JP2019090520A - ダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】粘性流体を用いることなく回転子に制動力を働かせることができるダンパを提供する。【解決手段】ダンパ10は、回転子20と、ケース30と、複数の粒状体Gと、を備えている。回転子20は、シャフト22を有している。ケース30には、回転子20が収納される収納空間32が形成されており、収納空間32に配置された回転子20をシャフト22の軸周りに揺動自在に支持する。複数の粒状体Gは、回転子20とともに収納空間32に充填されている。複数の粒状体Gは、弾性を有している。【選択図】図2
Description
本発明は、ダンパに関する。
従来、粘性流体を用いたロータリダンパが知られている(例えば下記特許文献1に記載)。このダンパは、回転子が回転すると、ケーシングに充填された粘性流体が流動し、回転子に減衰力が働く。
しかしながら、上記のように粘性流体を用いるダンパは、ケーシングから粘性流体が漏れ出さないよう、シール部材等の経年劣化や繰り返し使用による損傷等を防ぐべくメンテナンスが必要である。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、粘性流体の漏れのおそれを無くすために、粘性流体を用いることなく回転子に減衰力を働かせることができるダンパを提供することを目的とする。
本発明のダンパは、回転子と、ケースと、複数の粒状体と、を備えている。回転子は、シャフトを有している。ケースは、回転子が収納される収納空間を形成し、収納空間に配置された回転子をシャフトの軸周りに揺動自在に支持する。複数の粒状体は、回転子とともに収納空間に充填されている。複数の粒状体は、弾性を有している。
本発明によれば、回転子が揺動すると、回転子と粒状体との間、収納空間を形成する壁面と粒状体との間、及び粒状体どうしで摩擦力が生じ、摩擦力が回転子の揺動を抑える方向の力となるから、粘性流体を用いることなく回転子に減衰力を働かせることができる。
本発明のダンパのケースは、シャフトの軸方向と交差する方向に移動自在に回転子を支持するものとしてもよい。このような構成によれば、回転子がシャフトの軸方向と交差する方向に移動でき、かつシャフトと粒状体との間、収納空間を形成する壁面と粒状体との間、及び粒状体どうしで生じた摩擦力が、回転子の同方向の移動を抑える方向の力となる。したがって、このダンパは、回転子のシャフトの軸方向と交差する方向の移動にも減衰力を働かせることができる。
また、本発明のダンパのケースは、一対のシャフトガイド部を有し、ケースまたは回転子は、カバー部材を有するものとしてもよい。一対のシャフトガイド部には、シャフトの軸方向における両端部が貫通する貫通孔が形成されている。貫通孔は、シャフトの軸周りの揺動及びシャフトの軸方向と交差する方向の移動を許容する。カバー部材は、貫通孔の隙間を塞ぐ。このような構成によれば、このダンパは、シャフトの移動に伴って貫通孔の隙間から粒状体が漏れ出ることを防ぐことができる。
また、本発明のダンパの回転子は、シャフトから放射方向に突出し、収納空間に配置される回転子本体を有するものとしてもよい。このような構成によれば、回転子に作用する摩擦力が大きくなるから、減衰力を大きくすることができる。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1について、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態1におけるダンパ10は、複数の粒状体Gを用いた粒状体ダンパである。ダンパ10は、シャフト22を有する回転子20と、シャフト22を支持するケース30とを備え、複数の粒状体Gにより回転子20の揺動(振動)を減衰させる。
以下、本発明を具体化した実施形態1について、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態1におけるダンパ10は、複数の粒状体Gを用いた粒状体ダンパである。ダンパ10は、シャフト22を有する回転子20と、シャフト22を支持するケース30とを備え、複数の粒状体Gにより回転子20の揺動(振動)を減衰させる。
回転子20は、図2に示すように、円形断面を有する柱状(円柱形状)をなすシャフト22と、シャフト22の軸方向に沿ってシャフト22の外周面から突出する回転子本体23とを備えている。
回転子本体23は、薄い板状をなしてシャフト22から放射状に突出し、シャフト22の外周面に対し略垂直に立っている。回転子本体23の厚さ寸法(回転子20の揺動方向の寸法)は一定であり、回転子本体23の両側面(回転子20の揺動方向における両面)24は略平行である。回転子本体23は、図1に示すように、シャフト22の軸方向における中心部に設けられている。回転子本体23の突出寸法は、シャフト22の軸方向において一定である。
ケース30には、図1に示すように、回転子20が収納されるとともに粒状体Gが充填される収納空間32が形成されている。ケース30は、収納空間32に配置された回転子20をシャフト22の軸周りに揺動自在に支持する。ケース30は、シャフト22と同軸の円筒形状をなしている(図3参照)。
ケース30は、収納空間32が形成された略円筒形状の本体部36と、本体部36の外周面を覆う外壁部37とを備えている。収納空間32の中央部は、本体部36の外周側に開放された形態で形成されている。収納空間32の中央部の開放された部分は、外壁部37で塞がれている。外壁部37は、本体部36の外径よりもわずかに大きい内径を有する円筒形状である。外壁部37の内周面38は、シャフト22と同軸の円弧状をなす曲面の一部とされている(図2参照)。外壁部37の内周面38と回転子本体23の突出端面25との間には、回転子20が揺動しても一定のスペースがあく。
収納空間32は、図1に示すように、複数の粒状体Gとともに回転子本体23が収納される第1収納空間32Fと、シャフト22が収納される第2収納空間32Sとを有している。第2収納空間32Sは、シャフト22の軸方向にケース30を貫通している。シャフト22の両端部はケース30の外側に突出している。
第2収納空間32Sの軸方向における両端部は、図3に示すように、全周が閉じた円形状をなす貫通孔34とされている。貫通孔34に支持された状態のシャフト22は、軸方向と交差する方向(径方向)の移動を制限された状態で回転自在とされている。貫通孔34は、本体部36及び外壁部37を同軸に貫通している。
第2収納空間32Sの軸方向における中間部は、図1に示すように、第1収納空間32Fと連通する連通部35とされている。連通部35は、図2に示すように、周方向の一部が開放された形態をなしている。連通部35の断面形状は、開放部分を除きシャフト22の外面に沿う円弧形状をなしている。
第1収納空間32Fは、第2収納空間32Sからケース30の外側に向かって幅寸法(回転子20の揺動方向の寸法)が次第に広がっている。第1収納空間32Fは、回転子本体23の全体を内部に収めるとともに、回転子本体23の周りに複数の粒状体Gを収めるだけの大きさを有している。
ケース30は、図2に示すように、回転子本体23の揺動方向における両側に位置して回転子本体23の揺動範囲を制限する(本実施形態では180度未満の揺動になるように制限する)ストッパ39を備えている。ストッパ39は、第1収納空間32Fを間にして対向する一対のケース30の内面により構成されている。各ストッパ39は、第2収納空間32Sから外壁部37にわたる平坦な面とされている。各ストッパ39は、ケース30の中心側(第2収納空間32S側)から径方向の外側(外壁部37側)に向かって互いの間隔が次第に増すように傾斜している。すなわち、各ストッパ39は、第2収納空間32Sから放射状に広がる面である。各ストッパ39を第2収納空間32S側に延ばすと第2収納空間32Sの中心軸上で交差する。
粒状体Gは、小さい粒子(例えば、粒径2mm程度)であり、収納空間32の全体に均等に充填されている。粒状体Gは球形状をなす中実なものであり、すべてが同形状とされている。すべての粒状体Gの径寸法(大きさ)は同じとされている。粒状体Gは、弾性体であり、例えばエラストマ粒子とされている。粒状体Gは、ケース30の内面と、回転子20の外面(シャフト22及び回転子本体23の外面)とに当接している。
次に、本実施形態1のダンパ10の動作を説明する。
回転子20に回転力が付与されると、回転子20は、シャフト22を中心に一方向または他方向に揺動する。このとき、シャフト22の外面及び回転子本体23の外面に接している粒状体Gは、回転子20とともに回転移動しようとする。しかしながら、収納空間32に充填されている粒状体Gは、隣接する粒状体G間の摩擦力で自由な回転移動が拘束されている。このため、シャフト22が回転するときに回転子20と粒状体Gとの間、収納空間32を形成する壁面と粒状体Gとの間、及び粒状体Gどうしに摩擦力が生じる。
回転子20に回転力が付与されると、回転子20は、シャフト22を中心に一方向または他方向に揺動する。このとき、シャフト22の外面及び回転子本体23の外面に接している粒状体Gは、回転子20とともに回転移動しようとする。しかしながら、収納空間32に充填されている粒状体Gは、隣接する粒状体G間の摩擦力で自由な回転移動が拘束されている。このため、シャフト22が回転するときに回転子20と粒状体Gとの間、収納空間32を形成する壁面と粒状体Gとの間、及び粒状体Gどうしに摩擦力が生じる。
また、回転子本体23は、収納空間32の一方の側(揺動方向先方)の粒状体Gを弾性変形させつつ変位する。粒状体Gは、ストッパ39と回転子本体23との間に挟まれ、粒状体Gの弾性変形量は次第に増し、シャフト22の回転を抑える方向の弾性力が次第に大きくなる。
粒状体Gによって生じた摩擦力や弾性力は、シャフト22の回動に抵抗する力となり、シャフト22の回動が減衰される。なお、一部の粒状体Gは、回転子本体23と外壁部37(ケース30の内周面38)との間の隙間から収納空間32の他方の側へ移動するため、他方の側に粒状体Gが充填された状態が保持される。このとき、隙間を通過する粒状体Gによる摩擦力は、回転子20の回転を抑える方向の力となって回転子20に作用する。
なお、回転子20に作用する回転力が解放されると、ストッパ39と回転子本体23との間でつぶれた粒状体Gの弾性力により、回転子20は、先の回転力の作用方向と反対方向に押圧される。
なお、回転子20に作用する回転力が解放されると、ストッパ39と回転子本体23との間でつぶれた粒状体Gの弾性力により、回転子20は、先の回転力の作用方向と反対方向に押圧される。
次に、上記のように構成された本実施形態1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるダンパ10は、回転子20と、ケース30と、複数の粒状体Gと、を備えている。回転子20は、シャフト22を有している。ケース30には、回転子20が収納される収納空間32が形成されている。ケース30は、収納空間32に配置された回転子20をシャフト22の軸周りに揺動自在に支持する。複数の粒状体Gは、弾性を有し、回転子20が配置された収納空間32に充填されている。この構成によれば、回転子20が揺動すると、回転子20と粒状体Gとの間及び粒状体Gどうしで摩擦力が生じ、回転子20の揺動を抑える方向の力となって回転子20に作用するから、粘性流体を用いることなく回転子20に減衰力を働かせることができる。
本実施形態におけるダンパ10は、回転子20と、ケース30と、複数の粒状体Gと、を備えている。回転子20は、シャフト22を有している。ケース30には、回転子20が収納される収納空間32が形成されている。ケース30は、収納空間32に配置された回転子20をシャフト22の軸周りに揺動自在に支持する。複数の粒状体Gは、弾性を有し、回転子20が配置された収納空間32に充填されている。この構成によれば、回転子20が揺動すると、回転子20と粒状体Gとの間及び粒状体Gどうしで摩擦力が生じ、回転子20の揺動を抑える方向の力となって回転子20に作用するから、粘性流体を用いることなく回転子20に減衰力を働かせることができる。
また、回転子20が、シャフト22から放射方向に突出し、収納空間32に配置される回転子本体23を備えている。この構成によれば、回転子20に働く摩擦力が大きくなるから、減衰力を大きくすることができる。
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2に係るダンパ50を図4〜図9によって説明する。本実施形態2のダンパ50は、回転子20が、シャフト22の回転方向の揺動に加えてシャフト22の軸方向と交差する方向に移動自在である点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
次に、本発明を具体化した実施形態2に係るダンパ50を図4〜図9によって説明する。本実施形態2のダンパ50は、回転子20が、シャフト22の回転方向の揺動に加えてシャフト22の軸方向と交差する方向に移動自在である点で、実施形態1とは相違する。なお、実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態2に係るダンパ50は、実施形態1と同様に、回転子20と、ケース51と、複数の粒状体Gと、を備えている。ケース51には、実施形態1と同様、回転子20及び粒状体Gが収納される収納空間52が形成されている。収納空間52は、実施形態1と同様、複数の粒状体Gとともに回転子本体23が収納される第1収納空間52Fと、シャフト22が収納される第2収納空間52Sとを有している。
第1収納空間52Fは、第2収納空間52Sの概ね全長(本体部36に形成された部分の全体)に連通して設けられている(図4参照)。第2収納空間52Sのうち第1収納空間52Fと連通する連通部58は、周方向の一部が開放された形態をなしている。
第2収納空間52Sの周面は、図5に示すように、第1収納空間52Fとは反対側に位置する受け部53と、受け部53の第1収納空間52F側に連なるガイド部54とを備えている。受け部53は、シャフト22の外周面に沿う円弧形状をなし、シャフト22の外周面にほぼ隙間なく接することができる。ガイド部54は、シャフト22の移動方向に略平行に延び、シャフト22のラジアル方向の移動を案内することができる。
第1収納空間52Fは、粒状体Gとともに回転子本体23を収容する部分(以後、第1収納部59と称する)と、粒状体Gのみを収容する部分(以後、第2収納部61と称する)とを備えている。第1収納部59は、実施形態1の第1収納空間32Fと同様の形状をなしている(図5参照)。
第2収納部61は、ケース51の軸方向における両端部に設けられている。第2収納部61の幅寸法(回転子20の揺動方向の寸法)は、第2収納空間52Sからケース51の外側に向かって一定とされている。第2収納部61の幅寸法は、第1収納部59の幅寸法より小さく、シャフト22の幅寸法(径寸法)と同等とされている(図6参照)。
第2収納部61の幅方向の両面は、第2収納空間52Sのガイド部54に連続してシャフト22のラジアル方向の移動を案内する案内部57を構成している。案内部57とシャフト22との間の隙間は、シャフト22が第1収納空間52F側へ移動しても、第1収納空間52Fから第2収納空間52S側へ粒状体Gが入り込まない大きさである。
ケース51は、図4〜図7に示すように、シャフト22の軸方向と交差する方向(ラジアル方向)に移動自在に回転子20を支持している。ケース51の貫通孔55は、シャフト22の軸周りの揺動及びシャフト22のラジアル方向の移動を許容する大きさ及び形状を有している。貫通孔55は、図7に示すように、シャフト22の移動方向に長い長円形状をなして全周が閉じた形態とされている。
貫通孔55のうち受け部53と対向する側は、シャフト22のラジアル方向の移動を止める止め部56とされている(図7参照)。止め部56は、受け部53と同様、シャフト22の外周面に沿う円弧形状をなし、シャフト22の外周面にほぼ隙間なく接することができる。
ケース51は、貫通孔55が形成された一対のシャフトガイド部65を備えている。シャフトガイド部65は、外壁部37の一部(ケース51の軸方向における両端部)によって構成されている。貫通孔55は、ケース51の外壁部37を貫通している(図4参照)。
ケース51は、図4〜図7に示すように、第2収納空間52Sの開口(貫通孔55)の隙間を塞いで粒状体Gの漏れを防ぐカバー部材62を備えている。カバー部材62は、シャフト22が受け部53側に位置しているときに貫通孔55の止め部56側にできる隙間を塞いでいる。カバー部材62は、シャフト22とともにラジアル方向にスライド移動自在な構造でケース51に取り付けられている。
カバー部材62は、貫通孔55の隙間を塞ぐ部分(以後、塞ぎ部63と称する)と、粒状体Gとシャフト22との間に配される部分(以後、挟持部64と称する)とを、一体に備えている。カバー部材62は、第2収納部61に収容されている。
塞ぎ部63は、貫通孔55の隙間を覆うことができる大きさ及び形状を備えた板状をなしている。塞ぎ部63は、シャフト22が第2収納空間52Sの受け部53側に位置しているときに、第1収納空間52F側に形成される隙間の全体を塞ぐ。
挟持部64は、図6に示すように、シャフト22の外周面に沿う形状(円弧形状)の板状をなしている。挟持部64のうち一方の板面は、シャフト22の外周面に接し、他方の板面は、粒状体Gに接する。粒状体Gは、常には、シャフト22を第2収納空間52Sの受け部53に押し付けた状態に保持する。
次に、本実施形態のダンパ50の動作を説明する。
回転子20に回転力が付与されて、回転子20が一方向または他方向に揺動すると、実施形態1と同様、粒状体Gによって生じた摩擦力や弾性力により、シャフト22の回転が減衰される。
回転子20に回転力が付与されて、回転子20が一方向または他方向に揺動すると、実施形態1と同様、粒状体Gによって生じた摩擦力や弾性力により、シャフト22の回転が減衰される。
また、回転子20にラジアル方向の力(回転子20を第1収納空間52F側へ押す力)が付与されると、シャフト22が第1収納空間52Fの粒状体Gを弾性変形させつつ第1収納空間52F側へ移動する。シャフト22の移動に伴って第1収納空間52Fは次第に狭まり、粒状体Gの弾性変形量が次第に増す。これにより、シャフト22の移動を抑える力が大きくなり、シャフト22の移動が減衰される。シャフト22の移動は、シャフトガイド部65の止め部56によって所定の範囲に制限される。
回転子20に作用する力が解放されると、粒状体Gの弾性力によりカバー部材62の挟持部64が第2収納空間52S側に押圧され、シャフト22が元の位置に押し戻される。
次に、本実施形態のダンパ50を、回転方向及びラジアル方向の揺動(振動)を、同時に抑えることが必要な製品に適用した場合の一例として、例えば自転車のサドルSに適用した場合について説明する。このような場合には、図8及び図9に示すように、ダンパ50の回転子20をサドルSに連結し、ケース51を自転車のシートポスト(サドルSを取り付ける棒状の部品)Pに連結する。
例えば自転車のサドルSに運転者が腰掛けたときには、その荷重によって回転子20に下向きの力が付与され、回転子20は下側(第1収納空間52F側)へゆっくり移動し、サドルSはゆっくり沈む。また、運転中に運転者の臀部が上下に移動したときには、サドルS(回転子20)の上下の移動が減衰される。
また、例えば運転者が運転中に左右に揺れたときには、回転子20に回転力が付与され、回転子20の揺動力が減衰される。
このように本実施形態のダンパ50を自転車のサドルSに適用すれば、自転車の乗り心地をよくすることができる。
このように本実施形態のダンパ50を自転車のサドルSに適用すれば、自転車の乗り心地をよくすることができる。
次に、上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態2におけるダンパ50は、実施形態1と同様、回転子20と、ケース51と、複数の粒状体Gと、を備えている。回転子20は、シャフト22を有している。ケース51には、回転子20が収納される収納空間52が形成されている。ケース51は、収納空間52に配置された回転子20をシャフト22の軸周りに揺動自在に支持する。複数の粒状体Gは、弾性を有し、回転子20が配置された収納空間52に充填されている。この構成によれば、回転子20が揺動すると、回転子20と粒状体Gとの間、収納空間52を形成する壁面と粒状体Gとの間、及び粒状体Gどうしで摩擦力が生じ、回転子20の揺動を抑える方向の力となって回転子20に作用するから、粘性流体を用いることなく回転子20に減衰力を働かせることができる。
本実施形態2におけるダンパ50は、実施形態1と同様、回転子20と、ケース51と、複数の粒状体Gと、を備えている。回転子20は、シャフト22を有している。ケース51には、回転子20が収納される収納空間52が形成されている。ケース51は、収納空間52に配置された回転子20をシャフト22の軸周りに揺動自在に支持する。複数の粒状体Gは、弾性を有し、回転子20が配置された収納空間52に充填されている。この構成によれば、回転子20が揺動すると、回転子20と粒状体Gとの間、収納空間52を形成する壁面と粒状体Gとの間、及び粒状体Gどうしで摩擦力が生じ、回転子20の揺動を抑える方向の力となって回転子20に作用するから、粘性流体を用いることなく回転子20に減衰力を働かせることができる。
また、本実施形態2のダンパ50のケース51は、シャフト22の軸方向と交差する方向に移動自在に回転子20を支持している。この構成によれば、回転子20がシャフト22の軸方向と交差する方向に移動でき、かつシャフト22と粒状体Gとの間、収納空間52を形成する壁面と粒状体Gとの間、粒状体Gどうしで生じた摩擦力、及び粒状体Gの弾性変形による弾性力が、回転子20の同方向の移動を抑える方向の力となる。したがって、このダンパ50は、回転子20のシャフト22の軸方向と交差する方向の移動にも減衰力を働かせることができる。
また、本実施形態2のダンパ50のケース51は、一対のシャフトガイド部65と、カバー部材62とを有している。一対のシャフトガイド部65には、シャフト22の軸方向における両端部が貫通する貫通孔55が形成されている。貫通孔55は、シャフト22の軸周りの揺動及びシャフト22の軸方向と交差する方向の移動を許容する。カバー部材62は、貫通孔55の隙間を塞ぐ。この構成によれば、このダンパ50は、シャフト22の移動に伴って貫通孔55の隙間から粒状体Gが漏れ出ることを防ぐことができる。
また、本実施形態2のダンパ50の回転子20は、実施形態1と同様、シャフト22から放射方向に突出し、収納空間52に配置される回転子本体23を有している。この構成によれば、回転子20に作用する摩擦力が大きくなるから、減衰力を大きくすることができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、第2収納空間32S(52S)が、シャフト22の軸方向にケース30(51)を貫通しているが、これに限らず、第2収納空間は、ケースを貫通していなくてもよく、すなわちシャフトの両端部がケースの外側に突出していなくてもよく、例えばケースの内面に設けられた凹部にシャフトの両端部を支持させ、シャフトの中間部を外部(ダンパを適用する製品)に連結してもよい。
(2)上記実施形態では、粒状体Gが球形状とされているが、これに限らず、粒状体の形状は任意に変更することができる。また、粒状体の外面に凹凸形状を設けたり、摩擦力が高い材料をコーティングする等してもよい。
(3)上記実施形態では、粒状体Gは中実とされているが、これに限らず、粒状体は中空であってもよい。
(4)上記実施形態では、粒状体Gの粒径が等しくされているが、これに限らず、粒径の異なる粒状体が混在してもよい。
(5)上記実施形態では、ケース30(51)の形状を例示したが、これに限らず、ケースの形状は任意に変更することができ、例えばケースは、四角い箱形状等としてもよい。
(6)上記実施形態では、回転子本体23の形状を例示したが、これに限らず、回転子本体の形状は任意に変更でき、例えば、回転子本体はシャフトを中心に180度異なる方向に突出する一対の回転子本体であってもよく、このような場合、ケースの内部に、各回転子本体に対応するように収納空間を分けて設けてもよい。
(7)上記実施形態では、ストッパ39は、第2収納空間32S(52S)から放射状に広がる面であるが、これに限らず、ストッパは、例えばケースの内面に突設された突起部の先端等であってもよい。
(8)上記実施形態2では、ダンパ50を自転車のサドルSに適用した場合について説明したが、これに限らず、ダンパは、サドル以外の各種の製品に適用することができる。
(9)上記実施形態2では、ケース51が、カバー部材62を備えているが、必ずしもカバー部材を備えなくてもよく、例えば貫通孔の隙間から漏れ出さない大きさの粒状体を用いる等してもよい。
(10)上記実施形態2では、ケース51が、カバー部材62を備えているが、これに限らず、例えばカバー部材をシャフトに一体に設けてもよい。
(11)上記実施形態2では、カバー部材62が、シャフト22とともに移動するものとされているが、これに限らず、カバー部材は、例えばシャフトの移動とともに変形自在な(例えば蛇腹形状の)塞ぎ部を有してケースに固定されていてもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、第2収納空間32S(52S)が、シャフト22の軸方向にケース30(51)を貫通しているが、これに限らず、第2収納空間は、ケースを貫通していなくてもよく、すなわちシャフトの両端部がケースの外側に突出していなくてもよく、例えばケースの内面に設けられた凹部にシャフトの両端部を支持させ、シャフトの中間部を外部(ダンパを適用する製品)に連結してもよい。
(2)上記実施形態では、粒状体Gが球形状とされているが、これに限らず、粒状体の形状は任意に変更することができる。また、粒状体の外面に凹凸形状を設けたり、摩擦力が高い材料をコーティングする等してもよい。
(3)上記実施形態では、粒状体Gは中実とされているが、これに限らず、粒状体は中空であってもよい。
(4)上記実施形態では、粒状体Gの粒径が等しくされているが、これに限らず、粒径の異なる粒状体が混在してもよい。
(5)上記実施形態では、ケース30(51)の形状を例示したが、これに限らず、ケースの形状は任意に変更することができ、例えばケースは、四角い箱形状等としてもよい。
(6)上記実施形態では、回転子本体23の形状を例示したが、これに限らず、回転子本体の形状は任意に変更でき、例えば、回転子本体はシャフトを中心に180度異なる方向に突出する一対の回転子本体であってもよく、このような場合、ケースの内部に、各回転子本体に対応するように収納空間を分けて設けてもよい。
(7)上記実施形態では、ストッパ39は、第2収納空間32S(52S)から放射状に広がる面であるが、これに限らず、ストッパは、例えばケースの内面に突設された突起部の先端等であってもよい。
(8)上記実施形態2では、ダンパ50を自転車のサドルSに適用した場合について説明したが、これに限らず、ダンパは、サドル以外の各種の製品に適用することができる。
(9)上記実施形態2では、ケース51が、カバー部材62を備えているが、必ずしもカバー部材を備えなくてもよく、例えば貫通孔の隙間から漏れ出さない大きさの粒状体を用いる等してもよい。
(10)上記実施形態2では、ケース51が、カバー部材62を備えているが、これに限らず、例えばカバー部材をシャフトに一体に設けてもよい。
(11)上記実施形態2では、カバー部材62が、シャフト22とともに移動するものとされているが、これに限らず、カバー部材は、例えばシャフトの移動とともに変形自在な(例えば蛇腹形状の)塞ぎ部を有してケースに固定されていてもよい。
G…粒状体、10,50…ダンパ、20…回転子、22…シャフト、23…回転子本体、30,51…ケース、32,52…収納空間、55…貫通孔、62…カバー部材、65…シャフトガイド部
Claims (4)
- シャフトを有する回転子と、
前記回転子が収納される収納空間を形成し、前記収納空間に配置された前記回転子を前記シャフトの軸周りに揺動自在に支持するケースと、
前記回転子とともに前記収納空間に充填される弾性を有する複数の粒状体と、
を備えているダンパ。 - 前記ケースは、前記シャフトの軸方向と交差する方向に移動自在に前記回転子を支持する請求項1に記載のダンパ。
- 前記ケースは、
前記シャフトの軸方向における両端部が貫通し、前記シャフトの軸周りの揺動及び前記シャフトの軸方向と交差する方向の移動を許容する貫通孔が形成された一対のシャフトガイド部を有し、
前記ケースまたは前記回転子は、
前記貫通孔の隙間を塞ぐカバー部材を有する請求項2に記載のダンパ。 - 前記回転子は、前記シャフトから放射方向に突出し、前記収納空間に配置される回転子本体を有する請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のダンパ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2017221595A JP2019090520A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | ダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2017221595A JP2019090520A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | ダンパ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019090520A true JP2019090520A (ja) | 2019-06-13 |
Family
ID=66836241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017221595A Pending JP2019090520A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | ダンパ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019090520A (ja) |
-
2017
- 2017-11-17 JP JP2017221595A patent/JP2019090520A/ja active Pending
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