JP4299757B2 - 表面性状および内質に優れる薄鋼板および鋳片とその製造方法 - Google Patents

表面性状および内質に優れる薄鋼板および鋳片とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は,表面性状および内質に優れる薄鋼板および鋳片とその製造方法に関するものである。
転炉や真空処理容器で精錬された溶鋼中には,多量の溶存酸素が含まれており,この過剰酸素は酸素との親和力が強い強脱酸元素であるAlにより脱酸されるのが一般的である。しかし,Alは脱酸によりAl23系介在物を生成し,これが凝集合体して粗大なアルミナクラスターとなる。このアルミナクラスターは鋼板製造時に表面疵発生の原因となり,薄鋼板の品質を大きく劣化させる。
また,Al脱酸では,溶鋼をタンディシュからモールドへ注入するときに、使用するタンディッシュノズル,浸漬ノズルの内壁にアルミナが付着し,ノズル閉塞を発生させるという問題もある。
特に,炭素濃度が低く,精錬後の溶存酸素濃度が高い薄鋼板用素材である低炭素溶鋼では,アルミナクラスターの量が非常に多く,アルミナ系介在物の低減対策は大きな課題となっている。
このようなAl脱酸に伴う問題に対し,Al脱酸した溶鋼中にCaを添加することにより,低融点のCaO−Al23 複合酸化物を生成させる方法が特許文献1として提案されている。
しかしながら,金属Caは沸点が低く,溶鋼への添加が困難な上,歩留まりが安定しない。さらに,歩留まりが低い場合,介在物中のCaOとAl23濃度のバランスが悪くなり,アルミナ系介在物よりもクラスター化しやすくなるため,ノズル閉塞,表面性状ともにかえって悪化させてしまう問題があった。
これに対し,最近では,Alを添加せずに,Tiで脱酸する方法が,特許文献2として開発されている。このようなAlレスTi脱酸の方法では,クラスター状の酸化物は生成しない。そのため介在物がクラスター状になることに起因する表面欠陥は減少する。しかしながら,このTi脱酸の場合,固相状態のTi酸化物がタンディッシュノズルの内面で付着成長し,かえってノズルの閉塞を誘発するという新たな問題が生じた。
このような問題(ノズルの閉塞防止)を解決し,かつクラスター状介在物による表面欠陥や発錆の起こりにくい薄鋼板として,特許文献3ではチタンキルド溶鋼中に,Caおよび金属REMを0.0005質量%以上になるように添加して得られる鋼であって,その鋼中には,CaO,REM酸化物が合計で5質量%以上50質量%以下,Ti酸化物が90質量%以下,Al23 が70質量%以下の酸化物系介在物を主に含むことを特徴とするチタンキルド鋼材,が開示されている。
鋼材の表面欠陥については、上記の特徴を有するチタンキルド鋼は従来のAl脱酸鋼に比べて減少傾向になった。また,ノズル閉塞も全体的には少なくなった。ところが,製造条件によってはノズル閉塞が発生する場合が散見され,ノズル閉塞が発生した場合のノズルを回収して調査したところ,非金属介在物の付着がみられた。また,薄鋼板の加工時にプレス割れが発生する場合があり,そのプレス割れが生じた部位を詳細に調査した結果,大型の非金属介在物が起点になっていることが分かった。
すなわち,上記の特徴を有するチタンキルド鋼材においては,場合によってノズル閉塞が発生する,あるいは非金属介在物起因のプレス割れが発生するおそれがあるという問題を抱えていた。
特開昭58−154447号公報 特開平8−239731号公報 特開平11−343516号公報
本発明は,従来技術が抱える上述した問題点を解決課題とするものであり,連続鋳造時のノズル閉塞に対して有効で,クラスター状介在物による表面欠陥が発生しにくく,大型介在物に起因するプレス割れが生じにくい,表面性状,内質ともに良好な薄鋼板および鋳片とその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明は以下の構成を要旨とする。
すなわち,(1)質量%で、C:0.01%以下,Si:1%以下,Mn:3%以下,P:0.15%以下,S:0.05%以下,Al:0.015%以下,Ti:0.005%以上0.3%以下,REM:0.001%以上0.0044%以下,Ca:0.0004%以下,N:0.004%以下であり,残部Feおよび不可避不純物からなり,内部に存在する体積10,000μm3以上1,000,000μm3未満の非金属介在物の平均組成が下記の範囲にあり,REM酸化物とTi酸化物の質量比(REM酸化物/Ti酸化物)が0.1以上5.0未満を満たし,電解抽出される体積1,000,000μm 3 以上の非金属介在物個数が鋼板1kgあたり20個未満であり,内部に存在する体積10,000μm 3 以上1,000,000μm 3 未満の非金属介在物について,圧延方向長さと厚み方向長さの比(圧延方向長さ/厚み方向長さ)の平均値が3以上であることを特徴とする薄鋼板である。
Ti酸化物:10%以上95%未満,REM酸化物:5%以上90%未満(うちLa23:40%未満),Al23:50%未満,CaO:5%未満,S:5%未満。
また,(2)付加成分としてさらに質量%で,Nb:0.1%以下,B:0.05%以下,Mo:1%以下の範囲でいずれか1種類以上を含有することを特徴とする(1)記載の薄鋼板であり,(3)付加成分としてさらに,1質量%以下の範囲でNi,Cu,Crのいずれか1種類以上を含有することを特徴とする(1)または(2)記載の薄鋼板である
さらに,()質量%で、C:0.01%以下,Si:1%以下,Mn:3%以下,P:0.15%以下,S:0.05%以下,Al:0.015%以下,Ti:0.005%以上0.3%以下,REM:0.001%以上0.0044%以下,Ca:0.0004%以下,N:0.004%以下であり,残部Feおよび不可避不純物からなり,内部に存在する体積10,000μm3以上1,000,000μm3未満の非金属介在物の平均組成が下記の範囲にあり,REM酸化物とTi酸化物の質量比(REM酸化物/Ti酸化物)が0.1以上5.0未満を満たし,電解抽出される体積1,000,000μm 3 以上の非金属介在物個数が鋳片1kgあたり200個未満であることを特徴とする鋳片である。
Ti酸化物:10質量%以上95質量%未満,REM酸化物:5質量%以上90質量%未満(うちLa23:40質量%未満),Al23:50質量%未満,CaO:5質量%未満,S:5質量%未満。
また,()付加成分としてさらに質量%で,Nb:0.1%以下,B:0.05%以下,Mo:1%以下のいずれか1種類以上を含有することを特徴とする()記載の鋳片であり,()付加成分としてさらに,1質量%以下の範囲でNi,Cu,Crのいずれか1種類以上を含有することを特徴とする()または()記載の鋳片である
さらに,()溶存酸素濃度が30ppm以上400ppm未満になるように予備脱酸処理を行い,次いでTi含有合金を添加してTi脱酸を行い,その後REM含有合金を添加して溶鋼を溶製し,連続鋳造を実施し,()〜()記載の鋳片を製造することを特徴とする連続鋳造鋳片の製造方法である。
この発明によれば,連続鋳造時のノズル閉塞に対して有効で,クラスター状介在物による表面欠陥が発生しにくく,大型介在物に起因するプレス割れが生じにくい,表面性状,内質ともに良好な薄鋼板および鋳片を確実に得ることができる。
発明者らは,上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果,ノズル閉塞を誘発する,あるいはプレス割れの原因となりやすい介在物はある一定の組成,形態を満たしていることを見出した。すなわち,鋼中に残留する非金属介在物の組成,形態が特定の範囲であれば,ノズル閉塞を招くことなく,しかも介在物はクラスター状に巨大化しないため表面欠陥が発生しにくく,大型介在物に起因するプレス割れも生じにくいことを知見した。
発明者らは,特許文献3記載のチタンキルド材をベースとし,溶鋼の成分値,介在物中のCaOとREM酸化物の割合,あるいはREM酸化物中のREM元素の種類を様々に変化させた溶鋼を溶製し,試験鋳造を実施した。また,得られた鋳片から定法に従って熱間圧延,冷間圧延により冷延板を作製し,プレス試験を繰り返した。その結果,ノズル閉塞に対しては,介在物中のS濃度,およびREM元素の種類が影響を及ぼすことを見出した。また,プレス割れに対しては,介在物中のCaO濃度が高いと悪影響を及ぼすことを見出した。
すなわち,特許文献3ではCaOとREM酸化物は全く同等の機能を有すると記載し、またその実施例にはCaを含有する事例のみが記載されているが,実際はCaOとREM酸化物ではその効果が異なること,および,REM酸化物でもREM元素の種類によりその効果は異なることを知得した。むしろ、鋼中にCaを含有し介在物中CaO濃度が高いとプレス割れ特性が悪化するのである。
ノズル閉塞に対しては,介在物中のS濃度が影響を及ぼす。すなわち,S濃度が高い場合にはREM元素とサルファイド(CeSやLaS)やオキシサルファイド(Ce22SやLa22S)を形成するが,このサルファイドやオキシサルファイドは凝集合体しやすいため,ノズル閉塞の原因となる。従って,介在物中のS濃度は低く抑制することが必要である。図1は介在物中のS濃度と溶鋼750ton鋳造後のノズル付着物厚みの関係を示した図であるが,介在物中S濃度は5質量%未満,できれば2質量%未満に抑制することが好ましい。
また,REM元素の中でも,Laは他のREM元素(CeやPrやNd)に比べてSとの親和性が高いことが知られている。このため,介在物中のLa23濃度が高い場合には大部分がオキシサルファイドとなり,ノズル閉塞の原因になる。従って,REM酸化物の中でも,La23濃度は一定以下に抑制する必要がある。図2は介在物中のLa23濃度と溶鋼750ton鋳造後のノズル付着物厚みの関係を示した図であるが,介在物中La23濃度は40質量%未満に抑制することが好ましい。
一方,プレス割れに対しては,介在物中のCaO濃度が高いと悪影響を及ぼす。図3は介在物中のCaO濃度とプレス割れ発生率の関係を示した図である。プレス割れ発生率とは150mm×150mmの冷延板を100枚用意し,すべてプレス加工試験を実施したときに所定の加工ができずに割れた枚数の割合である。介在物中のCaO濃度が高い場合にはプレス割れ発生率が高くなる。
発明者らは,この理由について検討すべく薄鋼板中の介在物について詳細に調査した結果,介在物中のREM酸化物濃度が高くCaO濃度が低い場合,薄鋼板中の介在物は圧延中に変形し,伸びた形状になっているのに対し、介在物中のCaO濃度が高い場合,薄鋼板中の介在物は圧延中にあまり変形しておらず,ほぼ球状の形態であることを見出した。そして,介在物が変形しにくい場合には板厚に占める介在物厚みの割合が大きくなるため,そこを起点としてプレス割れが発生しやすくなるものと結論づけた。従って,プレス割れを防止するためには介在物中のCaO濃度を一定以下に抑制する必要があり,図3の結果から,5質量%未満,できれば3質量%未満にすることが好ましい。
そこで,本発明にかかる薄鋼板および鋳片については,溶鋼中の非金属介在物組成をTi酸化物:10質量%以上95質量%未満,REM酸化物:5質量%以上90質量%未満(うちLa23:40質量%未満),Al23:50質量%未満,CaO:5質量%未満,好ましくは3質量%未満,S:5質量%未満,好ましくは2質量%未満に制御する。溶鋼中の非金属介在物を上記の組成にすると,ノズル閉塞を有効に防止することが可能になり,かつ表面性状,内質ともに良好な薄鋼板および鋳片を確実に得ることができる。
ここで,Ti酸化物とは非金属介在物中のTi酸化物の濃度である。Ti酸化物としてはTiO2,Ti23,Ti35などの形態が存在するが,それらをTiO2濃度として換算した値である。
ここで,REM酸化物とはLa23,Ce23,Pr23,Nd23の総和である。上述したように,このなかでLa23だけは機能が異なるため濃度範囲を限定する必要がある。それ以外のCe23,Pr23,Nd23についてはほぼ同じ機能を発揮することが確認されているため,La23を含めまとめてREM酸化物と記載した。
なお,薄鋼板もしくは鋳片中に含まれる非金属介在物の組成割合の測定方法は,薄鋼板もしくは鋳片から電解抽出された体積10,000μm3以上1,000,000μm3未満の介在物を任意に20個以上抽出し,その平均値から求めるものとする。この場合,体積10,000μm3以上の介在物に限定したのは,それより小さい非金属介在物では凝固中あるいは固相内で生成したものが混入する可能性があるためである。また、1,000,000μm3未満の介在物に限定することにより、モールドパウダーなど外来系の非金属介在物を除外できるので、鋼板の特性をより正確に示す介在物組成が得られるためである。
各成分の濃度を上記のように制限した理由は以下の通りである。
介在物中のTi酸化物濃度が95質量%以上の場合には,Ti酸化物がノズル内面に地金と共に付着し閉塞の原因となる。
REM酸化物濃度が90質量%以上では,REM酸化物同士が凝集合体するため,ノズル閉塞が発生する。
Ti酸化物濃度が10質量%未満では,REM酸化物濃度,もしくはAl23濃度が高い介在物が出現するようになり,ノズル閉塞傾向になるため好ましくない。
REM酸化物濃度が5質量%未満の場合には,Ti酸化物濃度,もしくはAl23濃度が高い介在物が出現するようになり,ノズル閉塞傾向になるため好ましくない。
Al23濃度が50質量%以上ではクラスター状介在物が生成し,ノズル閉塞傾向になるばかりでなく,表面性状も悪化する。
CaO濃度が5質量%以上の場合は,上述したように非金属介在物起因のプレス割れが発生する。従って,5質量%未満,できれば3質量%未満にすることが好ましい。
S濃度が5質量%以上の場合は,上述したようにサルファイド,もしくはオキシサルファイド起因のノズル閉塞が発生する。従って,5質量%未満,できれば2質量%未満にすることが好ましい。
REM酸化物のうち,上述した通り,La23に関してはその量が多いとノズル閉塞が発生する。従って,40質量%未満にすることが好ましい。
溶鋼中の非金属介在物の平均組成を上記の組成にすることで,ノズル閉塞防止ができ,かつ表面性状,内質ともに良好な薄鋼板および鋳片を得ることができるが,さらに,REM酸化物とTi酸化物の質量比(REM酸化物/Ti酸化物)が0.1以上5.0未満を満たす場合にはその効果が顕著になる。平均組成が上記の範囲にあっても,REM酸化物とTi酸化物の質量比(REM酸化物/Ti酸化物)が0.1未満,あるいは,5.0以上の場合には単独のREM酸化物やTi酸化物が出現し,これらの介在物はノズルに付着しやすいため,ノズル閉塞の原因になる可能性がある。従って,REM酸化物とTi酸化物の質量比(REM酸化物/Ti酸化物)を0.1以上5.0未満にすることは有効である。
また,介在物組成を制御できた場合であっても,薄鋼板内の介在物個数が多すぎる場合にはプレス割れの危険性が増加する。電解抽出される体積1,000,000μm3以上の介在物個数が鋼板1kgあたり20個以下であればプレス割れの危険性は少ない。できれば鋼板1kgあたり10個以下にするとなお好ましい。
このような薄鋼板を製造するためには,鋳片内部の非金属介在物個数も少なくする必要がある。鋳片内部の介在物については,電解抽出される体積1,000,000μm3以上の介在物個数が鋳片1kgあたり200個以下であれば良く,できれば鋳片1kgあたり100個以下であるとなお好ましい。
さらには,プレス割れに対しては薄鋼板内の介在物の形態も大きな影響を及ぼす。圧延時に介在物がほとんど変形しない場合,板厚に占める介在物厚みの割合が大きくなるため,プレス割れが発生しやすくなる。この観点から,内部に存在する体積10,000μm3以上1,000,000μm3未満の非金属介在物について,圧延方向長さと厚み方向長さの比(圧延方向長さ/厚み方向長さ)の平均値が3以上であることが望ましい。
本発明の薄鋼板の製造にあたっては,まず,溶鋼をTi含有合金により脱酸し,鋼中にTi酸化物を主体とする酸化物系介在物を生成させることが必要である。このときのTi濃度は0.005質量%以上,0.3質量%未満とする。Ti濃度が0.005質量%未満ではTi濃度が少なすぎて脱酸が不十分であり,Ti濃度が0.3質量%以上ではTi酸化物の生成量が多すぎ,かつ薄鋼板が硬化して加工性が悪化する。
なお,本発明法の下では,Alで脱酸する従来方法に比べると,Ti合金の歩留りが悪くなる。このため,Ti合金の添加量は鋼中にTi酸化物を主体とする酸化物系介在物が生成する条件内でできるだけ少量にすることが望ましい。
この意味において,Ti含有合金の添加前に溶鋼中の溶存酸素を低下させるために予備脱酸することも可能である。この予備脱酸は,真空中での溶鋼撹拌,少量のAlによる脱酸,SiやFeSi,MnやFeMnの添加によって行う。
このときの予備脱酸後の溶存酸素濃度としては,30ppm以上,400ppm未満が好ましい,30ppm未満の場合,予備脱酸に利用した元素が大量に残存するため良くない。400ppm以上の場合,Ti含有合金の歩留まりが悪くなるため好ましくない。
Ti脱酸により生成したTi酸化物系介在物は溶鋼中では固相状態であり,地金を取り込んだ形でタンディッシュノズルの内面に成長し,ノズルの閉塞を誘発する。
そこで,本発明にかかる薄鋼板については,Ti合金により脱酸した後,REMを含有する合金を添加して,溶鋼中の非金属介在物組成を制御する。REMを含有する合金としては金属CeなどのほかにミッシュメタルやFe合金なども想定される。ただし,金属Laは所定の介在物組成にならない可能性があり好ましくない。また,Caを含有する合金はプレス割れの危険が高まるため避けるべきである。
このときのREM濃度としては0.001質量%以上が必要である.0.001質量%未満であると,非金属介在物中のREM酸化物濃度が5質量%未満となり所定の性能が得られなくなる。
また,本発明にかかる鋼素材の成分組成は,積極的に添加するTi,REMという調整成分の他に,下記の範囲で制限される。
C:表面性状,内質ともに厳格な特性を要求される高加工性の薄鋼板に適用するため 0.01質量%以下,好ましくは0.005質量%以下とする。
Si:Siは鋼を強化する作用があり,必要な強度に応じて適当量を含有させる場合があるが,1質量%を超えると深絞り性が低下するので1質量%以下とする。
Mn:Mnは鋼を強化する作用があり,必要な強度に応じて適当量を含有させる場合があるが,3質量%を超えると深絞り性が低下するので3質量%以下とする。
P:Pは鋼を強化する作用があり,必要な強度に応じて適当量を含有させる場合があるが,0.15質量%を超えると深絞り性が低下するので0.15質量%以下とする。
S:0.05質量%を超えると,非金属介在物中のS濃度が5質量%以上になり,ノズル閉塞の原因となるので,0.05質量%以下とする。
Al:0.015質量%を超えると,非金属介在物中のAl23濃度が50質量%以上になり,ノズル閉塞および表面性状悪化の原因となるので,0.015質量%以下とする。
Ca:0.0004質量%を超えると,非金属介在物中のCaO濃度が5質量%以上になり,プレス割れの原因となるので,0.0004質量%以下とする。
N:Nは加工性を低下させるので0.004質量%以下とし,0.002質量%以下にするとさらに好ましい。
また,必要に応じ,Nb:0.1質量%以下,B:0.05質量%以下ならびにMo:1質量%以下を添加してもよい。
Nbは鋼板の結晶粒微細化に有効な元素であり,薄鋼板の深絞り性の向上に効果を発揮する。ただし,0.1質量%を超えて添加した場合,鋼の変形抵抗を顕著に増加するという不具合を生じるおそれがあるため添加する場合でも0.1質量%以下とする。
Bを添加することにより深絞り成形などを行った場合の2次加工脆化を防止できる。ただし,0.05質量%を超えて添加した場合,鋼の変形抵抗を顕著に増加するという不具合を生じるおそれがあるため添加する場合でも0.05質量%以下とする。
Moを添加することにより鋼の引張強度の増加を図ることができる。ただし,1質量%を超えて添加してもその効果は飽和すること,かつMoは高価な元素であり,コストを抑制する観点から添加する場合でも1質量%以下とする。
また,必要に応じ,1質量%以下の範囲でNi,Cu,Crを添加しても良い。これらの元素を添加すると,鋼板の耐食性を向上させることができる。ただし,1質量%を超えて添加してもその効果は飽和すること,かつ場合によっては製造した鋳片の表面疵の原因となることから添加する場合でもそれぞれ1質量%以下とする。
本発明においては,上述したように介在物の組成を制御した場合,連続鋳造時のノズル閉塞を防止できる。従って,タンディッシュや浸漬ノズル内に,酸化物等の付着防止のためのArやN2等のガスを吹き込む必要がなくなる。その結果,連続鋳造時のパウダー巻き込みによる鋳片のパウダー性欠陥や,吹き込んだガスによる気泡性の欠陥が鋳片に発生するのを防止できるという効果も得られる。
転炉出鋼後の300tonの溶鋼をRH真空脱ガス装置にて脱炭処理し,この溶鋼中に金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を所要濃度まで低下させた(本発明例4を除く)。そしてこの溶鋼に,金属Ti又はFe−Ti合金を添加してTi脱酸した。5分間還流した後,REM合金としてミッシュメタル合金(Ce48%,La37%,Nd10%含有)、金属Ce、Fe−REM合金、あるいは金属Laを所要量添加して介在物改質を行った。この処理を各実施例毎にそれぞれ5回(本発明例4は7回)行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造し,鋳片を製造した。
連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察した。さらに,上記鋳片を定法に従って熱間圧延,冷間圧延を実施し,冷延板を製造した。この冷延板の非金属介在物起因の表面欠陥を評価した。さらに,上記冷延板をプレス加工し,プレス割れの評価を行った。
このとき得られた鋼板の成分,鋳片内の非金属介在物組成および個数,製品板内の介在物組成,個数,形態,さらに成績としてノズル閉塞状況,製品板の表面性状,プレス割れの発生状況を,表1,2中に示す。表1、2において、No.1〜11が本発明例であり、No.12〜25が比較例である。以下の本発明例、比較例の説明において示すNo.は、表1、2のNo.と対応している。
Figure 0004299757
Figure 0004299757
(本発明例1)(No.1)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理後C濃度を0.001質量%に調整した。金属Alを添加後溶鋼中溶存酸素濃度を200ppmまで低下させ、その後金属Tiを用いてTi脱酸を行った。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加した。
連続鋳造終了後のタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルには付着物はほとんど見られなかった。また冷延板には非金属介在物起因の表面欠陥はほとんど認められなかった。さらに,上記冷延板をプレス加工したところ,プレス割れも全く認められなかった。
(本発明例2)(No.2〜9)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を30〜400ppmまで低下させ、その後Fe−Tiを用いてTi脱酸を行った。Ti脱酸のためのFe−Ti合金添加量は目標成分値にあわせて変化させた。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。
連続鋳造終了後のタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルには付着物はほとんど見られなかった。また冷延板には非金属介在物起因の表面欠陥はほとんど認められなかった。さらに,上記冷延板をプレス加工したところ,プレス割れも全く認められなかった。
(本発明例3)(No.10)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を150ppmまで低下させ、その後Fe−Tiを用いてTi脱酸を行った。REM合金として金属CeをREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。
連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルには付着物はほとんど見られなかった。また冷延板には非金属介在物起因の表面欠陥はほとんど認められなかった。さらに,上記冷延板をプレス加工したところ,プレス割れも全く認められなかった。
(本発明例4)(No.11)
転炉で溶鋼を脱炭処理し,出鋼時にAlを添加して予備脱酸を実施した。その後,RH真空脱ガス装置では脱炭を行わずにFe−Ti合金を添加してTi脱酸した。Fe−REM合金(Ce5%,La5%含有)をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。この処理を7回行い,合計2100tonの溶鋼から連続鋳造鋳片を製造した。
連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルには付着物はほとんど見られなかった。また冷延板には非金属介在物起因の表面欠陥はほとんど認められなかった。さらに,上記冷延板をプレス加工したところ,プレス割れも全く認められなかった。
(比較例1)(No.12)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を10ppm以下まで低下させ、その後Fe−Tiを用いてTi脱酸を行った。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造し,鋳片を製造したところ,700ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,1000ton鋳造したところで流量調節が不可能となり鋳造を中止した。
さらにこの鋳片から冷延板を製造したところ,アルミナ介在物起因の表面欠陥が多数発生した。この場合,金属Alにより溶鋼中の溶存酸素濃度を10ppm以下に下げており,介在物がアルミナ主体となり,介在物組成が適正範囲を外れた。
(比較例2)(No.13)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を200ppmまで低下させ,その後Fe−Ti合金を少量添加した。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加した。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,1200ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,湯面変動が見られるようになった。さらに,上記鋳片から冷延板を製造したところ,非金属介在物および気泡起因の表面欠陥が発生した。上記鋳片を調査したところ,COガスを含む気泡が検出された。この場合,Tiによる脱酸が不十分であった。
(比較例3)(No.14)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を150ppmまで低下させ,その後金属Tiを添加してTi脱酸し,Ti濃度0.5質量%なるように調整した。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,1200ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,湯面変動が見られるようになった。連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,Ti酸化物を主体とする非金属介在物の付着が見られた。この場合,Ti濃度が高すぎたため,介在物中のTi酸化物量が多く,介在物組成が適正範囲を外れた。
(比較例4)(No.15)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を200ppmまで低下させ,その後Fe−Ti合金を添加してTi脱酸した。REM合金添加は行わなかった。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,900ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,1200ton鋳造したところで流量調節が不可能となり鋳造を中止した。連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,Ti酸化物を主体とする非金属介在物の付着が見られた。この場合,REM合金の添加を実施しなかったため,介在物組成が適正範囲を外れた。
(比較例5)(No.16,17)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を250ppmまで低下させ,その後Fe−Ti合金を添加してTi脱酸した。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。さらに,溶鋼中にはCa−Si合金ワイヤーを添加しCa処理を行った。
連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,付着物はほとんど見られなかった。また冷延板には非金属介在物起因の表面欠陥はほとんど認められなかった。ところが,上記冷延板をプレス加工したところ,プレス割れが多数発生した。上記冷延板を調査したところ,ほとんど変形していない介在物が多数を占めていた。比較例5の場合,Ca添加を実施したため,介在物中にCaOが混入し,介在物組成が適正範囲を外れており,製品板中の形態も適正範囲を外れた。
(比較例6)(No.18)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を200ppmまで低下させ,その後Fe−Ti合金を添加してTi脱酸した。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。さらに,溶鋼中にFe−S合金を添加し,S濃度を0.06質量%に調整した。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,900ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,1300ton鋳造したところで流量調節が不可能となり鋳造を中止した。連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,REMサルファイドやオキシサルファイドを主体とする非金属介在物の付着が見られた。この場合,S濃度が高すぎたため,REMサルファイドやオキシサルファイドが生成した。
(比較例7)(No.19〜21)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を150ppmまで低下させ,その後Fe−Ti合金を添加してTi脱酸した。その後の環流時間は5分ではなく2分間還流した。その後,REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。
連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,付着物はほとんど見られなかった。また冷延板には非金属介在物起因の表面欠陥はほとんど認められなかった。ところが,上記冷延板をプレス加工したところ,プレス割れが若干発生した。上記冷延板を調査したところ,介在物は変形しているものの,その個数が多くなっていた。この場合,介在物組成は適正範囲であったが,その個数が多かった。
(比較例8)(No.22)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を180ppmまで低下させ,金属Tiを添加してTi脱酸した。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.02kg/ton−steelになるように少量添加して介在物改質を行った。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,1300ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,湯面変動が見られるようになった。連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,Ti酸化物を主体とする非金属介在物の付着が見られた。この場合,REM合金添加量が少なく,介在物中のTi酸化物/REM酸化物比が適正範囲を外れた。
(比較例9)(No.23)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を25ppmまで低下させ,Fe−Ti合金を添加してTi脱酸した。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,1200ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,湯面変動が見られるようになった。連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,アルミナを主体とする非金属介在物の付着が見られた。さらに,上記鋳片から冷延板を製造したところ,アルミナ介在物起因の表面欠陥が発生した。この場合,金属Alの添加量が多すぎたため,介在物中のAl23量が多くなり,介在物組成が適正範囲を外れた。
(比較例10)(No.24)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を200ppmまで低下させ,金属Tiを添加してTi脱酸した。REM合金としてミッシュメタル合金をREM量が0.5kg/ton−steelになるように大量添加して介在物改質を行った。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,700ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,1000ton鋳造したところで流量調節が不可能となり鋳造を中止した。連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,REMサルファイドやオキシサルファイドを主体とする非金属介在物の付着が見られた。この場合,REM合金添加量が多すぎたため,介在物組成が適正範囲を外れ,REMサルファイドやオキシサルファイドが生成した。
(比較例11)(No.25)
RH真空脱ガス装置にて脱炭処理した後の溶鋼中に,金属Alを添加して溶鋼中の溶存酸素濃度を160ppmまで低下させ,金属Tiを添加してTi脱酸した。REM合金として金属LaをREM量が0.15kg/ton−steelになるように添加して介在物改質を行った。
この処理を5回行い,合計1500tonの溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造したところ,1000ton程度鋳造したところからノズル閉塞が発生し,流量調節用のスライディングプレートが開き気味になり,湯面変動が見られるようになった。連続鋳造終了後にタンディッシュノズルおよび浸漬ノズルを観察したところ,Laサルファイドやオキシサルファイドを主体とする非金属介在物の付着が見られた。この場合,Laのみを添加したためLaサルファイドやオキシサルファイドが生成した。
介在物中のS濃度とノズル付着物厚みの関係を示した図。 介在物中のLa23濃度とノズル付着物厚みの関係を示した図。 薄鋼板中の介在物個数がほぼ等しい条件での,介在物中のCaO濃度とプレス割れ発生率の関係を示した図。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.01%以下,Si:1%以下,Mn:3%以下,P:0.15%以下,S:0.05%以下,Al:0.015%以下,Ti:0.005%以上0.3%以下,REM:0.001%以上0.0044%以下,Ca:0.0004%以下,N:0.004%以下であり,残部Feおよび不可避不純物からなり,内部に存在する体積10,000μm3以上1,000,000μm3未満の非金属介在物の平均組成が下記の範囲にあり、REM酸化物とTi酸化物の質量比(REM酸化物/Ti酸化物)が0.1以上5.0未満を満たし、電解抽出される体積1,000,000μm 3 以上の非金属介在物個数が鋼板1kgあたり20個未満であり、内部に存在する体積10,000μm 3 以上1,000,000μm 3 未満の非金属介在物について,圧延方向長さと厚み方向長さの比(圧延方向長さ/厚み方向長さ)の平均値が3以上であることを特徴とする薄鋼板。
    Ti酸化物:10%以上95%未満,REM酸化物:5%以上90%未満(うちLa23:40%未満),Al23:50%未満,CaO:5%未満,S:5%未満。
  2. 付加成分としてさらに質量%で,Nb:0.1%以下,B:0.05%以下,Mo:1%以下の範囲でいずれか1種類以上を含有することを特徴とする請求項1記載の薄鋼板。
  3. 付加成分としてさらに,1質量%以下の範囲でNi,Cu,Crのいずれか1種類以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載の薄鋼板。
  4. 質量%で、C:0.01%以下,Si:1%以下,Mn:3%以下,P:0.15%以下,S:0.05%以下,Al:0.015%以下,Ti:0.005%以上0.3%以下,REM:0.001%以上0.0044%以下,Ca:0.0004%以下,N:0.004%以下であり,残部Feおよび不可避不純物からなり,内部に存在する体積10,000μm3以上1,000,000μm3未満の非金属介在物の平均組成が下記の範囲にあり、REM酸化物とTi酸化物の質量比(REM酸化物/Ti酸化物)が0.1以上5.0未満を満たし、電解抽出される体積1,000,000μm 3 以上の非金属介在物個数が鋳片1kgあたり200個未満であることを特徴とする鋳片。
    Ti酸化物:10%以上95%未満,REM酸化物:5%以上90%未満(うちLa23:40%未満),Al23:50%未満,CaO:5%未満,S:5%未満。
  5. 付加成分としてさらに質量%で,Nb:0.1%以下,B:0.05%以下,Mo:1%以下のいずれか1種類以上を含有することを特徴とする請求項記載の鋳片。
  6. 付加成分としてさらに,1質量%以下の範囲でNi,Cu,Crのいずれか1種類以上を含有することを特徴とする請求項または記載の鋳片。
  7. 溶存酸素濃度が30ppm以上400ppm未満になるように予備脱酸処理を行い,次いでTi含有合金を添加してTi脱酸を行い,その後REM含有合金を添加して溶鋼を溶製し,連続鋳造を実施し,請求項4〜6のいずれかに記載の鋳片を製造することを特徴とする連続鋳造鋳片の製造方法。
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