JP4252235B2 - ダンパ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃を弱めたり振動や運動を減衰させたりするダンパに関し、例えば回転運動している物体の回転運動を減衰させるために好適なダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、衝撃を弱めたり振動や運動を減衰させたりするダンパ(緩衝装置又は振動減衰装置)が各種の機械や装置に広く使用されている。ダンパは、一般に、その内部に組み込まれたゴム、ばね、空気、及び油などの弾性あるいは粘性を利用して衝撃の運動エネルギを吸収するものである。この運動エネルギを吸収する力(減衰力)を強くするためには、通常、ダンパの内部に組み込むゴムの量を多くしたり、ばねを大型化したりする必要がある。従って、減衰力の強いダンパは大型のものとなる。
【0003】
減衰力の強いダンパが必要な機械や装置ではダンパが大型化するので、このダンパを設置するための広いスペースが必要となる。この結果、これらの機械や装置が大型化することとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、従来よりも小型であっても強い減衰力をもつダンパを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のダンパは、
(1)内部に空間が形成された密閉容器と、
(2)前記密閉容器から一端部が露出すると共に該一端部を除く残部が前記密閉容器の内部に位置する、前記密閉容器に回転自在に支承された回転部材と、
(3)前記回転部材の回転に連動して前記密閉容器の内部を移動するスライド部材と、
(4)前記密閉容器の内部に充填された粘性体または粘弾性体とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
ここで、
(5)前記密閉容器は、高さ方向一端部に形成された底壁、及び前記一端部とは反対側の高さ方向他端部に形成された開口部を有する有底円筒状のものであって、前記開口部を塞ぐ蓋を有し、
(6)前記回転部材は、前記一端部が前記蓋から露出したものであり、
(7)前記スライド部材は、前記回転部材の回転に連動して直線運動するものであってもよい。
【0007】
また、
(8)前記回転部材は、その横断面の中心部に直交する軸を中心軸にして回転する棒状のものであり、
(9)前記スライド部材は、前記回転部材の回転に連動して該回転部材の長手方向に移動するものであってもよい。
【0008】
さらに、
(10)前記回転部材は、該回転部材の前記残部の外周面に螺旋状の溝が形成されたものであり、
(11)前記密閉容器は、その内壁面に、前記回転部材に沿って延びるガイド突起が形成されたものであり、
(12)前記スライド部材は、前記溝に移動自在に螺合した螺旋状の凸部と、前記ガイド突起に係合した凹部とが形成されたものであってもよい。
【0009】
さらにまた、
(13)前記回転部材は、前記密閉容器の内部に位置する前記残部に、その長手方向に延びるガイド突起が形成されたものであり、
(14)前記密閉容器は、その内壁面に螺旋状の溝が形成されたものであり、
(15)前記スライド部材は、前記溝に移動自在に螺合した螺旋状の凸部と、前記ガイド突起に係合した凹部とが形成されたものであってもよい。
【0010】
さらにまた、
(16)前記回転部材は、その長手方向に交差する方向に広がって所定の直径をもつ環状鍔部、この環状鍔部に連続する環状段部、及び環状鍔部よりも小さい直径をもつ環状突出部が前記残部に形成されたものであり、
(17)前記密閉容器は、前記環状鍔部の外周面に向き合う第1内壁面、前記環状段部に向き合う環状肩部、及び前記環状突出部の外周面に向き合う第2内壁面が前記密閉容器の内壁に形成されたものであり、
(18)前記粘性体又は前記粘弾性体は、前記環状鍔部の外周面と前記密閉容器の前記第1内壁面との間、前記環状段部と環状肩部との間、及び前記環状突出部の外周面と前記密閉容器の前記第2内壁面との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものであってもよい。
【0011】
さらにまた、
(19)前記回転部材は、所定方向に突出した環状突出部が前記残部に形成されたものであり、
(20)前記密閉容器は、前記環状突出部が回転自在に嵌合した環状凹部が形成されたものであり、
(21)前記粘性体又は前記粘弾性体は、前記環状突出部と前記環状凹部との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものであってもよい。
【0012】
さらにまた、
(22)前記スライド部材は、前記密閉容器又は前記回転部材との間に隙間を形成するものであり、
(23)前記粘性体又は前記粘弾性体は、前記スライド部材が移動する際に前記隙間を通過することにより絞り抵抗を発生するものであってもよい。
【0013】
さらにまた、
(24)前記スライド部材は、その移動方向に延びる貫通孔が形成されたものであってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
【0015】
図1から図5までを参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0016】
図1は、第1実施形態のダンパを示す縦断面図である。図2は、密閉容器を開口部の側から視た側面図である。図3は、図2のB―B断面図である。図4(a)は、スライド部材を示す平面図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。図5は、スライド部材が移動したダンパを示す縦断面図である。
【0017】
ダンパ10は、中心軸22を中心にして回転する回転部材20と、内部に空間が形成された密閉容器40と、回転部材20の回転に連動して密閉容器40の内部を移動するスライド部材50と、密閉容器40の内部に充填された粘性体(又は粘弾性体)30とを備えている。
【0018】
密閉容器40は、高さ方向一端部に底壁40aが形成されると共に、この高さ方向一端部とは反対側の高さ方向他端部に開口部40eが形成された有底円筒状のものである。密閉容器40の開口部40eは蓋12で塞がれている。開口部40eが蓋12で塞がれた密閉容器40の内部には空間が形成されている。なお、密閉容器40の外観形状は円柱状だけでなく、三角柱や四角柱などの角柱状のものであってもよい。
【0019】
回転部材20の長手方向一端部は,蓋12の中央部に形成された貫通孔12aを貫通して突出しており、密閉容器40から露出している。回転部材20のうち長手方向一端部を除く残部は密閉容器40の内部に位置している。なお、開口部40eの内壁面には螺子が形成されており、この螺子に噛み合う螺子が蓋12の外周面に形成されている。従って、蓋12は開口部40eの内壁面に螺合固定されている。
【0020】
また、密閉容器40の内部には、回転部材20の回転に連動して回転部材20の長手方向に直線運動する円板状のスライド部材50が配置されている。また、密閉容器40の内部には、粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。従って、回転部材20の残部やスライド部材50は粘性体(又は粘弾性体)30に取り囲まれていることとなる。なお、粘性体(又は粘弾性体)30の具体例については後述する。
【0021】
回転部材20は、その横断面の中心部に直交する中心軸22を中心にして回転する。回転部材20は棒状であるが、後述するように突起や螺旋状の溝(凹部)等が形成されている。回転部材20は、横断面が円形の円筒軸部20aを有する。円筒軸部20aは、蓋12の貫通孔12aに回転自在に支承されており、その長手方向の一端部(先端部)は蓋12から突出して露出している。
【0022】
円筒軸部20aに隣接する部分には、円筒軸部20aよりも大きな直径の環状鍔部20cが円筒軸部20aの外周面20bに一体的に形成されている。環状鍔部20cは、中心軸22に直交する方向(本発明にいう長手方向に交差する方向の一例である)に広がっている。環状鍔部20cの外周には環状外周面20dが形成されている。回転部材20には、環状外周面20dに連続して環状外周面20dと直交する環状段部20eも形成されている。また、回転部材20には、環状段部20eに連続して、環状鍔部20cよりも小さい直径の環状突出部20gも形成されている。この環状突出部20gの外周には環状外周面20fが形成されている。
【0023】
また、回転部材20には、環状突出部20gの中央部から連続して延びる棒状部20jが一体的に形成されている。棒状部20jの外径は環状突出部20gよりも小さい。棒状部20jの外周面20hには螺旋状の溝20iが形成されている。この溝20iは、環状突出部20gの近傍から密閉容器40の底壁40aの近傍まで形成されている。ここでは、本発明にいう回転部材20の一端部は円筒軸部20aの先端部に相当し、回転部材20の残部は、環状鍔部20cや環状突出部20g、棒状部20j等に相当する。
【0024】
密閉容器40の底壁40aの内面の中央部には、円形の凹部40bが形成されている。この凹部40bには、回転部材20の棒状部20jの一端部が回転自在に嵌合している。
【0025】
回転部材20はその円筒軸部20aにおいて蓋12に、棒状部20jの一端部において密閉容器40の底壁40aの凹部40bに、それぞれ回転自在に支承されている。
【0026】
また、密閉容器40の内壁面40cには、回転部材20の長手方向に沿って(中心軸22に沿って)延びるガイド突起40dが一体的に形成されている。このガイド突起40dは、内壁面40cの円周方向に等間隔で少なくとも1つ(図2に示すように、本実施形態では3つ)形成されている。また、密閉容器40のうち内壁面40cよりも開口部40eに近い部分には、内壁面40cに連続して環状肩部40fが形成されている。この環状肩部40fは、内壁面40cの内径を広げることにより形成されている。環状肩部40fは、開口部40eを形成する円筒部40hの内壁面40g(本発明にいう第1内壁面である)に連続している。
【0027】
回転部材20に形成された環状突出部20gの環状外周面20fの外径は、密閉容器40の内壁面40cの内径よりも小さい。また、回転部材20に形成された環状鍔部20cの環状外周面20dの外径は、密閉容器40に形成された円筒部40hの内壁面40gの内径よりも小さい。
【0028】
回転部材20に形成された環状鍔部20cの環状外周面20dと、密閉容器40の円筒部40hの内壁面40gとの間には、微小な隙間が形成されている。また同様に、回転部材20に形成された環状突出部20gの環状外周面20fと密閉容器40の内壁面40cとの間にも、微小な隙間が形成されている。さらに同様に、回転部材20に形成された環状段部20eと密閉容器40の環状肩部40fとの間にも微小隙間が形成されている。これらの微小な隙間を保つように回転部材20が密閉容器40に回転自在に支承されている。これらの微小な隙間には、粘性体(又は粘弾性体)30が入り込んで充填されており、後述するように、この粘性体(又は粘弾性体)30によって粘性剪断抵抗が発生する。なお、内壁面40cのうち環状外周面20fに向き合う部分は、本発明にいう第2内壁面の一例である。
【0029】
上記したスライド部材50は、図4に示すように、高さの低い円筒状のものである。スライド部材50の外周面50aに円周方向の等間隔の位置に少なくとも1つ(本実施形態では3つ)の凹部50b、50b、50bが形成されている。また、スライド部材50の内周面50cには、径方向内側に突出した螺旋状の凸部50dが一体的に形成されている。
【0030】
スライド部材50の外周面50aに形成された凹部50b、50b、50bは、密閉容器40の内壁面40cに形成されたガイド突起40d、40d、40dに係合している。また、スライド部材50の外周面50aと密閉容器40の内壁面40cとの間には微小隙間が形成されている。また、スライド部材50の内周面50cに形成された螺旋状の凸部50dは、回転部材20の螺旋状の溝20iに螺合されている。このように、スライド部材50の凹部50b、50b、50bが密閉容器40のガイド突起40d、40d、40dに係合すると共に、スライド部材50の凸部50dが回転部材20の螺旋状の溝20iに螺合されて、スライド部材50が密閉容器40の内部に配置されている。従って、スライド部材50は、回転部材20の回転に連動して回転部材20の長手方向に直線運動する。
【0031】
密閉容器40の内部に充填された粘性体30としては、その粘度が少なくとも10万センチストークス以上の粘度を有するもので、例えばシリコーン系粘性体、アスファルト系粘性体、ノルマルブチレンとポリイソブチレンとの共重合体を主成分とする粘性体などが使用される。また、粘弾性体30としては、60以上320以下の可塑度を有するシリコーン系未加硫ゴムが使用される。ここで、可塑度は、ASTM等により規定されたウィリアム可塑度計で測定した値である。具体的には、上下2枚の平行板に直径約1.43cm、高さ1.27cmの円柱形で容積2ccのシリコーン系未加硫ゴムを挟み、70〜100℃で5kgの荷重により圧縮し、3分間加圧後のシリコーン系未加硫ゴムの高さ(mm/100)により表したものである。
【0032】
なお、蓋12と円筒軸部20aとの間には、粘性体(又は粘弾性体)30が密閉容器40から漏れ出すことを防止するシール材14が取り付けられている。このシール部材14は密閉容器40内に充填される粘性体(又は粘弾性体)30の粘度あるいは可塑度等によっては取り付けなくてもよい。
【0033】
上記したダンパ10の動作について説明する。
【0034】
ここでは、ダンパ10の密閉容器40を例えば自動車の車体(固定側)に固定すると共に回転部材20の円筒軸部20aをバックドア(回転側)に固定することにより、ダンパ10をヒンジ部に使用した場合について説明する。なお、バックドアには、このバックドアが開く方向に、例えばトーションバー(図示せず)などのばね部材によって付勢力が与えられている。
【0035】
バックドアが閉じている状態では、スライド部材50が、図1に示すように、回転部材20の環状突出部20gの近傍に位置している。この状態でバックドアを開くと、トーションバーの付勢力によってバックドアは開き始めると共にバックドアが円筒軸部20aに固定された回転部材20は、図1の紙面の左側から見て時計方向に回転する。回転部材20の回転に連動して、スライド部材50の凸部50dが密閉容器40の底壁40aに向けて回転部材20の溝20iを移動する。この移動の際、スライド部材50の凹部50bは密閉容器40のガイド突起40dに係合しているので、スライド部材50は回転部材20の長手方向に沿って直線運動する。このような移動の結果、スライド部材50は、図5に示すように、密閉容器40の底壁40a側に近づく。
【0036】
上述したように、回転部材20の環状外周面20dと密閉容器40の内壁面40gとの間、回転部材20の環状外周面20fと密閉容器40の内壁面40cとの間、及び回転部材20の環状段部20eと密閉容器40の環状肩部40fとの間には、微小隙間が形成されている。これらの微小な隙間には、粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。従って、回転部材20が回転するときは、上記の微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)30が剪断変形するので、この粘性体(又は粘弾性体)30によって粘性剪断抵抗が発生する。このため、上記した微小隙間は、粘性剪断抵抗が発生する粘性剪断抵抗発生部位となる。
【0037】
また、回転部材20の溝20iとこの溝20iに螺合しているスライド部材50の螺旋状の凸部50dとの間には微小隙間が形成されており、この微小隙間には粘性体(又は粘弾性体)30が入り込んでいる。同様に、スライド部材50の外周面50aと密閉容器40の内壁面40cとの間には微小隙間が形成されており、この微小隙間にも粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。これらの微小隙間それぞれの両側には、この微小隙間よりも広い空間に粘性体(又は粘弾性体)30が存在している。従って、スライド部材50が移動するときには、粘性体(又は粘弾性体)30が上記の広い空間から微小隙間に流れ込むので、粘性体(又は粘弾性体)30の流れの断面積が急激に減少する。この結果、粘性体(又は粘弾性体)30が微小空間を流れる際に絞られるので、絞り抵抗が発生する。
【0038】
上記した粘性剪断抵抗によって回転部材20が回転しにくくなってその回転が抑制される。また、上記した絞り抵抗によってスライド部材50が移動しにくくなり、このため、回転部材20の回転が抑制される。従って、回転部材20の回転運動が減衰する。この結果、上記の粘性剪断抵抗と絞り抵抗が、バックドアに作用しているトーションバーの付勢力を抑える力となり、バックドアは急激に開かずに緩やかに開く。
【0039】
上記した例では、バックドアを開く場合を説明したが、バックドアを閉じる場合は上記とは逆になる。バックドアを閉じる場合は、回転部材20が反時計方向に回転しながらスライド部材50が、図5に示す位置から図1に示す位置まで移動する。この場合も、上記と同様に粘性剪断抵抗と絞り抵抗が発生する。この結果、バックドアは急激に閉じずに緩やかに閉じる。
【0040】
以上説明したように、ダンパ10では、同じサイズ(大きさ)であってもスライド部材50の無いダンパに比べて減衰力(衝撃吸収力)が大きい。この結果、小型でも減衰力の大きいダンパ10が得られることとなる。この逆に、スライド部材の無いダンパと同じ程度の減衰力でよいときは、ダンパ10をいっそう小型化できる。
【0041】
また、回転部材20の環状外周面20dと密閉容器40の内壁面40gとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、回転部材20の環状外周面20fと密閉容器40の内壁面40cとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材20の環状段部20eと密閉容器40の環状肩部40fとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ10の減衰力を容易に変更できることとなる。
【0042】
同様に、スライド部材50の外周面50aと密閉容器40の内壁面40cとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、絞り抵抗の強さを変更できるので、ダンパ10の減衰力を容易に変更できることとなる。
[第2実施形態]
【0043】
図6から図10を参照して本発明の第2実施形態を説明する。
【0044】
図6は、第2実施形態のダンパを示す縦断面図である。図7は、密閉容器を開口部の側から視た側面図である。図8は、図7のB―B断面図である。図9は、回転部材を示す側面図である。図10は、スライド部材が移動したダンパの縦断面図である。これらの図では、図1から図5までに示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0045】
第2実施形態のダンパ60の基本的な構成は、第1実施形態のダンパ10の基本的な構成と同じである。ダンパ60がダンパ10と相違する点は、回転部材120の環状段部20eとこの環状段部20eに向き合う密閉容器140の環状肩部40fとの間で、粘性体(又は粘弾性体)30の粘性剪断抵抗を大きく発生させる点にある。
【0046】
上記した粘性剪断抵抗を発生させるために、第2実施形態の回転部材120及び密閉容器140は、第1実施形態の回転部材20及び密閉容器40とは異なる形状である。回転部材120の環状段部20eからは底壁40aに向かう方向に環状突出部120kが突出している。
【0047】
一方、密閉容器140には、上記した環状突出部120kが嵌合した環状凹部140iが形成されている。環状突出部120kと環状凹部140iとの間には微小隙間が形成されており、この微小隙間に粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。環状突出部120kと環状凹部140iとの間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面は、第1実施形態のダンパ10の環状段部20eと環状肩部40fとの間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面よりも多い。
【0048】
従って、ダンパ60では、粘性剪断抵抗面が多い分だけ、強い粘性剪断抵抗が発生することとなる。また、環状突出部120kと環状凹部140iとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ60の減衰力を容易に変更できることとなる。また、第1実施形態のダンパ10と同様に、回転部材20の環状外周面20dと密閉容器40の内壁面40gとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材20の環状外周面20fと密閉容器40の内壁面40cとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ60の減衰力を容易に変更できることとなる。なお、ダンパ60の動作は、ダンパ10の動作とほぼ同様である。
[第3実施形態]
【0049】
図11と図12を参照して本発明の第3実施形態を説明する。
【0050】
図11は、第3実施形態のダンパを示す縦断面図である。図12(a)は、スライド部材を示す平面図であり、(b)は、(a)のD−D断面図である。これらの図では、図1から図5までに示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0051】
第3実施形態のダンパ70の基本的な構成は、第1実施形態のダンパ10の基本的な構成と同じである。ダンパ70がダンパ10と相違する点は、スライド部材150の構造にある。スライド部材150には、ダンパ10のスライド部材50と同様に、凹部50bや凸部50dが形成されている。スライド部材150には、その板面50eを貫通して中心軸22に沿って延びる複数の貫通孔150fが形成されている。ここでは、複数の貫通孔150fが、スライド部材150の円周方向にほぼ等間隔で6つ形成されている。貫通孔150fの数は適宜に変更できる。
【0052】
スライド部材150が回転部材20の回転に連動し、中心軸22に沿って移動するときには、複数の貫通孔150fに粘性体(又は粘弾性体)30が流れ込むので、粘性体(又は粘弾性体)30の流れの断面積が急激に減少する。この結果、上述した絞り抵抗が発生する。また、ダンパ70では、第1実施形態のスライド部材50と同様に、回転部材20の螺旋状の溝20iとこの溝20iに螺合しているスライド部材150の螺旋状の凸部50dとの間に形成された微小隙間、及びスライド部材150の外周面50aと密閉容器40の内壁面40cとの間に形成された微小隙間に粘性体(又は粘弾性体)30が流れ込む際にも絞り抵抗が発生する。
【0053】
従って、ダンパ70ではダンパ10に比べて、複数の貫通孔150fに起因する絞り抵抗が多いこととなる。このため、複数の貫通孔50fに起因する絞り抵抗が多い分だけ強い減衰力を発生するダンパ70が得られる。また、貫通孔150fの大きさ(内径)や数を変えることにより絞り抵抗の強さも変るので、減衰力を容易に変更できる。なお、ダンパ70の動作は、ダンパ10の動作とほぼ同様である。
[第4実施形態]
【0054】
図13を参照して本発明の第4実施形態を説明する。
【0055】
図13は、第4実施形態のダンパを示す縦断面図である。この図では、図6と図11に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0056】
第4実施形態のダンパ80の基本的な構成は、第2実施形態のダンパ60の基本的な構成と同じである。ダンパ80がダンパ60と相違する点は、ダンパ60(図6参照)のスライド部材50に代えて、第3実施形態のダンパ70(図11参照)のスライド部材150を用いた点にある。
【0057】
ダンパ80の減衰力をダンパ60の減衰力と比べた場合、スライド部材150に形成された複数の貫通孔150fに起因する絞り抵抗が多い分だけ強い減衰力を発生する。また、ダンパ80では、第2実施形態のダンパ60や第3実施形態のダンパ70と同様に、スライド部材150に形成された貫通孔150fの大きさ(内径)や数を変えたり、環状突出部120kと環状凹部140iとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えたり等することにより、その減衰力を容易に変更できる。なお、ダンパ80の動作は、ダンパ10の動作とほぼ同様である。
[第5実施形態]
【0058】
図14から図17までを参照して本発明の第5実施形態を説明する。
【0059】
図14は、第5実施形態のダンパを示す縦断面図である。図15は、回転部材を図14の紙面の左側から視た側面図である。図16(a)は、スライド部材を示す平面図であり、(b)は(a)のE−E断面図である。図17は、スライド部材が移動したダンパを示す縦断面図である。
【0060】
第5実施形態のダンパ90は、中心軸222を中心にして回転する回転部材220と、内部に空間が形成された密閉容器240と、回転部材220の回転に連動して密閉容器240の内部を移動するスライド部材250と、密閉容器240の内部に充填された粘性体(又は粘弾性体)30とを備えている。
【0061】
密閉容器240は、高さ方向一端部に底壁240aが形成されると共に、この高さ方向一端部とは反対側の高さ方向他端部に開口部240eが形成された有底円筒状のものである。密閉容器240の開口部240eは蓋12で塞がれている。開口部240eが蓋12で塞がれた密閉容器240の内部には空間が形成されている。密閉容器240と蓋12には、棒状の回転部材220が回転自在に支承されている。回転部材220の長手方向一端部は,蓋12の中央部に形成された貫通孔12aを貫通して突出しており、密閉容器240から露出している。回転部材220のうち長手方向一端部を除く残部は密閉容器240の内部に位置している。なお、開口部240eの内壁面には螺子が形成されており、この螺子に噛み合う螺子が蓋12の外周面に形成されている。従って、蓋12は開口部240eの内壁面に螺合固定されている。
【0062】
また、密閉容器240の内部には、回転部材220の回転に連動して回転部材220の長手方向に直線運動する円板状のスライド部材250が配置されている。また、密閉容器240の内部には、粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。従って、回転部材220の残部やスライド部材250は粘性体(又は粘弾性体)30に取り囲まれていることとなる。なお、粘性体(又は粘弾性体)30の具体例については後述する。
【0063】
回転部材220は、その横断面の中心部に直交する中心軸222を中心にして回転する。回転部材220は棒状であるが、後述するように鍔部や凸部などが形成されている。回転部材220は、横断面が円形の円筒軸部220aを有する。円筒軸部220aは、蓋12の貫通孔12aに回転自在に支承されており、その長手方向の一端部(先端部)は蓋12から突出して露出している。
【0064】
円筒軸部220aに隣接する部分には、円筒軸部220aよりも大きな直径の環状鍔部220cが円筒軸部220aに一体的に形成されている。環状鍔部220cは、中心軸222に直交する方向(本発明にいう長手方向に交差する方向の一例である)に広がっている。環状鍔部220cの外周には環状外周面220dが形成されている。回転部材220には、環状外周面220dに連続して環状外周面220dと直交する環状段部220eも形成されている。また、回転部材220には、環状段部220eに連続して、環状鍔部220cよりも小さい直径の環状突出部220gも形成されている。この環状突出部220gの外周には環状外周面220fが形成されている。
【0065】
また、回転部材220には、環状突出部220gの中央部から連続して延びる棒状部220jが一体的に形成されている。棒状部220jの外径は環状突出部220gよりも小さい。棒状部220jの外周面には、回転部材220の長手方向に沿って(中心軸222に沿って)延びるガイド突起220lが一体的に形成されている。このガイド突起220lは、図15に示すように、棒状部220jの外周面の円周方向に等間隔で少なくとも1つ(図15に示すように、本実施形態では2つ)形成されている。ここでは、本発明にいう回転部材220の一端部は円筒軸部220aの先端部に相当し、回転部材220の残部は、環状鍔部220cや環状突出部220g、棒状部220j等に相当する。
【0066】
密閉容器240の底壁240aの内面の中央部には、円形の凹部240bが形成されている。この凹部240bには、回転部材220の棒状部220jの一端部が回転自在に嵌合されている。
【0067】
密閉容器240の内壁面240cには螺旋状の溝240jが形成されている。この溝240jは、回転部材220の環状突出部220gの近傍から密閉容器240の底壁240aの近傍まで形成されている。また、密閉容器240のうち内壁面240cよりも開口部240eに近い部分には、内壁面240cに連続して環状肩部240fが形成されている。この環状肩部240fは、内壁面240cの内径を広げることにより形成されている。環状肩部240fは、開口部240eを形成する円筒部240hの内壁面240g(本発明にいう第1内壁面である)に連続している。
【0068】
回転部材220に形成された環状突出部220gの環状外周面220fの外径は、密閉容器240の内壁面240cの内径よりも小さい。また、回転部材220に形成された環状鍔部220cの環状外周面220dの外径は、密閉容器240に形成された円筒部240hの内壁面240gの内径よりも小さい。
【0069】
回転部材220に形成された環状鍔部220cの環状外周面220dと、密閉容器240の円筒部240hの内壁面240gとの間には、微小な隙間が形成されている。また同様に、回転部材220に形成された環状突出部220gの環状外周面220fと密閉容器240の内壁面240cとの間にも、微小な隙間が形成されている。さらに同様に、回転部材220に形成された環状段部220eと密閉容器240の環状肩部240fとの間にも微小隙間が形成されている。これらの微小な隙間を保つように回転部材220が密閉容器240に回転自在に支承されている。これらの微小な隙間には、粘性体(又は粘弾性体)30が充填されており、後述するように、この粘性体(又は粘弾性体)30によって粘性剪断抵抗が発生する。なお、内壁面240cのうち環状外周面220fに向き合う部分は、本発明にいう第2内壁面の一例である。
【0070】
上記したスライド部材250は、図16に示すように、高さの低い円筒状のものである。スライド部材250の外周面250aには、螺旋状の凸部250bが一体的に形成されている。また、スライド部材50の内周面250cには、2つの凹部250dが形成されている。
【0071】
スライド部材250の外周面250aに形成された螺旋状の凸部250bは、密閉容器240の内壁面240cに形成された螺旋状の溝240jに螺合している。また、スライド部材250の外周面250aと密閉容器240の内壁面240cとの間には微小隙間が形成されている。また、スライド部材250の内周面250cに形成された凹部250dは、回転部材220のガイド突起220lに係合している。このように、スライド部材250の螺旋状の凸部250bが密閉容器240の螺旋状の溝240jに螺合されると共に、スライド部材250の凹部250dが回転部材220のガイド突起220lに係合されることにより、スライド部材250が密閉容器240の内部に配置されている。従って、スライド部材250は、回転部材220の回転に連動して回転部材220の長手方向に直線運動する。
【0072】
密閉容器240の内部に充填された粘性体30としては、その粘度が少なくとも10万センチストークス以上の粘度を有するもので、例えばシリコーン系粘性体、アスファルト系粘性体、ノルマルブチレンとポリイソブチレンとの共重合体を主成分とする粘性体などが使用される。また、粘弾性体30としては、60以上320以下の可塑度を有するシリコーン系未加硫ゴムが使用される。ここで、可塑度は、ASTM等により規定されたウィリアム可塑度計で測定した値である。具体的には、上下2枚の平行板に直径約1.43cm、高さ1.27cmの円柱形で容積2ccのシリコーン系未加硫ゴムを挟み、70〜100℃で5kgの荷重により圧縮し、3分間加圧後のシリコーン系未加硫ゴムの高さ(mm/100)により表したものである。
【0073】
なお、蓋12と円筒軸部220aとの間には、粘性体(又は粘弾性体)30が密閉容器240から漏れ出すことを防止するシール材14が取り付けられている。このシール部材14は密閉容器240内に充填される粘性体(又は粘弾性体)30の粘度あるいは可塑度等によっては取り付けなくてもよい。
【0074】
上記したダンパ90の動作について説明する。
【0075】
ここでは、ダンパ90の密閉容器240を例えば自動車の車体(固定側)に固定すると共に回転部材220の円筒軸部220aをバックドア(回転側)に固定することにより、ダンパ90をヒンジ部に使用した場合について説明する。なお、バックドアには、このバックドアが開く方向に、例えばトーションバー(図示せず)などのばね部材によって付勢力が与えられている。
【0076】
バックドアが閉じている状態では、スライド部材250が、図14に示すように、回転部材220の環状突出部220gの近傍に位置している。この状態でバックドアを開くと、トーションバーの付勢力によってバックドアは開き始めると共にバックドアが円筒軸部220aに固定された回転部材220は、図14の紙面の左側から見て時計方向に回転する。回転部材220の回転に連動して、スライド部材250の螺旋状の凸部250bが密閉容器240の底壁240aに向けて螺旋状の溝240jを移動する。この移動の際、スライド部材250の凹部250dはガイド突起220lに係合されているので、スライド部材250は回転部材220の長手方向に沿って直線運動する。このような移動の結果、スライド部材250は、図17に示すように、密閉容器240の底壁240a側に近づく。
【0077】
上述したように、回転部材220の環状外周面220dと密閉容器240の内壁面240gとの間、回転部材220の環状外周面220fと密閉容器240の内壁面240cとの間、及び回転部材220の環状段部220eと密閉容器240の環状肩部240fとの間には、微小隙間が形成されている。これらの微小な隙間には、粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。従って、回転部材220が回転するときは、上記の微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)30が剪断変形するので、この粘性体(又は粘弾性体)30によって粘性剪断抵抗が発生する。このため、上記した微小隙間は、粘性剪断抵抗が発生する粘性剪断抵抗発生部位となる。
【0078】
また、密閉容器240の溝240jとこの溝240jに噛み合っているスライド部材250の凸部250bとの間には微小隙間が形成されており、この微小隙間にも粘性体(又は粘弾性体)30が入り込んでいる。同様に、スライド部材250の外周面250aと密閉容器240の内壁面240cとの間にも微小隙間が形成されており、この微小隙間にも粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。これらの微小隙間それぞれの両側には、この微小隙間よりも広い空間に粘性体(又は粘弾性体)30が存在している。従って、スライド部材250が移動するときには、粘性体(又は粘弾性体)30が上記の広い空間から微小隙間に流れ込むので、粘性体(又は粘弾性体)30の流れの断面積が急激に減少する。この結果、粘性体(又は粘弾性体)30が微小空間を流れる際に絞られるので、絞り抵抗が発生する。
【0079】
上記した粘性剪断抵抗によって回転部材220が回転しにくくなってその回転が抑制される。また、上記した絞り抵抗によってスライド部材250が移動しにくくなり、このため、回転部材220の回転が抑制される。従って、回転部材220の回転運動が減衰する。この結果、上記の粘性剪断抵抗と絞り抵抗が、バックドアに作用しているトーションバーの付勢力を抑える力となり、バックドアは急激に開かずに緩やかに開く。
【0080】
上記した例では、バックドアを開く場合を説明したが、バックドアを閉じる場合は上記とは逆になる。バックドアを閉じる場合は、回転部材220が反時計方向に回転しながらスライド部材250が、図17に示す位置から図14に示す位置まで移動する。この場合も、上記と同様に粘性剪断抵抗と絞り抵抗が発生する。この結果、バックドアは急激に閉じずに緩やかに閉じる。
【0081】
以上説明したように、ダンパ90では、同じサイズ(大きさ)であってもスライド部材250の無いダンパに比べて減衰力(衝撃吸収力)が大きい。この結果、小型でも減衰力の大きいダンパ90が得られることとなる。この逆に、スライド部材の無いダンパと同じ程度の減衰力でよいときは、ダンパ90をいっそう小型化できる。
【0082】
また、回転部材220の環状外周面220dと密閉容器240の内壁面240gとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、回転部材220の環状外周面220fと密閉容器240の内壁面140cとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材220の環状段部220eと密閉容器240の環状肩部240fとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ90の減衰力を容易に変更できることとなる。
【0083】
同様に、スライド部材250の外周面250aと密閉容器240の内壁面240cとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、絞り抵抗の強さを変更できるので、ダンパ90の減衰力を容易に変更できることとなる。
[第6実施形態]
【0084】
図18を参照して本発明の第6実施形態を説明する。
【0085】
図18は、第6実施形態のダンパを示す縦断面図である。この図では、図14から図17までに示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0086】
第6実施形態のダンパ100の基本的な構成は、第5実施形態のダンパ90の基本的な構成と同じである。ダンパ100がダンパ90と相違する点は、回転部材320の環状段部220eとこの環状段部220eに向き合う密閉容器340の環状肩部240fとの間で、粘性体(又は粘弾性体)30の粘性剪断抵抗を大きく(強く)発生させる点にある。
【0087】
上記した粘性剪断抵抗を発生させるために、第6実施形態の回転部材320及び密閉容器340は、第5実施形態の回転部材220及び密閉容器240とは異なる形状である。回転部材320の環状段部20eからは底壁40aに向かう方向に環状突出部320kが突出している。
【0088】
一方、密閉容器340には、上記した環状突出部320kが嵌合された環状凹部340iが形成されている。環状突出部320kと環状凹部340iとの間には微小隙間が形成されており、粘性体(又は粘弾性体)30が充填されている。環状突出部320kと環状凹部340iとの間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面は、第5実施形態のダンパ90の環状段部220eと環状肩部240fとの間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面よりも多い。
【0089】
従って、ダンパ100では、粘性剪断抵抗面が多い分だけ、強い粘性剪断抵抗が発生することとなる。また、環状突出部320kと環状凹部340iとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ100の減衰力を容易に変更できることとなる。また、第5実施形態のダンパ90と同様に、回転部材320の環状外周面220dと密閉容器340の内壁面240gとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材320の環状外周面220fと密閉容器340の内壁面240cとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ100の減衰力を容易に変更できることとなる。なお、ダンパ100の動作は、ダンパ90の動作とほぼ同様である。
[第7実施形態]
【0090】
図19を参照して本発明の第7実施形態を説明する。
【0091】
図19は、第7実施形態のダンパを示す縦断面図である。この図では、図14に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0092】
第7実施形態のダンパ200の基本的な構成は、第5実施形態のダンパ90の基本的な構成と同じである。ダンパ200がダンパ90と相違する点は、スライド部材350の構造にある。スライド部材350には、ダンパ90のスライド部材250と同様に、螺旋状の凸部250bや凹部250dが形成されている。スライド部材350には、その板面250eを貫通して中心軸222に沿って延びる複数の貫通孔350fが形成されている。ここでは、複数の貫通孔350fが、スライド部材350の円周方向にほぼ等間隔で6つ形成されている。貫通孔350fの数は適宜に変更できる。
【0093】
スライド部材350が回転部材220の回転に連動し、中心軸222に沿って移動するときには、複数の貫通孔350fに粘性体(又は粘弾性体)30が流れ込むので、粘性体(又は粘弾性体)30の流れの断面積が急激に減少する。この結果、上述した絞り抵抗が発生する。また、ダンパ200では、第5実施形態のスライド部材250と同様に、スライド部材350の外周面250aと密閉容器240の内壁面240cとの間に形成された微小隙間に粘性体(又は粘弾性体)30が流れ込む際にも絞り抵抗が発生する。
【0094】
従って、ダンパ200ではダンパ90に比べて、複数の貫通孔350fに起因する絞り抵抗が多いこととなる。このため、複数の貫通孔350fに起因する絞り抵抗が多い分だけ強い減衰力を発生するダンパ200が得られる。また、貫通孔350fの大きさ(内径)や数を変えることにより絞り抵抗の強さも変るので、減衰力を容易に変更できる。なお、ダンパ200の動作は、ダンパ90の動作とほぼ同様である。
[第8実施形態]
【0095】
図20を参照して本発明の第8実施形態を説明する。
【0096】
図20は、第8実施形態のダンパを示す縦断面図である。この図では、図18と図19に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0097】
第8実施形態のダンパ200の基本的な構成は、第6実施形態のダンパ100(図18参照)の基本的な構成と同じである。ダンパ200がダンパ100と相違する点は、ダンパ100のスライド部材250に代えて、第7実施形態のダンパ200(図19参照)のスライド部材350を用いた点にある。
【0098】
ダンパ300の減衰力をダンパ100の減衰力と比べた場合、スライド部材350に形成された複数の貫通孔350fに起因する絞り抵抗が多い分だけ強い減衰力を発生する。また、ダンパ300では、第6実施形態のダンパ100や第7実施形態のダンパ200と同様に、スライド部材350に形成された貫通孔350fの大きさ(内径)や数を変えたり、環状突出部320kと環状凹部340iとの間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えたり等することにより、その減衰力を容易に変更できる。なお、ダンパ300の動作は、ダンパ90の動作と同様である。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のダンパでは、例えば密閉容器を固定しておいて回転部材を回転させる場合、回転部材が回転する際には、回転部材の残部が粘性体(又は粘弾性体)を変形させながら回転するので、粘性体(又は粘弾性体)の変形に伴って粘性剪断抵抗が発生する。また、回転部材の回転に連動してスライド部材が移動するので、この移動の際には、粘性体(又は粘弾性体)によって絞り抵抗が発生する。これらの抵抗は、回転部材が回転する際の抵抗や、スライド部材が移動する際の抵抗になるので、回転部材が回転しにくくなると共にスライド部材が移動しにくくなる。これにより、回転部材の回転運動が減衰する。このため、同じ程度のサイズ(大きさ)であってもスライド部材が無いダンパに比べ、減衰力(衝撃吸収力)が強い。この結果、小型でも減衰力の強いダンパが得られることとなる。この逆に、減衰力が同じ程度でよいならば、ダンパをいっそう小型化できる。
【0100】
ここで、前記密閉容器は、高さ方向一端部に形成された底壁、及び前記一端部とは反対側の高さ方向他端部に形成された開口部を有する有底円筒状のものであって、前記開口部を塞ぐ蓋を有し、前記回転部材は、前記一端部が前記蓋から露出したものであり、前記スライド部材は、前記回転部材の回転に連動して直線運動するものである場合は、簡易な構成であっても小型で減衰力の強いダンパが得られる。
【0101】
また、前記回転部材は、その横断面の中心部に直交する軸を中心軸にして回転する棒状のものであり、前記スライド部材は、前記回転部材の回転に連動して該回転部材の長手方向に移動するものである場合は、いっそう簡易な構成であっても小型で減衰力の強いダンパが得られる。
【0102】
さらに、前記回転部材は、該回転部材の前記残部の外周面に螺旋状の溝が形成されたものであり、前記密閉容器は、その内壁面に、前記回転部材に沿って延びるガイド突起が形成されたものであり、前記スライド部材は、前記溝に移動自在に螺合した螺旋状の凸部と、前記ガイド突起に係合した凹部とが形成されたものである場合は、スライド部材の螺旋状の凸部が回転部材の螺旋状の溝に螺合しており、しかも、ガイド突起にスライド部材の凹部が係合しているので、回転部材の回転に連動してスライド部材の凸部が螺旋状の溝を滑りながら移動すると共に、回転部材の回転に連動してスライド部材が回転せずに回転部材の長手方向に案内されながら確実に移動する。
【0103】
さらにまた、前記回転部材は、前記密閉容器の内部に位置する前記残部に、その長手方向に延びるガイド突起が形成されたものであり、前記密閉容器は、その内壁面に螺旋状の溝が形成されたものであり、前記スライド部材は、前記溝に移動自在に螺合した螺旋状の凸部と、前記ガイド突起に係合した凹部とが形成されたものである場合は、スライド部材の凸部が密閉容器の螺旋状の溝に螺合しており、しかも、ガイド突起にスライド部材の凹部が係合しているので、回転部材の回転に連動してスライド部材が回転せずに回転部材の長手方向に案内されながらいっそう確実に移動する。
【0104】
さらにまた、前記回転部材は、その長手方向に交差する方向に広がって所定の直径をもつ環状鍔部、この環状鍔部に連続する環状段部、及び環状鍔部よりも小さい直径をもつ環状突出部が前記残部に形成されたものであり、前記密閉容器は、前記環状鍔部の外周面に向き合う第1内壁面、前記環状段部に向き合う環状肩部、及び前記環状突出部の外周面に向き合う第2内壁面が前記密閉容器の内壁に形成されたものであり、前記粘性体又は前記粘弾性体は、前記環状鍔部の外周面と前記密閉容器の前記第1内壁面との間、前記環状段部と環状肩部との間、及び前記環状突出部の外周面と前記密閉容器の前記第2内壁面との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものである場合は、粘性剪断抵抗がダンパの減衰力を強弱させる一因となるので、上記の間を広狭することによりダンパの減衰力を容易に変更できる。
【0105】
さらにまた、前記回転部材は、所定方向に突出した環状突出部が前記残部に形成されたものであり、前記密閉容器は、前記環状突出部が回転自在に嵌合した環状凹部が形成されたものであり、前記粘性体又は前記粘弾性体は、前記環状突出部と前記環状凹部との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものである場合は、粘性剪断抵抗がダンパの減衰力を強弱させる一因となるので、回転部材の環状突出部と密閉容器の環状凹部との間を広めたり狭めたりすることによりダンパの減衰力を容易に変更できる。
【0106】
さらにまた、前記スライド部材は、前記密閉容器又は前記回転部材との間に隙間を形成するものであり、前記粘性体又は前記粘弾性体は、前記スライド部材が移動する際に前記隙間を通過することにより絞り抵抗を発生するものである場合は、絞り抵抗がダンパの減衰力を強弱させる一因となるので、上記の隙間を広めたり狭めたりすることによりダンパの減衰力を容易に変更できる。
【0107】
さらにまた、前記スライド部材は、その移動方向に延びる貫通孔が形成されたものである場合は、スライド部材が移動する際に粘性体が貫通孔を通って移動方向下流側から移動方向上流側に移動できるので、貫通孔の大きさを変えることにより、粘性体が変形しながら移動するときの絞り抵抗を変更できる。この結果、貫通孔の大きさを変えるだけで、ダンパの減衰力を容易に変更できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図2】密閉容器を開口部の側から視た側面図である。
【図3】図2のB―B断面図である。
【図4】(a)は、スライド部材を示す平面図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図5】スライド部材が移動したダンパを示す縦断面図である。
【図6】第2実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図7】密閉容器を開口部の側から視た側面図である。
【図8】図7のB―B断面図である。
【図9】回転部材を示す側面図である。
【図10】スライド部材が移動したダンパの縦断面図である。
【図11】第3実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図12】(a)は、スライド部材を示す平面図であり、(b)は、(a)のD−D断面図である。
【図13】第4実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図14】第5実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図15】図14の紙面の左側から回転部材を視た側面図である。
【図16】(a)は、スライド部材を示す平面図であり、(b)は(a)のE−E断面図である。
【図17】スライド部材が移動したダンパを示す縦断面図である。
【図18】第6実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図19】第7実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図20】第8実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【符号の説明】
10,60,70,80,90,100,200,300 ダンパ
12 蓋
20,120,220,320 回転部材
20c 環状鍔部
20d 環状外周面
20e 環状段部
20g 環状突出部
20i 溝
22,222 中心軸
30 粘性体(又は粘弾性体)
40,140,240,340 密閉容器
40a 底壁
40c 内壁面
40d ガイド突起
40e 開口部
40f 環状肩部
50,150,250,350 スライド部材
50b 凹部
50d 凸部
Claims (3)
- 高さ方向一端部に形成された底壁、及び前記一端部とは反対側の高さ方向他端部に形成された開口部を有する有底円筒状であって、前記開口部を塞ぐ蓋を有して内部に空間が形成された密閉容器と、
前記密閉容器の前記蓋から一端部が露出すると共に該一端部を除く残部が前記密閉容器の内部に位置する、前記密閉容器に回転自在に固定された回転部材と、
前記回転部材の回転に連動して前記密閉容器の内部を移動するスライド部材と、
前記密閉容器の内部に充填された粘性体または粘弾性体とを備え、
前記回転部材は、
前記蓋の貫通孔に回転自在に固定されると共に前記一端部が形成された円筒軸部と、
該円筒軸部よりも大きな直径をもって該円筒軸部に隣接して前記密閉容器の内部に形成された、前記密閉容器の内壁面にその外周面が近接する円板状の環状鍔部と、
該環状鍔部よりも小さな直径をもって該環状鍔部に隣接して前記密閉容器の内部に形成された、前記密閉容器の内壁面にその外周面が近接する円板状の環状突出部とを有するものであり、
前記スライド部材は、前記環状突出部から前記底壁までの間の部分を、前記密閉容器又は前記回転部材との間に隙間を形成しながら移動するものであり、
前記粘性体又は前記粘弾性体は、前記スライド部材が移動する際に前記隙間を通過することにより絞り抵抗を発生すると同時に、前記環状鍔部及び前記環状突出部と前記密閉容器の内壁面との間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものであることを特徴とするダンパ。 - 前記回転部材は、前記円板状の前記環状鍔部のうち前記密閉容器の前記底壁に向き合う面に形成された環状突出部を有するものであり、
前記密閉容器は、前記環状突出部が回転自在に嵌合した環状凹部が形成されたものであり、
前記粘性体又は前記粘弾性体は、
前記環状突出部と前記環状凹部との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものであることを特徴とする請求項1に記載のダンパ。 - 前記スライド部材は、その移動方向に延びる貫通孔が形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のダンパ。
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