JP4884042B2 - フード持ち上げ構造を有する自動車 - Google Patents

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本発明はフード持ち上げ構造を有する自動車に関する。
歩行者保護を目的として、自動車のフード後端を持ち上げる構造が提案されている。衝突時に、車両前端部を支点としてフード後端部を持ち上げることにより、フードの裏側に空間を設ける。歩行者若しくは障害物がフードに衝突した際、フード裏側に設けられた空間の分、フードが裏側方向に変形可能となり、フードの変形による衝突エネルギーの吸収量を向上させることができる。
この様なフード後端部持ち上げ構造は、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。特許文献1によれば、フードは後端部でブラケットを介して車体に固定されている。車体側のブラケットとフード側のブラケット(スイングアーム)とが1点で連結されており、通常時、即ち車体前端部を持ち上げてフードを開く際は、当該連結部を支点としてフードの開閉を行う。車体側のブラケットとフード側のブラケットとは、くの字型に屈伸するリンクを介して連結されている。衝突時はフード前端部を固定したままフードブラケットを連結するリンクを伸ばすことによってフード後端部を持ち上げることができる。
また、特許文献2も同様に、フードは後端部でブラケットを介して車体に固定されている。車体側のブラケットは上方に持ち上がるようになっており、衝突時はフード前端部を固定したまま車体側のブラケットを持ち上げることによって、フード後端部を持ち上げることができる。このように、従来のフード持ち上げ構造は、通常時にフードを開く際の支点となる部分を上方に持ち上げることによって、フードの後端部を持ち上げる構成となっている。
特開2001−18844号公報 特開2003−220972号公報
車体の設計上、通常時にフードを開く際に支点となる部分、即ち車体側のブラケットとフード側のブラケットとが連結される部分の上方には、車体の装甲が覆い被さっていることが多い。このような車体構造の場合、フードブラケットを上方に持ち上げることによってフード後端部を持ち上げることが困難である。即ち、特許文献1又は特許文献2に開示されるようなフード持ち上げ構造を用いる場合、フードブラケット上方に車体の装甲が覆い被さるような車体設計を避ける必要があり、設計自由度が下がる。
本発明は上記事情を背景としてなされたものであって、自動車にフード後端部持ち上げ構造を採用するにあたり、車体設計の自由度に対する影響を抑制し、車体の設計自由度の高いフード持ち上げ構造を有する自動車を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る自動車は、運転席の前側に設けられたフードと、フード内面の後端部に固定されたアームと、前記アームに結合された回動ブラケットと、を備え、通常動作において、前記アームが前記回動ブラケットに固定された状態で前記回動ブラケットが回動軸を中心として回動して前記フードの前端が開き、基準を超える衝撃があった場合に、前記回動ブラケットが前記回動軸を中心として回動すると共に前記アームが前記回動ブラケットに対して屈折して前記フードの後端を上げるものである。これにより、自動車にフード後端部持ち上げ構造を採用するにあたり、車体設計の自由度に対する影響を抑制し、車体の設計自由度の高いフード持ち上げ構造を有する自動車を提供することができる。
ここで、前記アームは回動軸によって前記回動ブラケットに連結され、前記通常動作において、前記アームは係止ピンによって前記回動ブラケットに固定され、前記基準を超える衝撃があった場合に、前記係止ピンが抜脱されて前記アームが前記回動軸を中心に回動することによって、前記アームが前記回動ブラケットに対して屈折することが好ましい。これにより、アームと回動ブラケットとを固定するために太いピンを用いることができる。
また、前記回動ブラケットは前記屈折するアームに対して回動方向にスライドすることが好ましい。これにより、フードの回転軌跡と回動ブラケットの回転軌跡の違いに対応し、フードの後端部を十分持ち上げることができる。
さらに、前記基準を超える衝撃があった場合に動作するアクチュエータと、前記アクチュエータの押圧力によって回動するロック・プレートと、を備え、前記係止ピンは、本体部とその本体部よりも径が大きい頭部とを備え、前記ロック・プレートは、前記基準を超える衝撃があった場合に前記頭部の下面を摺動しつつ押圧することによって前記係止ピンを抜脱する傾斜部と、を備えることが好ましい。これにより、アクチュエータの押圧力とは垂直な方向に係止ピンを抜脱することができる。
また、前記ロック・プレートは、通常動作時において前記係止ピンの頭部上面に重なる係止部を有することが好ましい。これにより、誤ってアームと回動ブラケットとの固定が解除されることを防ぐことができる。
さらに、前記係止部と前記係止ピンの頭部上面との夫々に形成された凹凸部が互いに嵌合することが好ましい。これにより、ロック・プレートの固定と係止ピンの固定を両方行なうことができる。
さらにまた、通常動作時において前記ロック・プレートを留め、前記基準を超える衝撃があった場合に、回動する前記ロック・プレートによって剪断されるシェア・ピンをさらに備えることが好ましい。これにより、通常状態はロック・プレートを回動不能とし、非常時にはロックプレーを回動可能とすることができる。
また、前記アームと前記回動ブラケットとが結合された位置から前記係止ピンが装着された位置よりも更に遠い位置において、前記アームと前記回動ブラケットとを係止する補助系止部を有することが好ましい。これにより、アームと回動ブラケットとが係合された位置と前記係止ピンとの間隔よりも更に広い間隔のモーメントに対してアームと回動ブラケットとを係止することができる。
さらに、通常動作時において前記回動ブラケットと分離されており、前記基準を超える衝撃があった場合に前記回動ブラケットを押圧することによって回動させる駆動アームをさらに供えることが好ましい。これにより、水平方向の押圧力を垂直方向の成分を有する押圧力に変換するとともに、衝突時の駆動機構が通常動作時の邪魔にならないようにすることができる。
また、前記回動ブラケットは、前記フードの後端が上がった後に前記駆動アームと係合して、前記回動ブラケットの回動を停止するフックを備えることが好ましい。これにより、フードの持ち上がりを所望のタイミングで停止させることができる。
さらにまた、前記駆動アームは、当該駆動アームが係合されるベースと重なる位置に、前記ベース側に突出する凸部を有し、前記ベースは、通常動作時において前記駆動アームに形成された凸部と嵌合する凹部を有することが好ましい。これにより、通常時に駆動アームをベースに係止し、振動による揺動を防止することができる。
本発明により、自動車にフード後端部持ち上げ構造を採用するにあたり、車体設計の自由度に対する影響を抑制し、車体の設計自由度の高いフード持ち上げ構造を有する自動車を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。説明の明確化のため以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。以下の説明においては、車両の進行方向を基準として方向を定義する。即ち、車両が進行する方向であって、運転手が向いている方向が前方である。
実施の形態1.
図1は本実施形態に係るフードヒンジ100を有する自動車200を模式的に示す側面図である。図1においては、フードヒンジ100の部分の車体を切り欠いて示している。本実施形態に係る自動車200は運転席の前方にエンジンルーム201が設けられている。エンジンルーム201の上にはフード202が設けられており、通常時は図1(a)に示すようにフード202によってエンジンルーム201が覆い隠されている。
フード202は、エンジンルーム201と運転席との間でフードヒンジ100により車体に対して回動可能に係合されている。エンジンルームを開く際には、図1(b)に示すようにフードヒンジ100を支点としてフード202を回動させ、フード202の前端部を持ち上げる。更に、本実施形態に係るフードヒンジ100の機能を作動させることにより、図1(c)に示すようにフード202の前端部を車体に固定した状態で、フード202の後端部を持ち上げることができる。図1には1つのフードヒンジ100のみ図示されているが、フードヒンジ100は車体の左右両側にそれぞれ設けられている。以後、図1(a)のようにフード202を閉じた状態及び図1(b)のようにフード202の前端部を持ち上げてエンジンルーム201を開く状態を通常状態とし、図1(c)のように、衝突時の衝撃緩和のためにフード202の後端部を持ち上げた状態を非常状態とする。
図2は、本実施形態に係るフードヒンジ100を示す斜視図、図3、図4及び図5は本実施形態に係るフードヒンジ100を示す側面図である。図3は図1(a)に示すフード202が閉じた状態、図4は図1(b)に示すエンジンルーム201を開くためにフード202の前端部を持ち上げた状態を示している。また、図2及び図5は、図1(c)に示す衝突時の衝撃緩和のためにフードヒンジ100の機能を作動させ、フード202の後端部を持ち上げた状態を示している。図2に示すように、本実施形態に係るフードヒンジ100は、固定ブラケット101、回動ブラケット102、アーム103を有する。
固定ブラケット101はフードヒンジ100のベースとなる部分であり、車体とフードヒンジ100との固定部である。固定ブラケット101と回動ブラケット102とは、通常回動部104において回動可能に係合されている。通常回動部104は、回動ブラケット102に設けられた貫通孔と固定ブラケット101に設けられた貫通孔とに貫装されたピンであり、回動ブラケット102は通常回動部104を軸として回動する。図4に示すように、エンジンルーム201を開く際は、通常回動部104を支点として回動ブラケット102が回動することにより、フード202前端部が持ち上がる。固定ブラケット101には、非常時に回動ブラケット102を押し上げるための、駆動アーム105が係合されている。駆動アーム105については後述する。
回動ブラケット102は略L字状に形成されており、折れ曲がった先端部が通常回動部104において固定ブラケット101に係合されている。これにより、通常回動部104の上方に車体の装甲がある場合でも、車体と回動ブラケット102とが接触することなく、回動ブラケット102を回動させることができる。回動ブラケット102は、その長手方向が回動面に対して平行になるように、通常回動部104を支点として回動する。
回動ブラケット102の通常回動部104とは反対側の端部に設けられた非常回動部106において、回動ブラケット102とアーム103とが結合されている。非常回動部106は、回動ブラケット102に設けられた貫通孔とアーム103に設けられた貫通孔とに貫装されたピンであり、非常回動部106によって回動ブラケット102とアーム103とが連結されている。アーム103は非常回動部106を軸として回動する。非常回動部106の回動軸と通常回動部104の回動軸とは略平行である。非常回動部106が貫装されるアーム103の貫通孔は長孔部107(図5参照)である。従って、非常回動部106においては、アーム103が回動ブラケット102に対して非常回動部106を支点として屈折するように回動可能であるのと同時に、アーム103が回動ブラケット102に対して長孔部107に沿って回動方向に相対的に移動可能である。換言すると、非常回動部106が長孔部107に沿って回動方向に移動可能である。長孔部107における非常回動部106の移動方向は、アーム103の回動面に対して略平行である。
通常時、アーム103は回動ブラケット102に固定されており、回動不能な状態となっている。フード202はアーム103に固定されており、図1(b)及び図4に示すように回動ブラケット102を回動させることによって、フード202が持ち上がる。非常時には、フードヒンジ100の機能を作動させることによってアーム103と回動ブラケット102との固定が解除され、上述したようにアーム103が回動ブラケット102に対して回動可能且つ長孔部107に沿って回動方向に移動可能となる。これにより、図1(c)、図5に示すようにフード202の後部を持ち上げることができる。
この様に、フード202の前端部を持ち上げてエンジンルームを開く際に回動する通常回動部104とフード202との間の部材(回動ブラケット102、アーム103)に、非常回動部106の様なスライド可能な回動部を更に設ける。即ち、従来であれば回動ブラケット102に直接フード202が固定されていたが、固定ブラケット102を回動ブラケット102とアーム103の2つに分割することによって、固定ブラケット101や通常回動部104を動かすことなく、フード202の後端部を持ち上げることができる。
換言すると、回動ブラケット102に直接フード202を固定するのではなく、非常回動部106を支点として屈折し、長孔部107に沿って回動方向にスライドするアーム103を介してフード202を保持することにより、フード202の後端部を持ち上げることができる。非常回動部106は、通常時は回動不能に固定されており、衝突時等の非常時にのみ回動可能となることが好ましい。本実施形態の特徴の1つは、通常時と非常時において、非常回動部106が回動不能である状態と回動可能である状態とを切換えることにある。
図6は、アーム103と回動ブラケット102とが固定された状態、即ちフードヒンジ100の非作動状態を示す図である。アーム103と回動ブラケット102とは、上述した非常回動部106において係合されると共に、非常回動部106とは異なる位置でアーム103及び回動ブラケット102を貫通する係止ピン108によって係止されている。非常回動部106と係止ピン108との2点で係合されることにより、アーム103は回動ブラケット102に対して回動不能となる。
回動ブラケット102には、3次元カム111が3次元カム回動部112を支点として回動可能に係合されている。3次元カム111は略扇形の板状部材であり、中心角の近傍に3次元カム回動部112が設けられている。3次元カム111の一部が係止ピン108が設けられた位置に重なるように配置されている。図1(a)に示すように、フード202が閉じた状態においては、図3に示すように、3次元カム回動部112が設けられた頂点を挟む2つの辺のうちの1つが被押圧面122として車体進行方向に対して略垂直になるように配置されている。
被押圧面122に対して垂直に力を加えることで、3次元カム111が3次元カム回動部112を支点としてその板面と平行に回動する。3次元カム111が回動することで3次元カム111上に描かれる係止ピン108の軌跡に沿って、貫通孔である係止ピン抜脱路113が形成されている。即ち係止ピン108は、アーム103及び回動ブラケット102に設けられた貫通孔に貫装され、更に係止ピン抜脱路113を貫通している。
図6(b)は図6(a)の切断線AAにおける断面図である。係止ピン108の一端には鍔が設けられており、この鍔の径は係止ピン抜脱路113の幅よりも広く形成されている。係止ピン抜脱路113の一端には、3次元カム111の形状によって係止部114が形成されている。図6(b)に示すように、係止部114は3次元カム111の板面から盛り上がるように形成されている。図1(a)及び図1(b)に示す通常状態においては、係止ピン108がアーム103及び回動ブラケット102を貫通した状態で抜けないように係止部114によって係止ピン108が押さえられ、アーム103と回動ブラケット102との固定が解除されることを防いでいる。即ち、3次元カム111はロック・プレートとして用いられる。
ここで、係止部114が係止ピン108を押さえておらず、係止ピン108の頭頂部に重なっているだけでも、係止ピン108がアーム103及び回動ブラケット102を貫通した状態で抜けないようにするという効果を得ることができるが、より確実に係止ピン108の不意の抜脱を防ぐためには、係止部114によって係止ピン108が押さえられていることが好ましい。
図6(c)は図6(a)の切断線BBにおける断面図である。係止ピン抜脱路113の途中には、3次元カム111の形状によって斜面115が形成されている。斜面115は、係止ピン抜脱路113に沿って、係止部114が形成された側からもう一方の端部の間に形成されており、3次元カム111の回動方向と垂直な方向に高さが変わるように形成されている。換言すると、係止ピン抜脱路113の係止部114側からもう一方の端部に近付くにつれて、3次元カム111の面が回動ブラケット102から遠ざかるように斜面115が形成されている。斜面115と係止部114とは重ならないように配置されている。
図7(a)は、フードヒンジ100の作動状態であり、図6(a)の状態から3次元カム111が反時計回りに回動した状態を示している。3次元カム111が3次元カム回動部112を支点として反時計回りに回動すると、係止ピン108は、係止ピン抜脱路113に沿って3次元カム111に対して相対的に移動する。実際には、係止ピン108はアーム103及び回動ブラケット102に貫装されており、3次元カム111が係止ピン108に対して相対的に移動する。この時、係止ピン108が斜面115の形成された範囲にさしかかると、係止ピン108の端部に形成された鍔が斜面115に当接し、係止ピン108が斜面115に沿って上昇する。即ち、斜面115の上昇に合わせて、係止ピン108は、3次元カム111の回動方向と垂直な方向であって、回動ブラケット102から遠ざかる方向に移動し、係止ピン108がアーム103に形成された貫通孔から抜ける。
図7(b)は図7(a)の切断線CCにおける断面図である。図7(b)に示すように、係止ピン108の鍔が斜面115に沿って上昇することにより、係止ピン108が貫装された孔から抜ける。このように、3次元カム111が回動することによって、係止ピン108がアーム103から抜脱され、アーム103と回動ブラケット102との固定が解除される。即ち、3次元カム111を操作することによって、アーム103と回動ブラケット102との固定を解除することができる。
ここで、本実施形態においては、アーム103、回動ブラケット102、3次元カム111の順に重なるように係合されているため、3次元カム111は回動ブラケット102に係合され、係止ピン108はアーム103から抜脱されるが、これに限定されない。即ち、回動ブラケット102、アーム103、3次元カム111の順に重なるように係合されていれば、3次元カム111はアーム103に係合され、係止ピン108は回動ブラケット102から抜脱されることによって、アーム103と回動ブラケット102との固定が解除される。
フード202の前端部を持ち上げてエンジンルームを開く場合、アーム103と回動ブラケット102とは固定されている必要がある。従って、通常時、3次元カム111は回動ブラケット102に対して固定されていなければならない。このため、3次元カム111と回動ブラケット102とは3次元カム係止部116において係止されている。3次元カム係止部116において、3次元カム111に設けられた貫通孔と回動ブラケット102に設けられた貫通孔とにシェア・ピンが貫装されている。
従って、3次元カム111と回動ブラケット102とは、3次元カム回動部112と3次元カム係止部116とにおいて係合され固定されている。非常時には、3次元カム係止部116のシェア・ピンによる固定を解除することにより、3次元カム111が回動ブラケット102に対して回動可能な状態となる。3次元カム111と回動ブラケット102との固定は、被押圧面122に強い力が加わることによって、3次元カム回動部112を支点として3次元カム111が回動し、3次元カム係止部116のシェア・ピンが剪断されることによって解除される。これについては後に詳述する。
更に、アーム103と回動ブラケット102との固定を補助するために、回動ブラケット102に補助ピン109が設けられており、アーム103に形成された切り欠き110と嵌合する。補助ピン109の端部には鍔が形成されており、この鍔が切り欠き110と嵌合することによって、非常回動部106の回動方向だけでなく、当該回動方向と垂直な方向についても、アーム103と回動ブラケット102とを固定することができる。補助ピン109は非常回動部106に対して係止ピン108よりも遠い位置に形成されている。これにより、非常回動部106と係止ピン108との間隔よりも広いモーメントに対して、アーム103と回動ブラケット102とを固定することができる。
フード202と通常回動部104との間の部材を、回動ブラケット102とアーム103とに分割することにより、1つの部材の場合よりも強度が低下する。これにより、車体の振動によってフード202の後端部が持ち上がってしまうことや、エンジンルーム201を開くためにフード202の前端部を持ち上げる時に非常回動部106が回動してしまうこと等の不具合が考えられる。これに対して、係止ピン108及び3次元カム111による固定や、補助ピン109及び切り欠き110等を設けることにより、強度を補強することができ、上記の様な不具合を解決することができる。
尚、アーム103及び回動ブラケット102には、図2に示すように、非常回動部106が設けられた連結面に対して垂直にフランジが設けられている。そして、図3、図4に示すように、通常状態においてはアーム103のフランジと回動ブラケット102のフランジとが重なっている。これにより、非常回動部106を支点としたアーム103の時計回りの回動が妨げられる。また、係止ピン108を支点としては、時計回り、反時計回り両方において回動不能となる。
図2、図3及び図5を用いて駆動アーム105について説明する。駆動アーム105は、駆動アーム回動部117において固定ブラケット101に対して回動可能に係合されている。駆動アーム105は三角形に近い形状をした板状の部材であり、その3つの頂点のうちの1つの近傍に駆動アーム回動部117が設けられている。図3に示すように、フード202が閉じた状態では、駆動アーム105の駆動アーム回動部117が設けられた頂点を挟む2つの辺のうちの1辺が被押圧辺121として車体の進行方向に対して略垂直になるように配置されている。
被押圧辺121に対して力を加えることにより、駆動アーム回動部117を支点として駆動アーム105が回動する。被押圧辺121に対向する頂点の近傍に押し上げ部118が形成されている。押し上げ部118は、板状の駆動アーム105の板面から突出する突部として形成されている。駆動アーム105と回動ブラケット102とは、駆動アーム105が回動することにより、押し上げ部118が回動ブラケット102に当接するような位置関係で、固定ブラケット101に係合されている。また、駆動アーム105の回動面と回動ブラケット102の回動面とは略平行である。
固定ブラケット101には、駆動アーム105を押すためのアクチュエータ300が取り付けられている。アクチュエータ300は長手形状を有し、円筒状の基部301に押圧部302が収納された構造となっている。作動時には、基部301から押圧部302が飛び出し、押圧部302が被押圧辺121に対して垂直な方向に押圧力を加える。
アクチュエータ300は図示しない衝撃検出装置と接続されており、衝撃検出装置から衝撃を検出した旨の信号を受信することによって作動する。具体的には、アクチュエータ300内には火薬が込められており、衝撃検出装置からの衝撃検出信号に応じてアクチュエータ300内の点火装置が火薬に点火する。押圧部302は火薬の爆発力によって基部301から飛び出す。押圧部302の飛び出し軌跡は、回動ブラケット102や駆動アーム105の回動面と略平行である。
図3に示すように、アクチュエータ300は、駆動アーム105に対して回動ブラケット102とは反対側に配置されている。被押圧辺121に対して力が加えられると、駆動アーム105は駆動アーム回動部117を支点として回動する。すると、押し上げ部118が回動ブラケット102に形成された押し上げ面119を押圧する。図5に示すように、駆動アーム105が回動し、押し上げ部118が押し上げ面119を押し上げることによって回動ブラケット102が通常回動部104を支点として回動する。
回動ブラケット102を押し上げるためには、垂直上方向の力を要する。アクチュエータ300によって垂直方向の力を得る場合、長手状のアクチュエータを縦向きに配置する必要があるため、垂直方向に長いスペースが必要となる。しかしながら、昨今の自動車のエンジンルームにおいてその様なスペースを設けることは困難である。駆動アーム105によって、アクチュエータ300の水平方向の力を垂直方向に変換することができる。
次に、図8のフローチャートを用いて、本実施形態に係るフードヒンジ100の非常時の動作について説明する。図3に示すように、アクチュエータ300の押圧部302の軌道上には駆動アーム105と3次元カム111とが配置されており、駆動アーム105よりも3次元カム111の方がよりアクチュエータ300に近い位置に配置されている。自動車に搭載された衝撃検出装置が衝撃を検出し(S801)、衝撃検出装置が発する衝撃検出信号に応じてアクチュエータ300が作動する(S802)。
アクチュエータ300の押圧部302が火薬の爆発力によって飛び出すと、押圧部302は先ず3次元カム111の被押圧面122に当接し、3次元カム111を押圧する(S803)。押圧部302が被押圧面122を押圧すると、3次元カム回動部112を支点として3次元カム111が回動する。この時、3次元カム111と回動ブラケット102とは3次元カム係止部116において固定されているが、アクチュエータ300の押圧力によって3次元カム111が押動し、3次元カム111がシェア・ピンを剪断し(S804)、3次元カム111が回動ブラケット102に対して回動可能となる。
3次元カム111が回動ブラケット102に対して回動すると、上述した3次元カム111の機能により、アーム103と回動ブラケット102とを係止している係止ピン108がアーム103から抜脱される(S805)。これにより、アーム103と回動ブラケット102との係止が解除される。押圧部302がその軌道に沿って更に進行すると、次に駆動アーム105の被押圧辺121に当接し、駆動アーム105を押圧する(S806)。被押圧辺121を押圧されることにより、駆動アーム105が駆動アーム回動部117を支点として回動する。駆動アーム105が回動することにより、押し上げ部118が押し上げ面119を押圧し、回動ブラケット102が通常回動部104を支点として回動する(S807)。
フード202は車体前方において固定されているため、回動ブラケット102が通常回動部104を支点として回動すると、アーム103が非常回動部106を支点として回動すると共に非常回動部106が長孔部107に沿って移動する(S808)。これと同時に、フード202が車体前方の固定部を支点として回動し、フード202の後端部が持ち上がる(S809)。
本実施の形態においては、通常時のフード202の開閉を担う部分と非常時のフード202の後端部の持ち上げを担う部分とが共に回動ブラケット202である。そのため、非常時におけるフード202の後端部の持ち上げに際して、通常時に持ち上げることが想定されていない部分を持ち上げる必要がない。従って、フード202の後端部の持ち上げ機能によって車体の設計やデザインが拘束されることがない。
フード202の後端部を持ち上げる場合、フード202の後端部はその前端部において車体と係合された部分を支点として回動する。これに対して、回動ブラケット102は通常回動部104を支点として回動するため、フード202の回転軌跡と回動ブラケット102の回転軌跡は異なる。従って、図5に示すように、アーム103は破線Pが回転軌跡となり、回動ブラケット102の非常回動部106は破線Qが回転軌跡となるため、回動ブラケット102の非常回動部106がアーム103に対して固定された状態である場合、アーム103と回動ブラケット102とは回転軌跡が異なるためフード202の裏側に十分なスペースができる程フード202を持ち上げることができない。
これに対し、非常回動部106が長孔部107に沿って移動することにより、アーム103と回動ブラケット102との回転軌跡の違いに対応することができる。即ち、通常時のフード202の開閉を担う部分と非常時のフード202の後端部の持ち上げを担う部分とが共通であることによる不具合を、非常回動部106及び長孔部107によって解消している。
フード202の後端部が持ち上がるにつれて、非常回動部106が長孔部107に沿って回動ブラケット102の回動方向に移動する。非常回動部106が長孔部107内を移動不可な状態になった時点、即ち、非常回動部106が長孔部107の端部に到達した時点で回動ブラケット102の回動が止まり、フード202の後端部の上昇が止まる。アクチュエータ300は一方向にしか動かない構造になっており、基部301から飛び出した押圧部302は図5の状態で固定され、基部301側に戻らない。従って、フード202は後端部が持ち上げられた状態で保持される。
上述したように、3次元カム111と回動ブラケット102とは、3次元カム回動部112及び3次元カム係止部116において係止され、固定されており、3次元カム係止部116のシェア・ピンを剪断することにより、固定が解除される。シェア・ピンの剪断は、アクチュエータ300の被押圧面122に対する押圧力によって3次元カム111が押動され、3次元カム111によって成される。従って、3次元カム係止部116のシェア・ピンは、車体振動や、フード202の前端部を持ち上げてエンジンルーム201を開く際の振動等の力では剪断されず、アクチュエータ300による被押圧面122への押圧力によって3次元カム111が回動する際の、3次元カム111の押圧力によって剪断される程度の強度を有する。
この様に、本実施形態に係るフードヒンジ100を用いることにより、固定ブラケット101や通常回動部104を動かすことなく、フード202の後端部を持ち上げることができる。従って、フードヒンジ100の上方に車体の装甲を配置することができないといった、車体設計上若しくはデザイン上の制約を受けることなく、車体を設計及びデザインすることができる。
上記の説明においては、アーム103が回動ブラケット102に対して回動可能であり、アーム103とフード202が固定されている例を説明した。即ち、フード202が回動ブラケット102に対して回動可能である。従って、アーム103とフード202とが一体に成形されていても、上記と同様の効果を得ることができる。しかしながら、製造工程上、フード202には塗装を施す必要があり、塗装後にフードヒンジ100を介して車体に取り付けられるため、フード202と他の部材とを組み立てる工程はなるべく単純な工程であることが好ましい。フード202とアーム103とを一体に成形する場合、フード202と回動ブラケット102とを組み立てる際に、3次元カム111や係止ピン108を取り付ける必要があり、工程が複雑となる。上記の説明の様に、アーム103とフード202とが別々の部材であれば、塗装の施されたフード202をアーム103にボルト等で単純に固定すれば良いため、フード202とアーム103とは別々の部材であることが好ましい。
実施の形態2.
本実施の形態においては、持ち上げアーム105による回動ブラケット102の持ち上げ動作において、ストッパを設けることにより、回動ブラケット102が所定量持ち上がった時点で回動ブラケット102の回動を停止させる例を説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
障害物がフード202へ衝突する瞬間にフード202がまだ上昇中である場合、障害物の運動方向とフード202の運動方向とが略逆方向となり、衝突エネルギーが増大してしまう。従って、障害物がフード202に衝突する際には、フード202は後端部が持ち上げられた状態で停止及び保持されていることが好ましい。
図9に示すように本実施系では、回動ブラケット102の押し上げ面119が形成された面に、フック状のストッパ120が形成されている。駆動アーム105が回動ブラケット102を押し上げると、押し上げ面119において押し上げ部118が当接する部位がストッパ120に近付いていき、最終的には図9に示すように押し上げ部118がストッパ120に嵌合する。これにより、駆動アーム105及び回動ブラケット102の回動が止まる。
この様に、ストッパ120を設けることにより、フード202が所定量持ち上がったところで、回動ブラケット102の回動をストップさせることができる。即ち、ストッパ120を設けることにより、ストッパ120を設けない場合よりも回動ブラケット102の回動量を小さくすることができる。押し上げ面119にストッパ120を形成し、押し上げ部118をストッパ120に嵌合させる方法以外にも、駆動アーム回動部117や通常回動部104が所定量回動したところで、その回動を阻止するようなストッパを設けることによって、上記と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態においては、固定ブラケット101と駆動アーム105との係止の他の態様を説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。図10は図1(a)に示すように、フード202が閉じた状態の固定ブラケット101周辺を示す斜視図である。
実施の形態1において説明したように、駆動アーム105が駆動アーム回動部117のみにおいて固定ブラケット101に係止されている場合、駆動アーム105は自由に回動可能である。従って、車両の振動に応じて駆動アーム105も振動し、騒音となることが考えられる。このため、アクチュエータ300を作動させてフード202後端部を持ち上げる時以外は、駆動アーム105は固定ブラケット101に対して回動不能な状態であることが好ましい。
本実施形態に係る固定ブラケット101は、図1(a)のフード202が閉じた状態において駆動アーム105と重なる位置に係止孔123を有する。同様に、駆動アーム105は、係止孔123と重なる位置に凸部124を有する。被押圧辺121が車体進行方向に対して垂直な状態において、凸部124は係止孔123に嵌合している。これにより、駆動アーム105は固定ブラケット101に対して2点で係止され、回動不能となる。
凸部124と係止孔123との嵌合は車体の振動程度では解除されないので、通常時は駆動アーム105は固定ブラケット101に固定された状態となる。これに対し、凸部124と係止孔123との嵌合の強度は、アクチュエータ300の押圧力よりも弱い。従って、非常時にアクチュエータ300が作動して被押圧辺121に押圧力が加わると、駆動アーム105は駆動アーム回動部117を支点として回動し、凸部124と係止孔123との係止が解除される。凸部124と係止孔123との嵌合強度の違いは、凸部124の高さや、係止孔123の形状を変化させることにより制御することができる。
この様に、駆動アーム105に設けた凸部124と固定ブラケット101に設けた係止孔123とを嵌合させることにより、駆動アーム105を固定ブラケット101に固定することができる。凸部124と係止孔123との嵌合は、車体の振動等、軽微な力では解除されないようにすると共に、アクチュエータ300により被押圧辺121へ押圧力が加えられた際には、嵌合が解除されるようにすることによって、非常時にフード202の後端部を持ち上げる際にのみ、駆動アーム105を回動可能とすることができる。
尚、上記の説明における方法の他に、例えば、駆動アーム105と固定ブラケット101との間に摩擦係数の高いゴム等の部材を挟むことによって、駆動アーム105を固定ブラケット101に対して回動不能とする方法が考えられる。この方法では、両者の間に挟んだゴムが外れてしまうと、両者の固定が解除されてしまう。また、部品点数が増加してしまう。
更に、3次元カム111と回動ブラケット102との固定のようにシェア・ピンによる固定も考えられる。回動ブラケット102はユーザがエンジンルーム201を開く際に回動する部分であるため、3次元カム111と回動ブラケット102との固定についてはそれに耐え得る強度が求められる。また、走行中に3次元カム111と回動ブラケット102との固定が解除されてしまった場合、フード202の後端部が上がってしまうことが考えられ、運転手の視界の妨げとなることも考えられる。従って、3次元カム111と回動ブラケット102との固定はあらゆる面で重要な固定である。
これに対して、駆動アーム105と固定ブラケット101とは、走行中の騒音防止等の理由であり、3次元カム111と回動ブラケット102との固定に要求される程の重要性が求められない。従って、シェア・ピンを用い、部品点数が増えてしまうのは好ましくない。上記で説明したように、係止孔123と凸部124との嵌合による係止を用いることによって、部品点数を増やすことなく、駆動アーム105と固定ブラケット101との固定に対して十分な効果を得ることができる。
実施の形態4.
本実施の形態においては、3次元カム111と回動ブラケット102との係止の他の態様を説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。図11は、アーム103が回動ブラケット102に固定されている状態を示す斜視図、図12(a)は、本実施形態に係る3次元カム111及びその周辺部を示す側面図である。
図11及び図12(a)に示すように、本実施形態に係る3次元カム111は、係止ピン抜脱路113となる貫通孔が、切り欠きとして形成されている。そして、係止部114は3次元カム111から突出する形で係止ピン108を押さえるように形成されている。図12(b)は、図12(a)の切断線EEによる断面図である。実施の形態1と同様に、係止部114が係止ピン108を押さえることにより、係止ピン108がアーム103若しくは回動ブラケット102の貫通孔から抜けないようにしている。係止ピン抜脱路113及び斜面115については実施の形態1と同様に形成されている。
図12(c)は、図12(a)の切断線FFによる断面図である。本実施形態に係る係止ピン108は、係止部114によって押さえられている頭頂部に、凹部125が形成されている。凹部125に係止部114が嵌合することにより、3次元カム111の回動を阻止している。係止部114と凹部125との嵌合は、車体の振動等の軽微な力では解除されない。従って、本実施形態に係る3次元カム111は、実施の形態1のように、3次元カム係止部116を設けてシェア・ピンによって回動ブラケット102に固定することなく、係止部114と凹部125との嵌合によって回動不能とされる。
非常時には、アクチュエータ300の押圧力によって3次元カム111が3次元カム回動部112を支点として回動する。アクチュエータ300による押圧力は車体の振動等と比べて非常に強いため、係止部114と凹部125との嵌合強度ではこれに抵抗できず、係止部114と凹部125との嵌合が解除される。この時、係止部114は、突出部として形成されていることにより、実施の形態1の様に両端が3次元カム111の板面と接続されている場合よりも、容易に撓むことができる。係止部114と凹部125との嵌合が解除されると、3次元カム111は3次元カム回動部112を支点として回動し、実施の形態1と同様に係止ピン108が抜脱される。
この様に、本実施形態に係る3次元カム111を用いることにより、シェア・ピン等を用いて固定することなく、3次元カム111を回動ブラケット102に対して回動不能にすることができ、部品点数を減らすことができる。
尚、係止部114が係止ピン108を押さえておらず、凹部125に嵌合しているだけでも、係止ピン108がアーム103及び回動ブラケット102を貫通した状態で抜けないようにするという効果を得ることができるが、より確実に係止ピン108の不意の抜脱を防ぐためには、係止部114によって係止ピン108が押さえられていることが好ましい。
また、上記の説明においては係止ピン108の頭頂部に凹部125が形成されており、係止部114が凹部125に嵌合している例を説明したが、係止部114と係止ピン108との凹凸は特に限定されず、係止部114に凹部が形成されており、当該凹部に係止ピン108の頭頂部が嵌合する構成としても良い。また係止ピン108の頭頂部に凸部が形成されており、当該凸部が係止部114の凹部に嵌合する構成としても良い。さらには、係止部114及び係止ピン118頭頂部の夫々に凹凸が形成されており、当該凹凸が互いに嵌合する構成としても良い。
本発明の実施の形態に係るフードヒンジを有する自動車を模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るフードヒンジを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るフードヒンジの閉状態を示す透過側面図である。 本発明の実施の形態に係るフードヒンジの開状態を示す透過側面図である。 本発明の実施の形態に係るフードヒンジの作動状態を示す透過側面図である。 本発明の実施の形態に係る3次元カム及びその周辺部を示す側面図及び断面図である。 本発明の実施の形態に係る3次元カム及びその周辺部を示す側面図及び断面図である。 本発明の実施の形態に係るフードヒンジの動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係るフードヒンジを示す透過側面図である。 本発明の他の実施の形態に係るフードヒンジの一部を示す斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係る3次元カム及びその周辺部を示す斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係る3次元カム及びその周辺部を示す側面図及び断面図である。
符号の説明
100 フードヒンジ、101 固定ブラケット、102 回動ブラケット、
103 アーム、104 通常回動部、105 駆動アーム、106 非常回動部、
107 長孔部、108 係止ピン、109 補助ピン、110 切り欠き、
111 3次元カム、112 3次元カム回動部、113 係止ピン抜脱路、
114 係止部、115 斜面、116 3次元カム係止部、
117 駆動アーム回動部、118 押し上げ部、119 押し上げ面、
120 ストッパ、121 被押圧辺、122 被押圧面、123 係止孔、124 凸部、
125 凹部、200 自動車、201 エンジンルーム、202 フード、
300 アクチュエータ、301 基部、302 押圧部

Claims (9)

  1. 運転席の前側に設けられたフードと、
    前記フードの内面の後端部に固定されたアームと、
    前記アームに第1回動軸によって連結された回動ブラケットと、
    基準を超える衝撃があった場合に動作するアクチュエータと、
    本体部とその本体部よりも径が大きい頭部とを備え、通常動作において前記アーム及び前記回動ブラケットを貫通して前記アームを前記回動ブラケットに固定する、係止ピンと、
    傾斜部を有し、前記回動ブラケットに第2回動軸において連結されたロック・プレートと、
    を備え、
    前記アーム、前記回動ブラケット及び前記ロック・プレートは、前記係止ピンの前記アーム及び前記回動ブラケットの貫通方向において、前記ロック・プレート、前記アーム、前記回動ブラケットの順、又は、前記ロック・プレート、前記回動ブラケット、前記アームの順、に重なるように配置され、
    前記通常動作において、前記アームが前記係止ピンにより前記回動ブラケットに固定された状態で、前記回動ブラケットが、前記第1回動軸と反対側に設けられた第3回動軸を中心として回動して前記フードの前端が開き、
    前記基準を超える衝撃があった場合に前記アクチュエータの押圧力によって前記ロック・プレートが前記第2回動軸を中心として回動し、
    前記ロック・プレートの前記回動に伴って、前記傾斜部が前記頭部の下面を摺動しつつ押圧することによって前記係止ピンを抜脱し、
    前記係止ピンが抜脱された状態で前記回動ブラケットが前記第3回動軸を中心として回動し、前記アームが前記第1回動軸を中心に回動して前記回動ブラケットに対して屈折し、前記フードの後端を上げる、自動車。
  2. 前記回動ブラケットは前記屈折するアームに対して回動方向にスライドする請求項1に記載の自動車。
  3. 前記ロック・プレートは、通常動作時において前記係止ピンの頭部上面に重なる係止部を有する、請求項1又は2に記載の自動車。
  4. 前記係止部と前記係止ピンの頭部上面との夫々に形成された凹凸部が互いに嵌合する、請求項3に記載の自動車。
  5. 通常動作時において前記ロック・プレートを留め、前記基準を超える衝撃があった場合に、回動する前記ロック・プレートによって剪断されるシェア・ピンをさらに備える、請求項1乃至4のいずれかに記載の自動車。
  6. 前記アームと前記回動ブラケットとが結合された位置から前記係止ピンが装着された位置よりも更に遠い位置において、前記アームと前記回動ブラケットとを係止する補助系止部を有する、請求項1乃至5いずれかに記載の自動車。
  7. 通常動作時において前記回動ブラケットと分離されており、前記基準を超える衝撃があった場合に前記回動ブラケットを押圧することによって回動させる駆動アームをさらに供える、請求項1乃至6いずれかに記載の自動車。
  8. 前記回動ブラケットは、前記フードの後端が上がった後に前記駆動アームと係合して、前記回動ブラケットの回動を停止するフックを備える、請求項7に記載の自動車。
  9. 前記駆動アームは、当該駆動アームが係合されるベースと重なる位置に、前記ベース側に突出する凸部を有し、
    前記ベースは、通常動作時において前記駆動アームに形成された凸部と嵌合する凹部を有する、請求項7または8に記載の自動車。
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