JP5349991B2 - クラッチ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の発進時にクラッチの伝達トルクを制御するクラッチ制御装置に関する。
従来、車両の発進時にクラッチの伝達トルクを制御する制御装置として、例えば、下記特許文献1に記載された発進クラッチ制御装置が知られている。
これによれば、クラッチ速度比検出手段により車両の駆動側及び被駆動側のクラッチの速度比ESCが検出されると、トルク容量補正値決定手段により、トルク容量補正値が、その検出されたクラッチ速度比が値1.0のときに極小となり、その値の両側で徐々に増加するような値に決定され、トルク容量補正値変更手段により、そのトルク容量補正値がスロットル弁開度検出手段により検出されたスロットル弁開度APに応じて変更される。この変更されたトルク容量補正値と、エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に応じて算出された基本トルク容量とに基づいて、トルク容量決定手段によりそのトルク容量が決定される。
これにより、急激なスロットル操作等によるエンジンのトルク変動ショックを、広範なクラッチの速度比に亘って十分に吸収することで運転性をより向上させるとともに、燃費の低減化を図ることが可能である。
特開平9−72353号公報
上記のような従来のクラッチ制御では、エンジン回転数NE及びクラッチ速度比ESCに基づいて、トルクコンバータを模した発進制御を行っていた。
しかしながら、クラッチの品質のバラツキ、クラッチ或いはエンジンの劣化などに起因して、発進時のクラッチの締結過渡状態でエンジン回転が変動することにより、次のような問題が生じていた。
特にハイブリッド車の場合、エンジン回転数が低すぎると、入力トルクが増大するのに対し、オイルポンプ流量が減少してオイルの潤滑量及び制御圧が不足するので、大容量のオイルポンプが必要となり、効率・燃費を低下させる原因となる。
また、エンジン回転が高すぎる場合、クラッチ差回転が大きいため、クラッチが吸収する仕事率及びエネルギーが大きくなり、発進クラッチの仕事量が増大するため、クラッチのディスク枚数の増大による大径化等が必要となり、重量増大や燃費悪化にもたらす。更に、無段変速機(CVT)のオイル劣化が進むため、CVTオイル交換頻度が上がる。
本発明は、従来のクラッチ制御技術では対応できていなかった上記の問題を解決するものとして、クラッチ伝達トルクTQSTのバラツキを補正することで発進時のエンジン回転を適正値に保持し、安定した発進動作を実現すると共に軽量化及び燃費向上を図ることができるクラッチ制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両の駆動側及び被駆動側の間に設けられ、双方間の接続を制御する発進クラッチの制御装置において、
エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
前記駆動側及び被駆動側のクラッチの速度比を検出するクラッチ速度比検出手段と、
エンジン回転に応じて、発進クラッチのトルク容量TPQを決定する基本トルク容量を算出する基本トルク容量算出手段と、
トルク容量補正値PSTBMを、前記検出されたクラッチ速度比ESCが値1.0のときに極小となり、その値の両側で徐々に増加するような値に決定するトルク容量補正値決定手段と、
該決定されたトルク容量補正値PSTBM及び前記算出された基本トルク容量に基づいて発進クラッチの伝達トルクTQSTを決定する伝達トルク決定手段と、
エンジン回転に応じて、発進クラッチ入力トルクTQDNSCBを算出する入力トルク算出手段と、
前記発進クラッチ入力トルクと前記伝達トルクとのトルク比RTQを算出するトルク比算出手段と、
前記トルク比RTQが所定の範囲内に入るように発進クラッチ指令圧PCSTを補正するための補正項KPCSTを算出する補正項算出手段と、
前記伝達トルクTQST及び前記補正項KPCSTから発進クラッチ指令圧PCSTを算出する発進クラッチ指令圧算出手段とを備え、
前記補正項算出手段は、前記トルク比RTQが第1所定値RTQHより大きいときは前記補正項KPCSTを減少させ、前記トルク比RTQが第2所定値RTQLより小さいときは前記補正項KPCSTを増大させることを特徴とする。
本発明によれば、クラッチ速度比検出手段により車両の駆動側及び被駆動側のクラッチの速度比が検出されると、トルク容量補正値決定手段により、トルク容量補正値が、その検出されたクラッチ速度比が値1.0のときに極小となり、その値の両側で徐々に増加するような値に決定される。この決定されたトルク容量補正値と、エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に応じて算出された基本トルク容量とに基づいて、伝達トルク決定手段により伝達トルクが決定される。そして、発進クラッチ入力トルクと伝達トルクとのトルク比を算出し、そのトルク比が所定値内に入るようにクラッチ圧を増減することで、エンジン回転を適正値に補正する。
そのため、前記補正項算出手段が、前記トルク比が第1所定値より大きいときは前記補正項を減少させ、前記トルク比が第2所定値より小さいときは前記補正項を増大させるとで、エンジンのストール回転バラツキの許容範囲に対応するクラッチトルク比の許容範囲に収束するようにクラッチ圧を補正する。これにより、ストール回転バラツキを抑えることができる。
従って、発進時のエンジンストール回転数を、物のバラツキや耐久劣化によらず、絶えず適正値に保つことにより、入力トルクに対して所定値以下に回転数が下がらず、必要なオイルポンプ流量を確保でき、オイルポンプの小型化を達成すると共に効率及び燃費向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係る発進クラッチ制御装置の概略構成を示す図。 図1の変速機制御装置のCPUが実行する制御処理の手順を示すフローチャート。 図2の制御処理における発進クラッチ制御処理の手順を示すフローチャート。 クラッチ速度比ESCに対するトルク容量値を示すグラフ。 図3のステップS24で算出された最終トルク容量係数Kを補正するためのマップの一例を示す図。 図3の発進クラッチ制御処理における補正処理の手順を示すフローチャート。
図1は、本発明の実施形態に係る発進クラッチ制御装置の構成を示す図である。本実施形態では、変速機は無段変速機(CVT)を用いている。
図1において、車両のエンジン1からの出力を伝達する駆動軸2は、前後進切換機構3及び前進クラッチ4を介して入力軸5に連結されている。入力軸5には、可変油圧シリンダ6によりV溝幅すなわち伝動ベルト7の巻き径が変更可能な可変プーリ(以下「駆動側プーリ」という)8が設けられている。
伝動ベルト7は、駆動側プーリ8と、従動軸9に設けられた可変プーリ(以下「従動側プーリ」という)11とに、巻き掛けられている。従動側プーリ11も、可変油圧シリンダ10によってV溝幅すなわち伝動ベルト7の巻き径が変更可能になっている。
以上の構成要素3〜11により無段変速機が構成される。従動軸9は、図示しないクラッチピストンを有する発進クラッチ12を介して、出力歯車13を設けた出力軸14と連結され、出力歯車13は、中間歯車15及び16を介して差動装置17に連結されている。
インギヤ時には、エンジン1から駆動軸2に伝達された回転力は、前進クラッチ4を介して駆動側プーリ8に伝達され、更に伝動ベルト7を介して従動側プーリ11に伝達される。そして、アクセルペダルの踏み込みに応じて、従動側プーリ11の回転力が発進クラッチ12を介して出力軸14に伝達され、出力軸14の回転力は、出力歯車13、中間歯車15,16及び差動装置17を介して、図示しない左右の駆動車輪に伝達される。
エンジン1は、電子コントロールユニット(以下、「ECU」という)20によって回転が制御される。ECU20には、前記油圧シリンダ6及び10等の油圧を制御するための変速機制御装置31が接続されている。
変速機制御装置31は、各種演算処理を実行するCPU31aと、該CPU31aで実行される各種演算プログラムや後述する各種マップ及び演算結果等を記憶するROM及びRAMからなる記憶装置(メモリ)31bと、前記各種電気信号を入力すると共に、演算結果等に基づいて駆動信号(電気信号)を外部に出力するための入出力インタフェース31cとで構成されている。
変速機制御装置31には、ECU20が出力するエンジン回転数NE、スロットル弁開度AP、吸気管内絶対圧PBAの各値が供給される。
また、変速機制御装置31には、入力軸5の回転数Ndrを検出するために駆動側プーリ8の近傍に取り付けられた入力軸回転センサ21からの出力、従動軸9の回転数Ndnを検出するために従動側プーリ11の近傍に取り付けられた従動軸回転センサ22からの出力、及び車速VELを検出するために出力軸14の近傍に取り付けられた出力軸回転センサ23からの出力も供給される。
更に、変速機制御装置31には、自動変速機のセレクタ40が接続され、該セレクタ40のセレクトレバー(図示せず)の状態が検出されて変速機制御装置31に供給される。本実施形態では、セレクタ40は、ニュートラル(N)、パーキング(P)、ドライブ(D)、リバース(R)、スポーツモード(S)及びロー(L)の6種類のレンジを選択可能になっている。
変速機制御装置31の3つの出力は、それぞれ、高油圧(PH)及び低油圧(PL)を発生させるためのPH/PL発生装置32の電気信号入力、該PH/PL発生装置32からの2種類の油圧を駆動側及び従動側の油圧シリンダ6,10に調圧して分配する四方弁33の電気信号入力、及び、例えばリニアソレノイド弁(LS)により発進クラッチ12のクラッチピストンの油圧を制御する発進クラッチ油圧制御装置34の電気信号入力として供給される。
PH/PL発生装置32及び発進クラッチ油圧制御装置34の油吸入側は、油圧ポンプ35を介して油タンク36に接続されている。PH/PL発生装置32の油供給側は四方弁33の油吸入側に接続され、PH/PL発生装置32から高油圧及び低油圧が四方弁33に供給される。
四方弁33の2つの油供給側は、それぞれ前記油圧シリンダ6及び10の油吸入側に接続され、変速機制御装置31からの制御信号に応じて調圧された油圧が、それぞれ油圧シリンダ6及び10に供給される。
こうして四方弁33から油圧シリンダ6及び10へ供給された油圧に応じて、それぞれ駆動側プーリ8及び従動側プーリ11のV溝幅が決定されることで、無段変速機の変速比が決定される。そして、従動軸9に発生したトルクが、変速機制御装置31及び発進クラッチ油圧制御装置34により制御された発進クラッチ12の接続状態に応じた比率で、出力軸14に伝達され、クラッチの伝達トルク制御がなされる。
次に、上記構成の発進クラッチ制御装置において、変速機制御装置31によって実行される制御処理について説明する。
図2は、変速機制御装置31のCPU31aが実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、前記セレクタ40のセレクトレバーが走行レンジに入っているか否かを判別し(ステップS1)、走行レンジに入っていないときには制御処理を終了し、走行レンジに入っているときには、次のステップS2に進む。
ステップS2では、スロットル弁開度APが“0”であるか否かを判別し、AP=0のときにはステップS3に進む一方、AP≠0のときにはステップS5に進む。
ステップS3では、車速VELが所定速度V1(例えば5km/h程度)より大きいか否かを判別し、結果が“NO”すなわちVEL≦V1のときには、ステップS4に進み、発進クラッチ12を微小係合させてクリープ制御を行った後、本制御処理を終了する。
一方、ステップS3の判別で、結果が“YES”すなわちVEL>V1のときには、ステップS5に進み、「発進クラッチ制御処理」サブルーチンを実行した後、本制御処理を終了する。
図3は、前記ステップS5の「発進クラッチ制御処理」サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。本フローチャートで示されるプログラムは、所定時間(本実施の形態では10msec)毎に呼び出されて実行される。
図において、初めのステップS11〜S13では、前述の記憶装置31bに記憶された3種類のトルク容量マップをそれぞれ検索し、クラッチ速度比ESCに対応するデータを読み出す。
ここで、クラッチ速度比ESCは、車速VEL/回転数Ndnにより算出される。ただし、車速VELは、前記出力軸回転センサ23により検出された出力軸14の回転数で示され、回転数Ndnは、前記従動軸回転センサ22により検出される従動軸9の回転数で示される。
また、記憶装置31bに格納されたトルク容量マップは、図4に示すようにグラフ化して表わされる。図中、横軸はクラッチ速度比を示し、縦軸はトルク容量係数値を示している。
このトルク容量マップは、前記スロットル弁開度APをパラメータとした3種類のトルク容量係数データにより構成される。
図4において、グラフAは、4/8<AP≦8/8のときのトルク容量係数データを示し、グラフBは、0<スロットル弁開度AP≦4/8のときのトルク容量係数データを示し、グラフCは、スロットル弁開度AP=0のときのトルク容量係数データを示している。
図からから分かるように、3種類のトルク容量係数データは共に、クラッチ速度比が“1.0”のときに極小値を採るように設定される。例えばグラフA,Cでは、トルク容量係数値は、クラッチ速度比が“1.0”より小さい所定比から“1.0”まで徐々に減少して、“1.0”で極小値を採り、クラッチ速度比が“1.0”を超えると今度は所定のクラッチ速度比まで徐々に増加して一定の値になる。グラフBでは、トルク容量係数値は、クラッチ速度比が“0”のとき最小値をとり、クラッチ速度比が増加するに従ってほぼリニアに増加して“1.0”より小さい所定クラッチ速度比で極大値をとり、その後はグラフA,Cと同様の形状で変化する。
このようにクラッチ速度比が“1.0”のときにトルク容量係数が極小値をとるようにしたのは、発進クラッチが完全に接続される際に生ずる伝達トルク変動等によるショックを、クラッチトルクを減少させることによって低減させるようにするためである。更に、クラッチ速度比が“1.0”の場合には、大きなクラッチトルクを必要とせず、無駄に高油圧をかけることを防止する。
また、定常走行時クラッチ速度比1.0からアクセルを踏み込んだときにはクラッチトルクが低いので、クラッチが滑り、エンジン回転数NEが上がって加速性も良くなる。また、アクセルを閉じたときも同様に、クラッチが滑る(クラッチ速度比は“1.0”より大)ので、アクセル急閉のショックもなくなる。
グラフAで示すトルク容量係数データのレベルを小さくし、グラフBで示すトルク容量係数データのレベルを大きくしたのは、次の理由による。
スロットル弁開度APが大きい(グラフA)のときには、エンジン回転数が高くなり、クラッチトルクが過大になるのを防止するためであり、スロットル弁開度APが小さい(グラフB)ときには、常用域で発進クラッチのすべりを少なくして燃費を優先させるためである。
グラフCで示すトルク容量係数データのレベルを最も小さくしたのは、スロットルを閉弁したときの大きなショックを十分に吸収することができるようにするためである。
更に、グラフBで示すトルク容量係数データにおいて、クラッチ速度比が“0”のときトルク容量係数は最小値をとり、そこからリニアに増加するように設定したのは、以下の理由による。
後述するように、この発進クラッチ制御処理は、前記検索された3種類のトルク容量係数のうち、所定の2種類のトルク容量係数値間にレベル差が生じている場合に、その一方のトルク容量係数値を他方のトルク容量係数値に徐々に近づけるように制御する。
スロットル弁開度APが“0”、すなわち、例えば車両が停止している状態で、かつクラッチ速度比が小さい場合に、アクセルペダルを少し踏み込むと、トルク容量係数値が、グラフC(スロットル弁開度AP=0)のトルク容量係数値からグラフB(スロットル弁開度AP≦4/8)のトルク容量係数値へ近づいて行くので、このレベル差が大きいと、必要以上の伝達トルク変動が生じ、これにより乗員が受けるショックは大きくなるからである。
再び図3において、上記トルク容量マップの3種類のトルク容量係数データのうち、最初にグラフAで示されるトルク容量マップを検索して、クラッチ速度比に対応するトルク容量係数値を読み出し、記憶装置31bに確保された領域KA(以下、この内容を「トルク容量係数KA」という)に格納する(ステップS11)。
次に、グラフBで示されるトルク容量マップを検索して、クラッチ速度比に対応するトルク容量係数値KBを読み出し、記憶装置31bに確保された領域KB(以下、この内容を「トルク容量係数KB」という)に格納する(ステップS12)。
更に、グラフCのトルク容量マップを検索して、クラッチ速度比に対応するトルク容量係数値KCを読み出し、記憶装置31bに確保された領域KC(以下、この内容を「トルク容量係数KC」という)に格納する(ステップS13)。
次に、スロットル弁開度APが4/8以上であるか否かを判別し(ステップS14)、スロットル弁開度AP<4/8のときには、記憶装置31bに確保された領域α(以下、この内容を「重み係数α」という)の値から0.01を減算して、その減算結果で重み係数αを更新する(ステップS15)。この重み係数αの意味については後述する。
一方、ステップS14の判別で、スロットル弁開度AP≧4/8のときには、記憶装置31bに格納されたテーブルデータを検索して、スロットル弁開度APに応じた重み係数αの変化量Δαを読み出し(ステップS16)、この変化量Δαを重み係数αに加算して、その加算結果で重み係数αを更新する(ステップS17)。
そして、ステップS15又はS17で更新された重み係数αについて、0≦α≦1を満たすように制限するリミット処理を行う(ステップS18)。
続くステップS19では、スロットル弁開度APが“0”であるか否かを判別し、AP≠0のときには、記憶装置31bに確保された領域β(以下、この内容を「重み係数β」という)の値に0.01を加算して、その加算結果で重み係数βを更新する(ステップS20)。この重み係数βの意味については後述する。
一方、ステップS19の判別でAP=0のときには、重み係数βを“0”にする(ステップS21)。そして、前記ステップS18と同様にして、ステップS20で更新された重み係数βについて、0≦β≦1を満たすように制限するリミット処理を行う(ステップS22)。
次に、ハイ(High)側、すなわち前記グラフBで示されるトルク容量係数値を使用してトルク容量係数を算出するためのトルク容量係数KHを、次式により算出する(ステップS23)。
KH=α×KA + (1−α)×KB
この式から、重み係数αは、トルク容量係数KA、KBのいずれか一方から他方のトルク容量係数へ徐々に切り換えていく切換時間を制御する係数であることが分かる。
例えば、重み係数αの変化量Δαが正の値であるときには、重み係数αは増加しながら値1に近づいて行くので、トルク容量係数値は、トルク容量係数KBからトルク容量係数KAに徐々に切り換わって行く。このとき、ステップS16で説明したように、スロットル弁開度APに応じて変化量Δαを変更するので、スロットル弁開度APに応じて切換時間が変化する。
一方、重み係数αの変化量Δαが負の値(本実施形態では、−0.01)であるときには、重み係数αは減少しながら値0に近づいていくので、トルク容量係数値は、トルク容量係数KAからトルク容量係数KBに徐々に切り換わっていく。このとき、重み係数αが“1”から“0”まで変化する時間は1secである。これは、本制御処理は10msec毎に行われ、重み係数αは、1回の制御処理で0.01ずつ減少しているからである。
このようにして算出されたトルク容量係数KHを用いて、次式により最終トルク容量係数Kを算出する(ステップS24)。
K=β×KH+(1−β)×KC
この式は、前記トルク容量係数KHの算出式と同様の構成をしているので、重み係数βは、重み係数αと同様の作用をする。従って、重み係数βの作用の説明は省略する。
上記重み係数α,βは、トルク容量マップとスロットル弁解度APにより設定されるトルク容量が小さくなる方向では速く、逆に高くなる方向ではゆっくり変化するように設定する。
本実施形態では、グラフA,Bのトルク容量マップからグラフCのトルク容量マップに移行するときにはβ=0として、直ちにグラフCのトルク容量マップへ移行する。
逆に、グラフA,Bのトルク容量マップへ移行するときには、Δβ=0.01として、ゆっくり移行する。これと同様に、グラフBのトルク容量マップからグラフAのトルク容量マップへ移行するときにはゆっくり、また、グラフAのトルク容量マップからグラフBのトルク容量マップへは速く、それぞれ移行するようにαを設定する。
但し、スロットルが全開の場合には、速く移行するようにする。これは、エンジントルクが高い方向にいく場合は、クラッチを急につなぐとショックが出るので、ゆっくりつなぎ、逆にトルクが小さいときは、速くつないでも問題がないからである。
次に、下記の式により、このようにして算出された最終トルク容量係数Kに、前記セレクタ40で選択されたレンジ及びエンジン回転数NEに応じたトルク補正係数PSTBMを乗算して、基本トルク容量TPQを算出する(ステップS25)。
TPQ=K×PSTBM
図5は、この補正係数PSTBMを決定するために、記憶装置31bに予め記憶された補正係数PSTBMマップをグラフ化したものであり、図中、横軸はエンジン回転数NEを示し、縦軸は補正係数値を示している。
この図から分かるように、セレクタ40で選択されたレンジに応じて3種類のマップが記憶され、グラフDは、前記レンジN,P,Rに対応する補正係数データを示し、グラフEは、前記レンジDに対応する補正係数データを示し、グラフFは、前記レンジS,Lに対応する補正係数データを示している。
すなわち、前記ステップS25では、レンジに応じた補正係数PSTBMマップを検索して、前記検出されたエンジン回転数NEに対応する補正係数PSTBMを読み出し、この補正係数PSTBMに応じて基本トルクTPQを算出する。
なお、基本トルクTPQを、トルク容量係数及びレンジに応じた補正係数PSTBMに他の補正係数を加味して算出するようにしてもよい。
再び図3において、上記のようにして算出された基本トルクTPQ及びトルク容量補正値PSTBMに基づいて、クラッチ伝達トルクTQSTを決定し、このクラッチ伝達トルクTQSTに基づいて、発進クラッチ指令圧(前記クラッチピストンに付与する油圧)PCSTを補正する処理を行う(ステップS26)。
図6は、上記ステップS26の「補正処理」サブルーチンの手順を示すフローチャートである。
まず、発進ストール中に学習許可されたか否かを判定し(ステップS31)、学習が許可されないときは制御処理を終了し、学習が許可されるときは、次のステップS12に進む。学習許可条件は、次のとおりである。
・エンジン正常であること。
・CVT正常であること。
・Dレンジ、Sレンジ通常発進であること。
・ハイブリッド車両の場合、モータアシストが十分であること。
・クラッチ係数μ安定領域で学習実施すること。
・エンジン完全暖機状態で学習実施すること。
・発進中であること。
・アイドル・クルーズでないこと。
・エンジントルク特性が上昇領域であること。
・NDR変化量が十分小さく、ストール状態であること。
・クラッチ伝達トルク安定領域で学習実施すること。
・発進中の判断であること。
・クラッチすべり状態(クラッチ締結過渡状態)であること。
次の場合は、学習しない。
・発進時間が所定時間より長い場合、タイムアウトとしてKPCSTを学習しない。
・ESCが急上昇して、学習時間が不十分な場合は、学習しない。
・発進クラッチ制御が直結モードに遷移している場合は、学習しない。
次に、ステップS32では、「クラッチ入出力トルク比」の学習を行う。ここでは、発進後期においてエンジンストール中の入出力トルク比を算出する際、微小変動の影響を取り除くために、各々の総和の比をとる。
すなわち、エンジンの出力トルクとCVTの変速比との積から算出される発進クラッチ入力トルクTQDNSCBの総和をTQRAL、伝達トルクTQSTの総和をTQSTALとすれば、入出力トルク比RTQは、両者の比で表わされる。
RTQ=TQRAL/TQSTAL
次のステップS33では、クラッチ入出力トルク比の許容判断を行う。すなわち、クラッチ入出力トルク比RTQが所定の許容範囲であるか否かを判定し、クラッチ入出力トルク比が許容範囲でないときは次のステップS34に進み、クラッチ入出力トルク比が許容範囲であるときは制御処理を終了する。以下、クラッチ入出力トルク比RTQの許容範囲の上限を第1所定値RTQH、下限を第2所定値RTQLで表す。
ステップS34では、クラッチ指令圧PCSTを補正して、本制御処理を終了する。この補正は、次のように発進クラッチ指令圧PCSTの計算式に補正項KPCSTを追加した計算式に基づいて行われる。
PCST=KPCST×#KCDSC×TQST+ゼロ点補正
ここで、#KCDSCはクラッチトルク油圧換算係数、TQSTはクラッチ伝達トルクであり、次式に基づいて算出される。
TQST=TPQ×RG×PSTBM×KTATF×KTQTTL×KTQMOTF
ここで、RGは現在選択されているギヤのレシオ、KTATFは油圧補正係数、KTQTTLはエンジントルク補正係数、KTQMOTFはモータトルク係数である。
そして、上記のように許容範囲でないクラッチ入出力トルク比RTQが、許容範囲の上限(第1所定値RTQH)より大きいか、許容範囲の下限(第2所定値RTQL)より小さいかに応じて、次のように補正項KPCSTを増減することにより、クラッチ指令圧PCSTを補正して、ストール回転を一定にすることができる。
RTQ>RTQHのとき、補正項KPCSTを減らし、クラッチ指令圧PCSTを下げる。
RTQ<RTQLのとき、補正項KPCSTを増やし、クラッチ指令圧PCSTを上げる。
図3に戻って、ステップS27では、前記ステップS26で算出したクラッチ指令圧が発生するように前発進クラッチ油圧制御装置34のリニアソレノイド弁に駆動信号を供給した後、この発進クラッチ制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、クラッチ速度比ESCが検出されると、トルク容量補正値PSTBMが、その検出されたクラッチ速度比が値1.0のときに極小となり、その値の両側で徐々に増加するような値に決定される。このトルク容量補正値と、エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数NEに応じて算出された基本トルク容量とに基づいて、伝達トルク決定手段により伝達トルクTQSTが決定される。そして、発進クラッチ入力トルクと伝達トルクとの比を算出し、その比が所定値内に入るようにクラッチ指令圧を増減することで、エンジン回転を適正値に補正する。
かくして、エンジンのストール回転バラツキの許容範囲に対応するクラッチトルク比の許容範囲に収束するようにクラッチ圧を補正することで、ストール回転バラツキを抑えることができる。
従って、発進時のエンジンストール回転数を、物のバラツキや耐久劣化によらず、絶えず適正値に保つことにより、入力トルクに対して所定値以下に回転数が下がらず、必要なオイルポンプ流量を確保でき、オイルポンプの小型化、効率及び燃費向上を図ることができる。
20…ECU(エンジン回転数検出手段、クラッチ速度比検出手段、スロットル弁開度検出手段)、31a…CPU、31b… 記憶装置。

Claims (1)

  1. 車両の駆動側と被駆動側の間に設けられ、双方間の接続を制御する発進クラッチの制御装置において、
    前記車両のエンジン回転数NEを検出するエンジン回転数検出手段と、
    前記駆動側及び被駆動側のクラッチの速度比ESCを検出するクラッチ速度比検出手段と、
    エンジン回転に応じて、発進クラッチのトルク容量TPQを決定する基本トルク容量を算出する基本トルク容量算出手段と、
    トルク容量補正値PSTBMを、前記検出されたクラッチ速度比ESCが値1.0のときに極小となり、その値の両側で徐々に増加するような値に決定するトルク容量補正値決定手段と、
    該決定されたトルク容量補正値及び前記算出された基本トルク容量に基づいて発進クラッチの伝達トルクTQSTを決定する伝達トルク決定手段と、
    エンジン回転に応じて、発進クラッチ入力トルクTQDNSCBを算出する入力トルク算出手段と、
    前記発進クラッチ入力トルクと前記伝達トルクとのトルク比RTQを算出するトルク比算出手段と、
    前記トルク比RTQが所定の範囲内に入るように発進クラッチ指令圧PCSTを補正するための補正項KPCSTを算出する補正項算出手段と、
    前記伝達トルクTQST及び前記補正項KPCSTから発進クラッチ指令圧PCSTを算出する発進クラッチ指令圧算出手段とを備え、
    前記補正項算出手段は、前記トルク比RTQが第1所定値RTQHより大きいときは前記補正項KPCSTを減少させ、前記トルク比RTQが第2所定値RTQLより小さいときは前記補正項KPCSTを増大させることを特徴とする発進クラッチ制御装置。
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