JP3925217B2 - 車両フード跳ね上げ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両フード跳ね上げ装置に関するものであり、特に、車両フード跳ね上げ装置の構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
車両が走行中に、車両に対して人や物(例えば、ここでは歩行者とする)が正面衝突した場合、歩行者はまず車両のバンパに当たり、更にバンパ衝突の弾みにより、ボンネットと称される車両のフードパネル(ここでは、フードと称す)に、二次衝突することがある。
【0003】
そこで、近年では、この二次衝突の保護を図るため、フードに衝突時の衝撃を和らげる工夫が施されている。例えば、特開平10−119823号公報においては、二次衝突の際に、車両のフードを跳ね上げることにより衝撃を和らげるフード跳ね上げ装置が開示されている。
【0004】
特開平10−119823号公報に示されるフード跳ね上げ装置では、フードの後部(車室内側)と車体との間にヒンジ機構が設けられており、通常時のエンジンの点検や整備等の際には、このヒンジ機構の後端部に設けられた支点ピンが回動中心となって、フードの後部が開かれる。この支点ピンは、通常時には拘束部によって定位置に拘束されるようになっており、バンパ等に設けた衝突検知センサが歩行者の衝突を検知すると、フードの後部下側に配設されたエアパッグが膨張する。その結果、エアバックの膨張力によって、支点ピンが拘束部から解放されるようになっている。即ち、歩行者と衝突が検知されると、フードの後部が前部を回動中心として持ち上げられ、歩行者への二次衝突時の衝撃を和らげるようになっている。
【0005】
ところで、上記した公報のフード跳ね上げ装置においては、ヒンジ機構の支点ピンは、通常時には拘束部に確実に支持されることが望まれる。また、エアバッグの膨張時には拘束が確実に解除されることが望まれる。この様な仕様を満足させるためには、複雑且つ高い精度が要求される。そのため、ヒンジ機構は部品数が多く、高価なものとなっていた。
【0006】
また、一旦、エアバッグが膨張しフードが跳ね上げられると、エアバッグが再生できないことから、フードの跳ね上げを元の状態(収納状態)に戻すことができなく、修理工場に修理を依頼する必要がある。特に、衝突検知センサが誤検知してエアバッグが膨張しフードを跳ね上げてしまった場合には、無駄な出費を強いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、簡単な構成かつ簡単に再生が行える車両フード跳ね上げ装置を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するために、車両ボデーと車両フードとの間に配設されると共に、前記車両フードを前記車両ボデーに対して格納位置に保持する第1状態と二次衝突の際に衝突を和らげるための跳ね上げ位置に保持する第2状態とになる連結機構と、前記連結機構を前記第1状態から前記第2状態への変化方向に付勢する付勢部材と、前記連結機構に係合することにより前記第1状態から前記第2状態への変化を規制可能な規制部材と、該規制部材と前記連結機構を係脱させる作動装置とを備えた構成とした。
【0009】
この構成では、連結機構が、第1状態と第2状態とをとり得る。そして、第1状態では車両フードを格納位置に保持し、第2状態では車両フードが二次衝突の際に衝突を和らげるための跳ね上げ位置に保持される。つまり、連結機構が第1状態から第2状態へ変化することにより車両フードは格納位置から跳ね上げ位置に移動し、逆に第2状態から第1状態へ変化することにより、車両フードは跳ね上げ位置から格納位置に移動(再生)可能である。従って、連結機構という簡易な構成によって、簡単に再生させることができる。更に、この構成では、連結機構を第1状態から第2状態への変化させる付勢部材を用いている。そして連結機構は、規制部材の係合が解除された場合は、付勢部材の付勢力にて第1状態から第2状態へ瞬時に変化可能となっている。つまり、車両フードの格納位置から跳ね上げ位置への移動が瞬時に行われる。
【0010】
そして、前記連結機構が、一方向にガイド面を有し、前記車両フードの下に配設され、車両ボデーに固定されるガイド部材と、該ガイド面内を摺動する摺動端と、前記車両フードに連係され前記車両フードを移動させる移動端と、該連係端と前記摺動端との間に設けられる支点と、該支点と前記連係端との間に設けられる係合部とを有する第1リンク部材と、前記支点に支持される連係端と、車両ボデー側に回動自在に固定される固定端とを有する第2リンク部材とを備え、前記付勢部材が前記摺動端に配設され、前記規制部材が前記車両ボデー側に配設され前記係合部と係脱可能である。
【0011】
この構成では、第1リンク部材に配設された係合部と規制部材が係合している。この係合している状態が連機構の第1状態であり、車両フードは格納位置に保持されている。一方、第1リンク部材の摺動端には付勢部材が配設されている。そして、規制部材の係合が外れると、摺動端は付勢部材により摺動する。その結果、第1リンク部材の他端である移動端が移動し、移動端に連係される車両フードが移動する。この場合、第2リンク部材は、摺動端と移動端の間にある支点と、車両ボデー側(固定端)とを連係するものであるため、第1リンク部材は支点を中心に回動する構成となっている。そして、連機構は第1状態から第2状態まで変化し、車両フードが跳ね上げ位置まで移動する。逆に、第2状態において、第1リンク部材の摺動端を付勢部材の付勢力に抗して移動させ、係合部と規制部材とを係合させることにより、連機構は第1状態となりうる。この変化により、車両フードは格納位置に格納される。以上の様に、車両フード跳ね上げ装置は、第1リンク部材、第2リンク部材、付勢部材および規制部材の部品点数の少ない簡単な構成となっている。
【0012】
さらに、前記付勢部材が前記摺動端前記規制部材との間に配設される構成とする。この構成では付勢部材が規制部材を付勢することとなる。よって、この付勢方向を第1リンク部材の係合部との係合方向と一致させれば、係合力は強くなる。従って、連機構による車両フードの格納位置での保持は安定したものとなる。
【0013】
好ましくは、前記摺動端には、前記ガイド面を摺動するシューを備える構成とすると良い。この構成では、第1リンク部材の摺動端はシューによりガイド面を摺動し易くなり、瞬時にして車両フードを跳ね上げることが可能となる。歩行者と衝突した場合でも、二次衝突が発生するまでの間に、車両フードを跳ね上げて二次衝突における歩行者の保護を図ることが可能となる。
【0014】
好ましくは、前記規制部材が前記ガイドレールの一端に配設され、前記シューと前記規制部材との間に前記ガイド面を摺動する摺動部材を備え、前記規制部材と前記係合部の係合が解除された場合、前記第1リンク部材の移動範囲を前記摺動部材により規制する構成とすると良い。
【0015】
この構成では、シューと規制部材との間に配設される摺動部材の大きさによって、車両フードの跳ね上げ時の跳ね上げ高さを、任意に調整することが可能となる。よって、エンジンと車両フードとの間隔を、任意に設定することが可能となる。
【0016】
好ましくは、前記固定端が前記規制部材と同軸で固定される構成とすると良い。これにより、車両フード跳ね上げ装置全体の構成がコンパクト化される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、車両フード跳ね上げ装置(以下、跳ね上げ装置とする)を車両11に搭載した場合の取付図を示す。
【0018】
車両11は、前方に設けられるエンジンのエンジンルーム10上に、車両フード(フード)13を備えている。フード13は、フード後方13aが、図2に示すフードヒンジ16によりボデー本体12に対して回動が可能であり、フード前方13bをボデー本体12に対して、図1に示す上下方向に持ち上げることができる。このフード13は、フード後方13aの車幅方向の左右両側に一対の跳ね上げ装置14を備える。フード13は、この跳ね上げ装置14によって、フード前方13bを上方への回動を規制するフードロック機構15を支点として、フード後方13aが、車両走行中に前方の人や物と言った物体(例えば、本実施形態では、歩行者とする)を検知手段によって検知し、検知した物体(歩行者)がバンパ12aにぶつかった際、そのぶつかった時の衝撃力で、フード上に再度ぶつかりそうな場合、あるいは、車両走行中に前方の歩行者を検知し、フード13にぶつかるであろう場合において、フード13を上方へと跳ね上げることによって、歩行者がフード13上にぶつかった際の衝撃力を緩和する。
【0019】
つまり、車両11のフード13の下にはエンジンが配設されているので、フード13とエンジンとの間の間隔が狭い。このため、歩行者が二次衝突によりぶつかった場合には、フード13が塑性変形するが、フード13が塑性変形しても、フード13の塑性変形できる下方向の範囲は、フード13とルーフ下のエンジンとの間隔に規制され、フード13に歩行者がぶつかったときの衝撃力を、フード13のみでは十分に吸収できない。
【0020】
このため、この様な場合においては、前方の歩行者を検知してからフード13にぶつかるまでの時間内において、フード13を瞬時にして上方へと跳ね上げ、フード13とエンジンとの間隔を広くする。これによって、フード13の塑性変形できるフード13とエンジンとの距離範囲が広くなるので、歩行者が二次衝突により、フード13にぶつかるときの衝撃力を緩和できるものとなる。
【0021】
そこで、車両側の構成について図1を参照して説明する。図1において、車両11のボデー本体12には、走行中に物体との衝突を予め検出するプリクラッシュセンサ(例えば、レーザーレーダ、超音波、ミリ波、画像等)44が車両前方のフロントグリル近傍に配設される。車両11のバンパ12aには、物体がバンパ12aにぶつかった時のバンパ12aにて受ける衝撃力を検出するバンパセンサ45が、バンパ内部に配設される。また、車両11の走行速度を検出するために、トランスミッションには車速センサ43が配設される。そして、上記したセンサ43,44,45からの信号は、制御を司るコントローラ37に入力されている。
【0022】
コントローラ37はこれらの入力される信号を総合的に判断して、跳ね上げ装置14を駆動させるべく駆動信号を、駆動装置29に対して出力する。コントローラ37から駆動信号が発せられると、内部にモータが配設された駆動装置29は、内部のモータを駆動して、跳ね上げ装置14を作動させ、ワイヤー28によりその動力を跳ね上げ装置14に伝達し、その結果、跳ね上げ装置14が作動して、フード13が上方に跳ね上がる構成となっている。
【0023】
次に、跳ね上げ装置14の構成について、図2および図3を参照して説明する。跳ね上げ装置14は、上記した様に、フード13の左右両側に設けられている。尚、以下の説明においては、車両11の走行方向の左側に設けられる跳ね上げ装置14について説明を行うが、右側の跳ね上げ装置14は左側と対称であることから、その説明を省略する。
【0024】
跳ね上げ装置14は、車両のエンジンルーム10内の図示しないフロントフェンダーがボルトにより固定されるフード下のエンジン横の凹部に取り付けられるもので、跳ね上げ装置14は、ガイド部材15、第1リンク21、第2リンク22、シュー31、摺動部材32、スプリング27、ワイヤー28、駆動装置29を有している。
【0025】
ガイド部材15は、図示はしていないが、フロントフェンダーのエンジン横の取付部位にボルトにより数箇所でボデー本体12に固定される。ガイド部材15は、フード13の車幅方向の両端に沿って、車両11の前後方向に延在したレールである。ガイド部材15は、上方(z方向上側)に開口を有する略C形状を呈し、内部にガイド面15aを有する。また、ガイド部材15の後方には、車両11の上方向に向かって突出した支持部12が、ガイド部材15に一体で設けられている。
【0026】
このガイド部材15の開口内には、外側から内側に向かって、後述するスプリング27、規制部材25、第2リンク22、第1リンク21の順番で配設される。また、ガイド面15aには開口内側のガイド面15aを摺動する支持部15bの前方に、立方体形状を成すシュー31、及び、シュー31の移動により押圧され、シュー31と同じくガイド面15aを摺動する直方体形状を成す摺動部材32が配設される。シュー31および摺動部材32は、ガイド面15aを、車長方向(x方向)に摺動を行うが、この場合、ガイド面から上方(z方向)への外れを防止するために、ガイド部材15の上方では端部が内側に屈曲し、シュー31および摺動部材32のy方向の幅よりも開口幅は若干小さくなっている。
【0027】
このシュー31に、第1リンク21の一方の摺動を行う端面がR形状となった摺動端21aがシュー31の中心に、ピン24によって固定される。
【0028】
跳ね上げ装置14は、跳ね上げ動作を行うリンク機構を有しており、第1リンク21は、途中、1ヶ所が上方に向けて屈曲した形状を呈し、シュー31が固定される摺動端21aの反対側にはR形状となった上昇端21bを有する。上昇端21bには、フード13にボルトまたは溶接により固定されるフードヒンジ16の端部16aが取り付けられ、上昇端21bに対して、円柱状のヒンジピポット19により回動自在にフードヒンジ16は継合している。
【0029】
また、第1リンク21は、摺動端21aと上昇端21bとの間に支点20を有する。第1リンク21は、支点20にて第2リンク22のR形状となった端部22bと回動自在に継合する。更に、第1リンク21には、摺動端21aと支点20と間に、y方向において車両外側(エンジンとは反対側)に突出する突起(係合部となる)21cを、第1リンク21の屈曲した部位に有する。突起21cは、本実施形態においては、第1リンク21に、例えば、ピンが第1リンク21の有する支点孔に挿通され固定されているものとするが、これに限定されるものではなく、第1リンク21の一部が突起となっていても良い。
【0030】
第2リンク22は、一方がピン17によりガイド部材15に対して、回動自在に固定される。この場合、第2リンク22のR形状となった固定端22aは、車両11に固定されたガイド部材15のx方向後方に形成された支持部15bの孔にピン17が挿通されて、車両11に固定されたガイド部材15に対して回動自在となる。また、第2リンクの他方の端部22bは、上記した様に、第1リンク21の支点20により回動自在となっている。
【0031】
以上の構成により、第1リンク21と第2リンク22は、互いに支点20を中心として回動する。この場合、第2リンク22の固定端22aがガイド部材15の支持部15bに回動自在に支持されていることから、固定端22aは定位置にて回動を行う。一方、第1リンク21は支点20を中心として回動するが、摺動端21aにはガイド面15aを摺動するシュー31が固定され、シュー31の動きは、x方向の動きに変わる。つまり、第2リンク22が回動すると、第1リンクも支点20を中心として回動するが、摺動端21aはガイド面15aをx方向に摺動する。この場合、第1リンク21と第2リンク22との長さ関係においては、第2リンク22の支点20から固定端22aまでの距離L2と、第1リンク21の支点20から摺動端21aまでの距離L1を等しく設定している。このため、支点20から摺動端21aと支点20から固定端22aの回動する角度はz軸を基準にして同じとなる。
【0032】
それ故に、第2リンク22の回動に伴い、第1リンク21はガイド面15aを摺動すると、第1リンク21の摺動端21aとは反対側の端部、つまり、上昇端21bはz方向に上昇し、この上昇端21bに支持されるフード13はz方向に上昇する。
【0033】
この構成において、第2リンク22が回動自在に継合している支持部15bには、第2リンクを支持するのと同じピン17により、ロックレバー25が回動自在に取り付けられていると共に、ロックレバー25を第1リンク側(反時計方向)に付勢するスプリング27が設けられている。このスプリング27は、ロックレバー25に形成された係止部25bとシュー31と第1リンク21の摺動端21をとめるピン24に係止され、ロックレバー25を反時計方向に付勢する。
【0034】
ロックレバー25は、ピン21cに係合して、第2リンク22の上方への移動を規制する切欠き状の規制部25aを有する。ロックレバー25は、規制部25aとピン21cとが係合している状態では、第1リンク21のz方向上方への移動は、ロックレバー25により規制される。しかし、ロックレバー25の規制部25aとピン21cとの係合が外れると、スプリング27の付勢力により第1リンク21は瞬時にしてピン17の方に引っ張られる、その結果、シュー31がガイド面15aの上を瞬時に摺動し、第1リンク21の上昇端21bは上方に移動して、フード13がスプリング27の付勢力により瞬時にして持ち上げられる。この場合、スプリング27の付勢力(ばね定数)を大きくすれば、フード13上方への跳ね上げ速度が速くなり、スプリング27の付勢力を小さくすれば、フード13上方への跳ね上げ速度が遅くなる、これによって、スプリング27の付勢力を調整すれば、フード13の跳ね上げ速度を任意に設定することが可能となる。
【0035】
フード13の跳ね上げ時には、摺動端21aに固定されたシュー31がガイド面15aを摺動するが、シュー31とロックレバー25との間には摺動部材32があり、この場合にはシュー31により摺動部材32が押されて、摺動部材32がロックレバー25が位置するx方向の後方に移動する。その後、ロックレバー25、摺動部材32およびシュー31は互いに当接し、第1リンク21の摺動端21aと第2リンク22の固定端22aとの間隔を調整することにより、フード13の跳ね上げ高さを調整することができる。
【0036】
次に、跳ね上げ装置14の動作について説明する。
【0037】
図2では、跳ね上げ装置14が、フード13を格納状態の位置(格納位置)にて保持している通常の状態(第1状態)を示しており、図3では、跳ね上げ装置14が作動して、フード13を跳ね上がった位置(跳ね上げ位置)にて保持する状態(第2状態)を示している。
【0038】
図2に示す通常状態は、図3に示す状態から、モータによる駆動力をワイヤを介して伝達し、シューを車両前方側に定位置まで作動させスプリング27を伸ばした状態を保持し、ロックレバー25を反時計方向に回動させる。そして、第1リンク21のピン21cにロックレバー25の規制部25aを係合させることによって、第1リンク21の上方への移動をロックレバー25によって規制し、図2に示す様に、フード13を格納状態にする。
【0039】
この場合、ロックレバー25の回動動作は、ピン17に同軸で設けられた図示しないモータによって、回動させたりすることができる。また、この場合、別の方法としては、ロックレバー25を図示しないギヤ機構により回動させたり、ワイヤーにより、ロックレバー25を反時計方向に回動する様、一方から引っ張って駆動させれば良い。フード13を、この図2に示す状態にして、車両11は走行を行う。
【0040】
車両走行中、車両11に設けられたプリクラッシュセンサ44やバンパセンサ45によって、進行方向の手前数mの位置に、進行方向の前方に、人や物といった物体の存在をコントローラ37は検知したとする(ここでは、歩行者を検知したとする)と、コントローラ37は車速センサ43によるそのときの車速に基づき、歩行者との衝突の確率を総合的に判断する。
【0041】
この場合、コントローラ37は、歩行者との衝突の可能性を高い確率で判断すると、駆動装置29に対して跳ね上げ装置14を作動させる駆動信号を出力する。そして、駆動信号を受けた駆動装置29は、内部に設けられるモータを駆動させ、跳ね上げ装置14のロックレバー25につながるワイヤー28を引っ張る。ワイヤー28によりロックレバー25が引かれると、図2にロックレバー25は時計方向に回動する。ロックレバー25が時計方向に回動すると、ロックレバー25の規制部25aとピン21cとの係合が外れる。この状態では、第1リンク21はロックレバー側に大きな付勢力により常時付勢されているので、スプリング27の付勢力によって、第1リンクのシュー31が固定された摺動21aはガイド面15aをロックレバー25の規制部25aからの離脱により、瞬時に摺動がなされる。これと同時に、第1リンク21と第2リンク22との角度が図2に示す状態よりも狭くなり、シュー31が動作する過程において、途中でシュー31は摺動部材32に当接する。その後、シュー31と摺動部材32とは一体でガイド面上を摺動し、その摺動は手動部材31のx方向の端面がロックレバー25の第1リンク側の端面に当接する位置までなされる。
【0042】
この様に、シュー31がガイド面上を移動する場合、上昇端21bは次第に上昇してゆき、その結果、上昇端21bに支持されるフード13の位置が瞬時にして、フード13が10数cm上昇する。
【0043】
以上の事から、車両11は、図2に示す通常状態では、フード13とエンジンルーム内に配設されるエンジンとの間隔が狭いが、図3に示す様なフード13の跳ね上げ状態では、その間隔がフード13が持ち上げられる分だけ広くなる。その結果、ヒンジピポット19が上方に移動し、フード後方13aがフード前方13bに設けられるフードロック機構15を支点として、上方に跳ね上がった状態となる。そして、この状態で車両11が歩行者と衝突し、例えば、歩行者が二次衝突によりフード上に倒れ込む状態が生じ、フードヒンジ16や第1リンク21が塑性変形したり、フード上に下方への荷重が作用した場合には、第1リンク21と第2リンク22との成す角度が広くなる方向に衝撃力が作用し、スプリング27が付勢力に抗して延びる。これによって、二次衝突時の衝突エネルギーを確実にフード13の塑性変形およびスプリング25の伸びにより吸収し、歩行者の二次衝突による損傷を大きく低減することができる。
【0044】
跳ね上げ装置14の格納位置において、エンジンを点検する場合、フード13を開閉するときには、フード前方13bに取り付けられているフード13のロツク機構15を最初に解除して、フード前方13bを持ち上げる通常の操作により、フード13を開くことができる。このとき、左右の跳ね上げ装置14に設けられたフードヒンジ16は、ヒンジピボット19を支点として上方に回動するので、フード13の開閉動作に支障をきたすことはない。
【0045】
また、この跳ね上げ装置14は、車両11がある速度以上で走行している時に、プリクラッシュセンサ44によって歩行者等の存在を検知すると、フード13は跳ね上げ位置へ移動され、その後、一定時間内にパンパセンサ45及びフードセンサ46によって、−次衝突及び二次衝突が検知されると、フード13は跳ね上げ位置に維持された状態となるようにすることもできる。
【0046】
その結果、車両11が歩行者等に衝突し、歩行者がフード13上に倒れ込む二次衝突が生じても、フード13が予め跳ね上げ位置に維持されているので、フード13とエンジンとの間隔が広くなり、フード13が塑性変形する際の範囲の制限が緩和されるので、二次衝突の衝撃が吸収緩和され、歩行者等が保護される。フード13は、一次衝突及び二次衝突の前に跳ね上げ位置への移動が開始され、二次衝突までの作動時間に余裕が生まれる。
【0047】
また、プリクラッシュセンサ44によって歩行者等の存在が検知され、フード13が跳ね上げ位置に移動されていても、その後の一定時間内に、バンパセンサ45及びフードセンサ46からの一次衝突信号及び二次衝突信号が検知されないと、フード13は格納位置に移動させるようにしても良い。
【0048】
その結果、プリクラッシュセンサ44によって歩行者等の存在が誤検知され、フード13が誤検知によって跳ね上げ位置に移動しても、歩行者との衝突をうまく回避して、パンパセンサ45及びフードセンサ46からの検知信号が入力されなければ、フード13を格納位置に容易に戻すことができる。この場合には、フード13を通常状態の位置に戻すために、従来では必要であった修理の必要がなくなる。
【0049】
以上、説明した様に、フード13は、人及び物の二次衝突の衝撃を緩和させる時には跳ね上げ位置に移動させるようになるが、実際には二次衝突が生じず、誤って跳ね上げ位置に移動していた場合でも、跳ね上げたフード13を格納位置に戻すことができ、何度でも再生することができる。その結果、跳ね上げたフード13を格納位置に戻すために修理工場等で修理する必要がなく、余分な修理費がかからなくなる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、連結機構が車両フードを車両ボデーに対して格納位置に保持する第1状態と二次衝突の際に衝突を和らげるための跳ね上げ位置に保持する第2状態とをとりうる。そして、その状態の変化に伴い、車両フードが格納位置から二次衝突の際に衝突を和らげるための跳ね上げ位置、及び二次衝突の際に衝突を和らげるための跳ね上げ位置から格納位置へ移動(再生)可能となっている。つまり、連結機構という簡易な構成により、車両フードを再生させることができる。
【0051】
本発明によれば、第1リンク部材、第2リンク部材、付勢部材および規制部材の部品点数の少ない簡単なリンク機構によって、簡単かつ安価に、車両フード跳ね上げ装置を実現している。このことは、次の様な効果ももたらす。即ち、従来の如く、エアバッグを作動させるアクチュエータをエンジンルーム内に配設するといった大掛かりな構成は必要なくなる。しかも、エアバッグを作動させるための火薬類を使用しないために安全性が向上する。
【0052】
本発明によれば、付勢部材が、規制部材をも付勢する。そして付勢方向を第1リンクとの係合部との係合方向と一致させれば、係合力は強くなる。よって、連機構による車両フードの保持は安定したものとなる。
【0053】
本発明によれば、摺動端には、ガイド面を摺動するシューを備えているため、第1リンク部材の摺動端はシューによりガイド面を摺動し易くでき、瞬時にして車両フードを跳ね上げることができる。例えば、歩行者と衝突した場合でも、二次衝突が発生するまでの間に、車両フードを跳ね上げて二次衝突における歩行者の保護を図ることができる。
【0054】
本発明によれば、シューと規制部材との間にガイド面を摺動する摺動部材を配設し、規制部材による係止部の係合が解除された場合、第1リンクの移動範囲を摺動部材により規制すれば、シューと規制部材との間に配設される摺動部材の大きさによって、車両フードの跳ね上げ時の跳ね上げ高さを、任意に調整することができる。
【0055】
更に、固定端と規制部材は同軸で、ガイド部材に固定されるようにすれば、コンパクト化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両フード跳ね上げ装置の車両への取付図である。
【図2】本発明の一実施形態における車両フード跳ね上げ装置の収納状態を示す跳ね上げ装置の要所部分側面図である。
【図3】本発明の一実施形態における車両フード跳ね上げ装置の跳ね上げ状態を示す跳ね上げ装置の要所部分側面図である。
【符号の説明】
1 車両フード跳ね上げ装置
10 エンジンルーム
11 車両
13 フード(車両フード)
14 跳ね上げ装置(跳ね上げ手段)
15 ガイド部材
15a ガイド面
16 フードヒンジ
20 支点
21 第1リンク(第1リンク部材)
21a 摺動端
21b 上昇端
21c ピン(係止部)
22 第2リンク(第2リンク部材)
22a 固定端
25 ロックレバー(規制部材)
27 スプリング(付勢部材)
28 ワイヤー(作動装置)
29 駆動装置(作動装置)
31 シュー
32 摺動部材

Claims (4)

  1. 車両ボデーと車両フードとの間に配設されると共に、前記車両フードを前記車両ボデーに対して格納位置に保持する第1状態と二次衝突の際に衝突を和らげるための跳ね上げ位置に保持する第2状態とになる連結機構と、
    前記連結機構を前記第1状態から前記第2状態への変化方向に付勢する付勢部材と、
    前記連結機構に係合することにより前記第1状態から前記第2状態への変化を規制可能な規制部材と、
    該規制部材と前記連結機構を係脱させる作動装置とを備えた車両フード跳ね上げ装置であって、
    前記連結機構が、一方向にガイド面を有し、前記車両フードの下に配設され、車両ボデーに固定されるガイド部材と、
    該ガイド面内を摺動する摺動端と、前記車両フードに連係され前記車両フードを移動させる移動端と、該移動端と前記摺動端との間に設けられる支点と、該支点と前記移動端との間に設けられる係合部とを有する第1リンク部材と、
    前記支点に支持される連係端と、車両ボデー側に回動自在に固定される固定端とを有する第2リンク部材とを備え、
    前記規制部材が前記車両ボデー側にて前記係合部と係脱可能に配設され、
    前記付勢部材が前記摺動端と前記規制部材との間に配設されることを特徴とする車両フード跳ね上げ装置。
  2. 前記摺動端には、前記ガイド面を摺動するシューを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両フード跳ね上げ装置。
  3. 前記規制部材が前記ガイドレールの一端に配設され、
    前記シューと前記規制部材との間に前記ガイド面を摺動する摺動部材を備え、前記規制部材と前記係合部の係合が解除された場合、前記第1リンク部材の移動範囲を前記摺動部材により規制することを特徴とする請求項2に記載の車両フード跳ね上げ装置。
  4. 前記固定端が前記規制部材と同軸で固定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両フード跳ね上げ装置。
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