JP2003056620A - ロック機能を有するロータリーダンパ - Google Patents

ロック機能を有するロータリーダンパ

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JP2003056620A
JP2003056620A JP2001247701A JP2001247701A JP2003056620A JP 2003056620 A JP2003056620 A JP 2003056620A JP 2001247701 A JP2001247701 A JP 2001247701A JP 2001247701 A JP2001247701 A JP 2001247701A JP 2003056620 A JP2003056620 A JP 2003056620A
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rotary damper
vane
liquid
body case
lock valve
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Application number
JP2001247701A
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English (en)
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Hidenori Sugano
秀則 菅野
Ryota Shimura
良太 志村
Masanori Itagaki
正典 板垣
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Fuji Seiki Co Ltd
Fuji Seiki KK
Somic Ishikawa KK
Original Assignee
Fuji Seiki Co Ltd
Fuji Seiki KK
Somic Ishikawa KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダンパ機能とロック機能を併有するロータリ
ーダンパを提供する。 【解決手段】 本体ケース11内に形成された液体室1
1c,11dに配設されるベーン12に、粘性液体15
が通過可能な液体流路13を形成すると共に、所定以上
の圧力を受けると液体流路13を閉鎖してロック状態と
するロック弁14を設ける。これにより、通常の使用時
においては、制御対象物の回転動作を遅動させることが
でき、制御対象物に対して所定以上の大きな衝撃荷重が
加わった場合などには、制御対象物の回転動作を抑制し
てロックすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロック機能を有するロ
ータリーダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘性液体が充填される液体室を有
する本体ケースと、前記液体室に配設されるベーンとを
備え、前記ベーンが液体室内で回転動作することにより
生ずる粘性液体の抵抗を利用して制御対象物の回転動作
を遅動させるロータリーダンパが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ロータリーダンパでは、例えば、自動車のリクライニン
グシートに用いられた場合には、該シートのシートバッ
クを前方へ付勢するリクライニング機構のバネ部材の付
勢力に抗してシートバックの前方への回転動作を緩慢に
させることができるが、自動車が衝突するなどしてシー
トバックに所定以上の大きな衝撃荷重が加わった際に
は、その衝撃を緩和することはできても、ロックするこ
とはできないため、リクライニング機構が設けられてい
るシートバックとシートクッションとの連結部の一方側
を中心としてシートバックが回転動作してねじれ変形を
起こすという問題がある。
【0004】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、通常の使用時においては、制御対象物の回転動作
を遅動させるダンパ機能を備えると共に、制御対象物に
対して所定以上の大きな衝撃荷重が加わった場合などに
は、制御対象物の回転動作を抑制するロック機能を備え
るロータリーダンパを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1に記載の本発明は、本体ケース内に形成
された液体室に配設されるベーン又は前記液体室を仕切
る隔壁部に、前記液体室に充填される粘性液体が通過可
能な液体流路が形成されていると共に、所定以上の圧力
を受けると前記液体流路を閉鎖してロック状態とするロ
ック弁が設けられていることを特徴とするロータリーダ
ンパを提供する。請求項2に記載の本発明は、前記ロッ
ク弁が、所定以上の圧力を受けると変形を生ずる板バネ
から成ることを特徴とする請求項1記載のロータリーダ
ンパを提供する。請求項3に記載の本発明は、前記ロッ
ク弁が、所定の質量を有すると共に、所定以上の負荷を
受けると変形を生ずるバネ部材により支持されているこ
とを特徴とする請求項1記載のロータリーダンパを提供
する。請求項4に記載の本発明は、前記ロック弁が磁性
体からなると共に、該ロック弁が前記液体流路を閉鎖し
た際に、該ロック弁を吸着保持可能なマグネットが設け
られていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
に記載のロータリーダンパを提供する。請求項5に記載
の本発明は、前記ベーンの周縁部に、シール部材が設け
られていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
に記載のロータリーダンパを提供する。請求項6に記載
の本発明は、前記ベーン及び/又は前記液体室を仕切る
隔壁部に、前記ベーンが前記本体ケースに対して相対的
に一方向に回転動作した場合にのみ制動力を発揮させ得
る一方向性の弁機構が設けられていることを特徴とする
請求項1〜5のいずれか1に記載のロータリーダンパを
提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいてさらに詳しく説明する。図1は、本発明の第
1の実施形態に係るロータリーダンパを示す横断面図で
ある。この図に示したように、本実施形態に係るロータ
リーダンパ10Aは、本体ケース11、ベーン12、液
体流路及びロック弁14を有して構成される。
【0007】本体ケース11は、その内部に、それぞれ
本体ケース11の内周面から軸心方向に向かって突出す
るように互いに対向して設けられた断面略扇形状の隔壁
部11a,11bにより仕切られた2つの液体室(第1
及び第2の液体室11c,11d)を有する。そして、
かかる第1及び第2の液体室11c,11dを含む本体
ケース11の内部には、シリコンオイル等の粘性液体1
5が充填されている。
【0008】ベーン12は、本体ケース11の軸心に沿
って設けられる軸受けとして機能する軸部16を挟んで
対峙するように、該軸部16に突設され、上記した第1
及び第2の液体室11c,11dにそれぞれ配設され
る。ここで、軸部16は、その軸心に沿って貫通形成さ
れた係合孔16aを有する略円筒形に形成されており、
該係合孔16aには制御対象物の軸体が挿通される。そ
れにより、軸部16は、係合孔16aが上記軸体に係合
して、該軸体を中心として回動しないようになってい
る。また、軸部16は、その外周面が、断面略円弧状に
形成された隔壁部11a,11bの先端面に面接触して
設けられており、それにより、軸部16の外周面と隔壁
部11a,11bの先端面との間に形成される隙間を極
めて小さいものとして、当該隙間を通じて粘性液体15
が移動しないようになっている。
【0009】第1及び第2の液体室11c,11dにそ
れぞれ配設されたベーン12のうち、第1の液体室11
cに設けられたベーン(以下、第1のベーンという。)
12には、液体流路としての第1の還流路13が厚さ方
向に貫通して形成されていると共に、該第1の還流路1
3の中途に位置して形成された空間12a内に、ロック
弁14が設けられている。
【0010】このロック弁14は、所定の質量を有し、
空間12a内で揺動することにより第1の還流路13を
閉鎖し得る形状に形成されており、軸部16に一端が支
持され、他端が自由端であるバネ部材14aの他端に取
り付けられ、該バネ部材14aによって支持されてい
る。バネ部材14aは、所定以上の負荷を受けると変形
を生ずる板バネから成る。なお、ロック弁14の作用に
ついては後述する。
【0011】一方、第2の液体室11dに設けられたベ
ーン(以下、第2のベーンという。)12には、厚さ方
向に貫通形成された小孔からなるオリフィス17が設け
られていると共に、第2のベーン12が本体ケース11
に対して相対的に一方向に回転動作した場合にのみ制動
力を発揮させ得る一方向性の弁機構が設けられている。
ここで、一方向性の弁機構としては、上記した機能を果
たし得るものであれば限定されない。本実施形態では、
ボール弁18を用いた一方向性の弁機構を採用してい
る。すなわち、ボール弁18の直径よりも小さい内径を
有する小径部19aと、ボール弁18の直径よりも大き
い内径を有する大径部19bとを有し、第2のベーン1
2の厚さ方向に貫通形成された第2の還流路19の大径
部19b内にボール弁18を移動可能に設けた構造の弁
機構である。かかる弁機構によれば、第2のベーン12
が本体ケース11に対して相対的に一方向に回転動作し
た際には、粘性液体15の圧力を受けてボール弁18が
図1において左方向へ移動し、第2の還流路19の小径
部19aと大径部19bとの境界部を閉鎖する。これに
より、粘性液体15は、オリフィス17のみを通じて移
動することとなるため、粘性液体15の抵抗による制動
力が発揮される。一方、第2のベーン12が逆方向に回
転動作した際には、同じく粘性液体15の圧力を受けて
ボール弁18が図1において右方向へ移動し、第2の還
流路19の小径部19aと大径部19bとの境界部を開
放するため、粘性液体15は、オリフィスのみならず第
2の還流路19をも通じて移動するので粘性液体15の
抵抗が小さく制動力が生じない。なお、図において、符
号19cは、ボール弁18の脱落を防止するためのスト
ッパである。
【0012】本実施形態に係るロータリーダンパ10A
は、次のように使用される。すなわち、例えば、自動車
のリクライニングシートに用いられた場合には、ロータ
リーダンパ10Aは、図2に示したように、シートバッ
ク100とシートクッション110との幅方向両側の連
結部のうち、リクライニング機構(図示せず)が設けら
れていない側の連結部に設置される。具体的には、図2
及び図3に示したように、シートバック100を支持す
る支軸120には、シートバック100に固定されるア
ッパーヒンジブラケット130が回転自由に取り付けら
れると共に、その外側に、シートクッション110に固
定されるロアーヒンジブラケット140が取り付けら
れ、ロータリーダンパ10Aは、ロアーヒンジブラケッ
ト140の外側から、支軸120に連結されると共に、
その本体ケース11がシートバック100の回転動作に
伴って支軸120を中心として回転し得るように、取付
ネジ150を介してアッパーヒンジブラケット130に
連結されている。なお、図において、符号160は、支
軸120の先端部に形成されたネジ部120aに螺合
し、支軸120にロータリーダンパ10Aを取り付ける
ためのナットである。
【0013】ここで、自動車のリクライニングシート
は、通常、シートバック100とシートクッション11
0との連結部の一方側にシートバック100の位置(傾
斜角度)を多段階的に調節可能なリクライニング機構
(図示せず)が設けられている。リクライニング機構
は、シートバック100を前方に付勢するバネ部材(図
示せず)を備えているため、不注意にリクライニング機
構によるロックを解除すると、シートバック100が前
方に勢いよく回転して着座者に衝突し、不快感を与える
おそれがあった。また、シートバック100の位置保持
は、リクライニング機構に形成されたギア(図示せず)
の噛み合わせのみで行われ、シートバック100とシー
トクッション110との連結部のうちの他方側は、シー
トバック100をシートクッション110に対して回転
自由に連結したフリーヒンジ構造であるため、上述した
ように、自動車が後方より追突された場合や急発進した
場合等に、所定以上の大きな衝撃荷重が加わると、リク
ライニング機構が設けられている連結部の一方側を中心
としてシートバック100が回転動作してねじれ変形を
起こすという問題があった。
【0014】この点、本実施形態のロータリーダンパ1
0Aによれば、着座者にシートバック100が激しく衝
突することを防止することができ、また、シートバック
100のねじれ変形を防止することが可能である。
【0015】すなわち、ロータリーダンパ10Aは、上
記のように取り付けられているため、シートバック10
0が前方へ回転動作すると、それに伴って本体ケース1
1が支軸120を中心として一方向(図1において、時
計回り方向)へ回転する。ベーン(第1及び第2のベー
ン)12は、回転不能に支軸120に連結された軸部1
6に突設されているため、本体ケース11が一方向へ回
転することにより、隔壁部11bに押圧される粘性液体
15の圧力によって、第2のベーン12に設けられたボ
ール弁18が第2の還流路19の小径部19aと大径部
19bとの境界部を閉鎖する。それにより、第2の液体
室11d内の粘性液体15は、第2のベーン12に設け
られたオリフィス17のみを通じて移動することとな
り、その際に発生する抵抗によりロータリーダンパ10
Aは所定の制動力を発揮して、シートバック100の回
転動作を遅動させることができる。従って、着座者にシ
ートバック100が激しく衝突することがなく、円滑な
リクライニング操作ができる。
【0016】なお、この際、第1の液体室11cにおい
ては、隔壁部11aに押圧される粘性液体15の圧力が
所定以上に達しないため、第1のベーン12に設けられ
たロック弁14は働かず、従って、第1の液体室11c
内の粘性液体15は、第1のベーン12に設けられた第
1の還流路13を通過して移動する。
【0017】また、シートバック100を後方へリクラ
イニングさせる際には、本体ケース11が支軸120を
中心として上記とは逆方向(図1において、反時計回り
方向)へ回転するため、隔壁部11aに押圧される粘性
液体15の圧力により、ボール弁18がストッパ19c
に当接するように移動し、それにより、第2の還流路1
9の小径部19aと大径部19bとの境界部が開放した
状態となる。そのため、第2の液体室11d内の粘性液
体15は、オリフィス17及び第2の還流路19を通じ
て大量に移動することとなるので、ロータリーダンパ1
0Aのダンパ機能は働かない。
【0018】一方、前方又は後方からの衝突等により、
シートバック100に所定以上の衝撃荷重が加わった場
合には、本体ケース11の回転力により、第1の液体室
11c内の粘性液体15の圧力が所定以上となる。そし
て、この圧力をロック弁14が受けることにより、それ
を支持するバネ部材14aが変形して、ロック弁14が
図1において左右いずれかの方向に揺動し、本実施形態
において液体流路として機能する第1の還流路13を閉
鎖する。その結果、第1の液体室11c内の粘性液体1
5は移動できなくなるため、ロック状態となる。これに
より、シートバック100の位置保持が、シートバック
100とシートクッション110との連結部の一方側に
設けられたリクライニング機構のみでなく、当該連結部
の他方側に設けられたロータリーダンパ10Aの上記し
たロック機能によっても行われることになるため、リク
ライニング機構が設けられた連結部の一方側を中心とし
たシートバック100の回転動作を抑制することがで
き、シートバック100のねじれ変形を防止することが
可能となる。
【0019】なお、ロック弁14は、所定の質量を有す
るため、シートバック100に所定以上の衝撃荷重が加
わった際には、その重さに所定以上の圧力(粘性液体1
5の圧力)が加わることによって、バネ部材14aの反
力に打ち勝ち液体流路を確実に閉鎖することができる。
つまり、通常の使用時において液体流路を閉鎖してしま
うことがないように、バネ部材14aとして反力の大き
いものを用いることができるため、誤動作を防止するこ
とができる。また、ロック弁14は、バネ部材14aに
より支持されているため、シートバック100に対する
衝撃荷重が緩和されると、バネ部材14aの弾性により
原位置に復帰する。そのため、特別の操作をしなくても
ロック状態は解除される。
【0020】このように本実施形態に係るロータリーダ
ンパ10Aによれば、ダンパ機能とロック機構とを併有
するため、通常の使用時においては、制御対象物の回転
動作を遅動させることができ、制御対象物に対して所定
以上の大きな衝撃荷重が加わった場合などには、制御対
象物の回転動作を抑制してロックすることができる。ま
た、ロータリーダンパ10Aは、上記したように、制御
対象物に対する取り付けが容易であると共に、形状・大
きさがコンパクトであるため、設置スペースに制限があ
る場合でも適用可能である。
【0021】次に、本発明の第2の実施形態に係るロー
タリーダンパについて説明する。本実施形態に係るロー
タリーダンパ10Bは、図4に示したように、上記した
第1の実施形態とは異なり、バネ部材14aにより支持
されたロック弁14が、互いに対向して設けられた隔壁
部11a,11bにそれぞれ配設されている。一方の隔
壁部11aには、さらに、一方の隔壁部11aの一面側
に開口し、大径部にボール弁18が配設された還流路1
9Aと、同じく一方の隔壁部11aの一面側に開口する
オリフィス17と、上記還流路19A及びオリフィス1
7に連通し、その内部に弁機構14を収容可能な空間1
1eと、該空間11eに連通し、一方の隔壁部11aの
他面側に開口する還流路19Bとが形成されている。一
方、他方の隔壁部11bには、第1及び第2の液体室1
1c,11d間における粘性液体15の移動を可能にす
る還流路19Cが形成されていると共に、該還流路19
Cの中途に弁機構14を収容可能な空間11fが形成さ
れている。なお、上記した各還流路19A〜19C及び
オリフィス17は、液体流路として機能するものであ
る。また、第1の液体室11cに設けられるベーン(第
1のベーン)12には、大径部にボール弁18が配設さ
れた還流路19Dが形成されている。なお、一方の隔壁
部11aに設けられたボール弁18と還流路19Aから
構成される弁機構及び第1のベーン12に設けられたボ
ール弁18と還流路19Dから構成される弁機構は、そ
れぞれ一方向性の弁機構として機能する。
【0022】上記した構造のロータリーダンパ10B
は、第1の実施形態に係るロータリーダンパ10Aと同
様に、本体ケース11が制御対象物に連結され、軸部1
6が制御対象物の軸体に連結されて設置される。そし
て、通常の使用時において、制御対象物が一方向へ回転
動作すると、それに伴って本体ケース11が一方向(図
4において、時計回り方向)へ回転する。ベーン(第1
及び第2のベーン)12は、回転不能に制御対象物の軸
体に連結される軸部16に突設されているため、本体ケ
ース11が一方向へ回転することにより、第1のベーン
12に設けられたボール弁18及び一方の隔壁部11a
に設けられたボール弁18が、それぞれ第1のベーン1
2に形成された還流路19D及び一方の隔壁部11aに
形成された還流路19Aを閉鎖する。それにより、第1
のベーン12により押圧される粘性液体15は、一方の
隔壁部11aに形成されたオリフィス17のみを通じて
移動することとなり、その際に発生する抵抗によりロー
タリーダンパ10Bは所定の制動力を発揮して、制御対
象物の回転動作を遅動させることができる。なお、この
際、第2の液体室11dに設けられたベーン(第2のベ
ーン)12により押圧される粘性液体15は、他方の隔
壁部11bに形成された還流路19Cを通過して第1の
液体室11cへ移動する。
【0023】制御対象物が上記とは逆方向へ回転動作し
た際には、その回転動作に伴って、本体ケース11が上
記とは逆方向(図4において、反時計回り方向)へ回転
するため、第1のベーン12に設けられたボール弁18
及び一方の隔壁部11aに設けられたボール弁18がそ
れぞれ開弁し、還流路19D及び還流路19Aが開放し
た状態となる。そのため、粘性液体15は、オリフィス
17のみならず、各還流路19A〜19Dを通じて移動
することとなるので、ロータリーダンパ10Bのダンパ
機能は働かない。
【0024】一方、制御対象物に所定以上の衝撃荷重が
加わった場合などには、本体ケース11の回転力によ
り、粘性液体15の圧力が所定以上となる。そして、こ
の圧力を各隔壁部11a,11bにそれぞれ配設された
ロック弁14が受けることにより、バネ部材14aが変
形して、ロック弁14が図4において上下いずれかの方
向に揺動し、液体流路として機能する還流路19A及び
オリフィス17並びに還流路19C、又は還流路19B
及び還流路19Cを閉鎖する。その結果、本体ケース1
1内の粘性液体15が移動できなくなるため、ロック状
態となる。
【0025】従って、かかるロータリーダンパ10Bに
よっても、第1の実施形態と同様に、通常の使用時にお
いては、制御対象物の回転動作を遅動させることがで
き、制御対象物に対して所定以上の大きな衝撃荷重が加
わった場合などには、制御対象物の回転動作を抑制して
ロックすることができる。
【0026】次に、本発明の第3の実施形態に係るロー
タリーダンパについて説明する。本実施形態に係るロー
タリーダンパ10Cは、図5に示したように、上記した
第2の実施形態と同様に、バネ部材14aによって支持
されたロック弁14が隔壁部11a,11bに配設され
ているが、このロータリーダンパ10Cは、ロック弁1
4が磁性体(鉄等の金属材料)からなり、該ロック弁1
4が液体流路(還流路19E,19F)を閉鎖した際
に、該ロック弁14を吸着保持可能なマグネット20を
有して構成されている点で上記した第1及び第2の実施
形態と異なる。このマグネット20は、各隔壁部11
a,11bにそれぞれ形成された液体流路としての還流
路19E,19Fの内面に沿って設けられている。
【0027】上記した構造のロータリーダンパ10C
も、第1及び第2の実施形態に係るロータリーダンパ1
0A,10Bと同様に、本体ケース11が制御対象物に
連結され、軸部16が制御対象物の軸体に連結されて設
置される。そして、通常の使用時において、制御対象物
が一方向へ回転動作すると、それに伴って本体ケース1
1が一方向(図5において、時計回り方向)へ回転す
る。それにより、粘性液体15が、第1及び第2の液体
室11c,11dにそれぞれ配設されたベーン(第1及
び第2のベーン)12により押圧され、還流路19E及
び19Fを通じて移動する。そして、その際に生ずる抵
抗により、ロータリーダンパ10Cは所定の制動力を発
揮して、制御対象物の回転動作を遅動させることができ
る。なお、このロータリーダンパ10Cは、本体ケース
11が一方向へ回転した場合のみならず、逆方向へ回転
した場合にも制動力を発揮する双方向性のものである。
【0028】一方、制御対象物に所定以上の衝撃荷重が
加わった場合などには、本体ケース11の回転力によ
り、粘性液体15の圧力が所定以上となる。そして、こ
の圧力を各隔壁部11a,11bにそれぞれ配設された
ロック弁14が受けることにより、バネ部材14aが変
形して、ロック弁14が図5において上下いずれかの方
向に揺動し、液体流路として機能する還流路19E及び
19Fを閉鎖する。その結果、本体ケース11内に充填
された粘性液体15が移動できなくなるため、ロック状
態となる。
【0029】従って、かかるロータリーダンパ10Cに
よっても、第1及び第2の実施形態と同様に、通常の使
用時においては、制御対象物の回転動作を遅動させるこ
とができ、制御対象物に対して所定以上の大きな衝撃荷
重が加わった場合などには、制御対象物の回転動作を抑
制してロックすることができる。
【0030】また、このロータリーダンパ10Cは、マ
グネット20を有して構成されているため、該マグネッ
ト20により、還流路19E及び19Fを閉鎖するロッ
ク弁14を吸着保持することができる。従って、ロック
弁14を収容する空間11g,11h内でロック弁14
が振動を発生させることがない。すなわち、ロック弁1
4はバネ部材14aに支持されているため、一旦還流路
19E及び19Fを閉鎖しても、バネ部材14aの復元
作用により、すぐに還流路19E及び19Fを開放し、
その後再び還流路19E及び19Fを閉鎖するといった
ことを繰り返し行うことによって振動を発生させるおそ
れがあるが、かかるロータリーダンパ10Cによれば、
上記したように、マグネット20により還流路19E及
び19Fを閉鎖するロック弁14を吸着保持することが
できるため、そのような振動の発生を防止することがで
きる。
【0031】なお、ロックされた状態の制御対象物を、
その後、前後いずれかの方向に回転動作させることで、
本体ケース11内の粘性液体15に流れが生ずるため、
その際の粘性液体15の圧力により、ロック弁14がマ
グネット20に吸着保持された状態を解除することがで
きる。
【0032】次に、本発明の第4の実施形態に係るロー
タリーダンパについて説明する。本実施形態に係るロー
タリーダンパ10Dは、図6に示したように、第1及び
第2の液体室11c,11dに配設された各ベーン(第
1及び第2のベーン)12に、それぞれ大径部と小径部
とを有する還流路19G,19Hが形成されていると共
に、各還流路19G,19Hの大径部にボール弁18が
設けられている。かかる還流路19G,19H及びボー
ル弁18から構成される弁機構は、一方向性の弁機構と
して機能する。また、軸部16を挟んで互いに対向して
配置された隔壁部11a,11bには、それぞれオリフ
ィスとして機能する小径部17a,17bを有する還流
路19I,19Jが形成されていると共に、該還流路1
9I,19Jの中途に位置して形成された空間内に、バ
ネ部材14aにより支持されたロック弁14が揺動可能
に配設されている。
【0033】上記した構造のロータリーダンパ10D
も、上記した第1〜第3の実施形態と同様に、本体ケー
ス11が制御対象物に連結され、軸部16が制御対象物
の軸体に連結されて設置される。そして、通常の使用時
において、制御対象物が一方向へ回転動作すると、それ
に伴って本体ケース11が一方向(図6において、反時
計回り方向)へ回転する。これにより、第1及び第2の
ベーン12に形成された各還流路19G,19Hは、そ
れぞれボール弁18によって閉鎖されるので、粘性液体
15は、各隔壁部11a,11bに形成された還流路1
9I,19Jを通じて移動することとなる。各還流路1
9I,19Jには、オリフィスとして機能する小径部1
7a,17bが設けられているため、該小径部17a,
17bを粘性液体15が通過する際に抵抗が発生し、そ
れによりロータリーダンパ10Dは所定の制動力を発揮
して、制御対象物の回転動作を遅動させることができ
る。
【0034】制御対象物が上記とは逆方向へ回転動作し
た際には、その回転動作に伴って、本体ケース11が上
記とは逆方向(図6において、時計回り方向)へ回転す
るため、第1及び第2のベーン12に配設されたボール
弁18がそれぞれ開弁し、各還流路19G,19Hが開
放した状態となる。そのため、粘性液体15は、各還流
路19G〜19Jを通じて移動することとなるので、ロ
ータリーダンパ10Dのダンパ機能は働かない。
【0035】一方、制御対象物に対して、一方向から所
定以上の衝撃荷重が加わった場合などには、本体ケース
11の一方向(図6において反時計回り方向)に急速に
回転しようとする力によって、粘性液体15の圧力が所
定以上となる。そして、この圧力を各隔壁部11a,1
1bにそれぞれ配設されたロック弁14が受けることに
より、バネ部材14aが変形して、ロック弁14が液体
流路として機能する還流路19I,19Jをそれぞれ閉
鎖する。その結果、本体ケース11内の粘性液体15が
移動できなくなるため、ロック状態となる。但し、本実
施形態では、制御対象物に対して、上記とは逆方向から
所定以上の衝撃荷重が加わった場合に、本体ケース11
が上記とは逆方向(図6において時計回り方向)に急速
に回転しても、第1及び第2のベーン12に設けられた
一方向性の弁機構が働くため、ロック状態とはならな
い。
【0036】従って、かかるロータリーダンパ10Dに
よっても、上記した第1〜第3の実施形態と同様に、通
常の使用時においては、制御対象物の回転動作を遅動さ
せることができ、制御対象物に対して所定以上の大きな
衝撃荷重が加わった場合などには、制御対象物の回転動
作を抑制してロックすることができる。
【0037】次に、本発明の第5の実施形態に係るロー
タリーダンパについて説明する。本実施形態に係るロー
タリーダンパ10Eは、図7に示したように、本体ケー
ス11内に、1つの液体室11gが形成され、該液体室
11gに1つのベーン12が設けられている、いわゆる
シングルベーンタイプのものである。液体室11gを仕
切る隔壁部11hには、オリフィスとして機能する小径
部17cを有する還流路19Kが形成されていると共
に、該還流路19Kの中途に位置して形成された空間内
に、バネ部材14aにより支持されたロック弁14が揺
動可能に配設されている。
【0038】上記した構造のロータリーダンパ10E
も、上記した第1〜第4の実施形態と同様に、本体ケー
ス11が制御対象物に連結され、軸部16が制御対象物
の軸体に連結されて設置される。そして、通常の使用時
において、制御対象物が一方向又はその逆方向へ回転動
作すると、それに伴って本体ケース11が一方向又はそ
の逆方向へ回転し、これにより、粘性液体15は、隔壁
部11hに形成された還流路19Kを通じて移動するこ
ととなる。還流路19Kには、オリフィスとして機能す
る小径部17cが設けられているため、該小径部17c
を粘性液体15が通過する際に抵抗が発生し、それによ
りロータリーダンパ10Eは所定の制動力を発揮して、
制御対象物の回転動作を遅動させることができる。すな
わち、本実施形態のロータリーダンパ10Eは、上記し
た第3の実施形態と同様に、本体ケース11が一方向へ
回転した場合のみならず、逆方向へ回転した場合にも制
動力を発揮する双方向性のものである。
【0039】一方、制御対象物に所定以上の衝撃荷重が
加わった場合などには、本体ケース11の回転力によ
り、粘性液体15の圧力が所定以上となる。そして、こ
の圧力を隔壁部11gに設けられたロック弁14が受け
ることにより、バネ部材14aが変形して、ロック弁1
4が図7において上下いずれかの方向に揺動し、液体流
路として機能する還流路19K(還流路19Kに設けら
れた小径部17c)を閉鎖する。その結果、本体ケース
11内の粘性液体15が移動できなくなるため、ロック
状態となる。
【0040】従って、かかるロータリーダンパ10Eに
よっても、上記した第1〜第4の実施形態と同様に、通
常の使用時においては、制御対象物の回転動作を遅動さ
せることができ、制御対象物に対して所定以上の大きな
衝撃荷重が加わった場合などには、制御対象物の回転動
作を抑制してロックすることができる。
【0041】次に、本発明の第6の実施形態に係るロー
タリーダンパについて説明する。本実施形態に係るロー
タリーダンパ10Fは、図8に示したように、第1及び
第2の液体室11c,11dに配設されたベーン12
に、それぞれバネ部材14aによって支持されたロック
弁14が設けられている。具体的には、各ベーン12の
先端部は、それぞれ断面略凹字状に切り欠かれており、
その切り欠きによって形成された空間11iにロック弁
14が揺動可能に設けられている。また、各ベーン12
には、その一面側に開口し、上記空間11iに連通する
オリフィス17eと、他面側に開口し、上記空間11i
に連通するオリフィス17fとがそれぞれ形成されてい
る。
【0042】上記した構造のロータリーダンパ10F
も、上記した第1〜第5の実施形態と同様に、本体ケー
ス11が制御対象物に連結され、軸部16が制御対象物
の軸体に連結されて設置される。そして、通常の使用時
において、制御対象物が一方向又はその逆方向へ回転動
作すると、それに伴って本体ケース11が一方向又はそ
の逆方向へ回転し、これにより、粘性液体15は、各ベ
ーン12に形成されたオリフィス17e,17fを通じ
て移動することとなる。ロータリーダンパ10Fは、こ
のように粘性液体15がオリフィス17e,17fを通
過する際に生ずる抵抗より所定の制動力を発揮して、制
御対象物の回転動作を遅動させることができる。すなわ
ち、本実施形態のロータリーダンパ10Fも、上記した
第3及び第5の実施形態と同様に、本体ケース11が一
方向へ回転した場合のみならず、逆方向へ回転した場合
にも制動力を発揮する双方向性のものである。
【0043】一方、制御対象物に所定以上の衝撃荷重が
加わった場合などには、本体ケース11の回転力によ
り、粘性液体15の圧力が所定以上となる。そして、こ
の圧力を各ベーン12に設けられたロック弁14が受け
ることにより、バネ部材14aが変形して、ロック弁1
4が図8において左右いずれかの方向に揺動し、本実施
形態において液体流路として機能するオリフィス17e
又は17fを閉鎖する。その結果、本体ケース11内の
粘性液体15が移動できなくなるため、ロック状態とな
る。
【0044】従って、かかるロータリーダンパ10Fに
よっても、上記した第1〜第5の実施形態と同様に、通
常の使用時においては、制御対象物の回転動作を遅動さ
せることができ、制御対象物に対して所定以上の大きな
衝撃荷重が加わった場合などには、制御対象物の回転動
作を抑制してロックすることができる。
【0045】次に、本発明の第7の実施形態に係るロー
タリーダンパについて説明する。本実施形態に係るロー
タリーダンパ10Gは、図9〜図11に示したように、
2つの液体室(第1及び第2の液体室)11c,11d
が、本体ケース11の軸心方向に沿って左右に配置され
るように、本体ケース11内に形成されている。本体ケ
ース11の両端部11j,11kには、それぞれ、第1
及び第2の液体室11c,11dを液密に閉塞する蓋部
材21a,21bがかしめ加工により設けられている。
第1及び第2の液体室11c,11dに配設されるベー
ン(第1及び第2のベーン)12は、それぞれ、本体ケ
ース11の軸心に沿って配設される第1及び第2の軸部
16b,16cに突設されている。第1及び第2の軸部
16b,16cは、それぞれ、軸心に沿って貫通形成さ
れた係合孔16d,16eを有しており、この係合孔1
6d,16eに制御対象物の軸体170が挿通されるこ
とで、該軸体170の回転に伴って本体ケース11内で
回転し得るようになっている。
【0046】第1のベーン12には、バネ部材14aに
よって支持されたロック弁14が設けられている。具体
的には、図10及び図12に示したように、第1のベー
ン12の先端部には、ロック弁14を収容可能な溝12
aが刻設されており、この溝12a内にロック弁14が
揺動可能に設けられている。また、第1のベーン12に
は、上記溝12aに連通する還流路19Lが厚さ方向に
貫通して形成されている。一方、第2のベーン12は、
図11に示したように、その先端部が断面略凹字状に形
成されていると共に、その先端部に粘性液体15が通過
可能な還流溝19Mが形成されている。また、第2のベ
ーン12には、その一面側に開口すると共に、先端部に
形成された凹部12bに連通するオリフィス17gが形
成されている。また、第2のベーン12の先端部と本体
ケース11の内周面との間には、一方向性の弁機構とし
て機能する断面略T字状の弁体22が設けられている。
この弁体22は、第2のベーン12が一方向へ回転した
際には、第2のベーン12の先端部に形成された還流溝
19Mを閉鎖して、粘性液体15の通過を阻止し、第2
のベーン12が他方向へ回転した際には、還流溝19M
を開放して、粘性液体15を通過させる働きをするもの
である。なお、粘性液体15は、ネジ23により栓がさ
れた注入口から注入され、第1及び第2の液体室11
c,11d内に充填される。
【0047】上記した構造のロータリーダンパ10G
は、本体ケース11が所定の部位に固定され、第1及び
第2の軸部16b,16cが制御対象物の軸体170に
連結されて設置される。そして、通常の使用時におい
て、制御対象物が一方向へ回転動作すると、それに伴っ
て軸体170並びに第1及び第2の軸部16b,16c
が一方向へ回転する。これにより、第1及び第2のベー
ン12が第1及び第2の液体室11c,11dでそれぞ
れ一方向(図10及び図11において、反時計回り方
向)へ回転する。この際、第2の液体室11d内では、
第2のベーン12の先端部に形成された還流溝19Mの
うちの一方が弁体22により閉鎖されるため、第2の液
体室12内に充填された粘性液体15は、第2のベーン
12に形成されたオリフィス17gを通じて移動するこ
ととなる。ロータリーダンパ10Gは、このように粘性
液体15がオリフィス17gを通過する際に生ずる抵抗
より所定の制動力を発揮して、制御対象物の回転動作を
遅動させることができる。
【0048】制御対象物が上記とは逆方向へ回転動作し
た際には、第1及び第2のベーン12が上記とは逆方向
(図10及び図11において、時計回り方向)へ回転す
る。この際、第2の液体室11d内では、弁体22が開
弁し、還流溝19Mを粘性液体15が通過できるように
なるため、ロータリーダンパ10Gのダンパ機能は働か
ない。
【0049】一方、制御対象物に所定以上の衝撃荷重が
加わった場合などには、第1及び第2のベーン12の回
転力により、粘性液体15の圧力が所定以上となる。そ
して、この圧力を第1のベーン12に設けられたロック
弁14が受けることにより、バネ部材14aが変形し
て、ロック弁14が図10において左右いずれかの方向
に揺動し、本実施形態において液体流路として機能する
還流路19Lを閉鎖する。その結果、第1の液体室11
c内の粘性液体15が移動できなくなるため、ロック状
態となる。
【0050】従って、かかるロータリーダンパ10Gに
よっても、上記した第1〜第6の実施形態と同様に、通
常の使用時においては、制御対象物の回転動作を遅動さ
せることができ、制御対象物に対して所定以上の大きな
衝撃荷重が加わった場合などには、制御対象物の回転動
作を抑制してロックすることができる。
【0051】次に、本発明の第8の実施形態に係るロー
タリーダンパについて説明する。本実施形態に係るロー
タリーダンパ10Hは、図13及び図14に示したよう
に、ベーン12の周縁部、すなわち、本体ケース11内
に形成される液体室(第1及び第2の液体室)11c,
11dの内壁面に摺接する部位に、シール部材24が設
けられていることを第1の特徴とする。ここで、本実施
形態におけるベーン12は、両端部がそれぞれ略円弧状
に形成された1枚の板状体からなり(図13(b)参
照)、回転軸として機能する軸部16に形成された嵌合
溝16fに嵌合されることにより、該軸部16の回転に
伴って、第1及び第2の液体室11c,11dで回転動
作し得るように設けられている(図13(b)、図14
(a)及び図14(b)参照)。また、ベーン12に
は、液体流路としてのオリフィス17hが厚さ方向に貫
通して形成されている(図13(b)及び図14(b)
参照)。また、シール部材24としては、Oリングを用
いることができる。かかるシール部材24を設けること
によって、液体室11c,11dの内壁面とベーン12
の周縁部との間のシール性を高めることができる。特
に、ベーン12の厚さが薄い場合には、液体室11c,
11dの内壁面とベーン12の周縁部との間に隙間が形
成されやすくなるため、シール部材24を設けることが
望ましい。
【0052】本実施形態に係るロータリーダンパ10H
の第2の特徴は、ロック弁14が所定以上の圧力を受け
ると変形を生ずる板バネから成ることである(図14
(b)参照)。このロック弁14は、ベーン12の側面
(液体押圧面)に沿って配置されると共に、一端側が軸
部16とベーン12とによって挟持されることで固定さ
れている。また、自由端である他端側は、常態において
ベーン12の側面から離間しているように配設されてい
る。
【0053】上記した構造のロータリーダンパ10H
は、本体ケース11が所定の部位に固定され、軸部16
が制御対象物の軸体に連結されて設置される。そして、
通常の使用時において、制御対象物が一方向又はその逆
方向へ回転動作すると、それに伴って制御対象物の軸体
及び軸部16が一方向又はその逆方向へ回転する。これ
により、ベーン12が第1及び第2の液体室11c,1
1dで一方向又はその逆方向へ回転して、第1及び第2
の液体室11c,11d内に充填された粘性液体15を
押圧する。押圧された粘性液体15は、ベーン12に形
成されたオリフィス17hを通じて移動することとなる
ため、その際に生じる抵抗により、ロータリーダンパ1
0Hは、所定の制動力を発揮して、制御対象物の回転動
作を遅動させることができる。
【0054】一方、制御対象物に所定以上の衝撃荷重が
加わった場合などには、ベーン12の回転力により、粘
性液体15の圧力が所定以上となる。そして、この圧力
をベーン12に設けられた板バネから成るロック弁14
が受けることにより、該ロック弁14がベーン12の側
面に近接する方向に変形して、本実施形態において液体
流路として機能するオリフィス17hを閉鎖する。その
結果、第1及び第2の液体室11c,11d内の粘性液
体15が移動できなくなるため、ロック状態となる。
【0055】従って、かかるロータリーダンパ10Hに
よっても、上記した第1〜第7の実施形態と同様に、通
常の使用時においては、制御対象物の回転動作を遅動さ
せることができ、制御対象物に対して所定以上の大きな
衝撃荷重が加わった場合などには、制御対象物の回転動
作を抑制してロックすることができる。
【0056】なお、本実施形態では、板バネから成るロ
ック弁14が、ベーン12の両側面のうちの一方側にの
み設けられているため、制御対象物が大きな衝撃荷重を
一方向から受けた場合にのみロック機能が働くようにな
っているが、かかるロック弁14をベーン12の両側面
のうちの他方側にも設けることにより、制御対象物が大
きな衝撃荷重を上記とは逆方向から受けた場合にもロッ
ク機能が働くようにすることは勿論可能である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
本体ケース内に形成された液体室に配設されるベーン又
は前記液体室を仕切る隔壁部に、前記液体室に充填され
る粘性液体が通過可能な液体流路が形成されていると共
に、所定以上の圧力を受けると前記液体流路を閉鎖して
ロック状態とするロック弁が設けられているため、通常
の使用時においては、制御対象物の回転動作を遅動させ
ることができ、制御対象物に対して所定以上の大きな衝
撃荷重が加わった場合などには、制御対象物の回転動作
を抑制してロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るロータ
リーダンパを示す横断面図である。
【図2】図2は、上記実施形態に係るロータリーダンパ
の使用例を説明するための図である。
【図3】図3は、上記実施形態に係るロータリーダンパ
の取り付け方法の一例を説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に係るロータ
リーダンパを示す横断面図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施形態に係るロータ
リーダンパを示す横断面図である。
【図6】図6は、本発明の第4の実施形態に係るロータ
リーダンパを示す横断面図である。
【図7】図7は、本発明の第5の実施形態に係るロータ
リーダンパを示す横断面図である。
【図8】図8は、本発明の第6の実施形態に係るロータ
リーダンパを示す横断面図である。
【図9】図9は、本発明の第7の実施形態に係るロータ
リーダンパを示す縦断面図である。
【図10】図10は、図9のA−A部断面図である。
【図11】図11は、図9のB−B部断面図である。
【図12】図12は、上記実施形態に係るロータリーダ
ンパの構造を説明するための図である。
【図13】図13は、本発明の第8の実施形態に係るロ
ータリーダンパを示す図であり、(a)平面図、(b)
は(a)のC−C部断面図である。
【図14】図14は、上記実施形態に係るロータリーダ
ンパを示す図であり、(a)は図13(a)のD−D部
断面図、(b)は(a)のE−E部断面図である。
【符号の説明】
10A ロータリーダンパ 11 本体ケース 12 ベーン 13 第1の還流路 14 ロック弁 15 粘性液体 16 軸部 17 オリフィス 18 ボール弁 19 第2の還流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 良太 東京都墨田区本所1−34−6 株式会社ソ ミックエンジニアリング内 (72)発明者 板垣 正典 東京都墨田区本所1−34−6 株式会社ソ ミックエンジニアリング内 Fターム(参考) 3J069 AA42 AA44 EE05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体ケース内に形成された液体室に配設
    されるベーン又は前記液体室を仕切る隔壁部に、前記液
    体室に充填される粘性液体が通過可能な液体流路が形成
    されていると共に、所定以上の圧力を受けると前記液体
    流路を閉鎖してロック状態とするロック弁が設けられて
    いることを特徴とするロータリーダンパ。
  2. 【請求項2】 前記ロック弁が、所定以上の圧力を受け
    ると変形を生ずる板バネから成ることを特徴とする請求
    項1記載のロータリーダンパ。
  3. 【請求項3】 前記ロック弁が、所定の質量を有すると
    共に、所定以上の負荷を受けると変形を生ずるバネ部材
    により支持されていることを特徴とする請求項1記載の
    ロータリーダンパ。
  4. 【請求項4】 前記ロック弁が磁性体からなると共に、
    該ロック弁が前記液体流路を閉鎖した際に、該ロック弁
    を吸着保持可能なマグネットが設けられていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のロータリー
    ダンパ。
  5. 【請求項5】 前記ベーンの周縁部に、シール部材が設
    けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1に記載のロータリーダンパ。
  6. 【請求項6】 前記ベーン及び/又は前記液体室を仕切
    る隔壁部に、前記ベーンが前記本体ケースに対して相対
    的に一方向に回転動作した場合にのみ制動力を発揮させ
    得る一方向性の弁機構が設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1に記載のロータリーダン
    パ。
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