JP5064064B2 - ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータにトルクを作用させるダンパに関するものである。
引き戸や引出し等の移動体には、該移動体を制動するためのダンパを用いている場合があり、移動体が必要以上に勢いよく移動しないようにしている。例えば、特許文献1では、回転軸と一緒に回転する弁部材の回転方向によって粘性流体の通路を変えることで回転軸に作用するトルクを調整している。
また、特許文献2は、トルク発生室とは別に補助室を設け、回転軸の回転方向によって、トルク発生室と補助室との間に配置された板バネを開閉し、流量調整を行って回転軸に作用するトルクを可変させる。
つまり、これらは、回転軸(ロータ)の回転方向によってトルクが決まってしまうというものであり、ロータの回転速度に対応してロータへ作用するトルクが可変するというものではない。
特開平10−115338号公報 特開2000−199536号公報
本発明は上記事実を考慮し、ロータの回転速度に対応してロータへ作用するトルクを可変させるダンパを提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、ダンパにおいて、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、前記ハウジング内に回転可能に収容され、前記液室の粘性流体から抵抗を受ける回転体と、前記回転体の回転速度が所定値以上になると、前記液室同士を非連通状態とし、回転体の回転速度が所定値未満になると、液室同士を連通状態とする流路可変手段と、を有し、前記回転体は、外部から回転力が伝達されるロータと、前記ロータの軸芯に対して偏心して回転し、前記ハウジングとの間に前記液室を構成する偏心部材と、を備え、前記流路可変手段が、前記ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力又は粘性流体の流動力により回転し、前記液室同士を非連通状態とする第1流路遮断部材と、前記第1流路遮断部材に連結され、前記ロータの回転方向と反対方向に該第1流路遮断部材を付勢し、ロータの回転速度が所定値未満になると、前記液室同士を連通状態とする位置へ第1流路遮断部材を戻す第1付勢手段と、を含んで構成されている。
請求項1に記載の発明では、ハウジング内には、粘性流体が充填された複数の液室を設けている。また、ハウジング内には、回転体を回転可能に収容しており、この回転体が、液室内の粘性流体から抵抗を受ける。
そして、回転体の回転速度が所定値以上になると、流路可変手段によって、液室同士が非連通状態とされる。これにより、液室では、回転体が粘性流体を攪拌することにより生じる粘性抵抗、回転体が回転する際に攪拌されない粘性流体と回転体との間で生じる剪断抵抗以外に、粘性流体を液室内で圧縮することによる圧縮抵抗が発生し、回転体に作用するトルクが増大し、ダンパによる減衰力が大きくなる。
次に、回転体の回転速度が所定値未満になると、流路可変手段によって、液室同士が連通状態とされる。これにより、液室では、該液室内で粘性流体を圧縮することによる圧縮抵抗が低減され(圧縮抵抗がほとんどなくなる場合も含む)、回転体に作用するトルクが低下し、ダンパによる減衰力が小さくなる。
つまり、請求項1に記載の発明によれば、回転体の回転速度に応じて、回転体へ作用するトルクを可変させることができる。
また、本発明では、回転体には、外部から回転力が伝達されるロータが備えられている。このロータには、ロータの軸芯に対して偏心して回転する偏心部材を設けており、該偏心部材によって、ハウジングとの間に液室が構成される。
また、ダンパには、ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力又は粘性流体の流動力により回転する第1流路遮断部材を設けており、該第1流路遮断部材によって、液室同士が非連通状態とされる。
第1流路遮断部材には第1付勢手段が連結しており、ロータの回転方向と反対方向に該第1流路遮断部材を付勢している。そして、ロータの回転速度が所定値未満になると、第1付勢手段によって、第1流路遮断部材が液室同士を連通状態とする位置へ戻される。
このように、第1流路遮断部材によって、液室同士が連通状態とされる場合、偏心部材の回転によって、液室内では、偏心部材が粘性流体を攪拌することにより生じる粘性抵抗と、偏心部材が回転する際に攪拌されない粘性流体と偏心部材との間で生じる剪断抵抗と、が発生する。
そして、ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力又は粘性流体の流動力が第1付勢手段による付勢力よりも大きくなり、第1流路遮断部材が回転する。これにより、液室同士が非連通状態となる。
このため、液室内では、粘性流体による粘性抵抗及び剪断抵抗以外に、偏心部材の回転によって液室内で粘性流体を圧縮することにより生じる圧縮抵抗が付加される。したがって、ロータに作用するトルクが増大し、ダンパによる減衰力が大きくなる。
次に、ロータの回転速度が所定値未満になると、ロータとの間で発生する剪断力又は粘性流体の流動力が第1付勢手段による付勢力よりも小さくなり、第1付勢手段が復元する。これにより、第1流路遮断部材が元の位置に戻され、液室同士が連通状態となる。このため、液室内では、粘性流体による圧縮抵抗が低減され、ロータに作用するトルクが低下し、ダンパによる減衰力が小さくなる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のダンパにおいて、前記偏心部材が第1トロコイド歯形を有しており、前記ハウジングの内周面に前記第1トロコイド歯形と噛合う第2トロコイド歯形が形成され、前記第1トロコイド歯形と前記第2トロコイド歯形とで、前記液室が構成されることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、偏心部材が第1トロコイド歯形を有しており、ハウジングの内周面に前記第1トロコイド歯形と噛合う第2トロコイド歯形が形成され、偏心部材の回転によって、第1トロコイド歯形が移動することにより生じる粘性抵抗、第1トロコイド歯形の歯部が移動する際に攪拌されない粘性流体と該歯部との間で生じる剪断抵抗、及び第1トロコイド歯形の歯部が第2トロコイド歯形の歯部に噛合う過程で、第2トロコイド歯形の歯部内の粘性流体が圧縮されることにより生じる圧縮抵抗により、ロータにトルクを発生させることができる。
請求項に記載の発明は、ダンパにおいて、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、前記ハウジング内に回転可能に収容され、前記液室の粘性流体から抵抗を受ける回転体と、前記回転体の回転速度が所定値以上になると、前記液室同士を非連通状態とし、回転体の回転速度が所定値未満になると、液室同士を連通状態とする流路可変手段と、を有し、前記回転体は、外部から回転力が伝達されるロータと、前記ロータの外側に配置され、前記ハウジングとの間に前記液室を構成する移動部材と、前記ロータの回転力を前記移動部材の該ロータの軸方向に沿った方向への移動に変換させるカム手段と、を備え、前記流路可変手段が、前記ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力により回転し、前記液室同士を非連通状態とする第2流路遮断部材と、前記第2流路遮断部材に連結され、前記ロータの回転方向と反対方向に該第2流路遮断部材を付勢し、ロータの回転速度が所定値未満になると、前記液室同士を連通状態とする位置へ第2流路遮断部材を戻す第2付勢手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明では、ハウジング内には、粘性流体が充填された複数の液室を設けている。また、ハウジング内には、回転体を回転可能に収容しており、この回転体が、液室内の粘性流体から抵抗を受ける。そして、回転体の回転速度が所定値以上になると、流路可変手段によって、液室同士が非連通状態とされる。これにより、液室では、回転体が粘性流体を攪拌することにより生じる粘性抵抗、回転体が回転する際に攪拌されない粘性流体と回転体との間で生じる剪断抵抗以外に、粘性流体を液室内で圧縮することによる圧縮抵抗が発生し、回転体に作用するトルクが増大し、ダンパによる減衰力が大きくなる。
次に、回転体の回転速度が所定値未満になると、流路可変手段によって、液室同士が連通状態とされる。これにより、液室では、該液室内で粘性流体を圧縮することによる圧縮抵抗が低減され(圧縮抵抗がほとんどなくなる場合も含む)、回転体に作用するトルクが低下し、ダンパによる減衰力が小さくなる。つまり、本発明によれば、回転体の回転速度に応じて、回転体へ作用するトルクを可変させることができる。
また、本発明では、回転体には、外部から回転力が伝達されるロータが備えられており、該ロータの外側には移動部材を設け、該移動部材によって、ハウジングとの間に液室が構成される。そして、カム手段によって、ロータの回転力を移動部材の該ロータの軸方向に沿った方向への直線移動に変換する。
このように、ロータの回転移動を移動部材の直線移動に変換することで、ロータの移動量に対して移動部材の移動量を増やすことができる。つまり、ロータに作用するトルクを増大させることができる。
また、ダンパには、ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力により回転する第2流路遮断部材を設けており、該第2流路遮断部材によって、液室同士が非連通状態とされる。第2流路遮断部材には第2付勢手段が連結しており、ロータの回転方向と反対方向に該第2流路遮断部材を付勢している。そして、ロータの回転速度が所定値未満になると、第2付勢手段によって、第2流路遮断部材が液室同士を連通状態とする位置へ戻される。
このように、第2流路遮断部材によって、液室同士が連通状態とされる場合、移動部材の移動によって、液室内では、移動部材が粘性流体を攪拌することにより生じる粘性抵抗と、移動部材が移動する際に攪拌されない粘性流体と移動部材との間で生じる剪断抵抗と、が発生する。
そして、ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力が第2付勢手段による付勢力よりも大きくなり、第2流路遮断部材が回転する。これにより、液室同士が非連通状態となる。このため、液室内では、粘性流体による粘性抵抗及び剪断抵抗以外に、移動部材の移動によって液室内で粘性流体を圧縮することにより生じる圧縮抵抗が付加される。したがって、ロータに作用するトルクが増大し、ダンパによる減衰力が大きくなる。
次に、ロータの回転速度が所定値未満になると、ロータとの間で発生する剪断力が第2付勢手段による付勢力よりも小さくなり、第2付勢手段が復元する。これにより、第2流路遮断部材が元の位置に戻され、液室同士が連通状態となる。このため、液室内では、粘性流体による圧縮抵抗が低減され、ロータに作用するトルクが低下し、ダンパによる減衰力が小さくなる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のダンパにおいて、前記移動部材が、前記ハウジングの内壁から突出し前記液室を区画する柱材の間で上下移動可能に設けられ、前記カム手段が、前記ロータの外周面に形成され該ロータの軸方向に山と谷を有する波形状のカム溝と、前記移動部材に設けられ前記カム溝と係合する係合突起と、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明では、ハウジングの内壁から突出し液室を区画する柱材の間で移動部材を上下移動可能に設けている。そして、ロータの外周面には、該ロータの軸方向に山と谷を有する波形状のカム溝を形成し、移動部材に該カム溝と係合する係合突起を設けることで、ロータを回転させると、カム溝の形状に合わせて、係合突起を介して、移動部材をロータの軸方向に沿って移動させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項3又は4に記載のダンパにおいて、前記移動部材は、互いに位相をずらして移動するように、前記係合突起が前記カム溝に係合していることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、各移動部材で互いに位相をずらして移動させるようにすることで、各移動部材において、液室内での位置が異なる。このため、液室毎に発生するトルクを変えることができ、ロータに作用するトルクのスムーズな増減が可能となる。
請求項に記載の発明は、ダンパにおいて、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、前記ハウジング内に回転可能に収容され、前記液室の粘性流体から抵抗を受ける回転体と、前記回転体の回転速度が所定値以上になると、前記液室同士を非連通状態とし、回転体の回転速度が所定値未満になると、液室同士を連通状態とする流路可変手段と、を有し、前記回転体は、外部から回転力が伝達されるロータと、中心軸が傾斜した状態で前記ロータの軸芯に対して偏心して連結され、該ロータの回転によって揺動する揺動部材と、前記揺動部材に設けられ、前記ハウジングとの間に前記液室を構成し、前記揺動部材の揺動によって、往復移動するピストン部材と、を備え、前記流路可変手段が、前記ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力により回転し、前記液室同士を非連通状態とする第3流路遮断部材と、前記第3流路遮断部材に連結され、前記ロータの回転方向と反対方向に該第3流路遮断部材を付勢し、ロータの回転速度が所定値未満になると、前記液室同士を連通状態とする位置へ第3流路遮断部材を戻す第3付勢手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明では、ハウジング内には、粘性流体が充填された複数の液室を設けている。また、ハウジング内には、回転体を回転可能に収容しており、この回転体が、液室内の粘性流体から抵抗を受ける。そして、回転体の回転速度が所定値以上になると、流路可変手段によって、液室同士が非連通状態とされる。これにより、液室では、回転体が粘性流体を攪拌することにより生じる粘性抵抗、回転体が回転する際に攪拌されない粘性流体と回転体との間で生じる剪断抵抗以外に、粘性流体を液室内で圧縮することによる圧縮抵抗が発生し、回転体に作用するトルクが増大し、ダンパによる減衰力が大きくなる。
次に、回転体の回転速度が所定値未満になると、流路可変手段によって、液室同士が連通状態とされる。これにより、液室では、該液室内で粘性流体を圧縮することによる圧縮抵抗が低減され(圧縮抵抗がほとんどなくなる場合も含む)、回転体に作用するトルクが低下し、ダンパによる減衰力が小さくなる。つまり、本発明によれば、回転体の回転速度に応じて、回転体へ作用するトルクを可変させることができる。
また、本発明では、回転体には、外部から回転力が伝達されるロータが備えられており、中心軸が傾斜した状態で該ロータの軸芯に対して偏心して連結される揺動部材を設けている。このため、ロータの回転によって、該揺動部材は揺動することとなるが、この揺動部材の揺動によって、揺動部材に設けられたピストン部材が往復移動する。このピストン部材とハウジングとの間に液室が構成される。
このように、ロータの回転移動をピストン部材の往復移動に変換することで、ロータの移動量に対してピストン部材の移動量を増やすことができる。つまり、ロータに作用するトルクを増大させることができる。
また、ダンパでは、ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力により回転する第3流路遮断部材を設けており、該第3流路遮断部材によって、液室同士が非連通状態とされる。第3流路遮断部材には第3付勢手段が連結しており、ロータの回転方向と反対方向に該第3流路遮断部材を付勢している。そして、ロータの回転速度が所定値未満になると、第3付勢手段によって、第3流路遮断部材が液室同士を連通状態とする位置へ戻される。
このように、第3流路遮断部材によって、液室同士が連通状態とされる場合、ピストン部材の移動によって、液室内では、ピストン部材が粘性流体を攪拌することにより生じる粘性抵抗と、ピストン部材が移動する際に攪拌されない粘性流体とピストン部材との間で生じる剪断抵抗と、が発生する。
そして、ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力が第3付勢手段による付勢力よりも大きくなり、第3流路遮断部材が回転する。これにより、液室同士が非連通状態となる。このため、液室内では、粘性流体による粘性抵抗及び剪断抵抗以外に、ピストン部材の移動によって液室内で粘性流体を圧縮することによる圧縮抵抗が付加される。したがって、ロータに作用するトルクが増大し、ダンパによる減衰力が大きくなる。
次に、ロータの回転速度が所定値未満になると、ロータとの間で発生する剪断力が第3付勢手段による付勢力よりも小さくなり、第3付勢手段が復元する。これにより、第3流路遮断部材が元の位置に戻され、液室同士が連通状態となる。このため、液室内では、粘性流体による圧縮抵抗が低減され、ロータに作用するトルクが低下し、ダンパによる減衰力が小さくなる。
請求項に記載の発明は、ダンパにおいて、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、外部から回転力が伝達され、前記ハウジング内に回転可能に収容されて前記液室の粘性流体から抵抗を受けるロータと、前記ロータとは異なる軸芯を有し、該ロータの回転力が伝達される回転部材と、前記回転部材に設けられ、該回転部材の軸芯から位置をずらして配置されたガイド突起と、前記ガイド突起と係合する直線状のガイド溝が形成され、ガイド突起の移動によって前記液室内で揺動する揺動体と、前記揺動体の移動方向に沿って揺動体に設けられ、該揺動体を間において、略分断された液室を連通状態とする減圧流路と、前記揺動体に設けられ、前記ロータの回転速度が所定値以上になると、前記粘性流体による粘性抵抗によって移動し、前記減圧流路を閉塞する閉塞部材と、を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、ハウジング内には、粘性流体が充填された複数の液室を設けている。また、ハウジング内には、ロータを回転可能に収容しており、このロータが液室内の粘性流体から抵抗を受ける。さらに、ハウジング内には、ロータとは異なる軸芯を有し、該ロータの回転力が伝達される回転部材を設けており、この回転部材には、該回転部材の軸芯から位置をずらしてガイド突起を設けている。
一方、液室内には揺動体を揺動可能に設けており、該揺動体には、ガイド突起と係合する直線状のガイド溝が形成され、回転部材の回転によりガイド突起が回転移動することによって、ガイド溝を介して揺動体が揺動する。
このように、ロータの回転移動を揺動体の揺動移動に変換することで、ロータの移動量に対して揺動体の移動量を増やすことができる。つまり、ロータに作用するトルクを増大させることができる。
また、揺動体には、揺動体の移動方向に沿って減圧流路を設けており、該揺動体を間において、略分断された液室をこの減圧流路によって連通状態とする。また、揺動体には、ロータの回転速度が所定値以上になると、粘性流体による粘性抵抗で移動する閉塞部材を設けており、該閉塞部材の移動によって、減圧流路が閉塞される。
つまり、減圧流路によって、液室同士が連通状態とされる場合、揺動体の移動によって、液室内では、揺動体が粘性流体を攪拌することにより生じる粘性抵抗と、揺動体が移動する際に攪拌されない粘性流体と揺動体との間で生じる剪断抵抗と、が発生する。
そして、ロータの回転速度が所定値以上になると、粘性流体の粘性抵抗が増大し、閉塞部材が移動する。これにより、減圧流路が閉塞され、揺動体を間において、略分断された液室同士が非連通状態となる。このため、液室内では、粘性流体による粘性抵抗及び剪断抵抗以外に、揺動体の移動によって液室内で粘性流体を圧縮することによる圧縮抵抗が付加される。したがって、ロータに作用するトルクが増大し、ダンパによる減衰力が大きくなる。
次に、ロータの回転速度が所定値未満になると、粘性流体による粘性抵抗が減少するため、閉塞部材は元の位置に戻り、減圧流路が開放され、揺動体を間において、略分断された液室同士が連通状態となる。このため、液室内では、粘性流体による圧縮抵抗が低減され、ロータに作用するトルクが低下し、ダンパによる減衰力が小さくなる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のダンパにおいて、前記揺動体は、互いに位相をずらして移動するように、前記ガイド溝に対して前記ガイド突起が係合していることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、各揺動体で互いに位相をずらして移動させるようにすることで、各揺動体において、液室内での位置が異なる。このため、液室毎に発生するトルクを変えることができ、ロータに作用するトルクのスムーズな増減が可能となる。
本発明は、上記構成としたので、ロータの回転速度に対応してロータへ作用するトルクを可変させることができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係るダンパについて説明する。
図1〜図3に示すように、ダンパ10には、略円筒状を成す有底のハウジング12が備えられている。ここで、説明の便宜上、ハウジング12の開口側をダンパ10の上側、底部側をダンパ10の下側として各部品の説明を行う。
このハウジング12内には、粘性流体としてのシリコンオイル(ドットで示す)が充填されている(後述する)。また、ハウジング12の底部側の外周面からは、120°間隔で固定片14が張り出し、図示はしないが、収納部内への出入が可能な引出し部材等、相対移動可能な移動部材の被固定部に固定可能とされている。なお、第2〜4の実施形態では、該固定片14の図示を省略している。
また、ハウジング12の内周面には、複数の歯部16A(ここでは6個)を有するトロコイド歯形部16が形成されており、トロコイド歯形部(第2トロコイド歯形)16の上端面の高さは、ハウジング12の上端部よりも低くなっている。
そして、トロコイド歯形部16の内側には、このトロコイド歯形部16の歯部16Aと噛合う歯部18A(ここでは5個)を有するトロコイド歯形部(第2トロコイド歯形)18が形成された中空状のインナー部材(偏心部材)20が配置されており、トロコイド歯形部18の歯部18Aの上端面の高さは、トロコイド歯形部16の歯部16Aの上端面よりも若干低くなっている。
また、インナー部材20の内側には、回転力を伝達する伝達部材(図示省略)と連結されるロータ22が内挿可能とされている。このロータ22は略円筒状の軸部24と偏心部26とに大別され、軸部24と偏心部26の間には、軸部24よりも大径の薄肉状の台座部28が軸部24の同軸上に設けられている。
偏心部26の上面は、ロータ22をインナー部材20に内挿した状態でトロコイド歯形部16の上端面と略同一の高さとなっており、トロコイド歯形部16と共に、後述するプレート(第1流路遮断部材)30を当接可能としている。
また、偏心部26には、その下端面の軸部24の同軸上に、略円柱状の係合凹部36が凹設されており、ハウジング12の底面中央部に突設された円柱状の係合凸部38に係合する。これにより、ロータ22は、ハウジング12の中心部で回転可能となる。
また、偏心部26の外周面には、軸部24の外径よりも張り出す略放射線状の複数のリブ40が、偏心部26の軸方向に沿って設けられている。そして、この複数のリブ40の先端面は、同一円周上に位置しており、偏心部26の外周面及びこのリブ40の先端面は、インナー部材20の内周面に当接可能となっている。
つまり、このインナー部材20は、軸部24に対して偏心した状態で取付けられることとなる。そして、ロータ22を回転させると、図4(A)、(B)に示すように、リブ40の先端面によってインナー部材20が押圧され、インナー部材20が偏心した状態で回転する。このとき、トロコイド歯形部18は、ハウジング12のトロコイド歯形部16と噛合った状態で該トロコイド歯形部16の形状に沿って移動する。
一方、図3に示すように、ハウジング12には、断面が略L字状を成す環状のキャップ42が嵌め込み可能となっており、ハウジング12の外周面の上端部を覆うようになっている。そして、キャップ42の中央部に設けられた孔部44内には、ロータ22の軸部24が挿通可能となっている。
この軸部24の台座部28側にはOリング装着溝32が形成されており、Oリング装着溝32内にOリング34が装着された状態で、該Oリング34が孔部44の内周面に面接触するようになっている。これにより、ロータ22とキャップ42との間で生じる隙間をシールし、ハウジング12内のシリコンオイルが外部へ漏れないようにする。
また、図3及び図5に示すように、キャップ42の裏面には、孔部44の外側に環状の溝部48が凹設されている。そして、この溝部48の外側には、孔部44を間において、一対の円弧状の係合部50が凹設されている。
さらに、キャップ42の裏面には、環状のプレート30が装着可能となっている。図2に示すように、このプレート30の内縁部からは環状リブ52が立設しており、該環状リブ52の外側には、プレート30の同心円上に、環状リブ52を間において、一対の円弧リブ54が設けられている。
この円弧リブ54は、係合部50との間に周方向に隙間を設けた状態で該係合部50と係合する。また、図3に示すように、環状リブ52は、溝部48との間に隙間を設けた状態で、該溝部48の内壁面に当接する。
そして、溝部48と環状リブ52との間に設けられた隙間には、トーションスプリング(第1付勢手段)56が装着可能となっており、トーションスプリング56の一端部が、プレート30に取付けられ、トーションスプリング56の他端部がキャップ42に取付けられる。
一方、図5に示すように、プレート30の裏面側には、プレート30の同心円上に沿って所定の間隔で6個の円弧溝(第1連通路)58が凹設されている。この円弧溝58は、図6(A)に示すように、平面視にて、ハウジング12に設けられたトロコイド歯形部16の歯部16Aの歯厚よりも広くなっており、トロコイド歯形部16の歯部16Aと円弧溝58とを上下に重ね合わせた状態では、円弧溝58の両端部が歯部16Aの歯面からはみ出す長さとなっている。
ところで、図4(A)、(B)に示すように、ハウジング12内にインナー部材20を配置した状態で、ハウジング12のトロコイド歯形部16とインナー部材20のトロコイド歯形部18との間には、空間(液室)Sが設けられている。この空間S内にシリコンオイル(ドットで示す)が充填される。
ここで、溝部48と環状リブ52との間に装着されたトーションスプリング56によって、プレート30はその周方向の位置決めがなされる。この状態では、プレート30の円弧リブ54は、キャップ42の係合部50の中央部に配置され、図6(A)に示すように、平面視にて、円弧溝58がトロコイド歯形部16の歯部16Aと上下に重なる位置に位置合わせされる。そして、この状態では、前述したように、円弧溝58の両端部が歯部16Aの歯面からはみ出している。
つまり、図4(A)、(B)に示すように、トロコイド歯形部16とインナー部材20のトロコイド歯形部18とで形成される空間Sは、トロコイド歯形部18の各歯部18Aによって仕切られる隣り合う空間S同士が、図3及び図6に示すように、プレート30の円弧溝58によって、連通状態とされる。したがって、該円弧溝58を通じて空間S同士でシリコンオイルが流動可能となる。
一方、トーションスプリング56の付勢力の抗する方向への応力(プレート30を正回転或いは逆回転させる応力)によって、プレート30の円弧リブ54をキャップ42の係合部50の端面に当接させると、図6(B)に示すように、平面視にて、円弧溝58の一端側がトロコイド歯形部16によって塞がれ、図4(A)、(B)で示される、トロコイド歯形部18の各歯部18Aによって仕切られる空間S同士は非連通状態とされる。
次に、本発明の第1の実施形態に係るダンパの作用について説明する。
ロータ22を低速で回転させると、図4(A)、(B)に示すように、偏心部26を介してインナー部材20がトロコイド歯形部16の形状に沿って回転する。これにより、空間S内のシリコンオイルは、インナー部材20の歯部18Aによって攪拌されることとなり、空間S内では、シリコンオイルの粘性抵抗が生じる。
また、このとき、インナー部材20の歯部18Aがトロコイド歯形部16内を移動する際に、攪拌されないシリコンオイルと該歯部18Aとの間で剪断抵抗が生じる。
さらに、トロコイド歯形部16と歯部16Aと、インナー部材20のトロコイド歯形部18の歯部18Aとで形成される空間Sは、該歯部18Aの移動と共に、徐々に狭くなり、シリコンオイルが圧縮され、空間S内ではシリコンオイルによる圧縮抵抗が生じる。
つまり、インナー部材20が回転することで、ロータ22には、シリコンオイルによる粘性抵抗、剪断抵抗及び圧縮抵抗によって発生するトルクが作用し、該トルクはロータ22の回転速度に比例して大きくなる(図7で示すトルク1)。
図6(A)に示すように、ハウジング12内の各空間Sは、プレート30の円弧溝58によって、隣り合う空間S同士が連通しているため、該円弧溝58を通じて、隣り合う空間S同士をシリコンオイルが流動可能な状態となっている。
このため、隣り合う空間S同士が非連通状態とされた場合と比較すると、前述した圧縮抵抗は低減されることとなり、その分、ロータ22に作用するトルクは低減され、ダンパ10による減衰力は低減される。
ところで、図3に示すように、ロータ22の偏心部26の上面と接触するプレート30は、ロータ22の回転により、偏心部26の上面との間に剪断力又は粘性流体の流動力が発生するが、プレート30に装着されたトーションスプリング56の付勢力によって、プレート30の回転は規制される。
しかし、ロータ22を高速で回転させると、プレート30と偏心部26の上面との間で発生する剪断力又は粘性流体の流動力が大きくなり、トーションスプリング56による付勢力を上回ってしまう。このように、該剪断力がトーションスプリング56による付勢力よりも大きくなると、プレート30が回転する。
そして、プレート30の円弧リブ54(図2参照)がキャップ42の係合部50(図5参照)の端面に当接した状態では、平面視にて、図6(B)に示すように、プレート30の円弧溝58の一端側は、トロコイド歯形部16によって塞がれ、隣り合う空間S同士は非連通状態とされる。これにより、空間S内でのシリコンオイルの圧縮抵抗が大きくなり、ロータ22に作用するトルクが増大し、ダンパ10による減衰力が大きくなる(図7で示すトルク2)。
この状態で、トーションスプリング56は付勢力の抗する方向へ付勢されているため、トーションスプリング56には弾性エネルギー(復元力)が蓄積された状態となっている。このため、ロータ22の回転速度が遅くなり、プレート30と偏心部26の上面との間で発生する剪断力又は粘性流体の流動力が該弾性エネルギーよりも小さくなると、トーションスプリング56は復元すると共に、プレート30を元の位置に戻し、図6(A)に示すように、隣り合う空間S同士を連通させる。これにより、ロータ22に作用するトルクが元の状態(トルク1の状態)に戻る。
つまり、本実施形態によれば、図7に示すように、ロータ22の回転速度に応じて、該ロータ22に作用するトルクを可変(トルク1とトルク2)させることができる。また、トーションスプリング56の付勢力を調整することで、図8に示すように、ロータ22の回転速度と低トルク(トルク1)と高トルク(トルク2)の切替位置Pを容易に変えることができる。
なお、ここでは、図5に示すように、プレート30の裏面側に6個の円弧溝58を凹設し、隣り合う円弧溝58間を、平面視にて略扇状のリブ60で区画しているが、ハウジング12に設けられたトロコイド歯形部16の歯部16Aと円弧溝58とを重ね合わせた状態で、該円弧溝58の両端部が歯部16Aからはみ出す長さとなっていれば良いため、該リブ60の形状はこれに限るものではない。例えば、円弧溝58を区画するためのリブ60を、図9に示すように、平面視にて三角形を成す三角リブ62としても良い。
次に、本発明の第2の実施形態に係るダンパについて説明する。
図10〜図12に示すように、ダンパ100には、略円筒状を成す有底のハウジング102が備えられている。ここで、説明の便宜上、ハウジング102の開口側をダンパ100の上側、底部側をダンパ100の下側として各部品の説明を行う。
このハウジング102内には、シリコンオイルが充填されており、ハウジング102内には、棒状のロータ104が収容可能となっている。このロータ104の一端側は、他端側よりも小径となっており、外部へ露出し、回転力を伝達する伝達部材(図示省略)と連結される。
ロータ104の他端側には、ロータ104の軸方向に沿って山と谷を有する波形のカム溝(カム手段)106が形成されており、波数は4つとなっている。そして、このロータ104の他端側には、略円筒状のカラー(第2流路遮断部材)108が外挿されている。
カラー108の上端側には、小径部109が設けられており、該小径部109によってカラー108の内周面側には段差109Aが設けられている。そして、この段差109Aの角部には、Oリング装着溝110が形成されており、Oリング112が装着されている。このOリング112により、カラー108とロータ104との間で、シリコンオイルが外部へ漏れないようにしている。
また、カラー108には、カム溝106と対応する位置に、120°間隔で3つの矩形孔114が形成されており、カラー108の外側には、各矩形孔114を覆うようにして、カラー108の外周面に合わせて円弧状に形成された板状のチップ(移動部材)116がそれぞれ設けられる。
チップ116の内側中央部からは、係合突起(カム手段)118が突出しており、該係合突起118はカラー108の矩形孔114を通じて、ロータ104のカム溝106と係合可能となっている。これにより、ロータ104の回転によって、カム溝106及び係合突起118を介して、チップ116がロータ104の軸方向に沿って往復移動する(図13参照)。このとき、各チップ116は互いに位相をずらして移動する。
また、隣り合うチップ116間には隙間が設けられており、チップ116の側面には、チップ116の移動方向に沿ってオリフィス120が形成されている。
ここで、ハウジング102の内周面には、カラー108に取付られたチップ116との干渉を回避するため、上部が開口する略矩形状のチップ収容部(液室)122が凹設されている。そして、このチップ収容部122内にシリコンオイルが充填され、チップ収容部122内で、ロータ104の軸方向に沿ってチップ116が往復移動する。
また、図12に示すように、チップ116の係合突起118がカム溝106の山と谷の中央部に配置された状態で、チップ収容部122の上部を塞ぐ、後述する内キャップ124の鍔部126の下面とチップ116の上端面との間に設けられた隙間(空間S)と、チップ収容部122の底面とチップ116の下端面との間に設けられた隙間(空間S)は同じ大きさとなっている。つまり、チップ116が往復移動するに当って生じるシリコンオイルの圧縮力に対してチップ116の移動方向による違いはない。
一方、図14及び図16(A)に示すように、カラー108の中央部に設けられた矩形孔114と矩形孔114の間には、カラー108の軸方向に沿った両側に、矩形状の連通凹部128が形成されており、チップ116との間に隙間を設けるようにしている。
また、カラー108の上端部には、逆三角形状に形成されたカム面108Aが設けられている。カラー108の上部には、ロータ104に外挿された環状のカム132が設けられており、該カム132の下端部には、カム面108Aと面接触可能なカム面132Aが設けられ、互いに係合している。
また、カム132の外側には、略円筒状を成す内キャップ124が外挿される。該内キャップ124の内周面には、位置決め溝134が形成されており、この位置決め溝134には、カム132の外周面に、カム132の軸方向に沿って突設された位置決めリブ136が係合可能となっている。この位置決め溝134を位置決めリブ136に係合させた状態で、カム132が内キャップ124に対して回り止めされる。
一方、カム132の上部には、内キャップ124の上端部内側に設けられた環状部124Aとの間に隙間が設けられており、該隙間内にはコイルスプリング(第2付勢手段)137が配設され、一端部が環状部124Aに当接し、他端部がカム132に当接して、該カム132をカラー108側へ付勢している。これにより、カラー108のカム面108Aは、カム132のカム面132Aとの係合状態(カム面108Aの谷部とカム面132Aの山部の位置が一致している状態)が維持される。
ところで、カラー108の外周面には、上端側に形成された小径部109によって段部138が設けられている。一方、ハウジング102の上端部内側には、環状の台座部140が設けられており、カラー108がハウジング102内に収容された状態で、段部138と略同じ高さとなっている。
そして、カラー108の外側に外挿された内キャップ124の下端部には、鍔部126が形成されており、該鍔部126の下面が、段部138及び台座部140に略当接する。そして、この鍔部126の下面を台座部140に固定する。これにより、内キャップ124及び該内キャップ124を介してカム132が回転不能となる。
この状態で、内キャップ124の鍔部126の上面とハウジング102の上端部とは面一の状態となり、内キャップ124の鍔部126を覆うように形成され、内側にネジ部142Aが形成された外キャップ142が、ハウジング102の外周面に形成されたネジ部102Aにねじ込まれ、該外キャップ142を介して、内キャップ124がハウジング102に固定される。
ここで、鍔部126の下面の外縁部及び内縁部には、Oリング装着部144、146が形成されており、Oリング148、150がそれぞれ装着可能となっている。Oリング148は、内キャップ124とハウジング102との間で、シリコンオイルが外部へ漏れないようにしており、Oリング150は、内キャップ124とカラー108との間で、シリコンオイルが外部へ漏れないようにしている。
ところで、カム132の上部と内キャップ124の環状部124Aとの間に配設されたコイルスプリング137の付勢力によって、図14に示すように、カム132のカム面132Aとカラー108のカム面108Aとが係合している状態では、ハウジング102内にカラー108が収容された状態で、カラー108に設けられた連通凹部128が、ハウジング102内に設けられた、隣り合うチップ収容部122同士を区画する区画リブ(柱材)130と対面し、区画リブ130の両側面からはみ出している。
図16(A)に示すように、カラー108の外周面と区画リブ130との間には、隙間はほとんど生じないが、連通凹部128と区画リブ130との間には隙間が設けられ、また、連通凹部128は区画リブ130の両側面からはみ出しているため、該連通凹部128を通じて、隣り合うチップ収容部122同士が連通状態とされる(隣り合う空間S同士、空間S同士が連通状態とされる)こととなる。
一方、コイルスプリング137の付勢力の抗する方向への応力(カラー108を正回転或いは逆回転させる応力)によって、図15に示すように、カム132のカム面132Aとカラー108のカム面108Aとの係合状態を解除させると、図16(B)に示すように、連通凹部128の一端側が区画リブ130によって塞がれることとなる。つまり、連通凹部128による、隣り合うチップ収容部122は非連通状態とされる(隣り合う空間S同士、空間S同士は非連通状態とされる)。
次に、本発明の第2の実施形態に係るダンパの作用について説明する。
ロータ104を低速で回転させると、図13に示すように、ロータ104に形成されたカム溝106及びチップ116に形成された係合突起118を介して、該チップ116がカム溝106の形状に合わせてチップ収容部122内でロータ104の軸方向に沿って往復移動する。
これにより、図14及び図16(A)で示すチップ収容部122内では、チップ116がチップ収容部122内のシリコンオイルを攪拌することにより生じる粘性抵抗及びチップ116が移動する際にチップ収容部122の内壁との間で生じる剪断抵抗が発生する。
ここで、例えば、チップ116が上方へ移動すると、チップ116の上端面と内キャップ124の鍔部126の下面との間に設けられた隙間(空間S)は狭くなるため、シリコンオイルによる圧縮抵抗が生じることとなる。
しかし、各チップ116は互いに位相をずらして移動するため、3つのチップ116が全て同一方向へ移動することはない。したがって、図14に示すように、チップ116の移動によって構成される空間Sが狭くなった状態では、隣のチップ116で構成される空間Sは広くなっている。
一方、カラー108に設けられた連通凹部128は、区画リブ130との間に隙間を設けた状態で略対面し、区画リブ130の両側面からはみ出して、該連通凹部128を通じて、隣り合うチップ収容部122同士を連通させている(隣り合う空間S同士、空間S同士を連通させている)。
このため、チップ116の移動により、空間が狭くなると、該空間内のシリコンオイルは、カラー108の連通凹部128を通じて隣のチップ収容部122へ移動するので、シリコンオイルによる圧縮抵抗は小さい。
つまり、チップ116が往復移動することで、ロータ104には、主にシリコンオイルの粘性抵抗及び剪断抵抗によるトルクが作用することとなる。そして、前述した圧縮抵抗が低減されることで、その分、ロータ104に作用するトルクは小さく、ダンパ100による減衰力は小さい。
ところで、図12に示すように、ロータ104と接触するカラー108は、ロータ104の回転により、ロータ104との間で剪断力が生じるが、コイルスプリング137の付勢力によって、カム132のカム面132Aをカラー108のカム面108Aと係合させ、カラー108の回転を規制している。
しかし、ロータ104を高速で回転させると、ロータ104とカラー108との間で生じる剪断力が大きくなり、コイルスプリング137による付勢力を上回ってしまう。このように、該剪断力がコイルスプリング137による付勢力よりも大きくなると、図15に示すように、カラー108が回転し、カラー108のカム面108Aとカム132のカム面132Aとの間で位置ずれが生じる。
このカラー108の回転により、図15及び図16(B)に示すように、連通凹部128の位置はずれてしまい、連通凹部128の一端側が区画リブ130によって塞がれることとなる。つまり、連通凹部128による、隣り合うチップ収容部122が非連通状態とされる(隣り合う空間S同士、空間S同士が非連通状態とされる)。
これにより、チップ116の移動で狭くなった空間内のシリコンオイルは圧縮され、チップ116の移動によるシリコンオイルの流路は、チップ116の側面に形成されたオリフィス120のみとなる。
つまり、ロータ104には、シリコンオイルによる粘性抵抗及び剪断抵抗以外に、シリコンオイルの圧縮抵抗が付加されることとなり、ロータ104に作用するトルクが増大し、ダンパ100による減衰力が大きくなる。
ここで、カラー108の回転により、カラー108のカム面108A及びカム132のカム面132Aを介して、コイルスプリング137には、カム132の軸方向に沿った軸力が付与され、弾性エネルギー(復元力)が蓄積された状態となっている。
このため、ロータ104の回転速度が遅くなり、ロータ104とカラー108との間で発生する剪断力が該弾性エネルギーよりも小さくなると、コイルスプリング137は復元すると共に、カム132を介してカラー108を元の位置に戻し、図14及び図16(A)に示すように、隣り合うチップ収容部122同士を連通させる(隣り合う空間S同士、空間S同士を連通させる)。これにより、ロータ104に作用するトルクが元の状態に戻る。
つまり、本実施形態によれば、ロータ104の回転速度に応じて、該ロータ104に作用するトルクを可変させることができる。また、コイルスプリング137の付勢力を調整することで、ロータ104の回転速度と低トルクと高トルクの切替位置を容易に変えることができる。
また、ロータ104の外周面に、ロータ104の軸方向に沿って山と谷を有する波形のカム溝106を設け、ロータ104の回転によって該カム溝と係合するチップ116をロータ104の軸方向に沿って往復移動させるようにすることで、ロータ104の移動量に対してチップ116の移動量を増やすことができる。つまり、シリコンオイルの粘性抵抗及び剪断抵抗を増大させることができる。
さらに、各チップ116で互いに位相をずらして移動させるようにすることで、各チップ116において、チップ収容部122内での位置が異なるため、チップ収容部122毎に発生するトルクを変えることができ、ロータ104に作用するトルクのスムーズな増減が可能となる。
なお、本実施形態では、チップ116はシリコンオイルの圧縮効率を考慮して、平面視にて円弧状となるようにしたが、チップ収容部122に対応して形成されるため、必ずしも円弧状である必要はない。
また、カム溝106の波数を4つとし、ロータ104が1回転したときにチップ116が4往復できるように設定し、チップ116を3つにすることで、チップ116が全て同一方向に動くことがないようにしたが、カム溝106の形状(波の周期、波数等)やチップ116の数を変更して、チップ116の脈動やトルク等を調整しても良い。
さらに、ロータ104のカム溝106内にシリコンオイルが流れ込まないように、カラー108にシール機能を設けても良い。また、カラー108を回転させ、連通凹部128の位置をずらしてトルク切替を行ったが、隣り合う空間S、S内に図示しないバルブを設け、シリコンオイルの流れをコントロールするようにしても良い。
次に、本発明の第3の実施形態に係るダンパについて説明する。
図17〜図19に示すように、ダンパ200には、略円筒状を成す有底のハウジング202が備えられている。ここで、説明の便宜上、ハウジング202の開口側をダンパ200の上側、底部側をダンパ200の下側として各部品の説明を行う。
このハウジング202内には、シリコンオイルが充填されており、ハウジング202の内周面からは、ハウジング202の周方向に沿って120°間隔で3箇所にガイドリブ204が突設されている。また、ハウジング202の底部中央には、略円柱状の取付凹部206が凹設されている。
一方、略円板状のバルブ(第3流路遮断部材)208の下面中央部には、取付凸部210が突設しており、取付凹部206と係合可能としている。該取付凸部210を取付凹部206に係合させた状態で、バルブ208がハウジング202に対して回転可能となる。
また、バルブ208の外周面からは、時計の回転方向と反対方向(後述するロータ244の回転方向とは逆方向)に延出する渦巻き片212が形成され、バルブ208の周方向に沿って120°間隔で3箇所設けられている。
この渦巻き片212の先端部には、引張りバネ(第3付勢手段)214の一端部が装着されており、引張りバネ214の他端部はハウジング202に装着され、渦巻き片212を介して、バルブ208を時計と反対方向に回転する方向へ付勢している。
また、バルブ208の上面中央部には、略円柱状の流路体216が設けられている。この流路体216には、流路体216の中央部から120°間隔で拡がる3本の流路(第3連通路)218が凹設されている。また、流路体216の上面は凹状の曲面となっており、流路体216の上面には、小球体220と大球体222で構成された、だるま状(或いはひょうたん状)のピストンボディ(揺動部材)224が載置可能とされている。
一方、ハウジング202内には、平面視にて円弧状のインナーハウジング225が収容可能となっており、インナーハウジング225の背面中央部には、インナーハウジング225の高さ方向に沿って、ガイド溝226が凹設されている。このガイド溝226はハウジング202のガイドリブ204と係合可能となっており、ガイド溝226をガイドリブ204に係合させた状態で、インナーハウジング225は回り止めされる。
また、インナーハウジング225の内側には、ピストンボディ224の大球体222が収容可能となっており、インナーハウジング225の内側に、ピストンボディ224の大球体222が収容された状態で、ピストンボディ224の小球体220は、インナーハウジング225の上面から露出する。
また、インナーハウジング225の内側には、ピストンボディ224の大球体222を収容するため、ピストンボディ224の大球体222の形状に合わせて、インナーハウジング225の上端部及び下端部を残し、凹状の曲面228を有している。この曲面228の中央部には、略矩形状のピストン収容部230が凹設されており、該ピストン収容部230の下縁部中央からは、曲面228を通過し、インナーハウジング225の下端部へ向かう、オリフィス232が形成されている。
そして、ピストン収容部230内にはシリコンオイルが充填可能とされており、ピストン収容部230内のシリコンオイルが該オリフィス232内を流動可能となる。このオリフィス232はバルブ208の流路体216に形成された流路218と連通可能となっており、図21(A)に示すように、オリフィス232と流路218の位置が一致した状態で、ピストン収容部230内のシリコンオイルがオリフィス232を通じて流路218内へ流動可能となる。つまり、該流路218を通じて、隣り合うピストン収容部230同士が連通状態とされる。
ところで、図17〜図19に示すように、ピストンボディ224の大球体222の外周面には、大球体222の形状に合わせて略矩形状の湾曲凹部234が120°間隔で3箇所凹設されている。この湾曲凹部234の中央部には、略円柱状の嵌合凹部236が凹設され、湾曲凹部234と係合する係合片238の内面側に設けられた嵌合突起240が嵌合可能とされている。
係合片238の外面は、嵌合突起240を嵌合凹部236に嵌合させた状態で、ピストンボディ224の大球体222の外面と面一となる。また、係合片238の外面中央部からはピストン(ピストン部材)242が突出している。このピストン242がピストン収容部230内に収容されることとなる。
ところで、インナーハウジング225の外周面の上部側は小径となっており、ハウジング202の内周面との間には、隙間が設けられるようになっている。この隙間には、2段で構成された略円柱状のロータ244の大径側の底部外縁から垂下する環状のガイド片246が挿通可能となる。
ロータ244の小径側には、回転力を伝達する伝達部材(図示省略)が連結可能とされており、ロータ244の大径側の底部がインナーハウジング225の上面に当接した状態で、ガイド片246を介して、ロータ244がハウジング202の周方向に沿って回転する。
また、ロータ244の小径側には、環状のキャップ248が挿通可能となっており、該キャップ248がハウジング202に固定される。これにより、ロータ244は抜け止めされることとなる。ここで、キャップ248の内縁側下部には、Oリング装着部250が切り欠かれており、Oリング252が装着される。これにより、ハウジング202内に充填されたシリコンオイルが外部へ漏れないようにしている。
さらに、ロータ244の大径側の底部には、ロータ244の軸芯からずれた位置に、ピストンボディ224の小球体220を連結可能な連結部254が形成されており、該連結部254によってピストンボディ224の小球体220を連結すると、ピストンボディ224は傾いた状態でバルブ208上に載置されることとなる。
そして、ロータ244を回転させると、ピストンボディ224は小球体220を介して、点Pを中心に揺動する。このとき、図22に示すように、ピストンボディ224のピストン242はピストン収容部230内で揺動しながら上下移動するが、各ピストン242は互いに位相をずらして移動することとなる。
ところで、バルブ208は、渦巻き片212に装着された引張りバネ214の付勢力によって位置決めされ、図21(A)に示すように、流路体216に形成された流路218がピストン収容部230のオリフィス232と連通する位置となっている。このため、ピストン収容部230内のシリコンオイルがオリフィス232を通じて流路218へ流動し、該流路218を通じて、隣り合うピストン収容部230同士が連通状態とされる。
一方、引張りバネ214の付勢力の抗する方向への応力によって、図21(B)に示すように、バルブ208を回転させると、流路体216の流路218の位置がずれ、ピストン収容部230のオリフィス232の端部が流路体216の周壁によって塞がれることとなる。つまり、流路218による、隣り合うピストン収容部230は非連通状態とされる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るダンパの作用について説明する。
ロータ244を低速で回転させると、図22に示すように、該ロータ244の回転に伴い、ピストンボディ224が点Pを中心に揺動するが、ピストンボディ224に設けられたピストン242がピストン収容部230内で揺動しながら上下移動する。
これにより、ピストン収容部230内では、ピストン242がピストン収容部230内のシリコンオイルを攪拌することにより生じる粘性抵抗及びピストン242が移動する際にピストン収容部230の内壁との間で生じる剪断抵抗が発生する。
ここで、図19に示すように、ピストン242が上方へ移動するとき、ピストン242の上端面とピストン収容部230との間に設けられた隙間は狭くなるため、シリコンオイルによる圧縮抵抗が生じるが、3つのピストン242は、それぞれ位相をずらして移動するため、ピストン収容部230内における位置がそれぞれ異なる。
つまり、ピストン242の上端面とピストン収容部230との間に設けられた隙間が狭くなった状態では、隣のピストン242の上端面とピストン収容部230との間で構成される隙間は広くなっている。
このため、ピストン242が下方へ移動するときは、ピストン収容部230内のシリコンオイルは、該ピストン収容部230に設けられたオリフィス232を通じて、バルブ208の流路218を経て、隣のピストン収容部230へ移動するので、シリコンオイルによる圧縮抵抗は小さい。
つまり、ピストン242が往復移動することで、ロータ244には、主にシリコンオイルの粘性抵抗、剪断抵抗によるトルクが作用することとなる。そして、前述した圧縮抵抗が低減されることで、その分、ロータ244に作用するトルクは小さく、ダンパ200による減衰力は小さい。
ところで、ピストンボディ224と接触するバルブ208には、ピストンボディ224の揺動により、ピストンボディ224との間で剪断力が生じるが、引張りバネ214の付勢力によって位置決めされている。
しかし、ロータ244を高速回転させると、ピストンボディ224とバルブ208との間で生じる剪断力が大きくなり、引張りバネ214による付勢力を上回ってしまう。このように、該剪断力が引張りバネ214による付勢力よりも大きくなると、図20(B)に示すように、バルブ208が回転してしまう。
この回転により、図21(B)に示すように、バルブ208の流路218の位置がピストン収容部230のオリフィス232の位置からずれてしまう。これにより、ピストン収容部230のオリフィス232の端部が流路体216の周壁によって塞がれ、流路218による、隣り合うピストン収容部230が非連通状態となる。
このため、ピストン242の移動で狭くなった空間内のシリコンオイルは圧縮され、シリコンオイルによる圧縮抵抗が、ロータ244の低速回転時よりもさらに大きくなり、該圧縮抵抗によりロータ244に作用するトルクが増大することとなる。つまり、ダンパ200による減衰力が大きくなる。
ここで、バルブ208は、引張りバネ214の付勢力の抗する方向へ移動し、引張りバネ214には弾性エネルギー(復元力)が蓄積された状態となっているため、ロータ244の回転速度が遅くなり、ピストンボディ224とバルブ208との間で発生する剪断力が該弾性エネルギーよりも小さくなると、図21(A)及び図22(A)に示すように、引張りバネ214は復元すると共に、バルブ208が元の位置に戻り、図21(A)に示すように、隣り合うピストン収容部230を連通させる。これにより、ロータ244に作用するトルクが元の状態に戻る。
つまり、本実施形態によれば、ロータ244の回転速度に応じて、ロータ244に作用するトルクを可変させることができる。また、引張りバネ214の付勢力を調整することで、ロータ244の回転速度と低トルクと高トルクの切替位置を容易に変えることができる。
また、ロータ244の回転力を、ピストンボディ224の揺動力に変換し、ピストンボディ224の外周面に設けられたピストン242を上下移動させることで、ロータ244の移動量に対してピストン242の移動量を増やすことができる。
さらに、各ピストン242で互いに位相をずらして移動させるようにすることで、各ピストン242において、ピストン収容部230内での位置も異なる。このため、ピストン収容部230毎に発生するトルクを変えることができ、ロータ244に作用するトルクのスムーズな増減が可能となる。
なお、ここでは、図18に示すように、ピストンボディ224の大球体222に湾曲凹部234を凹設し、該湾曲凹部234と係合する係合片238を形成し、該係合片238にピストン242を設けるようにしたが、図23に示すように、ピストンボディ224の大球体222とピストン242を一体に形成しても良い。
また、本実施形態では、図20(A)、(B)に示すように、バルブ208の外周面から渦巻き片212を延出させ、該渦巻き片212の先端部に引張りバネ214を設け、この引張りバネ214によってバルブ208を時計と反対方向に回転する方向へ付勢させるようにしたが、これはロータ244の回転方向が一方向である場合の構成である。
したがって、ロータ244が正回転及び逆回転する場合は、図24(A)に示すように、渦巻き片212の先端部に渦巻き片212との間で鈍角を成すように内側に折れ曲がる折曲部212Aを延出させ、ハウジング202の内周面には、略三角形状の傾斜部202Aを凹設し、該傾斜部202Aの形状に沿って渦巻き片212を内側へ向かって撓ませながら移動させるようにする。
つまり、ロータ244の回転(矢印方向)によってピストンボディ224との間で発生する剪断力によってバルブ208が回転すると、仮想線で示すように、渦巻き片212は該傾斜部202Aに沿って移動することとなるが、そのとき、渦巻き片212は弾性変形し、これにより弾性エネルギー(復元力)が蓄積されることとなる。したがって、この場合、引張りバネ214は不要となる。
そして、ロータ244の回転速度が遅くなり、ピストンボディ224とバルブ208との間で発生する剪断力が該弾性エネルギーよりも小さくなると、実線で示すように、渦巻き片212は復元すると共に、バルブ208は元の位置(実線で示す位置)に戻り、ロータ244に作用するトルクが元の状態に戻る。
一方、ロータ244を逆回転させた場合は、図24(B)に示すように、渦巻き片212は傾斜部202Aの形状に沿って矢印方向に沿って移動することとなる。そして、このとき、渦巻き片212は弾性変形し、これにより弾性エネルギー(復元力)が蓄積される。
また、図24(A)、(B)で示す構成以外にも、図示はしないが、ハウジングとバルブとの間にトーションスプリングを配設し、該トーションスプリングによってバルブの周方向の位置決めを行う。そして、ロータの回転によってピストンボディとの間で発生する剪断力により、バルブを正回転及び逆回転可能とする。この場合、トーションスプリングに弾性エネルギーが蓄積されるため、渦巻き片212は不要となる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るダンパについて説明する。
図25〜図26に示すダンパ300には、略円柱状の有底のハウジング302が備えられている。ここで、説明の便宜上、ハウジング302の開口側をダンパ300の上側、底部側をダンパ300の下側として各部品の説明を行う。
このハウジング302の底部中央には、回転力を伝達する伝達部材(図示省略)と連結される棒状のロータ304を軸支可能な軸孔308が凹設されている。また、ハウジング302の底部には、120°間隔で扇状の収容部(液室)310が凹設されており、この収容部310内にはシリコンオイルが充填され、略扇状の揺動体312が揺動可能に収容される。
また、収容部310の底部には、揺動体312の下面に設けられた軸部314と係合する軸孔315が形成されており、該軸部314が軸孔315と係合した状態で、軸部314を中心に、揺動体312が揺動可能となる。
この揺動体312の上面には、軸部314の同軸上に、軸部318が立設しており、揺動体312の上面中央部には、揺動体312の半径方向に沿ってガイド溝320が凹設されている。
ハウジング302内には略円板状のガイド板330がハウジング302の底部に固着されており、ガイド板330の中央部には、ロータ304が挿通可能な貫通孔332が形成されている。ロータ304には、貫通孔332に対応して、Oリング用装着溝350が凹設されており、該Oリング用装着溝350内にOリング352が装着された状態で、該Oリング352は貫通孔332の内周面に面接触して、貫通孔332を通じてガイド板330の表面にシリコンオイルが漏れないようにしている。
また、ガイド板330には120°間隔で、貫通孔334及び揺動体312に形成された軸部316と係合可能な軸孔335が形成され、収容部310と対応するようになっている。そして、隣り合う貫通孔334間には、略扇状のいわゆる肉盗み部336が形成され、その部分が薄肉となっている。
また、貫通孔334内には、それぞれギア部材338が装着可能となっている。このギア部材338は上部にギア(回転部材)340を備えており、該ギア340の下部には、略円柱状のシール部342が設けられている。
このシール部342の外周面には、Oリング用装着溝344が形成されており、該Oリング用装着溝344内にOリング346が装着された状態で、Oリング346は貫通孔334の内周面に面接触して、該貫通孔334を通じてガイド板330の表面にシリコンオイルが漏れないようにしている。
そして、シール部342の裏面からは、ギア340の軸芯からずれた位置に棒状のガイドボス(ガイド突起)348が垂下している。このため、ギア340が回転すると、該ガイドボス348はギア340の軸芯を中心に回転する。
このガイドボス348は、揺動体312の上面に凹設されたガイド溝320に係合可能となっている。このため、図28(A)〜(D)に示すように、ギア340の回転によるガイドボス348の移動によって、ガイドボス348と係合するガイド溝320を介して揺動体312は移動するが、ガイドボス348が円弧移動するのに対して、ガイド溝320は直線形状であるため、該ガイド溝320を介して、揺動体312が収容部310内で軸部314、316を中心に揺動することとなる。
このとき、ギア340に対するガイドボス348の位置は、各ガイドボス348で異なっており、各揺動体312のガイド溝320内でのガイドボス348の位置は、全て異なっている。ここで、ロータ304には、大ギア354が嵌合しており、ロータ304と一体に回転可能としている。この大ギア354が各ギア340と噛合い、ロータ304を回転させると、大ギア354を介して、各ギア340が回転する。
ところで、ハウジング302には、ロータ304が挿通可能な略環状の蓋体356が取付けられる。この蓋体356の下面には、ギア340の上面に設けられ位置決め凸部358が係合可能な位置決め凹部360が凹設されている。また、蓋体356のガイド板330の肉盗み部336に相当する位置には、円弧状の開口362が形成されている。さらに、蓋体356の内縁部の下面からは、当接リブ364が突設され、大ギア354の上面に当接する。これにより、ロータ304は抜け止めされる。
ところで、図29に示すように、揺動体312の下面には、いわゆる銀杏型のバルブ(閉塞部材)321が収容可能な収容凹部324が凹設されている。この収容凹部324はバルブ321の形状よりも若干大きく形成されており、該バルブ321を収容凹部324内で、揺動体312の揺動方向に沿って揺動可能としている(図30(B)、(D)参照)。
図30(A)、(B)に示すように(なお、図30(A)は(B)のA−A矢視図であり、図30(C)は(D)のC−C矢視図である)、収容凹部324は、バルブ321を構成する直線状の弁部326の先端部との間に隙間が設けられており、該弁部326が収容される領域には、揺動体312の揺動方向に沿ってシリコンオイルが通過可能な流路(減圧流路)328が形成されている。これにより、揺動体312によって、略分断された収容部310を連通状態とする。
一方、揺動体312の揺動により、流路328内を通過するシリコンオイルの粘性抵抗によって収容凹部324内のバルブ321が揺動し、図30(C)、(D)に示すように、弁部326に流路328の一方が閉塞されると、揺動体312によって、略分断された収容部310が非連通状態となる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るダンパの作用について説明する。
ロータ304を低速で回転させると、図27に示すように、大ギア354を介して、各ギア340が回転する。このギア340の回転により、図28(A)〜(D)に示すように、各ギア340に設けられたガイドボス348がギア340の軸芯を中心に回転する。これにより、ガイドボス348と係合するガイド溝320を介して、揺動体312が収容部310内で軸部314、316を中心に揺動する。
ここで、図30(A)、(B)に示すように、収容凹部324は、バルブ321の弁部326の先端部との間に隙間を設け、該弁部326が収容される領域に、揺動体312の揺動方向に沿ってシリコンオイルが通過可能な流路328を設けているため、揺動体312が揺動する際、揺動体312によって押しのけられたシリコンオイルは、該流路328を流動して、揺動体312の進行方向とは反対側の領域へ案内される。
つまり、この揺動体312の揺動によって、収容部310では、揺動体312がシリコンオイルを攪拌することにより生じる粘性抵抗、揺動体312が揺動する際に収容部310の内壁との間で生じる剪断抵抗が発生するが、揺動体312の揺動によって収容部310内で圧縮される圧縮抵抗は小さいため、ロータ304に作用するトルクは小さく、ダンパ300による減衰力は小さい。
一方、ロータ304を高速回転させると、揺動体312の高速移動によってシリコンオイルによる粘性抵抗が増加する。これにより、揺動体312内のバルブ321が揺動し、図30(C)、(D)に示すように、減圧用の流路328の一方を閉塞する。このため、揺動体312によって収容部310内でシリコンオイルが圧縮され、圧縮抵抗が増大し、ロータ304に作用するトルクが増大して、ダンパ300による減衰力が大きくなる。
ここで、ロータ304の回転速度が遅くなり、シリコンオイルによる粘性抵抗が小さくなると、バルブ321が揺動して、元の位置(収容凹部324の中央部)に戻り、揺動体312によって、略分断された収容部310を連通させる。これにより、ロータ304に作用するトルクが元の状態に戻る。
つまり、本実施形態によれば、ロータ244の回転速度に応じて、ロータ244に作用するトルクを可変させることができる。また、バルブ321の揺動力を調整することで、ロータ244の回転速度と低トルクと高トルクの切替位置を容易に変えることができる。
また、ギア340を介して、ロータ244の回転速度を増速し、揺動体312の揺動力に変換することで、ロータ244の回転移動量に対して揺動体312の移動量を増やすことができる。
さらに、各揺動体312で互いに位相をずらして移動させるようにすることで、各揺動体312において、収容部310内での位置が異なる。このため、収容部310毎に発生するトルクを変えることができ、ロータ304に作用するトルクのスムーズな増減が可能となる。
なお、ここでは、大ギア354とギア340との歯面接触による摩擦抵抗やガイドボス348がガイド溝320を移動する際の摺動抵抗等もロータ304のトルクには作用することとなるが、ここでは、あくまでもシリコンオイルによって作用するトルクを説明するため、これらについての説明は省略している。
以上、説明したように、これらの実施形態によるダンパは、引出し部材以外にも、引戸、車椅子の車輪、ブラインド、ペットのリード、ピアノの蓋、スーツケース、自動車のグローブボックスなどに設けることができ、移動部材の移動速度が所定値以上になると、ロータを介して、該ダンパによる減衰力が大きくなるため、移動部材の移動を減速させることができる。
また、本発明は、ロータの回転速度が所定値以上になると、液室同士が非連通状態となり、ロータの回転速度が所定値未満になると、該液室同士が連通状態となる構造であればよいため、以上の実施形態に限るものではない。
本発明の第1の実施形態に係るダンパを示す断面斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパを示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパを示す断面図である。 (A)、(B)は、本発明の第1の実施形態に係るダンパを構成するインナー部材の動きを示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパを構成するプレートとキャップを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパを示す平面図であり、(A)は隣り合う空間同士が連通された状態であり、(B)は隣り合う空間同士が遮断された状態である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパの作用を説明するグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るダンパの変形例における作用を説明するグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るダンパを構成するプレートの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパを示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパを示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパを構成するロータとチップの関係を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパを示す断面斜視図であり、隣り合う空間同士が連通された状態である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパを示す断面斜視図であり、隣り合う空間同士が遮断された状態である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパを示す横断面図であり、(A)は隣り合う空間同士が連通された状態であり、(B)は隣り合う空間同士が遮断された状態である。 本発明の第3の実施形態に係るダンパを示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るダンパの要部を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るダンパを示す断面図である。 (A)、(B)は、本発明の第3の実施形態に係るダンパを構成するバルブの位置を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るダンパを示す横断面図であり、(A)は隣り合う空間同士が連通された状態であり、(B)は隣り合う空間同士が遮断された状態である。 本発明の第3の実施形態に係るダンパを構成するピストンの動きを説明する断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るダンパの要部の変形例を示す分解斜視図である。 (A)、(B)は、本発明の第3の実施形態に係るダンパを構成するバルブの変形例を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係るダンパを示す分解斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るダンパを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るダンパを示す平面図である。 (A)〜(D)は、本発明の第4の実施形態に係るダンパを構成するギアのガイドボスと揺動体との関係を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係るダンパを構成する揺動体の下面の構成を示す分解斜視図である。 (B)、(D)は、本発明の第4の実施形態に係るダンパを構成する揺動体のバルブの動きを示す裏面図であり、(A)は(B)のA−A矢視図、(C)は(D)のB−B矢視図である。
符号の説明
10 ダンパ
12 ハウジング
16 トロコイド歯形部(第2トロコイド歯形)
16A 歯部
18 トロコイド歯形部(第1トロコイド歯形)
18A 歯部
20 インナー部材(偏心部材)
22 ロータ
30 プレート(第1流路遮断部材、流路可変手段)
56 トーションスプリング(第1付勢手段、流路可変手段)
100 ダンパ
102 ハウジング
104 ロータ
106 カム溝(カム手段)
108 カラー(第2流路遮断部材、流路可変手段)
116 チップ(移動部材)
118 係合突起(カム手段)
122 チップ収容部(液室)
137 コイルスプリング(第2付勢手段、流路可変手段)
200 ダンパ
202 ハウジング
208 バルブ(第3流路遮断部材、流路可変手段)
212 渦巻き片(第3付勢手段、流路可変手段)
214 引張りバネ(第3付勢手段、流路可変手段)
224 ピストンボディ(揺動部材)
230 ピストン収容部(液室)
242 ピストン(ピストン部材)
244 ロータ
300 ダンパ
302 ハウジング
304 ロータ
310 収容部(液室)
312 揺動体
320 ガイド溝
321 バルブ(閉塞部材)
328 流路(減圧流路)
340 ギア(回転部材)
348 ガイドボス(ガイド突起)
S 空間(液室)

Claims (8)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、
    前記ハウジング内に回転可能に収容され、前記液室の粘性流体から抵抗を受ける回転体と、
    前記回転体の回転速度が所定値以上になると、前記液室同士を非連通状態とし、回転体の回転速度が所定値未満になると、液室同士を連通状態とする流路可変手段と、
    有し、
    前記回転体は、
    外部から回転力が伝達されるロータと、
    前記ロータの軸芯に対して偏心して回転し、前記ハウジングとの間に前記液室を構成する偏心部材と、
    を備え、
    前記流路可変手段が、
    前記ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力又は粘性流体の流動力により回転し、前記液室同士を非連通状態とする第1流路遮断部材と、
    前記第1流路遮断部材に連結され、前記ロータの回転方向と反対方向に該第1流路遮断部材を付勢し、ロータの回転速度が所定値未満になると、前記液室同士を連通状態とする位置へ第1流路遮断部材を戻す第1付勢手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とするダンパ。
  2. 前記偏心部材が第1トロコイド歯形を有しており、前記ハウジングの内周面に前記第1トロコイド歯形と噛合う第2トロコイド歯形が形成され、前記第1トロコイド歯形と前記第2トロコイド歯形とで、前記液室が構成されることを特徴とする請求項1に記載のダンパ。
  3. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、
    前記ハウジング内に回転可能に収容され、前記液室の粘性流体から抵抗を受ける回転体と、
    前記回転体の回転速度が所定値以上になると、前記液室同士を非連通状態とし、回転体の回転速度が所定値未満になると、液室同士を連通状態とする流路可変手段と、
    を有し、
    前記回転体は、
    外部から回転力が伝達されるロータと、
    前記ロータの外側に配置され、前記ハウジングとの間に前記液室を構成する移動部材と、
    前記ロータの回転力を前記移動部材の該ロータの軸方向に沿った方向への移動に変換させるカム手段と、
    を備え、
    前記流路可変手段が、
    前記ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力により回転し、前記液室同士を非連通状態とする第2流路遮断部材と、
    前記第2流路遮断部材に連結され、前記ロータの回転方向と反対方向に該第2流路遮断部材を付勢し、ロータの回転速度が所定値未満になると、前記液室同士を連通状態とする位置へ第2流路遮断部材を戻す第2付勢手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とするダンパ。
  4. 前記移動部材が、前記ハウジングの内壁から突出し前記液室を区画する柱材の間で上下移動可能に設けられ、
    前記カム手段が、前記ロータの外周面に形成され該ロータの軸方向に山と谷を有する波形状のカム溝と、前記移動部材に設けられ前記カム溝と係合する係合突起と、を含んで構成されたことを特徴とする請求項3に記載のダンパ。
  5. 前記移動部材は、互いに位相をずらして移動するように、前記係合突起が前記カム溝に係合していることを特徴とする請求項3又は4に記載のダンパ。
  6. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、
    前記ハウジング内に回転可能に収容され、前記液室の粘性流体から抵抗を受ける回転体と、
    前記回転体の回転速度が所定値以上になると、前記液室同士を非連通状態とし、回転体の回転速度が所定値未満になると、液室同士を連通状態とする流路可変手段と、
    を有し、
    前記回転体は、
    外部から回転力が伝達されるロータと、
    中心軸が傾斜した状態で前記ロータの軸芯に対して偏心して連結され、該ロータの回転によって揺動する揺動部材と、
    前記揺動部材に設けられ、前記ハウジングとの間に前記液室を構成し、前記揺動部材の揺動によって、往復移動するピストン部材と、
    を備え、
    前記流路可変手段が、
    前記ロータの回転速度が所定値以上になると、該ロータとの間で発生する剪断力により回転し、前記液室同士を非連通状態とする第3流路遮断部材と、
    前記第3流路遮断部材に連結され、前記ロータの回転方向と反対方向に該第3流路遮断部材を付勢し、ロータの回転速度が所定値未満になると、前記液室同士を連通状態とする位置へ第3流路遮断部材を戻す第3付勢手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする記載のダンパ。
  7. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、粘性流体が充填された複数の液室と、
    外部から回転力が伝達され、前記ハウジング内に回転可能に収容されて前記液室の粘性流体から抵抗を受けるロータと、
    前記ロータとは異なる軸芯を有し、該ロータの回転力が伝達される回転部材と、
    前記回転部材に設けられ、該回転部材の軸芯から位置をずらして配置されたガイド突起と、
    前記ガイド突起と係合する直線状のガイド溝が形成され、ガイド突起の移動によって前記液室内で揺動する揺動体と、
    前記揺動体の移動方向に沿って揺動体に設けられ、該揺動体を間において、略分断された液室を連通状態とする減圧流路と、
    前記揺動体に設けられ、前記ロータの回転速度が所定値以上になると、前記粘性流体による粘性抵抗によって移動し、前記減圧流路を閉塞する閉塞部材と、
    を含んで構成されたことを特徴とするダンパ。
  8. 前記揺動体は、互いに位相をずらして移動するように、前記ガイド溝に対して前記ガイド突起が係合していることを特徴とする請求項7に記載のダンパ。
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