JP4083310B2 - 自動車用シート及び該自動車用シートのロック機構 - Google Patents

自動車用シート及び該自動車用シートのロック機構 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用シート及び該自動車用シートのロック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用シートは、図7に示したように、幅方向両側で軸部材である軸ピン10a,11aにより結合されたシートバック用フレーム1とシートクッション用フレーム6とに、それぞれ、シートバック(図示せず)とシートクッション(図示せず)とが支持された構成であり、通常、ピン結合された連結部10,11のうちの一方側10に、リクライニング機構12が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した構造では、シートバック用フレーム1の位置保持は、リクライニング機構12に形成されたギア(図示せず)のかみ合わせのみで行われるため、自動車に所定以上の大きな衝撃エネルギーが加わった場合、例えば、後方より追突された場合には、リクライニング機構12が設けられている連結部の一方側10を中心としてねじれ変形を起こすという問題がある。
【0004】
この問題を解消するために、リクライニング機構12をシートバック用フレーム1の両側に設けることも行われているが、これでは、自動車用シート全体のコストが高くつく。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みなされたものであり、簡易な構造で安価に提供でき、所定以上の大きな衝撃エネルギーが加わった場合のねじれ変形を従来よりも小さくすることができる自動車用シート及び該自動車用シートのロック機構を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の自動車用シートは、シートバック用フレームとシートクッション用フレームとの幅方向両側の連結部の一方側にリクライニング機構が設けられていると共に、他方側に、所定以上の衝撃エネルギーが加わった際に、リクライニング機構が設けられる連結部の一方側を中心としたシートバック用フレームの回転動作を抑制するロック機構が設けられている自動車用シートであって、
シートクッション用フレームに対してシートバック用フレームを回動可能に支持する軸部材が挿通されると共に、内周縁に切り欠き形成されたくさび状の溝部を有する環状部と、該環状部の外周に突出する略扇形部とを備え、該略扇形部が対向位置となると共に、くさび状の溝部の向きが逆方向となるように該軸部材に挿通されて積層される複数枚のプレートと、
該プレートのくさび状の溝部に、軸部材に沿って配設される平行ピンと、
一方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁と、該一方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁との間に配設され、両端縁を円周に沿って離間する方向に付勢するばね部材と、
一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁と、該他方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との間に配設され、両端縁に接触する接触片を有し、該両端縁間を通過するように設けたピンに支持されて該ピンを中心として円周方向に揺動可能に設けられた振り子部材と、を有し、
いずれかの方向から所定以上の衝撃エネルギーを受けた場合に、該振り子部材がいずれかに揺動し、その接触片のうちの少なくとも一方といずれか少なくとも一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との接触が解除され、前記ばね部材により少なくとも一方のプレートが回動して、平行ピンがくさび状溝部に食い込んでロックする構造であることを特徴とする。
請求項記載の自動車用シートは、請求項記載の自動車用シートであって、回転軸が前記軸部材として機能するダンパが併設されていることを特徴とする。
請求項記載のロック機構は、シートバック用フレームとシートクッション用フレームとの幅方向両側の連結部の一方側にリクライニング機構が設けられている場合に、所定以上の衝撃エネルギーが加わった際の、リクライニング機構が設けられる連結部の一方側を中心としたシートバック用フレームの回転動作を抑制するため、連結部の他方側に設けられる自動車用シートのロック機構であって、
シートクッション用フレームに対してシートバック用フレームを回動可能に支持する軸部材が挿通されると共に、内周縁に切り欠き形成されたくさび状の溝部を有する環状部と、該環状部の外周に突出する略扇形部とを備え、該略扇形部が対向位置となると共に、くさび状の溝部の向きが逆方向となるように該軸部材に挿通されて積層される複数枚のプレートと、
該プレートのくさび状の溝部に、軸部材に沿って配設される平行ピンと、
一方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁と、該一方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁との間に配設され、両端縁を円周に沿って離間する方向に付勢するばね部材と、
一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁と、該他方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との間に配設され、両端縁に接触する接触片を有し、該両端縁間を通過するように設けたピンに支持されて該ピンを中心として円周方向に揺動可能に設けられた振り子部材と、を有し、
いずれかの方向から所定以上の衝撃エネルギーを受けた場合に、該振り子部材がいずれかに揺動し、その接触片のうちの少なくとも一方といずれか少なくとも一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との接触が解除され、前記ばね部材により少なくとも一方のプレートが回動して、平行ピンがくさび状溝部に食い込んでロックする構造であることを特徴とする。
請求項記載のロック機構は、請求項記載のロック機構であって、前記軸部材として機能する回転軸を備えたダンパが併設されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる自動車用シートの要部を示す図であり、図において、1はシートバック用フレームを示す。このシートバック用フレーム1は軸部材である軸ピン2を介してシートクッション用フレーム6に連結されている。
【0008】
シートバック用フレーム1の一方側の連結部(図7の符号10に相当)には、図1において図示しないリクライニング機構(図7の符号12に相当)が設けられる。このリクライニング機構は、レバーを持ち上げて、ギアのかみ合いによるロックを解除し、シートバックに体重をかければ、シートバックを後方に倒すことができ、また、シートバックから背中を離せば、シートバックが後方から前方へ復帰する公知の構造で、持ち上げていたレバーを離すことにより再度ロックがかかるものである。
【0009】
一方、シートバック用フレーム1の他方側の連結部(図7の符号11に相当)は、その下端部にギア部1aが設けられており、このギア部1aが後述のダンパ3に設けられたギア部3aとかみ合う。なお、このギア部1aは、シートバック用フレーム1の下端部に直接形成してもよいが、別途に製作したギアをシートバック用フレーム1に積層して設けてもよい。
【0010】
ダンパ3は、該ダンパ3に設けられたギア部3aが上記したシートバック用フレーム1のギア部1aにかみ合う位置に配設される。具体的には、該ダンパ3をシートクッション用フレーム6に取り付けるが、この際、ダンパ3を構成する本体ケースをシートクッション用フレーム6に固定し、本体ケースの一方の面に、別部材として形成した板状のギア部3aを積層するように回転軸3bに連結して配設することができる。これにより、シートバック用フレーム1が回動すると該シートバック用フレーム1のギア部1aがダンパ3のギア部3aにかみ合うため、該ギア部3aと共に回転軸3bが回転し、本体ケース内に充填された粘性液体の抵抗が働く。また、本体ケースとして、本体ケースそのものの外周にギア部3aを形成したものか、別部材からなる板状のギア部であって、該ギア部を本体ケースの一方の面に固着したものを用い、回転軸3bをシートクッション用フレーム6に固定連結し、シートバック用フレーム1が回動すると、ギア部3aと共に、本体ケースが回転軸3bに対して相対的に回転する構造とすることもできる。
【0011】
ここで、ダンパ3としては、上記のように、本体ケースに対して相対的に回転する回転軸3bを備え、内部に充填した粘性液体の抵抗により、所定の制動力を発揮できるものであれば、どのような構造のものであってもよく、例えば、略円筒状の本体ケース内に、外周面が本体ケースの内周面に摺接し得る大きさで略円筒状に形成されたロータを配設し、このロータに回転軸3bを連結すると共に、本体ケースとロータとの間に粘性液体を充填した構造のもの、あるいは、後述の第2の実施の形態を示す図3の断面図に示したように、本体ケース31’内に断面凹凸状の固定ロータ31’bを配設すると共に、該固定ロータ31’bの凹凸部にかみ合う凹凸部を備えた回転ロータ31’cを配設し、固定ロータ31’bと回転ロータ31’cとの摺接面に粘性液体を充填し、回転ロータ31’cに回転軸3b(図3においては回転軸の機能を兼ねる軸ピン2’)を連結した構造のもの等を用いることができる。この場合、後者によれば、固定ロータ(本体ケース)と回転ロータとの摺接面積が前者に比較して大きくなるので、より大きな粘性抵抗を発揮させることができる。
【0012】
また、本体ケース内に装填される回転軸3bの部位又は回転ロータの外周面にベーンを突設し、このベーンにより、充填された粘性液体を圧縮する形式の回転ダンパを用いることもできる。
【0013】
シートバック用フレーム1のギア部1aがダンパ3のギア部3aにかみ合うことにより、リクライニング機構のロックを解除して、シートバック用フレーム1を後方から前方に戻した際に、該ダンパ3の働きによりその復帰スピードを制限することができるが、本実施の形態では、さらに、該ダンパ3が配設されるシートバック用フレーム1の他方側の連結部にロック機構4が設けられている。
【0014】
このロック機構4は、シートバック用フレーム1のギア部1aとダンパ3のギア部3aの双方にかみ合うギア部41aを有しており、後方からの追突等により、シートバック用フレーム1に所定以上の衝撃エネルギーが加わった場合にのみ、該ギア部41aがシートバック用フレーム1のギア部1aとダンパ3のギア部3aにかみ合う。これにより、シートバック用フレーム1に所定以上の衝撃エネルギーが加わった際、リクライニング機構が設けられているシートバック用フレーム1の一方側を中心として生じる変形を抑制することができる。ロック機構4のギア部41aは、かかる機能を果たせばよく、本実施の形態のようにダンパ3のギア部3aに必ずしもかみ合う必要はなく、シートバック用フレーム1のギア部1aのみにかみ合うものであってもよい。
【0015】
ロック機構4を、所定以上の衝撃エネルギーが加わった場合のみ作動するようにする構成は限定されるものではないが、本実施の形態では次のような構造を採用している。すなわち、図1に示したように、上辺部の先端にギア部41aが設けられ、略く字状となるように配設される本体部41と、該本体部41の下端部に一体的に設けられたおもり部41bと、該本体部41の下辺部において上辺部の突出方向とほぼ反対方向に突出するように一体的に設けられたレバー部42と、該本体部41の上辺部と下辺部との交差部に配設され、該本体部41を支持する支軸43と、シートクッション用フレーム6に一端が固定されると共に、上面がおもり部41bの下面に接するように配設され、支軸43を中心として揺動可能なおもり部41bの位置を固定する固定ばね44とを有して構成されている。なお、レバー部42の先端は、本体部41、ギア部41a、おもり部41b及び固定ばね44とダンパ3とを覆い隠すためのケース部材5から突出するように設けられている。
【0016】
また、支軸43の取り付け位置は、常態において、本体部41の上辺部に設けたギア部41aがシートバック用フレーム1のギア部1aとダンパ3のギア部3aのいずれにもかみ合わない位置となるように、すなわち、該支軸43を挟んでおもり部41b側とギア部41a側とがつり合うような位置に設けられる。このようなバランスをとることにより、通常のリクライニング操作環境においては、上記した固定ばね44によりおもり部41bの位置を固定しなくても、ギア部41aがシートバック用フレーム1にかみ合うことはほとんどないが、所定以上の衝撃エネルギーが加わらない場合であっても、例えば、急傾斜地においてリクライニング操作を行ったりする場合には、おもり部41bの位置を全く固定していないと、本体部41が傾き、ギア部41aがシートバック用フレーム1のギア部1aにかみ合ってしまうおそれもある。上記した固定ばね44は、このような弊害が生じないように、おもり部41bの下面に接し、上方に押圧することにより該おもり部41bの位置を固定するものであり、それほど大きな弾発力は必要ないが、シートバック用フレーム1に加わる衝撃エネルギーが所定以上となった場合に、確実におもり部41bが該固定ばね44の弾発力に抗して外れるような弾発力に調整される。
【0017】
かかる構成の自動車用シートによれば、通常の使用時においては、シートバック用フレーム1を後方にリクライニングさせた後、復帰させる際には、シートバック用フレーム1のギア部1aが、ダンパ3のギア部3aにかみ合うため、ダンパ3の抵抗力により、その復帰動作がゆっくりとしたものとなる。
【0018】
一方、前方又は後方からの衝突等により、シートバック用フレーム1に所定以上の衝撃エネルギーが加わった場合には、ロック機構4のおもり部41bが固定ばね44の弾発力に抗して外れ、支軸43を中心として図1において左右いずれかの方向に揺動し、その結果、該ロック機構4のギア部41aがシートバック用フレーム1のギア部1a又はダンパ3のギア部3aのいずれかか、ギア部41aと、シートバック用フレーム1のギア部1a及びギア部3aとの間隔によっては両ギア部1a,3aにかみ合う。従って、シートバック用フレーム1のギア部1aは、所定以上の衝撃エネルギーを受けた際には、ダンパ3のギア部3aのほか、ロック機構4のギア部41aにかみ合うことになる。これにより、シートバック用フレーム1の位置保持が、シートバック用フレーム1とシートクッション用フレーム6の一方側の連結部に配設されるリクライニング機構のみでなく、他方側の連結部に配設されるロック機構4によるギアのかみ合わせによっても行われることになるため、リクライニング機構が配設される連結部の一方側を中心としたねじれ変形を従来よりも抑制することができる。
【0019】
なお、ロック機構4のギア部41aがシートバック用フレーム1のギア部1aにかみ合ってロックした際には、レバー部42が図1において、斜め上方又は下方に傾斜した状態となっているため、このロック状態を解除する場合には、該レバー部42を押し下げるか、押し上げればよい。
【0020】
次に、本発明の第2の実施の形態を図2及び図3に基づき説明する。図において、1はシートバック用フレームを示し、6はシートクッション用フレームを示す。本実施の形態においては、このシートバック用フレーム1とシートクッション用フレーム6とが、ダンパ3’の回転軸としても機能する軸ピン2’によって連結されている。
【0021】
シートバック用フレーム1の幅方向両側の連結部のうち、一方側にリクライニング機構が設けられ(図7参照)、他方側にロック機構4’が設けられる点は、上記した実施の形態と同様である。また、シートバック用フレーム1の下端部にギア部1aが設けられている点も同様である。但し、ダンパ3’及びロック機構4’の構造、配設位置が異なる。
【0022】
具体的には、まず、ダンパ3’は、シートバック用フレーム1の下端部付近に積層されるように、回転軸として機能する軸ピン2’がその中央部を貫通して該シートバック用フレーム1及びシートクッション用フレーム6と連結するように配設されている(図3参照)。また、本体ケース31’の周囲に突出させた取り付け片31’aが、ねじ32’によりシートクッション用フレーム6に固定されると共に、軸ピン2’は、シートバック用フレーム1に対して空転しないように設けられる。例えば、シートバック用フレーム1に形成した係合孔1bを多角形に形成すると共に、軸ピン2’のうち、この係合孔1bに挿通される部分も同じ多角形に形成することで空転しないような構造とすることができる。これにより、シートバック用フレーム1を後方にリクライニングさせた位置から前方へ復帰させた場合には、シートバック用フレーム1と共に軸ピン2’が回動するため、ダンパ3’の本体ケース内に充填された粘性液体の抵抗が働き、シートバック用フレーム1の復帰時の回動速度が制限を受けることになる。
【0023】
一方、ロック機構4’は、ダンパ3’の本体ケース31’とシートクッション用フレーム6との間に配設される。このロック機構4’は、上部41’がシートクッション用フレーム6に突設される支軸43’に挿通されることにより、揺動可能に支持された板状体からなり、上端面に、シートバック用フレーム1のギア部1aにかみ合うギア部41’aが形成されている。また、重心位置が中心よりも下方部となるように形成されており、これにより、支軸43’を中心として揺動し得る構成である。
【0024】
本実施の形態によれば、前方又は後方からの衝突により、シートバック用フレーム1に所定以上の衝撃エネルギーが付加された場合には、板状体からなるロック機構4’の支軸43’を中心としてその下方部が図2において左右いずれかの方向に揺動し、その結果、ギア部41’aがシートバック用フレーム1のギア部1aにかみ合い位置保持される。このため、本実施の形態においても、シートバック用フレーム1においてリクライニング機構が配設される一方側の連結部を中心とした変形が従来よりも抑制される。
【0025】
なお、本実施の形態においては、ロック機構4’の位置を保持するための固定ばねが設けられていないが、上記実施の形態のように必要に応じて設けてもよいことはもちろんである。
【0026】
また、上記した各実施の形態では、いずれも、シートバック用フレーム1の他方側の連結部にダンパ3,3’を配設しており、それにより、シートバック用フレーム1の復帰速度を緩慢にさせることができるという利点も有するが、ダンパ3,3’を配設しない構成としても、ロック機構4,4’の働きにより、リクライニング機構が配設される一方側の連結部を中心とした変形は従来よりも抑制することができる。
【0027】
さらに、上記した第1の実施の形態においては、ロック機構4に代えて第2の実施の形態で採用したロック機構4’と同様の構造のものを採用し、これを、ダンパ3の下方に配設し、ダンパ3に形成したギア部3aとかみ合うような構成とすることもできる。また、第2の実施の形態においては、ダンパ3’の外周囲にギア部を形成し、このギア部に、ロック機構4’又は第1の実施の形態で採用したようなロック機構4がかみ合う構成としてもよい。
【0028】
次に、本発明の第3の実施の形態を図4〜図6に基づき説明する。図において、1はシートバック用フレームを示し、6はシートクッション用フレームを示す。本実施の形態においては、このシートバック用フレーム1とシートクッション用フレーム6とが、両者を連結する軸部材である軸ピンとして機能するダンパ7の回転軸71によって連結されている。
【0029】
図4に示したように、シートバック用フレーム1の幅方向両側の連結部のうち、一方側にリクライニング機構が設けられ(図7参照)、他方側にロック機構8が設けられる点は、上記した実施の形態と同様であるが、本実施の形態にかかるロック機構8は、次のような構造を有している。
【0030】
すなわち、図5及びず6に示したように、ダンパ7の一面上であって、回転軸71が突出している面上に、挿通孔81a,82aを該回転軸71に挿通させて配設される2枚のプレート81,82を有している。このプレート81,82の挿通孔81a,82aを形成する内周縁には、円周方向に間隔をおいてそれぞれ3つ形成されたくさび状の溝部81b,82bを有する環状部81c,82cを有している。くさび状の溝部81b,82bは、一方の端部においては溝が深くなっており、他方に向かうに従い徐々に溝が浅くなるような形状で切り欠き形成されている。プレート81,82はまた、環状部81c,82cの外周に突出する略扇形部81d,82dを備えている。そして、回転軸71に挿通孔81a,82aを挿通する際、2つの略扇形部81d,82dが対向する位置となるように、かつくさび状の溝部81b,82bの向きが逆方向となるように積層されて配設される。積層した2枚のプレート81,82間で連通するくさび状の各溝部81b,82bには、回転軸71に沿って、平行ピン83が配設される。
【0031】
また、一方のプレート81における略扇形部81dの一方の端縁81eと、該一方の端縁81eに向き合う他方のプレート82における略扇形部82dの一方の端縁82eとの間には、図6に示したように断面略V字状で、拡開する方向、すなわち、各プレート81,82の各一方の端縁81e,82eを円周に沿って離間する方向に付勢するばね部材である板ばね84が配設されている。
【0032】
また、一方のプレート81における略扇形部81dの他方の端縁81fと、該他方の端縁81fに向き合う他方のプレート82における略扇形部82dの他方の端縁82eとの間には、振り子部材85が配設される。この振り子部材85は、下端部におもり部85aを有する略逆T字状に形成されており、上端部に孔部85bが設けられている。この孔部85bには、ダンパ7の一面と外側ケース86との間に掛け渡されるピン87であって、一方の略扇形部81dの他方の端縁81fと、他方の略扇形部82dの他方の端縁82fとの間の略中央部に設けられたピン87が挿通され、これにより、該振り子部材85は、該ピン87を中心として図6において左右に揺動し得ることになる。但し、振り子部材85の上端部には、略扇形部81d,82dの各他方の端縁81f,82f方向に突出し、それぞれが該他方の端縁81f,82fに接する接触片85c,85dが設けられているため、両者の接触状態が解除されない限り、すなわち、常態においては揺動しない。
【0033】
また、振り子部材85の接触片85c,85dは、板ばね84の付勢力に抗して略扇形部81d,82dの各他方の端縁81f,82f間の距離を保ち、平行ピン83をくさび状の各溝部81b,82b内で、深い溝の部分に位置させ、回転軸71の回転動作を可能とする機能を有している。なお、略扇形部81d,82dの各他方の端縁81f,82f間には、図6において逆V字状に配設した他の板ばね88が配設されているが、これは、略扇形部81d,82dの各他方の端縁81f,82f間の距離を保つ補助部材として機能する。
【0034】
かかる構成によれば、所定以上の衝撃エネルギーがいずれかの方向から付加されると、衝撃により、振り子部材85が一方の方向へ振れようとして、一方の接触片、例えば接触片85cが一方のプレート81の略扇形部81dの他方の端縁81fから外れる。その結果、板ばね84の付勢力により、一方のプレート81が円周方向に回転し、その結果、該一方のプレート81に形成されたくさび状の溝部81bに平行ピン83が食い込み、回転軸71を回転不能にロックする。これにより、シートバック用フレーム1の他方側の連結部における位置保持がなされ、一方側の連結部を中心としたねじれ変形が抑制される。
【0035】
なお、所定以上の衝撃エネルギーが上記と逆方向から付加された場合には、振り子部材85が逆方向へ振れて他方の接触片85dが外れ、他方のプレート82が回転し、回転軸71を回転不能にロックする。また、衝撃エネルギーが強すぎる場合等において、両方の接触片85c,85dが外れた場合には、2つのプレート81,82が両方とも回転するが、この場合でも、他の板ばね88によって略扇形部81d,82dの各他方の端縁81f,82f間の距離を保っているため、各くさび状の溝部81b,82bが平行ピン83を押圧して、回転軸71をロックすることができる。
【0036】
また、本実施の形態においても、ダンパ7を併設しており、それによって、常態においては、シートバック用フレーム1の復帰時の復帰速度を緩慢にさせることができるという利点も有するが、このダンパ7を配設しない構成としても、ロック機構8の働きにより、リクライニング機構が配設される一方側の連結部を中心とした変形は従来よりも抑制することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、シートバック用フレームとシートクッション用フレームとの連結部のうち、リクライニング機構が配設されない側の連結部に、シートバック用フレームに対して、直接又はダンパを介してかみ合うロック機構が設けられているため、所定以上の衝撃エネルギーが加わった際に、リクライニング機構が設けられる連結部の一方側を中心としたシートバック用フレームの回転動作、すなわちねじれ変形を抑制することができる。また、ロック機構を設けるだけでねじれ変形を抑制できるため、従来のシートバック用フレームの両側にリクライニング機構を設ける場合と比較して、自動車用シートの製作コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる自動車用シートの要部を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施の形態にかかる自動車用シートの要部を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態にかかる自動車用シートの要部断面図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態にかかる自動車用シートの要部を示す図である。
【図5】図5は、第3の実施の形態で用いたロック機構を説明するための概略断面図である。
【図6】図6は、図5のA−A線断面図である。
【図7】図7は、自動車用シートを構成するシートバック用フレームとシートクッション用フレームの概略構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 シートバック用フレーム
1a ギア部
2,2’ 軸ピン
3,3’,7 ダンパ
3a ギア部
4,4’,8 ロック機構
41a,41’a ギア部
6 シートクッション用フレーム

Claims (4)

  1. シートバック用フレームとシートクッション用フレームとの幅方向両側の連結部の一方側にリクライニング機構が設けられていると共に、他方側に、所定以上の衝撃エネルギーが加わった際に、リクライニング機構が設けられる連結部の一方側を中心としたシートバック用フレームの回転動作を抑制するロック機構が設けられている自動車用シートであって、
    シートクッション用フレームに対してシートバック用フレームを回動可能に支持する軸部材が挿通されると共に、内周縁に切り欠き形成されたくさび状の溝部を有する環状部と、該環状部の外周に突出する略扇形部とを備え、該略扇形部が対向位置となると共に、くさび状の溝部の向きが逆方向となるように該軸部材に挿通されて積層される複数枚のプレートと、
    該プレートのくさび状の溝部に、軸部材に沿って配設される平行ピンと、
    一方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁と、該一方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁との間に配設され、両端縁を円周に沿って離間する方向に付勢するばね部材と、
    一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁と、該他方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との間に配設され、両端縁に接触する接触片を有し、該両端縁間を通過するように設けたピンに支持されて該ピンを中心として円周方向に揺動可能に設けられた振り子部材と、を有し、
    いずれかの方向から所定以上の衝撃エネルギーを受けた場合に、該振り子部材がいずれかに揺動し、その接触片のうちの少なくとも一方といずれか少なくとも一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との接触が解除され、前記ばね部材により少なくとも一方のプレートが回動して、平行ピンがくさび状溝部に食い込んでロックする構造であることを特徴とする自動車用シート。
  2. 請求項記載の自動車用シートであって、回転軸が前記軸部材として機能するダンパが併設されていることを特徴とする自動車用シート。
  3. シートバック用フレームとシートクッション用フレームとの幅方向両側の連結部の一方側にリクライニング機構が設けられている場合に、所定以上の衝撃エネルギーが加わった際の、リクライニング機構が設けられる連結部の一方側を中心としたシートバック用フレームの回転動作を抑制するため、連結部の他方側に設けられる自動車用シートのロック機構であって、
    シートクッション用フレームに対してシートバック用フレームを回動可能に支持する軸部材が挿通されると共に、内周縁に切り欠き形成されたくさび状の溝部を有する環状部と、該環状部の外周に突出する略扇形部とを備え、該略扇形部が対向位置となると共に、くさび状の溝部の向きが逆方向となるように該軸部材に挿通されて積層される複数枚のプレートと、
    該プレートのくさび状の溝部に、軸部材に沿って配設される平行ピンと、
    一方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁と、該一方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の一方の端縁との間に配設され、両端縁を円周に沿って離間する方向に付勢するばね部材と、
    一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁と、該他方の端縁に向き合う他方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との間に配設され、両端縁に接触する接触片を有し、該両端縁間を通過するように設けたピンに支持されて該ピンを中心として円周方向に揺動可能に設けられた振り子部材と、を有し、
    いずれかの方向から所定以上の衝撃エネルギーを受けた場合に、該振り子部材がいずれかに揺動し、その接触片のうちの少なくとも一方といずれか少なくとも一方のプレートにおける略扇形部の他方の端縁との接触が解除され、前記ばね部材により少なくとも一方のプレートが回動して、平行ピンがくさび状溝部に食い込んでロックする構造であることを特徴とするロック機構。
  4. 請求項記載のロック機構であって、前記軸部材として機能する回転軸を備えたダンパが併設されていることを特徴とするロック機構。
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