JP5251172B2 - 無段変速機を備えた車両の駆動力制御装置 - Google Patents

無段変速機を備えた車両の駆動力制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、Vベルト方式やトロイダル方式などの無段変速機を備えた車両の駆動力制御装置に関するものである。
無段変速機を備えた車両においては、運転者の急加速要求や手動変速モードにおける運転者のシフト操作に基づく変速要求などにより、ショックが生じるという問題があった。
このようなショックを軽減または防止する発明としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
特許文献1に記載の無段変速機の変速制御装置は、車両が被駆動状態から駆動状態に変化したことが判断された後に、急変速を行うようにしている。これにより、被駆動状態から駆動状態への切り替わり時点でのトルク変化率が緩和され、ショックが防止、もしくは抑制されるものである。
特開2001−330132号公報
しかし、上記従来のような無段変速機の変速制御装置にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまり特許文献1に記載の技術は、単に、車両が被駆動状態から駆動状態に変化するのを待って急変速制御を行うものであるため、被駆動状態から駆動状態へのトルクの変化による振動と、変速制御による振動とが同調し、ショックが生じてしまう場合がある。
本発明は、無段変速機を備えた車両において、運転者のアクセル操作やシフト操作に伴うショックを抑制することができる駆動力制御装置を提案するものである。
本発明によれば、車両の駆動源である原動機と、前記原動機の出力により駆動される駆動輪と、前記原動機と前記駆動輪との間に設けられ、前記原動機の出力を前記駆動輪に伝達する伝達機構と、前記伝達機構の一部であり、前記原動機の出力を無段階に変速する無段変速機と、運転者に操作されるアクセルの開度に基づき、前記無段変速機の変速比を制御する変速制御手段と、前記原動機が出力するトルクを推定する出力トルク推定手段と、前記駆動輪に伝達されるトルクを推定する伝達トルク推定手段と、前記出力トルク推定手段と前記伝達トルク推定手段とが推定した各トルクの差を算出するトルク差算出手段と、前記トルク差算出手段が算出したトルク差が前記無段変速機の変速速度を制御することによって発生するイナーシャトルクによって相殺されるように、前記無段変速機の変速速度を制御するショック低減手段と、を備えたことを特徴とする車両の駆動力制御装置が提供される。
本発明によれば、運転者のアクセル操作の後のショックを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる車両の駆動力制御装置を具えたパワートレーンである。
エンジン1は内燃機関であり、そのスロットルバルブ3を運転者が操作するアクセルペダル(図示せず)により開度変更することで出力を調整することができる。
無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、トルクコンバータ4を介してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプーリ5と、これに整列配置したセカンダリプーリ6と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト7とを具える。
そして、セカンダリプーリ6にファイナルドライブギヤ組8を介してディファレンシャルギヤ装置9を駆動結合し、これらにより左右の車輪19を回転駆動するものとする。
無段変速機2の変速動作は、プライマリプーリ5およびセカンダリプーリ6のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近させてV溝幅を狭めたり、逆に離間させてV溝幅を拡げたりして、プライマリプーリ5およびセカンダリプーリ6に対するVベルト7の巻き掛け径を変化させることにより行うようにし、
両可動フランジのストローク位置を、変速制御油圧回路10からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecにより決定する。
変速制御油圧回路10は変速アクチュエータとしてのステップモータ11を具え、変速機コントローラ12が、ステップモータ11を後述する目標変速比R0に対応したステップ位置STPに駆動させることで、無段変速機2を、実変速比が目標変速比R0に一致するように無段変速させることができる。
かかる変速制御のため変速機コントローラ12には、スロットルバルブ3のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ13からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ14からの信号と、
変速機入力回転数(プライマリプーリ回転数)Niを検出する入力回転センサ15からの信号と、
変速機出力回転数(セカンダリプーリ回転数)Noを検出する出力回転センサ16からの信号と、
変速機入力側回転数であるエンジン1の回転数Rev(変速機入力回転数でもよい)を検出するエンジン回転センサ17からの信号と、
無段変速機2の変速形態を運転者が決定するためのシフトレバー18からのシフト操作信号(シフトレバー位置)とを入力する。
シフトレバー18は図示のように、駐車(P)レンジ位置と、後退走行(R)レンジ位置と、中立(N)レンジ位置と、自動変速(D)レンジ(自動変速モード)位置と、エンジンブレーキ(L)レンジ位置とを同列に有するほか、自動変速(D)レンジ(自動変速モード)位置の横に並べた手動変速(M)モード位置を有し、これらの位置に操作されるとき対応するレンジ信号およびモード信号を出力するものとする。
シフトレバー18が自動変速モード(自動変速(D)レンジ)に位置する間、変速機コントーラ12は、車速VSPおよび目標エンジン回転数TRevについて規定された公知の無段変速用マップ、例えば図2に実線で示すごとき予定の変速パターン(図では、スロットル開度TVOが0/8,3/8,6/8,8/8の時の自動変速線のみを示した)を参照し、上述した入力信号に対応するスロットル開度TVO(エンジン負荷)および車速VSPから目標エンジン回転数TRevを求め、これが達成されるよう目標変速比R0を無段階に制御する。
また手動変速(M)モード位置においてシフトレバー18は、アップシフト位置(+)とダウンシフト(−)位置との中間に弾支され、運転者がシフトレバー18をアップシフト位置(+)に倒す度に今よりもハイ側の手動変速比へのアップシフト指令を発し、運転者がシフトレバー18をダウンシフト(−)位置に倒す度に今よりもロー側の手動変速比へのダウンシフト指令を発するものとする。
これらアップシフト指令やダウンシフト指令になる手動変速制御については、予め図2に破線で示すような複数の固定変速比の手動変速段(M1:手動第1速〜M6:手動第6速)を設定しておき、シフトレバー18を介した運転者の手動によるアップシフト指令やダウンシフト指令の度に隣り合う手動変速段M1〜M6間で順次アップシフトやダウンシフトを行わせ、該当する手動変速段を表す変速線M1〜M6に基づき車速VSPから目標エンジン回転数TRevを求め、これが達成されるように目標変速比R0を算出する。
以下、本発明に係わる変速制御を説明する。
これらの変速制御に際し変速機コントローラ12は、上記した入力情報をもとに図3に示す制御プログラムを定時間隔、例えば100ms、で実行して無段変速機2を変速制御する。
ステップS1においては運転者によりアクセル操作がされたか否かを判断している。アクセル操作が行われていないと判断すると(NO)、この制御プログラムを抜け(RETURN)、引き続きこの制御プログラムのステップS1に入り、アクセル操作が行われたか否かを判断する。アクセル操作が行われたと判断すると(YES)、ステップS2へ進む。
ステップS2においては、実際の変速比Rと、変速後の目標変速比R0と、エンジン出力トルクTeとを読み込み、タイマTimerのカウントを開始する。
ここで実際の変速比Rは、検出した変速機入力回転数Niおよび変速機出力回転数Noの除算から算出することができる。またエンジン出力トルクTeは、予め記憶しておいたエンジン性能曲線を参照し、検出したエンジン回転数Revとスロットル開度TVOに基づき推定可能である。
次のステップS3においては、上記の目標変速比R0と実変速比Rとの差が閾値Rmin未満であるか、カウント中のタイマTimerが所定の閾値よりも大きいか判断する。これら2つの条件のうち少なくとも一方を満足する場合(YES)、この制御プログラムを抜ける(RETURN)。目標変速比R0と実変速比Rとの差が少なければ変速ショックは無視できるほど小さいためである。またカウント時間の満了により本制御を終了するためである。
これに対しこれら2つの条件を共に満足しない場合(NO)、ステップS4に進む。
ステップS4においては、エンジン1の駆動トルクTENGおよび実駆動トルクである車輪19の駆動トルクTDRVを算出し、これらのトルク差TDLTを算出する。同様に実駆動トルクTDRVは、実変速比Rとエンジン出力トルクTeと伝達機構の固定変速比とから算出する。なお伝達機構の固定変速比とは、ファイナルドライブギヤ組8およびディファレンシャルギヤ装置9等、エンジン1および車輪19間を駆動結合する伝達機構の構成要素によって決定される。
ここで付言すると、車輪19の駆動トルクが変化する場合、当該変化が大きいほど、車輪の接地面から伝達機構に向かって変速ショックが入力される。
次のステップS5においては、上記ステップS4で求めたトルク差TDLT の絶対値が閾値未満であるか否か判断する。閾値未満である場合(YES)、この制御プログラムを抜ける(RETURN)。これに対し閾値以上である場合(NO)、ステップS6に進む。
ステップS6においては、変速制御中における変速比時間変化の目標値dR/dtを算出する。
当該算出の目的は、当該アクセル操作によって無段変速機の変速比が急変する場合にあっては、伝達機構において、伝達機構のイナーシャに比例する、また急変中の変速比時間変化に比例するイナーシャトルクが発生するという事実認識に基づき、
このイナーシャトルクを積極的に制御することによって、前述した駆動トルク差TDLTを相殺する制御を実行するためである。
イナーシャトルクは、変速比時間変化と伝達機構のイナーシャとの積であることから具体的には、駆動トルク差TDLTを図1に示すパワートレーンの伝動系イナーシャIPTで除算した算出値を、変速比時間変化の目標値dR/dtとする。
次のステップS7においては、上記ステップS6で算出した変速比時間変化の目標値dR/dtが、変速制御油圧回路10およびステップモータ11の最大能力Rdotmax未満であるか否かを判断する。
変速比時間変化の目標値dR/dtが最大能力Rdotmax未満であれば(YES)ステップS8へ進み、変速比時間変化の目標値dR/dtが最大能力Rdotmax以上であれば(NO)ステップS10へ進む。
ステップS8に進むと、無段変速機2の能力の範囲内で変速比を時間変化させることが可能であるため、上記した目標値dR/dtに本制御プログラムの定時間隔Δtを乗算して変速比変化幅ΔRを算出する。そして、算出した変速比変化幅ΔRに実変速比Rを足し合わせて、今回の制御プログラム実行時における変速比RNEXTを求める。
次のステップS9においては、上記ステップS8で求めた今回の変速比RNEXTを実行するよう、ステップモータ11に変速比指令STPを出力する。また、後述するTecorrectの実行指令をエンジン1のコントローラ(図示せず)に出力する。そしてステップS3に戻る。
これに対し、上述したステップS7からステップS10に進むと、無段変速機2の能力の範囲内で変速比を時間変化させることができないため、イナーシャトルクの不足分をエンジン出力トルクの補正で補填する処理とを実行する。具体的には、以下の式に基づき、エンジン出力トルク補正値Tecorrectを算出する。
Tecorrect =(dR/dt−Rdotmax)*IPT ・・・(1)
次のステップS11においては、上記した変速比時間変化の最大能力Rdotmaxに本制御プログラムの定時間隔Δtを乗算して変速比変化幅ΔRを算出する。また、算出した変速比変化幅ΔRに実変速比Rを足し合わせて、今回の制御プログラム実行時における変速比RNEXTを求める。そして上記ステップS9に進む。
ステップS9に進むと、上記ステップS8で求めた今回の変速比RNEXTを実行するようステップモータ11に変速比指令STPを出力する。またエンジン1が上記ステップS10で算出したエンジン出力トルク補正値Tecorrectを出力するよう、図示しないエンジンコントローラに実行指令を出力する。そしてステップS3に戻る。エンジンコントローラでは、現出力に対し、補正値Tecorrectを加えた分を出力するようエンジンを制御する。
次に本実施例の作用を、図4のタイムチャートに沿って説明する。
瞬時t1において、運転者の操作により、アクセルペダルが踏み込まれると、アクセルペダルストロークが大きく、ステップS1で、アクセル操作が行われたと判断される。その後、ステップS3で、このアクセルペダルストロークに対応する自動変速機2の目標変速比R0が算出される。
そして、実変速比Rは、瞬時t1から瞬時t2に至るまで、予め定められた所定の変速比時間変化(変速速度)Rv1で変化する。
瞬時t2において、エンジン1の出力トルクと実駆動トルクとのトルク差が所定の値となると、ステップS5で、トルク差が閾値を下回ったと判断され、ステップS6で、このトルク差を相殺するために必要なイナーシャトルクを生み出す変速比時間変化(変速速度)の目標値dR/dtが算出される。ステップS7で、この目標値dR/dtが最大能力Rdotmax以上であると判断され、ステップS10で、エンジン出力トルク補正値Tecorrectを算出する。
瞬時t2から所定時間経過後の瞬時t3において、変速比時間変化の目標値dR/dtが最大能力Rdotmaxに制御されるとともに、算出されたエンジントルク補正値Tecorrectに基づきエンジン1が制御される。
破線DL1は、ショック低減手段である、変速速度制御及びエンジントルク制御が行われなかった場合の実駆動トルクを示し、瞬時t3後に、エンジン1の出力トルクを大きく上回り、その後も大きな振動が継続して起こっており、車両にショックが発生していることを示している。
また、太破線DL2は、変速速度制御のみが行われた場合の実駆動トルクを示し、瞬時t3後に、エンジン1の出力トルクを上回る実駆動トルクが、破線DL1に比較して小さくなっており、運転者のアクセル操作の後のショックが低減されていることを示している。
更に、太実線SL1は、変速速度制御、及び、エンジンのトルク制御の双方が行われた場合の実駆動トルクを示し、瞬時t3後に、エンジン1の出力トルクを上回る実駆動トルクが、太破線DL2に比較して更に小さくなっており、運転者のアクセル操作の後のショックが更に低減できていることを示している。
次に、手動変速(M)モードにおいて、運転者のシフト操作がされた場合について、図5,6とともに説明する。
ステップS21においては、シフトレバー18が手動変速(M)モード位置で、シフト操作が行われたか否か、即ち、アップシフト位置(+)に倒されたか否か、及び、ダウンシフト(−)位置に倒されたか否かを判断する。シフト操作が行われていないと判断すると(NO)、この制御プログラムを抜け(RETURN)、引き続きこの制御プログラムのステップS21に入り、シフト操作が行われたか否かを判断する。シフト操作が行われたと判断すると(YES)、ステップS22へ進む。
ステップS22及びステップS23は、図3に示したステップS2及びステップS3と同一なので、説明を省略する。
ステップS24においては、予め設定された、実変速比Rから目標変速比R0へ変速する際の変速比時間変化dR/dtを読み込む。
次に、ステップS25において、伝達機構のイナーシャIPT1を読み込み、ステップS26に進み、ステップS26において、変速比時間変化dR/dtと伝達機構のイナーシャIPT1とから、イナーシャトルクIPT2を算出する。
ステップS27において、ステップS26で算出したイナーシャトルクIPT2に相当するエンジン出力補正トルクTecorrectを算出し、ステップS28に進み、ステップS28において、エンジン出力トルクTeにエンジン出力補正トルクTecorrectを加えた指令値を図示しないエンジンコントローラに出力する。そして、ステップS23に戻る。
次に本実施例の作用を、更に図6のタイムチャートに沿って説明する。
図6中、瞬時t1に手動変速(M)モード位置にあるシフトレバー18がダウンシフト(−)位置に倒されたとのシフト操作信号が発せられると、目標変速比R0を算出する。
そして図6中、変速比Rは、瞬時t1から次の瞬時t2に至るまで、予め設定された定時間隔Δt当り変化幅ΔRで変化し、瞬時t2で変速比Rが目標変速比R0に切り換わり、変速制御が終了する。
本実施例になる駆動力制御によればエンジンの出力トルクを図に示すように変化させるため、変速制御開始前(瞬時t1)から変速制御終了後(瞬時t2)までの間、車輪の駆動トルクは、図6中の実線に示すように、大きな脈動もなく、変速ショックが生じることはない。
比較のため、上記変速制御を実行しない従来例を図6中に破線で示すと、変速制御中にはハッチングで図示する大きな脈動、すなわち変速ショックが発生する。
エンジン出力トルクTeは、図3の上記ステップS7でYESと判断される場合、図4中に実線Teで示すように、変速制御(t1〜t2)の前の変速比および後の変速比に亘り、大きな変化はない。
一方、図3の上記ステップS7でNOと判断される場合、つまり本実施例になる変速制御により発生可能なイナーシャトルクが不足すると判断する場合、上記ステップS8以降でエンジン出力トルクTeにTecorrectを加える補正を実行することから、
図4中、一点鎖線で示すようにエンジン出力トルクを適宜変化させる。
なお、図6にはn速から(n−1)速への変速における作用を示したが、逆方向に切り換える操作であっても、上記説明と同様の作用が得られる。
ところで、上記した実施例によれば、出力トルク推定手段及び伝達トルク推定手段に相当する変速機コントローラ12が、エンジン出力トルク推定値TENG及び実駆動トルクTDRVをそれぞれ求める(図3のステップS4)。またトルク差算出手段に相当する変速機コントローラ12は、これらエンジン出力トルク推定値TENG及び実駆動トルクTDRVのトルク差TDLTを算出する。またイナーシャトルク算出手段及びショック低減手段に相当する変速機コントローラ12は、エンジン1とディファレンシャルギヤ装置9に取り付けた図示しない車輪とを駆動結合する図1に示す伝達機構のイナーシャ、及び無段変速機2の変速比Rの時間変化ΔRに基づいて発生するイナーシャトルクが、前記トルク差TDLTを相殺するよう、前記変速比Rの時間変化ΔRを制御する。
したがって、運転者のアクセル操作に対し、図4、図6にハッチングで示す変速ショックを好適に解消することができ、変速比Rを徐々に修正する従来技術よりも速やかに変速制御を達成することができる。
また、従来技術のように車両が被駆動状態から駆動状態に変化するのを待って急変速制御を行うものでないので、被駆動状態から駆動状態へのトルクの変化による振動と変速制御による振動とが同調して不所望な変速ショックが生じることがない。
また上記の実施例によれば、イナーシャトルク算出手段及びショック低減手段に相当する変速機コントローラ12が、最大イナーシャトルク算出手段、比較手段、及び、補正出力トルク算出手段にも相当し、前記トルク差TDLTを、前記イナーシャトルクのみならず、エンジン1の出力トルク補正値Tecorrectによっても相殺することから(図5のステップS26)、
変速直前の変速比と、変速直後の変速比とが大きく乖離する場合であっても、確実に変速ショックを防止することができる。
さらに上記の実施例によれば、最大イナーシャトルク算出手段、比較手段、及び、補正出力トルク算出手段にも相当する変速機コントローラ12が、前記トルク差TDLTを、変速比Rの可能最大時間変化Rdotmaxにおける前記イナーシャトルク及びエンジン1の出力トルク補正値Tecorrectによって相殺することから(図3のステップS10)、
変速直前の変速比と、変速直後の変速比とが特に大きく乖離する場合であっても、確実に変速ショックを防止することができる。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨に逸脱しない範囲において種々変更が加えられうるものである。例えば、本実施例の駆動力制御は、自動変速モード中にアクセルペダル操作で変速比を急変化させる場合や手動変速モード中に変速比を急変化させる場合のみならず、モード切り換え時などの場合であっても、適用することが可能である。
本発明の一実施例になる車両の駆動力制御装置を具えたパワートレーンを、その制御系と共に示す概略システム図である。 図1における変速機コントローラが、自動変速モードで目標エンジン回転数および目標変速比を求める時に用いる変速パターンを、手動変速モードでの場合と共に示す線図である。 図1における変速機コントローラが実行するプログラムを示すフローチャートである。 上記実施例のトルク変化等を、従来例と比較して示すタイムチャートである。 本発明の他の実施例になる、手動モードにおいて運転者のシフト操作がされた場合に図1における変速機コントローラが実行するプログラムを示すフローチャートである。 上記他の実施例のトルク変化等を、従来例と比較して示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 無段変速機
3 スロットルバルブ
4 トルクコンバータ
5 プライマリプーリ
6 セカンダリプーリ
7 Vベルト
8 ファイナルドライブギヤ組
9 ディファレンシャルギヤ装置
10 変速制御油圧回路
11 ステップモータ
12 変速機コントローラ
13 スロットル開度センサ
14 車速センサ
15 入力回転センサ
16 出力回転センサ
17 エンジン回転センサ
18 シフトレバー

Claims (2)

  1. 車両の駆動源である原動機と、
    前記原動機の出力により駆動される駆動輪と、
    前記原動機と前記駆動輪との間に設けられ、前記原動機の出力を前記駆動輪に伝達する伝達機構と、
    前記伝達機構の一部であり、前記原動機の出力を無段階に変速する無段変速機と、
    運転者に操作されるアクセルの開度に基づき、前記無段変速機の変速比を制御する変速制御手段と、
    前記原動機が出力するトルクを推定する出力トルク推定手段と、
    前記駆動輪に伝達されるトルクを推定する伝達トルク推定手段と、
    前記出力トルク推定手段と前記伝達トルク推定手段とが推定した各トルクの差を算出するトルク差算出手段と、
    前記トルク差算出手段が算出したトルク差が前記無段変速機の変速速度を制御することによって発生するイナーシャトルクによって相殺されるように、前記無段変速機の変速速度を制御するショック低減手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 前記ショック低減手段は、前記トルク差算出手段が算出したトルク差が前記無段変速機の変速速度を制御することによって発生する前記イナーシャトルクと前記原動機の出力トルクの補正によって相殺されるように、前記無段変速機の変速速度を制御するとともに、前記原動機の出力トルクを補正することを特徴とする、請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
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