JP2001099298A - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の変速制御装置

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JP2001099298A
JP2001099298A JP27614099A JP27614099A JP2001099298A JP 2001099298 A JP2001099298 A JP 2001099298A JP 27614099 A JP27614099 A JP 27614099A JP 27614099 A JP27614099 A JP 27614099A JP 2001099298 A JP2001099298 A JP 2001099298A
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JP
Japan
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ratio
gear ratio
target
torque
speed ratio
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Application number
JP27614099A
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English (en)
Inventor
Shigeki Shimanaka
茂樹 島中
Masahito Koga
雅人 古閑
Mitsuru Watanabe
充 渡辺
Satoru Takizawa
哲 滝沢
Masatoshi Akanuma
正俊 赤沼
Hiroyasu Tanaka
寛泰 田中
Junya Takayama
潤也 高山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目標変速比を滑らかに変化させている際に、
大きなトルク変動があっても、変速比のハンチングや応
答遅れが生じるのを防いで、変速過渡特性を向上させ
る。 【解決手段】 運転状態に応じた到達変速比DRati
oを演算する手段102と、入力トルクTinに基づい
てトルクシフト補償量TSrtoを演算する手段105
と、到達変速比DRatioからトルクシフト補償量T
Srtoを差し引いたものに対して、運転状態に応じた
時定数によって滑らかに変化する目標変速比を演算する
目標変速比演算手段107を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の無段変速機として採用されるトロ
イダル型無段変速機の変速制御装置では、マイクロコン
ピュータなどで構成されたコントローラが、車速等の運
転状態に基づいて演算した目標変速比に実際の変速比が
一致するようにアクチュエータを駆動しており、例え
ば、本願出願人が提案した特開平2−292562号公
報や特開平7−4507号公報などが知られている。
【0003】上記したように、トロイダル型無段変速機
の変速制御装置では、サーボ油圧によってトルク反力を
支持しながら変速を行っているため、入力トルクの変動
に伴ってサーボ油圧も変動し、変速制御とは無関係に変
速比が変動するトルクシフトという現象が発生する。
【0004】上記従来例では、トロイダル型無段変速機
への入力トルクを検知または推定して、入力トルクに応
じた変速比のトルクシフト補償量をフィードフォワード
で求め、運転状態に応じた目標変速比を、このトルクシ
フト補償量で補正することでトルクシフトを抑制してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトロイダル型無段変速機の変速制御装置にあって
は、目標変速比を、車速とアクセル踏み込み量から求め
た到達変速比(マップ値)から、所定の時定数に基づい
て演算して、滑らかな変速特性を得ようとするものであ
るが、この目標変速比に加算されるトルクシフト補償量
は、入力トルクと変速比に基づいて、予め設定したマッ
プからリアルタイムで演算される。
【0006】一方、トロイダル型無段変速機の変速は、
トラニオンの軸方向変位によりパワーローラが傾転(首
振り運動)することにより開始されるため、実際にトル
クシフトが発生するまでに応答遅れがある。
【0007】すなわち、目標変速比を滑らかに変化させ
ているときに、入力トルクの変化が大きくなると、トル
クシフト補償量が大きくなるため、変速開始時には、目
標変速比が立ち上がる前にトルクシフト補償量が差し引
かれる、変速初期にトルクシフト補償が効きすぎて、一
旦逆方向へ変速した後に、フィードバック制御によって
所定の変速方向へ向かうハンチングが生じたり、変速の
立ち上がりが遅れて変速過渡における運転性が低下する
場合がある。
【0008】例えば、図7に示すように、アクセルペダ
ルを踏み込んで加速を行うダウンシフト(以下、踏み込
みダウンシフトという)の場合では、アクセル踏み込み
量APSと車速VSPに応じてマップから求めた到達変
速比DRatioが立ち上がると、所定の時定数によっ
て目標変速比Ratio0が滑らかに立ち上がるが、こ
のとき、トルクシフト補償量TSrtoは、大きな入力
トルクの変化に応じて急増した後、実変速比RATIO
の急増などに応じて、図中a部に示すように、一時的に
急減するため、滑らかに変化する目標変速比Ratio
0からトルクシフト補償量TSrtoを差し引かれた指
令変速比DsrRTOが急増することになり、図中A部
のように、実変速比RATIOは到達変速比DRati
oを超えてオーバーシュートしてしまうという問題があ
った。
【0009】さらに、アクセルを踏み込んだ状態から解
放するアップシフト(以下、足離しアップシフトとい
う)の場合では、図7のb部のように、入力トルクの急
減に応じてトルクシフト補償変速比TSrtoも急速に
減少した後、緩やかに増加するため、滑らかに変化する
目標変速比Ratio0からトルクシフト補償量TSr
toを差し引いた指令変速比DsrRTOは、図中B部
のように、トルクシフト補償量TSrtoの変化に呼応
して急激にLo側へ反転し、最Hi変速比側の到達変速
比Dratioに対して逆方向の指令を出力して、実変
速比RATIOが遅れて追従するという問題があった。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、目標変速比を滑らかに変化させている際
に、大きなトルク変動があっても、変速比のハンチング
や応答遅れが生じるのを防いで、変速過渡特性を向上さ
せることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、指令変速
比に基づいて変速比を変更するトロイダル型無段変速機
の変速制御装置において、運転状態に応じた到達変速比
を演算する到達変速比演算手段と、入力トルクを検出ま
たは推定する入力トルク検出手段と、この入力トルクに
基づいてフィードフォワードによりトルクシフト補償量
を演算するトルクシフト補償量演算手段と、前記到達変
速比とトルクシフト補償量を合わせた値に対し、運転状
態に応じた時定数を用いて滑らかに変化する第1の目標
変速比を演算する第1目標変速比演算手段と、前記到達
変速比に対して、運転状態に応じた時定数を用いて滑ら
かに変化する第2の目標変速比を演算する第2目標変速
比演算手段と、この第2目標変速比と実際の変速比の偏
差に応じてフィードバック補正量を演算するフィードバ
ック補正量演算手段と、前記第1目標変速比とフィード
バック補正量に基づいて指令変速比を演算する指令変速
比演算手段とを備える。
【0012】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第1目標変速比演算手段は、到達変速比から
トルクシフト補償量を差し引いた値に対し、前記時定数
を用いて滑らかに変化する第1の目標変速比を演算す
る。
【0013】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記第1目標変速比演算手段は、到達変速比から
トルクシフト補償量を差し引いた値が、運転状態に応じ
た変速方向へ向けて変速比が変化する場合にのみ、前記
時定数を用いた第1の目標変速比を演算する。
【0014】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記第1目標変速比演算手段は、自動変速モード
とマニュアルモードとを切り換える変速モード切り換え
手段を備え、この変速モード切り換え手段の出力を運転
状態として、自動変速モードの場合には時定数に基づく
演算を許可する一方、マニュアルモードの場合には時定
数に基づく演算を禁止する。
【0015】
【発明の効果】したがって、第1ないし第2の発明は、
トロイダル型無段変速機に特有のトルクシフトは、入力
トルクに基づいてフィードフォワードで演算したトルク
シフト補償量で補正されるが、到達変速比とトルクシフ
ト補償量を合わせた値に対し、時定数を用いて滑らかに
変化する第1目標変速比を演算し、実変速比と第2目標
変速比の偏差に応じたフィードバック補正量と、第1目
標変速比より指令変速比を求めるようにしたため、入力
トルクが大きく変化する変速時であっても、到達変速比
とともにトルクシフト補償量を滑らかに変化させること
ができるため、前記従来例のように、踏み込みダウンシ
フトの際の実変速比のオーバーシュートや、足離しアッ
プシフトの際の実変速比の遅れを防止して、トルクシフ
トの抑制を確実に行いながら、滑らかな変速を実現する
ことが可能となって、トロイダル型無段変速機の変速過
渡特性を向上させることができる。
【0016】また、第3ないし第4の発明は、到達変速
比からトルクシフト補償量を差し引いた値が、運転状態
に応じた変速方向へ向けて変速比が変化する場合に限っ
て、時定数を用いた第1目標変速比を演算するようにす
ることで、運転状態に応じて変速比が変化する場合、例
えば、自動変速モードでは、トルクシフトを補償しなが
ら滑らかに変速を行うが、マニュアルモードのように変
速比を固定する場合では、運転状態の変化によるトルク
シフトの補償のみを行って、所望の変速比を維持するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0018】図1は、シングルキャビティのトロイダル
型無段変速機へ本発明を適用した場合の一例を示してお
り、トロイダル型無段変速機10にはロックアップクラ
ッチL/Uを備えたトルクコンバータ11を介してエン
ジン1が連結され、変速制御コントローラ2の指令値A
STPに応動するアクチュエータとしてのステップモー
タ3が、図示しない変速制御弁等の油圧制御装置を介し
て変速比を連続的に制御するものである。
【0019】変速制御コントローラ2は、運転者のアク
セルペダル(図示せず)操作に応じたアクセル踏み込み
量APSをアクセル開度センサ5から、エンジン回転数
Neをクランク角センサ8からそれぞれ読み込むととも
に、トロイダル型無段変速機10の入力軸回転センサ6
が検出した入力軸回転数Ntと、出力軸回転センサ7が
検出した出力軸回転数No及び車速センサ7が検出した
車速VSPをそれぞれ読み込んで、運転状態に応じた到
達変速比DRatio目標変速比を、入力トルクTin
と実変速比RATIOに応じたトルクシフト補償量で補
正して、目標変速比Ratio0及び実変速比RATI
Oを滑らかに変化させるものである。
【0020】まず、変速制御コントローラ2で行われる
制御の概要を、図2のブロック図を参照しながら詳述す
る。
【0021】到達変速比DRatioは、車速VSPと
アクセル踏み込み量APSに基づいて、図示しないマッ
プから求めた到達入力軸回転数tNtを、出力軸回転数
Noで除して演算される(到達入力軸回転数演算部10
1、到達変速比演算部102)。
【0022】一方、入力軸回転数Ntと出力軸回転数N
oの比(Nt/No)から実変速比RATIOを演算す
るとともに、エンジン回転数Neとアクセル踏み込み量
APSより、図示しないマップに基づいて入力トルクT
inを推定演算する(実変速比演算部104、入力トル
ク演算部103)。なお、入力トルクTinの推定演算
は、トルクコンバータ11がロックアップしていない場
合では、エンジントルクTeにトルクコンバータ11の
トルク比tを乗じて演算する。
【0023】そして、これら実変速比RATIOと入力
トルクTinより、図4に示すように、予め設定したマ
ップからトルクシフト補償量TSrto(変速比)をフ
ィードフォワードで演算する(トルクシフト補償変速比
演算部105)。
【0024】次に補正演算部106では、上記到達変速
比DRatioからトルクシフト補償量TSrtoを差
し引いたものを補正目標変速比TRatioとして演算
し、目標変速比演算部107(第1目標変速比演算手
段)は、この補正目標変速比TRatioを所定の時定
数により滑らかに変化させたものを目標変速比Rati
o0(第1目標変速比)として演算する。
【0025】また、FB用目標変速比演算部107A
(第2目標変速比演算手段)では、到達変速比演算部1
02の出力である到達変速比DRatioを、所定の時
定数により滑らかに変化させたものをフィードバック制
御用目標変速比FBRatio0(第2目標変速比)と
して演算する。
【0026】なお、上記時定数は、運転状態に応じて設
定されるもので、例えば、車速VSPや入力軸回転数N
t、油温などをパラメータとして、それぞれ設定され
る。
【0027】一方、PID(比例、積分、微分)制御部
109(フィードバック補正量演算手段)では、実変速
比RATIOとフィードバック制御用目標変速比FBR
atio0から、これらの偏差に基づいたフィードバッ
ク制御量FBrto(フィードバック補正量)を演算す
る。
【0028】そして、指令変速比演算部108(指令変
速比演算手段)は、上記目標変速比演算部107から出
力された目標変速比Ratio0に、PID制御部10
9から出力されたフィードバック制御量FBrtoを加
えたものを指令変速比DsrRTOとして出力する。
【0029】こうして求めた指令変速比DsrRTO
は、目標ステップ数演算部110で、ステップモータ3
の駆動量である目標ステップ数DsrSTPに変換され
た後、駆動位置指令演算部111において、運転状態に
応じた応答速度となる指令ステップ数ASTPとして補
正され、ステップモータ3に出力される。
【0030】上記制御を、マイクロコンピュータを主体
にして構成される変速制御コントローラ2で実行する場
合のフローチャートを図3に示す。なお、このフローチ
ャートは、所定時間毎、例えば10msec毎に実行される
ものである。
【0031】まず、図3のステップS1で、上記各セン
サの出力を読み込んでから、ステップS2で、アクセル
踏み込み量APSと車速VSPより、上記到達入力軸回
転数演算部101及び到達変速比演算部102と同様に
して到達変速比DRatioを演算する。
【0032】次に、ステップS3で、入力軸回転数Nt
と出力軸回転数Noの比から実変速比RATIOを求め
た後、ステップS4で、エンジン回転数Neとアクセル
踏み込み量APSより、上記入力トルク演算部103と
同様にして入力トルクTinを演算する。
【0033】そして、ステップS5で、入力トルクTi
nと実変速比RATIOより、図4のマップからトルク
シフト補償量TSrto(変速比)を求めた後、ステッ
プS6で、この到達変速比DRatioからトルクシフ
ト補償量TSrtoを差し引いたものを、補正目標変速
比TRatioとして演算する。
【0034】ステップS7では、この補正目標変速比T
Ratioを、所定の時定数によって滑らかに変化させ
たものを、目標変速比Ratio0として演算する。
【0035】一方、ステップS8では、上記ステップS
2で求めた到達変速比DRatioを、所定の時定数で
滑らかに変化させたものをフィードバック制御用目標変
速比FBRatio0として求めてから、ステップS9
において、実変速比RATIOとフィードバック制御用
目標変速比FBRatio0の偏差に基づいてフィード
バック制御量FBrtoを演算する。
【0036】ステップS10では、これら目標変速比R
atio0とフィードバック制御量FBrtoを加算し
て指令変速比DsrRTOを得る。
【0037】そして、ステップS11では、ステップモ
ータ3の駆動量である目標ステップ数DsrSTPに変
換したものから、運転状態に応じた応答速度となる指令
ステップ数ASTPを演算し、ステップS12で、この
指令ステップ数ASTPをステップモータ3に出力する
ことで変速を行う。
【0038】したがって、目標変速比Ratio0は、
到達変速比DRatioからトルクシフト補償量TSr
toを差し引いた補正目標変速比TRatioに対し
て、所定の時定数により滑らかに変化させるようにした
ため、入力トルクTinが大きく変化する変速時であっ
ても、到達変速比DRatioとともにトルクシフト補
償量TSrtoを滑らかに変化させることができるた
め、前記従来例のように、踏み込みダウンシフトの際の
実変速比RATIOのオーバーシュートや、足離しアッ
プシフトの際の実変速比RATIOの遅れを防止して、
トルクシフトの抑制を確実に行いながら、滑らかな変速
特性を得ることが可能となって、トロイダル型無段変速
機の変速過渡特性を向上させることができるのである。
【0039】また、図2に示すシフトセレクタ9が、マ
ニュアルモードと自動変速モードを選択的に切り換え可
能な場合では、シフトセレクタ9の出力POSが自動変
速モードであれば、上記目標変速比演算部107は、上
記のように到達変速比DRatioからトルクシフト補
償量TSrtoを差し引いた値から、時定数によって滑
らかに変化する目標変速比Ratio0を演算する一
方、シフトセレクタ9の出力POSがマニュアルモード
であれば、時定数による演算を禁止する。
【0040】すなわち、マニュアルモードの場合では、
予め設定した変速比に固定した状態で運転を行うため、
自動変速モードと同様に時定数制御を行うと、例えば、
アクセルを踏み込んだ場合には、トルクシフト補償量T
Srtoが増大して補正目標変速比TRatioが減少
してHi側へ変化し、この補正目標変速比TRatio
に対して時定数制御を行ってしまうと、マニュアルモー
ドでありながら目標変速比Ratio0が緩やかにHi
側へ変化する場合がある。
【0041】そこで、マニュアルモードの場合では、時
定数制御を禁止して、補正目標変速比TRatioをそ
のまま目標変速比Ratio0とすれば、アクセル踏み
込み量APSに応じたトルクシフト補償を行いながら、
実変速比RATIOを固定することができ、運転者に違
和感を与えることなくトルクシフトの補償を行うことが
できる。
【0042】換言すれば、到達変速比DRatioから
トルクシフト補償量TSrtoを差し引いた補正目標変
速比TRatioが、上記自動変速モードのように、運
転状態に応じた変速方向へ向けて変速比が変化する場合
にのみ、時定数制御を行うようにすれば、アクセル踏み
込み量APSが変化しても到達変速比DRatioを固
定するマニュアルモードで実変速比RATIOが変動す
るのを防止することができるのである。
【0043】図5、図6は第2の実施形態を示し、前記
第1実施形態のトルクシフト補償量TSrtoを滑らか
に変化させるフィルタ処理部112を設けて、前記従来
例と同様に、目標変速比演算部107の出力Ratio
0からフィルタ処理部112の出力TSrtofを減算
するようにしたもので、その他の構成は前記第1実施形
態と同様である。
【0044】フィルタ処理部112は、入力トルクTi
nとアクセル踏み込み量APSに基づいて求めたトルク
シフト補償量TSrtoを、予め設定した時定数によっ
て滑らかに変化させるもので、この出力が補正済みトル
クシフト補償量TSrtofとなる。
【0045】一方、運転状態に応じた到達変速比DRa
tioは、前記従来例と同様に目標変速比演算部107
へ入力されて、運転状態に応じた所定の時定数によって
滑らかに変化する目標変速比Ratio0として算出さ
れる。
【0046】そして、補正演算部106’では、この目
標変速比Ratio0から補正済みトルクシフト補償量
TSrtofを差し引いたものを補正目標変速比TRa
tioとして演算し、その後は上記第1実施形態と同様
に、実変速比RATIOと目標変速比Ratio0の偏
差に基づくフィードバック制御量FBrtoを、補正目
標変速比TRatioへ加算した指令変速比DsrRT
Oにより目標ステップ数DsrSTPを求めるものであ
る。
【0047】この結果、補正済みトルクシフト補償量T
Srtofは、図6に示すようになって、前記従来例の
図7に比して滑らかに変化し、これに伴って目標変速比
Ratio0から補正済みトルクシフト補償量TSrt
ofを差し引いた指令変速比DsrRTOも滑らかに変
化する。
【0048】そして、前記従来例と同様に、アクセルペ
ダルを踏み込んで加速を行う踏み込みダウンシフトの場
合では、アクセル踏み込み量APSと車速VSPに応じ
てマップから求めた到達変速比DRatioが立ち上が
ると、所定の時定数によって目標変速比Ratio0が
滑らかに立ち上がる。
【0049】トルクシフト補償変速比演算部105の出
力であるトルクシフト補償量TSrtoは、図7の前記
従来例に示したa部と同様に、大きな入力トルクの変化
に応じて急増するが、フィルタ処理部112で図6の
a’部のように滑らかに立ち上がる補正済みトルクシフ
ト補償量TSrtofとして出力される。
【0050】さらに、補正演算部106’では、目標変
速比Ratio0からこの補正済みトルクシフト補償量
TSrtofを差し引いたものを補正目標変速比TRa
tioとして演算するため、これに基づいて演算された
指令変速比DsrRTOは、フィルタ処理により滑らか
に変化する補正済みトルクシフト補償量TSrtofに
よって、図7のα部のように急峻に立ち上がることはな
く、図6のα’部のように緩やかに変化する結果、実変
速比RATIOはA’部のように滑らかに変化し、前記
従来例の図7に示したA部のようにオーバーシュートす
ることなく、変速過渡特性を大幅に向上することができ
る。
【0051】また、アクセルを踏み込んだ状態から解放
する足離しアップシフトの場合では、前記従来例の図7
に示したb部では、入力トルクの急減に応じてトルクシ
フト補償量TSrtoも急速に減少していたが、本発明
による補正済みトルクシフト補償量TSrtofは、図
6のb’部のように滑らかに減少するため、前記従来例
の図7に示したB部のように指令変速比DsrRTOが
急激にLo側へ反転するのを防止して、指令変速比Ds
rRTOも図6のB’部のように滑らかに変化させるこ
とができ、実変速比RATIOが遅れるのを防いで、変
速過渡特性を大幅に向上することができる。
【0052】そして、上記フィルタ処理部112の時定
数を、トルクシフトの変化量に対応する値とし、目標変
速比演算部107の時定数を、到達変速比DRatio
の変化に応じた時定数として、双方の出力を合わせる
(減算)ことで、変速過渡特性の改善を図ることができ
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すトロイダル型無段変
速機の概略構成図。
【図2】変速制御コントローラの制御概念図。
【図3】変速制御の一例を示すフローチャート。
【図4】入力トルクと変速比に応じたトルクシフト補償
量を演算するマップの一例を示す。
【図5】第2の実施形態を示し、変速制御コントローラ
の制御概念図。
【図6】作用を示すグラフで、アクセル踏み込み量AP
S、車速VSP、変速比及び補正済みトルクシフト補償
量TSrtofと時間の関係を示す。
【図7】従来の変速の様子を示すグラフで、アクセル踏
み込み量APS、車速VSP、変速比及び補正済みトル
クシフト補償量TSrtofと時間の関係を示す。
【符号の説明】
2 変速制御コントローラ 3 ステップモータ 5 スロットル開度センサ 6 入力軸回転センサ 7 出力軸回転センサ 8 クランク角センサ 10 無段変速機 11 トルクコンバータ
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 充 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 滝沢 哲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 赤沼 正俊 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田中 寛泰 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 高山 潤也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA04 AA20 BA30 CA21 DB01 GC11 GC13 GC44 HA13 LA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指令変速比に基づいて変速比を変更する
    トロイダル型無段変速機の変速制御装置において、 運転状態に応じた到達変速比を演算する到達変速比演算
    手段と、 入力トルクを検出または推定する入力トルク検出手段
    と、 この入力トルクに基づいてフィードフォワードによりト
    ルクシフト補償量を演算するトルクシフト補償量演算手
    段と、 前記到達変速比とトルクシフト補償量を合わせた値に対
    し、運転状態に応じた時定数を用いて滑らかに変化する
    第1の目標変速比を演算する第1目標変速比演算手段
    と、 前記到達変速比に対して、運転状態に応じた時定数を用
    いて滑らかに変化する第2の目標変速比を演算する第2
    目標変速比演算手段と、 この第2目標変速比と実際の変速比の偏差に応じてフィ
    ードバック補正量を演算するフィードバック補正量演算
    手段と、 前記第1目標変速比とフィードバック補正量に基づいて
    指令変速比を演算する指令変速比演算手段とを備えたこ
    とを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1目標変速比演算手段は、到達変
    速比からトルクシフト補償量を差し引いた値に対し、前
    記時定数を用いて滑らかに変化する第1の目標変速比を
    演算することを特徴とする請求項1に記載のトロイダル
    型無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1目標変速比演算手段は、到達変
    速比からトルクシフト補償量を差し引いた値が、運転状
    態に応じた変速方向へ向けて変速比が変化する場合にの
    み、前記時定数を用いた第1の目標変速比を演算するこ
    とを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速
    機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第1目標変速比演算手段は、自動変
    速モードとマニュアルモードとを切り換える変速モード
    切り換え手段を備え、この変速モード切り換え手段の出
    力を運転状態として、自動変速モードの場合には時定数
    に基づく演算を許可する一方、マニュアルモードの場合
    には時定数に基づく演算を禁止することを特徴とする請
    求項3に記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003056620A (ja) * 2001-08-17 2003-02-26 Somic Ishikawa Inc ロック機能を有するロータリーダンパ

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