JP3975654B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に採用される駆動力制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンと無段変速機を組み合わせて、運転状態に応じた目標駆動力となるように制御するものが知られており、例えば、特許第2641004号公報や、特開平11−20512号公報などが知られている。
【0003】
上記前者の従来例では、加速意志を示す指標(アクセル開度等)の変化率に応じて変速比変化速度を増大補正して、アクセルペダルを急激に踏み込んだときの駆動力の応答性を向上させようとするものである。
【0004】
しかし、無段変速機においては、ダウンシフト中にイナーシャトルクが増大して実際の駆動力から差し引かれてしまい、目標とする駆動力を達成できない場合があるため、上記後者の従来例では、加速中のダウンシフトが原因で生じるイナーシャトルクに応じて、実際の駆動力が減少する分を相殺するように、予め目標エンジントルクを増大側に補正する制御を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許第2641004号公報に開示されたような制御構成をとる場合、変速遅れにより実駆動力の発生が応答遅れを生じる分については、変速速度を増大することにより軽減できるが、エンジン及び無段変速機のエンジン側部分の慣性モーメントが大きい場合には、変速速度の増大により逆に回転エネルギーの増大の為に使われ、イナーシャトルク損失分だけ実駆動力は減少する。
【0006】
これに対し特開平11−20512号公報では、予めイナーシャトルク分のトルク損失分を目標エンジントルクに上乗せし、変速時のイナーシャトルク損失によるショックを軽減することを提案している。
【0007】
しかしながら、実際のエンジンの特性においては、通常の動作点に於ける最大エンジントルクまでのトルク余裕代はそれ程大きくなく、速い変速速度が求められているときでは、上記後者の従来例のように、エンジントルク補正分を加えると、発生可能な最大エンジントルクを大きく超えて、結果としてあまりイナーシャトルク損失分を補償できていないという結果になる場合が多い。
【0008】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、エンジン回転速度とエンジントルクの組合せによりエンジン動作点の目標値を設定する場合に、急加速が求められたときには、加速中のイナーシャトルク損失を抑制ながらも、実駆動力をできる限り目標駆動力に近づけることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、トルクを制御可能なエンジンと、エンジンに連結されて変速比を連続的に変更可能な変速機と、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度検出手段と、検出されたアクセルペダル開度と車両の運転状態に基づいて、車両の駆動力の目標値を定める目標駆動力設定手段と、この目標駆動力に基づいてエンジンまたは変速機を制御する駆動力制御手段とを備えた車両の駆動力制御装置において、前記駆動力制御手段は、エンジン回転速度とエンジントルクの組合せによって決定される多数のエンジン動作点の中から予め設定した目標動作点範囲内で前記目標駆動力を実現するように基本目標エンジントルクと目標エンジン回転速度を演算する基本目標動作点演算手段と、前記基本目標エンジントルクに対し、変速に伴う駆動力の不足分に基づいて修正目標エンジントルクを演算する修正目標エンジントルク演算手段と、前記基本目標エンジントルクに修正目標エンジントルクを加えて最終目標エンジントルクを演算する最終目標エンジントルク演算手段と、この最終目標エンジントルクと目標エンジン回転速度に応じて前記エンジンまたは変速機を制御する制御手段とを有し、前記基本目標動作点演算手段は、目標駆動力を実現する複数の動作点の中で、各目標駆動力毎に最も燃費率の良い動作点の燃費率に対して燃費率悪化の割合が予め設定した値以内である動作点により目標動作点範囲を設定し、前記目標動作点範囲のうちエンジントルクが高い側の第1の境界線と、目標駆動力に相当する等駆動力線との交点に於けるエンジン回転速度を最低目標エンジン回転速度とし、前記目標動作点範囲のうちエンジントルクが低い側の第2の境界線と、目標駆動力に相当する等駆動力線との交点に於けるエンジン回転速度を最高目標エンジン回転速度として、これら最低目標エンジン回転速度と最高目標エンジン回転速度の間の内分点を目標エンジン回転速度として演算する際に、この内分点を車両の加速状態に応じて内分比率を変化させる。
【0011】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記駆動力制御手段は、車両の急加速を検出する急加速検出手段を有し、急加速検出手段により急加速が検出されたときには、前記目標エンジン回転速度を算出するための内分比率を、目標エンジン回転速度が減少しない範囲で減じる一方、急加速が検出されないときは、内分比率を増加させる。
【0012】
また、第3の発明は、前記第2の発明において、前記急加速検出手段は、アクセルペダル開度の時間変化率に関して急加速判定を行うことを特徴とする。
【0013】
また、第4の発明は、前記第2の発明において、前記急加速検出手段は、目標エンジン回転速度と目標エンジントルクの組み合わせからなる動作点が、予め設定した急加速判定動作線をエンジントルクが高い側に超えた場合に、急加速と判定する。
【0014】
また、第5の発明は、前記第4の発明において、前記急加速判定動作線は、エンジン回転速度に応じて発生可能な最大エンジントルクに応じて設定される。
【0015】
また、第6の発明は、前記第4の発明において、前記急加速判定動作線は、前記目標動作点範囲のうち、エンジントルクが高い側の第1の境界線と一致する。
【0016】
また、第7の発明は、前記第1の発明において、直前の基本目標動作点に対し、同一エンジン回転速度での最大エンジントルクまでの余裕トルクと、前記修正エンジントルクがこの余裕トルクを超えないために必要な目標エンジン回転速度変化率上限値を求め、前回の目標エンジン回転速度、目標エンジン回転速度変化率上限値から求まる現在の目標エンジン回転速度を用い、現在の演算ステップに於ける前記内分比率を求める。
【0017】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、エンジンの目標動作点は同一の目標駆動力に対し、ある幅を持った範囲で選択できる為、車両の加速状態に応じて動作点を使い分けることができる。例えば定常走行時は今後起こりうる突然の急加速要求に備える為、高回転低エンジントルク側で運転することができ、急加速要求が発生したきにはエンジン全開トルクまでの大きなトルク余裕を利用することができるし、エンジン自体のトルク応答性も高回転状態からだとすばやいレスポンスが期待できる。
【0018】
また、急加速中は変速比の変化率を小さくしても目標駆動力を実現する動作点に幅があるので対応が可能であり、変速に伴うイナーシャトルク損失を小さくすることができ、加速中のイナーシャトルク損失を抑制ながらも、実駆動力をできる限り目標駆動力に近づけることが可能となる。また、燃費に着目して目標動作点範囲を設定することができるので、動作点に自由度をある程度与えても、最適燃費動作線だけで運転する場合に対して燃費をほとんど悪化させることなくレスポンス改善に利用することが可能である。
【0020】
また、第2の発明は、目標駆動力を実現する動作点の中で、運転状態に応じていかに動作点を選択すれば駆動力応答性が良いかがわかる。すなわち急加速の有無を判定すると共に、急加速時には動作点を、エンジン回転速度ができる限り上昇しないように、内分比率を減少させることができる。
【0021】
ただし、エンジン回転速度の絶対値が減少してしまうと増加に転じさせる為に、更に応答が遅れることになるので、目標エンジン回転速度は減少しない範囲で内分比率を減少させる。また、急加速でないときには、次の急加速に備えて内分比率を高めておく必要があるため、内分比率を増加させておく。
【0022】
また、第3の発明は、急加速判定はアクセルペダル開度の時間変化率に関して行うことができる。加速指令はアクセルを通じて制御装置に伝わるため、制御装置が一番早く加速指令の急激な変化を判断するために用いることのできる情報がアクセルペダル開度である。
【0023】
また、第4の発明は、急加速判定は実エンジン回転速度と最終目標エンジントルクの組合せによりなる動作点のオーバーシュートの度合いにより行うことができる。本発明に於いては、エンジン回転速度の変動率に関して決まるイナーシャトルク分による実駆動力損失を軽減することにあるので実際にイナーシャトルク分によって修正エンジントルクが増大したことを急加速判定の為の情報として用い、動作点の制御を行うことができる。
【0024】
また、第5の発明は、前記第4の発明における急加速判定を、実エンジン回転速度と最終目標エンジントルクの組合せからなる動作点が、最大エンジントルクを超えることをトリガーとして判定できる。こうすることにより、イナーシャトルクによる実駆動力損失をエンジントルクによって補償できる範囲では、動作点制御によるイナーシャトルクの軽減は行わず、それを超えて補償できなくなってから動作点制御によるイナーシャトルクの軽減を行うことができ、必要以上に動作点を高エンジントルク側に移動させることを防ぐことができる。
【0025】
また、第6の発明は、前記第4の発明における急加速判定を、実エンジン回転速度と最終目標エンジントルクの組合せによりなる動作点が、目標動作点範囲のトルク上限側境界線を超えることをトリガーとして判定できる。こうすることにより、修正エンジントルクの上乗せにより燃費悪化率が所定の割合以内である目標動作点範囲のトルク上限を超えて実際の動作点が逸脱する頻度は低くなり、燃費の悪化を抑制することができる。
【0026】
また、第7の発明は、急加速判定は行わず、イナーシャトルク損失をエンジントルク余裕で補償できる範囲で変速させても目標動作点範囲を逸脱せずに目標駆動力を実現できる場合には逆に変速速度をイナーシャトルク補償により補償できる範囲で変速することができる。
【0027】
すなわち現在の目標動作点を元にイナーシャトルク補償に用いることができるトルク余裕を求め、イナーシャトルク損失がトルク余裕以下である為のエンジン回転速度変化率を算出する。現在の目標動作点のエンジン回転速度に、前記エンジン回転速度変化率に制御周期△tを掛けたものを加算してエンジン回転速度を求め、そのエンジン回転速度が次の演算時間ステップに於ける目標駆動力を目標動作点範囲の中で実現できればそのエンジン回転速度を次の演算ステップの目標エンジン回転速度とする。実現できなければ第1発明に表記するところの最低目標エンジン回転速度または最高目標エンジン回転速度を目標エンジン回転速度とする。こうすることにより目標動作点範囲の中で、駆動力応答性を最大にする目標動作点を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は本発明に係わる車両駆動力制御装置の全体構成を示したものである。
【0030】
図1に於いて、エンジン1の出力は、クラッチ15を介してベルト方式の無段変速機2(以下CVTと呼ぶ)の入力軸プーリ16と接続されている。
【0031】
入力軸プーリ16の回転速度CVT実入力軸回転速度rNinは、回転速度センサ13により計測され変速機制御ユニット4及びエンジン制御ユニット3にそれぞれ入力される。
【0032】
また、CVT2の出力軸プーリ17は、出力軸を介してディファレンシャルギア19に連結され、出力軸プーリ回転速度rNoutは回転速度センサ14により計測され、変速機制御ユニット4及びエンジン制御ユニット3にそれぞれ入力される。
【0033】
入力軸プーリ16と出力軸プーリ17の間には、伝動ベルト18がかかっており、この伝動ベルト18を挟持する各プーリの巻き掛け半径を、油圧等で制御することにより変速比が無段階に変化するように制御される。
【0034】
出力軸プーリ17、ディファレンシャルギア19により駆動トルクは左右駆動輪に分配され、タイヤ5により地面へ伝えられる。
【0035】
エンジンコントロールユニット3には、アクセルペダル6の開度(=踏み込み量)APOを検出するアクセル開度センサー7、エンジン1の吸気通路に設けたスロットルバルブ9の開度rTVOを検出するスロットル開度センサー11、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサー12、CVT入力軸回転速度センサ13、CVT出力軸回転速度センサ14の信号が入力回路23を介してそれぞれ入力される。
【0036】
またエンジン制御ユニット3からは、スロットル開度フィードバック制御の結果出力される電子制御スロットルモータ10への制御電流及び、CVT目標入力回転速度tNinが出力回路24を介してそれぞれ出力される。
【0037】
CVT目標入力回転速度tNinは変速機制御ユニット4に入力され、上記検出した実際の入力軸回転速度CVT実入力軸回転速度rNinとの偏差に基づいてフィードバック制御される。
【0038】
図2は、上記図1に示した制御系の構成のうち、目標駆動力を生成し各アクチュエータの動作量指令値を出力するまでの制御ブロック構成を示したものである。
【0039】
この中で、APOはアクセル開度、VSPは車速、tTdは目標駆動力、tNinはCVT目標入力軸回転速度、rNinはCVT実入力軸回転速度、rNoutはCVT実出力軸回転速度、tRATIOはCVT目標変速比、rRATIOは実変速比、tTe0は基本目標エンジントルク、tTeは最終目標エンジントルク、tTVOは目標スロットル開度をそれぞれ示している。
【0040】
目標駆動力演算ブロック101では、アクセル開度APO、車速VSPの信号に基づいてマップ検索にて目標駆動力tTdを演算する。なお、車速VSPは、CVT実出力軸回転速度rNoutに所定の定数を乗じて演算したものである。
【0041】
ブロック102では目標駆動力tTd、車速VSPの信号に基づいてマップ検索にてCVT目標入力軸回転速度tNinを演算する。
【0042】
CVT2はCVT目標入力軸回転速度tNinとCVT実入力軸回転速度rNinが一致するようにフィードバック制御が行われ、また、このCVT目標入力軸回転速度tNinをCVT実出力軸回転速度rNoutで除したものを、CVT目標変速比tRATIOとして演算しておく。
【0043】
そして、上記目標駆動力演算ブロック101で算出された目標駆動力tTdを、CVT目標変速比tRATIOで除したものより基本目標エンジントルクtTe0を算出する。
【0044】
イナーシャ演算ブロック105では、CVT実入力軸回転速度rNinをCVT実出力軸回転速度rNoutで除した実変速比rRATIOを求めておき、この実変速比rRATIOの変化率を用いて、変速に伴うイナーシャトルク損失Tlossを算出する。
【0045】
そして、上記基本目標エンジントルクtTe0に、このイナーシャトルク損失Tlossを加算したものを最終目標エンジントルクtTeとして演算する。
【0046】
トルク制御ブロック103は、この最終目標エンジントルクtTeに見合った目標スロットル開度tTVOを演算して出力する。
【0047】
なお、上記ブロック102の演算に於いては、後述する図3のように、目標動作点範囲の変速比Hi側(エンジン回転速度Neが低い側)の目標動作線Aと、変速比Lo側(エンジン回転速度Neの高い側)の目標動作線Bの2つのマップがあり、目標動作線AからCVT目標入力軸回転速度tNin1を求め、目標動作線BからCVT目標入力軸回転速度tNin2を求める。
【0048】
最終的なCVT目標入力軸回転速度tNinは、急加速判定ブロック104により算出される係数tRN(0≦tRN≦1で内分比率である)を用い、
CVT目標入力軸回転速度tNin=
(1−tRN)×tNin1+tRN×Nin2
によって求められる。
【0049】
次に、図3はエンジン1の目標動作点範囲を説明するマップを示し、図中破線で示した等駆動力線と、図中実線で示した等燃費率線が、エンジントルクTeとエンジン回転速度Neの関係に応じて設定される。
【0050】
そして、等燃費線のうち最も燃費率が良い点で、等駆動力線と交差する点を結んだものを最適燃費線として設定する。
【0051】
さらに、最適燃費線から各等駆動力線に沿って燃費率の悪化が所定の値となる点を、エンジン回転速度Neの高い側(=エンジントルクの低い側)と、エンジン回転速度Neの低い側(=エンジントルクの高い側)にそれぞれ一点ずつ設定し、エンジン回転速度Neの低い側の点を結んだものを目標動作線Aとし、エンジン回転速度Neの高い側の点を結んだものを目標動作線Bとする。
【0052】
例えば、図3において、最適燃費線と等駆動力線が交差する点から、等駆動力線に沿って燃費率の悪化割合が所定の値となる両側で、エンジン回転速度Neの高い側(エンジントルクの低い側)に点Plを設定し、エンジン回転速度Neの低い側(エンジントルクの高い側)に点Phを設定し、各等駆動力線上の点Phを結んだものが目標動作線A(第1の境界線)となり、各等駆動力線上の点Plを結んだものが目標動作線B(第2の境界線)となる。そして、後述するように、エンジン1及びCVT2は、最適燃費線を中心として、目標動作線A、Bの範囲内で、内分比率tRNに応じて動作することになる。
【0053】
次に、上記図2の目標駆動力演算ブロック101、ブロック102及び急加速判定ブロック104で行われるCVT目標入力軸回転速度tNinの演算について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。なお、このフローチャートは、エンジン制御ユニット3で所定時間毎に実行されるものである。
【0054】
ステップS1では、現在のアクセル開度APOと前回値APO_OLDを読み込み、ステップS2、S3では、内分比率tRNの前回値tRN_OLDとCVT目標入力軸回転速度tNinの前回値tNin_OLDをそれぞれ読み込む。
【0055】
ステップS4では、ステップS1で読み込んだアクセル開度APOの現在値と前回値の差からアクセル開度APOの変化率を演算して、ステップS5では、アクセル開度APOの変化率が所定値以下であるか否かを判定する。
【0056】
アクセル開度APOの変化率が所定値以下であれば、急加速中以外であるため、ステップS7へ進んで、内分比率tRNの前回値と所定の増分値ΔtRN2より、
tRN=tRN_OLD+ΔtRN2
として演算する。
【0057】
一方、アクセル開度APOの変化率が所定値を超えて、急加速中と判定された場合には、ステップS6へ進んで、内分比率tRNの前回値と所定の減少値ΔtRN1より、
tRN=tRN_OLD−ΔtRN1
として演算する。なお、ΔtRN1>ΔtRN2
そして、ステップS8、S9では、内分比率tRNを一定の割合(ΔtRN2)で増加させるときには1を上限とし、内分比率tRNを一定の割合(ΔtRN1)で減少させるときには0を下限として制限する。上記ステップS4〜S9が、急加速判定ブロック104に相当する。
【0058】
次に、ステップS10、S11では、車速VSPと上記アクセル開度APOより、予め設定したマップより目標駆動力tTdの演算を行う。これらステップS10、S11が上記目標駆動力演算ブロック101に相当する。
【0059】
そして、ステップS12、S13では、図3に示したマップから、目標動作線Aと目標駆動力tTdより、CVT目標入力軸回転速度tNin1を求め、目標動作線Bと目標駆動力tTdより、CVT目標入力軸回転速度tNin2を求めて、ステップS14で、
tNin=(1−tRN)×tNin1+tRN×tNin2
より、最終的なCVT目標入力軸回転速度tNinを求める。
【0060】
そして、ステップS15では、上記ステップS4で求めたアクセル開度APOの変化率より急加速中であるかを判定し、急加速中であればステップS16に進む一方、そうでない場合にはそのまま処理を終了する。
【0061】
ステップS16ではCVT目標入力軸回転速度tNinの変化率を前回値tNin_OLDに基づいて演算して、ステップS17でこの変化率が所定値以上でないときには、前回値tNin_OLDに所定の増分値ΔtNinを加え、
tNin=tNin_OLD+ΔtNin
として、エンジン回転速度Neの上昇を加えて加速感を向上させる。
【0062】
上記制御により、アクセル開度APOの変化率が所定の値未満である場合は、急加速中ではないと判定し、内分比率tRNは1を上限に一定の割合で増加し、急加速中以外では、図3に示した目標動作線Bに沿って運転を継続する。
【0063】
アクセル開度APOの変化率が、所定値を超える場合には、急加速中であると判定し、内分比率tRNは0を下限に一定の割合で減少する。したがって、エンジン1の動作点は、図3に示した目標動作線Bから目標動作線Aへ向けて変化する。
【0064】
このとき、急加速中であると判定した場合の内分比率tRNの減少率は、急加速中でないと判定した場合の内分比率tRNの増加率よりも絶対値を大きくすると良い。
【0065】
何故ならば、急加速中に内分比率tRNを減少させるのは、変速比の増加率(ダウンシフトの速度)を低下させ、イナーシャトルクによる実駆動力の損失を抑えることが目的であるので、急激な変速要求に対しては即座に内分比率tRNを減少させることが必要である一方、急加速でないときに内分比率tRNを増加させるのは、次の急加速に備えて変速比のLo側(エンジン回転速度Neの大側で目標動作線B側)にシフトさせておくためであり、変速比をそれほど急激に変化させる必要がないからである。
【0066】
次に、演算された内分比率tRN、CVT目標入力軸回転速度tNin1、CVT目標入力軸回転速度tNin2を用いて、CVT目標入力軸回転速度tNinを求めるが、このとき、急加速中はCVT目標入力軸回転速度tNinの変化率には一定の下限値を与えると良く、例えば、上記ステップS18のように所定の変化率ΔtNinずつ増大させる。何故ならば、運転者が加速を指示している動作に対し、ある程度のエンジン回転速度の上昇が無いと、加速感が鈍いと運転者が感じるからである。
【0067】
いま、図5は、駆動力tAの状態から、急加速によって目標駆動力tBへ移行する場合を示しており、上記図4のフローチャートによる制御を行った場合を示している。
【0068】
目標動作点範囲は、図3に示す最適燃費線の各点に対し、等駆動力で燃費率の悪化率が一定値である点の集合として構成された動作線に囲まれた範囲として定義される。
【0069】
加速前は定常走行であったので、図5において、駆動力tAの線上のうち、内分比率tRNが1となる点Paで走行する。
【0070】
急加速に伴いアクセル開度APOの変化率が、所定の急加速しきい値を超えたと判定されると共に、内分比率tRNは1より急激に減少される(図3参照)。
【0071】
内分比率tRNを用いて求められたCVT目標入力軸回転速度tNinが、前回制御時のCVT目標入力軸回転速度tNinに対して減少する場合は、前回のCVT目標入力軸回転速度tNinをそのまま用いる。
【0072】
急加速が終わった直後の動作点は、図中点Pb1となるがその後は、内分比率tRNを徐々に1を上限に増加させるため、最終的な動作点は図中点Pb2になる。
【0073】
この結果、目標動作点の軌跡は図中太線となる。
【0074】
急加速中は、図5において点Paから点Pb2への移動となり、修正目標エンジントルクとして用いることができるトルク余裕Tdifは比較的大きいが、加速に伴うエンジン回転速度Neの変動幅は小さい為、イナーシャトルクによる実駆動量の減少を防いで、前記従来例に比して加速感を改善することができる。
【0075】
ここで、前記従来例についても説明すると、図10、図12は、横軸にエンジン回転速度、縦軸にエンジントルクとした平面上での目標動作点、実動作点の動作例を示す。
【0076】
図10及び図12は、従来例として1本の目標動作線のみを基本目標動作線としてトレースする場合のマップを示している。
【0077】
まず、図10は従来例として、最適燃費率線のみをトレースする場合の動作線を示している。
【0078】
駆動力tAから駆動力tBへと、急加速により目標駆動力が増大する場合、基本目標変速比もLo側に大きく移動する為、このダウンシフトに対するイナーシャ補償分の修正分Tlossも増大する。
【0079】
上記図2に示すような制御構成をとる場合には、図10のようにエンジン動作線は太線のようにトルク増大側に移動する。
【0080】
しかしながら、一般的にエンジンの最適燃費線は、最大トルクに対してあまり余裕の大きくない領域を通る場合が多いので、エンジントルクは上限(最大トルク)にはりつき、その間は実駆動力は達成できない。
【0081】
次に、図12には従来例として、最適燃費率線よりも高エンジン回転速度、低エンジントルク側の動作線のみをトレースする場合の動作線を示している。
【0082】
この場合、上記と同様に駆動力tAから駆動力tBへと急加速により目標駆動力が増大する場合を考えると、図5の場合よりも全開トルクに対する余裕トルクTdifは大きいが、CVT目標入力軸回転速度tNinの変化代が大きい為、イナーシャトルク損失Tlossは逆に大きくなる。したがって、この場合もエンジントルクは上限にはりつくことが多く実駆動力は達成できない。
【0083】
図6、図11、図13は、図5、図10、図12のマップ上に示した、駆動力tAからtBへの急加速時のタイミングチャートを示したものである。
【0084】
アクセル開度APOがほぼステップ状に急増したとき、目標駆動力tTdも同様の形状でステップ状に変化する。
【0085】
前記従来例の図11に於いては、CVT目標入力軸回転速度tNinは比較的小さい値に変化する。一方、前記従来例の図13に於いては、CVT目標入力軸回転速度tNinが比較的大きい値に変化する。
【0086】
これに対して、本発明による図6に於いては、CVT目標入力軸回転速度tNinは、急加速直後には比較的小さい値に変化する。その後徐々にCVT目標入力軸回転速度tNinを増大させる。
【0087】
目標エンジントルクに関しては、従来例の図11に於いては比較的小さい値に変化する。同じく従来例の図13に於いては比較的大きい値へ変化した後、小さい値に変化する。
【0088】
これに対して、本発明の図6に於いては、比較的小さい値から急加速直後には比較的大きい値に変化する。その後、徐々に基本目標エンジントルク基本目標エンジントルクtTe0を減少させる。
【0089】
最終目標エンジントルクについては、始点は基本目標エンジントルクと一致し、図2に示したように、急加速に伴いイナーシャ損失トルク分の修正目標エンジントルクが加算される。
【0090】
しかし、いずれも急加速の途中に於いて最終目標エンジントルクは最大エンジントルクを超えるか等しい為、最大エンジントルク相当の値にはりつく。
【0091】
イナーシャトルク損失Tlossについては、CVT目標入力軸回転速度tNinの変化率に依存しているので、そのピーク値は、変速比変化が最も大きい従来例の図13が一番大きくなるのに対して、本発明による図6では、変速比変化が微小であるため、イナーシャトルク損失Tlossも小さくなる。
【0092】
目標駆動力と実駆動力の関係に関しては、前記従来例の図11に於いては、目標エンジントルクが最大エンジントルクにはりついている間(図10参照)は実駆動力が目標駆動力を下回っている。
【0093】
同様に従来例の図13に於いても、最大エンジントルクにはりついている間(図12参照)は、実駆動力が目標駆動力を下回っているが、トルク余裕が大きい分下回り方が小さいはずではあるが、実際には図13の場合には、CVT目標入力軸回転速度tNinの変化幅が大きい為にイナーシャトルク損失分が大きくなって、最終的な実駆動力は小さくなってしまう。
【0094】
これに対し本発明の図6に於いては、トルク余裕Tdifも十分大きく、CVT目標入力軸回転速度tNinの変化幅も小さい為、前記従来例に比べて実駆動力の目標駆動力に対する目減り幅が小さくなって、イナーシャトルク損失Tlossによる実駆動力の減少を抑制していることが分かる。
【0095】
図7は、第2の実施形態を示し、CVT目標変速比tRATIOに基づいて、CVT目標入力軸回転速度tNinを求める場合である。
【0096】
図7のフローチャートについて説明する。このフローチャートは、上記エンジン制御ユニット3で所定時間毎に実行されるものである。
【0097】
ステップS21では、現在のアクセル開度APOを読み込み、ステップS22、S23、S24では、CVT目標入力軸回転速度tNinの前回値tNin_OLDと、CVT目標変速比tRATIOの前回値tRATIO_OLD及び目標エンジントルクtTeの前回値tTe_OLDをそれぞれ読み込む。
【0098】
ステップS25では、図3のマップに基づいて、CVT目標入力軸回転速度tNinの前回値tNin_OLDのときに、発生可能なエンジントルクの最大値Tmaxを演算する。
【0099】
次に、ステップS26では、余裕トルクTdifを、ステップS25で求めた最大エンジントルクTmaxと、目標エンジントルクtTeの前回値tTe_OLDより、
Tdif=Tmax−tTe_OLD
として余裕トルクTdifを演算する。
【0100】
次にステップS27では、余裕トルクTdifに基づいて、次式から変速比変化率ΔRATIO(目標エンジン速度変化率上限値)を、
ΔRATIO=Δt×Tdif/(Je×Gf×VSP/R)
より演算する。ただし、
Δt:制御周期
Je:エンジン1及びCVT2の入力軸プーリ16を合わせた慣性モーメント
Gf:ディファレンシャルギアのギア比
R:タイヤ半径
である。
【0101】
ステップS28では、CVT目標変速比tRATIOの前回値tRATIO_OLDに変速比変化率(=変速速度)ΔRATIOを加算して、tRATIOaを、
tRATIOa=tRATIO_OLD+ΔRATIO
として求めておく。
【0102】
そして、ステップS29では、このtRATIOaと車速VSPから、
tNina=tRATIOa×VSP×GF/R
より、前回制御時のCVT目標変速比tRATIOに基づいてtNinaを演算しておく。
【0103】
そして、ステップS30、S31では、図3に示したマップから、目標動作線Aと目標駆動力tTdより、CVT目標入力軸回転速度tNin1を求め、目標動作線Bと目標駆動力tTdより、CVT目標入力軸回転速度tNin2を求める。
【0104】
ステップS32では、上記ステップS29で求めたtNinaが目標動作線Aに応じたtNin1以上であるかを判定し、tNinaがtNin1未満であればステップS35に進んで、CVT目標入力軸回転速度tNinをtNin1に規制する。
【0105】
tNinaがtNin1以上であれば、ステップS33で、tNinaが目標動作線Bに応じたtNin2以下であるかを判定し、tNinaがtNin2以内であれば、上記tNinaは目標動作範囲にあるため、ステップS34で、CVT目標入力軸回転速度tNinとしてtNinaを設定する。
【0106】
一方、tNinaがtNin2を超えていればステップS36に進んで、CVT目標入力軸回転速度tNinをtNin2に規制する。
【0107】
次に、修正目標エンジントルクTloss(イナーシャトルク損失Tloss)が、トルク余裕Tdifと等しくなるように目標変速比の変化率(=CVT目標入力軸回転速度tNinの変化率)を制限することにより加速感の改善代が最適になるようにした場合について、図8、図9を参照しながら説明する。
【0108】
目標動作点範囲は、上記図3と同様である。急加速前は定常走行であり、上記図5と同様に、内分比率tRNが1となる点Paで走行する。
【0109】
常にトルク余裕とイナーシャトルク損失分が等しくなるようなCVT目標入力軸回転速度tNinを求め、前回制御時のCVT目標入力軸回転速度tNin_OLDに、所定の増分値△tNinを加えたものを新たなCVT目標入力軸回転速度tNinとするが、動作点Paは、同一の駆動力線上において目標動作点範囲のうち最もエンジン回転速度の大きい点であるので、定常状態では動作点はPaから動かない。
【0110】
急加速により駆動力tAから駆動力tBに移動した場合では、目標駆動力tTdの変化代が大きい割に、増分値△tNinは小さい為、動作点は目標動作点範囲のうち最もエンジン回転速度の大きい方の境界線=目標動作線Bから離れ、図中拡大図のように、目標動作点範囲の内部に移動する。
【0111】
急加速状態が続くと、動作点は目標動作点範囲のうち最もエンジン回転速度の小さい側の境界線=目標動作線A側に到り、その後はそちら側の境界線をトレースする。
【0112】
急加速が終わり目標駆動力が変動しなくなると、再び動作点は目標動作点範囲の内部に移動し、最後は再びエンジン回転速度Neの大きい方の目標動作線Bに到る。
【0113】
この場合は、CVT目標入力軸回転速度tNinの変化率は最もエンジン回転速度の小さい側の境界線である目標動作線Aによって制限される場合を除いて、変速比変化率が十分小さく制限される為、イナーシャトルク損失Tlossを抑制して加速感を改善することができるのである。
【0114】
こうして、イナーシャトルク損失として失われる駆動力を、エンジン出力軸上のトルクとして換算した値Tlossが余裕トルクTdifに等しくなるようにしたため、急加速の判定を行わずに、イナーシャトルク損失Tlossをエンジントルク余裕Tdifで補償できる範囲で変速させながらも、目標動作点範囲を逸脱せずに目標駆動力tTdを実現できる場合には、イナーシャトルク補償を行うことができる範囲で変速速度を変化させて、加速中のイナーシャトルク損失を抑制ながらも、実駆動力をできる限り目標駆動力に近づけることが可能となるのである。
【0115】
なお、tNinaが目標動作線Aを超えたときには、急加速状態と判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、駆動力制御装置の全体構成を示したものである。
【図2】駆動力制御装置の概要を示すブロック図である。
【図3】等駆動力線と等燃費線をパラメータとした、エンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマップである。
【図4】駆動力制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】等駆動力線と等燃費線をパラメータとした、エンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマップで、急加速時の動作を示す。
【図6】同じく急加速時のアクセルペダル開度、目標駆動力、変速比、エンジントルク及び実駆動力と時間の関係を示すグラフ。
【図7】第2の実施形態を示し、駆動力制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】等駆動力線と等燃費線をパラメータとした、エンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマップで、急加速時の動作を示す。
【図9】同じく図8に対応し、急加速時のアクセルペダル開度、目標駆動力、変速比、エンジントルク及び実駆動力と時間の関係を示すグラフ。
【図10】従来例を示し、等駆動力線と等燃費線をパラメータとした、エンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマップで、急加速時の動作を示す。
【図11】同じく図10に対応し、急加速時のアクセルペダル開度、目標駆動力、変速比、エンジントルク及び実駆動力と時間の関係を示すグラフ。
【図12】他の従来例を示し、等駆動力線と等燃費線をパラメータとした、エンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマップで、急加速時の動作を示す。
【図13】同じく図12に対応し、急加速時のアクセルペダル開度、目標駆動力、変速比、エンジントルク及び実駆動力と時間の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 エンジン
2 CVT
3 エンジンコントロールユニット
4 変速機制御ユニット
Claims (7)
- トルクを制御可能なエンジンと、
エンジンに連結されて変速比を連続的に変更可能な変速機と、
アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度検出手段と、
検出されたアクセルペダル開度と車両の運転状態に基づいて、車両の駆動力の目標値を定める目標駆動力設定手段と、
この目標駆動力に基づいてエンジンまたは変速機を制御する駆動力制御手段とを備えた車両の駆動力制御装置において、
前記駆動力制御手段は、
エンジン回転速度とエンジントルクの組合せによって決定される多数のエンジン動作点の中から予め設定した目標動作点範囲内で前記目標駆動力を実現するように基本目標エンジントルクと目標エンジン回転速度を演算する基本目標動作点演算手段と、
前記基本目標エンジントルクに対し、変速に伴う駆動力の不足分に基づいて修正目標エンジントルクを演算する修正目標エンジントルク演算手段と、
前記基本目標エンジントルクに修正目標エンジントルクを加えて最終目標エンジントルクを演算する最終目標エンジントルク演算手段と、
この最終目標エンジントルクと目標エンジン回転速度に応じて前記エンジンまたは変速機を制御する制御手段とを有し、
前記基本目標動作点演算手段は、目標駆動力を実現する複数の動作点の中で、各目標駆動力毎に最も燃費率の良い動作点の燃費率に対して燃費率悪化の割合が予め設定した値以内である動作点により目標動作点範囲を設定し、前記目標動作点範囲のうちエンジントルクが高い側の第1の境界線と、目標駆動力に相当する等駆動力線との交点に於けるエンジン回転速度を最低目標エンジン回転速度とし、前記目標動作点範囲のうちエンジントルクが低い側の第2の境界線と、目標駆動力に相当する等駆動力線との交点に於けるエンジン回転速度を最高目標エンジン回転速度として、これら最低目標エンジン回転速度と最高目標エンジン回転速度の間の内分点を目標エンジン回転速度として演算する際に、この内分点を車両の加速状態に応じて内分比率を変化させることを特徴とする車両の駆動力制御装置。 - 前記駆動力制御手段は、車両の急加速を検出する急加速検出手段を有し、急加速検出手段により急加速が検出されたときには、前記目標エンジン回転速度を算出するための内分比率を、目標エンジン回転速度が減少しない範囲で減じる一方、急加速が検出されないときは、内分比率を増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記急加速検出手段は、アクセルペダル開度の時間変化率に関して急加速判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記急加速検出手段は、目標エンジン回転速度と目標エンジントルクの組み合わせからなる動作点が、予め設定した急加速判定動作線をエンジントルクが高い側に超えた場合に、急加速と判定することを特徴とする請求項2に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記急加速判定動作線は、エンジン回転速度に応じて発生可能な最大エンジントルクに応じて設定されることを特徴とする請求項4に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記急加速判定動作線は、前記目標動作点範囲のうち、エンジントルクが高い側の第1の境界線と一致することを特徴とする請求項4に記載の車両の駆動力制御装置。
- 直前の基本目標動作点に対し、同一エンジン回転速度での最大エンジントルクまでの余裕トルクと、前記修正エンジントルクがこの余裕トルクを超えないために必要な目標エン ジン回転速度変化率上限値を求め、前回の目標エンジン回転速度、目標エンジン回転速度変化率上限値から求まる現在の目標エンジン回転速度を用い、現在の演算ステップに於ける前記内分比率を求めることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
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