JP2008228888A - 操作レバーの操作力低減機構 - Google Patents
操作レバーの操作力低減機構 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008228888A JP2008228888A JP2007070616A JP2007070616A JP2008228888A JP 2008228888 A JP2008228888 A JP 2008228888A JP 2007070616 A JP2007070616 A JP 2007070616A JP 2007070616 A JP2007070616 A JP 2007070616A JP 2008228888 A JP2008228888 A JP 2008228888A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- operating
- lever
- link
- operating force
- force
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Chairs For Special Purposes, Such As Reclining Chairs (AREA)
Abstract
【課題】シートリクライニング装置のように特定の部材を駆動操作して所定の機能を達成する装置において特定の部材を操作する操作レバーの操作力を低減して操作フィーリングを向上すること。
【解決手段】操作レバー40Aの操作力低減機構Mを、操作レバー40Aに一端が連結された回転軸54と、この回転軸54の他端に一端が連結されたリンク56と、回転軸54が回動自在に取り付けられたブラケット52と、リンク56の他端と駆動される特定の部材とを連結する操作力伝達手段50,56等で構成し、操作レバー40Aを操作してその操作力を前記特定の部材に伝達するに際し、回転軸54と操作力伝達手段50,56との距離が徐々に減少するように構成して操作レバー40Aの操作力を低減した。
【選択図】図6
【解決手段】操作レバー40Aの操作力低減機構Mを、操作レバー40Aに一端が連結された回転軸54と、この回転軸54の他端に一端が連結されたリンク56と、回転軸54が回動自在に取り付けられたブラケット52と、リンク56の他端と駆動される特定の部材とを連結する操作力伝達手段50,56等で構成し、操作レバー40Aを操作してその操作力を前記特定の部材に伝達するに際し、回転軸54と操作力伝達手段50,56との距離が徐々に減少するように構成して操作レバー40Aの操作力を低減した。
【選択図】図6
Description
本発明は、車両等のシートに取り付けられシートクッションに対するシートバックの傾斜角を適宜調節するためのシートリクライニング装置等の装置を操作する操作レバーの操作力を低減する機構に関する。
従来のシートリクライニング装置において、両端面に凹部を形成したウォームを用いると共に、ウォームとの対向面に凹部を備えた軸受けをブラケットに固定し、ウォームと軸受けとの間にボールを装填したウォームの支持機構を採用し、シートバックを所定の傾斜角で止める際には、押圧手段によりウォームの歯部をウォームホイールに押し付けてロックするようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このシートリクライニング装置では、シートバックのロック時に、ウォームがウォームホイールに押し付けられる際には、ボールが凹部内面に沿って移動した状態で、ウォームが支承される構成のため、バックラッシ及びウォームのスラスト方向のクリアランスが小さくなり、クリアランスを要因とするシートバックのガタツキや異音の発生を抑制できる。
特開2003−319849号公報
ところで、シートバックのシートクッションに対するロックを解除する場合、操作レバーを操作してウォームホイールに対するウォームの噛み合いを解除するが、ロック解除に到るまでの操作レバーの操作力は略線形に増加し、操作量に比例して重くなるので、操作フィーリングが悪いという問題がある。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、シートリクライニング装置のように特定の部材を駆動操作して所定の機能を達成する装置において特定の部材を操作する操作レバーの操作力を低減して操作フィーリングを向上することができる操作レバーの操作力低減機構を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、操作レバーにより特定の部材を操作して所定の機能を達成する装置に適用される操作レバーの操作力低減機構であって、前記操作レバーに一端が連結された回転軸と、該回転軸の他端に一端が連結された第1のリンクと、前記回転軸が回動自在に取り付けられた回転軸保持部材と、前記第1のリンクの他端と前記特定の部材とを連結する操作力伝達手段とを備え、前記操作レバーを操作してその操作力を前記特定の部材に伝達するに際し、前記回転軸と前記操作力伝達手段との距離が徐々に減少するように構成して前記操作レバーの操作力を低減したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記操作力伝達手段が、インナケーブルとアウタケーブルとで構成されるワイヤケーブルを有することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記操作力伝達手段が第2のリンクをさらに有し、該第2のリンクの一端を前記第1のリンクの他端に回動自在に連結するとともに、前記第2のリンクの他端を前記ワイヤケーブルに連結したことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記装置が、シートクッションに対するシートバックの傾斜角を適宜調節するためのシートリクライニング装置であり、該シートリクライニング装置が、シートクッションフレームに対しシートバックフレームをロックするロック機構を有し、前記操作力伝達手段を前記ロック機構の一部に連結して、前記ロック機構によるシートバックフレームのロックを前記操作レバーにより解除するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、操作レバーを操作してその操作力を特定の部材に伝達するに際し、操作レバーに一端が連結された回転軸と操作レバーの操作力を前記特定の部材に伝達する操作力伝達手段との距離が徐々に減少してトルクを減少させるように構成して操作レバーの操作力を低減したので、操作フィーリングを向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1乃至図3は本発明に係る操作レバーの操作力低減機構が適用されるシートリクライニング装置の一例を示しており、本発明の要旨を説明する前にこのシートリクライニング装置Aについて説明する。
図1乃至図3は本発明に係る操作レバーの操作力低減機構が適用されるシートリクライニング装置の一例を示しており、本発明の要旨を説明する前にこのシートリクライニング装置Aについて説明する。
図1乃至図3に示されるように、シートリクライニング装置Aは、シートクッションフレーム(図示せず)に取り付けられ、対面配置される一対の固定側ブラケット1,2と、シートバックフレーム(図示せず)に連結される可動側ブラケット3とを備えている。
固定側ブラケット1,2には、ウォーム4を支持するための略長方形のウォーム用支持孔1a,2aが開設されている。ウォーム用支持孔1a,2aの各端部付近には、略四角形の板状に形成され、内端面に凹部11a,12aを有する固定軸受け11及び可動軸受け12が支持される。すなわち、凹部11a,12a同士を互いに対向させた状態で、一方の端縁11b,12bを一方のウォーム支持孔1a内に位置させ、他方の端縁11c,12cを他方のウォーム支持孔2a内に位置させて配設される。但し、固定軸受け11は、各端縁11b,11cがウォーム用支持孔1a,2aに嵌合した際に上下動しない大きさで形成されている一方、可動軸受け12は、各端縁12b,12cがウォーム用支持孔1a,2a内に位置した状態で、多少上下に動作する遊びを備える大きさで形成されている。
ウォーム4は、各端面に凹部4a,4bが形成されており、この凹部4a,4bが上記した固定軸受け11の凹部11a及び可動軸受け12の凹部12aにそれぞれ対面するようにして配設される。そして、ウォーム4の一方の凹部4aと固定軸受け11の凹部11aとにより形成される空所、並びに、ウォーム4の他方の凹部4bと可動軸受け12の凹部12aにより形成される空所に、それぞれボール13,14が収容される。これにより、ウォーム4は、ボール13,14を介して固定軸受け11と可動軸受け12との間で回動自在に支持されることになる。
ここで、ウォーム4の各端面に形成した凹部4a,4b、並びに、固定軸受け11に形成した凹部11a及び可動軸受け12に形成した凹部12aは、いずれも略すり鉢状に形成され、略中央部を最深部とするテーパ状の内面を有する。このため、空所内でいずれかのボール13,14が回転して移動しようとする場合、いずれの方向にずれても、固定軸受け11の凹部11a又は可動軸受け12の凹部12aから、対向するウォーム4の凹部4a又は凹部4bを軸方向に押圧する。但し、可動軸受け12の凹部12aは、図1及び図4に示されるように、正面から見て円孔ではなく、円孔の直径に相当する部分よりもやや狭い幅で下方に長く延びる長孔状に形成している。その結果、可動軸受け12が押し上げられると、凹部12aの内面によってボール14を左右にずらすことなく下方から押圧し、ボール14がウォーム4の他方の凹部4bの内面を上方に押圧し、ウォームホイール5側に近接させる。
可動側ブラケット3は、一方の固定側ブラケット1に重ね合わせられ、固定側ブラケット1を厚み方向に貫通する軸部材7により、固定側ブラケット1に対して回動自在に連結される。そして、この軸部材7にはウォーム4と噛み合うウォームホイール5が固着されている。従って、ウォームホイール5は、シートバックフレームに連結される可動側ブラケット3の回転により、軸部材7を介して一緒に回転する。なお、ウォーム4は、ウォームホイール5との摩擦角以上のリード角を有している。また、ウォームホイール5としては、図1に示されるような全周に歯部を有するはすばギヤであってもよいし、セクタギヤであってもよい。
次に、可動軸受け12及びウォーム4をロックする押圧部材及び係合部材について説明する。押圧部材は、2枚のカム21,22を有してなり、係合部材はラッチ部材23から構成され、2枚のカム21,22の間にラッチ部材23を挟んだ状態で、2枚の固定側ブラケット1,2の間において、シャフト部材30によって支持される。具体的には、2枚のカム21,22には円形のシャフト挿通孔21a,22aが形成され、ラッチ部材23には一対の互いに平行な内面を備えた略長孔状の異形シャフト挿通孔23aが形成されている。
シャフト部材30は、一端側に断面円形の大径円形部31を有し、その隣接した部分に、一部を切り欠いた平坦面を有する異形部32を有し、異形部32に隣接して小径シャフト部33を有している。小径シャフト部33は、一方の固定側ブラケット1から挿入され、他方の固定側ブラケット2の外側から挿入される、操作レバー40の基端部に形成した筒状突起41内に嵌合される。そして、一方のカム21は、シャフト部材30の大径円形部31の外周にそのシャフト挿通孔21aが位置し、ラッチ部材23は、異形部32にその異形シャフト挿通孔23aが位置し、他方のカム22は操作レバー40の筒状突起41の外周にそのシャフト挿通孔22aが位置するように配設される。従って、操作レバー40を回動させた場合には、シャフト部材30の大径円形部31及び操作レバー40の筒状突起41は、各カム21,22のシャフト挿通孔21a,22a内で空転し、直接的には、異形シャフト挿通孔23aが異形部32に嵌合しているラッチ部材23のみに回転力が伝達される。
なお、シャフト部材30の大径円形部31にはレバー34が取り付けられており、このレバー34はシートの片側に設けられたシートリクライニング装置Aをシートの反対側に設けられたシートリクライニング装置Aに連結軸(図示せず)を介して連結し、シート片側の操作レバー40の操作力をシート反対側のシートリクライニング装置Aに伝達して、左右一対のシートリクライニング装置Aを同期して作動させるためのものである。
カム21,22は、略三角形状に形成されており、上端部が可動軸受け12を押圧する押圧部21c,22cとなっていると共に、その略中央部に上記のシャフト挿通孔21a,22aが形成され、さらに、その下部の前端側には、円形の軸挿通孔21b,22bが形成されている。一方、ラッチ部材23は、上端部がウォーム4を押圧すると共に、後述の係合溝4cに係合する係合爪23cとなっていると共に、その略中央部に上記の異形シャフト挿通孔23aが形成され、さらに、その下部には、ラッチ部材23の回転方向に沿って前後方向に長い長孔からなる長孔状軸挿通孔23bが形成されている。そして、これらの軸挿通孔21b,22b及び長孔状軸挿通孔23bには、軸ピン25が挿通される。
また、カム21,22の下部の後端側には、バネ連結軸26を装着する孔21d,22dが形成されており、バネ連結軸26の各端部が孔21d,22dに挿入され、その中央部がカム用のバネ部材であるコイルスプリング27の一端に係止される。コイルスプリング27の他端は、固定側ブラケット1,2の下部の後端側(図1の手前側)付近に設けた固定側バネ連結軸28に係止されており、コイルスプリング27は、常態において、カム21,22の下部の後端側を図1の手前側(図4の矢印x方向)に引っ張り、押圧部21c,22cが、常時、可動軸受け12を押圧するように設けられている。
なお、固定側バネ連結軸28には、ラッチ用のバネ部材として機能すると共に操作レバー40を原位置に復帰させるバネ部材としても機能する他のコイルスプリング29の一端が係止されており、その他端は、操作レバー40の基端部に形成されたバネ係合孔43に係止され、操作レバー40の先端部40aを常態において下方に弾性的に付勢している。
従って、操作レバー40の先端部40aを他方のコイルスプリング29の弾性力に抗して持ち上げた場合、ラッチ部材23が図4の矢印y方向に回動し、軸ピン25が長孔状軸挿通孔23b内を相対的に移動してその孔壁に当接すると、一方のコイルスプリング27が伸び始めてその弾性力に抗してカム21,22を同じく図4の矢印y方向に回動させる。一方、操作レバー40を元に戻し、軸ピン25がラッチ部材23の長孔状軸挿通孔23bから離れると、一方のコイルスプリング27は即座に復帰し、カム21,22を図4の矢印x方向に付勢する。ラッチ部材23には一方のコイルスプリング27の弾性力が機能しないため、操作レバー40が他方のコイルスプリング29の弾性力により原位置に復帰する動作に伴って図4の矢印x方向に回動する。このため、カム21,22及びラッチ部材23が図4の矢印x方向に回動する際には、まず、カム21,22が矢印x方向に回動し、僅かに遅れてラッチ部材23が矢印x方向に回動することになる。
可動軸受け12は、上記のようにウォーム用支持孔1a,2aの一端側において上下に遊びをもって装填されているが、固定側ブラケット1,2間において下方に突出する突出片12d,12eを有しており、カム21,22の押圧部21c,22cは、この突出片12d,12eに当接可能に配設されている。また、ウォーム4の少なくとも一部の歯部の周面には複数の係合溝4cが形成されており、係合部材を構成するラッチ部材23の係合爪23cは、かかる係合溝4cに係合可能となっている。
次に、かかる構成のシートリクライニング装置Aの作用を説明する。
まず、シートバックの傾斜角を変更したい場合は、操作レバー40を操作して、他方のコイルスプリング29の弾性力に抗して図1の矢印b方向にその先端部40aを持ち上げる。すると、操作レバー40に連結されたシャフト部材30が図4の矢印y方向に回転し、シャフト部材30の異形部32に係合しているラッチ部材23が同方向に回転する。カム21,22は、シャフト部材30の大径円形部31及び操作レバー40の筒状突起41の周囲に配置されているため、ラッチ部材23と異なり、シャフト部材30が回転し始めても即座には回転しない。ラッチ部材23が所定角度回転すると、ラッチ部材23に形成した長孔状軸挿通孔23b内に挿通された軸ピン25の相対位置が変化し、長孔状軸挿通孔23bの孔壁に当接すると、カム21,22を同じく図4の矢印y方向に回動させる。それにより、図5(b)に示されるように、ラッチ部材23の係合爪23cとウォーム4の係合溝4cとの係合状態が解除されると共に、カム21,22による可動軸受け12の押圧力も解除されるため、ウォーム4は自由に回動できる状態となる。ウォーム4は、ウォームホイール5との摩擦角以上のリード角を有するため、ウォームホイール5の回転に伴って回転する。
まず、シートバックの傾斜角を変更したい場合は、操作レバー40を操作して、他方のコイルスプリング29の弾性力に抗して図1の矢印b方向にその先端部40aを持ち上げる。すると、操作レバー40に連結されたシャフト部材30が図4の矢印y方向に回転し、シャフト部材30の異形部32に係合しているラッチ部材23が同方向に回転する。カム21,22は、シャフト部材30の大径円形部31及び操作レバー40の筒状突起41の周囲に配置されているため、ラッチ部材23と異なり、シャフト部材30が回転し始めても即座には回転しない。ラッチ部材23が所定角度回転すると、ラッチ部材23に形成した長孔状軸挿通孔23b内に挿通された軸ピン25の相対位置が変化し、長孔状軸挿通孔23bの孔壁に当接すると、カム21,22を同じく図4の矢印y方向に回動させる。それにより、図5(b)に示されるように、ラッチ部材23の係合爪23cとウォーム4の係合溝4cとの係合状態が解除されると共に、カム21,22による可動軸受け12の押圧力も解除されるため、ウォーム4は自由に回動できる状態となる。ウォーム4は、ウォームホイール5との摩擦角以上のリード角を有するため、ウォームホイール5の回転に伴って回転する。
所望の位置で操作レバー40の先端側から手を離すと、コイルスプリング29の弾性力により、操作レバー40の先端部40aが図1の矢印a方向に移動し、原位置に復帰する。操作レバー40が原位置に復帰しようとすると、軸ピン25がラッチ部材23の長孔状軸挿通孔23bの孔壁から離れる。これにより、カム21,22を図4の矢印y方向に押圧していた力が解除されるため、一方のコイルスプリング27が復帰動作し、カム21,22を図4の矢印x方向に付勢する。そして、図5(a)に示されるように、カム21,22の押圧部21c,22cが可動軸受け12の突出片12c,12dを下方から押し上げ、ウォームホイール5に接近する方向に押圧する。可動軸受け12が押し上げられると、可動軸受け12の凹部12aが上記した下方がやや狭い幅の長孔状に形成されているため、凹部12aの内面によってボール14を下方から押圧する。ボール14がウォーム4の他方の凹部4bの内面を上方に押圧し、ウォームホイール5側に近接させると共に、各凹部12a,4bがテーパ状に形成されているため、ボール14が上方に移動しようとすると、ウォーム4を固定軸受け11側に押し付ける力も機能する。これにより、バックラッシ及びウォーム4のスラスト方向のクリアランスが小さくなる。ここで、可動軸受け12が上方に移動する構成であるため、ウォーム4やウォームホイール5に、寸法誤差や取り付け誤差があったとしても、それを吸収し、ウォーム4のスラスト方向のクリアランス等を小さくできる。また、このクリアランスを要因とするシートバックのガタツキや異音の発生も同時に抑制でき、着座感を向上させることができる。
可動軸受け12がカム21,22によって押圧されることにより、ウォーム4のスラスト方向のクリアランス等が低減されるが、カム21,22が可動軸受け12を押圧した後、操作レバー40が他方のコイルスプリング29の弾性力により原位置に復帰する動作に伴ってラッチ部材23が図4の矢印x方向に回動し、その係合爪23cがウォーム4の係合溝4cの一つに係合する(図5(a)参照)。これにより、ウォーム4の回転が阻止され、確実にロックされることになる。ラッチ部材23は、カム21,22の働きによってウォーム4の回転が抑制された後に係合する。このため、ラッチ部材23は、ウォーム4が高速回転中に係合するようなことがなく、異音の発生がないばかりでなく、操作感が向上する。
上述した構成のシートリクライニング装置Aにおいて、操作レバー40の操作力は最初は軽いが、ロック解除に到るまでに略線形に増加して操作量に比例して重くなる。そこで、この操作力を低減したい場合に、本発明に係る操作レバーの操作力低減機構が適用される。以下、その構成を説明する。
図6は、本発明に係る操作レバーの操作力低減機構Mを適用したシートフレームFを示しており、このシートフレームFは左右一対のシートクッションフレームF1とシートリクライニング装置Aを介してシートクッションフレームF1に傾動自在に取り付けられたシートバックフレームF2を備えている。
本発明に係る操作レバーの操作力低減機構Mは2本のワイヤケーブル50を介して左右のシートリクライニング装置Aに連結されている。
図6乃至図8に示されるように、操作力低減機構Mは、操作レバー40Aを取り付けるための取付ブラケット(回転軸保持部材)52と、取付ブラケット52に中間部が回動自在に取り付けられた回転軸54とを備えており、操作レバー40Aは回転軸54の一端に固定されている。回転軸54の他端には第1のリンク56の一端(後端)が固定され、第1のリンク56の他端(前端)は第2のリンク58の一端と回動自在に連結されている。
また、第2のリンク58の他端には、2本のインナケーブル50aの各々の一端が連結されている。各インナケーブル50aはアウタケーブル50b内に摺動自在に収容されており、インナケーブル50aとアウタケーブル50bとでケーブルワイヤ50を構成し、アウタケーブル50bの一端は取付ブラケット52の後部に保持されている。
なお、第1のリンク56の後端にはストッパ56aが一体的に形成されており、このストッパ56aは、取付ブラケット52の一部を切り起こして形成したストッパ当接部52aに対向するように配置されている。また、シートクッションフレームF1は、シートを車両前後方向に摺動させるためのスライド装置を構成するアッパーレール(図示せず)に固定されており、取付ブラケット52も同様に、アッパーレールに固定される。
図9は固定側ブラケット1を裏面(図1における左側の面)側から見たものであり、固定側ブラケット1の裏面には、ラッチ部材23を駆動するための駆動レバー60が、シャフト部材30の大径円形部31側に固定されている。また、駆動レバー60の一部はインナケーブル50aの他端に連結されており、別の一部にはコイルスプリング62の一端が連結されている。さらに、コイルスプリング62の他端は固定側ブラケット1の一部を切り起こして形成したスプリング係止片1bに連結され、このコイルスプリング62の弾性力で駆動レバー60を図9の矢印d方向に常時付勢するとともに、操作レバー40Aを図7の矢印cの逆方向に常時付勢しており、操作レバー40Aは通常(操作しない状態)は最下端位置に保持されている。また、アウタケーブル50bの他端は、固定側ブラケット1に固定されたケーブル保持ブラケット64に保持されている。
また、図6に示される構成では、左右のシートリクライニング装置Aを2本のワイヤケーブル50を介して操作するようにしたので、図1に示されるシャフト部材30の大径円形部31に取り付けられたレバー34と、左右のシートリクライニング装置Aのレバー34同士を連結する連結軸は不要である。さらに、図1に示される操作レバー40も当然のことながら存在しない。
次に、上記構成の本発明に係る操作レバーの操作力低減機構Mの作用を説明する。
シートバックの傾斜角を変更したい場合は、コイルスプリング62の弾性力に抗して操作レバー40Aの先端部を持ち上げると、回転軸54とともに第1のリンク56が矢印c方向に回転するので、ワイヤケーブル50のインナケーブル50aは第2のリンク58とともに図7の矢印e方向に引っ張られる。その結果、シャフト部材30の一端に固定された駆動レバー60が矢印dの逆方向に回転し、シャフト部材30は図4の矢印y方向に回転することになる。操作レバー40Aの回転は、ストッパ56aがストッパ当接部52aに当接することで規制される。なお、シャフト部材30が矢印y方向に回転した後の作用は、上述したシートリクライニング装置Aの作用と同じなので、その説明は省略する。
シートバックの傾斜角を変更したい場合は、コイルスプリング62の弾性力に抗して操作レバー40Aの先端部を持ち上げると、回転軸54とともに第1のリンク56が矢印c方向に回転するので、ワイヤケーブル50のインナケーブル50aは第2のリンク58とともに図7の矢印e方向に引っ張られる。その結果、シャフト部材30の一端に固定された駆動レバー60が矢印dの逆方向に回転し、シャフト部材30は図4の矢印y方向に回転することになる。操作レバー40Aの回転は、ストッパ56aがストッパ当接部52aに当接することで規制される。なお、シャフト部材30が矢印y方向に回転した後の作用は、上述したシートリクライニング装置Aの作用と同じなので、その説明は省略する。
このような動作時において、操作レバー40Aと第1のリンク56は共に回転し、操作レバー40Aの操作力は、第2のリンク58、ワイヤケーブル50、駆動レバー60等を介してラッチ部材23に伝達されるので、第2のリンク58、ワイヤケーブル50、駆動レバー60等は操作力伝達手段として作用する。
次に、操作レバー40Aの操作力について図10を参照しながら説明する。
シートバックの傾斜角変更時、操作レバー40Aを持ち上げると、第1及び第2のリンク56,58の連結部は図10の位置P1から位置P2まで上昇し、シートバックの傾斜角変更後、操作レバー40Aより手を離すと、コイルスプリング62の弾性力により第1及び第2のリンク56,58の連結部は位置P2から位置P1まで下降する。
シートバックの傾斜角変更時、操作レバー40Aを持ち上げると、第1及び第2のリンク56,58の連結部は図10の位置P1から位置P2まで上昇し、シートバックの傾斜角変更後、操作レバー40Aより手を離すと、コイルスプリング62の弾性力により第1及び第2のリンク56,58の連結部は位置P2から位置P1まで下降する。
図10は、操作レバー40A操作時の操作力低減機構Mの挙動を示しており、操作レバー40Aを持ち上げるにつれて、操作レバー40Aの操作力を左右するレバー比が増加する。
さらに詳述すると、操作レバー40Aの操作力は、操作レバー40Aの長さLと回転軸54の中心から第2のリンク58の長手方向の中心線までの距離(回転軸54の中心から第2のリンク58に加わる操作力の方向に下した垂線の足までの距離)の比に依存し、後者に対する前者の比が上述したレバー比に相当する。操作レバー40Aを持ち上げるにつれて、第1のリンク56と第2のリンク58がなす角度(第1のリンク56と第2のリンク58に加わる操作力の方向がなす角度)が徐々に減少するので、回転軸54の中心から第2のリンク58の長手方向の中心線までの距離がL1,L2,・・・L9と徐々に減少し、レバー比が増加することになるので、図1乃至図3に示される構成と異なり、操作レバー40Aの操作力は略線形に増加することはない。
図11は、本発明に係る操作力低減機構Mを図1乃至図3の構成に適用した場合の操作レバー40Aの操作角度に対するワイヤ引き量と操作レバー40Aの操作力との関係を示している。図11に示されるように、第1及び第2のリンク56,58の連結部は、位置P1では回転軸54の中心より下方にあり、操作レバー40Aの操作角度が増加するにつれて、第1及び第2のリンク56,58の連結部は上昇するので、ワイヤ引き量が増大するとともに、レバー比は徐々に増加する。その結果、操作レバー40Aの操作力は図11に示されるように曲線状に変化し、操作レバー40Aの操作角度が10〜20°の範囲で極大値に達し、ロック解除時まで徐々に減少する。
操作レバー40Aの操作力は適用される装置によって異なるものの、レバー比が徐々に増加することから、操作力が略線形に増加する場合に比べ操作フィーリングが向上する。
なお、上記実施の形態において、第2のリンク58は必ずしも必要ではなく、第2のリンク58を設けることなく、インナケーブル50aを第1のリンク56の前端部に枢着するようにしてもよい。
また、上記実施の形態は、本発明に係る操作レバーの操作力低減機構Mをシートリクライニング装置Aに適用した場合を例に取り説明したが、この操作力低減機構Mは特定の部材を駆動操作して所定の機能を達成する装置であればどのような装置にも適用できる。
本発明に係る操作レバーの操作力低減機構は、従来構成に比べ操作力が低減して操作フィーリングを向上することができるので、シートリクライニング装置におけるラッチ部材等の特定の被操作部材を有するあらゆる装置に適用することができる。
1,2 固定側ブラケット
3 可動側ブラケット
4 ウォーム
4a,4b 凹部
4c 係合溝
5 ウォームホイール
7 軸部材
11 固定軸受け
12 可動軸受け
11a,12a 凹部
13,14 ボール
21,22 カム
21c,22c 押圧部
23 ラッチ部材
23c 係合爪
27,29 コイルスプリング
30 シャフト部材
40,40A 操作レバー
50 ワイヤケーブル
50a インナケーブル
50b アウタケーブル
52 取付ブラケット
54 回転軸
56 第1のリンク
58 第2のリンク
60 駆動レバー
62 コイルスプリング
A シートリクライニング装置
F シートフレーム
F1 シートクッションフレーム
F2 シートバックフレーム
M 操作レバーの操作力低減機構
3 可動側ブラケット
4 ウォーム
4a,4b 凹部
4c 係合溝
5 ウォームホイール
7 軸部材
11 固定軸受け
12 可動軸受け
11a,12a 凹部
13,14 ボール
21,22 カム
21c,22c 押圧部
23 ラッチ部材
23c 係合爪
27,29 コイルスプリング
30 シャフト部材
40,40A 操作レバー
50 ワイヤケーブル
50a インナケーブル
50b アウタケーブル
52 取付ブラケット
54 回転軸
56 第1のリンク
58 第2のリンク
60 駆動レバー
62 コイルスプリング
A シートリクライニング装置
F シートフレーム
F1 シートクッションフレーム
F2 シートバックフレーム
M 操作レバーの操作力低減機構
Claims (4)
- 操作レバーにより特定の部材を操作して所定の機能を達成する装置に適用される操作レバーの操作力低減機構であって、
前記操作レバーに一端が連結された回転軸と、該回転軸の他端に一端が連結された第1のリンクと、前記回転軸が回動自在に取り付けられた回転軸保持部材と、前記第1のリンクの他端と前記特定の部材とを連結する操作力伝達手段とを備え、前記操作レバーを操作してその操作力を前記特定の部材に伝達するに際し、前記回転軸と前記操作力伝達手段との距離が徐々に減少するように構成して前記操作レバーの操作力を低減したことを特徴とする操作レバーの操作力低減機構。 - 前記操作力伝達手段が、インナケーブルとアウタケーブルとで構成されるワイヤケーブルを有することを特徴とする請求項1に記載の操作レバーの操作力低減機構。
- 前記操作力伝達手段が第2のリンクをさらに有し、該第2のリンクの一端を前記第1のリンクの他端に回動自在に連結するとともに、前記第2のリンクの他端を前記ワイヤケーブルに連結したことを特徴とする請求項2に記載の操作レバーの操作力低減機構。
- 前記装置が、シートクッションに対するシートバックの傾斜角を適宜調節するためのシートリクライニング装置であり、該シートリクライニング装置が、シートクッションフレームに対しシートバックフレームをロックするロック機構を有し、前記操作力伝達手段を前記ロック機構の一部に連結して、前記ロック機構によるシートバックフレームのロックを前記操作レバーにより解除するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の操作レバーの操作力低減機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007070616A JP2008228888A (ja) | 2007-03-19 | 2007-03-19 | 操作レバーの操作力低減機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007070616A JP2008228888A (ja) | 2007-03-19 | 2007-03-19 | 操作レバーの操作力低減機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008228888A true JP2008228888A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39902434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007070616A Pending JP2008228888A (ja) | 2007-03-19 | 2007-03-19 | 操作レバーの操作力低減機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008228888A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000004971A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-11 | Ikeda Bussan Co Ltd | 自動車シートのウォークイン装置 |
JP2003319849A (ja) * | 2002-02-26 | 2003-11-11 | Delta Tooling Co Ltd | リクライニングアジャスタ |
JP2005022550A (ja) * | 2003-07-03 | 2005-01-27 | Araco Corp | 車両用シート |
JP2006204506A (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-10 | Delta Tooling Co Ltd | リクライニングアジャスタ |
-
2007
- 2007-03-19 JP JP2007070616A patent/JP2008228888A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000004971A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-11 | Ikeda Bussan Co Ltd | 自動車シートのウォークイン装置 |
JP2003319849A (ja) * | 2002-02-26 | 2003-11-11 | Delta Tooling Co Ltd | リクライニングアジャスタ |
JP2005022550A (ja) * | 2003-07-03 | 2005-01-27 | Araco Corp | 車両用シート |
JP2006204506A (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-10 | Delta Tooling Co Ltd | リクライニングアジャスタ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5532690B2 (ja) | 車両用シートリクライニング装置 | |
EP1614582A2 (en) | Recliner adjuster | |
JP5050754B2 (ja) | 車両用シートリクライニング装置 | |
KR101031273B1 (ko) | 자동차 좌석용 트윈 리클라이너 | |
JP2003327030A (ja) | シートバーチカル装置 | |
EP1524146A1 (en) | Seat device for vehicle | |
KR100997505B1 (ko) | 리클라이닝 어저스터 | |
EP1676740A2 (en) | Seat height adjusting device | |
JP2010255837A (ja) | クラッチ装置およびシート装置 | |
JP2010136871A (ja) | 車両用シートの連結装置 | |
US20180141469A1 (en) | Lifter device | |
US6976738B2 (en) | Recliner adjuster | |
JP3834937B2 (ja) | 車両用シートリクライニング装置 | |
JP4940653B2 (ja) | 車両用シート調整装置 | |
JP5052856B2 (ja) | リクライニングアジャスタ | |
JP2008228888A (ja) | 操作レバーの操作力低減機構 | |
JP4788338B2 (ja) | 車両用シート調整装置 | |
JP5809014B2 (ja) | 減速歯車機構 | |
JP2007161216A (ja) | 車両用シート調整装置 | |
JP4840152B2 (ja) | クラッチ装置 | |
JP3926997B2 (ja) | 両側リクライニング装置 | |
JP3909207B2 (ja) | リクライニング装置 | |
JP2010195376A (ja) | 車両用スライドレール装置 | |
JP2007289268A (ja) | リクライニングアジャスタ | |
JP2010259556A (ja) | リクライニング装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20091210 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20120412 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120508 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120911 |