JP4248175B2 - ダンパ - Google Patents

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JP4248175B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃を弱めたり振動や運動を減衰させたりするダンパに関し、例えば回転運動している物体の回転運動を減衰させるために好適なダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、衝撃を弱めたり振動や運動を減衰させたりするダンパ(緩衝装置又は振動減衰装置)が各種の機械や装置に広く使用されている。ダンパは、一般に、その内部に組み込まれたゴム、ばね、空気、及び油などの弾性あるいは粘性を利用して衝撃の運動エネルギを吸収するものである。この運動エネルギを吸収する力(減衰力)を強くするためには、通常、ダンパの内部に組み込むゴムの量を多くしたり、ばねを大型化したりする必要がある。従って、減衰力の強いダンパは大型のものとなる。
【0003】
減衰力の強いダンパが必要な機械や装置ではダンパが大型化するので、このダンパを設置するための広いスペースが必要となる。この結果、これらの機械や装置が大型化することとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、従来よりも小型であっても強い減衰力をもつダンパを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のダンパは、
(1)内部に空間が形成された密閉容器と、
(2)この密閉容器から一端部が露出すると共に該一端部を除く残部が密閉容器の内部に位置する、密閉容器に回転自在に支承された回転部材と、
(3)この回転部材の回転に連動して前記密閉容器の内部を移動するスライド部材と、
(4)このスライド部材を前記回転部材の一端部に向けて付勢する付勢手段と、
(5)前記密閉容器の内部に充填された粘性体または粘弾性体とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
ここで、
(6)前記密閉容器は、高さ方向一端部に形成された底壁、及び高さ方向一端部とは反対側の高さ方向他端部に形成された開口部を有する有底円筒状のものであって、この開口部を塞ぐ蓋を有し、
(7)前記回転部材は、その一端部が前記蓋から露出したものであり、
(8)前記スライド部材は、回転部材の回転に連動して直線運動するものであってもよい。
【0007】
また、
(9)前記回転部材は、その横断面の中心部に直交する軸を中心軸にして回転する棒状のものであり、
(10)前記スライド部材は、回転部材の回転に連動してこの回転部材の長手方向に移動するものであってもよい。
【0008】
さらに、
(11)前記回転部材は、前記中心軸を中心にして所定の回転角度だけ回転する棒状部、及び、この棒状部の外周面の近傍にこの外周面を囲んで中心軸方向に突出し且つ傾斜面が形成された突起を有するものであり、
(12)前記密閉容器は、その内部に突起を有する回転部材を回転自在に支承するものであり、
(13)前記スライド部材は、前記回転部材の回転に伴ってこの回転部材の突起の傾斜面に面接触して傾斜面を有し、この傾斜面が回転部材の突起の傾斜面を滑ることにより、回転部材の回転に従動してその長手方向に移動するものであり、
(14)前記付勢手段は、前記スライド部材の傾斜面を前記回転部材の突起の傾斜面に押し付けるものであってもよい。
【0009】
さらにまた、
(15)前記回転部材は、この回転部材の長手方向に対して傾斜した螺旋状凹所がこの回転部材の残部の外周面に形成されたものであり、
(16)前記密閉容器は、その内壁面に、前記回転部材の長手方向に沿って延びるガイド突起が形成されたものであり、
(17)前記スライド部材は、回転部材の螺旋状凹所に移動自在に螺合した凸部と、前記ガイド突起に係合した凹部とを有するものであってもよい。
【0010】
さらにまた、
(18)前記回転部材は、その長手方向に交差する方向に広がって所定の直径をもつ環状鍔部、この環状鍔部に連続する環状段部、及び環状鍔部よりも小さい直径の環状突出部を有するものであり、
(19)前記密閉容器は、その内部に、環状鍔部の外周面に向き合う第1内壁面、環状段部に向き合う環状肩部、及び環状突出部の外周面に向き合う第2内壁面を有するものであり、
(20)前記粘性体又は粘弾性体は、環状鍔部の外周面と密閉容器の第1内壁面との間、環状段部と環状肩部との間、及び環状突出部の外周面と密閉容器の第2内壁面との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものであってもよい。
【0011】
さらにまた、
(21)前記回転部材は、所定方向に突出した環状突部を残部に有するものであり、
(22)前記密閉容器は、回転部材の環状突部が回転自在に嵌合した環状凹部を有するものであり、
(23)前記粘性体又は粘弾性体は、前記回転部材の環状突部と密閉容器の環状凹部との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものであってもよい。
【0012】
さらにまた、
(24)前記スライド部材は、密閉容器との間に隙間を形成するものであり、
(25)前記粘性体又は粘弾性体は、前記スライド部材が移動する際に隙間を通過することにより絞り抵抗を発生するものであってもよい。
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
【0013】
図1から図8までを参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0014】
図1は、第1実施形態のダンパを示す縦断面図である。図2は、密閉容器の縦断面図である。図3は、図2のB−B断面図である。図4は、図1に示すダンパの回転部材の右側面図である。図5は、回転部材に一体形成された突起、凹所及び段部を展開して示す説明図である。図6は、図1に示すダンパのスライド部材の左側面図である。図7は、スライド部材に一体形成された突起、凹所及び段部を展開して示す説明図である。図8は、スライド部材が移動したダンパを示す縦断面図である。
【0015】
ダンパ10は、中心軸Xを中心にして所定の角度だけ回転する回転部材20と、内部に空間が形成された密閉容器40と、回転部材20の回転に連動して密閉容器40の内部を移動するスライド部材50と、密閉容器40の内部に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vと、スライド部材50と密閉容器40との間に配された復元用のばね部材70(本発明にいう付勢手段の一例である)とを備えている。
【0016】
密閉容器40は、高さ方向の一端部に底壁41が形成されると共に、この高さ方向の一端部とは反対側の高さ方向の他端部に開口部42が形成された有底円筒状のものである。密閉容器40の開口部42は蓋80で塞がれている。開口部42が蓋80で塞がれた密閉容器40の内部には空間が形成されている。なお、密閉容器40の外観形状は円柱状だけでなく、三角柱や四角柱などの角柱状のものであってもよい。
【0017】
回転部材20の長手方向一端部は、蓋80の中央部に形成された貫通孔81を貫通して突出しており、密閉容器40から露出している。回転部材20の長手方向の一端部を除く残部は密閉容器40の内部に位置している。なお、開口部42の内壁面には螺子43が形成されており、この螺子43に噛み合う螺子82が蓋80の外周面に形成されている。従って、蓋80は密閉容器40の開口部42の内壁面に螺合固定されている。
【0018】
また、密閉容器40の内部には、回転部材20の回転に連動して回転部材20の長手方向に直線運動するスライド部材50が配置されている。また、密閉容器40の内部には、粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されている。従って、回転部材20の残部やスライド部材50は粘性体(又は粘弾性体)Vに取り囲まれていることとなる。なお、粘性体(又は粘弾性体)Vの具体例については後述する。
【0019】
回転部材20は、横断面が円形の円筒軸部21を有する。円筒軸部21は、蓋80の貫通孔81に回転自在に支承されており、その長手方向の一端部(先端部)は蓋80から突出して露出している。ここでは、長手方向一端部側とは蓋80の側をいい、長手方向他端部側とは底壁41の側をいう。
【0020】
回転部材20の円筒軸部21に隣接する部分(円筒軸部21よりも長手方向他端部側の部分)には、円筒軸部21よりも大きな直径の環状鍔部22が円筒軸部21の外周面23に一体的に形成されている。環状鍔部22は、中心軸Xに直交する方向(本発明にいう長手方向に交差する方向の一例である)に広がっている。環状鍔部22の外周面は円筒面24に形成されている。回転部材20には、円筒面24に連続して円筒面24と直交する環状段部25も形成されている。また、回転部材20には、環状段部25に連続して、環状鍔部22よりも小さい直径の環状突出部26も形成されている。この環状突出部26の外周面は円筒面27に形成されている。
【0021】
また、回転部材20には、環状突出部26の端面28の中央部から連続して長手方向他端部に向けて延びる、横断面が円形の棒状部29が一体的に形成されている。棒状部29の外径は環状突出部26の外径よりも小さい。棒状部29の中央部からは、長手方向他端部側に向けて小径棒状部31が延びている。この小径棒状部31の外径は、棒状部29の外径よりも小さい。このため、棒状部29と小径棒状部31とによって環状肩部30が形成されている。
【0022】
環状突出部26の端面28には、棒状部29の外周面を囲んで中心軸X方向に突出し且つ傾斜面32を有する突起33が形成されている。この突起33としては、少なくとも一個、本例では三個の突起33が環状突出部26に一体に形成されている。突起33の傾斜面32は中心軸Xに関して約45°の傾きで傾斜しており、傾斜面32は端面28において、凹所34と凹所34を規定する段部35に連続して形成されている。
【0023】
ここでは、本発明にいう回転部材20の一端部は円筒軸部21の先端部に相当し、回転部材20の残部は、環状鍔部22や環状突出部26、棒状部29等に相当する。
【0024】
密閉容器40の底壁41内面の中央部には、円形の凹部44が形成されている。この凹部44には、回転部材20の小径棒状部31が回転自在に嵌合している。
【0025】
回転部材20はその円筒軸部21において蓋80の貫通孔81に、棒状部29の小径棒状部31において密閉容器40の底壁41の凹部44に、それぞれ回転自在に支承されている。即ち、回転部材20は密閉容器40に回転自在に支承されており、回転部材20は中心軸Xを中心にしてその周方向に回転する。
【0026】
密閉容器40の円筒内壁面45には、回転部材20の長手方向に沿って(中心軸Xに沿って)延びるガイド突起46が形成されている。ガイド突起46は円筒内壁面45に一体的に形成されている。このガイド突起46は、円筒内壁面45の円周方向に等間隔で少なくとも1つ(図2に示すように、本実施形態では3つ)形成されている。
【0027】
また、密閉容器40の円筒内壁面45よりも開口部42に近い部分には、円筒内壁面45に連続して環状肩部47が形成されている。この環状肩部47は、円筒内壁面45の内径を広げることにより形成されている。環状肩部47は、開口部42を形成する円筒部48の円筒内壁面49(本発明にいう第1内壁面である)に連続している。
【0028】
回転部材20に形成された環状突出部26の円筒面27の外径は、密閉容器40の円筒内壁面45における内径よりも小さい。また、回転部材20に形成された環状鍔部22の円筒面24の外径は、密閉容器40に形成された円筒部48の円筒内壁面49における内径よりも小さい。
【0029】
回転部材20に形成された環状鍔部22の円筒面24と、密閉容器40の円筒部48の円筒内壁面49との間には、微小な隙間が形成されている。また同様に、回転部材20に形成された環状突出部26の円筒面27と密閉容器40の円筒内壁面45との間にも、微小な隙間が形成されている。さらに同様に、回転部材20に形成された環状段部25と密閉容器40の環状肩部47との間にも微小隙間が形成されている。これらの微小な隙間を保つように回転部材20が密閉容器40内に配置されている。これらの微小な隙間には、粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されており、後述するように、この粘性体(又は粘弾性体)Vによって粘性剪断抵抗が発生する。なお、回転部材20の環状鍔部22の外周円筒面24に向き合う円筒内壁面45は、本発明にいう第2内壁面である。
【0030】
上記したスライド部材50は、図6に明瞭に示すように、中央に貫通孔51を有する円環状板部52と、円環状板部52の外周面に一体に形成された円筒部53とを有している。円筒部53の外周面54には凹溝55が形成されている。この凹溝55は、中心軸X方向に延びており、少なくとも一個、本例では、円周方向に等間隔に三個の凹溝55、55、55が形成されている。円環状板部52の端面56には、貫通孔51を囲んで中心軸X方向に突出して、且つ傾斜面57を有する突起58が形成されている。この突起58は少なくとも一個形成されており、本例では三個形成されている。
【0031】
突起58の傾斜面57は中心軸Xに対して45°の傾きで傾斜しており、傾斜面57は端面56において、凹所59と凹所59を規定する段部60に連続して形成されている。
【0032】
スライド部材50の貫通孔51には、例えば図1に示すように、回転部材20の棒状部29が貫通している。このため、棒状部29の外周面と貫通孔51の内周面は近接して向き合っている。また、スライド部材50の円筒部53の外周面54に形成された凹溝55、55、55は、密閉容器40の円筒内壁面45に形成されたガイド突起46、46、46に係合している。また、スライド部材50の円筒部53の外周面54と密閉容器40の円筒内壁面45との間には微小隙間が形成されている。
【0033】
スライド部材50の突起58の傾斜面57は、回転部材20の突起33の傾斜面32に面接触している。このように、スライド部材50の凹溝55、55、55が密閉容器40のガイド突起46、46、46に係合すると共に、スライド部材50の突起58の傾斜面57を回転部材20の突起33の傾斜面32に面接触させた状態で、スライド部材50が密閉容器40の内部に配置されている。従って、スライド部材50は、回転部材20の回転に連動して回転部材20の長手方向に直線運動する。
【0034】
復元用のばね部材70としては、本例ではコイルばねが使用される。コイルばね70は回転部材20の棒状部29の外周面を囲繞して配置されている。コイルばね70の長手方向一端部は密閉容器40の底壁41の内面に当接しており、長手方向他端部はスライド部材50の円環状板部52の裏面に当接している。このため、円環状板部52の裏面側を押圧するばね力(付勢力)が常時付勢されている。この付勢力によって、スライド部材50は回転部材20の円筒軸部21に向けて常に付勢されている。
【0035】
密閉容器40の内部に充填された粘性体Vとしては、少なくとも10万センチストークス以上の粘度を有するもので、例えばシリコーン系粘性体、アスファルト系粘性体、ノルマルブチレンとポリイソブチレンとの共重合体を主成分とする粘性体などが使用される。また、粘弾性体Vとしては、60以上320以下の可塑度を有するシリコーン系未加硫ゴムが使用される。ここで、可塑度は、ASTM等により規定されたウィリアム可塑度計で測定した値である。具体的には、上下2枚の平行板に直径約1.43cm、高さ1.27cmの円柱形で容積2ccのシリコーン系未加硫ゴムを挟み、70〜100℃で5kgの荷重により圧縮し、3分間加圧後のシリコーン系未加硫ゴムの高さ(mm/100)により表したものである。
【0036】
なお、蓋80の貫通孔81と回転部材20の円筒軸部21の外周面23との間には、粘性体(又は粘弾性体)Vが密閉容器40から漏れ出すことを防止するシール材90が取り付けられている。このシール部材90は密閉容器40内に充填される粘性体(又は粘弾性体)Vの粘度あるいは可塑度等によっては取り付けなくてもよい。
【0037】
上記構成からなるダンパ10においては、回転部材20の円筒面24と密閉容器40の円筒内壁面49との間、回転部材20の円筒面27と密閉容器40の円筒内壁面45との間、及び回転部材20の環状段部25と密閉容器40の環状肩部47との間に微小隙間されており、これら微小隙間には粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されているので、回転部材20が回転することより、微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vに粘性剪断抵抗が発生する。これら微小隙間及び微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vとで粘性剪断抵抗発生部位が形成されている。
【0038】
また、スライド部材50の円筒部53の外周面54と密閉容器40の円筒内壁面45との間には微小隙間が形成されており、この微小隙間には粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されている。このため、回転部材20が回転してスライド部材50が移動するときには、粘性体(又は粘弾性体)Vが微小隙間を流れる際に絞られるので、そこに粘性体(又は粘弾性体)Vの絞り抵抗が発生する。微小隙間及び微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vとで絞り抵抗発生部位が形成されている。
【0039】
上記した構成のダンパ10を例えば複写機の蓋の開閉ヒンジ部に適用したときの動作について説明する。
【0040】
ダンパ10の密閉容器40は複写機の本体に固定されており、回転部材20の円筒軸部21は蓋に固定されている。蓋が閉じられた状態では、ダンパ10を構成する回転部材20及びスライド部材50は図1に示す状態にある。この状態で蓋を開くと、円筒軸部21が蓋に固定されている回転部材20は中心軸Xを中心にして、図1の紙面の左側から見て反時計回りに回転する。回転部材20の傾斜面32にスライド部材50の傾斜面57が面接触していると共に、スライド部材50の凹溝55と密閉容器40のガイド突起46とが係合しているので、回転部材20が回転することにより、スライド部材50を押圧しているコイルばね70の付勢力に抗してスライド部材50がガイド突起46に沿って密閉容器40の底壁41側に移動させられる。この結果、スライド部材50が、図1に示す位置から図8に示す位置にまで移動する。この移動のとき、回転部材20の傾斜面32とスライド部材50の傾斜面57とが互いに滑り、この滑った長さに対応する角度(上記した所定の角度)だけ回転部材20が回転する。従って、傾斜面32と傾斜面57の長さを適宜に変更したり、コイルばね70を変えたりすることにより、傾斜面32と傾斜面57とが互いに滑る長さを増減して回転部材20が回転する角度を増減できる。
【0041】
回転部材20の円筒面24と密閉容器40の円筒内壁面49との間、回転部材20の円筒面27と密閉容器40の円筒内壁面45との間、及び回転部材20の環状段部25と密閉容器40の環状肩部47との間それぞれに形成された微小隙間には、上述したように粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されているので、回転部材20が回転することにより、これらの微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vに粘性剪断抵抗が発生する。また、スライド部材50が移動することにより、スライド部材50の円筒部53の外周面54と密閉容器40の円筒内壁面45との間の微小隙間を粘性体(又は粘弾性体)Vが流動し、この流動の際に、この粘性体(又は粘弾性体)Vに絞り抵抗が発生する。
【0042】
この粘性体(又は粘弾性体)Vの粘性剪断抵抗及び絞り抵抗が、回転部材20の回転運動を減衰させるので、複写機の蓋は急激に開かずに緩やかに開く。
【0043】
上記した例では、複写機の蓋を開く場合を説明したが、蓋を閉じる場合は上記とは逆になる。
【0044】
蓋を閉じる場合は、回転部材20が中心軸Xを中心にして、図8の紙面の左側から見て時計回りに回転し、スライド部材50はばね部材(コイルばね)70に蓄積されたばね力により、図8に示す位置から図1に示す位置まで移動する。この場合も上記と同様に粘性体(又は粘弾性体)Vの粘性剪断抵抗及び絞り抵抗が発生するので、蓋の動きが抑制されて蓋は急激に閉まらずに緩やかに閉まる。
【0045】
以上説明したように、ダンパ10では、同じサイズ(大きさ)であってもスライド部材50の無いダンパに比べて減衰力(衝撃吸収力)が大きい。この結果、小型でも減衰力の大きいダンパ10が得られることとなる。この逆に、スライド部材の無いダンパと同じ程度の減衰力でよいときは、ダンパ10をいっそう小型化できる。
【0046】
また、回転部材20の円筒面24と密閉容器40の円筒内壁面49との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、回転部材20の円筒面27と密閉容器40の円筒内壁面45との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材20の環状段部25と密閉容器40の環状肩部47との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ10の減衰力を容易に変更できることとなる。
【0047】
同様に、スライド部材50の円筒部53の外周面54と密閉容器40の円筒内壁面45との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、絞り抵抗の強さを変更できるので、ダンパ10の減衰力を容易に変更できることとなる。
[第2実施形態]
【0048】
図9から図11までを参照して本発明の第2実施形態を説明する。
【0049】
図9は、第2実施形態のダンパを示す縦断面図である。図10は、密閉容器の縦断面図である。図11は、回転部材の右側面図である。これらの図では、図1から図8までに示された第1実施形態のダンパの構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0050】
第2実施形態のダンパ100の基本的な構成は、第1実施形態のダンパ10の基本的な構成と同じである。ダンパ100がダンパ10と相違する点は、回転部材120の環状段部25とこの環状段部25に向き合う密閉容器140の環状肩部47との間で、粘性体(又は粘弾性体)Vの粘性剪断抵抗を大きく発生させる点にある。
【0051】
上記した粘性剪断抵抗を発生させるために、第2実施形態の回転部材120及び密閉容器140は、第1実施形態の回転部材20及び密閉容器40とは異なる形状である。回転部材120の環状段部25からは、密閉容器140の底壁41に向かう方向に突出する環状突出部125が一体に形成されている。
【0052】
一方、密閉容器140の環状肩部47には、環状凹部147が形成されている。上記した環状突出部125は環状凹部147に嵌合しており、環状突出部125と環状凹部147との間には微小隙間が形成されている。この微小隙間に粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されている。環状突出部125と環状凹部147との間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面は、第1実施形態のダンパ10における回転部材20の環状段部25と密閉容器40の環状肩部47との間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面よりも多い(広い)。
【0053】
従って、ダンパ100では、粘性剪断抵抗面が多い分だけ、強い粘性剪断抵抗が発生することとなる。また、環状突出部125と環状凹部147との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ100の減衰力を容易に変更できることとなる。また、第1実施形態のダンパ10と同様に、回転部材120の円筒面24と密閉容器140の円筒内壁面49との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材120の円筒面24と密閉容器140の円筒内壁面45との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ100の減衰力を容易に変更できることとなる。なお、ダンパ100の動作は、ダンパ10の動作と同様である。
〔第3実施形態〕
【0054】
図12から図16までを参照して第3実施形態を説明する。
【0055】
図12は、第3実施形態のダンパを示す断面図である。図13は、回転部材を示す側面図である。図14は、図13のC−C断面図である。図15(a)は、スライド部材の平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。図16は、スライド部材が移動した状態のダンパを示す断面図である。これらの図では、図1から図8までに示した第1実施形態のダンパの構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0056】
第3実施形態のダンパ200は、中心軸Xを中心にして所定の角度だけ回転する回転部材220と、内部に空間が形成された密閉容器240と、回転部材220の回転に連動して密閉容器240の内部を移動するスライド部材250と、密閉容器240の内部に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vと、スライド部材250と密閉容器240との間に配された復元用のばね部材270とを備えている。
【0057】
このダンパ200が第1実施形態のダンパ10と相違する点は、回転部材220の構成とスライド部材250の構成である。
【0058】
回転部材220は、横断面が円形の円筒軸部21を有する。円筒軸部21は、蓋80の貫通孔81に回転自在に支承されており、その長手方向の一端部(先端部)は蓋80から突出して露出している。ここでは、長手方向一端部側とは蓋80の側をいい、長手方向他端部側とは底壁41の側をいう。
【0059】
回転部材220の円筒軸部21に隣接する部分(円筒軸部21よりも長手方向他端部側の部分)には、円筒軸部21よりも大きな直径の環状鍔部22が円筒軸部21の外周面23に一体的に形成されている。環状鍔部22は、中心軸Xに直交する方向(本発明にいう長手方向に交差する方向の一例である)に広がっている。環状鍔部22の外周面は円筒面24に形成されている。回転部材220には、円筒面24に連続して円筒面24と直交する環状段部25も形成されている。また、回転部材220には、環状段部25に連続して、環状鍔部22よりも小さい直径の環状突出部26も形成されている。この環状突出部26の外周面は円筒面27に形成されている。
【0060】
回転部材220には、環状突出部26の端面28の中央部から連続して延びる、横断面が円形の棒状部29が一体的に形成されている。棒状部29の外径は環状突出部26の外径よりも小さい。棒状部29の中央部からは、長手方向他端部側に向けて小径棒状部31が延びている。この小径棒状部31の外径は、棒状部29の外径よりも小さい。このため、棒状部29を小径棒状部31とによって環状肩部30が形成されている。
【0061】
棒状部29の外周面のうち環状突出部26に近い部分には、両端が行止まりの螺旋状凹所229と、中心軸Xに沿って延びる凹溝230が形成されている。
【0062】
螺旋状凹所229は、棒状部29の外周面を約0.8周しており、一周していない。また、螺旋状凹所229は、環状突出部26に近い位置の始端部229aから長手方向他端部側に向けて傾斜し、その途中から長手方向一端部側に向けて傾斜して終端部229bまで延びるように形成されている。
【0063】
凹溝230は、螺旋状凹所229の終端部229bの近傍から中心軸Xに沿って長手方向他端部側に向けて延び、環状肩部30に到達している。この凹溝230は、スライド部材250を回転部材220に差し込むためのものであり、スライド部材250の凸部251を凹溝230に嵌め込んでこの凹溝230に沿って移動させ、これにより凸部251を凹所229に嵌め込む。
【0064】
回転部材220は、その円筒軸部21において蓋80の貫通孔81に、棒状部29の小径棒状部31において密閉容器240の底壁41の凹部44に、それぞれ回転自在に支承されている。即ち、回転部材220は密閉容器240に回転自在に支承されており、回転部材220は中心軸Xを中心にしてその周方向に回転する。
【0065】
スライド部材250は、中央部に貫通孔256が形成された円筒部253を有する。円筒部253の外周面には凹溝255(本発明にいう、スライド部材の凹部の一例である)が形成されている。この凹溝255は中心軸X方向に延びており、少なくとも一個、本例では、円筒部253の円周方向に等間隔で3個の凹溝255が形成されている。また、円筒部253の内周面(貫通孔256を形成する面)には、螺旋状の凸部251が形成されている。
【0066】
スライド部材250の凸部251は、回転部材220の凹溝230に嵌め込んで螺旋状凹所229に移動させてここに螺合される(嵌め込まれる)。このようにしてスライド部材250は棒状部29を囲むように配置されている。また、スライド部材250の3つの凹溝255,255,255はそれぞれ、密閉容器240の円筒内壁面45に形成されたガイド突起46,46,46に係合している。即ち、凹溝255にはガイド突起46が嵌め込まれている。従って、スライド部材250は、回転部材220の回転に連動して回転部材220の長手方向に直線運動する。
【0067】
回転部材220が回転するときは、凸部251が凹所229の中を端から端まで移動できる。この場合、凹所229の長さに対応する角度(所定の角度)だけ回転部材220が回転できる。従って、凹所229の長さを増減することにより、回転部材220が回転できる角度も増減できる。
【0068】
復元用のばね部材70としては、本例では第1実施形態のダンパ10と同様に、コイルばねが使用される。コイルばね70は、回転部材220の棒状部29の外周面を囲繞して配置されている。コイルばね70の長手方向一端部は密閉容器40の底壁41の内面に当接しており、長手方向他端部はスライド部材250の円筒部253の端面に当接している。このため、円筒部253を長手方向一端部側に押圧するばね力(付勢力)が常時付勢されている。この付勢力によって、スライド部材250は回転部材220の円筒軸部21に向けて(長手方向一端部側に向けて)常に付勢されている。
【0069】
上記構成からなるダンパ200において、回転部材220の円筒面24と密閉容器240の円筒内壁面49との間、回転部材220の円筒面27と密閉容器240の円筒内壁面45との間、及び回転部材220の環状段部25と密閉容器240の環状肩部47との間には微小隙間されており、これら微小隙間には粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されているので、回転部材220の回転により微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vに粘性剪断抵抗が発生する。これら微小隙間及び微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vとで粘性剪断抵抗発生部位が形成されている。
【0070】
また、スライド部材250の円筒部253の外周面254と密閉容器240の円筒内壁面45との間にも微小隙間が形成されている。この微小隙間には粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されている。このため、回転部材220が回転してスライド部材250が移動するときには、粘性体(又は粘弾性体)Vが微小隙間を流れる際に絞られるので、そこに粘性体(又は粘弾性体)Vの絞り抵抗が発生する。微小隙間及び微小隙間に充填された粘性体(又は粘弾性体)Vとで絞り抵抗発生部位が形成されている。
【0071】
以上説明したように、ダンパ200では、第1実施形態のダンパ10と同様に、同じサイズ(大きさ)であってもスライド部材50の無いダンパに比べて減衰力(衝撃吸収力)が大きい。この結果、小型でも減衰力の大きいダンパ200が得られることとなる。この逆に、スライド部材の無いダンパと同じ程度の減衰力でよいときは、ダンパ200をいっそう小型化できる。
【0072】
また、回転部材220の円筒面24と密閉容器240の円筒内壁面49との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、回転部材220の円筒面27と密閉容器240の円筒内壁面45との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材220の環状段部25と密閉容器240の環状肩部47との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ200の減衰力を容易に変更できることとなる。
【0073】
同様に、スライド部材250の円筒部253の外周面254と密閉容器240の円筒内壁面45との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、絞り抵抗の強さを変更できるので、ダンパ200の減衰力を容易に変更できることとなる。
〔第4実施形態〕
【0074】
図17を参照して本発明の第4実施形態を説明する。
【0075】
図17は、第4実施形態のダンパを示す縦断面図である。この図では、図12から図16までに示された第3実施形態のダンパの構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0076】
第4実施形態のダンパ300の基本的な構成は、第3実施形態のダンパ200の基本的な構成と同じである。ダンパ300がダンパ200と相違する点は、回転部材320の環状段部25とこの環状段部25に向き合う密閉容器340の環状肩部47との間で、粘性体(又は粘弾性体)Vの粘性剪断抵抗を大きく発生させる点にある。
【0077】
上記した粘性剪断抵抗を発生させるために、第4実施形態の回転部材320及び密閉容器340は、第3実施形態の回転部材220及び密閉容器240とは異なる形状である。回転部材320の環状段部25からは、密閉容器340の底壁41に向かう方向に突出する環状突出部325が一体に形成されている。
【0078】
一方、密閉容器340の環状肩部47には、環状凹部347が形成されている。上記した環状突出部325は環状凹部347に嵌合して配置されている。このため、環状突出部325と環状凹部347との間には微小隙間が形成されており、この微小隙間に粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されている。環状突出部325と環状凹部347との間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面は、第3実施形態のダンパ200における回転部材220の環状段部25と密閉容器240の環状肩部47との間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面よりも多い。
【0079】
従って、ダンパ300では、粘性剪断抵抗面が多い分だけ、強い粘性剪断抵抗が発生することとなる。また、環状突出部325と環状凹部347との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ300の減衰力を容易に変更できることとなる。また、第3実施形態のダンパ200と同様に、回転部材320の円筒面24と密閉容器340の円筒内壁面49との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材320の円筒面24と密閉容器340の円筒内壁面45との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ300の減衰力を容易に変更できることとなる。なお、ダンパ300の動作は、ダンパ200の動作と同様である。
〔第5実施形態〕
【0080】
図18を参照して本発明の第5実施形態を説明する。
【0081】
図18は、第5実施形態のダンパを示す縦断面図である。この図では、図12から図16までに示された第3実施形態のダンパの構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0082】
第5実施形態のダンパ400の基本的な構成は、第3実施形態のダンパ200の基本的な構成と同じである。ダンパ400がダンパ200と相違する点は、復帰用のばね部材として、コイルばね70と同程度の付勢力を有するが低い高さの樽型コイルばね470を使用した点である。このような樽型コイルばね470を使用することにより、ダンパ400自体の大きさ、特に長手方向の長さを小さくでき、ダンパ400のコンパクト化を図ることができる。なお、ダンパ400の動作は、ダンパ200の動作と同様である。
〔第6実施形態〕
【0083】
図19を参照して本発明の第5実施形態を説明する。
【0084】
図19は、第6実施形態のダンパを示す縦断面図である。この図では、図12から図16までに示された第3実施形態のダンパの構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0085】
第6実施形態のダンパ500の基本的な構成は、第5実施形態のダンパ400の基本的な構成と同じである。ダンパ500がダンパ400と相違する点は、回転部材520の環状段部25とこの環状段部25に向き合う密閉容器540の環状肩部47との間で、粘性体(又は粘弾性体)Vの粘性剪断抵抗を大きく発生させる点にある。
【0086】
上記した粘性剪断抵抗を発生させるために、第6実施形態の回転部材520及び密閉容器540は、第5実施形態の回転部材420及び密閉容器440とは異なる形状である。回転部材520の環状段部25からは密閉容器540の底壁41に向かう方向に突出する環状突出部525が一体に形成されている。
【0087】
一方、密閉容器540の環状肩部47には、環状凹部547が形成されている。上記した環状突出部525は環状凹部547に嵌合して配置されている。環状突出部525と環状凹部547との間には微小隙間が形成されており、この微小隙間に粘性体(又は粘弾性体)Vが充填されている。環状突出部525と環状凹部547との間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面は、第5実施形態のダンパ400における回転部材420の環状段部25と密閉容器440の環状肩部47との間の微小隙間によって形成される粘性剪断抵抗面よりも多い。
【0088】
従って、ダンパ500では、粘性剪断抵抗面が多い分だけ、強い粘性剪断抵抗が発生することとなる。また、環状突出部525と環状凹部547との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ500の減衰力を容易に変更できることとなる。また、第3実施形態のダンパ200と同様に、回転部材520の円筒面24と密閉容器540の円筒内壁面49との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)、及び回転部材520の円筒面27と密閉容器540の円筒内壁面45との間に形成された微小隙間の間隔(大きさ)を変えることにより、粘性剪断抵抗の強さを変更できるので、ダンパ500の減衰力を容易に変更できることとなる。なお、ダンパ500の動作は、ダンパ200の動作と同様である。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のダンパでは、例えば密閉容器を固定側に固定しておき、回転部材を可動側に固定し、スライド部材が回転部材の他端部に向けて移動するように回転部材を回転させる場合、回転部材が回転する際には、回転部材の残部が粘性体(又は粘弾性体)を変形させながら回転するので、粘性体(又は粘弾性体)の変形に伴って粘性剪断抵抗が発生する。また、回転部材の回転に連動してスライド部材が移動するので、この移動の際には、粘性体(又は粘弾性体)によって絞り抵抗が発生する。これらの抵抗は、回転部材が回転する際の抵抗や、スライド部材が移動する際の抵抗になるので、回転部材が回転しにくくなると共にスライド部材が移動しにくくなる。これにより、回転部材の急激な回転運動は減衰される。一方、回転部材を上記のように回転させた後に、この回転方向とは逆方向に回転部材を回転させる場合、回転部材は粘性体(又は粘弾性体)による抵抗により急激な回転運動が阻止され、緩やかに回転すると共にスライド部材は付勢手段(ばね部材)に蓄積されたばね力により原位置に復帰する。このため、同じ程度のサイズ(大きさ)であってもスライド部材が無いダンパに比べ、減衰力(衝撃吸収力)が強い。この結果、小型でも減衰力の強いダンパが得られることとなる。この逆に、減衰力が同じ程度でよいならば、ダンパをいっそう小型化できる。
【0090】
ここで、前記密閉容器は、高さ方向一端部に形成された底壁、及び高さ方向一端部とは反対側の高さ方向他端部に形成された開口部を有する有底円筒状のものであって、この開口部を塞ぐ蓋を有し、前記回転部材は、その一端部が前記蓋から露出したものであり、前記スライド部材は、回転部材の回転に連動して直線運動するものである場合は、簡易な構成であっても小型で減衰力の強いダンパが得られる。
【0091】
また、前記回転部材は、その横断面の中心部に直交する軸を中心軸にして回転する棒状のものであり、前記スライド部材は、回転部材の回転に連動してこの回転部材の長手方向に移動するものである場合は、いっそう簡易な構成であっても小型で減衰力の強いダンパが得られる。
【0092】
さらに、前記回転部材は、前記中心軸を中心にして所定の回転角度だけ回転する棒状部、及び、この棒状部の外周面の近傍にこの外周面を囲んで中心軸方向に突出し且つ傾斜面が形成された突起を有するものであり、前記密閉容器は、その内部に突起を有する回転部材を回転自在に支承するものであり、前記スライド部材は、前記回転部材の回転に伴ってこの回転部材の突起の傾斜面に面接触して傾斜面を有し、この傾斜面が回転部材の突起の傾斜面を滑ることにより、回転部材の回転に従動してその長手方向に移動するものであり、前記付勢手段は、前記スライド部材の傾斜面を前記回転部材の突起の傾斜面に押し付けるものである場合は、スライドの傾斜面が回転部材の突起の傾斜面を滑ることにより、スライド部材が回転部材の回転に従動して長手方向に移動するので、スライド部材がこの長手方向にいっそう確実に移動する。
【0093】
さらにまた、前記回転部材は、この回転部材の長手方向に対して傾斜した螺旋状凹所がこの回転部材の残部の外周面に形成されたものであり、前記密閉容器は、その内壁面に、前記回転部材の長手方向に沿って延びるガイド突起が形成されたものであり、前記スライド部材は、回転部材の螺旋状凹所に移動自在に螺合した凸部と、前記ガイド突起に係合した凹部とを有するものである場合は、スライド部材の凸部が回転部材の螺旋状凹所に螺合しており、しかも、ガイド突起にスライド部材の凹部が係合しているので、回転部材の回転に連動してスライド部材は、凸部は回転部材の螺旋状凹所を滑りながら移動すると共に、スライド部材が回転せずに回転部材の長手方向に案内されながら確実に移動する。
【0094】
さらにまた、前記回転部材は、その長手方向に交差する方向に広がって所定の直径をもつ環状鍔部、この環状鍔部に連続する環状段部、及び環状鍔部よりも小さい直径の環状突出部を有するものであり、前記密閉容器は、その内部に、環状鍔部の外周面に向き合う第1内壁面、環状段部に向き合う環状肩部、及び環状突出部の外周面に向き合う第2内壁面を有するものであり、前記粘性体又は粘弾性体は、環状鍔部の外周面と密閉容器の第1内壁面との間、環状段部と環状肩部との間、及び環状突出部の外周面と密閉容器の第2内壁面との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものである場合は、粘性剪断抵抗がダンパの減衰力を強弱させる一因となるので、上記の間を広狭することによりダンパの減衰力を容易に変更できる。
【0095】
さらにまた、前記回転部材は、所定方向に突出した環状突部を残部に有するものであり、前記密閉容器は、回転部材の環状突部が回転自在に嵌合した環状凹部を有するものであり、前記粘性体又は粘弾性体は、前記回転部材の環状突部と密閉容器の環状凹部との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものである場合は、粘性剪断抵抗がダンパの減衰力を強弱させる一因となるので、回転部材の環状突出部と密閉容器の環状凹部との間を広めたり狭めたりすることによりダンパの減衰力を容易に変更できる。
【0096】
さらにまた、前記スライド部材は、密閉容器との間に隙間を形成するものであり、前記粘性体又は粘弾性体は、前記スライド部材が移動する際に隙間を通過することにより絞り抵抗を発生するものである場合は、絞り抵抗がダンパの減衰力を強弱させる一因となるので、上記の隙間を広めたり狭めたりすることによりダンパの減衰力を容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図2】密閉容器の縦断面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図1に示すダンパの回転部材の右側面図である。
【図5】回転部材に一体形成された突起、凹所及び段部を展開して示す説明図である。
【図6】図1に示すダンパのスライド部材の左側面図である。
【図7】スライド部材に一体形成された突起、凹所及び段部を展開して示す説明図である。
【図8】スライド部材が移動したダンパを示す縦断面図である。
【図9】第2実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図10】密閉容器の縦断面図である。
【図11】回転部材の右側面図である。
【図12】第3実施形態のダンパを示す断面図である。
【図13】回転部材を示す側面図である。
【図14】図13のC−C断面図である。
【図15】(a)は、スライド部材の平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。
【図16】スライド部材が移動した状態のダンパを示す断面図である。
【図17】第4実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図18】第5実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【図19】第6実施形態のダンパを示す縦断面図である。
【符号の説明】
10,100,200,300,400,500 ダンパ
20,120,220,320,420,520 回転部材
21 円筒軸部
22 環状鍔部
25 環状段部
26 環状突出部
29 棒状部
33 突起
40,140,240,340,440,540 密閉容器
41 底壁
42 開口部
49 円筒内壁面
50,250,450 スライド部
57 傾斜面
70 コイルばね
470 樽型コイルばね
V 粘性体(又は粘弾性体)

Claims (2)

  1. 高さ方向一端部に形成された底壁、及び前記高さ方向一端部とは反対側の高さ方向他端部に形成された開口部を有する有底円筒状であって、前記開口部を塞ぐ蓋を有して内部に空間が形成された密閉容器と、
    前記密閉容器の前記蓋から一端部が露出すると共に該一端部を除く残部が前記密閉容器の内部に位置する、前記密閉容器に回転自在に固定された回転部材と、
    この回転部材の回転に連動して前記密閉容器の内部を移動するスライド部材と、
    このスライド部材を前記回転部材の一端部に向けて付勢する付勢手段と、
    前記密閉容器の内部に充填された粘性体または粘弾性体とを備え、
    前記回転部材は
    その長手方向に交差する方向に広がって所定の直径をもつ環状鍔部、この環状鍔部に連続する環状段部、及び前記環状鍔部よりも小さい直径の環状突出部を有するものであり、
    前記密閉容器は、
    その内部に、前記環状鍔部の外周面に向き合う第1内壁面、前記環状段部に向き合う環状肩部、及び前記環状突出部の外周面に向き合う第2内壁面を有するものであり、
    前記スライド部材は、
    前記密閉容器との間に隙間を形成するものであり、
    前記粘性体又は粘弾性体は、
    前記環状鍔部の外周面と前記密閉容器の前記第1内壁面との間、前記環状段部と前記環状肩部との間、及び前記環状突出部の外周面と前記密閉容器の前記第2内壁面との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生すると同時に、前記スライド部材が移動する際に前記隙間を通過することにより絞り抵抗を発生するものであることを特徴とするダンパ。
  2. 前記回転部材は、
    前記密閉容器の前記底壁に向かう方向に突出した環状突出部を残部に有するものであり、
    前記密閉容器は、
    前記回転部材の前記環状突出部が回転自在に嵌合した環状凹部を有するものであり
    前記粘性体又は粘弾性体は、
    前記回転部材の前記環状突出部と前記密閉容器の前記環状凹部との間に存在して、これらの間で剪断変形するときにこの剪断変形に起因する粘性剪断抵抗を発生するものであることを特徴とする請求項1に記載のダンパ。
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