JP5052856B2 - リクライニングアジャスタ - Google Patents

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Description

本発明は、車両等のシートに取り付けられ、シートクッションに対するシートバックの傾斜角を適宜に調節するためのリクライニングアジャスタに関し、特に、シートバックを所定の傾斜角で止めた際のロック時におけるガタつきの低減等を図る技術に関する。
特許文献1及び特許文献2には、シートバックを所定の傾斜角で止めた際のロック機構として、ウオームの歯面に当接し、摩擦によりウオームの回転を停止させるスライド部材を用いた技術、並びに、ウオーム自体をウオームホイールに向かって平行移動させ、該ウオームホイールにウオームを押し付けることで摩擦によりウオームの回転を停止させる技術が開示されている。また、特許文献3には、軸支されたウオームの一端側の軸部周囲にテーパ面を形成し、このテーパ面に接触可能な制動部材を動作させることで、両者の摩擦によりウオームの回転を停止させる技術が開示されている。
しかし、特許文献1〜3に開示された技術は、いずれも、ウオームの姿勢を変化させることなく、すなわち、所定の位置で軸支されたそのままの姿勢を保った状態に対して、スライド部材や制動部材を押し付けて摩擦によりウオームの回転を停止させるものである。特許文献1及び特許文献2には、ウオーム自体をウオームホイール側に移動させることも記載されているが、ウオームの移動は、あくまで平行移動であり、軸支された姿勢をそのまま保持してウオームホイールに摩擦係合していることに変わりはない。
ウオームとウオームホイールの各歯間には、円滑な回転動作のためにバックラッシが存在するが、このバックラッシは、シートバックのロック時においてはガタつきや異音の発生の要因となる。特許文献1〜3に開示された技術は、基本的にはウオームを確実に停止させるロック技術に関するもので、ロック時におけるガタつきや異音の発生を防止する点には着目されていないが、これらの技術は、ウオームの姿勢を保った状態で、該ウオームをウオームホイールに押し付けており、実質的にロック時におけるバックラッシの低減機能も備えている。
しかしながら、ウオームとウオームホイールの各歯の製造誤差等により、このバックラッシは必ずしも一定ではない。また、使用による歯の摩耗や変形などによっても変化する。このため、互いに噛み合う歯と歯の隙間が、バックラッシと定義できる円滑動作させるのに適切なクリアランスより大きくなっている場合がある。そうすると、ウオームをウオームホイールに対して押し付けたとしても、ウオームのスラスト方向に沿って、ウオーム及びウオームホイールの各歯間には大きなクリアランスが生じたままであり、そのクリアランスが、ロック時のガタつきや異音の発生の要因になる。
一方、特許文献4には、ウオームの一端を可動軸受けで支持し、可動軸受け側の端部を加圧スプリングで押圧する機構が開示されている。加圧スプリングにより可動軸受けが動くため、ウオームが、噛み合っているギア側に押し付けられ、双方間のバックラッシが低減される。しかしながら、加圧スプリングの弾性力(ウオームをギア側に押し付けている力)は、ウオームの回転停止時のみならず、回転動作中にも作用する構造である。回転動作中は、双方の歯間には適度のバックラッシが確保されている必要があるが、特許文献4の場合、ウオームの回転動作中にも加圧スプリングによってウオームが押圧され続けるため、回転動作中に必要なバックラッシを確保できず、ウオームの動きは円滑でなくなる。
上記した点に鑑み、本出願人は、ウオームのロック機能を有するだけでなく、ロック時において、ウオームのスラスト方向のクリアランスをもなくすことができる一方で、シートバック傾倒時のウオームの円滑な回転動作を阻害しない機構として、特許文献5に次のような機構を提案している。
すなわち、特許文献5では、両端面に凹部を形成したウオームを用いると共に、該ウオームとの対向面に凹部を備えた軸受けをブラケットに固定し、ウオームと軸受けとの間にボールを装填したウオームの支持機構を採用し、シートバックを所定の傾斜角で止める際には、押圧手段によりウオームの軸方向他端側の歯部をウオームホイールに押し付けてロックするリクライニングアジャスタを提案している。
これにより、シートバックのロック時には、ウオームが軸方向一端側を中心として、軸方向他端側がウオームホイール側に僅かに回転し、軸方向他端側のボールが凹部内面に沿って僅かに移動するため、ウオームの軸心が僅かに傾斜した状態でウオームホイールに押し付けられる。この結果、ウオームは、ボールにより軸方向他端側に、軸方向一端方向への力が働き、該ウオームはそのスラスト方向にも僅かに変位する。このため、バックラッシをなくすことはもとより、ウオームのスラスト方向のクリアランスが大きい場合でも、これをなくすことができ、該クリアランスを要因とするシートバックのガタつきや異音の発生を抑制できる。その一方、シートバックの傾倒時に、ウオームがウオームホイールに押圧されることはないため、動作中に必要な適度なバックラッシはそのまま確保され、ウオームの回転動作が阻害されることもない。
ドイツ特許出願公開DE4422529A1号公報 米国特許第5,590,562号公報 特開平8−38289号公報 実願昭56−126667号(実開昭58−35175号)明細書及び図面 特開2003−319849号公報
しかしながら、上記したようにウオームのスラスト方向に沿ったクリアランスは、ウオームやウオームホイール毎に、製造誤差、取り付け誤差等によりバラツキがある。特許文献5のリクライニングアジャスタの場合、ボールが凹部内面に沿って移動可能な範囲においてウオームの位置を調整し、ウオームのスラスト方向のクリアランス等をなくすことができるに過ぎない。このため、特許文献5のリクライニングアジャスタでは、クリアランスの大きさによっては、十分に対応することはできず、依然としてガタつきが残る場合があった。
また、特許文献1〜5の機構は、いずれも、回転動作中のウオームに対して、スライド部材やプレート部材等が直接接触し、その摩擦力で回転を停止させるものであり、ウオームの回転中に急にスライド部材等が接触して抵抗が大きくなるため、シートバックのロック時において感じる着座者の衝撃感ないしは違和感が比較的大きい。また、スライド部材やプレート部材等を動作させる操作レバーは、手を離すことによって、ウオームをロックさせる場合であっても、手を完全に離すのではなく、操作レバーにそのまま手を添えていることが多い。この場合に、ウオームの高速回転中、スライド部材等が急に接すると、やはり、手に衝撃感ないしは違和感を感じる。
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、ウオームのスラスト方向のクリアランスの大きさ、あるいは、ウオームとウオームホイールとのクリアランスの大きさ等に拘わらず、さらには、それらの大きさにバラツキがあったとしても、シートバックのロック時におけるガタつきを従来よりも低減できるリクライニングアジャスタを提供することを課題とする。
また、本発明は、シートバックのロック時において感じる着座者の違和感を低減し、ロック操作する際の操作レバーの操作感を向上させることができるリクライニングアジャスタを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、固定側ブラケットに対して、シートバックフレームに連結される可動側ブラケットを回動可能に支持すると共に、シートバックの傾斜角を調節するリクライニングアジャスタであって、前記固定側ブラケットと可動側ブラケットのいずれか一方に支持されたウオームと、このウオームに噛合し、前記固定側ブラケットと可動側ブラケットのいずれか他方に支持されたウオームホイールとを備え、前記ウオームの軸方向一端は、前記固定側ブラケット又は可動側ブラケットに固定された固定軸受けにより支持され、軸方向他端は、前記固定側ブラケット又は可動側ブラケットに、ウオームの軸方向に略直交する方向に可動に支持された可動軸受けにより支持されており、さらに、シートバックを所定の傾斜角で保持する際に、前記可動軸受けをウオームホイールに接近する方向に押圧し、前記固定軸受け側の端部を中心としてウオームの軸心を傾斜させ、該ウオームをウオームホイールに押し付け、摩擦力によりウオームの回転速度を抑制する押圧部材と、前記押圧部材により回転速度が抑制された後に、前記ウオームに係合し、ウオームを回転不能にロックする係合部材とを有してなり、
前記押圧部材は、可動軸受けに当接する押圧部が、固定軸受け側に向いた位置から可動軸受けに当接する方向に、バネ部材により、回転可能に付勢されたカムからなり、
前記係合部材は、前記カムと同じ方向に、前記バネ部材とは異なるバネ部材により、回転可能に付勢されたラッチ部材からなり、
前記カムにおける可動軸受けに接する押圧部が、前記ラッチ部材におけるウオームに係合する係合部よりも、前記各バネ部材により復帰動作する方向に沿って先行位置となるように設けられ、
前記ラッチ部材は、回転中心よりも下方において、回転方向に沿って前後方向に長い長孔からなる長孔状軸挿通孔を有し、
前記カムは、回転中心よりも下方において円形の軸挿通孔を有し、
前記ラッチ部材の長孔状軸挿通孔と前記カムの円形の軸挿通孔には共通の軸ピンが挿通されており、
前記ラッチ部材は操作レバーに連結され、操作レバーの動作方向に従って、前記ウオームに係合する方向又は非係合方向に動作し、
前記操作レバーが一方向に動作すると、前記ラッチ部材を付勢するバネ部材の弾性力に抗して、ラッチ部材が非係合方向に動作し、前記軸ピンが前記長孔状軸挿通孔の孔壁を押圧して、該ラッチ部材と共に前記カムも一緒に非係合方向に動作させる一方、
前記操作レバーが他方向に動作し、前記軸ピンが前記長孔状軸挿通孔の略中央位置に復帰すると、前記各バネ部材の弾性力により、前記カム及びラッチ部材が復帰動作し、復帰動作する方向に沿って先行に位置するカムが前記可動軸受けを押圧し、次いで、ラッチ部材が前記ウオームに係合して前記シートバックが所定の傾斜角で保持される構成であることを特徴とするリクライニングアジャスタを提供する。
前記固定軸受けとウオームの各対向面及び前記可動軸受けとウオームの各対向面にそれぞれ凹部が形成され、前記ウオームは、互いに対向する各凹部間に収納されたボールを介して支持されている構成とすることが好ましい。
また、前記各凹部が、内面にテーパ面を備えた略すり鉢状に形成されていることが好ましい。また、前記可動軸受けに形成された凹部は、内面にテーパ面を備えた略すり鉢状に形成されていると共に、可動軸受けの可動方向に沿って長い長孔状に形成されていることが好ましい。さらには、前記可動軸受けに形成された凹部は、長孔のうち中心より下方の部分は、正面から見て、円孔の直径に相当する部分よりもやや狭い幅で下方に延びるように形成されていることが好ましい。
前記ウオームは、前記固定軸受け及び可動軸受けとの対向面に設けられた凸部を有し、該凸部が、前記固定軸受け及び可動軸受けにおけるウオームとの対向面に設けられた凹部に係合する構造としてもよい。
また、前記係合部材は、前記ウオームのうち、可動軸受け側の端部のみに、ウオームホイール側に押し付ける方向に押圧しつつ、係合可能な構成とすることが好ましい。
また、前記ウオームの可動軸受け側の端部の歯部周面には係合溝が形成され、前記ラッチ部材は、該係合溝に係合可能な係合部を備えている構成とすることが好ましい。
さらに、前記ラッチ部材は、シートバックに後方モーメントが付加されて、前記ウオームが、前記ウオームホイールを介して回転しようとすると、前記ウオームの係合溝に係合している前記ラッチ部材の係合部が、該係合溝により深く係合する方向への力が伝達されるように設けられていることが好ましい。
本発明によれば、シートバックを所定の傾斜角で止めると、押圧部材により、可動軸受けが押圧され、ウオームホイール側に接近する。これにより、可動軸受けの凹部内に配設されているボール(又はボールに代えてウオームから突出する凸部を採用した場合は該凸部)が、可動軸受けの凹部内面によって押圧され、可動軸受けと共にウオームをウオームホイール側に押し付ける。このため、ウオームとウオームホイールとの間のバックラッシが小さくなり、該バックラッシの大きさ等によってはこのバックラッシはなくなる。また、可動軸受け側のみがウオームホイールに接近するため、ウオームは、固定軸受け側を中心として僅かに回転するように動作し、該ウオームの通常の回転動作中の軸心位置と比較し、該軸心が斜めに傾斜するように変化する。この結果、可動軸受けにより押圧されるボールが、ウオームを固定軸受け側へも押し付けることになり、ウオームのスラスト方向のクリアランスも小さくなり、該クリアランスの大きさ等によってこのクリアランスもなくなる。このようにして、可動軸受けが押圧部材により押圧されると、押圧部材とウオームとの間の摩擦力が高まり、ウオームの回転速度が低下する。ウオームの回転が抑制されると、次に、係合部材がウオームに係合し、ウオームの回転が確実に阻止され、その状態が保持される。
この結果、バックラッシ及びウオームのスラスト方向のクリアランスが小さくなり、あるいはなくなり、ガタつきが抑制される。特に、本発明では、従来の固定軸受けのみでウオームを支持していた構造と比較した場合、使用する部品によってあるいは取り付け誤差等によって、ウオームのスラスト方向のクリアランスの大きさ、あるいは、ウオームとウオームホイールとのクリアランスの大きさ等にバラツキがあったとしても、これらに影響されることなく、双方のクリアランスが極めて小さくなるか、あるいはなくなるまで可動軸受けが移動する。このため、従来より確実に、シートバックのロック時におけるガタつきを抑制できる。
また、係合部材が、ウオームのうち、可動軸受け側の端部のみに、押圧部材によって可動軸受けが押圧される方向と略同じ方向から押圧しつつ係合する構造にすると、可動軸受けが移動した後、可動軸受けの凹部内に配設されているボール又はウオームに設けられた凸部が、凹部内で余裕がある限り、該凹部内面に沿ってさらにウオームホイールに接近する方向に僅かに移動する。従って、かかる構成とした場合には、この係合部材は、単に、ウオームの回転を完全に停止させる部材として機能するだけでなく、可動軸受けの可動範囲では調整しきれない場合(すなわち、バックラッシやスラスト方向のクリアランスがゼロにならない場合)には、ウオームの軸心を僅かではあるが、さらに斜めに傾斜するように固定軸受け側を中心として回転させ、ウオームのバックラッシ及びスラスト方向のクリアランスをさらに小さくしてゼロにする機能を併せ持つことができ、シートバックのロック時のおけるガタつきや異音発生等の抑制効果をより高める。
また、本発明では、係合部材がウオームの高速回転中に直接係合することがなく、押圧部材により回転速度が抑制された後に係合するため、係合部材の係合時における着座者への違和感がなく、また、係合部材が高速回転中に急に係合した場合と比較すると、係合時に生じる音も小さくなる。また、シートバックを傾倒させる際は、押圧部材や係合部材を操作する操作レバーに手を添えたまま行うことが通常であるが、本発明では、まず、押圧部材の動きによる摩擦力によってウオームの回転が抑制され、次に、係合部材による係合時の摩擦力によってウオームの回転が完全に停止されるようになるため、急に完全停止させる従来の機構と異なり、手に伝わる操作感が、段階的で滑らかな感覚になる。
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は本実施形態に係るリクライニングアジャスタAの分解斜視図であり、図2はその組み立て状態を示す斜視図であり、図3は正面図である。これらの図に示したように、リクライニングアジャスタAは、シートクッション(図示せず)等に取り付けられ、対面配置される一対の固定側ブラケット1,2と、シートバックのバックフレーム(図示せず)に連結される可動側ブラケット3とを備えている。
固定側ブラケット1,2には、ウオーム4を支持するための略長方形のウオーム用支持孔1a,2aが開設されている。ウオーム用支持孔1a,2aの各端部付近には、略四角形の板状に形成され、内端面に凹部11a,12aを有する固定軸受け11及び可動軸受け12が支持される。すなわち、凹部11a,12a同士を互いに対向させた状態で、一方の端縁11b,12bを一方のウオーム支持孔1a内に位置させ、他方の端縁11c,12cを他方のウオーム支持孔2a内に位置させて配設される。但し、固定軸受け11は、各端縁11b,11cがウオーム用支持孔1a,2aに嵌合した際に上下動しない大きさで形成されている一方、可動軸受け12は、各端縁12b,12cがウオーム用支持孔1a,2a内に位置した状態で、多少上下に動作する遊びを備える大きさで形成されている。
ウオーム4は、各端面に凹部4a,4bが形成されており、この凹部4a,4bが上記した固定軸受け11の凹部11a及び可動軸受け12の凹部12aにそれぞれ対面するようにして配設される。そして、ウオーム4の一方の凹部4aと固定軸受け11の凹部11aとにより形成される空所、並びに、ウオーム4の他方の凹部4bと可動軸受け12の凹部12aにより形成される空所に、それぞれ、ボール13,14が収容される。これにより、ウオーム4は、ボール13,14を介して固定軸受け11と可動軸受け12との間で回転自在に支持されることになる。
ここで、ウオーム4の各端面に形成した凹部4a,4b、並びに、固定軸受け11に形成した凹部11a及び可動軸受け12に形成した凹部12aは、いずれも略すり鉢状に形成され、略中央部を最深部とするテーパ状の内面を有する(図4参照)。このため、空所内でいずれかのボール13,14が回転して移動しようとする場合、いずれの方向にずれても、固定軸受け11の凹部11a又は可動軸受け12の凹部12aから、対向するウオーム4の凹部4a又は凹部4bを軸方向に押圧する力が働く。但し、可動軸受け12の凹部12aは、図1及び図4に示したように、正面から見て円孔ではなく、縦方向(可動軸受け12の動作方向にほぼ沿った方向)に長い長孔状(略楕円型又は略卵形)であることが好ましい。特に、長孔のうち中心より下方の部分は、円孔の直径に相当する部分よりもやや狭い幅で下方に延びるように形成されていることが好ましい。この結果、可動軸受け12が押し上げられると、凹部12aの内面によって、ボール14を左右にずらすことなく下方から押圧し、ウオーム4の他方の凹部4bの内面を上方に押圧し、ウオーム4のうち、固定軸受け11側(ボール13)を中心として、可動軸受け12側に位置する該ウオーム4の端部がウオームホイール5側に近接するように、すなわち、ボール13を中心として僅かに回転するように近接する。
可動側ブラケット3は、一方の固定側ブラケット1に重ね合わせられ、固定側ブラケット1を厚み方向に貫通する軸部材7により、固定側ブラケット1に対して回動可能に連結される。そして、この軸部材7にはウオーム4と噛み合うウオームホイール5が固着されている。従って、ウオームホイール5は、シートバックフレームに連結される可動側ブラケット3の回転により、該軸部材7を介して一緒に回転する。なお、ウォーム4は、ウォームホイール5との摩擦角以上のリード角を有している。また、ウオームホイール5としては、図1に示したような、全周に歯部を有するはすばギヤであってもよいし、セクタギヤであってもよい。
次に、可動軸受け12及びウオーム4をロックする押圧部材及び係合部材について説明する。押圧部材は、2枚のカム21,22を有してなり、係合部材はラッチ部材23から構成され、2枚のカム21,22の間にラッチ部材23を挟んだ状態で、2枚の固定側ブラケット1,2の間において、シャフト部材30によって支持される。具体的には、2枚のカム21,22には円形のシャフト挿通孔21a,22aが形成され、ラッチ部材23には一対の互いに平行な内面を備えた略長孔状の異形シャフト挿通孔23aが形成されている。シャフト部材30は、一端側に断面円形の大径円形部31を有し、その隣接した部分に、一部を切り欠いた平坦面を有する異形部32を有し、該異形部32に隣接して小径シャフト部33を有している。小径シャフト部33は、一方の固定側ブラケット1から挿入され、他方の固定側ブラケット2の外側から挿入される、操作レバー40の基端部に形成した筒状突起41内に嵌合される。そして、一方のカム21は、シャフト部材30の大径円形部31の外周にそのシャフト挿通孔21aが位置し、ラッチ部材23は、異形部32にその異形シャフト挿通孔23aが位置し、他方のカム22は操作レバー40の筒状突起41の外周にそのシャフト挿通孔22aが位置するように配設される。従って、操作レバー40を回動させた場合には、シャフト部材30の大径円形部31及び操作レバー40の筒状突起41は、各カム21,22のシャフト挿通孔21a,22a内で空転し、直接的には、異形シャフト挿通孔23aが異形部32に嵌合しているラッチ部材23のみに回転力が伝達される。
カム21,22は、略三角形状に形成されており、上端部が可動軸受け12を押圧する押圧部21c,22cとなっていると共に、その略中央部に回転中心となる上記のシャフト挿通孔21a,22aが形成され、さらに、その下部の前端側には、円形の軸挿通孔21b,22bが形成されている。一方、ラッチ部材23は、上端部がウオーム4を押圧すると共に、後述の係合溝4cに係合する係合部23cとなっている。また、その略中央部に回転中心となる上記の異形シャフト挿通孔23aが形成され、さらに、その下部には、ラッチ部材23の回転方向に沿って前後方向に長い長孔からなる長孔状軸挿通孔23bが形成されている。そして、これらの軸挿通孔21b,22b及び長孔状軸挿通孔23bには、軸ピン25が挿通される。また、カム21,22の下部の後端側には、バネ連結軸26を装着する孔21d,22dが形成されており、該バネ連結軸26の各端部が該孔21d,22dに挿入され、その中央部がカム用のバネ部材であるコイルスプリング27の一端に係合される。コイルスプリング27の他端は、固定側ブラケット1,2の下部の後端側(図1の手前側)付近に設けた固定側バネ連結軸28に係合されており、該コイルスプリング27は、常態において、カム21,22の下部の後端側を図1の手前側(図4の矢印X方向)に引っ張り、押圧部21c,22cが、常時、可動軸受け12を押圧するように設けられている。
また、カム21,22は、その押圧部21c,22cが、固定軸受け11側に向いた位置から可動軸受け12に当接する方向(すなわち、図4の矢印X方向)に、コイルスプリング27によって付勢され、ラッチ部材23も該カム21,22と同方向に後述のコイルスプリング29により付勢されている。そして、これらのコイルスプリング27,29により復帰動作する方向(すなわち、図4の矢印X方向)に沿って、カム21,22の押圧部21c,22cが、ラッチ部材23の係合部23cよりも、先行位置となるように設けられている(図5(b)参照)。カム21,22の押圧部21c,22cが、ラッチ部材23の係合部23cよりも、先行位置となるように設定するには、カム21,22又はラッチ部材23の形状を工夫することによって設定することもできるし、シャフト部材30への取り付け角度の調整によって設定することもできる。このように設定されることにより、カム21,22及びラッチ部材23が復帰動作した際には、最初に、カム21,22が可動軸受け12に当接して動かし、次いで、ラッチ部材23がウオーム4に係合する。
なお、固定側バネ連結軸28には、ラッチ部材23用のバネ部材として機能すると共に操作レバー40を原位置に復帰させるバネ部材としても機能する他のコイルスプリング29の一端が係合されており、その他端は、操作レバー40の基端部に形成されたバネ係合孔43に係合され、操作レバー40の先端部40aを常態において下方に弾性的に付勢している。
従って、操作レバー40の先端部40aを他方のコイルスプリング29の弾性力に抗して持ち上げると、ラッチ部材23が図4の矢印Y方向(非係合方向)に回動し、軸ピン25が長孔状軸挿通孔23b内を相対的に移動して、該長孔状軸挿通孔23bの孔壁(内壁)、特に、該孔壁のうち下側に位置する部位を押圧する。すると、軸ピン25が軸挿通孔21b,22bに挿通されているため、該軸挿通孔21b,22bの孔壁を押圧し、一方のコイルスプリング27の弾性力に抗してカム21,22を同じく図4の矢印Y方向に回動させる。一方、操作レバー40を元に戻し、軸ピン25がラッチ部材23の長孔状軸挿通孔23bの略中央位置に復帰すると、一方のコイルスプリング27は即座に復帰動作し、カム21,22を図4の矢印X方向に付勢する。ラッチ部材23には一方のコイルスプリング27の弾性力が機能しないため、操作レバー40が他方のコイルスプリング29の弾性力により原位置に復帰する動作に伴って図4の矢印X方向(係合方向)に回動する。
可動軸受け12は、上記のようにウオーム用支持孔1a,2aの一端側において上下に遊びをもって装填されているが、固定側ブラケット1,2間において下方に突出する突出片12d,12eを有しており、カム21,22の押圧部21c,22cは、この突出片12d,12eに当接可能に配設されている。また、ウオーム4の少なくとも一部の歯部の周面には係合溝4cが形成されており、係合部材を構成するラッチ部材23の係合部23cは、かかる係合溝4cに係合可能となっている。この係合溝4cは、ウオーム4のうち、可動軸受け12側の端部の歯部周面のみに形成されていることが好ましい。ラッチ部材23の係合部23cが、この可動軸受け12側の端部の係合溝4cに係合することにより、ウオーム4は、押圧部材であるカム21,22によって可動軸受け12が押圧される方向と略同じ方向から押圧されることになる。
次に、かかる構成のリクライニングアジャスタAの作用について説明する。まず、シートバックの傾斜角を変更したい場合は、操作レバー40を操作して、他方のコイルスプリング29の弾性力に抗して図1の矢印b方向にその先端部40aを持ち上げる。すると、操作レバー40に連結されたシャフト部材30が図4の矢印Y方向に回転し、該シャフト部材30の異形部32に係合しているラッチ部材23が同方向に回転する。カム21,22は、シャフト部材30の大径円形部31及び操作レバー40の筒状突起41の周囲に配置されているため、ラッチ部材23と異なり、シャフト部材30が回転し始めても即座には回転しない。ラッチ部材23が所定角度回転すると、ラッチ部材23に形成した長孔状軸挿通孔23b内に挿通された軸ピン25の相対位置が変化し、該長孔状軸挿通孔23bの孔壁を押圧することで、カム21,22が同じく図4の矢印Y方向に回動する。それにより、図5(b)に示したように、ラッチ部材23の係合部23cとウオーム4の係合溝4cとの係合状態が解除されると共に、カム21,22による可動軸受け12の押圧力も解除されるため、ウオーム4は自由に回動できる状態となる。ウォーム4は、噛合するウォームホイール5との摩擦角以上のリード角を有するため、ウォームホイール5の回転に伴って回転する。
所望の位置で操作レバー40の先端側から手を離すと、コイルスプリング29の弾性力により、操作レバー40の先端部40aが図1の矢印a方向に移動し、原位置に復帰する。操作レバー40が原位置に復帰しようとすると、軸ピン25がラッチ部材23の長孔状軸挿通孔23bの略中央位置に復帰する。これにより、カム21,22を図4の矢印Y方向に押圧していた力が解除されるため、一方のコイルスプリング27が復帰動作し、カム21,22を図4の矢印X方向に付勢する。そして、図5(a)に示したように、カム21,22の押圧部21c,22cが可動軸受け12の突出片12c,12dを下方から押し上げ、ウオームホイール5に接近する方向に押圧する。すなわち、可動軸受け12が押し上げられると、可動軸受け12の凹部12aが上記した下方がやや狭い幅の長孔状に形成されているため、凹部12aの内面によってボール14を下方から押圧する。すると、ボール14がウオーム4の他方の凹部4bの内面を上方に押圧し、ウオームホイール5側に近接させようとする。このとき、ボール14が凹部4a内で上方に移動しようとするため、ウオーム4は、固定軸受け11側のボール部材13を中心として、該可動軸受け12側に位置する端部(すなわち、凹部4bが形成されている側の端部)がウオームホイール5側に接近するように押され、その結果、僅かに回転するように動き、ウオーム4の軸心は、カム21,22によって可動軸受け12が押圧される前と比較して、僅かに傾いた状態になろうとする。すなわち、図6(a)に示した状態から、図6(b)に示したように変位し、ウオーム4の軸心Xが僅かに傾く。これにより、ウオーム4には、ボール14によって固定軸受け11側に押し付ける力が働く。ウオーム4の回転角度(あるいは、軸心の傾き角度)は、ウオーム4とウオームホイール5とのバックラッシの大きさ、及び、ウオーム4及びウオームホイール5の各歯間の摩耗等によるスラスト方向のクリアランスの大きさによって異なり、これらが大きいほど、ウオーム4の回転角度(あるいは、軸心の傾き角度)は大きくなる。この際、本実施形態では、可動軸受け12が上方に移動する構成であるため、ウオーム4の回転角度(あるいは、軸心の傾き角度)を上記バックラッシやクリアランスの大きさに応じて、従来よりも大きくとることができ、ウオーム4やウオームホイール5に、大きな寸法誤差や取り付け誤差があったとしても、それを吸収し、ウオーム4のスラスト方向のクリアランス等を小さくできる。あるいは、ウオーム4等の寸法誤差等によっては、可動軸受け12の移動のみにより、バックラッシやスラスト方向のクリアランス等をなくすことができる。そして、このクリアランスを要因とするシートバックのガタつきや異音の発生も同時に抑制でき、着座感を向上させることができる。
可動軸受け12がカム21,22によって押圧されることにより、ウオーム4のスラスト方向のクリアランス等が低減され、あるいはほとんどなくなるが、本実施形態によれば、上記したように、カム21,22の押圧部21c,22cが、ラッチ部材23の係合部23cよりも、矢印X方向に沿って先行位置となるように設けられているため、カム21,22が可動軸受け12を押圧した後、操作レバー40が他方のコイルスプリング29の弾性力によりその係合部23cがウオーム4の係合溝4cに係合する(図5(a)参照)。これにより、ウオーム4の回転が阻止され、確実にロックされることになる。また、この係合溝4cは、ウオーム4のうち、可動軸受け12側の端部のみに形成されている。従って、ラッチ部材23は、図4の矢印X方向に回動して係合してウオーム4の回転を停止させるだけでなく、ウオーム4の可動軸受け12側の端部をウオームホイール5側に押圧する機能を併せ持つことになる。上記したように、可動軸受け12がカム21,22によって押圧された状態では、ボール14は、可動軸受け12の長孔状の凹部12a内において、下方寄りに位置しており、該凹部12a内では上方に移動し得るスペースが存在している。可動軸受け12が押圧されることによってバックラッシや上記のスラスト方向のクリアランスが略ゼロになっている場合には、ラッチ部材23に押圧されても該ボール14はほとんど動かないが、この段階で、可動軸受け12の動きによっては解消しきれないクリアランス等が存在しているとすると、ラッチ部材23に押圧されることで、該ボール14が凹部12a内を僅かに上方に移動する。この結果、ウオーム4は、固定軸受け11側(ボール13)を中心として、さらに僅かながら回転動作するため、残存しているスラスト方向のクリアランス等をさらに小さくできる。
また、本実施形態では、カム21,22の働きによってウオーム4が固定軸受け11側(ボール13)を中心として僅かに回転するようにウオームホイール5に押し付けられると、この段階で、まず両者間の摩擦力によって、ウオーム4の回転速度が減速される。そして、ラッチ部材23の係合部23cは、ウオーム4の回転がこのように抑制された後に係合する。このため、ラッチ部材23は、ウオーム4が高速回転中に直接係合するようなことがなく、係合時の異音の発生が抑制される。また、ウオーム4が段階を経て減速されるため、所定のスピードで傾倒動作させていたシートバックが所定の角度で急に停止することがなく、傾倒動作の停止時に受ける着座者の衝撃が和らぎ、傾倒動作時における着座感も向上する。
さらに、操作レバー40を手動で動作させて、シートバックを所定の傾倒角度でロックしようとする場合、着座者は、操作レバー40を直ちに離すのではなく、操作レバー40に手を添えた状態で傾倒角度が適合するかどうか着座感を確認しながら行うこと多いが、かかる場合、本実施形態では、カム21,22の働きによってウオーム4が減速され、その後、ラッチ部材23の係合により停止することから、着座者の背等で感じる着座感のみならず、操作レバー40を介して伝わる手の操作感も滑らかになる。
また、ラッチ部材23は、シートバックに後方モーメントが付加されて、ウオーム4が、ウオームホイール5を介して回転しようとすると、ウオーム4の係合溝4cに係合しているラッチ部材23の係合部23cが、該係合溝4cにより深く係合する方向への力が伝達されるように設けられていることが好ましい。すなわち、本実施形態では、シートバックに後方モーメントが付加されると、ウオームホイール5を介して、ウオーム4が、図5(a)のD方向に回転しようとする。このため、ウオーム4の係合溝4cに係合しているラッチ部材23の係合部23cは、図4及び図5(a)のX方向に回転しようとする。しかしながら、X方向に回転すると、係合部23cは係合溝4cにより深く食い込んでいく。シートバックを傾動させて調整する際には、通常、着座者は、背によりシートバックを押圧しながら調整する。従って、ラッチ部材23をこのように設けた場合、シートバックを調整する際に、後方へのモーメントが働いているため、操作レバー40から手を離すと、その時点で、係合部23cが係合溝4cに即座に深く食い込んでいる。ラッチ部材23を、シートバックへの後方モーメントが作用したときに、矢印X方向への力が働くように設けていない場合、操作レバー40から手を離した時点では、係合部23cが係合溝4cに深く食い込んでおらず、中途半端な状態になっている可能性があるが、その場合には、シートバックにさらなる後方モーメントが加わると、係合部23cが中途半端な状態から係合溝4cに深く食い込むため、その際に作動音が生じる。また、何らかの原因で、コイルスプリング29が機能しなくなっている状態で、後突又は前突によって、シートバックに後方への大きな負荷が加わった場合にも、ラッチ部材23を上記のように設けると、たとえコイルスプリング29が機能しなくてもラッチ部材23の係合部23cがウオーム4の係合溝4cに深く食い込むため、ロックが容易には外れない。
なお、上記した実施形態では、ウオーム4の各端面に形成した凹部4a,4b、並びに、固定軸受け11に形成した凹部11a及び可動軸受け12に形成した凹部12aの各対向面間にボール13,14を収容して支持している構成であるが、ウオーム4の各端面に凸部(図示せず)を設け、該凸部が固定軸受け11に形成した凹部11a及び可動軸受け12に形成した凹部12aに係合する構成とすることもできる。
図1は、本発明の一の実施の形態にかかるリクライニングアジャスタの分解斜視図である。 図2は、上記リクライニングアジャスタの組立状態を示す斜視図である。 図3は、上記リクライニングアジャスタの組立状態を示す正面図である。 図4は、上記リクライニングアジャスタの作用を説明するための図である。 図5(a)は、上記リクライニングアジャスタにおいてシートバックをロックした状態を示す図であり、図5(b)はシートバックを傾倒動作可能な状態を示す図である。 図6(a)及び図6(b)は、ウオームの動きを説明するための拡大図である。
符号の説明
A リクライニングアジャスタ
1,2 固定側ブラケット
3 可動側ブラケット
4 ウオーム
4a,4b 凹部
4c 係合溝
5 ウオームホイール
11 固定軸受け
12 可動軸受け
11a,12a 凹部
13,14 ボール
21,22 カム
21c,22c 押圧部
23 ラッチ部材
23c 係合部
27,29 コイルスプリング
40 操作レバー

Claims (9)

  1. 固定側ブラケットに対して、シートバックフレームに連結される可動側ブラケットを回動可能に支持すると共に、シートバックの傾斜角を調節するリクライニングアジャスタであって、
    前記固定側ブラケットと可動側ブラケットのいずれか一方に支持されたウオームと、このウオームに噛合し、前記固定側ブラケットと可動側ブラケットのいずれか他方に支持されたウオームホイールとを備え、
    前記ウオームの軸方向一端は、前記固定側ブラケット又は可動側ブラケットに固定された固定軸受けにより支持され、軸方向他端は、前記固定側ブラケット又は可動側ブラケットに、ウオームの軸方向に略直交する方向に可動に支持された可動軸受けにより支持されており、
    さらに、シートバックを所定の傾斜角で保持する際に、前記可動軸受けをウオームホイールに接近する方向に押圧し、前記固定軸受け側の端部を中心としてウオームの軸心を傾斜させ、該ウオームをウオームホイールに押し付け、摩擦力によりウオームの回転速度を抑制する押圧部材と、
    前記押圧部材により回転速度が抑制された後に、前記ウオームに係合し、ウオームを回転不能にロックする係合部材と
    を有してなり、
    前記押圧部材は、可動軸受けに当接する押圧部が、固定軸受け側に向いた位置から可動軸受けに当接する方向に、バネ部材により、回転可能に付勢されたカムからなり、
    前記係合部材は、前記カムと同じ方向に、前記バネ部材とは異なるバネ部材により、回転可能に付勢されたラッチ部材からなり、
    前記カムにおける可動軸受けに接する押圧部が、前記ラッチ部材におけるウオームに係合する係合部よりも、前記各バネ部材により復帰動作する方向に沿って先行位置となるように設けられ、
    前記ラッチ部材は、回転中心よりも下方において、回転方向に沿って前後方向に長い長孔からなる長孔状軸挿通孔を有し、
    前記カムは、回転中心よりも下方において円形の軸挿通孔を有し、
    前記ラッチ部材の長孔状軸挿通孔と前記カムの円形の軸挿通孔には共通の軸ピンが挿通されており、
    前記ラッチ部材は操作レバーに連結され、操作レバーの動作方向に従って、前記ウオームに係合する方向又は非係合方向に動作し、
    前記操作レバーが一方向に動作すると、前記ラッチ部材を付勢するバネ部材の弾性力に抗して、ラッチ部材が非係合方向に動作し、前記軸ピンが前記長孔状軸挿通孔の孔壁を押圧して、該ラッチ部材と共に前記カムも一緒に非係合方向に動作させる一方、
    前記操作レバーが他方向に動作し、前記軸ピンが前記長孔状軸挿通孔の略中央位置に復帰すると、前記各バネ部材の弾性力により、前記カム及びラッチ部材が復帰動作し、復帰動作する方向に沿って先行に位置するカムが前記可動軸受けを押圧し、次いで、ラッチ部材が前記ウオームに係合して前記シートバックが所定の傾斜角で保持される構成であることを特徴とするリクライニングアジャスタ。
  2. 前記固定軸受けとウオームの各対向面及び前記可動軸受けとウオームの各対向面にそれぞれ凹部が形成され、
    前記ウオームは、互いに対向する各凹部間に収納されたボールを介して支持されていることを特徴とする請求項1記載のリクライニングアジャスタ。
  3. 前記各凹部が、内面にテーパ面を備えた略すり鉢状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のリクライニングアジャスタ。
  4. 前記可動軸受けに形成された凹部は、内面にテーパ面を備えた略すり鉢状に形成されていると共に、可動軸受けの可動方向に沿って長い長孔状に形成されていることを特徴とする請求項3記載のリクライニングアジャスタ。
  5. 前記可動軸受けに形成された凹部は、長孔のうち中心より下方の部分は、正面から見て、円孔の直径に相当する部分よりもやや狭い幅で下方に延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載のリクライニングアジャスタ。
  6. 前記ウオームは、前記固定軸受け及び可動軸受けとの対向面に設けられた凸部を有し、該凸部が、前記固定軸受け及び可動軸受けにおけるウオームとの対向面に設けられた凹部に係合することにより支持されていることを特徴とする請求項1、4又は5記載のリクライニングアジャスタ。
  7. 前記係合部材は、前記ウオームのうち、可動軸受け側の端部のみに、ウオームホイール側に押し付ける方向に押圧しつつ、係合可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のリクライニングアジャスタ。
  8. 前記ウオームの可動軸受け側の端部の歯部周面には係合溝が形成され、前記ラッチ部材は、該係合溝に係合可能な係合部を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載のリクライニングアジャスタ。
  9. 前記ラッチ部材は、シートバックに後方モーメントが付加されて、前記ウオームが、前記ウオームホイールを介して回転しようとすると、前記ウオームの係合溝に係合している前記ラッチ部材の係合部が、該係合溝により深く係合する方向への力が伝達されるように設けられていることを特徴とする請求項8記載のリクライニングアジャスタ。
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