JP2004360725A - 無段変速機の変速比制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際の変速比応答が規範応答に比して低い領域でフィードバック補償器の偏差が蓄積されるのを防いで、変速比応答の悪化を防止する。
【解決手段】運転状態に応じた到達変速比と規範応答に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段B33と、目標変速比と実変速比との偏差に基づき変速比指令値のフィードバック補正量を演算する手段B34と、規範応答と無段変速機の動特性に基づいてフィードフォワードによる動特性補償出力を演算する手段B31と、フィードバック補正量とフィードフォワード動特性補償出力に基づいて変速比指令値を補正する手段と、補正後の変速比指令値に基づき無段変速機を制御する制御手段B4と、到達変速比と目標変速比の偏差から規範応答の時定数を算出する規範応答時定数算出手段B35と、この時定数を実変速比に基づいて実現可能な変速比応答となる値に補正する時定数補正手段B36を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】運転状態に応じた到達変速比と規範応答に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段B33と、目標変速比と実変速比との偏差に基づき変速比指令値のフィードバック補正量を演算する手段B34と、規範応答と無段変速機の動特性に基づいてフィードフォワードによる動特性補償出力を演算する手段B31と、フィードバック補正量とフィードフォワード動特性補償出力に基づいて変速比指令値を補正する手段と、補正後の変速比指令値に基づき無段変速機を制御する制御手段B4と、到達変速比と目標変速比の偏差から規範応答の時定数を算出する規範応答時定数算出手段B35と、この時定数を実変速比に基づいて実現可能な変速比応答となる値に補正する時定数補正手段B36を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の変速比を制御する変速比制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ステップモータ等を用いて変速制御弁を駆動することで可変プーリのプーリ溝幅を変更し、設計者が希望する動特性で変速比が目標とする変速比に追従するように変速制御を行うVベルト式無段変速機が知られている。
【0003】
このようなVベルト式無段変速機の変速比制御システムとしては、例えば、特開平2000−240780号公報等に開示されたものがある。
【0004】
このような変速比制御システムでは、設計者が希望する変速比応答を実現する動特性補償部と、目標変速比と実変速比の偏差から動特性補償部の出力を補正する応答性補償部から構成される。この制御系は2自由度設計であるため、設計者は希望する変速比応答(以下規範応答とする)を安定性とは独立して設定できる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−240780号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、高変速比領域(HIGH側)と低変速比領域(LOW側)にて規範応答の時定数を制御対象の時定数より小さく設定した場合、つまり、進み補償を施した場合、PI制御などによるフィードバック補償器に偏差が蓄積され、変速比応答が悪化するという問題点があった。
【0007】
これは、高変速比領域と低変速比領域では、他の領域と比べ変速機のアクチュエータであるステップモータの可動範囲に制限があり、実現できる変速比応答が遅い、換言すれば、制御対象の時定数が規範応答と比較して大きいことに起因する。
【0008】
たとえば、ステップモータを20ステップ進めた場合、図11(A)に示す変速比応答が得られる変速機において、10ステップ分に相当する変速比指令値に対し、進み補償器を用いて、一時的にステップモータを20ステップ進め、その後10ステップ戻すことで、図11(B)に示す時定数の小さな変速比応答を得ることができる。
【0009】
しかし、低変速比領域(最LOW付近)におけるダウンシフトでは、機構的な制限によって最LOW側に20ステップ分のステップモータ可動量が存在しない場合、図11(B)に示す変速比応答を実現することができない、という問題があり、このときフィードバック補償器に偏差が蓄積され、変速比応答が悪化するのである。このことは、高変速比領域(最HIGH付近)のアップシフトでも同様のことが言える。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、実際の変速比応答が規範応答に比して低い領域でフィードバック補償器の偏差が蓄積されるのを防いで、変速比応答の悪化を防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運転状態に応じて無段変速機の到達変速比を演算する到達変速比演算手段と、前記到達変速比と規範応答に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段と、前記目標変速比と実変速比との偏差に基づき変速比指令値のフィードバック補正量を演算するフィードバック補正量演算手段と、前記規範応答と無段変速機の動特性に基づいてフィードフォワードによる動特性補償出力を演算するフィードフォワード補償手段と、前記フィードバック補正量とフィードフォワード動特性補償出力に基づいて前記変速比指令値を補正する変速比指令値補正手段と、補正後の変速比指令値に基づき無段変速機を制御する制御手段と、を備えた無段変速機の変速比制御装置において、
前記到達変速比と目標変速比の偏差から規範応答の時定数を算出する規範応答時定数算出手段と、この時定数を、実変速比に基づいて実現可能な変速比応答となる値に補正する時定数補正手段と、を備えて、アクチュエータの機構的な可動範囲を超えないように、規範応答の時定数を補正する。
【0012】
【発明の効果】
したがって本発明は、無段変速機で実現可能な規範応答をサーボ入力(目標変速比演算手段の入力)として演算することで規範応答と実変速比の偏差がフィードバック補正量演算手段に蓄積されるのを確実に防ぎ、良好な変速比応答を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、発明を適用したVベルト式無段変速機の変速比制御装置の概略構成図を示し、変速比制御システムは、無段変速機4と、その変速比を制御するCVTコントロールユニット1とから構成される。
【0015】
無段変速機4は、前後進切替機構10及びトルクコンバータ11を介して図示しないエンジンに接続される変速機構部17と、変速機構部17への油圧供給を制御する油圧コントロールユニット3と、油圧コントロールユニット3内の図示しない変速制御弁を駆動するステップモータ2とを備える。
【0016】
変速機構部17は、プーリ溝幅を変更可能な一対の可変プーリ5、6と、それらに掛け回されるVベルト7とを備えたいわゆるVベルト式無段変速機構であり、可変プーリ5、6のプーリ溝幅を変更することで変速比を無段階に変更することができる。
【0017】
油圧コントロールユニット3内の変速制御弁(図示省略)は、ステップモータ2の角位置(ステップ数)に応じて駆動され、可変プーリ5、6の可動円錐板の背面に設けられた油圧シリンダ8、9に供給される油圧が調整される。この結果、可変プーリ5、6のプーリ溝幅が相反的に変更され、変速機構部17の変速比が変更される。なお、ステップモータ2は図示しない原点ストッパ(機構的限界位置)により最LOW側での変位を規制され、また、最HIGH側では変速制御弁等の変位限界(機構的限界位置)により変位を規制されるもので、ステップモータ2の各位置(ステップ数)は、最LOW側と最HIGH側の機構的限界位置の間(機構的可動範囲)で変位可能に設定される。
【0018】
CVTコントロールユニット1には、スロットル開度センサ12からのスロットル開度信号TVO(またはアクセル操作量に応じた信号)、インヒビタースイッチ13からのシフトレバー位置信号、油温センサ14からの油温信号の他、変速機構部17の入力回転速度センサ15からの入力回転速度信号Npri、出力回転速度センサ16からの出力回転速度信号Nsec等が入力される。
【0019】
CVTコントロールユニット1は、これら各種入力信号に基づき最終的な目標変速比である到達変速比iPTを演算し、変速機構部17の実変速比iPRが所定の動特性で到達変速比iPTに追従するよう変速比指令値iPCFを演算する。そして、変速比指令値iPCFはCVTコントロールユニット1で角位置指令値θCに変換された後ステップモータ2に出力される。
【0020】
CVTコントロールユニット1の内部構成を図2に示す。
【0021】
図2に示すように、CVTコントロールユニット1は、到達変速比演算部B1と、実変速比演算部B2と、変速比指令値演算部B3と、変速比指令値変換部B4から構成される。
【0022】
到達変速比演算部B1は、上述したスロットル開度信号TVO、入力軸回転信号(入力軸回転速度)Npri、出力軸回転信号(出力軸回転速度)NSEC等に基づき到達変速比iPTを演算し、それを変速比指令値演算部B3に出力する。
【0023】
到達変速比iPTは、例えば、スロットル開度TVOをパラメータとして出力軸回転信号Nsecに応じた到達変速比iPTを設定したマップを参照することにより求められる。
【0024】
実変速比演算部B2は、変速機構部17の入力軸回転信号Npriと出力軸回転信号Nseから、
【0025】
【数1】
により、変速機構部17の実変速比iPRを演算し、それを変速指令値演算部B3に出力する。
【0026】
変速指令値演算部B3は、到達変速比iPTと実変速比iPRに基づき、設計者が希望する変速比応答を実現するための変速比指令値iPCFを演算し、それを変速比指令値変換部B4に出力する。
【0027】
変速比指令値変換部B4は、変速比指令値iPCFをステップモータ2の角位置と変速機構部17の変速比との関係を規定するマップを参照して角位置指令値θcに変換し、それをステップモータ2に出力する。
【0028】
次に、図2から図3を参照しながら、CVTコントロールユニット1が実行する変速比制御について詳述する。なお、図3は、変速比制御システムのブロック図である。
【0029】
変速比制御システムは大きく分けて動特性補償部B31と、応答性補償部B32と、変速比指令値変換部B4と、無段変速機4(ステップモータ2、油圧コントロールユニット3、変速機構部17)とから構成される。
【0030】
ここで無段変速機4の動特性は次式に示すような一次遅れと無駄時間で表すことができる。
【0031】
【数2】
ただし、L:無駄時間
s:微分演算子
KP:無段変速機4のゲイン
TP:無段変速機4の動特性を表す時定数
iP:変速比
sD:変速方向
PL:ライン圧(プーリ5、6の溝幅を変更する油圧源の圧力)
である。
【0032】
ステップモータ2の角位置に対する変速機構部17の変速比は、図4に示すように比例関係にないので、無段変速機4のゲインKPは変速機構部17の実変速比iPRに応じて算出される。なお、図4は、ステップモータ2の角位置(ステップ数)と変速比の関係を示している。
【0033】
また、無段変速機4の動特性を表わす時定数TPは、実変速比iPR、変速方向SD(アップシフト方向またはダウンシフト方向)、ライン圧力PLに応じて変化するので、実変速比iPR、変速方向sD、ライン圧力PL、から同定実験に基づき作成した図5に示すマップを参照して算出される。
【0034】
なお、変速方向の算出方法は特開平8−338515号公報に、変速制御弁の変位量に基づき開口方向を演算する方法として開示されており、これと同様にして算出すればよい。また、図5は、ライン圧と変速方向をパラメータとした変速比と時定数の関係を示すマップである。
【0035】
以上のことを踏まえ、図4に示す変速比制御システムの各要素について説明するbまず、動特性補償部B31について説明すると、動特性補償部B31はいわゆるフィードフォワード補償器であり、設計者が希望する変速比応答が後述するTTを用いて次の(3)式が、
【0036】
【数3】
で与えられると、実変速比iPRが動特性GT(s)で追従するように、次の(4)式に基づき動特性補償出力iPFFを演算する。つまり、動特性補償部B31は、1次/1次のフィルタで構成される。
【0037】
【数4】
ここで、本発明の要点である図3の規範応答時定数補正部B36における規範応答の時定数TTの算出方法について、図6に示すフローチャートに基づき説明する。
【0038】
ステップ1:規範応答時定数算出部B35にて、設計者が希望する変速比応答を得るための時定数TMを、後述する目標変速比iPMと到達変速比iPTの偏差eipを入力とし、図7に示す予め設定されたマップから求める。なお、図8のマップは変速比偏差eipと設計者が希望する変速比応答を得るための時定数TMの関係を予め設定したものである。
【0039】
ステップ2:変速方向SDと実変速比iPRから、図8に示す時定数リミッタマップより時定数リミッタTLIMを求める。なお、図8のマップは、図8(A)が変速方向SD=ダウンシフトのときの実変速比と時定数リミッタTLIMの関係を示し、図8(B)が変速方向SD=アップシフトのときの実変速比と時定数リミッタTLIMの関係を示している。
【0040】
ステップ3:設計者が予め設定した時定数TMと時定数リミッタTLIMを比較し、規範応答時定数TTを次の(5)、(6)式より求める。
【0041】
TM>TLIM ならば TT=TM ………(5)
TM<TLIM ならば TT=TLIM ………(6)
なお、図9に示す時定数リミッタTLIMの最大値TLIM MAXは、ステップモータを1ステップ進めたときの無段変速機4の時定数とする。また、最小値はステップモータの駆動速度を考慮して、無段変速機4が実現できる最も速い応答の時定数とする。
【0042】
あるいは、規範応答の時定数を算出する際、上述する偏差eipを使用しない場合、上述の時定数リミッタTLIMを規範応答の時定数TTとしてもよい。
【0043】
次に、応答性補正部B32について説明する。
【0044】
この応答性補正部B32は目標変速比演算部B33と動特性補償出力補正部B34から構成される。
【0045】
目標変速比演算部B33では、到達変速比iPTを入力とし設計者が希望する変速比応答である目標変速比iPMを(7)式に基づき演算する。目標変速比iPMは実変速比iPRが最終的な到達変速比iPTに至るまでの過渡的な目標変速比である。
【0046】
【数5】
なお、次式に示すように制御対象の無駄時間相当の遅れを考慮してもよい。
【0047】
【数6】
動特性補償出力補正部B34では、特開平11−325761号公報にて開示されているように、積分特性を有し、制御対象の時定数TPの変化および無駄時間e−LSに対し安定性が補償されているフィルタを用いて動特性補償出力補正値iPFBを補正規範応答iPKと実変速比iPRから算出する。
【0048】
動特性補償出力補正値iPFB、動特性補償出力iPFFから変速比指令値iPCは(9)式より算出される。
【0049】
【数7】
この(9)式から算出される最終変速比指令値iPCを用いることにより、パラメータ変動や外乱の影響を受けにくく、かつ設計者が希望する変速比応答が得られる。ただし、変速機構部17の変速比とステップモータ2の角位置は比例関係にないので、変速比指令値変換部B4において、図4に示したマップを参照して変速比指令値iPCをステップモータ角位置指令値θcに変換し、これをステップモータ2に出力する。
【0050】
次に、従来の変速比制御システムと本発明の変速比応答性について比較を行なう。
【0051】
図9は従来の変速比制御システム、図10は本発明の変速比制御システムを用いた場合を示し、無段変速機4の時定数が大きくなる最LOW付近におけるダウンシフト方向でスイッチ変速(キックダウン変速)を行った結果である。
【0052】
従来のシステムでは、図9で示すように、ステップモータが最LOWストッパ(機構的原点)に到達することで、規範応答(図中破線ip ref)と実変速比(図中実線ip real)の偏差が生じている区間(図中時間で1.5秒から2.7秒)でフィードバック補償器出力が増大するのに対し、ステップモータの角位置が機構的原点を超えることができないため、応答性補償部(動特性補償出力補正部)に積分値が蓄積され、図中時間で3秒から7秒の期間でオーバーシュート量の大きな変速比応答となる。このオーバーシュート量は、エンジン回転数メータにも顕著に現れ、ドライバに違和感を与えたり、燃費に影響を与えたりしてしまう。
【0053】
一方、本発明の変速比制御システムでは、図10で示すように、規範応答(図中破線ip ref)の時定数に最小値リミッタを施すことで、フィードバック補償器出力の増大は0.02程度に抑制され、上記図9の従来例の最大値0.06に比して大幅に低減された値となり、目標変速比の到達時間(図中実変速比ip realが到達変速比ip cmdに位置する時間)は図中約3秒と遅くなるが、オーバーシュートすることなく、動特性補償出力補正部B34に偏差iP(実変速比と目標変速比の偏差)の積分値が溜まるのを防止できることがわかる。また、従来システムに対する遅れ時間は、実用上問題はない。
【0054】
こうして、進み補償により時定数の小さな変速比応答を行う場合、ダウンシフト方向では図8(A)のように、実変速比iPRが1.8を超える最Low側の変速領域では時定数リミッタTLIMの値を増大しておき、また、アップシフト方向では図8(B)のように、実変速比iPRが0.6以下になる最HIGH側の変速領域では時定数リミッタTLIMの値を増大しておくことで、設計者が設定した時定数TMと時定数リミッタTLIMを比較して値の大きな方を規範応答の時定数TTとすることにより、ステップモータ2の機械原点近傍の最LOW側でのダウンシフトと、変速制御弁の最大変位量近傍となる最HIGH側でのアップシフトの際に、動特性補償出力補正部B34に偏差iPの積分値が溜まるのを回避して、オーバーシュートを防止しながら、最LOW近傍と最HIGH近傍以外では規範応答の時定数TTを小さくして、進み補償を行って迅速な過渡応答特性を得ることが可能となる。
【0055】
また、最LOW、最HIGH近傍での規範応答の時定数TTを、ステップモータ2の最小ステップ数(最小制御単位)で実現できる無段変速機4の時定数まで大きくしても良く、この場合、無段変速機で実現できる規範応答をサーボ入力(応答性補償部B32の入力)として演算することで、規範応答と実変速比の偏差がフィードバック補償器(動特性補償出力補正部B34)に必要以上蓄積されるのを防いで、良好な変速比応答を得ることができる。
【0056】
以上、本発明をVベルト式無段変速機の変速比制御システムに適用した実施形態について説明したが、本発明の適用可能な範囲はこれに限定されるものでは無く、ステップモータ等を用いて変速比制御を行う変速比制御システムであれば広く適用できるものである。また、変速比制御システムのブロック図もここで示したものに限定されるものではなく、これらと等価なものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す無段変速機の変速制御システムの概略構成図。
【図2】同じくコントローラの概略構成図。
【図3】変速比制御システムのブロック図。
【図4】ステップモータの位置と変速比の関係を示すマップである。
【図5】変速方向とライン圧をパラメータとした変速比と時定数のマップである。
【図6】変速制御の処理の一例を示すフローチャート。
【図7】変速比偏差と時定数TMとの関係を示すマップである。
【図8】変速方向と変速比と時定数リミッタTLIMの関係を示すマップで、(A)はダウンシフト時の時定数リミッタTLIMのマップ、(B)はアップシフト時の定数リミッタTLIMのマップである。
【図9】従来の変速比制御システムでスイッチ変速を行ったときのグラフで、変速比、ステップモータの位置、フィードバック補償器出力及び規範応答時定数と時間(秒)の関係を示す。
【図10】本発明の変速比制御システムでスイッチ変速を行ったときのグラフで、変速比、ステップモータの位置、フィードバック補償器出力及び規範応答時定数と時間(秒)の関係を示す。
【図11】進み補償の説明図で、(A)は通常の変速応答における変速比とステップモータの位置(ステップ数)と時間の関係を示すグラフで、(B)は進み補償を行ったときの変速応答における変速比とステップモータの位置(ステップ数)と時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 CVTコントロールユニット
4 無段変速機
B1 到達変速比演算部
B2 実変速比演算部
B3 変速比指令値演算部
B4 変速比指令値変換部
B31 動特性補償部
B32 応答性補償部
B35 規範応答時定数算出部
B36 規範応答時定数補正部
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の変速比を制御する変速比制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ステップモータ等を用いて変速制御弁を駆動することで可変プーリのプーリ溝幅を変更し、設計者が希望する動特性で変速比が目標とする変速比に追従するように変速制御を行うVベルト式無段変速機が知られている。
【0003】
このようなVベルト式無段変速機の変速比制御システムとしては、例えば、特開平2000−240780号公報等に開示されたものがある。
【0004】
このような変速比制御システムでは、設計者が希望する変速比応答を実現する動特性補償部と、目標変速比と実変速比の偏差から動特性補償部の出力を補正する応答性補償部から構成される。この制御系は2自由度設計であるため、設計者は希望する変速比応答(以下規範応答とする)を安定性とは独立して設定できる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−240780号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、高変速比領域(HIGH側)と低変速比領域(LOW側)にて規範応答の時定数を制御対象の時定数より小さく設定した場合、つまり、進み補償を施した場合、PI制御などによるフィードバック補償器に偏差が蓄積され、変速比応答が悪化するという問題点があった。
【0007】
これは、高変速比領域と低変速比領域では、他の領域と比べ変速機のアクチュエータであるステップモータの可動範囲に制限があり、実現できる変速比応答が遅い、換言すれば、制御対象の時定数が規範応答と比較して大きいことに起因する。
【0008】
たとえば、ステップモータを20ステップ進めた場合、図11(A)に示す変速比応答が得られる変速機において、10ステップ分に相当する変速比指令値に対し、進み補償器を用いて、一時的にステップモータを20ステップ進め、その後10ステップ戻すことで、図11(B)に示す時定数の小さな変速比応答を得ることができる。
【0009】
しかし、低変速比領域(最LOW付近)におけるダウンシフトでは、機構的な制限によって最LOW側に20ステップ分のステップモータ可動量が存在しない場合、図11(B)に示す変速比応答を実現することができない、という問題があり、このときフィードバック補償器に偏差が蓄積され、変速比応答が悪化するのである。このことは、高変速比領域(最HIGH付近)のアップシフトでも同様のことが言える。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、実際の変速比応答が規範応答に比して低い領域でフィードバック補償器の偏差が蓄積されるのを防いで、変速比応答の悪化を防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運転状態に応じて無段変速機の到達変速比を演算する到達変速比演算手段と、前記到達変速比と規範応答に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段と、前記目標変速比と実変速比との偏差に基づき変速比指令値のフィードバック補正量を演算するフィードバック補正量演算手段と、前記規範応答と無段変速機の動特性に基づいてフィードフォワードによる動特性補償出力を演算するフィードフォワード補償手段と、前記フィードバック補正量とフィードフォワード動特性補償出力に基づいて前記変速比指令値を補正する変速比指令値補正手段と、補正後の変速比指令値に基づき無段変速機を制御する制御手段と、を備えた無段変速機の変速比制御装置において、
前記到達変速比と目標変速比の偏差から規範応答の時定数を算出する規範応答時定数算出手段と、この時定数を、実変速比に基づいて実現可能な変速比応答となる値に補正する時定数補正手段と、を備えて、アクチュエータの機構的な可動範囲を超えないように、規範応答の時定数を補正する。
【0012】
【発明の効果】
したがって本発明は、無段変速機で実現可能な規範応答をサーボ入力(目標変速比演算手段の入力)として演算することで規範応答と実変速比の偏差がフィードバック補正量演算手段に蓄積されるのを確実に防ぎ、良好な変速比応答を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、発明を適用したVベルト式無段変速機の変速比制御装置の概略構成図を示し、変速比制御システムは、無段変速機4と、その変速比を制御するCVTコントロールユニット1とから構成される。
【0015】
無段変速機4は、前後進切替機構10及びトルクコンバータ11を介して図示しないエンジンに接続される変速機構部17と、変速機構部17への油圧供給を制御する油圧コントロールユニット3と、油圧コントロールユニット3内の図示しない変速制御弁を駆動するステップモータ2とを備える。
【0016】
変速機構部17は、プーリ溝幅を変更可能な一対の可変プーリ5、6と、それらに掛け回されるVベルト7とを備えたいわゆるVベルト式無段変速機構であり、可変プーリ5、6のプーリ溝幅を変更することで変速比を無段階に変更することができる。
【0017】
油圧コントロールユニット3内の変速制御弁(図示省略)は、ステップモータ2の角位置(ステップ数)に応じて駆動され、可変プーリ5、6の可動円錐板の背面に設けられた油圧シリンダ8、9に供給される油圧が調整される。この結果、可変プーリ5、6のプーリ溝幅が相反的に変更され、変速機構部17の変速比が変更される。なお、ステップモータ2は図示しない原点ストッパ(機構的限界位置)により最LOW側での変位を規制され、また、最HIGH側では変速制御弁等の変位限界(機構的限界位置)により変位を規制されるもので、ステップモータ2の各位置(ステップ数)は、最LOW側と最HIGH側の機構的限界位置の間(機構的可動範囲)で変位可能に設定される。
【0018】
CVTコントロールユニット1には、スロットル開度センサ12からのスロットル開度信号TVO(またはアクセル操作量に応じた信号)、インヒビタースイッチ13からのシフトレバー位置信号、油温センサ14からの油温信号の他、変速機構部17の入力回転速度センサ15からの入力回転速度信号Npri、出力回転速度センサ16からの出力回転速度信号Nsec等が入力される。
【0019】
CVTコントロールユニット1は、これら各種入力信号に基づき最終的な目標変速比である到達変速比iPTを演算し、変速機構部17の実変速比iPRが所定の動特性で到達変速比iPTに追従するよう変速比指令値iPCFを演算する。そして、変速比指令値iPCFはCVTコントロールユニット1で角位置指令値θCに変換された後ステップモータ2に出力される。
【0020】
CVTコントロールユニット1の内部構成を図2に示す。
【0021】
図2に示すように、CVTコントロールユニット1は、到達変速比演算部B1と、実変速比演算部B2と、変速比指令値演算部B3と、変速比指令値変換部B4から構成される。
【0022】
到達変速比演算部B1は、上述したスロットル開度信号TVO、入力軸回転信号(入力軸回転速度)Npri、出力軸回転信号(出力軸回転速度)NSEC等に基づき到達変速比iPTを演算し、それを変速比指令値演算部B3に出力する。
【0023】
到達変速比iPTは、例えば、スロットル開度TVOをパラメータとして出力軸回転信号Nsecに応じた到達変速比iPTを設定したマップを参照することにより求められる。
【0024】
実変速比演算部B2は、変速機構部17の入力軸回転信号Npriと出力軸回転信号Nseから、
【0025】
【数1】
により、変速機構部17の実変速比iPRを演算し、それを変速指令値演算部B3に出力する。
【0026】
変速指令値演算部B3は、到達変速比iPTと実変速比iPRに基づき、設計者が希望する変速比応答を実現するための変速比指令値iPCFを演算し、それを変速比指令値変換部B4に出力する。
【0027】
変速比指令値変換部B4は、変速比指令値iPCFをステップモータ2の角位置と変速機構部17の変速比との関係を規定するマップを参照して角位置指令値θcに変換し、それをステップモータ2に出力する。
【0028】
次に、図2から図3を参照しながら、CVTコントロールユニット1が実行する変速比制御について詳述する。なお、図3は、変速比制御システムのブロック図である。
【0029】
変速比制御システムは大きく分けて動特性補償部B31と、応答性補償部B32と、変速比指令値変換部B4と、無段変速機4(ステップモータ2、油圧コントロールユニット3、変速機構部17)とから構成される。
【0030】
ここで無段変速機4の動特性は次式に示すような一次遅れと無駄時間で表すことができる。
【0031】
【数2】
ただし、L:無駄時間
s:微分演算子
KP:無段変速機4のゲイン
TP:無段変速機4の動特性を表す時定数
iP:変速比
sD:変速方向
PL:ライン圧(プーリ5、6の溝幅を変更する油圧源の圧力)
である。
【0032】
ステップモータ2の角位置に対する変速機構部17の変速比は、図4に示すように比例関係にないので、無段変速機4のゲインKPは変速機構部17の実変速比iPRに応じて算出される。なお、図4は、ステップモータ2の角位置(ステップ数)と変速比の関係を示している。
【0033】
また、無段変速機4の動特性を表わす時定数TPは、実変速比iPR、変速方向SD(アップシフト方向またはダウンシフト方向)、ライン圧力PLに応じて変化するので、実変速比iPR、変速方向sD、ライン圧力PL、から同定実験に基づき作成した図5に示すマップを参照して算出される。
【0034】
なお、変速方向の算出方法は特開平8−338515号公報に、変速制御弁の変位量に基づき開口方向を演算する方法として開示されており、これと同様にして算出すればよい。また、図5は、ライン圧と変速方向をパラメータとした変速比と時定数の関係を示すマップである。
【0035】
以上のことを踏まえ、図4に示す変速比制御システムの各要素について説明するbまず、動特性補償部B31について説明すると、動特性補償部B31はいわゆるフィードフォワード補償器であり、設計者が希望する変速比応答が後述するTTを用いて次の(3)式が、
【0036】
【数3】
で与えられると、実変速比iPRが動特性GT(s)で追従するように、次の(4)式に基づき動特性補償出力iPFFを演算する。つまり、動特性補償部B31は、1次/1次のフィルタで構成される。
【0037】
【数4】
ここで、本発明の要点である図3の規範応答時定数補正部B36における規範応答の時定数TTの算出方法について、図6に示すフローチャートに基づき説明する。
【0038】
ステップ1:規範応答時定数算出部B35にて、設計者が希望する変速比応答を得るための時定数TMを、後述する目標変速比iPMと到達変速比iPTの偏差eipを入力とし、図7に示す予め設定されたマップから求める。なお、図8のマップは変速比偏差eipと設計者が希望する変速比応答を得るための時定数TMの関係を予め設定したものである。
【0039】
ステップ2:変速方向SDと実変速比iPRから、図8に示す時定数リミッタマップより時定数リミッタTLIMを求める。なお、図8のマップは、図8(A)が変速方向SD=ダウンシフトのときの実変速比と時定数リミッタTLIMの関係を示し、図8(B)が変速方向SD=アップシフトのときの実変速比と時定数リミッタTLIMの関係を示している。
【0040】
ステップ3:設計者が予め設定した時定数TMと時定数リミッタTLIMを比較し、規範応答時定数TTを次の(5)、(6)式より求める。
【0041】
TM>TLIM ならば TT=TM ………(5)
TM<TLIM ならば TT=TLIM ………(6)
なお、図9に示す時定数リミッタTLIMの最大値TLIM MAXは、ステップモータを1ステップ進めたときの無段変速機4の時定数とする。また、最小値はステップモータの駆動速度を考慮して、無段変速機4が実現できる最も速い応答の時定数とする。
【0042】
あるいは、規範応答の時定数を算出する際、上述する偏差eipを使用しない場合、上述の時定数リミッタTLIMを規範応答の時定数TTとしてもよい。
【0043】
次に、応答性補正部B32について説明する。
【0044】
この応答性補正部B32は目標変速比演算部B33と動特性補償出力補正部B34から構成される。
【0045】
目標変速比演算部B33では、到達変速比iPTを入力とし設計者が希望する変速比応答である目標変速比iPMを(7)式に基づき演算する。目標変速比iPMは実変速比iPRが最終的な到達変速比iPTに至るまでの過渡的な目標変速比である。
【0046】
【数5】
なお、次式に示すように制御対象の無駄時間相当の遅れを考慮してもよい。
【0047】
【数6】
動特性補償出力補正部B34では、特開平11−325761号公報にて開示されているように、積分特性を有し、制御対象の時定数TPの変化および無駄時間e−LSに対し安定性が補償されているフィルタを用いて動特性補償出力補正値iPFBを補正規範応答iPKと実変速比iPRから算出する。
【0048】
動特性補償出力補正値iPFB、動特性補償出力iPFFから変速比指令値iPCは(9)式より算出される。
【0049】
【数7】
この(9)式から算出される最終変速比指令値iPCを用いることにより、パラメータ変動や外乱の影響を受けにくく、かつ設計者が希望する変速比応答が得られる。ただし、変速機構部17の変速比とステップモータ2の角位置は比例関係にないので、変速比指令値変換部B4において、図4に示したマップを参照して変速比指令値iPCをステップモータ角位置指令値θcに変換し、これをステップモータ2に出力する。
【0050】
次に、従来の変速比制御システムと本発明の変速比応答性について比較を行なう。
【0051】
図9は従来の変速比制御システム、図10は本発明の変速比制御システムを用いた場合を示し、無段変速機4の時定数が大きくなる最LOW付近におけるダウンシフト方向でスイッチ変速(キックダウン変速)を行った結果である。
【0052】
従来のシステムでは、図9で示すように、ステップモータが最LOWストッパ(機構的原点)に到達することで、規範応答(図中破線ip ref)と実変速比(図中実線ip real)の偏差が生じている区間(図中時間で1.5秒から2.7秒)でフィードバック補償器出力が増大するのに対し、ステップモータの角位置が機構的原点を超えることができないため、応答性補償部(動特性補償出力補正部)に積分値が蓄積され、図中時間で3秒から7秒の期間でオーバーシュート量の大きな変速比応答となる。このオーバーシュート量は、エンジン回転数メータにも顕著に現れ、ドライバに違和感を与えたり、燃費に影響を与えたりしてしまう。
【0053】
一方、本発明の変速比制御システムでは、図10で示すように、規範応答(図中破線ip ref)の時定数に最小値リミッタを施すことで、フィードバック補償器出力の増大は0.02程度に抑制され、上記図9の従来例の最大値0.06に比して大幅に低減された値となり、目標変速比の到達時間(図中実変速比ip realが到達変速比ip cmdに位置する時間)は図中約3秒と遅くなるが、オーバーシュートすることなく、動特性補償出力補正部B34に偏差iP(実変速比と目標変速比の偏差)の積分値が溜まるのを防止できることがわかる。また、従来システムに対する遅れ時間は、実用上問題はない。
【0054】
こうして、進み補償により時定数の小さな変速比応答を行う場合、ダウンシフト方向では図8(A)のように、実変速比iPRが1.8を超える最Low側の変速領域では時定数リミッタTLIMの値を増大しておき、また、アップシフト方向では図8(B)のように、実変速比iPRが0.6以下になる最HIGH側の変速領域では時定数リミッタTLIMの値を増大しておくことで、設計者が設定した時定数TMと時定数リミッタTLIMを比較して値の大きな方を規範応答の時定数TTとすることにより、ステップモータ2の機械原点近傍の最LOW側でのダウンシフトと、変速制御弁の最大変位量近傍となる最HIGH側でのアップシフトの際に、動特性補償出力補正部B34に偏差iPの積分値が溜まるのを回避して、オーバーシュートを防止しながら、最LOW近傍と最HIGH近傍以外では規範応答の時定数TTを小さくして、進み補償を行って迅速な過渡応答特性を得ることが可能となる。
【0055】
また、最LOW、最HIGH近傍での規範応答の時定数TTを、ステップモータ2の最小ステップ数(最小制御単位)で実現できる無段変速機4の時定数まで大きくしても良く、この場合、無段変速機で実現できる規範応答をサーボ入力(応答性補償部B32の入力)として演算することで、規範応答と実変速比の偏差がフィードバック補償器(動特性補償出力補正部B34)に必要以上蓄積されるのを防いで、良好な変速比応答を得ることができる。
【0056】
以上、本発明をVベルト式無段変速機の変速比制御システムに適用した実施形態について説明したが、本発明の適用可能な範囲はこれに限定されるものでは無く、ステップモータ等を用いて変速比制御を行う変速比制御システムであれば広く適用できるものである。また、変速比制御システムのブロック図もここで示したものに限定されるものではなく、これらと等価なものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す無段変速機の変速制御システムの概略構成図。
【図2】同じくコントローラの概略構成図。
【図3】変速比制御システムのブロック図。
【図4】ステップモータの位置と変速比の関係を示すマップである。
【図5】変速方向とライン圧をパラメータとした変速比と時定数のマップである。
【図6】変速制御の処理の一例を示すフローチャート。
【図7】変速比偏差と時定数TMとの関係を示すマップである。
【図8】変速方向と変速比と時定数リミッタTLIMの関係を示すマップで、(A)はダウンシフト時の時定数リミッタTLIMのマップ、(B)はアップシフト時の定数リミッタTLIMのマップである。
【図9】従来の変速比制御システムでスイッチ変速を行ったときのグラフで、変速比、ステップモータの位置、フィードバック補償器出力及び規範応答時定数と時間(秒)の関係を示す。
【図10】本発明の変速比制御システムでスイッチ変速を行ったときのグラフで、変速比、ステップモータの位置、フィードバック補償器出力及び規範応答時定数と時間(秒)の関係を示す。
【図11】進み補償の説明図で、(A)は通常の変速応答における変速比とステップモータの位置(ステップ数)と時間の関係を示すグラフで、(B)は進み補償を行ったときの変速応答における変速比とステップモータの位置(ステップ数)と時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 CVTコントロールユニット
4 無段変速機
B1 到達変速比演算部
B2 実変速比演算部
B3 変速比指令値演算部
B4 変速比指令値変換部
B31 動特性補償部
B32 応答性補償部
B35 規範応答時定数算出部
B36 規範応答時定数補正部
Claims (4)
- 運転状態に応じて無段変速機の到達変速比を演算する到達変速比演算手段と、
前記到達変速比と規範応答に基づいて目標変速比を演算する目標変速比演算手段と、
前記目標変速比と実変速比との偏差に基づき変速比指令値のフィードバック補正量を演算するフィードバック補正量演算手段と、
前記規範応答と無段変速機の動特性に基づいてフィードフォワードによる動特性補償出力を演算するフィードフォワード補償手段と、
前記フィードバック補正量とフィードフォワード動特性補償出力に基づいて前記変速比指令値を補正する変速比指令値補正手段と、
補正後の変速比指令値に基づき無段変速機を制御する制御手段と、を備えた無段変速機の変速比制御装置において、
前記到達変速比と目標変速比の偏差から規範応答の時定数を算出する規範応答時定数算出手段と、
この時定数を、実変速比に基づいて実現可能な変速比応答となる値に補正する時定数補正手段と、
を備えたことを特徴とする無段変速機の変速比制御装置。 - 前記時定数補正手段は、実変速比が最LOW近傍でダウンシフトの場合には規範応答の時定数を増大し、実変速比が最HIGH近傍でアップシフトの場合には規範応答の時定数を増大し、その他の場合に規範応答の時定数を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速比制御装置。
- 前記無段変速機は変速比を変更するアクチュエータを備え、
前記時定数補正手段は、規範応答の時定数を大きくする場合に、前記アクチュエータの最小制御単位で駆動可能な時定数まで増大することを特徴とする請求項2に記載の無段変速機の変速比制御装置。 - 前記無段変速機は変速比を変更するアクチュエータを備え、
前記時定数補正手段は、アクチュエータの機構的な可動範囲を超えないように、規範応答の時定数を補正することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載の無段変速機の変速比制御装置。
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