JP2020026034A - 射出成形用金型 - Google Patents

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【課題】小型化を図ることが可能な射出成形用金型を提供する。【解決手段】射出成形用金型100は、固定型1および可動型2を備える。可動型2は、凹部212を有するコア本体21と、コア本体21に対して移動可能なスライドコア22とを含み、スライドコア22が凹部212に収容される。凹部212は、底部側から開口端側に向けて外側に傾斜された傾斜面212bを有する。凹部212には、傾斜面212bに沿って延びるアンギュラピン23が設けられ、型開閉方向に移動可能なスライドブロック24が設けられている。スライドコア22は、スライドブロック24に移動可能に連結され、圧縮コイルばね26により傾斜面212b側に付勢され、アンギュラピン23が挿通されるガイド孔224を有する。スライドブロック24は、可動型2から成形品150を取り外すためのエジェクタプレートに連結されている。【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形用金型に関する。
従来、固定型および可動型を備える射出成形用金型が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このような射出成形用金型では、固定型および可動型によってキャビティが形成され、そのキャビティに溶融樹脂が射出されることにより、成形品が成形されるようになっている。そして、可動型が型開き方向に移動され、エジェクタピンにより成形品が突き出されることにより、射出成形用金型から成形品が取り外される。
ここで、成形品がアンダーカット部を有する場合には、可動型にスライドコアが設けられており、エジェクタピンによる成形品の取り外しの前に、スライドコアが移動されることにより、成形品と可動型との干渉が解消されるようになっている。
特開2012−61730号公報
そして、可動型にスライドコアが設けられている場合において、スライドコアを駆動するための専用のアクチュエータが設けられている場合には、射出成形用金型が大型化するという問題点がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、小型化を図ることが可能な射出成形用金型を提供することである。
本発明による射出成形用金型は、固定型および可動型を備え、固定型および可動型によって形成されるキャビティに溶融樹脂が射出されることにより、アンダーカット部を有する成形品が成形されるものである。可動型は、凹部を有するコア本体と、コア本体に対して移動可能なスライドコアとを含み、スライドコアが凹部に収容されるように構成されている。凹部は、底部側から開口端側に向けて外側に傾斜された傾斜面を有する。凹部には、傾斜面に沿って延びるアンギュラピンが設けられるとともに、型開閉方向に移動可能なスライドブロックが設けられている。スライドコアは、スライドブロックに移動可能に連結され、スライドブロックとの間に設けられた付勢部材により傾斜面側に付勢され、かつ、アンギュラピンが挿通されるガイド孔を有する。スライドブロックは、可動型から成形品を取り外すためのエジェクタプレートに連結されている。
このように構成することによって、エジェクタプレートにより成形品が取り外される場合に、スライドブロックが移動されることにより、スライドコアがアンギュラピンに沿って移動されるので、成形品を取り外しながらスライドコアとの干渉を解消することができる。すなわち、スライドコアがエジェクタプレートと連動されることにより、スライドコアを駆動するための専用のアクチュエータが不要になるので、小型化を図ることができる。
本発明の射出成形用金型によれば、小型化を図ることができる。
本実施形態による射出成形用金型を説明するための模式図である。 図1の射出成形用金型に溶融樹脂が射出された状態を示した図である。 図2の射出成形用金型が型開きされた状態を示した図である。 図3の射出成形用金型の可動型においてアンダーカット処理が完了された状態を示した図である。 図4の射出成形用金型の可動型において成形品の突き出しが完了された状態を示した図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による射出成形用金型100について説明する。
射出成形用金型100は、図1に示すように、固定型1および可動型2を備え、可動型2が固定型1に対して型開閉方向(X1およびX2方向)に移動可能に構成されている。射出成形用金型100では、型閉じ状態(型締め状態)の場合に固定型1および可動型2の間にキャビティ(成形品空間)3が形成されており、そのキャビティ3に溶融樹脂が射出されることにより、成形品150(図2参照)が成形されるようになっている。この成形品150は、アンダーカット部151(図2参照)を有する。アンダーカット部151は、型開閉方向の移動のみでは離型できない形状部、すなわち可動型2を分割しなければ抜けない形状部である。たとえば、アンダーカット部151は、成形品150の横穴である。
固定型1には、可動型2と対向する側(X2方向側)に、成形品150を成形するための成形面11が設けられている。可動型2は、コア本体21と、スライドコア22と、エジェクタ機構(図示省略)とを含んでいる。
コア本体21の固定型1と対向する側(X1方向側)には、成形品150を成形するための成形面211が設けられるとともに、スライドコア22を収容する凹部212が設けられている。スライドコア22は、成形品150を成形するための成形面221を有し、コア本体21に対して移動可能に構成されている。このスライドコア22は、アンダーカット部151を抜くために設けられている。
凹部212は、内側面212aおよび外側面212bを有する。内側面212aは、キャビティ3に対して近い側である内側(Y1方向側)に配置され、型開閉方向に延びるように形成されている。外側面212bは、キャビティ3に対して遠い側である外側(Y2方向側)に配置され、底部側(X2方向側)から開口端側(X1方向側)に向けて外側に傾斜されるように形成されている。すなわち、外側面212bは、底部側から開口端側に向けて凹部212の開口面積が徐々に広くなるように傾斜され、その傾斜方向に直線状に延びるように形成されている。なお、外側面212bは、本発明の「傾斜面」の一例である。
また、凹部212には、アンギュラピン23が設けられるとともに、スライドブロック24が設けられている。アンギュラピン23は、複数(たとえば2つ)設けられ、外側面212bに沿って延びるように形成されている。このアンギュラピン23は、凹部212の底部に固定され、スライドブロック24に対して外側に配置されている。スライドブロック24は、内側面212aに沿って型開閉方向に移動可能に構成されている。このスライドブロック24は、スライドコア22に対して底部側に配置されるとともに、アンギュラピン23に対して内側に配置されている。スライドブロック24は、ロッド25を介してエジェクタプレート(図示省略)に連結されている。ロッド25は、型開閉方向に延びるように形成されており、コア本体21に形成された貫通孔213に摺動可能に配置されている。
そして、スライドコア22は、スライドブロック24に連結され、そのスライドブロック24に対して所定方向(D1およびD2方向)に移動可能に構成されている。具体的には、スライドブロック24に所定方向に延びるスライド溝241が形成されるとともに、スライドコア22にスライド溝241と係合するガイドレール222が形成されており、スライドコア22がスライド溝241に沿って移動可能に構成されている。スライド溝241は、底部側から開口端側に向けて内側に傾斜されている。また、所定方向は、型開閉方向(X1およびX2方向)と交差するとともに、型開閉方向と直交する方向(Y1およびY2方向)と交差する方向である。たとえば、所定方向は、型開閉方向に対して45度傾斜し、かつ、型開閉方向と直交する方向に対して45度傾斜した方向である。この所定方向と外側面212bとのなす角は、たとえば鋭角に設定されている。
また、スライドコア22とスライドブロック24との間には圧縮コイルばね26が設けられ、その圧縮コイルばね26によりスライドコア22がスライドブロック24に対して所定方向の一方側(D1方向側)に付勢されている。すなわち、スライドコア22が外側面212b側(外側)に付勢されている。具体的には、スライドブロック24に、圧縮コイルばね26が収容される収容部242が形成され、スライドコア22に、圧縮コイルばね26を受け止める受止部223が形成されている。なお、圧縮コイルばね26は、本発明の「付勢部材」の一例である。
また、スライドコア22には、アンギュラピン23が挿通されるガイド孔224が形成されている。このため、スライドコア22が型開閉方向に移動される際に、スライドコア22がアンギュラピン23によってガイドされると、スライドコア22が型開閉方向と直交する方向に移動されるようになっている。また、スライドコア22には、スライドコア22の所定方向の一方側への移動を規制するためのストッパ225が形成されている。
エジェクタ機構は、可動型2から成形品150を取り外すために設けられている。このエジェクタ機構は、成形品150を突き出すためのエジェクタピンと、エジェクタピンが連結されるエジェクタプレートと、エジェクタプレートを駆動するアクチュエータとを含んでいる。
−射出成形用金型の動作例−
次に、図1〜図5を参照して、本実施形態による射出成形用金型100の動作例について説明する。
まず、射出成形用金型100では、図1に示すように、可動型2が固定型1に対して型閉じ方向(X1方向)に移動され、型締め状態にされる。このとき、固定型1および可動型2の間にキャビティ3が形成される。そして、キャビティ3に溶融樹脂が射出されることにより、図2に示すように、アンダーカット部151を有する成形品150が成形される。なお、可動型2のスライドコア22に作用する型締め力および樹脂圧力は、凹部212の外側面212bによって受け止められる。
そして、成形品150が成形されると、図3に示すように、可動型2が固定型1に対して型開き方向(X2方向)に移動される。なお、成形品150は可動型2に貼り付いている。
次に、エジェクタ機構による成形品150の可動型2からの取り外しが行われる。この成形品150の取り外しの際に、スライドコア22が外側(Y2方向側)に移動されることにより、成形品150と可動型2との干渉が解消される。
具体的には、アクチュエータによりエジェクタプレートが駆動されると、エジェクタピンが突き出し方向(X1方向)に移動され、そのエジェクタピンによって成形品150が突き出されることにより、図4に示すように、成形品150が可動型2から抜き方向(X1方向)に移動される。
このとき、ロッド25がエジェクタプレートによってエジェクタピンとともに突き出し方向(X1方向)に移動されることにより、スライドブロック24が開口端側(X1方向側)に移動される。このスライドブロック24の移動の際に、スライドコア22がアンギュラピン23によりガイドされながら、圧縮コイルばね26の付勢力によりスライドコア22がスライドブロック24に対して所定方向の一方側(D1方向側)に移動される。すなわち、スライドコア22がスライドブロック24に押されて開口端側(X1方向側)に移動される際に、スライドコア22が外側(Y2方向側)に移動される。つまり、スライドコア22が外側面212bに沿って摺動される。これにより、スライドコア22が成形品150のアンダーカット部151を可動型2から離型できるようにする。
このように、アンダーカット処理が完了された状態では、圧縮コイルばね26の付勢力によりスライドコア22がスライドブロック24に対して所定方向における最も一方側に配置され、スライドコア22のストッパ225がスライドブロック24に係合される。また、スライドコア22のガイド孔224からアンギュラピン23が抜き出される。
その後、エジェクタピンがさらに突き出し方向(X1方向)に移動されると、図5に示すように、成形品150の突き出しが完了され、成形品150が可動型2から取り外される。なお、アンダーカット処理が完了されてから成形品150の突き出しが完了されるまでの間では、ロッド25によりスライドブロック24およびスライドコア22が開口端側(X1方向側)に移動される。
成形品150が取り外された後に、アクチュエータによってエジェクタプレートが元の位置に戻されることにより、エジェクタピンおよびロッド25が退避方向(X2方向)に移動される。このため、スライドブロック24が底部側(X2方向側)に移動され、そのスライドブロック24の移動途中からスライドコア22のガイド孔224にアンギュラピン23が挿入されてスライドコア22が外側面212bに沿って摺動される。すなわち、スライドコア22がアンギュラピン23にガイドされながら、圧縮コイルばね26の付勢力に抗してスライドコア22がスライドブロック24に対して所定方向の他方側(D2方向側)に移動される。つまり、スライドコア22がスライドブロック24に引き込まれて底部側(X2方向側)に移動される際に、スライドコア22が内側(Y1方向側)に移動される。これにより、スライドコア22が凹部212に収容される。
−効果−
本実施形態では、上記のように、スライドコア22がスライドブロック24に対して所定方向に移動可能に設けられ、スライドコア22が圧縮コイルばね26により所定方向の一方側に付勢され、スライドコア22のガイド孔224にアンギュラピン23が挿通され、アンギュラピン23が傾斜した外側面212bに沿って延びるように形成され、スライドブロック24がエジェクタプレートに連結されている。このように構成することによって、エジェクタプレートにより成形品150が取り外される場合に、スライドブロック24が移動されることにより、スライドコア22がアンギュラピン23に沿って移動されるので、成形品150を取り外しながらスライドコア22との干渉を解消することができる。すなわち、スライドコア22がエジェクタプレートと連動されることにより、スライドコア22を駆動するための専用のアクチュエータが不要になるので、射出成形用金型100の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、凹部212の外側面212bによりスライドコア22に作用する型締め力および樹脂圧力を受け止めることによって、成形中にスライドコア22が動くのを抑制することができるので、成形品150の品質が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、スライドコア22がスライドブロック24と連動することによって、スライドコア22が可動型2の型開閉方向への移動に連動しないので、射出成形用金型100の製作時に、可動型2におけるコア本体21に対するスライドコア22の位置合わせを容易に行うことができる。すなわち、製作時に可動型2の成形面を単独で確認することができる。
また、本実施形態では、外側面212bが底部側から開口端側に向けて外側に傾斜することによって、スライドコア22を外側面212bに沿って摺動させることにより、スライドコア22を容易に外側に移動させることができる。
また、本実施形態では、スライドブロック24が内側面212aに沿って移動することによって、スライドコア22を動作させる際の反力によりスライドブロック24が内側に移動されないようにすることができる。
また、本実施形態では、アンギュラピン23を複数設けることによって、スライドコア22がアンギュラピン23を中心にして回転されるのを防止することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、スライドコア22とスライドブロック24との間に圧縮コイルばね26が設けられる例を示したが、これに限らず、圧縮コイルばね以外の付勢部材がスライドコアとスライドブロックとの間に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、スライドブロック24にスライド溝241が形成され、スライドコア22にガイドレール222が形成される例を示したが、これに限らず、スライドコアにスライド溝が形成され、スライドブロックにガイドレールが形成されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、スライドブロック24に圧縮コイルばね26が収容される収容部242が形成され、スライドコア22に圧縮コイルばね26を受け止める受止部223が形成される例を示したが、これに限らず、スライドコアに圧縮コイルばねが収容される収容部が形成され、スライドブロックに圧縮コイルばねを受け止める受止部が形成されるようにしてもよい。
本発明は、固定型および可動型を備え、固定型および可動型によって形成されるキャビティに溶融樹脂が射出されることにより、アンダーカット部を有する成形品が成形される射出成形用金型に利用可能である。
1 固定型
2 可動型
3 キャビティ
21 コア本体
22 スライドコア
23 アンギュラピン
24 スライドブロック
26 圧縮コイルばね(付勢部材)
100 射出成形用金型
150 成形品
151 アンダーカット部
212 凹部
212b 外側面(傾斜面)
224 ガイド孔

Claims (1)

  1. 固定型および可動型を備え、前記固定型および前記可動型によって形成されるキャビティに溶融樹脂が射出されることにより、アンダーカット部を有する成形品が成形される射出成形用金型であって、
    前記可動型は、凹部を有するコア本体と、前記コア本体に対して移動可能なスライドコアとを含み、前記スライドコアが前記凹部に収容されるように構成され、
    前記凹部は、底部側から開口端側に向けて外側に傾斜された傾斜面を有し、
    前記凹部には、前記傾斜面に沿って延びるアンギュラピンが設けられるとともに、型開閉方向に移動可能なスライドブロックが設けられ、
    前記スライドコアは、前記スライドブロックに移動可能に連結され、前記スライドブロックとの間に設けられた付勢部材により前記傾斜面側に付勢され、かつ、前記アンギュラピンが挿通されるガイド孔を有し、
    前記スライドブロックは、前記可動型から成形品を取り外すためのエジェクタプレートに連結されていることを特徴とする射出成形用金型。
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