2突部54を構成する。ピストン部材74は、突出部76の突出量が増減する方向にスライダ本体73に対して相対移動自在である。
弾性部材75は、圧縮コイルばねであり、ピストン部材74が突出する方向に弾性力を付与する。
スライダ本体73には、ピストン部材74が突出量を減少する方向に移動する際に凹部72内の空気を排出する空気孔77が形成されている。空気孔77は、スライダ本体73の底壁78を上下方向に貫通している。
本実施形態3の粒状体ダンパ70をドア用のヒンジに適用した場合には、実施形態1と同様、ドア1を閉じる場合には、ドア閉鎖状態に近づいた所定の角度範囲R(第1角度範囲R1及び第2角度範囲R2)で減衰力が大きくなってドア1がゆっくり閉じ方向Cに変位し、ドア閉鎖状態の直前(第3角度範囲R3)で減衰力が小さくなって確実にドア1が閉められる。一方、ドア1を開ける場合には、回動動作の当初の所定の角度範囲Rのみ減衰力が大きく、所定の角度範囲Rを超えるとドア開放状態に至るまで減衰力が最小の状態に保持される。よって、ドア1を容易に開くことができる。
本実施形態3の粒状体ダンパ70によれば、シャフト20及び回転盤30の回転が遅く、第1突部32がピストン部材74(第2突部54)を押す力がゆっくり増した場合、凹部72内の空気が空気孔77から抜けてピストン部材74が凹部72内を変位するため、スライダ71はほとんど移動しない。一方、シャフト20及び回転盤30の回転が速く、第1突部32がピストン部材74(第2突部54)を押す力が急速に増した場合、凹部72内の空気が空気孔77から抜けにくいため、ピストン部材74が凹部72内を変位する量が小さく、その分スライダ71の移動量は大きくなる。したがって、この粒状体ダンパ70は減衰力の変化を回転盤30(シャフト20)の回転速度に応じてシャフト20の回転角度に依存させることができる。すなわち、本実施形態3の粒状体ダンパ70によれば、減衰力をシャフト20の回転角度及び回転速度に依存させることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1では、スライダ50の移動を案内するガイド部の具体的な構造としてガイド溝部15及びガイド突部52を例示したが、これに限らず、ガイド部は、任意の構造に変更できる。例えばガイド部は、図10に示すようなガイド溝部81とガイド突部82とからなるガイド部80であってもよい。ガイド溝部81は、上下方向の寸法がスライダ50の移動量に整合した寸法であり、ガイド突部82はスライダ50と別体の部品83で構成され、スライダ50に形成された穴部84に圧入またはネジ固定等により固定されたものである。
(2)上記実施形態1,2,3では、本発明の粒状体ダンパD(60)(70)をドア用ヒンジに適用した場合を例示したが、これに限らず、本発明の粒状体ダンパは、ドアの開閉のみならず、回転運動を行うものの回転を減速させる装置として、各種の形態で使用することができる。
(3)上記実施形態1,2では、回転盤30の第1対向面31及びスライダ50の第2対向面53、回転盤30の第1対向面63及び仕切部材61の第2対向面64の両方に突部を設けた場合を例示したが、これに限らず、いずれか一方に凹部を設けてもよい。例えば第1突部の形成範囲に凹部を設けた場合、第2突部に凹部が嵌合してスライダまたは回転盤が相対的に上方に移動し、充填空間の容積が大きくなる。これにより、所定の角度範囲で減衰力を減ずることができる。
(4)上記実施形態1では、第1突部32が回転盤30の第1対向面31に設けられているが、これに限らず、第1突部は、回転盤の外周面に設けられてもよい。この場合、第1凸部に当接する第2凸部が回転盤の外周よりも外側を回転移動して所定の角度範囲で第1凸部に当接するようにしてもよい。
(5)上記実施形態1,2では、回転盤30及びスライダ50、また仕切部材61及び回転盤30が、充填空間11の上端に配されている場合を例示したが、これに限らず、回転盤及びスライダ、また仕切部材及び回転盤は、充填空間の下端に配されていてもよい。
(6)上記実施形態1,2では、第1突部32(65)及び第2突部54(66)の具体的な構成(配置位置、形状、個数等)を例示したが、これに限らず、第1突部及び第2突部の構成は任意に変更することができる。
(7)上記実施形態1,2では、回転子22の形状を例示したが、回転子22の形状によって、ドア1の開き方向と閉じ方向とで粒状体40の摩擦力を異ならせるようにしてもよい。
(8)上記実施形態1,2では、回転盤30とシャフト20とが一部品に設けられているが、これに限らず、回転盤とシャフトとを別部品にし、回転盤をシャフトに固定してもよい。このとき、上記実施形態2の粒状体ダンパ60は回転盤30をシャフト20の軸方向に相対的に移動自在に固定してもよい。
D,60,70…粒状体ダンパ、R…所定の角度範囲、10…ケース、15,81…ガイド溝部(ガイド部)、20…シャフト、30,130…回転盤、31…第1対向面(スライダとの対向面)、32,65…第1突部、40…粒状体、50,71…スライダ、52,82…ガイド突部(ガイド部)、53…第2対向面(回転盤との対向面)、54,66…第2突部、61…仕切部材、63…第1対向面(仕切部材との対向面)、64…第2対向面(回転盤との対向面)、72…凹部、73…スライダ本体、74…ピストン部材、75…弾性部材、76…突出部、77…空気孔

Claims (6)

  1. ケースと、
    前記ケースから外部に突出して軸周りに回転自在なシャフトと、
    前記ケース内に収納されており、前記シャフトに連結されて前記シャフトとともに回転する回転盤と、
    前記ケース内に充填された複数の粒状体と、
    前記回転盤に当接しており、前記回転盤が一回転する間の所定の角度範囲で前記シャフトの軸方向に移動して前記粒状体を充填する充填空間の容積を変えるスライダと、
    を備えていることを特徴とする粒状体ダンパ。
  2. ケースと、
    前記ケースから外部に突出して軸周りに回転自在なシャフトと、
    前記シャフトが貫通し、前記ケース内に固定された仕切部材と、
    前記ケース内に充填された複数の粒状体と、
    前記ケース内に収納され、前記仕切部材に当接しており、前記シャフトに連結されて前記シャフトとともに回転し、前記シャフトの軸周りに一回転する間の所定の角度範囲で前記シャフトの軸方向に移動して前記粒状体を充填する充填空間の容積を変える回転盤と、
    を備えていることを特徴とする粒状体ダンパ。
  3. 前記回転盤には、前記スライダとの対向面に第1突部が設けられ、
    前記スライダには、前記回転盤との対向面に第2突部が設けられ、
    前記所定の角度範囲で前記第1突部と前記第2突部とが当接して前記スライダが前記シャフトの軸方向に移動する請求項1に記載の粒状体ダンパ。
  4. 前記回転盤には、前記仕切部材との対向面に第1突部が設けられ、
    前記仕切部材には、前記回転盤との対向面に第2突部が設けられ、
    前記所定の角度範囲で前記第1突部と前記第2突部とが当接して前記回転盤が前記シャフトの軸方向に移動する請求項2に記載の粒状体ダンパ。
  5. 前記ケース及び前記スライダが、前記スライダの前記軸周りの回転を規制した状態で前記軸方向の移動を案内するガイド部を備えている請求項1又は請求項3に記載の粒状体ダンパ。
  6. 前記スライダは、
    前記回転盤に対向する面に開口した凹部が形成されたスライダ本体と、
    前記凹部の開口から前記回転盤側に突出した突出部が前記第2突部を構成し、前記突出部の突出量が増減する方向に前記スライダ本体に対して相対移動自在なピストン部材と、
    前記凹部内に配されて前記ピストン部材が突出する方向に弾性力を付与する弾性部材と、
    を備えており、
    前記スライダ本体には、前記ピストン部材が前記突出量を減少する方向に移動する際に前記凹部内の空気を排出する空気孔が形成されている請求項3に記載の粒状体ダンパ。
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