JP4384399B2 - 回転制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、回転動作する制御対象物に対して、所定の制動力を与えて、その回転動作を緩慢なものとさせる回転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転動作する制御対象物に対して、所定の制動力を与えて、その回転動作を緩慢なものとさせる回転制御装置として、図16に示した所謂シングルベーン方式の回転ダンパや、図17に示した所謂ダブルベーン方式の回転ダンパが知られている。
【0003】
これらの回転ダンパは、いずれもケーシング100の軸心に沿って配設される軸部110と、ケーシング100の内周面と軸部110の外周面との間に形成される空間を仕切り、粘性流体が充填される流体室120を形成する隔壁部130と、流体室120を更に2つの室に仕切る仕切部140とを具備するものであるが、シングルベーン方式の回転ダンパは、ケーシング100内に隔壁部130及び仕切部140がそれぞれ1つずつ設けられている点で、ケーシング100内における軸部110を中心とした対称の位置に、隔壁部130及び仕切部140がそれぞれ設けられているダブルベーン方式のものと相違する。
【0004】
そして、上記した回転ダンパは、いずれもケーシング100又は軸部110の回転に伴い隔壁部130又は仕切部140が揺動することにより押圧される粘性流体が、隔壁部130と軸部110との僅かな間隙、仕切部140とケーシング100との僅かな間隙等を通じて移動する際に生じる抵抗を利用して、制御対象物の回転動作を緩慢なものとさせるものである。
【0005】
しかしながら、上記した回転ダンパでは、いずれも隔壁部は仕切部の存在によって、また仕切部は隔壁部の存在によって、隔壁部又は仕切部の揺動角が小さく限られている。すなわち、シングルベーン方式のものは、通常320度を超える隔壁部又は仕切部の揺動角を得ることが構造上困難であり、またダブルベーン方式のものにあっては、通常130度を超える隔壁部又は仕切部の揺動角を得ることが構造上困難である。従って、シングルベーン方式のものでは、360度回転する制御対象物の全角度範囲において制動力を発揮することができず、またダブルベーン方式のものでは、180度回転する制御対象物の全角度範囲において制動力を発揮することはできなかった。
【0006】
一方、360度回転する制御対象物の全角度範囲において制動力を発揮することが可能な回転制御装置として、例えば、下記特許文献1に記載されたダンパ付きドアヒンジや、下記特許文献2に記載された回転ダンパが知られている。
【0007】
しかしながら、下記特許文献1に記載されたダンパ付きドアヒンジでは、回転運動を直線運動に変換して制御対象物の回転動作を緩慢なものにさせる構造であるため、制動力を発揮し得る回転角度を大きく設定する程、装置の軸方向長さが長いものとなり、また製造コストも高くつくという欠点がある。
【0008】
他方、下記特許文献2に記載された回転ダンパでは、固定プレートと可動プレートとの相互の対向面間に粘性流体を充填し、固定プレートと可動プレートとの相互の対向面がずれることにより生じる粘性流体の粘性抵抗を利用したものであるため、上記したシングルベーン方式やダブルベーン方式の回転ダンパのような大きな制動力を発揮するためには、多数の固定プレートと可動プレートを交互に配設する必要があり、製造コストが高くつくという欠点がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−129078号公報
【特許文献2】
特開平3−172482号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、従来のシングルベーン方式又はダブルベーン方式の回転ダンパと同様に、小型でも大きな制動力を発揮し得ると共に、それらの回転ダンパでは達成することが困難な回転角度範囲でも制御対象物に対して制動力を付与することができ、また低コストで製造可能な回転制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明は、軸心に沿って配設される第1の軸部を中心として回動可能に設けられる第1のケーシング、該第1のケーシング内周面と前記第1の軸部外周面との間に形成される空間を仕切り、粘性流体が充填される第1の流体室を形成し、前記第1のケーシングの回動に伴って前記第1の軸部の周りで揺動する第1の隔壁部、及び前記第1の流体室を更に2つの室に仕切り、前記第1の軸部の回転に伴って前記第1の流体室内で揺動する第1の仕切部を有する第1緩衝部と、
前記第1の軸部と軸心が同一であって、該第1の軸部に連結され又は一体のものとして形成され、前記第1の軸部と連動して回転するが、前記第1の軸部と独立して回転することができない第2の軸部が軸心に沿って配設され、該第2の軸部を中心として回動可能に設けられる第2のケーシング、該第2のケーシング内周面と前記第2の軸部外周面との間に形成される空間を仕切り、粘性流体が充填される第2の流体室を形成し、前記第2のケーシングの回動に伴って前記第2の軸部の周りで揺動する第2の隔壁部、及び前記第2の流体室を更に2つの室に仕切り、前記第2の軸部の回転に伴って前記第2の流体室内で揺動する第2の仕切部を有する第2緩衝部とを備え、
前記第1及び第2の仕切部は、前記第1及び第2の流体室内でそれぞれ同じ角度範囲揺動し得ると共に、前記第1の軸部の円周方向における前記第1の仕切部の位置と、前記第2の軸部の円周方向における前記第2の仕切部の位置が、所定角度異なるように、設けられており、
前記第1のケーシングが制御対象物及び制御対象物を支持する支持体のいずれか一方に取り付けられ、前記第2のケーシングが制御対象物及び制御対象物を支持する支持体のいずれか他方に取り付けられて使用されることを特徴とする回転制御装置を提供する。
請求項2に記載の本発明は、前記第1及び第2のケーシング内に前記第1及び第2の隔壁部並びに前記第1及び第2の仕切部がそれぞれ1つずつ設けられていると共に、前記第1の軸部の円周方向における前記第1の仕切部の位置と、前記第2の軸部の円周方向における前記第2の仕切部の位置が、最大180度異なるように、前記第1及び第2の仕切部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転制御装置を提供する。
請求項3に記載の本発明は、前記第1及び第2のケーシング内における前記第1及び第2の軸部を中心とした対称の位置に、前記第1及び第2の隔壁部並びに前記第1及び第2の仕切部がそれぞれ設けられていると共に、前記第1の軸部の円周方向における前記第1の仕切部の位置と、前記第2の軸部の円周方向における前記第2の仕切部の位置が、最大90度異なるように、前記第1及び第2の仕切部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転制御装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る回転制御装置の内部構造を示す断面図、図2は図1のA−A部断面図、図3は図1のB−B部断面図である。これらの図に示したように、本実施形態に係る回転制御装置は、ともにケーシング11,21、軸部12,22、隔壁部13,23、及び仕切部14,24を有する第1緩衝部10と第2緩衝部20を有して構成される。
【0013】
第1緩衝部10のケーシング(第1のケーシング)11は、断面略円形の筒状部11aと該筒状部11aに突設される板状の取付部11bを有して構成され、軸部(第1の軸部)12を中心として回動可能に設けられている。
【0014】
第1の軸部12は、第1の軸部12と後述する第2緩衝部20の軸部(第2の軸部)22とを連結する連結軸30の外周面に設けられた突起と係合する溝が内周面に形成された断面略円形の筒状体からなり、第1のケーシング11の軸心に沿って配設されている。
【0015】
隔壁部(第1の隔壁部)13は、その先端面が第1の軸部12の外周面に摺接するように、第1のケーシング11の内周面から軸心方向に向かって突出し、この第1の隔壁部13によって、第1のケーシング11の内周面と第1の軸部12の外周面との間に形成される空間を仕切るように、第1のケーシング11と一体に成形されている。従って、第1の隔壁部13は、第1のケーシング11が回動すると、それに伴い第1の軸部12の周りで揺動する。
【0016】
そして、このように第1の隔壁部13により、第1のケーシング11の内周面と第1の軸部12の外周面との間に形成される空間が仕切られることによって、第1のケーシング11内には、粘性流体が充填される流体室(第1の流体室)15が形成される。粘性流体としては、シリコンオイル等を用いることができる。
【0017】
仕切部(第1の仕切部)14は、その先端面が第1のケーシング11の内周面に摺接するように、第1の軸部12の外周面から突出し、この第1の仕切部14によって、第1の流体室15を更に2つの室15a,15bに仕切るように、第1の軸部12と一体に成形され、第1の流体室15内に配設されている。従って、第1の仕切部14は、第1の軸部12が回転すると、それに伴い第1の流体室15内で揺動する。
【0018】
他方、第2緩衝部20のケーシング(第2のケーシング)21は、上記第1のケーシング11と同様に、断面略円形の筒状部21aと該筒状部21aに突設される板状の取付部21bを有して構成され、軸部(第2の軸部)22を中心として回動可能に設けられている。
【0019】
第2の軸部22は、上記第1の軸部12と同様に、連結軸30の外周面に設けられた突起と係合する溝が内周面に形成された断面略円形の筒状体からなり、連結軸30の一端側に設けられる第1の軸部12と軸心が同一となるように、連結軸30の他端側に設けられることで、第1の軸部12と連結され、第2のケーシング21の軸心に沿って配設されている。従って、第2の軸部22は、第1の軸部12と連動して、その軸心を中心として回転する。
【0020】
隔壁部(第2の隔壁部)23は、その先端面が第2の軸部22の外周面に摺接するように、第2のケーシング21の内周面から軸心方向に向かって突出し、この第2の隔壁部23によって、第2のケーシング21の内周面と第2の軸部22の外周面との間に形成される空間を仕切るように、第2のケーシング21と一体に成形されている。従って、第2の隔壁部23は、第2のケーシング21が回動すると、それに伴い第2の軸部22の周りで揺動する。
【0021】
そして、このように第2の隔壁部23により、第2のケーシング21の内周面と第2の軸部22の外周面との間に形成される空間が仕切られることによって、第2のケーシング21内には、粘性流体が充填される流体室(第2の流体室)25が形成される。
【0022】
仕切部(第2の仕切部)24は、その先端面が第2のケーシング21の内周面に摺接するように、第2の軸部22の外周面から突出し、この第2の仕切部24によって、第2の流体室25を更に2つの室25a,25bに仕切るように、第2の軸部22と一体に成形され、第2の流体室25内に配設されている。従って、第2の仕切部24は、第2の軸部22が回転すると、それに伴い第2の流体室25内で揺動する。
【0023】
このように第2の仕切部24は、上記第1の仕切部14と同様に、粘性流体が充填された室内で揺動可能に設けられるが、第1及び第2の仕切部14,24は、第1及び第2の流体室15,25内でそれぞれ同じ角度範囲揺動し得るように設けられる。
【0024】
また、第1の軸部12の円周方向における第1の仕切部14の位置と、第2の軸部22の円周方向における第2の仕切部24の位置は、同一ではなく、所定角度異なるように設けられる。すなわち、第1の軸部12の円周方向における第1の仕切部14の位置と、第2の軸部22の円周方向における第2の仕切部24の位置が同一であれば、第1及び第2緩衝部10,20における隔壁部13,23及び仕切部14,24の揺動角は、いずれも前述した従来の回転ダンパと同様に小さく限定されることになるからである。
【0025】
図4に示したように、第1の仕切部14と第2の仕切部24との位置関係を規定する角度θは、本実施形態に係る回転制御装置のように、第1及び第2のケーシング11,21内に第1及び第2の隔壁部13,23並びに第1及び第2の仕切部14,24がそれぞれ1つずつ設けられている場合、最大180度までの範囲で適宜設定することができ、その角度θが大きい程、より大きな回転角度範囲で制御対象物に対して制動力を付与することが可能となる。
【0026】
本実施形態では、360度回転する制御対象物の全角度範囲において制動力を発揮し得るように、第1の軸部12の円周方向における第1の仕切部14の位置と、第2の軸部22の円周方向における第2の仕切部24の位置が、180度異なるように設けられている。
【0027】
上記のように構成される回転制御装置は、第1制御部10の第1のケーシング11又は第2制御部20の第2のケーシング21のうちのいずれか一方が制御対象物を支持する支持体(不動体)に固定され、いずれか他方が制御対象物(可動体)に連結されて使用される。
【0028】
例えば、第1のケーシング11を不動体に固定し、第2のケーシング21を可動体に連結したとすると、可動体の回転動作に伴って、第1のケーシング11は第1の軸部12を中心として回動しないが、第2のケーシング21は第2の軸部22を中心として回動する。
【0029】
図5に示したように、第1のケーシング11の取付部11bと第2のケーシング21の取付部21bが同じ位置に存する場合の第2のケーシング21の回転角度を0度とした場合に、第2のケーシング21が可動体の回転動作に伴って、図5において、反時計回り方向に回動していくと、第2緩衝部20では、第2の隔壁部23が第2の軸部22の周りで揺動して、第2の流体室25内の粘性流体を押圧する。第2の隔壁部23に押圧された粘性流体は、第2のケーシング21と第2の仕切部24との僅かな間隙等を通じて一方の室25aから他方の室25bへ移動することとなり、その際に抵抗を生じる。また、このように移動する粘性流体の圧力を受けて第2の仕切部24が第2の流体室25内で揺動し、これに伴い第2の軸部22が、第2のケーシング21の回動に追随するように回転する。この際、第2の軸部22の回転角度は、第2のケーシング21の回転角度の約半分である。
【0030】
他方、第1緩衝部10では、連結軸30を介して第2の軸部22に連結された第1の軸部12が回転するため、これに伴い第1の仕切部14が第1の流体室15内で揺動して、第1の流体室15内の粘性流体を押圧する。そして、第1の仕切部14に押圧された粘性流体は、第1のケーシング11と第1の仕切部14との僅かな間隙等を通じて一方の室15aから他方の室15bへ移動することとなり、その際に抵抗を生じる。
【0031】
従って、この回転制御装置によれば、第1及び第2緩衝部10,20においてそれぞれ生じる粘性流体の抵抗により、第2のケーシング21の回動を遅動せしめ、それに連結された可動体の回転動作を緩慢なものとさせることができる。
【0032】
また、上記したように、第1及び第2の仕切部14,24は、第1及び第2の流体室15,25内でそれぞれ同じ角度範囲揺動し得ると共に、第1の軸部12の円周方向における第1の仕切部14の位置と、第2の軸部22の円周方向における第2の仕切部24の位置が、180度異なるように設けられているため、図5に示したように、第1のケーシング11が固定された状態で第2のケーシング21が360度回動可能である。従って、360度回転する制御対象物の全角度範囲において制動力を発揮することが可能である。
【0033】
また、第1及び第2の隔壁部13,23並びに第1及び第2の仕切部14,24がそれぞれ揺動し、第1及び第2の流体室15,25内に充填された粘性流体を押圧することにより生じる抵抗を利用して、可動体の回転動作を緩慢なものとさせる構造であるため、小型でも大きな制動力を発揮することが可能であり、また、低コストで製造することが可能である。
【0034】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る回転制御装置の内部構造を示す断面図、図7は図6のA−A部断面図、図8は図6のB−B部断面図である。これらの図に示したように、本実施形態に係る回転制御装置は、第1及び第2のケーシング11,21内における第1及び第2の軸部12,22を中心とした対称の位置に、第1及び第2の隔壁部13,23並びに第1及び第2の仕切部14,24がそれぞれ設けられている点で、上記第1の実施の形態に係る回転制御装置と相違する。
【0035】
また、本実施形態では、180度回転する制御対象物の全角度範囲において制動力を発揮し得るように、第1の軸部12の円周方向における第1の仕切部14の位置と、第2の軸部22の円周方向における第2の仕切部24の位置が、90度異なるように設けられている点で、上記第1の実施の形態に係る回転制御装置と相違する。
【0036】
なお、図9に示したように、第1の仕切部14と第2の仕切部24との位置関係を規定する角度θは、本実施形態に係る回転制御装置のように、第1及び第2のケーシング11,21内における第1及び第2の軸部12,22を中心とした対称の位置に、第1及び第2の隔壁部13,23並びに第1及び第2の仕切部14,24がそれぞれ設けられている場合、最大90度までの範囲で適宜設定することができ、その角度θが大きい程、より大きな回転角度範囲で制御対象物に対して制動力を付与することが可能となる。
【0037】
上記のように構成される回転制御装置も、上記第1の実施の形態に係る回転制御装置と同様に、第1制御部10の第1のケーシング11又は第2制御部20の第2のケーシング21のうちのいずれか一方が制御対象物を支持する支持体(不動体)に固定され、いずれか他方が制御対象物(可動体)に連結されて使用される。
【0038】
例えば、第1のケーシング11を不動体に固定し、第2のケーシング21を可動体に連結したとすると、可動体の回転動作に伴って、第1のケーシング11は第1の軸部12を中心として回動しないが、第2のケーシング21は第2の軸部22を中心として回動する。
【0039】
図10に示したように、第1のケーシング11の取付部11bと第2のケーシング21の取付部21bが同じ位置に存する場合の第2のケーシング21の回転角度を0度とした場合に、第2のケーシング21が可動体の回転動作に伴って、図10において、反時計回り方向に回動していくと、第2緩衝部20では、第2の隔壁部23が第2の軸部22の周りで揺動して、第2の流体室25内の粘性流体を押圧する。第2の隔壁部23に押圧された粘性流体は、第2のケーシング21と第2の仕切部24との僅かな間隙等を通じて一方の室25bから他方の室25aへ移動することとなり、その際に抵抗を生じる。また、このように移動する粘性流体の圧力を受けて第2の仕切部24が第2の流体室25内で揺動し、これに伴い第2の軸部22が、第2のケーシング21の回動に追随するように回転する。この際、第2の軸部22の回転角度は、第2のケーシング21の回転角度の約半分である。
【0040】
他方、第1緩衝部10では、連結軸30を介して第2の軸部22に連結された第1の軸部12が回転するため、これに伴い第1の仕切部14が第1の流体室15内で揺動して、第1の流体室15内の粘性流体を押圧する。そして、第1の仕切部14に押圧された粘性流体は、第1のケーシング11と第1の仕切部14との僅かな間隙等を通じて一方の室15aから他方の室15bへ移動することとなり、その際に抵抗を生じる。
【0041】
従って、この回転制御装置によっても、上記第1の実施の形態に係る回転制御装置と同様に、第1及び第2緩衝部10,20においてそれぞれ生じる粘性流体の抵抗により、第2のケーシング21の回動を遅動せしめ、それに連結された可動体の回転動作を緩慢なものとさせることができる。
【0042】
また、上記したように、第1及び第2の仕切部14,24は、第1及び第2の流体室15,25内でそれぞれ同じ角度範囲揺動し得ると共に、第1の軸部12の円周方向における第1の仕切部14の位置と、第2の軸部22の円周方向における第2の仕切部24の位置が、90度異なるように設けられているため、図10に示したように、第1のケーシング11が固定された状態で第2のケーシング21が180度回動可能である。従って、180度回転する制御対象物の全角度範囲において制動力を発揮することが可能である。
【0043】
また、第1及び第2の隔壁部13,23並びに第1及び第2の仕切部14,24がそれぞれ揺動し、第1及び第2の流体室15,25内に充填された粘性流体を押圧することにより生じる抵抗を利用して、可動体の回転動作を緩慢なものとさせる構造であるため、小型でも大きな制動力を発揮することが可能であり、また、低コストで製造することが可能である。
【0044】
また、第1及び第2の隔壁部13,23並びに第1及び第2の仕切部14,24が、第1及び第2のケーシング11,21内における第1及び第2の軸部12,22を中心とした対称の位置にそれぞれ設けられているため、上記第1の実施の形態に係る回転制御装置と比較して、より安定した制動特性を得ることが可能である。
【0045】
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る回転制御装置の内部構造を示す断面図、図12は図11のA−A部断面図、図13は図11のB−B部断面図である。これらの図に示したように、本実施形態に係る回転制御装置は、第1の軸部12と第2の軸部22とが一体のものとして形成されている点で、上記第1及び第2の実施の形態に係る回転制御装置と相違する。このように第1の軸部12と第2の軸部22は、相互に同心で、かつ連動して回転し得るように設けられていれば良く、連結されたものであると一体に形成されたものであるとを問わない。
【0046】
また、本実施形態では、第1及び第2の仕切部14,24が、ともに一方向性の弁14b,24bを備えて構成されている点で、上記第1及び第2の実施の形態に係る回転制御装置と相違する。
【0047】
すなわち、この第1及び第2の仕切部14,24は、それぞれ第1及び第2の軸部12,22の外周面に、円周方向に所定の間隔をおいて突設され、かつ第1及び第2の軸部12,22の外周面からの径方向の長さが第1及び第2のケーシング11,21の内周面との隙間の距離よりも短い2つの突壁14a,24aと、円周方向に遊びを持たせて各突壁14a,24aと第1及び第2のケーシング11,21との間に配設される一方向性の弁14b,24bとを有して構成される。
【0048】
この弁14b,24bは、図14に示したように、円周方向に沿った幅が2つの突壁14a,24a間の間隔よりも広く、各突壁14a,24aの端面と第1及び第2のケーシング11,21の内周面との隙間の距離以下の厚みを有する円弧状部14c,24cと、この円弧状部14c,24cの内面側に突出するように形成された突起部14d,24dと、円弧状部14c,24cの内面、突起部14d,24dの一側面及び端面にそれぞれ形成される溝14e,24eとを有して構成され、突起部14d,24dが上記突壁14a,24a間に挿入されて配設されている。
【0049】
そして、かかる弁14b,24bは、粘性流体の圧力を受けることにより円周方向に移動して、図15(a)に示したように、突起部14d,24dの溝14e,24eが形成された側面が突壁14a,24aの一方に当接した場合には、円弧状部14c,24cの内面、突起部14d,24dの一側面及び端面にそれぞれ形成された溝14e,24eと、突起部14d,24dと突壁14a,24aとの間に形成される隙間14f,24fにより、粘性流体を大量に通過させ得る流路が形成される一方、図15(b)に示したように、突起部14d,24dの溝14e,24eが形成されていない側面が突壁14a,24aの他方に当接した場合には、上記流路を閉鎖して粘性流体の通過を阻止する働きをする。
【0050】
従って、かかる弁14b,24bを有することにより、第1及び第2のケーシング11,21のうち、制御対象物に連結されたものが一方向に回転した場合にのみ大きな制動力を発揮し、逆方向に回動した場合には制御対象物の回転動作を緩慢とさせる程の制動力を発揮しないようにすることが可能となる。
【0051】
なお、一方向性の弁としては、上記構成のものに限定されず、また第1及び第2の隔壁部13,23に一方向性の弁を配した構成を採用することもできる。
【0052】
本実施形態に係る回転制御装置によれば、上記した一方向性の弁の作用効果のほか、第2の実施の形態に係る回転制御装置と同様の作用効果を奏することができる。このため、例えば、トラックの荷台に設けられるあおりの回転動作を制御する装置として好適である。すなわち、あおりは、略垂直に起立した姿勢から180度回転して略垂直に垂れ下がった姿勢に開放されるので、本装置によれば、この開動作時に制動力を発揮して、あおりをゆっくりとした速度でスムースに開放させることができる。また、本装置によれば、その緩衝作用は一方向にしか働かないため、あおりを閉じるときには、その回転に影響を与えることなくあおりを閉動作させることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型でも大きな制動力を発揮し得ると共に、従来のものと比較して、より広い回転角度範囲で制動力を発揮でき、また低コストで製造可能な回転制御装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る回転制御装置の内部構造を示す断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A部断面図である。
【図3】図3は、図1のB−B部断面図である。
【図4】図4は、第1の仕切部と第2の仕切部の位置関係を説明するための図である。
【図5】図5は、上記実施形態に係る回転制御装置の作用を説明するための図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る回転制御装置の内部構造を示す断面図である。
【図7】図7は、図6のA−A部断面図である。
【図8】図8は、図6のB−B部断面図である。
【図9】図9は、第1の仕切部と第2の仕切部の位置関係を説明するための図である。
【図10】図5は、上記実施形態に係る回転制御装置の作用を説明するための図である。
【図11】図11は、本発明の第3の実施の形態に係る回転制御装置の内部構造を示す断面図である。
【図12】図12は、図11のA−A部断面図である。
【図13】図13は、図11のB−B部断面図である。
【図14】図14は、上記実施形態で採用した一方向性の弁を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A部断面図である。
【図15】図15は、弁の作用を説明するための図である。
【図16】図16は、従来のシングルベーン方式の回転ダンパの内部構造を示す断面図である。
【図17】図17は、従来のダブルベーン方式の回転ダンパの内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 第1緩衝部
11 第1のケーシング
12 第1の軸部
13 第1の隔壁部
14 第1の仕切部
15 第1の流体室
20 第2緩衝部
21 第2のケーシング
22 第2の軸部
23 第2の隔壁部
24 第2の仕切部
25 第2の流体室

Claims (3)

  1. 軸心に沿って配設される第1の軸部を中心として回動可能に設けられる第1のケーシング、該第1のケーシング内周面と前記第1の軸部外周面との間に形成される空間を仕切り、粘性流体が充填される第1の流体室を形成し、前記第1のケーシングの回動に伴って前記第1の軸部の周りで揺動する第1の隔壁部、及び前記第1の流体室を更に2つの室に仕切り、前記第1の軸部の回転に伴って前記第1の流体室内で揺動する第1の仕切部を有する第1緩衝部と、
    前記第1の軸部と軸心が同一であって、該第1の軸部に連結され又は一体のものとして形成され、前記第1の軸部と連動して回転するが、前記第1の軸部と独立して回転することができない第2の軸部が軸心に沿って配設され、該第2の軸部を中心として回動可能に設けられる第2のケーシング、該第2のケーシング内周面と前記第2の軸部外周面との間に形成される空間を仕切り、粘性流体が充填される第2の流体室を形成し、前記第2のケーシングの回動に伴って前記第2の軸部の周りで揺動する第2の隔壁部、及び前記第2の流体室を更に2つの室に仕切り、前記第2の軸部の回転に伴って前記第2の流体室内で揺動する第2の仕切部を有する第2緩衝部とを備え、
    前記第1及び第2の仕切部は、前記第1及び第2の流体室内でそれぞれ同じ角度範囲揺動し得ると共に、前記第1の軸部の円周方向における前記第1の仕切部の位置と、前記第2の軸部の円周方向における前記第2の仕切部の位置が、所定角度異なるように、設けられており、
    前記第1のケーシングが制御対象物及び制御対象物を支持する支持体のいずれか一方に取り付けられ、前記第2のケーシングが制御対象物及び制御対象物を支持する支持体のいずれか他方に取り付けられて使用されることを特徴とする回転制御装置。
  2. 前記第1及び第2のケーシング内に前記第1及び第2の隔壁部並びに前記第1及び第2の仕切部がそれぞれ1つずつ設けられていると共に、前記第1の軸部の円周方向における前記第1の仕切部の位置と、前記第2の軸部の円周方向における前記第2の仕切部の位置が、最大180度異なるように、前記第1及び第2の仕切部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転制御装置。
  3. 前記第1及び第2のケーシング内における前記第1及び第2の軸部を中心とした対称の位置に、前記第1及び第2の隔壁部並びに前記第1及び第2の仕切部がそれぞれ設けられていると共に、前記第1の軸部の円周方向における前記第1の仕切部の位置と、前記第2の軸部の円周方向における前記第2の仕切部の位置が、最大90度異なるように、前記第1及び第2の仕切部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転制御装置。
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