JP3252342B2 - 安全機能付き自動車用収納装置 - Google Patents

安全機能付き自動車用収納装置

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JP3252342B2
JP3252342B2 JP8275094A JP8275094A JP3252342B2 JP 3252342 B2 JP3252342 B2 JP 3252342B2 JP 8275094 A JP8275094 A JP 8275094A JP 8275094 A JP8275094 A JP 8275094A JP 3252342 B2 JP3252342 B2 JP 3252342B2
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精一 佐藤
誠司 澤谷
稔 満多野
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Piolax Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のインストルメ
ントパネル等に設けられる所謂プッシュオープン型の収
納装置のうち、特に、安全機能付き収納装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種安全機能付きプッシュオー
プン型収納装置として、特開平6−16091号公報に
示すものが存する。該収納装置は、インストルメントパ
ネル側に設けられるハウジングに収納箱を開閉動可能に
支承して、該収納箱を付勢ばね圧で常時開放方向に付勢
する一方、ハウジング側に、カム溝を形成したカム部材
を付勢ばね手段で一方向に付勢する状態をもって旋回可
能に設け、収納箱側に、カム部材のカム溝内を移動する
ピン部材を設けて、ピン部材を当該カム溝のロック部に
係止すれば、収納箱を付勢ばね圧に抗してハウジング内
の閉塞位置にロックし、この状態のまま、収納箱を更に
ハウジング内に押し込めば、ピン部材のカム溝のロック
部に対する係止を解除して、カム部材のロック解除方向
への旋回を許容することにより、収納箱を付勢ばね圧で
ハウジングの開口部から自動的に開放方向に移動させる
ことを前提として、以下の構成を採用している。
【0003】即ち、この従来収納装置は、特に、上記カ
ム部材のカム溝を画成する一縁側に、ピン部材のロック
部と導出口とを相当の間隔をおいて形成すると共に、該
一縁と対向する他縁側に、該ロック部と導出口の間に突
出する逆V字状のストッパーガイド壁を一体に形成し
て、ピン部材を係止するロック部を当該ストッパーガイ
ド壁の先端部よりもかなり外方に位置させる一方、ハウ
ジング側に対しては、カム部材の付勢方向とは逆方向へ
の旋回量を規制する旋回規制壁部を設けるか、或いは、
この旋回規制壁部に代えて、カム部材自体に対して、自
身の重心を旋回中心と一致させるためのバランス調整部
を設ける構成を採用している。
【0004】従って、斯る構成の下では、基本的には、
収納箱の閉塞位置でのロック状態において、自動車の衝
突時や急ブレーキ時に、慣性力が作用すると、ピン部材
がカム溝のロック部から外れて、収納箱と一緒に慣性力
の加わる方向と同一方向に移動することとなるが、この
時には、ピン部材が上記ストッパーガイド壁の外側に移
動して、カム部材のロック解除方向への旋回を阻止する
ので、収納箱がハウジング内から誤って外方に突出する
ことが防止できる。
【0005】又、予測を遥かに超えた大きな慣性力が加
わった場合には、旋回規制壁部をハウジング側に設けた
構成の下では、当該大きな慣性力により発生した旋回ト
ルクで、カム部材が付勢方向とは逆方向に大きく旋回し
ようとしても、カム部材は旋回規制壁部に衝突した後、
再び、付勢方向に旋回して、付勢ばね圧で収納箱と一緒
に後退しようとするピン部材を受け止めて、ピン部材が
カム溝の導入口側から外れてしまうことを防止でき、バ
ランス調整部をカム部材側に設けた構成の下では、カム
部材の重心が旋回中心と一致していることにより、上記
の旋回トルクを小さくして、カム部材の付勢方向とは逆
方向への大きな旋回を防止できるので、やはり、これに
より、ピン部材がカム溝の導入口側から外れてしまうこ
とを防止して、収納箱がハウジング内から誤って外方に
突出することが防止できることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来の収納
装置において、旋回規制壁部をハウジング側に設ける場
合にあっては、収納箱をハウジング内の閉塞位置にロッ
クするために、カム部材をピン部材で付勢方向とは逆方
向に旋回させて、ピン部材を導入口からカム溝内に導か
なければならない関係から、旋回規制壁部をピン部材の
移動軌跡線に対してかなり隔てて設けなければならなく
なるので、これに起因して、タイミングのズレ等が生じ
て、カム部材で収納箱と一緒に後退しようとするピン部
材を確実に受け止められなくなる恐れが十分にあった。
しかも、斯る構成下では、旋回規制壁部とカム部材の位
置関係に高精度が要求されることとなるので、組み立て
作業が頗る大変となることは言うまでもないが、組み立
て過程で誤差が生じると、十分な作動が期待できなくな
る恐れをも有していた。又、バランス調整部をカム部材
側に設ける場合にあっては、上記のような事態は一応回
避できるが、やはり、当該バランス調整部でカム部材の
重心を旋回中心に設定することが技術的に頗る大変とな
ると共に、これに伴い、バランス調整部が自ずと大型化
してしまう恐れを有していた。
【0007】更に、従来の収納装置にあっては、カム部
材の基端部側をハウジングの取付軸部に付勢ばね手段を
介して旋回可能に支持するだけで、当該カム部材の先端
部側に対しては、ピン部材をカム溝の導出口から逃がす
必要から、上下方向に揺動できる構成となしているの
で、斯る構成の下で、自動車の衝突時等に、その衝突に
伴う上下方向の力が加わると、当該カム部材の先端部側
が上下方向に大きく揺動して、ピン部材から容易に外れ
てしまい、結果的には、収納箱がハウジング内から誤っ
て外方に突出してしまう恐れをも有していた。本発明
は、これら従来の安全機能付き収納装置の抱える課題を
有効に解決するために開発されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、ハウジン
グ側に、導入口とロック部と導出口を有するカム溝を形
成したカム部材を旋回可能に設け、収納箱側に、該カム
部材のカム溝内を移動するピン部材を設けて、該ピン部
材をカム溝のロック部に係止することにより、収納箱を
付勢ばね圧に抗してハウジング内の閉塞位置にロック
し、この状態のまま、収納箱を更にハウジング内に押し
込むことにより、上記ピン部材のカム溝のロック部に対
する係止を解除して、収納箱をハウジングの開口部から
自動的に開放方向に移動させる収納装置であって、上記
カム部材を付勢ばね手段で一方向に旋回付勢する一方、
カム部材のカム溝を画成する一縁側に、ロック部と導出
口とを間隔をおいて形成すると共に、該一縁と対向する
他縁側に、当該ロック部と導出口の間に突出するストッ
パーガイド壁を形成して、ピン部材を係止するロック部
をストッパーガイド壁よりも外方に位置させ、且つ、カ
ム部材の付勢方向とは逆方向への旋回量を規制する旋回
規制壁部をハウジング側に設けた安全機能付き自動車用
収納装置を前提として、上記カム部材の旋回規制壁部と
対向する側縁又は旋回規制壁部のいずれか一方に、撓み
可能な弾性羽根片を一定の空間を画して形成し、この弾
性羽根片を介在させて、上記カム部材の逆方向への旋回
量を規制する構成を採用した。第二の発明は、第一の発
明の前提構成をそのまま踏襲して、ハウジング又は収納
箱のいずれか一方が、カム部材のピン部材から外れる方
向への揺動量を規制する揺動規制壁部を備える構成を採
用した。第三の発明は、第一の発明を前提として、ハウ
ジング又は収納箱のいずれか一方が、カム部材のピン部
材から外れる方向への揺動量を規制する揺動規制壁部を
備える構成を採用した。第四の発明は、第一の発明乃至
第三の発明を前提として、カム部材にバランス調整部を
設けて、当該カム部材の重心を旋回中心を通り慣性力が
加わる方向の中心線上又はその近傍に位置させる構成を
採用した。第五の発明は、第一の発明乃至第四の発明を
前提として、ハウジング内での収納箱の平均移動速度が
20km/h以上の場合には、ピン部材の移動がカム部
材のロック解除方向に対する旋回より速まって、ストッ
パーガイド壁の外側に移動する構成を採用した。
【0009】
【作用】依って、第一の発明の下では、予測を遥かに超
えた大きな慣性力が加わって、カム部材がその付勢方向
とは逆方向に大きく旋回すると、カム部材の側縁又は旋
回規制壁部のいずれか一方に形成されている弾性羽根片
が他方に当接して、カム部材の旋回を直ちに阻止すると
同時に、再び、その変形に伴う反発力で、付勢ばね手段
のばね圧と相俟って、カム部材を付勢方向へより速やか
に旋回させて、ピン部材がカム溝の導入口側から外れる
前に、これを確実に受け止めることが可能となるので、
常に、ピン部材がカム部材のカム溝の導入口側から外れ
ることを確実に防止できる。第二の発明及び第三の発明
の下では、自動車の衝突時等に伴う上下方向の力が加わ
って、カム部材の先端部側がピン部材から外れる方向へ
揺動すると、当該カム部材の先端部が揺動規制壁部に衝
突して、それ以上の揺動が確実に阻止されるので、これ
により、ピン部材がカム部材のカム溝から外れることを
防止できる。第四の発明の下では、第一の発明乃至第三
の発明の作用に加えて、予測を遥かに超えた大きな慣性
力が加わっても、カム部材の重心を旋回中心を通り慣性
力が加わる方向の中心線上又はその近傍に位置させて、
カム部材に生じる旋回トルクを可能な限り小さくしてい
るので、ピン部材がカム溝の導入口側から外れることを
防止できる。第五の発明の下では、第一の発明乃至第四
の発明の作用に加えて、やはり、ピン部材がカム部材の
カム溝や該カム溝の導入口側から外れることを有効に防
止できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示する各実施例に基づいて
詳述する。第一実施例に係る収納装置も、図1・図2に
示す如く、インストルメントパネル(図示せず)側に設
けられるハウジングHに収納箱Bを開閉動可能に支承し
て、該収納箱Bを定圧ばね(図示せず)等の付勢ばね圧
で常時開放方向に付勢する一方、ハウジングH側に、導
入口3とロック部4と導出口5を有するカム溝2を形成
したカム部材1を旋回可能に設け、収納箱B側に、該カ
ム部材1のカム溝2内を移動するピン部材Pを設けて、
ピン部材Pを当該カム溝2のロック部4に係止すれば、
収納箱Bを上記付勢ばね圧に抗してハウジングH内の閉
塞位置にロックし、この状態のまま、収納箱Bを更にハ
ウジングH内に押し込めば、ピン部材Pのカム溝2のロ
ック部4に対する係止を解除して、収納箱Bを付勢ばね
圧でハウジングHの開口部から自動的に開放方向に移動
させる構成となっている。
【0011】又、カム部材1に関しても、従来のものと
同様に、そのカム溝2を画成する一縁側に、ロック部4
と導出口5とを相当の間隔をおいて形成する一方、該一
縁と対向する他縁側に、該ロック部4と導出口5の間に
突出する逆V字状のストッパーガイド壁6を一体に形成
し、ピン部材Pを係止するロック部4を当該ストッパー
ガイド壁6の先端部よりもかなり外方に位置させて、ハ
ウジングH側に設けられている取付軸部7に付勢ばね手
段たるトーションスプリング8とワッシャー9を介して
旋回可能に支持すると共に、上記トーションスプリング
8のばね圧で、常時所定の一方向に付勢し、且つ、ハウ
ジングH側に対しては、当該カム部材1をトーションス
プリング8の付勢方向と逆方向へ大きく旋回することを
規制する旋回規制壁部10を一体に設ける構成となして
いる。尚、図中、11はカム部材1のトーションスプリ
ング8による付勢方向位置を規制するストッパー壁部、
12はカム部材1の腕部1bと共働して上記トーション
スプリング8の端部を係止する係止壁部である。
【0012】そして、第一実施例にあっては、カム部材
1の旋回規制壁部10と対向する側縁に対して、一定の
空間14を画して平行に延在する弾性羽根片13を一体
に形成すると共に、カム部材1の先端部上方に、カム部
材1の先端部のピン部材Pから外れる方向への揺動量を
規制する揺動規制壁部15を備えさせる構成となしたも
のである。尚、後者の揺動規制壁部15に関しては、実
施例上では、一応、ハウジングH側の対応壁に一体に垂
設したものであるが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、収納箱BがハウジングH内の閉塞位置にロック
された状態の下で、カム部材1の先端部側の揺動が同様
に規制できるものであれば、収納箱B側に設けることも
実施に応じ任意である。
【0013】依って、この第一実施例の下でも、通常の
使用に供する場合には、収納箱BをハウジングH内に付
勢ばね圧に抗して押し込めば、図3に示す如く、該収納
箱Bの後端部側に設けられているピン部材Pが、カム部
材1の外周ガイド面1aに当接して、カム部材1をトー
ションスプリング8のばね圧に抗してその付勢方向とは
逆方向に旋回させることとなるが、この場合には、図示
する如く、上記弾性羽根片13の膨出先端部13aが上
記旋回規制壁部10に衝突すると同時に、カム部材1の
側縁との間に画成されている空間14を利用して、当該
弾性羽根片13が弾性変形するので、これにより、カム
部材1の最低必要量の旋回が保障されることとなる。
【0014】すると、今度は、カム部材1がトーション
スプリング8のばね圧で若干付勢方向に旋回するので、
ピン部材Pはカム溝2内に導かれることとなるが、この
時、収納箱Bも付勢ばね圧により若干後退するので、こ
れにより、図4に示す如く、ピン部材Pがカム溝2の外
方に位置するロック部4に自動的に係止して、収納箱B
を付勢ばね圧に抗してハウジングH内の閉塞位置に確実
にロックする。
【0015】しかも、この第一実施例の下で、弾性羽根
片13の弾性変形を得て、カム部材1を逆方向に旋回さ
せることは、従来のものと比較すると、旋回規制壁部1
0とカム部材1の位置関係にそれ程の高精度が要求され
ないので、組み立て作業が容易となることは勿論である
が、当該旋回規制壁部10をピン部材Pの移動軌跡線に
対して弾性羽根片13の変形量分だけ接近させて設ける
ことが可能となるので、後述するより確実な安全機能が
期待できることともなる。
【0016】又、ロック状態のまま、収納箱Bを更にハ
ウジングH内に押し込めば、具体的には図示しないが、
従来のものと同様に、ピン部材Pがカム溝2のロック部
4から外れて、カム部材1を更に付勢方向(ロック解除
方向)に旋回させるので、その後は、収納箱Bに対する
押し込み操作を解けば、ピン部材Pは、カム部材1の先
端部側を押し上げながら、カム溝2の導出口5を経て、
カム部材1のカム溝2から自動的に外れるので、収納箱
Bは付勢ばね圧でハウジングHの開口部から自動的に開
放方向に移動する。
【0017】そして、収納箱Bの閉塞位置でのロック状
態において、自動車の衝突時や急ブレーキ時に、慣性力
が作用すると、基本的には、ピン部材Pがカム溝2のロ
ック部4から外れて、収納箱Bと一緒に慣性力の加わる
方向と同一方向に移動することとなるが、この時には、
ピン部材Pが既述したストッパーガイド壁6の外側縁6
aに瞬時に当接して、カム部材1のロック解除方向への
旋回を阻止するので、収納箱BがハウジングH内から誤
って外方に突出することが防止できる。尚、この場合に
は、自動車業界では、通常、自動車が20Km/hの速
さで衝突した時の安全機能試験や、50Km/hの速さ
で衝突した時の安全機能試験等を行っている関係で、少
なくとも、自動車が20Km/hの速さで衝突した時を
考慮して、ハウジングH内での収納箱Bの平均移動速度
が20km/h以上の場合に、上記ピン部材Pの移動が
カム部材1のロック解除方向に対する旋回より速まっ
て、ストッパーガイド壁6の外側縁6a側に移動するよ
うに設定してしおくことが好ましい。
【0018】又、予測を遥かに超えた大きな慣性力gが
車体の前後方向から加わった場合には、当該慣性力gに
より発生する旋回トルクが大きくなって、カム部材1が
トーションスプリング8の付勢方向とは逆方向に大きく
旋回しようとするが、第一実施例の下では、図5に示す
如く、カム部材1の側縁に形成されている弾性羽根片1
3の膨出先端部13aが上記の旋回規制壁部10面に当
接して、カム部材1の同方向に対する旋回を直ちに阻止
すると同時に、再び、その変形に伴う反発力で、トーシ
ョンスプリング8の付勢ばね圧と相俟って、カム部材1
を付勢方向により速やかに旋回させて、付勢ばね圧で後
退しようとするピン部材Pがカム溝2の導入口3側から
外れる前に、これを確実に受け止めることが可能となる
ので、従来の如きタイミングのズレ等を心配することな
く、常に、ピン部材Pがカム部材1のカム溝2の導入口
3側から外れることを確実に防止できる。尚、斯る外れ
防止は、カム部材1の重心がカム部材1の先端部側に存
在している場合にも、同様に期待できることは言うまで
もないが、慣性力gが車体の横方向或いは斜め方向から
加わった場合にも、ピン部材Pがカム溝2の導入口3側
から不用意に外れることを防止できることともなる。
又、この第一実施例は、弾性羽根片13をカム部材1側
に形成したものであるが、同様な原理に基づいて、旋回
規制壁部10側に設けることも実施に応じ任意である。
【0019】更に、自動車の衝突時等に伴う上下方向の
力が加わって、カム部材1の先端部側が上方に大きく揺
動しようとすると、今度は、図6に示す如く、当該カム
部材1の先端部が揺動規制壁部15に衝突することによ
り、それ以上の大きな揺動が確実に阻止されて、ピン部
材Pがカム部材1のカム溝2から外れることを防止でき
るので、これによっても、収納箱BがハウジングH内か
ら誤って外方に突出することを効果的に防止できる。
尚、この第一実施例の下では、弾性羽根片13と共働す
る旋回規制壁部10と上記揺動規制壁部15とを並設し
たものであるが、対象となる収納装置の使用条件等を考
慮して、当該旋回規制壁部10と上記揺動規制壁部15
の一方のみを設けるように構成することも任意である。
【0020】次に、第二実施例に係る収納装置を説明す
ると、この第二実施例は、図7に示す如く、上記旋回規
制壁部10と弾性羽根片13に代えて、カム部材1の基
端部側に対して、自身の重心Gが旋回中心となる取付軸
部7を通り慣性力gの加わる方向の中心線L上又はその
近傍(好ましくは、約3mm以内の範囲)に位置させるた
めのバランス調整部16を一体に設けたものである。依
って、第二実施例の下では、例え、予測を遥かに超えた
慣性力gが加わっても、上記した重心Gの中心線L上へ
の移動により、カム部材1に生じる旋回トルクを可能な
限り小さくできるので、同様に、ピン部材Pがカム溝2
の導入口3側から不用意に外れる心配がないばかりか、
カム部材1の重心Gを旋回中心に一致させる従来のもの
と比較すると、バランス調整部16の設定が頗る容易と
なるので、作動の信頼性が向上すると共に、バランス調
整部16を含めたカム部材1自体の小型化にも大いに貢
献できることとなる。
【0021】尚、図示するバランス調整部16は、その
形状や大きさや肉厚等を適宜設定して、カム部材1の基
端部側に一体に設けたものであるが、本発明はこれに限
定されるものではなく、別体成形の重錘体等をカム部材
1側に後から付設しても、同様な効果が期待できること
は言うまでもない。又、第二実施例のバランス調整部1
6だけでも、十分な安全機能を発揮できることは言うま
でもないが、上記第一実施例のもの、即ち、旋回規制壁
部10と弾性羽根片13の作用で、逆方向の旋回を効率
良く規制するカム部材1に対して、当該バランス調整部
16を並設すれば、より一層の安全機能を達成すること
が可能となる。
【0022】上記の各実施例は、ハウジングHに対して
直線的に開閉動する収納箱Bを対象としたものである
が、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
下向きに回動することにより開放され上向きに回動する
ことにより閉塞される回動式の収納箱B等に対しても、
本発明の精神に反しない限り、実施応用できるものであ
る。
【0023】
【発明の効果】以上の如く、本発明の下では、旋回規制
壁部と弾性羽根片とを有機的に組み合わせれば、大きな
旋回トルクが発生したカム部材の旋回を直ちに阻止する
と同時に、再び、弾性羽根片の変形に伴う反発力で、カ
ム部材を付勢方向へより速やかに旋回させて、タイミン
グのズレ等を心配することなく、ピン部材がカム溝の導
入口側から外れる前に、これを確実に受け止めることが
できるので、従来のものと比較すると、ピン部材がカム
部材のカム溝の導入口側から外れることをより確実に防
止できる。
【0024】しかも、バランス調整部を設ける場合に
は、カム部材の重心を旋回中心を通り慣性力が加わる方
向の中心線上又はその近傍に位置させる構成を採用した
ことにより、カム部材の重心を旋回中心に一致させる従
来のものと比較すると、バランス調整部の設定が頗る容
易となるので、作動の信頼性が向上すると共に、バラン
ス調整部を含めたカム部材全体の小型化にも大いに貢献
できることとなる。
【0025】更に、自動車の衝突等に伴う上下方向への
不安定な力が加わっても、カム部材の先端部が揺動規制
壁部に衝突して、その揺動を一定の範囲内に抑えて、ピ
ン部材がカム部材のカム溝から外れることを防止できる
ので、やはり、カム部材の揺動に起因して、収納箱がハ
ウジング内から誤って外方に突出することをも確実に防
止できる。従って、安全対策上の必要に応じて、これら
の各手段を適宜組み合わせれば、確実に安全機能を発揮
できる自動車用収納装置が初めて提供できる訳である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る収納装置を示す要部
分解斜視図である。
【図2】ハウジング側の組み付け状態を示す要部斜視図
である。
【図3】収納箱の押し込み時に、ピン部材の作用で、カ
ム部材が付勢方向とは逆方向に最大限旋回した状態を説
明する要部平面図である。
【図4】収納箱がハウジング内の閉塞位置にロックされ
た状態を説明する要部平面図である。
【図5】カム部材の付勢方向とは逆方向への旋回量が規
制された状態を説明する要部平面図である。
【図6】カム部材の先端部と揺動規制壁部の関係を示す
要部断面図である。
【図7】第二実施例に係る収納装置を示す要部平面図で
ある。
【符号の説明】
1 カム部材 2 カム溝 3 導入口 4 ロック部 5 導出口 6 ストッパーガイド壁 8 トーションスプリング(付勢ばね手段) 10 旋回規制壁部 13 弾性羽根片 14 空間 15 揺動規制壁部 16 バランス調整部 g 慣性力 G 重心 H ハウジング B 収納箱 P ピン部材 L 慣性力が加わる方向の中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 満多野 稔 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−16091(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 7/06 B60N 3/12 E05B 65/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング側に、導入口とロック部と導
    出口を有するカム溝を形成したカム部材を旋回可能に設
    け、収納箱側に、該カム部材のカム溝内を移動するピン
    部材を設けて、該ピン部材をカム溝のロック部に係止す
    ることにより、収納箱を付勢ばね圧に抗してハウジング
    内の閉塞位置にロックし、この状態のまま、収納箱を更
    にハウジング内に押し込むことにより、上記ピン部材の
    カム溝のロック部に対する係止を解除して、収納箱をハ
    ウジングの開口部から自動的に開放方向に移動させる収
    納装置であって、上記カム部材を付勢ばね手段で一方向
    に旋回付勢する一方、カム部材のカム溝を画成する一縁
    側に、ロック部と導出口とを間隔をおいて形成すると共
    に、該一縁と対向する他縁側に、当該ロック部と導出口
    の間に突出するストッパーガイド壁を形成して、ピン部
    材を係止するロック部をストッパーガイド壁よりも外方
    に位置させ、且つ、カム部材の付勢方向とは逆方向への
    旋回量を規制する旋回規制壁部をハウジング側に設けた
    安全機能付き自動車用収納装置において、上記カム部材
    の旋回規制壁部と対向する側縁又は旋回規制壁部のいず
    れか一方に、撓み可能な弾性羽根片を一定の空間を画し
    て形成し、この弾性羽根片を介在させて、上記カム部材
    の逆方向への旋回量を規制するように構成したことを特
    徴とする安全機能付き自動車用収納装置。
  2. 【請求項2】 ハウジング側に、導入口とロック部と導
    出口を有するカム溝を形成したカム部材を旋回可能に設
    け、収納箱側に、該カム部材のカム溝内を移動するピン
    部材を設けて、該ピン部材をカム溝のロック部に係止す
    ることにより、収納箱を付勢ばね圧に抗してハウジング
    内の閉塞位置にロックし、この状態のまま、収納箱を更
    にハウジング内に押し込むことにより、上記ピン部材の
    カム溝のロック部に対する係止を解除して、収納箱をハ
    ウジングの開口部から自動的に開放方向に移動させる収
    納装置であって、上記カム部材を付勢ばね手段で一方向
    に旋回付勢する一方、カム部材のカム溝を画成する一縁
    側に、ロック部と導出口とを間隔をおいて形成すると共
    に、該一縁と対向する他縁側に、当該ロック部と導出口
    の間に突出するストッパーガイド壁を形成して、ピン部
    材を係止するロック部をストッパーガイド壁よりも外方
    に位置させ、且つ、カム部材の付勢方向とは逆方向への
    旋回量を規制する旋回規制壁部をハウジング側に設けた
    安全機能付き自動車用収納装置において、ハウジング又
    は収納箱のいずれか一方が、上記カム部材のピン部材か
    ら外れる方向への揺動量を規制する揺動規制壁部を備え
    ることを特徴とする安全機能付き自動車用収納装置。
  3. 【請求項3】 ハウジング又は収納箱のいずれか一方
    が、カム部材のピン部材から外れる方向への揺動量を規
    制する揺動規制壁部を備えることを特徴とする請求項1
    記載の安全機能付き自動車用収納装置。
  4. 【請求項4】 カム部材にバランス調整部を設けて、当
    該カム部材の重心を旋回中心を通り慣性力が加わる方向
    の中心線上又はその近傍に位置させたことを特徴とする
    請求項1又は請求項2又は請求項3記載の安全機能付き
    自動車用収納装置。
  5. 【請求項5】 ハウジング内での収納箱の平均移動速度
    が20km/h以上の場合には、ピン部材の移動がカム
    部材のロック解除方向に対する旋回より速まって、スト
    ッパーガイド壁の外側に移動するように構成したことを
    特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求
    項4記載の安全機能付き自動車用収納装置。
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