JP3671390B2 - 車両用アウトドアハンドル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のアウトドアハンドルに関し、特に開操作後のハンドルの復帰動作によって生じる解錠作動部材の衝突音を低減させる構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用アウトドアハンドルにおけるハンドルと解錠作動部材は、ハンドルに形成した嵌合凹所に解錠作動部材の端部が嵌合することにより連結されている。そして、この解錠作動部材とハンドルとの嵌合関係は、組み付け性を考慮してある程度ゆとりを持たせた構造にされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような構造にされた車両用アウトドアハンドルにおいて、ハンドルを開操作し手を離すと、ハンドルは解錠作動部材のリターンスプリング力により元の位置に復帰するが、解錠作動部材とハンドルの間には、前述のとおり、ある程度の隙間があるため、解錠作動部材が復帰したときの反動により、この隙間の範囲内で解錠作動部材が振動してしまい、解錠作動部材とハンドルとによる衝突音が発生する。また、解錠作動部材の他端に側突によるドア開防止のためのカウンターウエイトを取り付けたものにおいては、解錠作動部材の振動がより一層大きくなり衝突音も増大する。
本発明は、係る実情に鑑みなされたものであって、ハンドル復帰時の解錠作動部材の振動を抑制し、解錠作動部材とハンドルとの衝突音を低減することができるばかりでなく、組み付け精度のばらつきによるハンドルと解錠作動部材との間の干渉を防止することができる車両用ドアアウトハンドルを提供することを目的とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため本発明では、ドアアウターパネルの外方に配置されて車両の前後方向に延びるハンドルと、前記ドアアウターパネルに固定され、前記ハンドルの一端部を回動可能に支持するハンドルベースと、前記ドアアウターパネルの内方側に回動支持されると共にその一端部が前記ハンドルの他端部に形成された係合凹所に係合され、他端部にカウンターウエイトが設けられる解錠作動部材とを備え、前記ハンドル操作によって、前記解錠作動部材がドアの鎖錠状態を保持する鎖錠位置と前記鎖錠状態を解除する解錠位置との間で回動可能とされると共に前記ハンドルが前記解錠部材を介して前記鎖錠位置側にばね付勢される車両用アウトドアハンドルにおいて、前記係合凹所内に形成された溝部に係入されるボスを前記解錠作動部材に立設すると共に前記解錠作動部材の復帰時に生じる前記解錠作動部材の反動方向への変位を、前記ボスが前記溝部に形成された規制面に当接することによって規制することを第1の特徴とする。
【0005】
また、ドアアウターパネルの外方に配置されて車両の前後方向に延びるハンドルと、前記ドアアウターパネルに固定され、前記ハンドルの一端部を回動可能に支持するハンドルベースと、前記ドアアウターパネルの内方に回動支持されると共にその一端部が前記ハンドルの他端部に形成された係合凹所に係合され、他端部にカウンターウエイトが設けられる解錠作動部材とを備え、前記ハンドル操作によって、前記解錠作動部材がドアの鎖錠状態を保持する鎖錠位置と前記鎖錠状態を解除する解錠位置との間で回動可能とされると共に前記ハンドルが、前記解錠作動部材を介して前記鎖錠位置側にばね付勢される車両用アウトドアハンドルにおいて、前記解錠作動部材の一端部の前記係合凹所に当接される当接端に対向する位置に突部を形成し、前記解錠作動部材の復帰時に生じる前記解錠作動部材の反動方向への変位を、前記突部が前記係合凹所内に形成された規制面に当接することによって規制することを第2の特徴とする。
【0006】
さらに、請求項2記載の車両用アウトドアハンドルにおいて、前記突部は弾性変形可能としたことを第3の特徴とする。
【0007】
さらにまた、請求項1乃至請求項4記載の車両用アウトドアハンドルにおいて、解錠作動部材の他端側にカウンターウエイトが設けられていることを第5の特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るアウトドアハンドルの車体外方から見た正面図、図2は図1の背面図、図3は図2のA−A線断面図、図4はドアハンドルと解錠作動部材(レバー)との係合状態を示す斜視図、図5は閉状態のドアハンドルと解錠作動部材(レバー)との係合状態を示す側面断面図、図6は開状態のドアハンドルと解錠作動部材(レバー)との係合状態を示す側面断面図、図7及び図8は本発明に係る規制部の他の実施例を示す側面断面図である。
【0009】
【実施例】
図1乃至図3に示すように、乗用車両におけるドアのドアアウターパネル11には、本発明に係るアウトドアハンドル装置10が取付けられる。アウトドアハンドル装置10は、ドアアウターパネル11の外方に配置されて車両の前後方向(図の左右方向)に延びるハンドル本体1と、該ハンドル本体1の一端部を回動可能に支持するハンドル支持部4とを一体に有し、ドアアウターパネル11に取り付けられる第1ベース部材(ハンドルベース)2と、車両の前後方向(図の左右方向)に沿って第1ベース部材2から間隔をあけた位置でドアアウターパネル11に取付けられる第2ベース部材3と、ハンドル本体1の他端部及び第2ベース部材3間に設けられるねじりばね5とを備え、ドアアウターパネル11の内方側に配置される解錠作動部材としてのベルクランクレバー6(以下、レバー6という)が、前記ハンドル本体1の他端部に連結されて第2ベース部材2に作動可能に支承される。
【0010】
第1ベース部材2は、鋳造金属により略矩形状の平板状に形成されるものであり、ねじ孔2bを有するボス部2aが一体に設けられる。また、矩形状の挿入孔2cが設けられ、ハンドル支持部4は、挿入孔2cの両側に連なって略L字状に形成される一対の側板部4a,4aの先端が連結板部4bで連結されて成るものであり、第1ベース部材2に一体的に設けられている。
【0011】
ハンドル本体1は、例えば、合成樹脂により内部を空洞にして形成されるものであり、ハンドル本体1の一端部には、略L字状に形成される支持腕1aが一体に設けられている。この支持腕1aは、第1ベース部材2の挿入口2cからドアアウターパネル11の開口部を経てハンドル支持部4内に挿入され、ハンドル支持部4における両側板部4a,4aの先端部に支持腕1aの先端部がピン挿通孔1b及びピン(回動軸)4cを介して回動可能に連結される。すなわち、ハンドル本体1の一端部がハンドル支持部4に回動可能に支承されることになる。
【0012】
ドアアウターパネル11には、ハンドル本体1の中間部を握った手が該ハンドル本体1及びドアアウターパネル11間に入ることを許容してハンドル本体1の回動操作を可能とするための凹部13を形成するために内方側に膨らんだ湾曲部14が設けられている。
【0013】
第2ベース部材3は合成樹脂により形成されるものであり、ハンドル本体1の他端部を受け入れるための受け入れ凹部3aが設けられている。この第2ベース部材3の受け入れ凹部3aには、矩形状の挿入孔3bが設けられ、該挿入孔3bに連なる角筒状のガイド部7が第2ベース部材3に一体に連設される。
【0014】
ハンドル本体1の他端部には、横断面四角形状の連結腕1cが略直交して一体に設けられる。この連結腕1cは、第2ベース部材3の挿入孔3bからガイド部7内に挿入される。一方、ガイド部7に一体に設けられたブラケット7aには、ハンドル本体1の回動軸線、すなわち、回動軸4cの軸線に直交して車両の前後方向に延びるピン15により解錠作動部材であるレバー6が回動自在に支承され、連結腕1cに設けられている係止凹部1dにレバー6の一端部が係合される。すなわち、係止凹部1dへのレバー6の係合により、ハンドル本体1がレバー6に連結されることになる。
【0015】
レバー6には、ロッド(図示せず)の一端が連結され、該ロッドの他端はラッチ機構(図示せず)に連結される。そして、ロック機構が解除状態にあるとき、ハンドル本体1を操作しない場合には、レバー6は鎖錠位置にあり前記ラッチ機構でドアの鎖錠状態が保持される。また、ハンドル本体1を操作して、第2ベース部材3の受け入れ凹部3aからハンドル本体1の他端部が離れることに伴う連結腕1cの作動により、レバー6が解錠位置に作動したときに、前記ラッチ機構は、ドアの鎖錠状態を解除することになり、ハンドル本体1の操作によりドアを開放することが可能となる。
【0016】
ねじりばね5は、レバー6とガイド部7との間に設けられており、このねじりばね5のばね力により、レバー6は鎖錠位置側に付勢されており、ハンドル本体1がねじりばね5で鎖錠位置側にばね付勢されることになる。
【0017】
ところで、ガイド部7は、ハンドル本体1の操作に伴う連結腕1cの作動を案内するものであるが、車両の前後方向に沿う設定された範囲で連結腕1cがガイド部7内で動くこと、すなわち、ハンドル本体1及び第2ベース部材3の前後方向に沿う相対位置変化を可能とすべく、ガイド部7及び連結腕1cの寸法が設定されており、連結腕1cに設けられている係止凹部1dは、前記相対位置の変化が生じてもレバー6との係合状態を維持できるようにされている。
【0018】
連結腕1cの先端部には側方に突出するストッパ1eが一体的に設けられており、ガイド部7には、連結腕1cの作動に伴うストッパ1eの移動を許容する切欠き7bが設けられる。そして、ストッパ1eが切欠き7bの第2ベース部材3側の端部に接触することにより、ハンドル本体1のドア開放側への回動量が規制されることになる。
【0019】
このように、車両用アウトドアハンドルにおけるハンドル1とレバー6は、ハンドル1に形成した嵌合凹所1dにレバー6の一端部が嵌合することにより連結されている。このレバー6とハンドル1との嵌合関係は組み付け性を考慮して、ある程度の隙間(ゆとり)を持たせてある。
【0020】
ハンドル1を開操作し手を離すとハンドル1はレバー6のリターンスプリング力により元の位置に復帰するが、レバー6とハンドル1の間には前述のとおり、ある程度の隙間があるためレバー6が戻ったときの反動により、その範囲内でレバー6が振動し、ハンドル1との間に振動音が発生する。また、レバー6の他端に側突によるドア開防止のためのカウンターウエイト8を取り付けたものにおいては、レバー6の振動がより一層大きくなり振動音も増大する。
【0021】
そこで、本発明装置では、図4に示すように、ハンドル1の連結腕1cの側壁前方部にU字溝9を形成すると共に、レバー6の下端部に、このU字溝9に嵌合するレバーボス6aを突設している。そして、図5及び図6に示すように、ハンドル1の開閉動作に追随するレバー6の回動に伴い、レバーボス6aがU字溝9の一方側の当接面T1に接したままの状態でU字溝9内を下方に摺動できるようにされている。そして、ハンドル復帰時のレバー6は、その反動で大きく振幅しようとしても、ボス6aがU字溝9の両側面間にあり、規制面T2に当接してその変位が押さえられるためレバー6の振れ幅は極く小さくなり、それにより振動も抑さえられガタ音を低減できる。すなわち、レバー6とハンドル1との係合部に、レバー6が元の位置に復帰したときの反動による変位を規制する規制部Sが設けられている。
【0022】
ここで、U字溝9の幅寸法aは、レバーボス6aの直径bよりも若干大きく形成されている。理想的にはレバーボス6aとU字溝9との間の隙間は無い方が良いが、実際は部材の寸法バラツキ等を考慮して0.5mm程度は空けておかなければならない、そこで、U字溝9の当接面T1をレバーボス6aを当接させる基準面とすることにより、組み付け位置のばらつきにより、ボス6aが上下動しても隙間を一定に保持することができる。このように、ボス6aを円形に形成することにより、ボス6aの径寸法とハンドル側の係合面から規制面までの寸法を規定するだけで隙間を管理できるため、組み付けばらつきによるハンドル1とレバー6間の干渉も起こらない。
【0023】
図7は、本発明に係る規制部の他の実施例を示すものであり、初期状態におけるレバー6の当接端と対向する位置に突部12を設けたものである。すなわち、この突部12が、ハンドル復帰時に反動方向で嵌合凹所1dに当接してレバー6自体の振れ幅をごく小さく規制することができる。実際にはハンドル1とレバー6との組み付け精度のばらつきを考慮して、突部12と嵌合凹所1dとの間隙を0.5mm程度は空けておく必要がある。
【0024】
図8は、この突部12を弾性変形可能な帯状に形成したものである。レバー6とハンドル1との間の隙間は無いことが理想であるが、上述したように、実際は部材の寸法バラツキ等を考慮して0.5mm程度は空けておかなければならない。しかし、このように突部12を弾性変形可能に形成することで前記寸法バラツキを吸収でき、初期状態にてレバー6とハンドル1とを当接状態にできる。
【0025】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明の要旨は、解錠作動部材(レバー)とハンドルとの係合部に、該解錠作動部材(レバー)が元の位置に復帰したときの反動によって生じる解錠作動部材(レバー)の変位を規制する規制部を設けた点にあり、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく、種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、以下の優れた効果を有する。
(1)解錠作動部材(レバー)とハンドルとの係合部に、該解錠作動部材(レバー)が元の位置に復帰したときの反動によって生じる解錠作動部材(レバー)の変位を規制する規制部を設けたので、ハンドル復帰時の解錠作動部材(レバー)の振動を抑制し、解錠作動部材(レバー)とハンドルとの衝突音を低減することができる。
(2)解錠作動部材(レバー)の端部にボスを形成し、レバー復帰時に該ボスが前記反動方向で当接する規制面を有するU字溝をハンドル側に形成し、U字溝の幅寸法をレバーボスの直径よりも若干大きく形成すると共に、U字溝の当接面をレバーボスを当接させる基準面としたので、組み付け位置のばらつきにより、ボスが上下動しても隙間を一定に保持することができる。
(3)解錠作動部材(レバー)の端部に突部を設け、解錠作動部材(レバー)復帰時に、前記突部が前記反動方向で当接する規制面をハンドル側に設けたので、ハンドル復帰時の解錠作動部材(レバー)の振幅をごく小さく規制することができ、解錠作動部材(レバー)とハンドルとの衝突音を低減することができる。
(4)解錠作動部材(レバー)の端部の突部を弾性変形可能に設けたので、初期状態にて解錠作動部材(レバー)とハンドルとを当接状態にでき、組み付け精度のばらつきによるハンドルとレバーとの間の干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアウトドアハンドルの車体外方から見た正面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】ドアハンドルと解錠作動部材(レバー)との係合状態を示す斜視図である。
【図5】閉状態のドアハンドルと解錠作動部材(レバー)との係合状態を示す側面断面図である。
【図6】開状態のドアハンドルと解錠作動部材(レバー)との係合状態を示す側面断面図である。
【図7】本発明に係る規制部の他の実施例を示す側面断面図である。
【図8】本発明に係る規制部の他の実施例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 ハンドル本体
1a L字状の支持腕
1b ピン挿通孔
1c 連結腕
1d 嵌合凹所
1e ストッパー
2 第1ベース部材(ハンドルベース)
2a ボス部
2b ねじ孔
2c 挿入口
3 第2ベース部材
3a 受入れ凹部
3b 挿入孔
4 ハンドル支持部
4a 側板部
4b 連結板部
4c ピン(回動軸)
5 ねじりばね
6 ベルクランクレバー(解錠作動部材)
7 ガイド部
7a ブラケット
7b 切欠き
8 カウンターウエイト
9 U字溝
10 アウトドアハンドル装置
11 ドアアウターパネル
12 突部
13 ドアアウターパネルの凹部
14 湾曲部
15 レバーのピン
S 規制部
T1 U字溝の当接面
T2 U字溝の規制面

Claims (3)

  1. ドアアウターパネルの外方に配置されて車両の前後方向に延びるハンドルと、前記ドアアウターパネルに固定され、前記ハンドルの一端部を回動可能に支持するハンドルベースと、前記ドアアウターパネルの内方側に回動支持されると共にその一端部が前記ハンドルの他端部に形成された係合凹所に係合され、他端部にカウンターウエイトが設けられる解錠作動部材とを備え、前記ハンドル操作によって、前記解錠作動部材がドアの鎖錠状態を保持する鎖錠位置と前記鎖錠状態を解除する解錠位置との間で回動可能とされると共に前記ハンドルが前記解錠部材を介して前記鎖錠位置側にばね付勢される車両用アウトドアハンドルにおいて、前記係合凹所内に形成された溝部に係入されるボスを前記解錠作動部材に立設すると共に前記解錠作動部材の復帰時に生じる前記解錠作動部材の反動方向への変位を、前記ボスが前記溝部に形成された規制面に当接することによって規制することを特徴とする車両用アウトドアハンドル。
  2. ドアアウターパネルの外方に配置されて車両の前後方向に延びるハンドルと、前記ドアアウターパネルに固定され、前記ハンドルの一端部を回動可能に支持するハンドルベースと、前記ドアアウターパネルの内方に回動支持されると共にその一端部が前記ハンドルの他端部に形成された係合凹所に係合され、他端部にカウンターウエイトが設けられる解錠作動部材とを備え、前記ハンドル操作によって、前記解錠作動部材がドアの鎖錠状態を保持する鎖錠位置と前記鎖錠状態を解除する解錠位置との間で回動可能とされると共に前記ハンドルが、前記解錠作動部材を介して前記鎖錠位置側にばね付勢される車両用アウトドアハンドルにおいて、前記解錠作動部材の一端部の前記係合凹所に当接される当接端に対向する位置に突部を形成し、前記解錠作動部材の復帰時に生じる前記解錠作動部材の反動方向への変位を、前記突部が前記係合凹所内に形成された規制面に当接することによって規制することを特徴とする車両用アウトドアハンドル。
  3. 前記突部は弾性変形可能としたことを特徴とする請求項2記載の車両用アウトドアハンドル。
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