JP3509296B2 - 無段変速機付き車両の制御装置 - Google Patents

無段変速機付き車両の制御装置

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JP3509296B2
JP3509296B2 JP14766095A JP14766095A JP3509296B2 JP 3509296 B2 JP3509296 B2 JP 3509296B2 JP 14766095 A JP14766095 A JP 14766095A JP 14766095 A JP14766095 A JP 14766095A JP 3509296 B2 JP3509296 B2 JP 3509296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無段変速機を備えた車
両においてエンジン及び変速機を制御する制御装置の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる無段変速機では、目標
変速比と入力トルクに基づいて、実際の変速比のずれを
変速制御コントローラで補正しており、このような制御
装置としては、特開平2−3751号公報、特開平4−
165155号公報などが知られている。
【0003】前者の無段変速機では、Vベルト式無段変
速機のベルト挟持力をエンジントルクに比例して調整す
ることで、トルクの伝達を安定させる一方、後者では、
エンジントルクの増大に応じて変速比を制御するアクチ
ュエータを変速比が小さくなる側へ補正して、エンジン
トルクの変動に対する変速比の安定性を確保するもの
で、変速比のずれを防ごうとするもので、スロットル開
度が増大して大きくダウンシフトする場合には、無段変
速機に生ずる変速比のずれを補正することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、無段変速機
では図13の図中Sレンジに示すように、所定の車速範
囲で変速比を固定してマニュアル変速機と同様な運転性
を提供するスポーツモードなどが設定可能であり、通常
の変速制御(例えば、Dレンジなど)ではスロットル開
度TVOをパラーメータとして変速比を変化させるのに
対して、図13のSレンジでは、スロットル開度TVO
に拘わらず所定の範囲で変速比を固定するものである。
【0005】しかしながら、上記従来の制御装置におい
ては、変速比の変化が大きい場合(スロットル開度TV
Oの全開付近への変化等)には確実に補正を行うことが
できるが、所定の車速範囲で変速比を固定するスポーツ
モードによって変速制御を行う場合や、変速比の変化が
小さいような変速パターンにおいて、スロットル開度T
VOの変動量が小さい場合には、図14に示すように、
時間Taにおいて、スロットル開度TVOが0から3/
8まで増大すると、エンジントルクの変動に起因して無
段変速機では実際の変速比が変動するトルクシフトが発
生し、エンジントルクの増大に応じて実際の変速比は所
定値よりも大きい側へずれてシフトダウンすることにな
り、このシフトダウンの補正は変速比を制御するアクチ
ュエータとしてのステップモータによって行われるが、
アクチュエータの制御量は応答特性に制限されるため、
シフトダウンによる入力軸回転数の増大に追従できず、
アクチュエータによる補正が効いて変速比が再び所定値
へ向けて減少を開始する時間Tbからは、変速比の減少
によってアップシフトとなるため、一時的に増大した入
力軸回転数によって出力軸のトルクは図中A部に示すよ
うに突出し、この急激なトルク変動によって出力軸の回
転数が変動するため、スロットル開度TVOの変動が小
さい領域において運転性が低下する場合があり、同様に
して、スロットル開度TVOの変化に対してダウンシフ
ト量が小さい場合(入力軸の目標回転数の上昇が小さい
場合)や、あるいはスロットル開度TVOの変化に対し
てアップシフト量が小さい場合(入力軸の目標回転数の
減少が小さい場合)でも同様にして、出力軸のトルクが
急変するため運転性が低下するという問題があった。
【0006】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、スロットル開度TVOの変動量が小さい場
合においても出力軸の過大なトルク変動を抑制可能な無
段変速機付き車両の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図15に
示すように、無段変速機10の変速比を変更する変速比
変更手段201と、車両の運転状態に応じて目標変速比
を演算するとともに、この目標変速比に応じて前記変速
比変更手段201を制御する変速制御手段200と、車
両の運転状態に応じてエンジン1を制御するエンジン制
御手段210とを備えた無段変速機付き車両の制御装置
において、前記目標変速比からの変速比の偏差を検出す
る偏差検出手段202と、この偏差に応じた必要補正量
を前記変速比変更手段へ指令する補正手段203と、前
記必要補正量が変速比変更手段で追従可能な所定の補正
可能量以下にあるか否かを判定する判定手段204と、
この判定において補正可能量よりも必要補正量の方が大
きい場合に、前記エンジン制御手段210にトルクダウ
ンを要求するトルク低減手段211とを備える。
【0008】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記変速制御手段は、所定の車速範囲で目標変速
比を所定値に固定する。
【0009】また、第3の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記判定手段は、前記偏差の大きさに
応じて変化する所定の補正可能量に基づいて必要補正量
の判定を行う。
【0010】
【作用】したがって、第1の発明は、無段変速機に入力
されたエンジンのトルクが変動すると、目標変速比から
の偏差に応じて変速比変更手段は実際の変速比を補正す
るが、このとき、偏差に応じた必要補正量が変速比変更
手段で追従可能な所定の補正可能量を越える場合には、
変速比変更手段による補正ではトルク変動に追従できな
いと判定してエンジン制御手段へトルクダウンを要求
し、一時的に無段変速機へ入力されるトルクを低減しな
がら変速比の補正を行うため、変速比変更手段の応答遅
れを補償して、運転性を損なうことなくエンジントルク
の変動に応じて発生する無段変速機のトルクシフトを迅
速かつ確実に補正することができ、特に、スロットル開
度の変化が少ない場合、すなわち、目標変速比の変化が
小さい場合においても、出力軸に発生する急激な回転数
及びトルク変動を抑制しながら円滑にトルクシフトを補
正することができる。
【0011】また、第2の発明は、変速制御手段は、所
定の車速範囲ではスロットル開度等に拘わらず目標変速
比を所定値に設定したため、スロットル開度の変化に応
じて発生するトルクシフトを迅速かつ確実に抑制しなが
らも、出力軸の急激なトルク変動を抑制することができ
る。
【0012】また、第3の発明は、補正可能量を偏差の
大きさに応じて変化させたため、ダウンシフト量が小さ
い場合や、変速比を維持する場合などで、目標変速比が
大きく変化せずにスロットル開度の変化が小さい場合に
おいても、一時的にエンジントルクを低減することで急
激な回転数又はトルク変動を抑制することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0014】図1に示すように、無段変速機10は変速
制御コントローラ2に制御される変速比変更手段9によ
って、車両の運転状態に応じた所定の変速比に設定され
る。
【0015】変速制御コントローラ2は、エンジン1を
制御するエンジン制御コントローラ3に接続されて、ク
ランク角センサ8が検出したエンジン回転数Neとスロ
ットル開度TVO及びトルクダウン量Tdwを読み込む
一方、無段変速機10の入力軸回転センサ6及び出力軸
回転センサ7からの入力軸回転数Nt及び出力軸回転数
Noを読み込んで、変速比変更手段9へ運転状態に応じ
た目標変速比RTOを指令する。
【0016】ここで、無段変速機10としては、図2、
図3に示すようなハーフトロイダル型無段変速機で構成
され、エンジン1に結合されるトルクコンバータ12と
無段変速機10との間に前後進切換装置40を介装し
て、無段変速機10の入力軸16の回転方向を切り換え
ている。
【0017】無段変速機10は第1トロイダル変速部1
8と第2トロイダル変速部20から構成されて2組の入
出力ディスク18a、18b及び20a、20bを備え
た例を示し、第1トロイダル変速部18の入力ディスク
18aと出力ディスク18bとの間に挟持される一対の
パワーローラ18cは図3に示すように、オフセットさ
れた回転軸50bに軸支される。
【0018】この回転軸50bは軸回りの回動を許容す
るトラニオン軸50aに支持されて、トラニオン軸50
aはアクチュエータ50によって図中上下方向へ駆動さ
れ、トラニオン軸50aの上下方向の変位に応じてパワ
ーローラ18cの傾斜角を変更することで変速比を連続
的に変更する。なお、他のパワーローラもそれぞれ図示
しない回転軸、トラニオン軸及びアクチュエータを備え
る。
【0019】図3に示すように、このアクチュエータ5
0は変速比変更手段9としてのコントロールバルブ60
に制御され、コントロールバルブ60は変速制御コント
ローラ2の指令に応動するステップモータ61によって
スプール63を変位させて、トラニオン軸50aを上昇
駆動する油室50Lと、下降駆動する油室50Hへ選択
的に油圧を供給することでピストン50Pに結合された
トラニオン軸50aを上下方向に駆動してパワーローラ
18cの傾斜角を変更し、トラニオン軸50aの上昇で
変速比は減少してHi側へアップシフトする一方、下降
すると変速比は増大してLow側へダウンシフトする。
【0020】なお、トラニオン軸50aの図中下端に
は、トラニオン軸50aの変位量をコントロールバルブ
60へフィードバックするプリセスカム67が配設さ
れ、プリセスカム67を介して駆動されるスリーブ64
がコントロールバルブ60とスリーブ64との間で相対
変位することでアクチュエータ50に供給される油圧が
調整される。
【0021】変速制御コントローラ2は、演算した目標
変速比RTOに基づいてコントロールバルブ60のスプ
ールの変位量を決定するとともに、この変位量に応じて
ステップモータ61を駆動して無段変速機10のパワー
ローラの傾斜角を変速比に応じた値に設定するものであ
る。
【0022】この変速制御コントローラ2で行われる制
御の一例を図4〜図7のフローチャートに示し、これら
フローチャートを参照しながら詳述する。なお、各フロ
ーチャートは所定時間毎、例えば10msec毎にそれぞれ
実行されるものである。
【0023】図4は車両の運転状態を検出するフローチ
ャートで、ステップS1では、エンジン回転数Ne、ス
ロットル開度TVO、トルクダウン量Tdw及び吸入空
気量Qaをエンジン制御コントローラ3から読み込むと
ともに、無段変速機10から入力軸回転数Nt、出力軸
回転数Noを読み込む。
【0024】そして、ステップS2では、出力軸回転数
Noに変換定数Aを乗じて車速VSPを得る。
【0025】目標変速比RTOは、図8に示すように、
前記従来例の図13に示した所定の車速範囲で変速比を
固定する変速制御を行い、演算した車速VSPから目標
入力回転数tNtを演算するとともに、この目標入力回
転数tNtを車速VSPで除して目標変速比RTOを得
る。
【0026】そして、目標変速比RTOに応じてコント
ロールバルブ60を駆動するためのステップモータ61
の制御量STPを予め設定した無負荷ステップテーブル
より演算する。
【0027】図5のフローチャートは、上記ステップS
1〜2で読み込んだ運転状態に応じて変速制御を行うも
ので、まず、ステップS20では、トルクシフト補正量
を演算するために無段変速機10へ入力されるトルクT
inの推定演算を行う。この入力トルクTinは、上記
ステップS1で読み込んだエンジン回転数Ne、吸入空
気量Qa、スロットル開度TVOから演算されたエンジ
ントルクTeと、予め設定されたトルクコンバータ12
のトルク比t(e)及び変速比に応じて変化するイナー
シャIiから次式に基づいて演算する。
【0028】Tin=Te×t(e)−Ii×dNi なお、dNiは入力軸加速度を示す。
【0029】ここで、イナーシャエネルギ分のトルクを
無視できる場合には、エンジン回転数Neと吸入空気量
QaからエンジントルクTeを推定し、これにトルクコ
ンバータ12のトルク比t(e)を乗じたものを入力ト
ルクTinとして用い、この場合には次式のように表現
される。
【0030】Tin=Te(Ne,Qa)×t(e) 一方、エンジン1のトルクダウン時には、 Tin=(Te−Tdw)×t(e) とし、エンジン制御コントローラ3から得たトルクダウ
ン量Tdwを用いる。なお、このトルクダウン量Tdw
は、内部モデル等によって推定したものであってもよ
い。
【0031】ステップS21では、無段変速機10に発
生するトルクシフトを補正するための必要補正量TS1
の演算を行う。
【0032】ここで、トロイダル型の無段変速機10に
発生するトルクシフトは、図3に示したように、パワー
ローラ18cを軸支する回転軸50bの自由端には入力
トルクに応じて上下方向へ加わるため、回転軸50bの
弾性変形に応じてパワーローラ18cの傾斜角も変動
し、さらにこの上下方向の力はトラニオン軸50aにも
加わって、トラニオン軸50aは軸方向へ弾性変形する
ためパワーローラ18cの傾斜角は変動し、この他、パ
ワーローラ18cを軸支するベアリングのがた等によっ
てもパワーローラ18cの傾斜角は変動する。
【0033】これら、変速機構の弾性変形、あるいは機
構のがたによるトルクシフトは、図12に示すように、
変速比と入力トルクに応じて変化し、図中変速比Rに設
定された場合には入力トルクの増大に応じてパワーロー
ラの傾斜角が減少し、変速比はlow側のR’へ向けて
変動するもので、コントロールバルブのスプールの位置
に対応するパワーローラの傾斜角がずれて所望の変速比
から外れてしまう。
【0034】この変速比のずれを補正するために必要
な、必要補正量TS1は、入力トルクTinと目標入力
回転数tNtから決定される目標変速比RTOのマップ
(図8に示す補償ステップテーブルに相当)より演算す
る。なお、このマップは実験等により予め設定されたも
のである。
【0035】上記ステップS21は図8に示す補償ルー
プを構成するもので、演算された必要補正量TS1に無
負荷ステップテーブルから求めた目標変速比RTOに対
応する制御量STPを加えたものが、ステップモータ6
1の目標制御量DSRSTPとなる。
【0036】ステップS22では、図6に示すフローチ
ャートの処理を行って、目標制御量DSRSTPをステ
ップモータの応答速度に応じて補正する。
【0037】すなわち、図6において、ステップモータ
の単位時間当たりの制御量をDSTPとすると、ステッ
プモータへ実際に出力する制御量ASTPは目標制御量
DSRSTPとなるまで、単位時間当たりの制御量DS
TPづつ増減して、コントロールバルブ60のスプール
63を駆動する。
【0038】次に、ステップS23では、入力軸回転数
Nt、目標入力回転数tNt、必要補正量TS1からト
ルクシフトの補正可能量TS2を演算する。この補正可
能量TS2は、無段変速機の変速応答性と必要補正量T
S1の大きさによって決まるもので、変速応答性は入力
軸回転数Ntに大きく依存するものである。
【0039】ステップS24では、必要補正量TS1と
補正可能量TS2を比較して、必要補正量TS1が補正
可能量TS2より大きい場合には、ステップS25へ進
んでエンジン制御コントローラ3へトルクダウンを要求
するトルクダウン要求信号Seを出力する一方、必要補
正量TS1が補正可能量TS2以下であれば、10msec
ごとに実行される図7のフローチャートによってステッ
プモータへの制御量ASTPが出力される。
【0040】ここで、補正可能量TS2について詳述す
る。
【0041】補正可能量TS2は、入力軸回転数Nt
と、目標入力回転数tNtと実際の入力軸回転数Ntの
差と、必要補正量TS1をパラメータとして決まるもの
で、図9に示す補正可能面として設定される。
【0042】図9は、Z軸を目標入力回転数tNt、X
軸を実際の入力軸回転数Nt、Y軸を必要補正量TS1
とした三次元マップであり、目標入力回転数tNt=N
tの線と、所定の関数であるNt=f(TS1)を結ぶ
面が補正可能面として設定される。
【0043】この補正可能面より上方の領域が変速制御
によってトルクシフトの補正が可能なOKゾーンとなる
一方、図中補正可能面より下方の領域が変速制御の応答
性ではトルクシフトに追従できないNGゾーンとなる。
【0044】まず、図9の三次元マップのうち、目標入
力回転数tNtと入力軸回転数Ntの関係に着目する
と、図10に示すようになり、tNt=Ntのラインよ
り図中上方の領域では、目標入力回転数tNtが入力軸
回転数Ntより上昇する一方、同じくtNt=Ntより
下方の領域では、目標入力回転数tNtが入力軸回転数
Ntより低下する領域である。
【0045】この図9において、必要補正量TS1が非
常に小さい場合には、このtNt=Ntのほぼ線上が補
正可能ラインとなり、すなわち、目標入力回転数tNt
を増大する方向への補正が必要なときには、トルクシフ
トが実際の入力軸回転数Ntを増大する側に働き、この
とき、目標入力回転数tNtが増大すればトルクシフト
による出力軸のトルクの飛び出しは発生せず、したがっ
て出力軸の回転変動も発生しない。
【0046】一方、必要補正量TS1が大きい場合で
は、必要補正量TS1が増大するときには入力トルクT
inも増大することでもあり、目標入力回転数tNtと
入力軸回転数Ntで決まる補正可能ラインの傾きは増大
する。
【0047】ここで、目標入力回転数tNtは実際の入
力軸回転数Ntの目標値であるので、図10において、
実際の入力軸回転数Ntと目標入力回転数tNtに差が
ない場合を考えると、tNt=Ntであるので、この両
辺をNtで割ると、 tNt/Nt−1=0 …(1) 一方、目標入力回転数tNtと必要補正量TS1の関係
に着目すると、tNt=f(TS1)となる。
【0048】したがって、図9に示す補正可能面は、次
のように設定される。
【0049】 tNt/Nt−1+f(TS1)=0 …(2) tNt/Nt−1=−f(TS1) …(3) tNt/Nt−1=g(TS1) …(4) 以上より、 (tNt−Nt)/Nt=g(TS1) …(5) この(5)式は図11のグラフで表され、必要補正量T
S1と目標入力回転数tNtと入力軸回転数Ntの差に
応じて、変速制御によって補正可能な領域が設定され
る。そして、所定の関数g(TS1)で設定された補正
可能ラインの上方が補正可能領域(OKゾーン)となる
一方、補正可能ラインの下方が変速制御による補正では
追従不能な領域(NGゾーン)となる。
【0050】以上のように設定された補正可能量TS2
によって、変速制御コントローラ2で入力トルクの変動
に応じたトルクシフトの補正が可能か否かを判定して、
無段変速機10の必要補正量TS1が変速応答性などに
応じて予め設定された補正可能量TS2を越える場合に
は、エンジン制御コントローラ3へトルクダウン要求信
号Seを送出して、エンジン1側でトルクを低減するこ
とにより、変速比変更手段9等の応答遅れを補償して、
スロットル開度TVOの変動が小さい領域での前記従来
例のようなトルクの飛び出しを抑制して、駆動軸の過大
な回転変動及びトルク変動を防止することができ、運転
性及び乗心地を向上させることが可能となるのである。
【0051】なお、エンジン1側で行われるトルクの低
減は、点火時期のタイミングリタード、燃料カットまた
は燃料増量や、アイドルスピードコントロールバルブ又
は第2スロットルの操作などによって適宜行われるもの
である。
【0052】また、上記実施例において、所定の車速範
囲で変速比を固定する変速マップを用いたが、これに限
定されることはなく、スロットル開度に応じて変速比を
変更する一般的な変速マップを用いても上記と同様であ
る。
【0053】また、上記実施例において、無段変速機と
してトロイダル型の場合を示したが、図示はしないが、
ベルト式などの無段変速機を採用しても上記と同様であ
る。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、偏差
に応じた必要補正量が変速比変更手段で追従可能な所定
の補正可能量を越える場合には、変速比変更手段による
補正ではトルク変動に追従できないと判定してエンジン
制御手段へトルクダウンを要求し、一時的に無段変速機
へ入力されるトルクを低減しながら変速比の補正を行う
ため、変速比変更手段の応答遅れを補償して、無段変速
機の出力軸の過大な回転数及びトルク変動を抑制しなが
らエンジントルクの変動に応じて発生する無段変速機の
トルクシフトを迅速かつ確実に補正することができ、特
に、スロットル開度の変化が少ない場合、すなわち、目
標変速比の変化が小さい場合においても、出力軸に発生
する急激な回転数変動及びトルク変動を抑制しながら円
滑にトルクシフトを補正することが可能となって運転性
及び乗心地の向上をはかることができる。
【0055】また、第2の発明は、変速制御手段は、所
定の車速範囲ではスロットル開度等に拘わらず目標変速
比を所定値に設定したため、スロットル開度の変化に応
じて発生するトルクシフトを迅速かつ確実に抑制しなが
らも、出力軸の急激な回転数変動及びトルク変動を抑制
して運転性及び乗心地の向上をはかることができる。
【0056】また、第3の発明は、補正可能量を偏差の
大きさに応じて変化させたため、ダウンシフト量が小さ
い場合や、変速比を維持する場合などで、目標変速比が
大きく変化しないスロットル開度の変化が小さいような
場合においても、一時的にエンジントルクを低減しなが
らトルクシフトの補正を行うことで、出力軸の急激な回
転数及びトルク変動を抑制して運転性及び乗心地の向上
をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す無段変速機及びエンジン
のブロック図。
【図2】無段変速機の概略断面図。
【図3】コントロールバルブと油圧アクチュエータの概
略図。
【図4】制御の一例を示すフローチャートを示す。
【図5】同じく制御の一例を示すフローチャートで、補
正可能量判定部を示す。
【図6】同じく制御の一例を示すフローチャートで、ス
テップモータの制御部を示す。
【図7】同じく制御の一例を示すフローチャートで、ス
テップモータへの出力部を示す。
【図8】変速制御の概要を示すブロック図。
【図9】補正可能面を示すグラフで、目標入力軸回転数
tNt、入力軸回転数Ntと必要補正量TS1殿関係を
示す。
【図10】目標入力軸回転数tNtと入力軸回転数Nt
の関係を示すグラフ。
【図11】目標入力軸回転数tNtと入力軸回転数Nt
との差と必要補正量TS1の関係を示すグラフ。
【図12】トルクシフトの概要を説明するグラフ。
【図13】所定の車速範囲で変速比を固定する場合の変
速マップ。
【図14】従来例においてスロットルバルブ開度の変動
が小さい場合の変速特性を示し、入力軸回転数、出力軸
トルク及びアクチュエータの制御量等の各値を示すグラ
フである。
【図15】第1ないし第3の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 変速制御コントローラ 3 エンジン制御コントローラ 6 入力軸回転センサ 7 出力軸回転センサ 8 クランク角センサ 9 変速比変更手段 10 トロイダル型無段変速機 16 入力軸 18 第1トロイダル変速部 20 第2トロイダル変速部 60 コントロールバルブ 61 ステップモータ 200 変速制御手段 201 変速比変更手段 202 偏差検出手段 203 補正手段 204 判定手段 210 エンジン制御手段 211 トルク低減手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無段変速機の変速比を変更する変速比変
    更手段と、車両の運転状態に応じて目標変速比を演算す
    るとともに、この目標変速比に応じて前記変速比変更手
    段を制御する変速制御手段と、車両の運転状態に応じて
    エンジンを制御するエンジン制御手段とを備えた無段変
    速機付き車両の制御装置において、前記目標変速比から
    の変速比の偏差を検出する偏差検出手段と、この偏差に
    応じた必要補正量を前記変速比変更手段へ指令する補正
    手段と、前記必要補正量が変速比変更手段で追従可能な
    所定の補正可能量以下にあるか否かを判定する判定手段
    と、この判定において補正可能量よりも必要補正量の方
    が大きい場合に、前記エンジン制御手段にトルクダウン
    を要求するトルク低減手段とを備えたことを特徴とする
    無段変速機付き車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速制御手段は、所定の車速範囲で
    目標変速比を所定値に固定したことを特徴とする請求項
    1に記載の無段変速機付き車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、前記偏差の大きさに応
    じて変化する所定の補正可能量に基づいて必要補正量の
    判定を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の無段変速機付き車両の制御装置。
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