JP2020002411A - 鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)転炉で溶製された未脱酸の溶鋼を取鍋に出鋼した後、出鋼された溶鋼をAlまたはAl−Siにより脱酸し、Alキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を製造する方法であって、
酸素を含有する成分調整用合金を、前記取鍋への出鋼中または出鋼後であって、前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の前の溶存酸素量が50ppm以上の溶鋼に投入するとともに前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の後の溶鋼に投入し、
前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の前に投入される成分調整用合金から溶鋼に持ち込まれる脱酸前持込み酸素量(ppm)と、前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の後に投入される成分調整用合金から溶鋼に持ち込まれる脱酸後持込み酸素量(ppm)との比率(脱酸前持込み酸素量/脱酸後持込み酸素量)を2以上とし、
前記脱酸後持込み酸素量を10ppm以下とし、
脱酸前持込み酸素量と脱酸後持込み酸素量の合計を15ppm以上とするとともに、
前記Alまたは前記Al−Siにより脱酸され、その後に前記成分調整用合金を投入した溶鋼に、0.5〜30質量%のMgまたはCaを含有するREM合金のワイヤーを用いてREMを添加する、鋼の製造方法。
C:0.0005〜1.5%、
Si:0.005〜1.2%、
Mn:0.05〜3.0%、
P:0.001〜0.2%、
S:0.0001〜0.05%、
T.Al:0.005〜1.5%、
Cu:0〜1.5%、
Ni:0〜10.0%、
Cr:0〜10.0%、
Mo:0〜1.5%、
Nb:0〜0.1%、
V:0〜0.3%、
Ti:0〜0.25%、
B:0〜0.005%、
REM:0.1〜20ppm、
T.O:5〜50ppm、
残部がFeおよび不純物である、上記(1)または(2)に記載の鋼の製造方法。
Cu:0.1〜1.5%、
Ni:0.1〜10.0%、
Cr:0.1〜10.0%、および
Mo:0.05〜1.5%、
から選択される1種以上を含有する、上記(3)に記載の鋼の製造方法。
Nb:0.005〜0.1%、
V:0.005〜0.3%、および
Ti:0.001〜0.25%、
から選択される1種以上を含有する、上記(3)または(4)に記載の鋼の製造方法。
B:0.0005〜0.005%、
を含有する、上記(3)〜(5)のいずれかに記載の鋼の製造方法。
なお、本明細書において「並列添加する」とは、REM合金のワイヤーと、MgまたはCaを含有するワイヤーとを並行して添加することを意味する。
本発明では、基本的に、転炉で溶製された未脱酸の溶鋼を取鍋に出鋼した後、出鋼された溶鋼をAlまたはAl−Siにより脱酸し、1種以上のREMを取鍋内でワイヤーにより添加することによって、Alキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を製造する。
(i)転炉 未脱酸溶鋼(成分調整用合金、REMのいずれも未投入)
(ii)転炉またはRH真空脱ガス装置(脱酸前成分調整用合金投入)
(iii)RH真空脱ガス装置(AlまたはAl−Si脱酸→脱酸後成分調整用合金投入)
(iv)ワイヤー添加装置((1)REM合金ワイヤー単独添加、または(2)MgまたはCa含有ワイヤーとの並列添加)
本発明では、酸素を含有する成分調整用合金の溶鋼への投入タイミングを、従来のAlまたはAl−Siによる脱酸後だけではなく、取鍋への出鋼中または出鋼後であってAlまたはAl−Siによる脱酸前および脱酸後に変更する。
図2は、本発明の実施形態を示す断面図であり、符号1は溶鋼鍋であり、符号2は溶鋼である。溶鋼2は、Al脱酸またはAl−Si脱酸された後、RH(真空脱ガス設備),CAS(成分微調整設備)などによる二次精錬が終了した溶鋼である。
本発明により製造されるAlキルド鋼またはAl−Siキルド鋼の化学組成は、質量%で、C:0.0005〜1.5%、Si:0.005〜1.2%、Mn:0.05〜3.0%、P:0.001〜0.2%、S:0.0001〜0.05%、T.Al:0.005〜1.5%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜10.0%、Cr:0〜10.0%、Mo:0〜1.5%、Nb:0〜0.1%、V:0〜0.3%、Ti:0〜0.25%、B:0〜0.005%、REM:0.1〜20ppm、T.O:5〜50ppm、残部がFeおよび不純物である化学組成を有する炭素鋼または合金鋼であることが好ましい。これらの鋼に必要な加工を加えることにより、薄板、厚板、鋼管、形鋼、棒鋼等へ適用できる。この範囲が好ましい理由は以下の通りである。
Cは、鋼の強度を最も安定して向上させる基本的な元素である。C含有量は、鋼の強度あるいは硬度の確保のためには好ましくは0.0005%以上である。しかし、C含有量が1.5%を超えると靭性が損なわれる。このため、C含有量は、所望する材料の強度に応じて好ましくは0.0005〜1.5%の範囲で調整する。
Si含有量が0.005%未満であると、溶銑予備処理を行う必要が生じ、精錬に大きな負担をかけ経済性が損なわれる。一方、Si含有量が1.2%を超えると、メッキ不良が発生し、鋼の表面性状や耐食性が劣化する。このため、Si含有量は好ましくは0.005〜1.2%である。
Mn含有量が0.05%未満であると、精錬時間が長くなって経済性が損なわれる。一方、Mn含有量が3.0%を超えると、鋼材の加工性が大きく劣化する。このため、Mn含有量は、好ましくは0.05〜3.0%である。
P含有量が0.001%未満であると、溶銑予備処理の時間およびコストが増加し経済性が損なわれる。一方、P含有量が0.2%を超えると、鋼の加工性が大きく劣化する。このため、P含有量は好ましくは0.001〜0.2%である。
S含有量が0.0001%未満であると、溶銑予備処理の時間およびコストがかかり経済性が損なわれる。一方、S含有量が0.05%を超えると、鋼の加工性および耐食性が大きく劣化する。このため、S含有量は好ましくは0.0001〜0.05%である。
Alは、材質に影響する固溶Al(sol.Al)量と、介在物であるAl2O3に由来するAl(insol.Al)量の合計量である溶鋼中の全Al量T.Al=sol.Al+insol.Alを意味する。
Cu、Ni、Cr、Moは、いずれも、鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、前記元素から選択される1種以上を必要に応じて含有させてもよい。
Nb、V、Tiは、いずれも、析出強化により鋼の強度を向上させる元素であり、必要に応じて1種以上を含有させてもよい。
Bは、鋼の焼入れ性を向上させ、強度を高める元素である。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、0.005%を超えて含有すると、Bの析出物が増加し、鋼の靭性を損なうおそれがある。このため、B含有量は好ましくは0.005%以下である。鋼の焼入れ性の向上効果を確実に得るためには、B含有量は好ましくは0.0005%以上である。
Alキルド鋼またはAl−Siキルド鋼のREM含有量が0.1ppm未満であると、アルミナ粒子のクラスター化の防止効果が得られないためであり、一方、REM含有量が20ppm超であると、REM酸化物とAl2O3の複合酸化物からなる粗大クラスターが生成する恐れがあること、また、スラグとの反応によって複合酸化物が多量に生成するため、溶鋼清浄性が悪化し、タンディッシュの浸漬ノズルを閉塞させる可能性がある。このため、REM含有量は好ましくは0.1〜20ppmとする。REM含有量は15ppm以下であるのがより好ましい。
本発明では、O含有量について材質に影響する固溶O(sol.O)量と、介在物に存在するO(insol.O)量の合計量である、O量をT.O(Total.O)として規定する。Alキルド鋼またはAl−Siキルド鋼のT.Oが5ppm未満では二次精錬、例えばRHでの処理時間が大幅に増大するため、コストがかかり経済性も損ねる。一方、T.Oが50ppm超であると、アルミナ粒子の衝突頻度が増加するため、クラスターが粗大化する場合があるためである。また、アルミナの改質に必要なREMの添加量が増大するため、コストがかかり経済性も損ねる。このため、T.Oは好ましくは5〜50ppmとする。
2 溶鋼
3 REM合金のワイヤー
4 スラグ
5 REM合金のワイヤー
6 MgまたはCaを含有するワイヤー
Claims (8)
- 転炉で溶製された未脱酸の溶鋼を取鍋に出鋼した後、出鋼された溶鋼をAlまたはAl−Siにより脱酸し、Alキルド鋼またはAl−Siキルド鋼を製造する方法であって、
酸素を含有する成分調整用合金を、前記取鍋への出鋼中または出鋼後であって、前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の前の溶存酸素量が50ppm以上の溶鋼に投入するとともに前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の後の溶鋼に投入し、
前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の前に投入される成分調整用合金から溶鋼に持ち込まれる脱酸前持込み酸素量(ppm)と、前記Alまたは前記Al−Siによる脱酸の後に投入される成分調整用合金から溶鋼に持ち込まれる脱酸後持込み酸素量(ppm)との比率(脱酸前持込み酸素量/脱酸後持込み酸素量)を2以上とし、
前記脱酸後持込み酸素量を10ppm以下とし、
脱酸前持込み酸素量と脱酸後持込み酸素量の合計を15ppm以上とするとともに、
前記Alまたは前記Al−Siにより脱酸され、その後に前記成分調整用合金を投入した溶鋼に、0.5〜30質量%のMgまたはCaを含有するREM合金のワイヤーを用いてREMを添加する、鋼の製造方法。 - 前記成分調整用合金は、MeMn、MeTi、MeCu、MeNi、FeMn、FeP、FeTi、FeS、FeSi、FeCr、FeMo、FeB、およびFeNbから選択される1種以上である、請求項1に記載の鋼の製造方法。
- 前記Alキルド鋼または前記Al−Siキルド鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.0005〜1.5%、
Si:0.005〜1.2%、
Mn:0.05〜3.0%、
P:0.001〜0.2%、
S:0.0001〜0.05%、
T.Al:0.005〜1.5%、
Cu:0〜1.5%、
Ni:0〜10.0%、
Cr:0〜10.0%、
Mo:0〜1.5%、
Nb:0〜0.1%、
V:0〜0.3%、
Ti:0〜0.25%、
B:0〜0.005%、
REM:0.1〜20ppm、
T.O:5〜50ppm、
残部がFeおよび不純物である、請求項1または2に記載の鋼の製造方法。 - 前記Alキルド鋼または前記Al−Siキルド鋼の前記化学組成が、質量%で、
Cu:0.1〜1.5%、
Ni:0.1〜10.0%、
Cr:0.1〜10.0%、および
Mo:0.05〜1.5%、
から選択される1種以上を含有する、請求項3に記載の鋼の製造方法。 - 前記Alキルド鋼または前記Al−Siキルド鋼の前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.005〜0.1%、
V:0.005〜0.3%、および
Ti:0.001〜0.25%、
から選択される1種以上を含有する、請求項3または4に記載の鋼の製造方法。 - 前記Alキルド鋼または前記Al−Siキルド鋼の前記化学組成が、質量%で、
B:0.0005〜0.005%、
を含有する、請求項3〜5のいずれかに記載の鋼の製造方法。 - 前記REM合金のワイヤーとともに、MgまたはCaを含有するワイヤーを並列して添加する、請求項1〜6のいずれかに記載の鋼の製造方法。
- 前記MgまたはCaを含有するワイヤーのMgまたはCaの含有量が0.5〜30質量%である、請求項7に記載の鋼の製造方法。
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CN113186371A (zh) * | 2021-04-16 | 2021-07-30 | 鞍钢股份有限公司 | 一种铝脱氧钢钢液净化的方法 |
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