JP6218420B2 - 速度制御装置 - Google Patents

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この発明は、移動部材の移動速度を制御するための速度制御装置に関する。
従来から、例えばピアノの蓋や便座などが閉まる時の衝撃を緩和するために、回転軸に設けて上記蓋や便座などの落下速度を制御する、様々な速度制御装置が提案されている。
この種のものとして、特許文献1〜3に示すダンパ装置が知られているが、これらは、粘性流体を封入したシリンダ内に、回転可能に支持された軸部材を備え、この軸部材の回転力に対して抵抗力を作用させるものである。
上記特許文献1〜3に記載されたダンパ装置の基本的な構造はすべて同じであり、それらの具体的構造は、次のとおりである。
上記軸部材の外周にはシリンダ内周に向かって突出する羽根部を形成し、シリンダの内周には軸部材に向かって突出する隔壁部を形成している。これら羽根部と隔壁部とによって区画される流体室を形成し、軸部材の回転によってその容積が縮小する流体室から拡大する流体室へ粘性流体が流入するときの流動抵抗に応じた抵抗力が移動部材に対して発揮されるようにしている。そして、この抵抗力によって移動部材の移動速度を制御していた。
なお、上記のような流動抵抗による抵抗力を、相対回転位置や、回転方向に応じて変化させるために、流路となる隙間の大きさを調整したり、チェック弁機構を設けたりしたものも知られている。
特開平08−109940号公報 特開2002−295561号公報 特開2004−183888号公報
上記のように、羽根部と隔壁部とによって流体室を円周方向に区画する構成では、軸部材とシリンダとの相対回転可能な角度範囲が、羽根部と隔壁部とが衝突するまでの範囲に限られてしまう。つまり、相対回転角度が360°未満に限られてしまう。実際には、羽根部や隔壁部にも回転方向の寸法が必要になるので、回転可能な角度は300°程度が上限となる。
このような回転角度でも、ピアノの蓋や便座のように回転角度範囲が小さい場合には問題はない。しかし、複数回転するような場合、例えば、長尺の部材を巻き取ったり繰り出したりするような装置には、上記特許文献1〜3に示すような構造のダンパ装置を速度制御装置として適用することは難しかった。
一方、上記羽根部や隔壁部を設けないで、回転角度範囲に限界をなくすことも考えられる。その場合には、軸部材とシリンダ内壁との隙間を小さくして、その隙間でのせん断抵抗によって移動に対する抵抗力を得ることになるが、この場合、抵抗力は常時一定になる。つまり、上記長尺部材の巻き取り過程や繰り出し過程の途中で、抵抗力に変化を付けることができず、結果として移動速度を任意に制御することができなかった。
この発明の目的は、軸部材の回転角度範囲を大きくすることができるとともに、回転過程において抵抗力を変化させることができる速度制御装置を提供することである。
第1の発明は、シリンダと、シリンダに回転可能に支持された軸部材と、上記軸部材を貫通させるとともに、上記シリンダあるいは軸部材との相対回転を規制され、上記軸部材の回転力によって軸方向に移動可能にした移動部材と、この移動部材によって上記シリンダ内に区画された一対の流体室と、上記移動部材の外周と上記シリンダの内周との間の隙間あるいは上記移動部材の内周と上記軸部材の外周との間の隙間とを備え、上記隙間を介して流れる流体の流動抵抗によって軸部材の回転力に対する抵抗力を発揮させる速度制御装置であって、上記シリンダの内周面あるいは上記軸部材の外周面の形状、上記移動部材の移動位置に応じて形成される上記隙間の大きさを変化させる形状にして上記隙間を介して流れる流体の流動抵抗を変化させるとともに上記移動部材には、上記一対の流体室間を連通可能にする連通路及び上記移動部材の移動方向に応じて上記連通路を開閉させるチェック弁が設けられ、このチェック弁は、上記移動部材の一方の端面において、その直径上で中心を介して互いに対向する位置に設けられた一対の止め部材によって固定され、上記連通路を覆うドーナツ形状の弁部材からなることを特徴とする。
なお、上記チェック弁が移動部材の移動方向に応じて開閉するとは、移動部材が一方へ移動するときには開弁状態となり、他方へ移動するときには閉弁状態となるということである。
第2の発明は、上記軸部材が、その直径を変化させ、その外周面と上記移動部材の内周面との間の隙間が上記移動部材の移動位置に応じて変化する構成にしたことを特徴とする。
第1の発明では、軸部材の回転力によって移動部材を軸方向に移動させ、この移動部材の外周とシリンダ内周との間の隙間、あるいは移動部材の内周と軸部材の外周との間の隙間を流れる流体の流動抵抗を利用して、移動部材の移動速度を制御するようにしている。そのため、従来の羽根部を設けた装置のように軸部材の回転角度範囲が限定されることなく、複数回転に対応するような大きな可動範囲内で移動部材に対する抵抗力を発揮させることができる。
また、流体が通過する隙間の大きさを変化させているため、隙間の大きさに応じて流体の流動抵抗が変化し、結果として移動部材の移動速度や軸部材の回転速度を制御することができる。
しかも、チェック弁で開閉される連通路を備えているため、移動部材の移動方向によって抵抗力を発揮させたり、発揮させなかったりすることができる。
図1はこの発明の第1実施形態の断面図である。 図2は図1のII-II線断面図である。 図3は図1のIII-III線断面図である。 図4は第1実施形態の隙間の形状を説明するための模式図であり、連通孔8d,8dの中心を通る断面図に相当する。 図5は第実施形態の断面図である。 図6は図5のVI-VI線断面図である。 図7は図5のVII-VII線断面図である。 図8は第実施形態の隙間の形状を説明するための模式図であり、連通孔8d,8dの中心を通る断面図に相当する。
この発明の第1実施形態は図1〜3に示すように、シリンダ1内に軸部材2を回転可能に支持するとともに、上記シリンダ1内に流体を封入している。
上記シリンダ1は、一方の端部に大径の開口1aを備え、他端側は軸孔1bを形成した底部1cを備えている。
また、シリンダ1の内周1dは、図4に示すように底部1cから開口1aに向かって内径が大きくなるようなテーパー状にしている。図4は、後で説明するガイド凸部1e及びガイド凹部8bを避けた箇所での断面図に相当する模式図で、内周1dの形状をわかり易くするために、内周1dの傾斜を極端に表わしている。実際には底部1c側の内径D1と開口側の内径D2との差は微小で、上記内周1dの軸方向の傾斜はほとんどわからない程度のものである。
さらに、上記内周1dには、後で説明する移動部材8とシリンダ1との相対回転を規制し、軸方向の移動をガイドするため、軸方向に連続する一対のガイド凸部1eを形成している。
また、図1に示すように、上記シリンダ1の開口1aには環状のキャップ3を嵌めている。このキャップ3の中央には軸孔3aを形成し、この軸孔3aで軸部材2の一方の端部側に形成した小径部2aを回転可能に支持している。上記軸孔3aにはシール溝3bを形成し、そこにOリング4を嵌めこんでいる。
また、キャップ3の外周に環状のシール溝3cを形成し、このシール溝3cにもOリング5を嵌めている。
さらに、上記軸部材2の他方の端部付近にフランジ2bを備え、このフランジ2bより軸方向外側には環状のシール溝2cを形成している。この環状凹部2cにOリング6を組み込み、このOリング6を介して軸部材2のフランジ側端部を、底部1cの軸孔1bで回転可能に支持している。
そして、上記Oリング4〜6によってシリンダ1内の流体が漏れ出ないようにしている。
なお、図中、符号7は上記キャップ3の抜け止め機能を有するCリングである。但し、上記キャップ3の抜け止めは上記Cリング7に限らない。上記Cリング7を用いる代わりに、キャップ3とシリンダ1とを溶着したり、ねじ結合したりしてもよい。
上記軸部材2は中空部材で、中心には図示しない駆動軸などを挿入するための軸孔2eを貫通させている。また、この軸孔2eの一端側を、その断面形状を六角形にした六角孔2fとしている。そして、上記軸孔2eに挿入する駆動軸などの先端付近の断面形状を、上記六角孔2fに一致する六角形とし、その六角形の部分を上記六角孔2fに挿入することによって上記六角孔2fを軸の回り止めとして機能させ、上記両軸が一体化して回転するようにしている。但し、上記回り止めとしては、六角孔2fに限らず、断面形状が円以外であればよく、例えば多角形や楕円、切欠き部を備えたものなどでも構わない。
なお、この第1実施形態では、先端側の断面を六角形にした上記駆動軸などをシリンダ1の底部1c側から上記軸孔2eに挿入するようにしている。しかし、上記駆動軸などの挿入は、シリンダ1のどちら側からでもかまわない。例えば、駆動軸を上記開口1a側から挿入し、その先端部分を六角孔2fに一致させるようにしてもよい。
さらにまた、軸部材2の小径部2aとフランジ2bとの間の外周には雄ねじ2dを形成し、この雄ねじ2dには、後で詳しく説明するリング状の移動部材8の雌ねじ8aを嵌め合わせ、軸部材2を移動部材8に貫通させている。
この移動部材8によって、上記シリンダ1の内周と軸部材2の外周とで形成される空間を第1の流体室9と第2の流体室10とに区画している。但し、移動部材8の外周とシリンダ内周1dとの間には図1には表われないわずかな隙間11が形成される(図2〜4参照)。
なお、上記したように、シリンダ1の内周1dは、図4に示すテーパー状をしているので、軸方向位置によってシリンダ1の内径寸法が異なっている。そのため、上記隙間11の大きさは、移動部材8の軸方向位置によって変化する。言い換えれば、移動部材8の軸方向位置によって上記隙間11の大きさが決まる。
そして、この第1実施形態では、移動部材8が、シリンダ1の底部1c側から開口1a側へ近づくにしたがって、すなわち矢印B方向へ移動するにしたがって上記隙間11が大きくなる。
また、上記移動部材8であって、図2における上下位置には、上記シリンダ1のガイド凸部1eを嵌めこむ一対のガイド凹部8bを形成している。これらガイド凹部8bにシリンダ1の上記ガイド凸部1eを嵌め合わせることによって移動部材8の回転を阻止し、軸部材2が回転したとき移動部材8が軸方向に移動するようにしている。
なお、この第1実施形態では、移動部材8とシリンダ1との相対回転を規制するためにシリンダ1に上記ガイド凸部1eを形成し、移動部材8にガイド凹部8bを形成しているが、ガイド凸部とガイド凹部とはいずれか一方をシリンダ1側に形成し、いずれか他方を移動部材8側に形成すればよく、どちらがガイド凸部でもガイド凹部でもかまわない。
さらに、移動部材8には、円周方向に配置した複数の連通孔8c,8dと、直径上に対向配置した一対のねじ孔8eとを貫通させている。上記ガイド凹部8bに対応する図中の上下位置には、他の連通孔8dよりも直径を小さくした連通孔8cを貫通させ、他の位置には連通孔8cよりも直径の大きな連通孔8dを貫通させている。
上記連通孔8cの直径を連通孔8dの直径よりも小さくしているのは、その位置が上記ガイド凹部8bの位置に対応しているからで、連通孔8cの周囲の肉厚を確保するためである。
但し、連通孔8c,8dの位置や直径は、図2に示す第1実施形態のものに限らない。上記移動部材8を貫通する連通孔8c,8dの断面積の総和が、この発明の連通路として必要な通路面積になればよい。なお、上記連通路の流路面積は、シリンダ1の内周1dと移動部材8の外周との間に形成される隙間11の断面積に比べて十分に大きくし、流体が上記連通路を通過するときの流動抵抗が、隙間11を通過するときの流動抵抗に比べて無視できるようにしておく。
さらに、移動部材8であって、図3に示した一方の端面には上記連通孔8c、8dを覆う板状の弁部材12を設け、この弁部材12を上記一対のねじ孔8eにねじ止めるねじ部材13で固定している。
この弁部材12は、移動部材8の端面にほぼ一致するドーナツ形状をしているが、図3における上下位置に、シリンダ1のガイド凸部1eを回避するための切欠き12aを備えている。
なお、この第1実施形態では弁部材12を移動部材8にねじ止めしているが、上記弁部材12の取り付け方法はねじ止めに限らない。例えば、弁部材12あるいは移動部材8に設けた凸部を、移動部材8あるいは弁部材12に設けた凹部や孔に圧入したり、一方の部材に形成したフックを他方の部材に形成した凹部にはめ込んだりする所謂スナップフィットなどでもよい。
また、上記弁部材12は、上記第1の流体室9の圧力が第2の流体室10の圧力より大きいときには、移動部材8に押し付けられて上記連通孔8c,8dを閉じ、第1の流体室9の圧力が第2流体室10の圧力より小さくなったときには移動部材8から離れて上記連通孔8c,8dを開き、この発明のチェック弁を構成する。
なお、上記弁部材12は、図3における左右方向の直径上に設けた一対のねじ部材13によって移動部材8に固定されているので、上記第2の流体室10の圧力が第1の流体室の圧力より大きくなったとき、上記ねじ部材13,13を通る直径を境に折れ曲がるように変形して開弁する。
上記のように構成した速度制御装置の作用を以下に説明する。
ここでは、軸部材2に図示しない駆動軸を挿入固定し、その駆動軸を介して軸部材2を回転させるとき、その回転力に対して抵抗力を発揮させる場合について説明する。
なお、この第1実施形態では、軸部材2が、図1に矢印で示した時計回りCWに回転すると、移動部材8は矢印A方向に移動し、反時計回りCCWに回転すると移動部材8は矢印B方向へ移動するものとする。なお、軸部材2の回転方向は、シリンダ1の底部1c側から見た場合のものである。
上記軸部材2が時計回りCWに回転し、移動部材8が矢印A方向へ移動すると、第1の流体室9が拡大し、第2の流体室10が縮小する。第2の流体室10が縮小すれば、第1の流体室9より第2の流体室10の圧力が高くなるので、その圧力作用によって弁部材12が開弁し、連通路を構成する連通孔8c,8dを開く。この連通孔8c,8dが開けば、流体は、この連通孔8c,8dを介して第2の流体室10から第1の流体室9へ流入する。上記連通孔8c,8dの流路面積の総和は十分に大きく設定されているので、これら連通孔8c,8dを介して流体が流れるときの流動抵抗は無視できる。つまり、軸部材2が時計回りCWに回転する場合には、移動部材8に対する抵抗力、すなわち軸部材2の回転力に対する抵抗力は無視できる。
これに対し、軸部材2が反時計回りCCWに回転し、移動部材8が矢印B方向へ移動すると、第1の流体室9が縮小し、第2の流体室10が拡大する。第2の流体室10が拡大すれば、第2の流体室10より第1の流体室9の圧力が高くなるので、その圧力作用によって弁部材12が閉弁し、連通路を構成する連通孔8c,8dを閉じる。このように、上記連通孔8c,8dが閉じれば、第1の流体室9から第2の流体室10へ流れる流体は、図4の矢印bのように、移動部材8の外周に形成される上記隙間11を通過することになる。
この隙間11は、上記したような微小な隙間なので、流体の流動抵抗は大きくなり、この流動抵抗が移動部材8に対する抵抗力や、軸部材2の回転に対する抵抗力として作用する。
つまり、この第1実施形態の速度制御装置では、軸部材2が時計回りCWに回転する場合には、流動抵抗に基づく抵抗力は発揮されず、反時計回りCCWに回転する場合にのみ抵抗力が発揮される。
また、上記隙間11の大きさは、図4に示すように軸方向において変化しているため、この隙間11を通過する流体の流動抵抗も変化する。その結果、上記移動部材8に対する抵抗力が変化し、この変化した抵抗力によって移動部材8や軸部材の速度も変化する。
この第1実施形態では、上記隙間11の大きさをシリンダ1の底部1cから開口1aに向かって連続的に大きくなるようにしている。そのため、軸部材2が反時計回りCCWに回転したときに発揮される抵抗力は徐々に小さくなる。
このように、この第1実施形態の速度制御装置では、軸部材2の回転方向によって回転力に対する抵抗力を発揮させたり、発揮させなかったりすることができる。さらに、発揮する抵抗力に変化を付け、移動部材8や軸部材2の速度を変化させることができる。
また、軸部材2の回転角度範囲は、従来の羽根部と隔壁部とを備えたダンパ装置のように、1回転以内に限定されることがない。軸部材2の回転角度範囲は、上記移動部材8の軸方向の移動範囲に対応するが、軸部材2は複数回転も可能である。そして、軸部材2の軸方向長さを長くすれば、その分移動部材8の移動範囲が大きくなり、それに伴って軸部材2の回転可能範囲も大きくなる。但し、軸部材2の回転と移動部材8の移動範囲との関係は、上記雄ねじ2d及び雌ねじ8aのピッチによっても変わる。ねじピッチを大きくすれば、軸部材2の一回転あたりの移動部材8の軸方向の移動距離が大きくなり、ねじピッチを小さくすれば、一回転あたりの移動部材8の軸方向の移動距離が小さくなる。なお、上記ねじピッチが小さいほど、移動部材8の動きがよりスムーズになる。
上記のような速度制御装置は、例えば長尺部材の巻き取り装置などに適用し、軸部材2を複数回回転させて使用することができる。例えば、軸部材2を時計回りCWに回転させて長尺部材を巻き取るときには、抵抗力を作用させないでスムーズに巻き取り、反時計回りCCWに回転させて繰り出す際にのみ、抵抗力を発揮させることもできる。
なお、上記第1実施形態では、軸部材2が反時計回りCCWに回転する際に発揮される抵抗力が徐々に弱くなるように構成しているため、移動部材8が矢印B方向へ移動する過程で、徐々に移動速度を上げることもできる。
しかし、発揮させる抵抗力は上記シリンダ1の内周1dの形状によって様々な変化を付けることができる。
例えば、シリンダ1の内周1dの傾斜を、図4とは反対にして、底部1cから開口1aに向かって内径が小さくなるようにしてもよい。このようにすれば、軸部材2が反時計回りCCWに回転したとき、矢印B方向へ移動する移動部材8の外周とシリンダ1の内周1dとの隙間11は徐々に小さくなる。
上記隙間11が徐々に小さくなれば、移動部材8の移動に伴って、矢印bで示す流れの流動抵抗が徐々に大きくなり、抵抗力を徐々に大きくすることができる。このような装置は、例えば、軸部材2に連携した錘などの重力作用によって軸部材2を反時計回りCCWに回転させるようなとき、重りの落下によって増加する回転速度を、徐々に大きくなる抵抗力によって抑え、落下速度を一定に制御するような場合に利用することもできる。また、移動終端において抵抗力を最大にして、衝撃を吸収するダンパ装置としても利用できる。
また、シリンダ1の内周1dの形状によって、上記隙間11の大きさを一方向に向かって大きくしたり、小さくしたりするだけでなく、シリンダ1の両端に向かって大きくなるようにしたり、一定の大きさとなる部分を形成したり、様々に変化させることができる。
このように、隙間11の大きさを様々に変化させることによって、上記抵抗力の大きさに変化を付けたり、抵抗力が効き始めるタイミングを調整したりすることもでき、それによって移動部材8の軸方向の移動速度や、軸部材2の回転速度を制御することができる。
さらに、抵抗力を発揮させる回転方向は、軸部材2の反時計回りCCW方向に限らない。もし、軸部材2が時計回りCWに回転したときにのみ、力を発揮させるようにするためには、移動部材8に対する上記弁部材12の取り付け位置を、シリンダ1の底部1c側に変更すればよい。あるいは、雄ねじ2d及び雌ねじ8aのねじ山を逆ねじにすれば、軸部材2の回転方向と移動部材8の移動方向との関係を、上記とは反対にすることができる。
なお、上記第1実施形態では、移動部材8に連通孔8c,8d及び弁部材12を設けたが、これらを設けなくてもよい。
その場合を、第2実施形態として以下に説明する。
この第2実施形態は、上記移動部材8に連通孔8c,8d及び弁部材12を備えていない以外は上記第1実施形態と同じ構成である。したがって、第1実施形態と同じ構成要素については第1実施形態と同じ符号を用い、第1実施形態と同じ構成要素についての説明は省略する。また、以下の説明にも図1及び図4を参照する。
図5〜図8示す第実施形態は、シリンダ1内に回転可能に支持された軸部材2と、この軸部材2が貫通するとともに、軸部材2の回転に伴って軸方向に移動する移動部材8を備え、この移動部材8によってシリンダ1内を第1の流体室9と第2の流体室10とに区画している点は上記第1実施形態と同じである。
この第実施形態において、上記第1実施形態と同じ構成要素には上記第1実施形態と同じ符号を用い、詳細な説明は省略する。そして、以下には、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
実施形態の速度制御装置は、軸部材2の外周2gと移動部材8の内周8fとの間に隙間14を形成し、この隙間14を流れる流体の流動抵抗を利用して速度を制御するように構成した装置であり、この点が第1実施形態と異なる点である。
そして、この第実施形態では、図5〜7に示すように、軸部材2の外周2gに、軸方向に連続する一対のガイド凹部2hを形成し、移動部材8の内周8fに、上記ガイド凹部2gに一致する一対のガイド凸部8gを形成している。このガイド凸部8gを上記ガイド凹部2hに嵌め合わせることによって軸部材2と移動部材8との相対回転を規制し、軸部材2が回転すると移動部材8も回転するようにしている。
但し、上記ガイド凹部及びガイド凸部は、いずれか一方を軸部材2側に形成し、いずれか他方を移動部材8側に形成すればよく、どちらがガイド凹部でもガイド凸部でもかまわない。
また、移動部材8の外周には雄ねじ8hを形成し、この雄ねじ8hにかみ合う雌ねじ1fをシリンダ1の内周に形成して、両者を結合している。
したがって、上記軸部材2の回転力によって移動部材8が回転すると、この移動部材8は上記雌ねじ1fのねじ溝に沿って軸方向に移動する。
この第実施形態においては、軸部材2が時計回りCWに回転すると、移動部材8は矢印B方向へ移動し、反時計回りCCWに回転すると矢印A方向へ移動する。この軸部材2の回転方向は、シリンダ1の底部1c側から見た場合のものである。
なお、この第実施形態の軸部材2も、その中心に軸方向に貫通する軸孔2e、六角孔2fを備え、この軸孔2eに挿入した図示しない駆動軸を介して回転力を入力できる点は、上記第1実施形態と同じである。
そして、上記軸部材2をシリンダ1に回転可能に支持する構成は、第1実施形態と同じである。
また、上記移動部材8には、上記第1実施形態と同様に、複数の連通孔8c,8dを貫通させるとともに、これら貫通孔8c,8dを開閉する弁部材12を取り付けている。
一方、上記軸部材2は、図8に示すように、その直径をシリンダ1の底部1c側から開口1aに向かって連続的に小さくしている。
図8は、上記凸部1e及びガイド凹部8bを避けた箇所での断面図に相当する模式図で、軸部材2の外周の形状をわかり易くするために、軸部材2の外周2gの傾斜を極端に表わしている。実際には底部1c側の内径D3と開口側の内径D4との差は微小で、上記外周2gの軸方向の傾斜はほとんどわからない程度のものである。
このように構成した速度制御装置の作用を以下に説明する。
軸部材2を時計回りCW方向へ回転させると、移動部材8も時計回りCW方向へ回転する。移動部材8が時計回りCWに回転すれば、シリンダ1の雌ねじ1fに沿って矢印B方向へ移動する。移動部材8が矢印方向へ移動すると、第1の流体室9が収縮するので、その圧力によって弁部材12が閉弁する。したがって、流体は上記隙間14を通過し、隙間14の大きさに対応した流動抵抗が、移動部材8へ抵抗力として作用する。上記隙間14は、移動部材8が矢印B方向へ移動するにしたがって徐々に大きくなるので、上記抵抗力が徐々に小さくなる。この抵抗力によって移動速度が制御される。
これに対し、軸部材2を反時計回りCCW方向へ回転させると、移動部材8も時計回りCW方向へ回転する。移動部材8が時計回りに回転すれば、シリンダ1の雌ねじ1fに沿って矢印A方向へ移動する。移動部材8が矢印A方向へ移動すると、第2の流体室10が収縮するので、その圧力によって弁部材12が開弁する。したがって、流体は連通孔8c,8dを通過し、その際の流動抵抗は無視できる。したがって、移動部材8の速度を抑えるような抵抗力は作用しないことになる。
この第実施形態の速度装置も、上記第1実施形態と同様に軸部材2が複数回転するような装置に用い、移動部材8の移動速度を制御することができる。
また、上記軸部材2の外周2gの傾斜の方向や、傾斜位置などを様々に設定することによって、上記隙間14の大きさを変化させれば、移動部材8や軸部材2の速度を様々に制御することができる。
さらに、上記第実施形態の装置の移動部材8に、連通孔8c,8d及び弁部材12を設けなければ、軸部材2の回転方向が時計回りCW、反時計回りCCWのいずれの場合にも、流動抵抗による抵抗力を発揮させて移動速度を制御できるようになる。
なお、上記実施形態では、軸部材2の中心に貫通する軸孔2eを設けて、この貫通孔に駆動軸など、連結すべき外部装置の軸を挿入するようにしているが、軸孔2eは貫通孔に限らず、一方の端部を塞いでもよいし、駆動軸などの先端を挿入するための凹部でもよい。
または、軸部材2に軸孔や凹部を形成せずに、軸部材2の端部をシリンダ1の端部から突出させ、この突出部に駆動軸などを連結するようにしてもよい。
但し、上記実施形態のように、駆動軸などを軸部材2に挿入するようにした場合、シリンダ1の端部から軸部材2の突出がなく、速度制御装置全体をコンパクトにできる。
速度に変化を付けることが必要な様々な装置に適用可能である。
1 シリンダ
1d 内周
1e ガイド凸部
1f 雌ねじ
2 軸部材
2d 雄ねじ
2g 外周
2h ガイド凹部
8 移動部材
8a 雌ねじ
8b ガイド凹部
8c、8d (連通路である)連通孔
8f 内周
8g ガイド凸部
8h 雄ねじ
9 第1の流体室
10 第2の流体室
11 隙間
12 (チェック弁である)弁部材
14 隙間

Claims (2)

  1. シリンダと、
    シリンダに回転可能に支持された軸部材と、
    上記軸部材を貫通させるとともに、上記シリンダあるいは軸部材との相対回転を規制され、上記軸部材の回転力によって軸方向に移動可能にした移動部材と、
    この移動部材によって上記シリンダ内に区画された一対の流体室と、
    上記移動部材の外周と上記シリンダの内周との間の隙間あるいは上記移動部材の内周と上記軸部材の外周との間の隙間とを備え、
    上記隙間を介して流れる流体の流動抵抗によって軸部材の回転力に対する抵抗力を発揮させる速度制御装置であって、
    上記シリンダの内周面あるいは上記軸部材の外周面の形状、上記移動部材の移動位置に応じて形成される上記隙間の大きさを変化させる形状にして上記隙間を介して流れる流体の流動抵抗を変化させるとともに
    上記移動部材には、上記一対の流体室間を連通可能にする連通路及び上記移動部材の移動方向に応じて上記連通路を開閉させるチェック弁が設けられ、
    このチェック弁は、上記移動部材の一方の端面において、その直径上で中心を介して互いに対向する位置に設けられた一対の止め部材によって固定され、上記連通路を覆うドーナツ形状の弁部材からなることを特徴とする速度制御装置。
  2. 上記軸部材は、その直径を変化させ、その外周面と上記移動部材の内周面との間の隙間が上記移動部材の移動位置に応じて変化する構成にしたことを特徴とする請求項1に記載の速度制御装置。
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