JP2001354051A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents
車両の駆動力制御装置Info
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
Abstract
ーシャトルク損失を抑制ながらも、実駆動力をできる限
り目標駆動力に近づける。 【解決手段】 目標動作点範囲のうちエンジントルクが
高い側の目標動作線Aと、目標駆動力に相当する等駆動
力線との交点に於けるエンジン回転速度を最低目標エン
ジン回転速度とし、前記目標動作点範囲のうちエンジン
トルクが低い側の目標動作線Bと、目標駆動力に相当す
る等駆動力線との交点に於けるエンジン回転速度を最高
目標エンジン回転速度として、これら最低目標エンジン
回転速度と最高目標エンジン回転速度の間の内分点(t
Nin)を目標エンジン回転速度として演算する際に、
この内分点(tNin)を車両の加速状態に応じて内分
比率を変化させる。
Description
駆動力制御装置の改良に関するものである。
合わせて、運転状態に応じた目標駆動力となるように制
御するものが知られており、例えば、特許第26410
04号公報や、特開平11−20512号公報などが知
られている。
標(アクセル開度等)の変化率に応じて変速比変化速度
を増大補正して、アクセルペダルを急激に踏み込んだと
きの駆動力の応答性を向上させようとするものである。
フト中にイナーシャトルクが増大して実際の駆動力から
差し引かれてしまい、目標とする駆動力を達成できない
場合があるため、上記後者の従来例では、加速中のダウ
ンシフトが原因で生じるイナーシャトルクに応じて、実
際の駆動力が減少する分を相殺するように、予め目標エ
ンジントルクを増大側に補正する制御を提案している。
2641004号公報に開示されたような制御構成をと
る場合、変速遅れにより実駆動力の発生が応答遅れを生
じる分については、変速速度を増大することにより軽減
できるが、エンジン及び無段変速機のエンジン側部分の
慣性モーメントが大きい場合には、変速速度の増大によ
り逆に回転エネルギーの増大の為に使われ、イナーシャ
トルク損失分だけ実駆動力は減少する。
では、予めイナーシャトルク分のトルク損失分を目標エ
ンジントルクに上乗せし、変速時のイナーシャトルク損
失によるショックを軽減することを提案している。
いては、通常の動作点に於ける最大エンジントルクまで
のトルク余裕代はそれ程大きくなく、速い変速速度が求
められているときでは、上記後者の従来例のように、エ
ンジントルク補正分を加えると、発生可能な最大エンジ
ントルクを大きく超えて、結果としてあまりイナーシャ
トルク損失分を補償できていないという結果になる場合
が多い。
れたもので、エンジン回転速度とエンジントルクの組合
せによりエンジン動作点の目標値を設定する場合に、急
加速が求められたときには、加速中のイナーシャトルク
損失を抑制ながらも、実駆動力をできる限り目標駆動力
に近づけることを目的とする。
制御可能なエンジンと、エンジンに連結されて変速比を
連続的に変更可能な変速機と、アクセルペダルの開度を
検出するアクセル開度検出手段と、検出されたアクセル
ペダル開度と車両の運転状態に基づいて、車両の駆動力
の目標値を定める目標駆動力設定手段と、この目標駆動
力に基づいてエンジンまたは変速機を制御する駆動力制
御手段とを備えた車両の駆動力制御装置において、前記
駆動力制御手段は、エンジン回転速度とエンジントルク
の組合せによって決定される多数のエンジン動作点の中
から予め設定した目標動作点範囲内で前記目標駆動力を
実現するように基本目標エンジントルクと目標エンジン
回転速度を演算する基本目標動作点演算手段と、前記基
本目標エンジントルクに対し、変速に伴う駆動力の不足
分に基づいて修正目標エンジントルクを演算する修正目
標エンジントルク演算手段と、前記基本目標エンジント
ルクに修正目標エンジントルクを加えて最終目標エンジ
ントルクを演算する最終目標エンジントルク演算手段
と、この最終目標エンジントルクと目標エンジン回転速
度に応じて前記エンジンまたは変速機を制御する制御手
段とを有し、前記基本目標動作点演算手段は、前記目標
動作点範囲のうちエンジントルクが高い側の第1の境界
線と、目標駆動力に相当する等駆動力線との交点に於け
るエンジン回転速度を最低目標エンジン回転速度とし、
前記目標動作点範囲のうちエンジントルクが低い側の第
2の境界線と、目標駆動力に相当する等駆動力線との交
点に於けるエンジン回転速度を最高目標エンジン回転速
度として、これら最低目標エンジン回転速度と最高目標
エンジン回転速度の間の内分点を目標エンジン回転速度
として演算する際に、この内分点を車両の加速状態に応
じて内分比率を変化させる。
いて、前記基本目標動作点演算手段は、目標駆動力を実
現する複数の動作点の中で、各目標駆動力毎に最も燃費
率の良い動作点の燃費率に対して燃費率悪化の割合が予
め設定した値以内である動作点により目標動作点範囲を
設定する。
の発明において、前記駆動力制御手段は、車両の急加速
を検出する急加速検出手段を有し、急加速検出手段によ
り急加速が検出されたときには、前記目標エンジン回転
速度を算出するための内分比率を、目標エンジン回転速
度が減少しない範囲で減じる一方、急加速が検出されな
いときは、内分比率を増加させる。
いて、前記急加速検出手段は、アクセルペダル開度の時
間変化率に関して急加速判定を行うことを特徴とする。
いて、前記急加速検出手段は、目標エンジン回転速度と
目標エンジントルクの組み合わせからなる動作点が、予
め設定した急加速判定動作線をエンジントルクが高い側
に超えた場合に、急加速と判定する。
いて、前記急加速判定動作線は、エンジン回転速度に応
じて発生可能な最大エンジントルクに応じて設定され
る。
いて、前記急加速判定動作線は、前記目標動作点範囲の
うち、エンジントルクが高い側の第1の境界線と一致す
る。
の発明において、直前の基本目標動作点に対し、同一エ
ンジン回転速度での最大エンジントルクまでの余裕トル
クと、前記修正エンジントルクがこの余裕トルクを超え
ないために必要な目標エンジン回転速度変化率上限値を
求め、前回の目標エンジン回転速度、目標エンジン回転
速度変化率上限値から求まる現在の目標エンジン回転速
度を用い、現在の演算ステップに於ける前記内分比率を
求める。
目標動作点は同一の目標駆動力に対し、ある幅を持った
範囲で選択できる為、車両の加速状態に応じて動作点を
使い分けることができる。例えば定常走行時は今後起こ
りうる突然の急加速要求に備える為、高回転低エンジン
トルク側で運転することができ、急加速要求が発生した
きにはエンジン全開トルクまでの大きなトルク余裕を利
用することができるし、エンジン自体のトルク応答性も
高回転状態からだとすばやいレスポンスが期待できる。
しても目標駆動力を実現する動作点に幅があるので対応
が可能であり、変速に伴うイナーシャトルク損失を小さ
くすることができ、加速中のイナーシャトルク損失を抑
制ながらも、実駆動力をできる限り目標駆動力に近づけ
ることが可能となる。
動作点範囲を設定することができるので、動作点に自由
度をある程度与えても、最適燃費動作線だけで運転する
場合に対して燃費をほとんど悪化させることなくレスポ
ンス改善に利用することが可能である。
る動作点の中で、運転状態に応じていかに動作点を選択
すれば駆動力応答性が良いかがわかる。すなわち急加速
の有無を判定すると共に、急加速時には動作点を、エン
ジン回転速度ができる限り上昇しないように、内分比率
を減少させることができる。
してしまうと増加に転じさせる為に、更に応答が遅れる
ことになるので、目標エンジン回転速度は減少しない範
囲で内分比率を減少させる。また、急加速でないときに
は、次の急加速に備えて内分比率を高めておく必要があ
るため、内分比率を増加させておく。
ルペダル開度の時間変化率に関して行うことができる。
加速指令はアクセルを通じて制御装置に伝わるため、制
御装置が一番早く加速指令の急激な変化を判断するため
に用いることのできる情報がアクセルペダル開度であ
る。
ジン回転速度と最終目標エンジントルクの組合せにより
なる動作点のオーバーシュートの度合いにより行うこと
ができる。本発明に於いては、エンジン回転速度の変動
率に関して決まるイナーシャトルク分による実駆動力損
失を軽減することにあるので実際にイナーシャトルク分
によって修正エンジントルクが増大したことを急加速判
定の為の情報として用い、動作点の制御を行うことがで
きる。
ける急加速判定を、実エンジン回転速度と最終目標エン
ジントルクの組合せからなる動作点が、最大エンジント
ルクを超えることをトリガーとして判定できる。こうす
ることにより、イナーシャトルクによる実駆動力損失を
エンジントルクによって補償できる範囲では、動作点制
御によるイナーシャトルクの軽減は行わず、それを超え
て補償できなくなってから動作点制御によるイナーシャ
トルクの軽減を行うことができ、必要以上に動作点を高
エンジントルク側に移動させることを防ぐことができ
る。
ける急加速判定を、実エンジン回転速度と最終目標エン
ジントルクの組合せによりなる動作点が、目標動作点範
囲のトルク上限側境界線を超えることをトリガーとして
判定できる。こうすることにより、修正エンジントルク
の上乗せにより燃費悪化率が所定の割合以内である目標
動作点範囲のトルク上限を超えて実際の動作点が逸脱す
る頻度は低くなり、燃費の悪化を抑制することができ
る。
ず、イナーシャトルク損失をエンジントルク余裕で補償
できる範囲で変速させても目標動作点範囲を逸脱せずに
目標駆動力を実現できる場合には逆に変速速度をイナー
シャトルク補償により補償できる範囲で変速することが
できる。
ャトルク補償に用いることができるトルク余裕を求め、
イナーシャトルク損失がトルク余裕以下である為のエン
ジン回転速度変化率を算出する。現在の目標動作点のエ
ンジン回転速度に、前記エンジン回転速度変化率に制御
周期△tを掛けたものを加算してエンジン回転速度を求
め、そのエンジン回転速度が次の演算時間ステップに於
ける目標駆動力を目標動作点範囲の中で実現できればそ
のエンジン回転速度を次の演算ステップの目標エンジン
回転速度とする。実現できなければ第1発明に表記する
ところの最低目標エンジン回転速度または最高目標エン
ジン回転速度を目標エンジン回転速度とする。こうする
ことにより目標動作点範囲の中で、駆動力応答性を最大
にする目標動作点を得ることができる。
図面に基づいて説明する。
の全体構成を示したものである。
ッチ15を介してベルト方式の無段変速機2(以下CV
Tと呼ぶ)の入力軸プーリ16と接続されている。
軸回転速度rNinは、回転速度センサ13により計測
され変速機制御ユニット4及びエンジン制御ユニット3
にそれぞれ入力される。
力軸を介してディファレンシャルギア19に連結され、
出力軸プーリ回転速度rNoutは回転速度センサ14
により計測され、変速機制御ユニット4及びエンジン制
御ユニット3にそれぞれ入力される。
には、伝動ベルト18がかかっており、この伝動ベルト
18を挟持する各プーリの巻き掛け半径を、油圧等で制
御することにより変速比が無段階に変化するように制御
される。
ア19により駆動トルクは左右駆動輪に分配され、タイ
ヤ5により地面へ伝えられる。
クセルペダル6の開度(=踏み込み量)APOを検出す
るアクセル開度センサー7、エンジン1の吸気通路に設
けたスロットルバルブ9の開度rTVOを検出するスロ
ットル開度センサー11、エンジン1の回転速度Neを
検出するエンジン回転速度センサー12、CVT入力軸
回転速度センサ13、CVT出力軸回転速度センサ14
の信号が入力回路23を介してそれぞれ入力される。
ットル開度フィードバック制御の結果出力される電子制
御スロットルモータ10への制御電流及び、CVT目標
入力回転速度tNinが出力回路24を介してそれぞれ
出力される。
制御ユニット4に入力され、上記検出した実際の入力軸
回転速度CVT実入力軸回転速度rNinとの偏差に基
づいてフィードバック制御される。
うち、目標駆動力を生成し各アクチュエータの動作量指
令値を出力するまでの制御ブロック構成を示したもので
ある。
は車速、tTdは目標駆動力、tNinはCVT目標入
力軸回転速度、rNinはCVT実入力軸回転速度、r
NoutはCVT実出力軸回転速度、tRATIOはC
VT目標変速比、rRATIOは実変速比、tTe0は
基本目標エンジントルク、tTeは最終目標エンジント
ルク、tTVOは目標スロットル開度をそれぞれ示して
いる。
セル開度APO、車速VSPの信号に基づいてマップ検
索にて目標駆動力tTdを演算する。なお、車速VSP
は、CVT実出力軸回転速度rNoutに所定の定数を
乗じて演算したものである。
速VSPの信号に基づいてマップ検索にてCVT目標入
力軸回転速度tNinを演算する。
inとCVT実入力軸回転速度rNinが一致するよう
にフィードバック制御が行われ、また、このCVT目標
入力軸回転速度tNinをCVT実出力軸回転速度rN
outで除したものを、CVT目標変速比tRATIO
として演算しておく。
1で算出された目標駆動力tTdを、CVT目標変速比
tRATIOで除したものより基本目標エンジントルク
tTe0を算出する。
T実入力軸回転速度rNinをCVT実出力軸回転速度
rNoutで除した実変速比rRATIOを求めてお
き、この実変速比rRATIOの変化率を用いて、変速
に伴うイナーシャトルク損失Tlossを算出する。
e0に、このイナーシャトルク損失Tlossを加算し
たものを最終目標エンジントルクtTeとして演算す
る。
標エンジントルクtTeに見合った目標スロットル開度
tTVOを演算して出力する。
は、後述する図3のように、目標動作点範囲の変速比H
i側(エンジン回転速度Neが低い側)の目標動作線A
と、変速比Lo側(エンジン回転速度Neの高い側)の
目標動作線Bの2つのマップがあり、目標動作線Aから
CVT目標入力軸回転速度tNin1を求め、目標動作
線BからCVT目標入力軸回転速度tNin2を求め
る。
nは、急加速判定ブロック104により算出される係数
tRN(0≦tRN≦1で内分比率である)を用い、 CVT目標入力軸回転速度tNin=(1−tRN)×
tNin1+tRN×Nin2 によって求められる。
を説明するマップを示し、図中破線で示した等駆動力線
と、図中実線で示した等燃費率線が、エンジントルクT
eとエンジン回転速度Neの関係に応じて設定される。
点で、等駆動力線と交差する点を結んだものを最適燃費
線として設定する。
って燃費率の悪化が所定の値となる点を、エンジン回転
速度Neの高い側(=エンジントルクの低い側)と、エ
ンジン回転速度Neの低い側(=エンジントルクの高い
側)にそれぞれ一点ずつ設定し、エンジン回転速度Ne
の低い側の点を結んだものを目標動作線Aとし、エンジ
ン回転速度Neの高い側の点を結んだものを目標動作線
Bとする。
動力線が交差する点から、等駆動力線に沿って燃費率の
悪化割合が所定の値となる両側で、エンジン回転速度N
eの高い側(エンジントルクの低い側)に点Plを設定
し、エンジン回転速度Neの低い側(エンジントルクの
高い側)に点Phを設定し、各等駆動力線上の点Phを
結んだものが目標動作線A(第1の境界線)となり、各
等駆動力線上の点Plを結んだものが目標動作線B(第
2の境界線)となる。そして、後述するように、エンジ
ン1及びCVT2は、最適燃費線を中心として、目標動
作線A、Bの範囲内で、内分比率tRNに応じて動作す
ることになる。
101、ブロック102及び急加速判定ブロック104
で行われるCVT目標入力軸回転速度tNinの演算に
ついて、図4のフローチャートを参照しながら説明す
る。なお、このフローチャートは、エンジン制御ユニッ
ト3で所定時間毎に実行されるものである。
POと前回値APO_OLDを読み込み、ステップS
2、S3では、内分比率tRNの前回値tRN_OLD
とCVT目標入力軸回転速度tNinの前回値tNin
_OLDをそれぞれ読み込む。
んだアクセル開度APOの現在値と前回値の差からアク
セル開度APOの変化率を演算して、ステップS5で
は、アクセル開度APOの変化率が所定値以下であるか
否かを判定する。
であれば、急加速中以外であるため、ステップS7へ進
んで、内分比率tRNの前回値と所定の増分値ΔtRN
2より、 tRN=tRN_OLD+ΔtRN2 として演算する。
値を超えて、急加速中と判定された場合には、ステップ
S6へ進んで、内分比率tRNの前回値と所定の減少値
ΔtRN1より、 tRN=tRN_OLD−ΔtRN1 として演算する。なお、ΔtRN1>ΔtRN2 そして、ステップS8、S9では、内分比率tRNを一
定の割合(ΔtRN2)で増加させるときには1を上限
とし、内分比率tRNを一定の割合(ΔtRN1)で減
少させるときには0を下限として制限する。上記ステッ
プS4〜S9が、急加速判定ブロック104に相当す
る。
VSPと上記アクセル開度APOより、予め設定したマ
ップより目標駆動力tTdの演算を行う。これらステッ
プS10、S11が上記目標駆動力演算ブロック101
に相当する。
3に示したマップから、目標動作線Aと目標駆動力tT
dより、CVT目標入力軸回転速度tNin1を求め、
目標動作線Bと目標駆動力tTdより、CVT目標入力
軸回転速度tNin2を求めて、ステップS14で、 tNin=(1−tRN)×tNin1+tRN×tN
in2 より、最終的なCVT目標入力軸回転速度tNinを求
める。
プS4で求めたアクセル開度APOの変化率より急加速
中であるかを判定し、急加速中であればステップS16
に進む一方、そうでない場合にはそのまま処理を終了す
る。
速度tNinの変化率を前回値tNin_OLDに基づ
いて演算して、ステップS17でこの変化率が所定値以
上でないときには、前回値tNin_OLDに所定の増
分値ΔtNinを加え、 tNin=tNin_OLD+ΔtNin として、エンジン回転速度Neの上昇を加えて加速感を
向上させる。
化率が所定の値未満である場合は、急加速中ではないと
判定し、内分比率tRNは1を上限に一定の割合で増加
し、急加速中以外では、図3に示した目標動作線Bに沿
って運転を継続する。
超える場合には、急加速中であると判定し、内分比率t
RNは0を下限に一定の割合で減少する。したがって、
エンジン1の動作点は、図3に示した目標動作線Bから
目標動作線Aへ向けて変化する。
の内分比率tRNの減少率は、急加速中でないと判定し
た場合の内分比率tRNの増加率よりも絶対値を大きく
すると良い。
減少させるのは、変速比の増加率(ダウンシフトの速
度)を低下させ、イナーシャトルクによる実駆動力の損
失を抑えることが目的であるので、急激な変速要求に対
しては即座に内分比率tRNを減少させることが必要で
ある一方、急加速でないときに内分比率tRNを増加さ
せるのは、次の急加速に備えて変速比のLo側(エンジ
ン回転速度Neの大側で目標動作線B側)にシフトさせ
ておくためであり、変速比をそれほど急激に変化させる
必要がないからである。
目標入力軸回転速度tNin1、CVT目標入力軸回転
速度tNin2を用いて、CVT目標入力軸回転速度t
Ninを求めるが、このとき、急加速中はCVT目標入
力軸回転速度tNinの変化率には一定の下限値を与え
ると良く、例えば、上記ステップS18のように所定の
変化率ΔtNinずつ増大させる。何故ならば、運転者
が加速を指示している動作に対し、ある程度のエンジン
回転速度の上昇が無いと、加速感が鈍いと運転者が感じ
るからである。
加速によって目標駆動力tBへ移行する場合を示してお
り、上記図4のフローチャートによる制御を行った場合
を示している。
の各点に対し、等駆動力で燃費率の悪化率が一定値であ
る点の集合として構成された動作線に囲まれた範囲とし
て定義される。
いて、駆動力tAの線上のうち、内分比率tRNが1と
なる点Paで走行する。
が、所定の急加速しきい値を超えたと判定されると共
に、内分比率tRNは1より急激に減少される(図3参
照)。
目標入力軸回転速度tNinが、前回制御時のCVT目
標入力軸回転速度tNinに対して減少する場合は、前
回のCVT目標入力軸回転速度tNinをそのまま用い
る。
Pb1となるがその後は、内分比率tRNを徐々に1を
上限に増加させるため、最終的な動作点は図中点Pb2
になる。
なる。
b2への移動となり、修正目標エンジントルクとして用
いることができるトルク余裕Tdifは比較的大きい
が、加速に伴うエンジン回転速度Neの変動幅は小さい
為、イナーシャトルクによる実駆動量の減少を防いで、
前記従来例に比して加速感を改善することができる。
と、図10、図12は、横軸にエンジン回転速度、縦軸
にエンジントルクとした平面上での目標動作点、実動作
点の動作例を示す。
目標動作線のみを基本目標動作線としてトレースする場
合のマップを示している。
線のみをトレースする場合の動作線を示している。
より目標駆動力が増大する場合、基本目標変速比もLo
側に大きく移動する為、このダウンシフトに対するイナ
ーシャ補償分の修正分Tlossも増大する。
には、図10のようにエンジン動作線は太線のようにト
ルク増大側に移動する。
費線は、最大トルクに対してあまり余裕の大きくない領
域を通る場合が多いので、エンジントルクは上限(最大
トルク)にはりつき、その間は実駆動力は達成できな
い。
率線よりも高エンジン回転速度、低エンジントルク側の
動作線のみをトレースする場合の動作線を示している。
動力tBへと急加速により目標駆動力が増大する場合を
考えると、図5の場合よりも全開トルクに対する余裕ト
ルクTdifは大きいが、CVT目標入力軸回転速度t
Ninの変化代が大きい為、イナーシャトルク損失Tl
ossは逆に大きくなる。したがって、この場合もエン
ジントルクは上限にはりつくことが多く実駆動力は達成
できない。
図12のマップ上に示した、駆動力tAからtBへの急
加速時のタイミングチャートを示したものである。
増したとき、目標駆動力tTdも同様の形状でステップ
状に変化する。
標入力軸回転速度tNinは比較的小さい値に変化す
る。一方、前記従来例の図13に於いては、CVT目標
入力軸回転速度tNinが比較的大きい値に変化する。
は、CVT目標入力軸回転速度tNinは、急加速直後
には比較的小さい値に変化する。その後徐々にCVT目
標入力軸回転速度tNinを増大させる。
図11に於いては比較的小さい値に変化する。同じく従
来例の図13に於いては比較的大きい値へ変化した後、
小さい値に変化する。
比較的小さい値から急加速直後には比較的大きい値に変
化する。その後、徐々に基本目標エンジントルク基本目
標エンジントルクtTe0を減少させる。
は基本目標エンジントルクと一致し、図2に示したよう
に、急加速に伴いイナーシャ損失トルク分の修正目標エ
ンジントルクが加算される。
終目標エンジントルクは最大エンジントルクを超えるか
等しい為、最大エンジントルク相当の値にはりつく。
は、CVT目標入力軸回転速度tNinの変化率に依存
しているので、そのピーク値は、変速比変化が最も大き
い従来例の図13が一番大きくなるのに対して、本発明
による図6では、変速比変化が微小であるため、イナー
シャトルク損失Tlossも小さくなる。
前記従来例の図11に於いては、目標エンジントルクが
最大エンジントルクにはりついている間(図10参照)
は実駆動力が目標駆動力を下回っている。
ンジントルクにはりついている間(図12参照)は、実
駆動力が目標駆動力を下回っているが、トルク余裕が大
きい分下回り方が小さいはずではあるが、実際には図1
3の場合には、CVT目標入力軸回転速度tNinの変
化幅が大きい為にイナーシャトルク損失分が大きくなっ
て、最終的な実駆動力は小さくなってしまう。
ク余裕Tdifも十分大きく、CVT目標入力軸回転速
度tNinの変化幅も小さい為、前記従来例に比べて実
駆動力の目標駆動力に対する目減り幅が小さくなって、
イナーシャトルク損失Tlossによる実駆動力の減少
を抑制していることが分かる。
標変速比tRATIOに基づいて、CVT目標入力軸回
転速度tNinを求める場合である。
このフローチャートは、上記エンジン制御ユニット3で
所定時間毎に実行されるものである。
APOを読み込み、ステップS22、S23、S24で
は、CVT目標入力軸回転速度tNinの前回値tNi
n_OLDと、CVT目標変速比tRATIOの前回値
tRATIO_OLD及び目標エンジントルクtTeの
前回値tTe_OLDをそれぞれ読み込む。
いて、CVT目標入力軸回転速度tNinの前回値tN
in_OLDのときに、発生可能なエンジントルクの最
大値Tmaxを演算する。
difを、ステップS25で求めた最大エンジントルク
Tmaxと、目標エンジントルクtTeの前回値tTe
_OLDより、 Tdif=Tmax−tTe_OLD として余裕トルクTdifを演算する。
ifに基づいて、次式から変速比変化率ΔRATIO
(目標エンジン速度変化率上限値)を、 ΔRATIO=Δt×Tdif/(Je×Gf×VSP
/R) より演算する。ただし、 Δt:制御周期 Je:エンジン1及びCVT2の入力軸プーリ16を合
わせた慣性モーメント Gf:ディファレンシャルギアのギア比 R:タイヤ半径 である。
RATIOの前回値tRATIO_OLDに変速比変化
率(=変速速度)ΔRATIOを加算して、tRATI
Oaを、 tRATIOa=tRATIO_OLD+ΔRATIO として求めておく。
TIOaと車速VSPから、 tNina=tRATIOa×VSP×GF/R より、前回制御時のCVT目標変速比tRATIOに基
づいてtNinaを演算しておく。
3に示したマップから、目標動作線Aと目標駆動力tT
dより、CVT目標入力軸回転速度tNin1を求め、
目標動作線Bと目標駆動力tTdより、CVT目標入力
軸回転速度tNin2を求める。
で求めたtNinaが目標動作線Aに応じたtNin1
以上であるかを判定し、tNinaがtNin1未満で
あればステップS35に進んで、CVT目標入力軸回転
速度tNinをtNin1に規制する。
テップS33で、tNinaが目標動作線Bに応じたt
Nin2以下であるかを判定し、tNinaがtNin
2以内であれば、上記tNinaは目標動作範囲にある
ため、ステップS34で、CVT目標入力軸回転速度t
NinとしてtNinaを設定する。
ればステップS36に進んで、CVT目標入力軸回転速
度tNinをtNin2に規制する。
(イナーシャトルク損失Tloss)が、トルク余裕T
difと等しくなるように目標変速比の変化率(=CV
T目標入力軸回転速度tNinの変化率)を制限するこ
とにより加速感の改善代が最適になるようにした場合に
ついて、図8、図9を参照しながら説明する。
る。急加速前は定常走行であり、上記図5と同様に、内
分比率tRNが1となる点Paで走行する。
が等しくなるようなCVT目標入力軸回転速度tNin
を求め、前回制御時のCVT目標入力軸回転速度tNi
n_OLDに、所定の増分値△tNinを加えたものを
新たなCVT目標入力軸回転速度tNinとするが、動
作点Paは、同一の駆動力線上において目標動作点範囲
のうち最もエンジン回転速度の大きい点であるので、定
常状態では動作点はPaから動かない。
移動した場合では、目標駆動力tTdの変化代が大きい
割に、増分値△tNinは小さい為、動作点は目標動作
点範囲のうち最もエンジン回転速度の大きい方の境界線
=目標動作線Bから離れ、図中拡大図のように、目標動
作点範囲の内部に移動する。
範囲のうち最もエンジン回転速度の小さい側の境界線=
目標動作線A側に到り、その後はそちら側の境界線をト
レースする。
ると、再び動作点は目標動作点範囲の内部に移動し、最
後は再びエンジン回転速度Neの大きい方の目標動作線
Bに到る。
Ninの変化率は最もエンジン回転速度の小さい側の境
界線である目標動作線Aによって制限される場合を除い
て、変速比変化率が十分小さく制限される為、イナーシ
ャトルク損失Tlossを抑制して加速感を改善するこ
とができるのである。
われる駆動力を、エンジン出力軸上のトルクとして換算
した値Tlossが余裕トルクTdifに等しくなるよ
うにしたため、急加速の判定を行わずに、イナーシャト
ルク損失Tlossをエンジントルク余裕Tdifで補
償できる範囲で変速させながらも、目標動作点範囲を逸
脱せずに目標駆動力tTdを実現できる場合には、イナ
ーシャトルク補償を行うことができる範囲で変速速度を
変化させて、加速中のイナーシャトルク損失を抑制なが
らも、実駆動力をできる限り目標駆動力に近づけること
が可能となるのである。
ときには、急加速状態と判定してもよい。
全体構成を示したものである。
る。
ンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマッ
プである。
る。
ンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマッ
プで、急加速時の動作を示す。
動力、変速比、エンジントルク及び実駆動力と時間の関
係を示すグラフ。
すフローチャートである。
ンジントルクとエンジン速度に応じた目標動作点のマッ
プで、急加速時の動作を示す。
ル開度、目標駆動力、変速比、エンジントルク及び実駆
動力と時間の関係を示すグラフ。
メータとした、エンジントルクとエンジン速度に応じた
目標動作点のマップで、急加速時の動作を示す。
ペダル開度、目標駆動力、変速比、エンジントルク及び
実駆動力と時間の関係を示すグラフ。
パラメータとした、エンジントルクとエンジン速度に応
じた目標動作点のマップで、急加速時の動作を示す。
ペダル開度、目標駆動力、変速比、エンジントルク及び
実駆動力と時間の関係を示すグラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】 トルクを制御可能なエンジンと、 エンジンに連結されて変速比を連続的に変更可能な変速
機と、 アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度検出手段
と、 検出されたアクセルペダル開度と車両の運転状態に基づ
いて、車両の駆動力の目標値を定める目標駆動力設定手
段と、 この目標駆動力に基づいてエンジンまたは変速機を制御
する駆動力制御手段とを備えた車両の駆動力制御装置に
おいて、 前記駆動力制御手段は、 エンジン回転速度とエンジントルクの組合せによって決
定される多数のエンジン動作点の中から予め設定した目
標動作点範囲内で前記目標駆動力を実現するように基本
目標エンジントルクと目標エンジン回転速度を演算する
基本目標動作点演算手段と、 前記基本目標エンジントルクに対し、変速に伴う駆動力
の不足分に基づいて修正目標エンジントルクを演算する
修正目標エンジントルク演算手段と、 前記基本目標エンジントルクに修正目標エンジントルク
を加えて最終目標エンジントルクを演算する最終目標エ
ンジントルク演算手段と、 この最終目標エンジントルクと目標エンジン回転速度に
応じて前記エンジンまたは変速機を制御する制御手段と
を有し、 前記基本目標動作点演算手段は、前記目標動作点範囲の
うちエンジントルクが高い側の第1の境界線と、目標駆
動力に相当する等駆動力線との交点に於けるエンジン回
転速度を最低目標エンジン回転速度とし、前記目標動作
点範囲のうちエンジントルクが低い側の第2の境界線
と、目標駆動力に相当する等駆動力線との交点に於ける
エンジン回転速度を最高目標エンジン回転速度として、
これら最低目標エンジン回転速度と最高目標エンジン回
転速度の間の内分点を目標エンジン回転速度として演算
する際に、この内分点を車両の加速状態に応じて内分比
率を変化させることを特徴とする車両の駆動力制御装
置。 - 【請求項2】 前記基本目標動作点演算手段は、目標駆
動力を実現する複数の動作点の中で、各目標駆動力毎に
最も燃費率の良い動作点の燃費率に対して燃費率悪化の
割合が予め設定した値以内である動作点により目標動作
点範囲を設定したことを特徴とする請求項1に記載の車
両の駆動力制御装置。 - 【請求項3】 前記駆動力制御手段は、車両の急加速を
検出する急加速検出手段を有し、急加速検出手段により
急加速が検出されたときには、前記目標エンジン回転速
度を算出するための内分比率を、目標エンジン回転速度
が減少しない範囲で減じる一方、急加速が検出されない
ときは、内分比率を増加させることを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の車両の駆動力制御装置。 - 【請求項4】 前記急加速検出手段は、アクセルペダル
開度の時間変化率に関して急加速判定を行うことを特徴
とする請求項3に記載の車両の駆動力制御装置。 - 【請求項5】 前記急加速検出手段は、目標エンジン回
転速度と目標エンジントルクの組み合わせからなる動作
点が、予め設定した急加速判定動作線をエンジントルク
が高い側に超えた場合に、急加速と判定することを特徴
とする請求項3に記載の車両の駆動力制御装置。 - 【請求項6】 前記急加速判定動作線は、エンジン回転
速度に応じて発生可能な最大エンジントルクに応じて設
定されることを特徴とする請求項5に記載の車両の駆動
力制御装置。 - 【請求項7】 前記急加速判定動作線は、前記目標動作
点範囲のうち、エンジントルクが高い側の第1の境界線
と一致することを特徴とする請求項5に記載の車両の駆
動力制御装置。 - 【請求項8】 直前の基本目標動作点に対し、同一エン
ジン回転速度での最大エンジントルクまでの余裕トルク
と、前記修正エンジントルクがこの余裕トルクを超えな
いために必要な目標エンジン回転速度変化率上限値を求
め、前回の目標エンジン回転速度、目標エンジン回転速
度変化率上限値から求まる現在の目標エンジン回転速度
を用い、現在の演算ステップに於ける前記内分比率を求
めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
車両の駆動力制御装置。
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