JP5087380B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

本発明は無段変速機の変速制御装置に関する。
従来の無段変速機(Continuously Variable Transmission;以下「CVT」という)の変速制御装置は、車速及びアクセル開度に基づいてCVTの最終的な変速比である到達変速比を算出し、この到達変速比に基づいて目標変速比を算出し、この目標変速比に追従するようにCVTの実変速比をフィードバック制御して、最終的に実変速比を到達変速比に一致させていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−220570号公報
しかしながら、前述した従来のCVTの変速制御装置は、実変速比を到達変速比に一致させるときの目標変速比の動特性の定数(以下「時定数」という)を、アップシフトよりもダウンシフトの変速速度のほうが速くなるように設定していた。また、目標変速比と実変速比との偏差に応じてフィードバックゲインを決定し、変速速度の追従性を補償器により補償していた。
そのため、アップシフト中にアクセルが踏み込まれダウンシフトに移行したときに、目標変速比の応答に比べて実変速比の応答が遅れてしまい、目標変速比と実変速比との偏差が大となっていた。その結果、補償器が作動して急なダウンシフトとなり、変速ショックが発生するという問題点があった。また、オーバーシュートの発生を招き、燃費が悪化するという問題点があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、アップシフト中にアクセルが踏み込まれダウンシフトに移行したときの変速ショックを抑制し、燃費の向上を図ることを目的とする。
本発明は、運転条件に応じて無段階に最終的な目標としての到達変速比を設定し、その到達変速比に基づいて中間的な目標としての目標変速比を算出し、その目標変速比に一致するように実変速比を制御して前記到達変速比へと変速させる無段変速機の変速制御装置であって、到達変速比と目標変速比との偏差を算出する偏差演算手段と、到達変速比から実変速比を減算した第1差分を算出する第1差分演算手段と、目標変速比から実変速比を減算した第2差分を算出する第2差分演算手段と、第1差分が負の値であれば変速形態をアップシフトと判定し、第1差分及び第2差分が正の値であれば変速形態をダウンシフトと判定し、第1差分が正の値で、かつ第2差分が負の値であれば変速形態をアップシフト中のダウンシフトと判定する変速形態判定手段と、偏差に基づいて、目標変速比を算出するための時定数を、変速形態がアップシフトのときはダウンシフト及びアップシフト中のダウンシフトのときよりも大となるように算出する時定数演算手段と、時定数を用いてフィルタを構成し、到達変速比をフィルタの入力として目標変速比を算出する目標変速比演算手段と、変速形態がアップシフト中のダウンシフトと判定されたときは、アップシフト時の時定数からダウンシフト時の時定数への急変を防止する時定数急変防止制御を実施し、変速形態がアップシフト中のダウンシフトからダウンシフトに移行したときは、前記時定数急変防止制御を解除して、時定数をダウンシフト時の時定数へと一気に変化させる時定数制御手段と、を備える。
アップシフト中にダウンシフトへ切り替わったときの時定数の急低下が抑制され、目標変速比の動きが緩やかになる。そのため、アップシフト中にダウンシフトへ切り替わったときの変速ショックの発生を抑制できる。また、オーバーシュートの発生も抑制され燃費の向上が図れる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるCVTの変速制御装置のシステム構成図である。
車両1には、エンジン2とCVT3とが直列に搭載され、その間に流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ4が配設される。
エンジン2は、内燃機関などの原動機であり駆動力を発生する。エンジン2の出力は、トルクコンバータ4を介してCVT3の入力軸に入力される。
CVT3は、入力されたエンジン2の出力を、車両走行状況によって選択される変速比に応じて増減速させて出力軸に出力する。なお本実施形態では、CVTとして、駆動側プーリと、従動側プーリと、駆動側プーリの回転力を従動側プーリに伝達するVベルト等で構成されるベルトプーリ式CVTを適用している。
CVT3で変速されたエンジン出力は、最終減速装置等を介して最終的に車軸5に伝達され、その結果左右のタイヤ6が回転する。
コントローラ7は、CVT3の内部に組み込まれたソレノイドやステップモータなどのアクチュエータへの通電量を制御することで、CVT3の各プーリのプーリ幅を油圧によって変更し、CVT3を自動で変速する。コントローラ7は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)等を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ7には、スロットル開度センサ8、車速センサ9及びエンジン回転速度センサ10からの信号が入力される。スロットル開度センサ8は、アクセルペダルの変位量(以下「アクセル開度」という)を検出する。車速センサ9は、車軸5の回転速度から車両の速度を検出する。エンジン回転速度センサ10は、エンジン回転速度を検出する。
コントローラ7は、上記センサによって検出された信号に基づいてCVT3を制御する。具体的には、車速及びアクセル開度からCVT3の最終的な変速比である到達変速比を算出し、この到達変速比に実変速比が一致するようにアクチュエータを制御してCVT3の各プーリのプーリ幅を制御する。
ところで、この到達変速比は最終的にそこへ到達すべき変速比であって、実変速比が直ちに取るべき変速比とは異なる。仮に、到達変速比を直ちに無段変速機の変速比とすると、微妙なアクセル操作に即座に対応することになるので、非常に運転しづらい車両特性となってしまう。
そこで、従来から、実変速比を到達変速比に一致させるときの目標となる変速比(以下「目標変速比」という)を設定し、目標変速比に実変速比が追従するように、CVT3をフィードバック制御していた。そして、このときの目標変速比の時定数は、アップシフトよりもダウンシフトが速くなるように、アップシフト時とダウンシフト時とで異なる値が設定されていた。
そのため、従来制御では、変速時間の長いアップシフト中にアクセルが踏み込まれ、変速形態がダウンシフトに移行したときに、アップシフト中のダウンシフトという状況が発生し、時定数の急変によって変速ショックが発生するなどの問題が生じていた。
そこで本実施形態では、このアップシフト中のダウンシフト時と判定した場合には、時定数を一定の傾き以下で変化させる勾配リミッタを設けて、時定数の急変を防止する。以下では、コントローラ7が実行するこのCVT3の変速制御について説明する。
図2は、CVT3の最終的な変速比である到達変速比を算出するための制御ブロック図である。
目標入力軸回転速度演算部21には、車速とアクセル開度とを入力する。目標入力軸回転速度演算部21は、予め定められた目標入力軸回転速度マップに基づいて、入力された車速とアクセル開度とから目標入力軸回転速度を算出する。なお、入力軸回転速度とは、CVT3の入力軸の回転速度のことである。
出力軸回転速度演算部22には、車速を入力する。出力軸回転速度演算部22は、入力された車速から出力軸回転速度を算出する。なお、出力軸回転速度とは、CVT3の出力軸の回転速度のことである。
到達変速比演算部23には、目標入力軸回転速度と出力軸回転速度とを入力する。到達変速比演算部23は、目標入力軸回転速度を出力軸回転速度で除算して到達変速比を算出する。
図3は、到達変速比に基づいて、目標変速比を算出するための制御ブロック図である。
以下では、本制御ブロック図について、後述する図6〜図9のフローチャートとの対応を併記して説明する。
時定数算出用偏差演算部31(S51、S82、S101)には、到達変速比と目標変速比(前回値)とを入力する。目標変速比(前回値)は、前回の変速が完了している場合には、前回の変速時の到達変速比であり現在の実変速比となる。変速中であれば、そのときの目標変速比の前回値となる。また、後述するフィードバック制御の開始時に、そのときの実変速比相当の値が初期値として設定される。時定数算出用偏差演算部31は、到達変速比に対する目標変速比の偏倚量である偏差(以下「時定数算出用偏差」という)を算出する。
アップ・ダウンシフト判定部32(S1)には、到達変速比と実変速比(前回値)とを入力する。アップ・ダウンシフト判定部32は、到達変速比から実変速比を減算してアップ・ダウンシフト判定用差分e1を算出する。
アップシフト中のダウンシフト判定部33(S2)には、目標変速比(前回値)と実変速比(前回値)とを入力する。アップシフト中のダウンシフト判定部33は、目標変速比から実変速比を減算してアップシフト中のダウンシフト判定用差分e2を算出する。
時定数演算部34(S51、S82、S101)には、時定数算出用偏差とアップ・ダウンシフト判定用差分とを入力する。時定数演算部34は、予め定められた時定数テーブル(図4参照)に基づいて、入力された時定数算出用偏差とアップ・ダウンシフト判定用差分とから、時定数を算出する。
時定数切替部35(S52、S83、S103、S104)には、時定数とアップシフト中のダウンシフト判定用差分とを入力する。時定数切替部35は、アップシフト中のダウンシフトと判定されているときには、後述する勾配リミッタを通過した時定数を出力する。
目標変速比演算部36には、到達変速比と時定数とを入力する。目標変速比演算部36は、入力された時定数を用いて1次遅れフィルタを構成し、到達変速比を1次遅れフィルタの入力として目標変速比を算出する。
図4は、図3の時定数演算部34で使用される時定数テーブルを示す図である。
時定数テーブルは、ダウンシフト時の変速速度がアップシフト時の変速速度よりも速くなるように設定される。すなわち、ダウンシフト時における目標変速比の時定数が、アップシフト時における目標変速比の時定数よりも小さくなるように設定される。
これは、ダウンシフトの場合は、駆動力が要求されているときであり、アクセルの踏み増しに対して、実変速比を到達変速比に素早く一致させる必要があるためである。一方、アップシフトの場合は、駆動力減少方向であり、アクセルの踏み戻しに追従してエンジンの駆動力が低下する。そのため、実変速比を到達変速比に素早く一致させなくとも、運転に与える影響が少ない。
なお、アップ・ダウンシフト判定用差分e1が正のときは、ダウンシフト側のテーブルから時定数算出用偏差に基づいて時定数が算出される。アップ・ダウンシフト判定用差分e1が負のときは、アップシフト側のテーブルから時定数算出用偏差に基づいて時定数が算出される。
図5は、目標変速比に実変速比が追従するように、CVT3に組み込まれたアクチュエータをフィードバック制御するための制御ブロック図である。
目標電流指令値演算部51には、目標変速比を入力する。目標電流指令値演算部51は、目標変速比からアクチュエータに入力する電流指令値(目標電流指令値)を算出する。
フィードバック電流指令値演算部52には、目標変速比と実変速比とを入力する。フィードバック電流指令値演算部52は、目標変速比と実変速比との偏差に基づいてフィードバック電流指令値を算出する。
制御対象となるアクチュエータには、目標電流指令値とフィードバック電流指令値とが入力される。これら入力された電流値に応じてアクチュエータが作動し、CVT3の各プーリのプーリ幅がフィードバック制御されて、CVT3が変速する。
図6は、本発明の第1実施形態によるCVT3の変速制御を説明するフローチャートである。コントローラ7は、このルーチンをエンジン運転中に所定の演算周期で繰り返し実行する。
ステップS1において、コントローラ7は、アップ・ダウンシフト判定用差分(到達変速比−実変速比)e1を算出する。
ステップS2において、コントローラ7は、アップシフト中のダウンシフト判定用差分
(目標変速比−実変速比)e2を算出する。
ステップS3において、コントローラ7は、アップ・ダウンシフト判定用差分e1が0未満か否かを判定する。コントローラ7は、アップ・ダウンシフト判定用差分e1が0未満であれば、ステップS4に処理を移行し、0以上であれば、ステップS6に処理を移行する。
ステップS4において、コントローラ7は、現在の変速形態をアップシフトと判定する。
ステップS5において、コントローラ7は、アップシフト時の時定数切り替え処理を実行する。具体的な内容は図7を参照して後述する。
ステップS6において、コントローラ7は、アップシフト中のダウンシフト判定用差分e2が0未満か否かを判定する。コントローラ7は、アップシフト中のダウンシフト判定用差分e2が0未満であればステップS7に処理を移行し、0以上であればステップS9に処理を移行する。
ステップS7において、コントローラ7は、現在の変速形態をアップシフト中のダウンシフトと判定する。
ステップS8において、コントローラ7は、アップシフト中のダウンシフト時の時定数切り替え処理を実行する。具体的な内容は図8を参照して後述する。
ステップS9において、コントローラ7は、現在の変速形態をダウンシフトと判定する。
ステップS10において、コントローラ7は、ダウンシフト時の時定数切り替え処理を実行する。具体的な内容は図9を参照して後述する。
ステップS11において、コントローラ7は、変速が終了したか否かを判定する。コントローラ7は、変速が終了していればステップS12に処理を移行し、終了していなければ今回の処理を終了する。
ステップS12において、コントローラ7は、時定数勾配リミッタ使用フラグFLを0にセットする。時定数勾配リミッタ使用フラグFLは、変速形態がアップシフト中のダウンシフトと判定されたときに1にセットされるフラグである。
図7は、アップシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。
ステップS51において、コントローラ7は、アップ・ダウンシフト判定用差分e1が負の値なので、時定数テーブル(図4参照)のアップシフト側から時定数を算出する。
ステップS52において、コントローラ7は、時定数を算出した時定数へと一気に切り替える。
図8は、アップシフト中のダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。
ステップS81において、コントローラ7は、時定数勾配リミッタ使用フラグFLを1にセットする。
ステップS82において、コントローラ7は、アップ・ダウンシフト判定用差分e1が正の値なので、時定数テーブル(図4参照)のダウンシフト側から時定数を算出する。
ステップS83において、コントローラ7は、算出した時定数を目標時定数として、時定数を所定の勾配で目標時定数へと徐々に切り替える。
図9は、ダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。
ステップS101において、コントローラ7は、アップ・ダウンシフト判定用差分e1が正の値なので、時定数テーブル(図4参照)のダウンシフト側から時定数を算出する。
ステップS102において、コントローラ7は、時定数勾配リミッタ使用フラグFLが1にセットされているか否かを判定する。コントローラ7は、時定数勾配リミッタ使用フラグFLが1にセットされていればステップS104に処理を移行し、0にセットされていればステップS103に処理を移行する。
ステップS103において、コントローラ7は、時定数を算出した時定数へと一気に切り替える。
ステップS104において、コントローラ7は、算出した時定数を目標時定数として、時定数を所定の勾配で目標時定数へと徐々に切り替える。
図10は、本発明の第1実施形態によるCVTの変速制御の動作を示すタイムチャートである。本タイムチャートについて、図6〜図9のフローチャートとの対応を明確にするため、フローチャートのステップ番号を併記して説明する。
時刻t1で、アクセル開度の低下に伴い(図10(A))、到達変速比が高速比側(すなわち数値として小さい側。以下「ハイ側」という)に設定される(図10(B))。これにより、アップ・ダウンシフト判定用差分(到達変速比−実変速比)e1が負の値となるので、変速形態がアップシフトと判定される(図10(D);S3でYes、S4)。そして、設定された到達変速比に基づいて目標変速比が算出され、目標変速比に追従するように実変速比がハイ側にアップシフトされる(図10(B))。アップシフトは、時定数テーブルのアップシフト側から算出された時定数に従い(図10(C);S51、S52)、ゆっくりと行われる(図10(B))。
時刻t2で、アクセル開度が増加すると(図10(A))、それに伴い到達変速比が低速比側(すなわち数値として大きい側。以下「ロー側」という)に設定される(図10(B))。しかしながら、時刻t3までの間は、到達変速比が実変速比よりもハイ側にあるので(図10(B))、変速形態はアップシフトのままである(図10(D))。
時刻t3で、到達変速比が実変速比よりもロー側に移行すると(図10(B))、変速形態がアップシフト中のダウンシフトとなる(図10(D);S3でNo、S6でYes、S7)。つまり、到達変速比が実変速比よりロー側にあるが、目標変速比が実変速比よりもハイ側にある状態となる(図10(B))。また、同時に時定数勾配リミッタ使用フラグFLが1にセットされる(図10(E);S81)。このとき、時定数は、時定数テーブルのダウンシフト側から算出されるが、時定数勾配リミッタ使用フラグFLが1にセットされているため、所定の勾配以下で、目標時定数へと徐々に切り替えられる(図10(C);S82、S83)。
このように、時定数を所定の勾配以下で徐々に目標時定数に変更させることで、勾配を設けず一気に時定数を目標時定数に変更させる場合と比べて、目標変速比の動きを緩やかにできる(図10(B)の時刻t3〜t5)。そのため、目標変速比と実変速比との偏差も小さくてすむ。その結果、変速終了(時刻t5)間際にオーバーシュートが発生することもない。
時刻t4で、目標変速比が実変速比よりもハイ側に移行すると(図10(B))、変速形態がダウンシフトとなる(図10(D);S3でNo、S6でNo、S9)。つまり、到達変速比及び目標変速比が、ともに実変速比よりもロー側にある状態となる(図10(B))。このとき、まだ変速が終了していないので(S11でNo)、時定数勾配リミッタ使用フラグFLは1にセットされたままである(図10(E))。そのため、時定数は、所定の勾配以下で、目標時定数へと徐々に切り替えられる(図10(C);S102でYes、S104)。
時刻t5で、変速が終了すると(図10(B);S11でYes)、時定数勾配リミッタ使用フラグFLが1にセットされる(図10(E);S12)。
ここで、本発明の理解を容易にするため、従来制御の動作についても図14を参照して説明する。
図14は、従来制御の動作について説明するタイムチャートである。
時刻t2までは、従来制御の動作は、本実施形態による制御と同様である。
時刻t3で、到達変速比が実変速比よりもロー側に移行すると(図10(B))、従来制御では、変速形態がアップシフトからダウンシフトに移行する(図10(D))。その結果、時定数はアップシフト用の時定数からダウンシフト用の時定数へと一気に急変し(図10(C))、目標変速比も到達変速比へ向けて急変する(図10(B))。しかし、時刻t3から時刻t4までの区間においては、いまだ目標変速比が実変速比よりもハイ側にあるので、CVT3はアップシフトを継続することになる。つまり、アップシフト中のダウンシフト状態となる。
時刻t4で、目標変速比が実変速比よりもロー側に移行すると、CVT3はダウンシフトを始めるが、すぐにはアクチュエータの操作は開始されないので、応答遅れが生じてしまう。その結果、目標変速比と実変速比の偏差が増大してしまい、フィードバック補償器によって急なダウンシフトとなる。これをうけて、時刻t5から時刻t6にかけての変速終了間際に変速ショックなどの原因となるオーバーシュートが発生していることがわかる(図10(B))。
以上説明した本実施形態によれば、アップシフト及びダウンシフト以外にアップシフト中のダウンシフトを判定する。そして、アップシフト中のダウンシフトと判定した場合には、アップシフト用の時定数テーブルから算出されていた時定数から、即座にダウンシフト用の時定数テーブルから算出された時定数に切り替えることを禁止する。その代わりに、ダウンシフト用の時定数テーブルから算出した時定数を目標時定数として、所定の勾配以下で徐々に切り替える。つまり、時定数の減少に勾配リミッタを設ける。
これにより、目標変速比の算出に使用する時定数の急低下が抑制され、目標変速比の動きが緩やかになる。そのため、アクチュエータの応答が容易となり、オーバーシュートが抑制される。その結果、変速のショックの発生を抑制し、燃費を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、時定数の勾配リミッタに有効時間を設けた点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図11は、アップシフト中のダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。
ステップS281において、コントローラ7は、変速形態がアップシフト中のダウンシフトに切り替わってから所定時間が経過したか否かを判定する。コントローラ7は、所定時間が経過していればステップS282に処理を移行し、所定時間が経過していなければステップS82に処理を移行する。
ステップS282において、コントローラ7は、時定数を目標時定数へと一気に切り替える。
ステップS283において、コントローラ7は、時定数勾配リミッタ使用フラグFLを0にセットする。
図12は、ダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。
ステップS201において、コントローラ7は、変速形態がアップシフト中のダウンシフトに切り替わってから所定時間が経過したか否かを判定する。コントローラ7は、所定時間が経過していればステップS202に処理を移行し、所定時間が経過していなければステップS104に処理を移行する。
ステップS202において、コントローラ7は、時定数勾配リミッタ使用フラグFLを0にセットする。
図13は、本発明の第2実施形態によるCVTの変速制御の動作を示すタイムチャートである。
時刻t1からt3までは、第1実施形態と同様の動作なので、ここでは説明を省略する。
時刻t3で、変速形態がアップシフト中のダウンシフトに切り替わる(図13(D))。同時に、時定数勾配リミッタ使用フラグFLが1にセットされ(図13(E))、時定数が所定の勾配で目標時定数へと緩やかに変更される(図13(C);S281でNo、S82、S83)。
時刻t4で、変速形態がアップシフト中のダウンシフトに切り替わってから所定時間が経過すると(S281でYes)、時定数勾配リミッタ使用フラグFLが0にセットされる(図13(C);S283)。そして、時定数が目標時定数へと一気に切り替えられる(図13(C);S282)。
時刻t5で、変速が終了する。
このように、時定数勾配リミッタに有効時間を設定して、アップシフトからダウンシフトへの切り替え初期の目標変速比の上昇さえ抑えれば、目標変速比と実変速比との偏差の拡大を抑えることできる。そのため、アクチュエータの応答が容易となり、オーバーシュートが抑制される。その結果、変速のショックの発生を抑制し、燃費を向上させることができる。さらに、所定時間経過後は、一気に目標時定数へと切り替えられるので、第1実施形態と比較して変速時間の短縮を図ることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、第1実施形態において、変速形態が、アップシフト中のダウンシフトからダウンシフトに切り替わったときに時定数の勾配リミッタを解除してもよい。これにより、変速時間の短縮を図ることができる。
第1実施形態によるCVTの変速制御装置のシステム構成図である。 CVTの最終的な変速比である到達変速比を算出するための制御ブロック図である。 到達変速比に基づいて、目標変速比を算出するための制御ブロック図である。 時定数テーブルを示す図である。 目標変速比に実変速比が追従するように、アクチュエータをフィードバック制御するための制御ブロック図である。 第1実施形態によるCVTの変速制御を説明するフローチャートである。 アップシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。 アップシフト中のダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。 ダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。 第1実施形態によるCVTの変速制御の動作を示すタイムチャートである。 第2実施形態によるアップシフト中のダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。 第2実施形態によるダウンシフト時の時定数切り替え処理について説明するフローチャートである。 第2実施形態によるCVTの変速制御の動作を示すタイムチャートである。 従来制御の動作について説明するタイムチャートである。
符号の説明
3 無段変速機
31 時定数算出用偏差演算部(偏差演算手段)
36 目標変速比演算部(目標変速比演算手段)
S1 差分演算手段
S3 変速形態判定手段
S6 アップシフト中のダウンシフト判定手段
S51 時定数演算手段
S82 時定数演算手段
S83 時定数急変防止手段
S101 時定数演算手段
S104 時定数急変防止手段
S201 時定数急変防止手段
S281 時定数急変防止手段

Claims (2)

  1. 運転条件に応じて無段階に最終的な目標としての到達変速比を設定し、その到達変速比に基づいて中間的な目標としての目標変速比を算出し、その目標変速比に一致するように実変速比を制御して前記到達変速比へと変速させる無段変速機の変速制御装置であって、
    前記到達変速比と前記目標変速比との偏差を算出する偏差演算手段と、
    前記到達変速比から前記実変速比を減算した第1差分を算出する第1差分演算手段と、
    前記目標変速比から前記実変速比を減算した第2差分を算出する第2差分演算手段と、
    前記第1差分が負の値であれば変速形態をアップシフトと判定し、前記第1差分及び前記第2差分が正の値であれば変速形態をダウンシフトと判定し、前記第1差分が正の値で、かつ前記第2差分が負の値であれば変速形態をアップシフト中のダウンシフトと判定する変速形態判定手段と、
    前記偏差に基づいて、前記目標変速比を算出するための時定数を、前記変速形態がアップシフトのときはダウンシフト及びアップシフト中のダウンシフトのときよりも大となるように算出する時定数演算手段と、
    前記時定数を用いてフィルタを構成し、前記到達変速比をフィルタの入力として前記目標変速比を算出する目標変速比演算手段と、
    前記変速形態がアップシフト中のダウンシフトと判定されたときは、アップシフト時の時定数からダウンシフト時の時定数への急変を防止する時定数急変防止制御を実施し、変速形態がアップシフト中のダウンシフトからダウンシフトに移行したときは、前記時定数急変防止制御を解除して、時定数をダウンシフト時の時定数へと一気に変化させる時定数制御手段と、
    を備えることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記時定数急変防止制御は、前記時定数を、所定の傾き以下で前記ダウンシフト時の時定数へと変化させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
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