JP2003048466A - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JP2003048466A
JP2003048466A JP2001235475A JP2001235475A JP2003048466A JP 2003048466 A JP2003048466 A JP 2003048466A JP 2001235475 A JP2001235475 A JP 2001235475A JP 2001235475 A JP2001235475 A JP 2001235475A JP 2003048466 A JP2003048466 A JP 2003048466A
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Japan
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seat back
liquid
seat
rotary damper
impact load
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JP2001235475A
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English (en)
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Hidenori Sugano
秀則 菅野
Ryota Shimura
良太 志村
Masanori Itagaki
正典 板垣
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Somic Ishikawa KK
Original Assignee
Somic Ishikawa KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートバックの前方への回転動作を緩慢なも
のとして円滑なリクライニング操作を可能とし、かつ所
定以上の大きな衝撃荷重が加わった際に生じるシートバ
ックのねじれ変形を防止する。 【解決手段】 シートバック10とシートクッション2
0との幅方向両側の連結部のうち、リクライニング機構
が設けられていない側の連結部に、シートバック10の
前方への回転動作を遅動させるダンパ機能と、所定以上
の衝撃荷重が加わった際に、リクライニング機構が設け
られた連結部の一方側を中心としたシートバック10の
回転動作を抑制するロック機能とを有するロータリーダ
ンパ40を設ける。これにより、シートバック10の前
方への回転動作を緩慢なものとして円滑なリクライニン
グ操作ができると共に、所定以上の大きな衝撃荷重が加
わってもシートバック10のねじれ変形を防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リクライニング機構を
備えた車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用シートは、図7に示し
たように、幅方向両側で支軸(図示せず)により結合さ
れたシートバック用フレーム110とシートクッション
用フレーム120とに、シートバック130とシートク
ッション140とが支持された構成であり、通常、シー
トバック130とシートクッション140との連結部の
うちの一方側にリクライニング機構150が設けられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構造では、以下のような問題点があった。すなわち、
第1に、リクライニング機構150は、シートバック1
30を前方に付勢するバネ部材(図示せず)を備えてい
るため、不注意にリクライニング機構150によるロッ
クを解除すると、シートバック130が前方に勢いよく
回転して着座者に衝突して不快感を与えるおそれがあ
る。
【0004】第2に、シートバック130の位置保持
は、リクライニング機構150に形成されたギア(図示
せず)の噛み合わせのみで行われ、シートバック130
とシートクッション140との連結部のうちの他方側
は、シートバック130をシートクッション140に対
して回転自由に連結したフリーヒンジ構造であるため、
例えば、自動車が後方より追突された場合や急発進した
場合等に、所定以上の大きな衝撃荷重が加わると、リク
ライニング機構150が設けられている連結部の一方側
を中心としてシートバック130が回転動作してねじれ
変形を起こすという問題がある。
【0005】この問題を解消するために、シートバック
130とシートクッション140との幅方向両側の連結
部にそれぞれリクライニング機構150を配設すること
も行われているが、これでは両側に配設されたリクライ
ニング機構150の同期不良を招き易いという欠点があ
り、また自動車用シート全体のコストが高くつく。
【0006】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、簡易な構造で安価に提供でき、シートバックの前
方への回転動作を緩慢なものとして円滑なリクライニン
グ操作ができると共に、所定以上の大きな衝撃荷重が加
わってもシートバックのねじれ変形を防止することがで
きる車両用シートを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1に記載の本発明は、シートバックとシー
トクッションとの幅方向両側の連結部の一方側にリクラ
イニング機構が設けられている車両用シートにおいて、
前記連結部の他方側に、シートバックの前方への回転動
作を遅動させるダンパ機能と、所定以上の衝撃荷重が加
わった際に、リクライニング機構が設けられた連結部の
一方側を中心としたシートバックの回転動作を抑制する
ロック機能とを有するロータリーダンパが設けられてい
ることを特徴とする車両用シートを提供する。請求項2
に記載の本発明は、前記ロータリーダンパは、粘性液体
が充填される液体室を有する本体ケースと、前記液体室
に配設されるベーンとを備え、前記ベーン又は前記液体
室を仕切る隔壁部に、粘性液体が通過可能な液体流路が
形成されていると共に、所定以上の圧力を受けると前記
液体流路を閉鎖する弁機構が設けられていることを特徴
とする請求項1記載の車両用シートを提供する。請求項
3に記載の本発明は、前記弁機構は、所定以上の負荷を
受けると変形を生ずるバネ部材と、所定の質量を有し、
前記バネ部材に支持される弁体とを有して構成されてい
ることを特徴とする請求項2記載の車両用シートを提供
する。請求項4に記載の本発明は、前記弁体が磁性体か
らなると共に、該弁体が前記液体流路を閉鎖した際に、
該弁体を吸着保持可能なマグネットが設けられているこ
とを特徴とする請求項3記載の車両用シートを提供す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいてさらに詳しく説明する。図1は、本発明の一
の実施形態に係る自動車用シートの要部を示す概略右側
面図であり、図2は、概略左側面図である。これらの図
に示したように、本実施形態に係る自動車用シートは、
シートバック10がその幅方向両側において、それぞれ
支軸51,52を介してシートクッション20に連結さ
れている。
【0009】シートバック10とシートクッション20
との幅方向両側の連結部の一方側には、リクライニング
機構30が設けられている(図1参照)。このリクライ
ニング機構30は、操作レバー31を持ち上げて、ギア
32,33のかみ合いによるロックを解除し、シートバ
ック10に体重をかければ、シートバック10を後方に
倒すことができ、また、シートバック10から背中を離
せば、シートバック10を前方へ付勢するように設けら
れた渦巻きばね34の付勢力により、シートバック10
が後方から前方へ復帰する公知の構造であり、持ち上げ
ていた操作レバー31を離すことにより再度ロックがか
かるものである。
【0010】一方、シートバック10とシートクッショ
ン20との幅方向両側の連結部の他方側には、ロータリ
ーダンパ40が設けられている(図2参照)。より詳細
には、図2及び図3に示したように、シートバック10
とシートクッション20との他方側の連結部において、
シートバック10を支持する支軸52には、シートバッ
ク10に固定されるアッパーヒンジブラケット61が回
転自由に取り付けられると共に、その外側に、シートク
ッション20に固定されるロアーヒンジブラケット62
が取り付けられる。ロータリーダンパ40は、ロアーヒ
ンジブラケット62の外側から、支軸52に連結される
と共に、その本体ケース41がシートバック10の回転
動作に伴って支軸52を中心として回転し得るように、
取付ネジ63を介してアッパーヒンジブラケット61に
連結されている。なお、図において、符号64は、支軸
52の先端部に形成されたネジ部52aに螺合し、支軸
52にロータリーダンパ40を取り付けるためのナット
である。
【0011】このように取り付けられるロータリーダン
パ40は、本体ケース41、ベーン42、液体流路及び
弁機構44を有して構成される(図4参照)。
【0012】本体ケース41は、その内部に、それぞれ
本体ケース41の内周面から軸心方向に向かって突出す
るように互いに対向して設けられた断面略扇形状の隔壁
部41a,41bにより仕切られた2つの液体室(第1
及び第2の液体室41c,41d)を有する。そして、
かかる第1及び第2の液体室41c,41dを含む本体
ケース41の内部には、シリコンオイル等の粘性液体4
5が充填されている。
【0013】ベーン42は、本体ケース41の軸心に沿
って設けられる軸受け部46を挟んで対峙するように、
該軸受け部46に突設され、上記した第1及び第2の液
体室41c,41dにそれぞれ配設される。ここで、軸
受け部46は、その軸心に沿って貫通形成された係合孔
46aを有する略円筒形に形成されており、図3に示し
たように、該係合孔46aには上記した支軸52が挿通
される。それにより、軸受け部46は、係合孔46aが
支軸52に係合して、支軸52を中心として回動しない
ようになっている。また、軸受け部46は、その外周面
が、断面略円弧状に形成された隔壁部41a,41bの
先端面に面接触して設けられており、それにより、軸受
け部46の外周面と隔壁部41a,41bの先端面との
間に形成される隙間を極めて小さいものとして、当該隙
間を通じて粘性液体が移動しないようになっている。
【0014】第1及び第2の液体室41c,41dにそ
れぞれ配設されたベーン42のうち、第1の液体室41
cに設けられたベーン(以下、第1のベーンという。)
42には、液体流路としての第1の還流路43が厚さ方
向に貫通して形成されていると共に、該第1の還流路4
3の中途に位置して形成された空間42a内に、弁機構
44が設けられている。
【0015】弁機構44は、さらに、バネ部材44aと
弁体44bとを有して構成される。バネ部材44aは、
所定以上の負荷を受けると変形を生ずる板バネからな
り、一端が軸受け部46に支持されている。弁体44b
は、所定の質量を有し、自由端であるバネ部材44aの
他端に取り付けられ、該バネ部材44aによって支持さ
れている。なお、弁機構44の作用については後述す
る。
【0016】一方、第2の液体室41dに設けられたベ
ーン(以下、第2のベーンという。)42には、厚さ方
向に貫通形成された小孔からなるオリフィス47が設け
られていると共に、ボール弁48が設けられている。こ
こで、ボール弁48は、ボール弁48の直径よりも小さ
い内径を有する小径部49aと、ボール弁48の直径よ
りも大きい内径を有する大径部49bとを有し、第2の
ベーン42の厚さ方向に貫通形成された第2の還流路4
9の大径部49b内に設けられ、第2のベーン42が本
体ケース41に対して相対的に一方向に回転した際に
は、粘性液体45の圧力を受けて図4において左方向へ
移動し、第2の還流路49の小径部49aと大径部49
bとの境界部を閉鎖する一方、第2のベーン42が逆方
向に回転した際には、同じく粘性液体45の圧力を受け
て図4において右方向へ移動し、第2の還流路49の小
径部49aと大径部49bとの境界部を開放する働きを
するものである。なお、図において、符号49cは、ボ
ール弁48の脱落を防止するためのストッパである。
【0017】上記のように構成される自動車用シートに
よれば、通常の使用時においては、リクライニング機構
30により、シートバック10の位置(傾斜角度)を多
段階的に調節できると共に、シートバック10を後方に
リクライニングさせた後、復帰させる際には、ロータリ
ーダンパ40のダンパ機能により、その復帰動作がゆっ
くりしたものとなる。
【0018】すなわち、ロータリーダンパ40は、シー
トバック10が前方へ回転動作すると、それに伴って本
体ケース41が支軸52を中心として一方向(図4にお
いて、時計回り方向)へ回転する。ベーン(第1及び第
2のベーン)42は、回転不能に支軸52に連結された
軸受け部46に突設されているため、本体ケース41が
一方向へ回転することにより、隔壁部41bに押圧され
る粘性液体45の圧力によって、第2のベーン42に設
けられたボール弁48が第2の還流路49の小径部49
aと大径部49bとの境界部を閉鎖する。それにより、
第2の液体室41d内の粘性液体45は、第2のベーン
42に設けられたオリフィス47のみを通じて移動する
こととなり、その際に発生する抵抗によりロータリーダ
ンパ40は所定の制動力を発揮して、シートバック10
の回転動作を遅動させることができる。従って、着座者
にシートバック10が激しく衝突することがなく、円滑
なリクライニング操作ができる。
【0019】なお、この際、第1の液体室41cにおい
ては、隔壁部41aに押圧される粘性液体45の圧力が
所定以上に達しないため、第1のベーン42に設けられ
た弁機構44は働かず、従って、第1の液体室41c内
の粘性液体45は、第1のベーン42に設けられた第1
の還流路43を通過して移動する。
【0020】また、シートバック10を後方へリクライ
ニングさせる際には、本体ケース41が支軸52を中心
として上記とは逆方向(図4において、反時計回り方
向)へ回転するため、隔壁部41aに押圧される粘性液
体45の圧力により、ボール弁48がストッパ49cに
当接するように移動し、第2の還流路49の小径部49
aと大径部49bとの境界部が開放した状態となる。そ
のため、第2の液体室41d内の粘性液体45は、オリ
フィス47及び第2の還流路49を通じて大量に移動す
ることとなるので、ロータリーダンパ40のダンパ機能
は働かない。
【0021】一方、前方又は後方からの衝突等により、
シートバック10に所定以上の衝撃荷重が加わった場合
には、本体ケース41の回転力により、第1の液体室4
1c内の粘性液体45の圧力が所定以上となる。そし
て、この圧力を弁機構44の弁体44bが受けることに
より、バネ部材44aが変形して、弁体44bが図4に
おいて左右いずれかの方向に揺動し、本実施形態におい
て液体流路として機能する第1の還流路43を閉鎖す
る。その結果、第1の液体室41c内の粘性液体45は
移動できなくなるため、ロック状態となる。これによ
り、シートバック10の位置保持が、シートバック10
とシートクッション20との連結部の一方側に設けられ
たリクライニング機構30のみでなく、当該連結部の他
方側に設けられたロータリーダンパ40の上記したロッ
ク機能によっても行われることになるため、リクライニ
ング機構30が設けられた連結部の一方側を中心とした
シートバック10の回転動作を抑制することができ、シ
ートバック10のねじれ変形を防止することが可能であ
る。
【0022】なお、弁体44bは、所定の質量を有する
ため、シートバック10に所定以上の衝撃荷重が加わっ
た際には、その重さにより瞬時に反応することができる
ので、シートバック10のねじれ変形をより小さいもの
とすることが可能である。また、弁体44bは、バネ部
材44aにより支持されているため、シートバック10
に対する衝撃荷重が緩和されると、バネ部材44aの弾
性により原位置に復帰する。そのため、特別の操作をし
なくてもロック状態は解除される。
【0023】このように本実施形態に係る自動車用シー
トによれば、シートバック10とシートクッション20
との連結部のうち、リクライニング機構30が設けられ
ていない側の連結部に、シートバック10の前方への回
転動作を遅動させるダンパ機能と、所定以上の衝撃荷重
が加わった際に、リクライニング機構30が設けられた
連結部の一方側を中心としたシートバック10の回転動
作を抑制するロック機能とを併有するロータリーダンパ
40が設けられているため、シートバック10の前方へ
の回転動作を緩慢なものとして円滑なリクライニング操
作ができると共に、所定以上の大きな衝撃荷重が加わっ
てもシートバック10のねじれ変形を防止することがで
きる。また、このようなロータリーダンパ40を採用し
たことにより、簡易な構造とすることができ、また従来
よりも安価に提供することが可能となる。また、自動車
用シートは、大量に生産されるものであるため、生産性
の観点から組み立て工数を少なく抑えることが要求され
るが、上記したように、ロータリーダンパ40は、ナッ
ト64と取付ネジ63をそれぞれ支軸52とアッパーヒ
ンジブラケット61に螺合させるだけ取り付けることが
でき、その取り付け作業が極めて容易であるため、組み
立て工数が少なくて済む。また、ロータリーダンパ40
は、支軸52に直接連結され、形状・大きさがコンパク
トであるため、設置スペースに制限がある場合でも適用
可能である。
【0024】なお、ロータリーダンパ40は、上記した
構造のものに限定されるものではない。例えば、図5又
は図6に示した構造のものを採用することもできる。
【0025】すなわち、図5に示したロータリーダンパ
40は、弁機構44が、互いに対向して設けられた隔壁
部41a,41bにそれぞれ配設されている。一方の隔
壁部41aには、さらに、一方の隔壁部41aの一面側
に開口し、大径部にボール弁48が配設された還流路4
9Aと、同じく一方の隔壁部41aの一面側に開口する
オリフィス47と、上記還流路49A及びオリフィス4
7に連通し、その内部に弁機構44を収容可能な空間4
1eと、該空間41eに連通し、一方の隔壁部41aの
他面側に開口する還流路49Bとが形成されている。一
方、他方の隔壁部41bには、第1及び第2の液体室4
1c,41d間における粘性液体45の移動を可能にす
る還流路49Cが形成されていると共に、該還流路49
Cの中途に弁機構44を収容可能な空間41fが形成さ
れている。なお、上記した各還流路49A〜49C及び
オリフィス47は、液体流路として機能するものであ
る。また、第1の液体室41cに設けられるベーン(第
1のベーン)42には、大径部にボール弁48が配設さ
れた還流路49Dが形成されている。
【0026】上記した構造のロータリーダンパ40は、
通常の使用時において、シートバック10が前方へ回転
動作すると、それに伴って本体ケース41が一方向(図
5において、時計回り方向)へ回転する。ベーン(第1
及び第2のベーン)42は、回転不能に支軸52に連結
される軸受け部46に突設されているため、本体ケース
41が一方向へ回転することにより、第1のベーン42
に設けられたボール弁48及び一方の隔壁部41aに設
けられたボール弁48が、それぞれ第1のベーン42に
形成された還流路49D及び一方の隔壁部41aに形成
された還流路49Aを閉鎖する。それにより、第1のベ
ーン42により押圧される粘性液体45は、一方の隔壁
部41aに形成されたオリフィス47のみを通じて移動
することとなり、その際に発生する抵抗によりロータリ
ーダンパ40は所定の制動力を発揮して、シートバック
10の回転動作を遅動させることができる。なお、この
際、第2の液体室41dに設けられたベーン(第2のベ
ーン)42により押圧される粘性液体45は、他方の隔
壁部41bに形成された還流路49Cを通過して第1の
液体室41cへ移動する。
【0027】シートバック10を後方へリクライニング
させる際には、シートバック10の後方への回転動作に
伴って、本体ケース41が上記とは逆方向(図5におい
て、反時計回り方向)へ回転するため、第1のベーン4
2に設けられたボール弁48及び一方の隔壁部41aに
設けられたボール弁48がそれぞれ開弁し、還流路49
D及び還流路49Aが開放した状態となる。そのため、
粘性液体45は、オリフィス47のみならず、各還流路
49A〜49Dを通じて移動することとなるので、ロー
タリーダンパ40のダンパ機能は働かない。
【0028】一方、前方又は後方からの衝突等により、
シートバック10に所定以上の衝撃荷重が加わった場合
には、本体ケース41の回転力により、粘性液体45の
圧力が所定以上となる。そして、この圧力を各隔壁部4
1a,41bにそれぞれ配設された弁機構44の弁体4
4bが受けることにより、バネ部材44aが変形して、
弁体44bが図5において上下いずれかの方向に揺動
し、液体流路として機能する還流路49A及びオリフィ
ス47並びに還流路49C、又は還流路49B及び還流
路49Cを閉鎖する。その結果、粘性液体45が移動で
きなくなるため、ロック状態となる。
【0029】従って、かかるロータリーダンパ40によ
っても、シートバック10の前方への回転動作を遅動さ
せることができると共に、所定以上の大きな衝撃荷重が
加わった際には、リクライニング機構30が設けられた
連結部の一方側を中心としたシートバック10の回転動
作を抑制することができる。
【0030】図6に示したロータリーダンパ40も、図
5に示したものと同様に、弁機構44が隔壁部41a,
41bに配設されているが、このロータリーダンパ40
は、弁機構44を構成する弁体44bが磁性体(鉄等の
金属材料)からなり、該弁体44bが液体流路(還流路
49E,49F)を閉鎖した際に、該弁体44bを吸着
保持可能なマグネット70を有して構成されている。こ
のマグネット70は、各隔壁部41a,41bにそれぞ
れ形成された液体流路としての還流路49E,49Fの
内面に沿って設けられている。
【0031】上記した構造のロータリーダンパ40は、
通常の使用時において、シートバック10が前方へ回転
動作すると、それに伴って本体ケース41が一方向(図
6において、時計回り方向)へ回転する。それにより、
粘性液体45が、第1及び第2の液体室41c,41d
にそれぞれ配設されたベーン(第1及び第2のベーン)
42により押圧され、還流路49E及び49Fを通じて
移動する。そして、その際に生ずる抵抗により、ロータ
リーダンパ40は所定の制動力を発揮して、シートバッ
ク10の回転動作を遅動させることができる。なお、こ
のロータリーダンパ40は、本体ケース41が一方向へ
回転した場合のみならず、逆方向へ回転した場合にも制
動力を発揮する双方向性のものである。
【0032】一方、前方又は後方からの衝突等により、
シートバック10に所定以上の衝撃荷重が加わった場合
には、本体ケース41の回転力により、粘性液体45の
圧力が所定以上となる。そして、この圧力を各隔壁部4
1a,41bにそれぞれ配設された弁機構44の弁体4
4bが受けることにより、バネ部材44aが変形して、
弁体44bが図6において上下いずれかの方向に揺動
し、液体流路として機能する還流路49E及び49Fを
閉鎖する。その結果、粘性液体45が移動できなくなる
ため、ロック状態となる。
【0033】従って、かかるロータリーダンパ40によ
っても、シートバック10の前方への回転動作を遅動さ
せることができると共に、所定以上の大きな衝撃荷重が
加わった際には、リクライニング機構30が設けられた
連結部の一方側を中心としたシートバック10の回転動
作を抑制することができる。
【0034】また、このロータリーダンパ40は、マグ
ネット70を有して構成されているため、該マグネット
70により、還流路49E及び49Fを閉鎖する弁体4
4bを吸着保持することができる。従って、弁機構44
を収容する空間41g,41h内で弁体44bが振動を
発生させることがない。すなわち、弁体44bはバネ部
材44aに支持されているため、一旦還流路49E及び
49Fを閉鎖しても、バネ部材44aの復元作用によ
り、すぐに還流路49E及び49Fを開放し、その後再
び還流路49E及び49Fを閉鎖するといったことを繰
り返し行うことによって振動を発生させるおそれがある
が、かかるロータリーダンパ40によれば、上記したよ
うに、マグネット70により還流路49E及び49Fを
閉鎖する弁体44bを吸着保持することができるため、
そのような振動の発生を防止することができる。
【0035】なお、ロックされたシートバック10を、
その後、前後いずれかの方向に回転動作させることで、
本体ケース41内の粘性液体45に流れが生ずるため、
その際の粘性液体45の圧力により、弁体44bがマグ
ネット70に吸着保持された状態を解除することができ
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シートバックとシートクッションとの幅方向両側の連結
部のうち、リクライニング機構が設けられていない側の
連結部に、シートバックの前方への回転動作を遅動させ
るダンパ機能と、所定以上の衝撃荷重が加わった際に、
リクライニング機構が設けられた連結部の一方側を中心
としたシートバックの回転動作を抑制するロック機能と
を有するロータリーダンパが設けられているため、シー
トバックの前方への回転動作を緩慢なものとして円滑な
リクライニング操作ができると共に、所定以上の大きな
衝撃荷重が加わってもシートバックのねじれ変形を防止
することができる。また、このようなロータリーダンパ
を採用したことにより、簡易な構造とすることができ、
また従来よりも安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態に係る自動車用
シートの要部を示す概略右側面図である。
【図2】図2は、上記実施形態に係る自動車用シートの
要部を示す概略左側面図である。
【図3】図3は、上記実施形態に係る自動車用シートに
採用されたロータリーダンパの取り付け方法を説明する
ための図である。
【図4】図4は、上記実施形態に係る自動車用シートに
採用されたロータリーダンパの内部構造を示す断面図で
ある。
【図5】図5は、ロータリーダンパの他の実施形態を示
す断面図である。
【図6】図6は、ロータリーダンパのさらに他の実施形
態を示す断面図である。
【図7】図7は、従来の自動車用シートを示す概略斜視
図である。
【符号の説明】
10 シートバック 20 シートクッション 30 リクライニング機構 31 操作レバー 32,33 ギア 34 渦巻きばね 40 ロータリーダンパ 41 本体ケース 42 ベーン 43 第1の還流路 44 弁機構 45 粘性液体 46 軸受け部 47 オリフィス 48 ボール弁 49 第2の還流路 51,52 支軸 61 アッパーヒンジブラケット 62 ロアーヒンジブラケット 63 取付ネジ 64 ナット
フロントページの続き (72)発明者 板垣 正典 東京都墨田区本所1−34−6 株式会社ソ ミックエンジニアリング内 Fターム(参考) 3B087 BD03 3B099 AA05 BA04 CA04 CB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートバックとシートクッションとの幅
    方向両側の連結部の一方側にリクライニング機構が設け
    られている車両用シートにおいて、 前記連結部の他方側に、シートバックの前方への回転動
    作を遅動させるダンパ機能と、所定以上の衝撃荷重が加
    わった際に、リクライニング機構が設けられた連結部の
    一方側を中心としたシートバックの回転動作を抑制する
    ロック機能とを有するロータリーダンパが設けられてい
    ることを特徴とする車両用シート。
  2. 【請求項2】 前記ロータリーダンパは、粘性液体が充
    填される液体室を有する本体ケースと、前記液体室に配
    設されるベーンとを備え、前記ベーン又は前記液体室を
    仕切る隔壁部に、粘性液体が通過可能な液体流路が形成
    されていると共に、所定以上の圧力を受けると前記液体
    流路を閉鎖する弁機構が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の車両用シート。
  3. 【請求項3】 前記弁機構は、所定以上の負荷を受ける
    と変形を生ずるバネ部材と、所定の質量を有し、前記バ
    ネ部材に支持される弁体とを有して構成されていること
    を特徴とする請求項2記載の車両用シート。
  4. 【請求項4】 前記弁体が磁性体からなると共に、該弁
    体が前記液体流路を閉鎖した際に、該弁体を吸着保持可
    能なマグネットが設けられていることを特徴とする請求
    項3記載の車両用シート。
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