本発明の実施形態は、液晶ディスプレイの分野に関し、特に、バックライト回路、電子機器、及びバックライト調節方法に関する。
例えばスマートフォン及びタブレットコンピュータなどの電子機器は、表示コンポーネントとして液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、略してLCD)を用いている。
LCDは、バックライト回路によって提供されるバックライトを用いるだけで通常の表示を行うことができる。バックライト回路は、バックライトコントローラによって制御される。バックライト回路は、バックライト電源チップと、該バックライト電源チップに接続されたバックライト発光ダイオード(Light Emitting Diode、略してLED)とを含む。動作過程において、バックライト電源チップは、バックライトコントローラによって送られるパルス幅変調(Pulse−Width Modulation、略してPWM)信号を受け取る。バックライト電源チップは、パルス幅変調信号に従ってバックライトLEDに駆動電流を出力する。バックライトLEDは、駆動電流に従ってバックライトを放出する。駆動電流の大きさとバックライト強度とは正の相関関係にあり、すなわち、より大きい駆動電流はより高いバックライト強度を示し、より小さい駆動電流はより低いバックライト強度を示す。
バックライト電源チップのハードウェア性能によって制限されて、バックライト電源チップによって出力される駆動電流の大きさは、限られた範囲内に収まってしまう。結果として、バックライトLEDによって出力されるバックライト輝度も、限られた輝度範囲内に収まってしまう。換言すれば、バックライトLEDによって出力される最低輝度又は最高輝度は、設計において開発者の期待する理想的な輝度ではなく、バックライトLEDによって実際に出力されることができる限られた輝度である。
バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは、限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライトLEDによって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまうという問題、を解決するために、本発明の実施形態は、バックライト回路、電子機器、及びバックライト調節方法を提供する。技術的ソリューションは以下のとおりである。
第1の態様によれば、本発明の一実施形態はバックライト回路を提供し、当該バックライト回路は、バックライト電源チップと、アジャスタブル抵抗回路とを含み、上記バックライト電源チップは、基準電流を設定するように構成された設定ピンと、入力ピンと、出力ピンとを含み、上記アジャスタブル抵抗回路の一端が上記設定ピンに接続され、上記アジャスタブル抵抗回路の他端が接地され、上記アジャスタブル抵抗回路は、第1の抵抗ブランチと、第2の抵抗ブランチとを含み、該第1の抵抗ブランチ及び該第2の抵抗ブランチは、異なる基準電流を生成するために使用される異なる抵抗値を有し、上記アジャスタブル抵抗回路は制御端を有し、該制御端は、切り換え信号を受け取るとともに、該切り換え信号に従って、上記設定ピンに接続される抵抗ブランチを、上記第1の抵抗ブランチと上記第2の抵抗ブランチとの間で切り換えるように構成され、且つ上記バックライト電源チップは、上記基準電流に基づいて、且つ上記入力ピンによって受け取られるPWM信号のデューティサイクルに従って、駆動電流を生成するとともに、上記出力ピンを用いることによって上記駆動電流を出力するように構成され、上記駆動電流は、バックライト源を駆動してバックライトを送出するために使用される。
第1の態様にて提供されるバックライト回路においては、バックライト電源チップの設定ピンが、アジャスタブル抵抗回路に接続され、該アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流は基準電流に基づいて生成されるので駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライト源によって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
上記第1の態様の第1の取り得る実装において、上記アジャスタブル抵抗回路は、セレクタスイッチと、少なくとも2つの抵抗ブランチとを含み、該少なくとも2つの抵抗ブランチのうちのいずれか1つが上記第1の抵抗ブランチであり、該少なくとも2つの抵抗ブランチのうちの他のものが上記第2の抵抗ブランチであり、上記セレクタスイッチは、上記制御端と、選択端とを含み、且つ上記選択端は、上記制御端によって受け取られる上記切り換え信号に従って、上記設定ピンに接続される抵抗ブランチを、上記第1の抵抗ブランチと上記第2の抵抗ブランチとの間で切り換えるように構成される。この実装では、セレクタスイッチ及び少なくとも2つの抵抗ブランチがアジャスタブル抵抗回路内に配置され、3つの抵抗ブランチ、4つの抵抗ブランチ、又は更に多くの抵抗ブランチがアジャスタブル抵抗回路内に実装されることで、駆動電流に関するいっそう大きい電流値調節範囲を実現する。
上記第1の態様の上記第1の取り得る実装を参照するに、第2の取り得る実装において、上記アジャスタブル抵抗回路は、直列に接続された第1の抵抗及び第2の抵抗を含み、上記第1の抵抗及び上記第2の抵抗が上記第1の抵抗ブランチを形成し、上記第2の抵抗が上記第2の抵抗ブランチを形成し、又は上記第1の抵抗及び上記第2の抵抗が上記第2の抵抗ブランチを形成し、上記第2の抵抗が上記第1の抵抗ブランチを形成する。この実装では、回路が、単純な形態を持つとともに、回路基板上で容易に設計されて製造されるように、直列抵抗を用いることによって、アジャスタブル抵抗回路内の抵抗ブランチが実装される。
上記第1の態様の上記第1の取り得る実装を参照するに、第3の取り得る実装において、上記アジャスタブル抵抗回路は、並列に接続された第3の抵抗及び第4の抵抗を含み、上記第3の抵抗が上記第1の抵抗ブランチを形成し、且つ上記第4の抵抗が上記第2の抵抗ブランチを形成する。この実装では、回路が、単純な形態を持つとともに、回路基板上で容易に設計されて製造されるように、並列抵抗を用いることによって、アジャスタブル抵抗回路内の抵抗ブランチが実装される。
上記第1の態様、又は上記第1の態様の上記第1の取り得る実装、又は上記第1の態様の上記第2の取り得る実装、又は上記第1の態様の上記第3の取り得る実装を参照するに、第5の取り得る実装において、上記切り換え信号は、期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチとは異なる場合に、バックライトコントローラによって送られ、且つ、上記期待輝度値は、上記バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用される。
第2の態様によれば、本発明の一実施形態は電子機器を提供し、当該電子機器は、バックライトコントローラと、メモリと、上記第1の態様、又は上記第1の態様のいずれかの取り得る実装にて提供される上記バックライト回路及び上記バックライト源とを含み、上記メモリは、上記バックライトコントローラに接続され、上記メモリは、上記バックライトコントローラの実行可能プログラムを格納し、
上記バックライトコントローラは、上記バックライト回路の上記入力ピンに接続されるとともに、上記PWM信号を上記バックライト電源チップに送るように構成され、上記バックライトコントローラは、上記バックライト回路内の上記制御端に接続されるとともに、上記切り換え信号を上記アジャスタブル抵抗回路に送るように構成され、且つ
上記バックライト回路内の上記バックライト電源チップの上記出力ピンは、上記バックライト源に接続され、上記バックライト源は、上記駆動電流に従ってバックライトを放出するように構成される。
上記第2の態様の第1の取り得る実装において、上記バックライトコントローラは中央演算処理ユニット(Central Processing Unit、略してCPU)であり、又は上記バックライトコントローラ220はグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、略してGPU)であり、又は上記バックライトコントローラ220はLCDドライバ集積回路(Driver integrated circuit、略してDrive IC)である。
上記第2の態様の第2の取り得る実装において、上記バックライトコントローラは、上記メモリ内の命令を実行するように構成され、上記バックライトコントローラは、上記命令を実行することによって、以下の第3の態様、又は第3の態様のいずれかの取り得る実装にて提供されるバックライト調節方法を遂行する。
第3の態様によれば、本発明の一実施形態は、第2の態様に従った電子機器の上記バックライトコントローラに適用されるバックライト調節方法を提供し、当該方法は、上記バックライトコントローラにより期待輝度値を取得し、該期待輝度値は、上記バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用され、上記バックライトコントローラにより、上記期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定し、該抵抗ブランチは、上記第1の抵抗ブランチ又は上記第2の抵抗ブランチのいずれかであり、上記期待輝度値に対応する上記抵抗ブランチが、上記設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なる場合に、上記バックライトコントローラにより、切り換え信号を上記アジャスタブル抵抗回路の制御端に送り、且つ、上記バックライトコントローラにより、PWM信号を上記バックライト電源チップに送り、上記PWM信号のデューティサイクルは上記期待輝度値に対応し、上記バックライト電源チップは、上記基準電流に基づいて、且つ上記PWM信号の上記デューティサイクルに従って、駆動電流を生成するとともに、該駆動電流を上記バックライト源に送るように構成され、上記バックライト源は上記駆動電流に従ってバックライトを放出するように構成される、ことを含む。
第3の態様にて提供されるバックライト調節方法によれば、バックライトコントローラが、期待輝度値を取得し、該期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なるときに、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流は基準電流に基づいて生成されるので駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライト源によって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
上記第3の態様の第1の取り得る実装において、上記切り換え信号を上記アジャスタブル抵抗回路の上記制御端に送る前に、当該方法は更に、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1まで徐々に増大させることを含み、上記最大デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、又は、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル1まで徐々に低減させることを含み、上記最小デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、又は、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル2まで徐々に低減させることを含み、上記最小デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、又は、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル2まで徐々に増大させることを含み、上記最大デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。この実装では、切り換え信号が送られる前にPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度が急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。
上記第3の態様の第2の取り得る実装において、上記PWM信号を上記バックライト電源チップに送ることは、上記PWM信号のデューティサイクルが上記期待輝度値に対応するとして、上記期待輝度値に対応する上記デューティサイクルをクエリーし、そして、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル2から上記デューティサイクルまで徐々に増大させ、上記最小デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、又は、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル2から上記デューティサイクルまで徐々に低減させ、上記最大デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、又は、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1から上記デューティサイクルまで徐々に低減させ、上記最大デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、又は、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル1から上記デューティサイクルまで徐々に増大させ、上記最小デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルである、ことを含む。この実装では、切り換え信号が送られた後にPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度が急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。
以上の全ての態様、又は全ての態様の全ての取り得る実装を参照するに、取り得る一実装において、上記第1の抵抗ブランチの抵抗値R1及び上記第2の抵抗ブランチの抵抗値R2が、以下の条件:
R1≧R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1;又は
R1≦R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2
を満たし、
ただし、上記最小デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、上記最大デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、上記最小デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、上記最大デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。この実装では、いっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲を実装するように、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲と第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲とを、連続した電流値調節範囲へと組み合わせることができるよう、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1=R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2と仮定される。このいっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲によれば、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換えが行われるときにちらつきが存在しない。
本発明の実施形態における技術的ソリューションをいっそう明瞭に説明するため、以下、実施形態を説明するのに必要な添付図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明において添付図面は単に本発明の一部の実施形態を示すに過ぎず、当業者はなおも、創作努力なしで、添付図面からその他の図を導き出し得る。
既存の電子機器の概略構成図である。
本発明の一実施形態に従った電子機器の概略構成図である。
本発明の一実施形態に従ったアジャスタブル抵抗回路の概略構成図である。
本発明の他の一実施形態に従ったアジャスタブル抵抗回路の概略構成図である。
本発明の他の一実施形態に従ったアジャスタブル抵抗回路の概略構成図である。
本発明の一実施形態に従った電子機器の概略構成図である。
図4に示した電子機器がバックライト調節を実行するときの概略原理図である。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の目的、技術的ソリューション、及び利点をいっそう明瞭にするため、以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1を参照するに、図1は、既存の電子機器100の概略構成図を示している。電子機器100は、バックライトコントローラ120、メモリ140、バックライト電源チップ160、及びバックライト源180を含んでいる。
バックライトコントローラ120は中央演算処理ユニット(Central Processing Unit、略してCPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ120はグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、略してGPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ120はLCDドライバ集積回路(Driver integrated circuit、略してDrive IC)であってもよい。
メモリ140は、バックライトコントローラ120の実行可能命令を格納する。メモリ140は、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、略してSRAM)、電気的消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory、略してEEPROM)、消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、略してEPROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(Programmable Read−Only Memory、略してPROM)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、略してROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなど、如何なるタイプの又は組み合わせの揮発性記憶デバイス及び不揮発性記憶デバイスによって実装されてもよい。
バックライト電源チップ160は、PWM信号に基づいて駆動電流を出力する集積回路チップである。バックライト電源チップ160は、入力ピンIN、設定ピンISET、及び出力ピンOUTを含んでいる。バックライト電源チップ160の内部が基準電流源回路162を含んでいる。
入力ピンINは、バックライトコントローラ120に接続されている。
設定ピンISETは、バックライト電源チップ160の内部の基準電流源回路162に接続されている。設定ピンISETは更に、バックライト電源チップ160の外部の抵抗RISETの一端に接続され、抵抗RISETの他端は接地されている。
基準電流源回路162は、基準電流IFB_fullを提供するように構成されており、基準電流を計算するための公式は以下のとおりである:
IFB_full=VISET_full/RISET×KISET_full 公式1
VISET_fullは、その電圧値が固定されて不変である基準電圧である。KISET_fullは固定パラメータであり、KISET_fullは基準電流源回路162内の電子素子の電気的性能によって決定される。明らかなように、VISET_full、RISET、KISET_fullの3つのパラメータは全て固定値であるため、基準電流源回路162によって提供される基準電流の電流値も固定値である。
また、バックライト電源チップ160の一方のピンは電源VBATに接続され、他方のピンは接地されている。
バックライト源180は、一般にバックライトLEDである。バックライト源180の一端は電源VBATに接続され、他端はバックライト電源チップ160の入力ピンOUTに接続される。
動作において、バックライトコントローラ140は、所定のバックライト制御ポリシーに従って期待輝度値を生成する。期待輝度値は、バックライトコントローラ120によって期待されるバックライト源180によって放出されるバックライト輝度である。例えば、所定のバックライト制御ポリシーは、周辺光の輝度が暗くなるとき、期待輝度値が低下され、そして、周辺光の輝度が明るくなるとき、期待輝度値が上昇されるというものである。
期待輝度値は、一般に9ビット又は11ビットの2進数で表され、バックライトレジスタReg_Isetに格納される。この実施形態では、9ビットによる表現が一例として用いられる。期待輝度値は000000000、すなわち、10進表記で0であり、又は期待輝度値は111111111、すなわち、10進表記で511である。なお、期待輝度値は、輝度レベル又は輝度タップ位置の単なる表し方であり、実際の物理量における輝度値とは等しくない。
バックライトコントローラ140は、予め格納された“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルから、期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーする。“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、メモリ140に格納されている。表1は、一例としての“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルを示している。読み取り及び理解の容易さのために、以下の説明では、全ての期待輝度値が10進表記で表される。
明らかなように、期待輝度値の値域は[0,511]であり、デューティサイクルの値域は[1%、100%]であるため、2つの隣り合う期待輝度値間のデューティサイクルの調節ステップ幅はおよそ0.19%である。バックライトコントローラ140は、そのデューティサイクルを満足するPWM信号をバックライト電源チップ160の入力ピンに送る。例えば、期待輝度値が4であり、バックライトコントローラ140は、そのデューティサイクルが1.76%であるPWM信号をバックライト電源チップ160の入力ピンに送る。
バックライト電源チップ160は、PWM信号を受け取った後、PWM信号のデューティサイクルに従って、基準電流に基づいて駆動電流を生成する。駆動電流の大きさ及びPWM信号のデューティサイクルは、正比例の関係にある。駆動電流の電流値を計算するための公式は、以下のとおりである:
IFBX=IFB_full×Duty 公式2
IFB_fullは基準電流であり、Dutyはデューティサイクルである。
例えば、PWM信号のデューティサイクルが1%であり、且つ基準電流が20mAである場合、駆動電流=20mA×1%=0.2mAである。別の一例で、PWM信号のデューティサイクルが100%であり、且つ基準電流が20mAである場合、駆動電流=20mA×100%=20mAである。
バックライト電源チップ160の物理的性能によって制限されて、バックライト電源チップ160によって受け取られることができる最小デューティサイクルは1%であり、故に、バックライト電源チップ160によって出力されることができる最小駆動電流は、1%×基準電流にほぼ等しく、そして、最大駆動電流は100%×基準電流にほぼ等しく、すなわち、駆動電流の電流値調節範囲は、[1%×IFB_full,100%×IFB_full]である。表1の例を参照するに、電流値調節範囲は[2mA、20mA]である。明らかなように、電流値調節範囲は比較的限られたものである。
駆動電流の電流値調節範囲が比較的限られたものであるため、一部の暗い状態では、最小の駆動電流を用いてバックライト源180を駆動するが、バックライト源180によって放出されるバックライトが依然としてかなり強く、それによりユーザの眼をくらませる。同様に、一部の明るい条件では、最大の駆動電流を用いてバックライト源180を駆動するが、バックライト源180によって放出されるバックライトが依然として弱すぎて、液晶ディスプレイ上に表示されるコンテンツをはっきりと見ることができない。
また、電流値調節範囲内の最大調節ステップ数は512ステップであり、2つの隣り合うバックライト輝度値間の駆動電流の電流値の変化は、基準電流のおよそ0.19%である。
上の公式2によれば、駆動電流の電流値が基準電流に関係することを学ぶことができる。本発明は、より小さい電流値を持つ駆動電流、又はより大きい電流値を持つ駆動電流を得るために、本発明の一実施形態は、より大きい電流値域を有する駆動電流が基準電流の変更に基づいて得られる技術的ソリューションを提供する。また、上の公式1を参照するに、基準電流を変更する必要がある場合に抵抗RISETの抵抗値を変更してもよいことを学ぶことができる。以上の考えに基づき、以下の実施形態が提供される。
図2を参照するに、図2は、本発明の一実施形態に従った電子機器200の概略構成図を示している。電子機器200は、バックライトコントローラ220、メモリ240、バックライト電源チップ260、アジャスタブル抵抗回路270、及びバックライト源280を含んでいる。
バックライトコントローラ220は中央演算処理ユニット(Central Processing Unit、略してCPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ220はグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、略してGPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ220はLCDドライバ集積回路(Driver integrated circuit、略してDrive IC)であってもよい。
メモリ240は、バックライトコントローラ220の実行可能命令を格納する。メモリ240は、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、略してSRAM)、電気的消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory、略してEEPROM)、消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、略してEPROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(Programmable Read−Only Memory、略してPROM)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、略してROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなど、如何なるタイプの又は組み合わせの揮発性記憶デバイス及び不揮発性記憶デバイスによって実装されてもよい。
バックライト電源チップ260は、入力ピンIN、基準電流を設定するように構成された設定ピンISET、及び出力ピンOUTを含んでいる。バックライト電源チップ260の内部が更に基準電流源回路262を含んでいる。
入力ピンINは、バックライトコントローラ220に接続されている。動作において、バックライトコントローラ220は、入力ピンINにPWM信号を送るように構成される。
アジャスタブル抵抗回路270の一端は設定ピンISETに接続され、アジャスタブル抵抗回路270の他端は接地されている。アジャスタブル抵抗回路270は、第1の抵抗ブランチ272及び第2の抵抗ブランチ274を含んでいる。第1の抵抗ブランチ272の抵抗値は、第2の抵抗ブランチ274の抵抗値とは異なる。なお、図2は第1の抵抗ブランチ272及び第2の抵抗ブランチ274を示しているが、これは抵抗ブランチの数についての限定を構成するものではない。例えば、図3Aは更に別の抵抗ブランチを含む複数の抵抗ブランチを示している。
アジャスタブル抵抗回路270は、制御端C1を含んでいる。制御端C1は、バックライトコントローラ220に接続されている。バックライトコントローラ220は、駆動電流の調節範囲を変更する必要がある場合に制御端C1に切り換え信号を送るように構成される。
制御端C1は、切り換え信号を受け取り、切り換え信号に従って、設定ピンISETに接続される抵抗ブランチを、第1の抵抗ブランチ272から第2の抵抗ブランチ274に切り換えるように構成される。バックライト電源チップ260は基準電流源回路262を含んでおり、基準電流源回路262は基準電流を提供するように構成される。設定ピンISETに接続される抵抗ブランチの抵抗値が変化するとき、バックライト電源チップ260における基準電流の電流値も変化する。基準電流の大きさ及び設定ピンISETに接続される抵抗ブランチの抵抗値は、反比例の関係にある。
バックライト電源チップ220の出力ピンOUTは、バックライト源460の一端に接続されている。バックライト源460は、一般にバックライトLEDである。オプションで、バックライト源460の他端は電源VBATに接続される。
オプションで、バックライト電源チップ260及びアジャスタブル抵抗回路270は、電子機器のメイン基板上に集積され得る。該メイン基板上には、一般に、バックライトコントローラ220、メモリ240、及び他の電子デバイスが配置されている。バックライト電源チップ260は、メイン基板に配置された集積回路チップである。バックライト電源チップ260は、メイン基板上の導電ラインを用いることによってアジャスタブル抵抗回路270に電気的に接続される。
オプションで、設定ピンISETは、異なる実施形態では、例えばフルスケール設定ピンといった異なる名称を有し得るが、それらの設定ピンは全て、基準電流を設定するように構成されたピンである。この実施形態において、設定ピンISETの名称について特定の限定は課されない。
図3Aを参照するに、図3Aは、一例としてのアジャスタブル抵抗回路270の概略構成図を示している。このアジャスタブル抵抗回路270は、セレクタスイッチ271、第1の抵抗ブランチ272、及び第2の抵抗ブランチ274を含んでいる。
セレクタスイッチ271は、制御端C1と選択端C2とを含んでいる。
制御端C1は、バックライトコントローラ220に接続するように構成される。
選択端C2は、制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、設定ピンISETと、第1の抵抗ブランチ272又は第2の抵抗ブランチ272のいずれかとを接続するように構成される。
オプションで、明るい条件において、選択端C2は、制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、設定ピンISETと、より小さい抵抗値を持つ抵抗ブランチとを接続し、それにより、バックライト電源チップ220における基準電流の電流値がいっそう大きい電流値になるようにして、同じデューティサイクルの条件でいっそう大きい駆動電流を出力し、より高いバックライト輝度を得るようにする。暗い条件において、選択端C2は、制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、設定ピンISETと、より大きい抵抗値を持つ抵抗ブランチとを接続し、それにより、バックライト電源チップ270における基準電流の電流値がいっそう小さい電流値になるようにして、同じデューティサイクルの条件でいっそう小さい駆動電流を出力し、より低いバックライト輝度を得るようにする。
オプションで、制御端C1は、汎用入出力(General Purpose Input Output、略してGPIO)を満たす制御端C1である。
オプションで、アジャスタブル抵抗回路270内に2つの抵抗ブランチが存在する。しかしながら、実施形態要求に従って、3つ、4つ、又は更に多くの抵抗ブランチが配置されてもよい。この実施形態において、アジャスタブル抵抗回路270内の抵抗ブランチの数について限定は課されない。
オプションで、アジャスタブル抵抗回路270は、集積可変抵抗器を用いることによって実装される。
オプションで、アジャスタブル抵抗回路270内の抵抗ブランチは、直列回路又は並列回路を用いることによって実装される。
例えば、図3Bを参照するに、図3Bは、直列回路を用いることによって実装されるアジャスタブル抵抗回路270の概略構成図を示している。このアジャスタブル抵抗回路270は、セレクタスイッチ271と、直列に接続された第1の抵抗RISET1及び第2の抵抗RISET2とを含んでいる。
第1の抵抗RISET1及び第2の抵抗RISET2が第2の抵抗ブランチ274を形成し、第2の抵抗RISET2が第1の抵抗ブランチ272を形成する。
第2の抵抗RISET2の一端が設定ピンISETに接続され、第2の抵抗RISET2の他端が第1の抵抗RISET1の一端に接続され、そして、第1の抵抗RISET1の他端が接地される。制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、セレクタスイッチ271における選択端C2がディスエーブルされるとき、設定ピンISETは第2の抵抗ブランチ274に接続され、セレクタスイッチ271における選択端C2がイネーブルされるとき、設定ピンISETは第1の抵抗ブランチ272に接続される。
例えば、図3Cを参照するに、図3Cは、並列回路を用いることによって実装されるアジャスタブル抵抗回路270の概略構成図を示している。このアジャスタブル抵抗回路270は、セレクタスイッチ271と、直列に接続された第3の抵抗RISET1及び第4の抵抗RISET2とを含んでいる。
第3の抵抗RISET1が第1の抵抗ブランチ272を形成し、第4の抵抗RISET2が第2の抵抗ブランチ274を形成する。第3の抵抗RISET1及び第4の抵抗RISET2は異なる抵抗値を持つ。
第3の抵抗RISET1の一端及び第4の抵抗RISET2の一端が接地される。第3の抵抗RISET1の他端及び第4の抵抗RISET2の他端が、セレクタスイッチ271の選択端C2を用いることによって、設定ピンISETに接続される。制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、セレクタスイッチ271における選択端が第3の抵抗RISET1に接続されるとき、設定ピンISETは第1の抵抗ブランチ272に接続され、セレクタスイッチ271における選択端が第4の抵抗RISET2に接続されるとき、設定ピンISETは第2の抵抗ブランチ274に接続される。
当業者が予見し得ることには、アジャスタブル抵抗回路270の多数の実装が存在する。この実施形態は、単に一例としてのアジャスタブル抵抗回路270の2つの実装を示すにすぎず、アジャスタブル抵抗回路270の特定の実装について限定は課されない。
公式2によれば、デューティ比の値域が不変であるとき、基準電流の電流値が変化することで、駆動電流の電流値調節範囲が、図1に示される1つの電流値調節範囲[最小デューティサイクル×IFB_full,最大デューティサイクル×IFB_full]から、2つの電流値調節範囲[最小デューティサイクル1×I1,最大デューティサイクル1×I1]及び[最小デューティサイクル2×I2,最大デューティサイクル2×I2]へと増加されることを学ぶことができる。I1は、設定ピンISETが第1の抵抗ブランチ272に接続されるときの基準電流であり、I2は、設定ピンISETが第2の抵抗ブランチ274に接続されるときの基準電流である。
第1の抵抗ブランチ272の抵抗値がR1であり、第2の抵抗ブランチ274の抵抗値がR2であると仮定する。
電流値調節範囲[最小デューティサイクル1×I1,最大デューティサイクル1×I1]における最大駆動電流が、電流値調節範囲[最小デューティサイクル2×I2,最大デューティサイクル2×I2]における最小駆動電流以下であること、すなわち、最大デューティサイクル1×I1≦最小デューティサイクル2×I2であることを確保するためには、公式1を参照して、R1及びR2が以下の条件:
R1≧R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1
を満たす必要がある。
あるいは、電流値調節範囲[最小デューティサイクル1×I1,最大デューティサイクル1×I1]における最小駆動電流が、電流値調節範囲[最小デューティサイクル2×I2,最大デューティサイクル2×I2]における最大駆動電流以上であること、すなわち、最小デューティサイクル1×I1≧最大デューティサイクル2×I2であることを確保するためには、公式1を参照して、R1及びR2が以下の条件:
R1≦R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2
を満たす必要がある。
なお、最小デューティサイクル1及び最小デューティサイクル2は通常は同じであり、それらの双方が1%である。しかしながら、取り得る一実施形態において、最小デューティサイクル1及び最小デューティサイクル2は異なることがあり、例えば、最小デューティサイクル1=10%、及び最小デューティサイクル2=1%であることがある。同様に、最大デューティサイクル1及び最大デューティサイクル2は通常は同じであり、それらの双方が100%である。しかしながら、取り得る一実施形態において、最大デューティサイクル1及び最大デューティサイクル2は異なることがあり、例えば、最大デューティサイクル1=100%、及び最大デューティサイクル2=90%であることがある。これは、この実施形態において限定されることではない。この実施形態では、最小デューティサイクル1及び最小デューティサイクル2が同じであり、それらの双方が1%であるとともに、最大デューティサイクル1及び最大デューティサイクル2が通常は同じであり、それらの双方が100%である一例を用いて説明する。
この実施形態では、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1である一例を説明に用いる。VISET_full=1.229V、KISET_full=1030、R1=6340K、及びR2=63.4Kであると仮定する。第1の抵抗ブランチ272に対応する電流値調節範囲は[0.002mA,0.2mA]であり、第2の抵抗ブランチ274に対応する電流値調節範囲は[0.2mA,20mA]である。
アジャスタブル抵抗回路270内の2つの抵抗ブランチを用いることによってバックライト調節を実行するために、メモリ240は3つの対応テーブルを格納し得る。これら3つの対応テーブルは、それぞれ、期待輝度値とサブテーブル(subtable)輝度値との間の要約対応テーブル、第1の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブル、及び第2の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルである。第1の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、略して第1対応テーブルとして参照されることがある。第2の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、略して第2対応テーブルとして参照されることがある。容易に理解されることには、対応テーブルは、単に対応を記述するために使用されており、対応テーブルの提示形態は表に限定されない。また、理解及び説明の容易さのために、この実施形態では3つの対応テーブルを用いている。これは、表の数についての限定を構成するものではなく、3つの対応テーブルを1つのテーブルに統合することもできる。
期待輝度値とサブテーブル輝度値との間の要約対応テーブルは、略して要約テーブルとして参照されることがある。要約テーブル内の期待輝度値の値域のうち一部における期待輝度値は、第1対応テーブル内のサブテーブル輝度値に対応しており、すなわち、値域の該一部における期待輝度値は第1の抵抗ブランチに対応している。要約テーブル内の期待輝度値の値域のうち別の一部における期待輝度値は、第2対応テーブル内のサブテーブル輝度値に対応しており、すなわち、値域の該別の一部における期待輝度値は第2の抵抗ブランチに対応している。例えば、要約テーブルを表2に示す。
表2において、期待輝度値が0から255までであるとき、その期待輝度値は第1の抵抗ブランチに対応している。このケースでは、第1対応テーブルにおける期待輝度値とサブテーブル輝度値との間の対応は、サブテーブル輝度値=期待輝度値/255×511の四捨五入値である。期待輝度値が256から511までであるとき、その期待輝度値は第2の抵抗ブランチに対応している。このケースでは、第2対応テーブルにおける期待輝度値とサブテーブル輝度値との間の対応は、サブテーブル輝度値=(期待輝度値−256)/255×511の四捨五入値である。
第1対応テーブルは、バックライト電源チップ260の設定ピンISETが第1の抵抗ブランチに接続されるときに実際に使用される“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルである。例えば、第1対応テーブルを表3に示す。
第2の“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、略して第2対応テーブルとして参照されることがある。第2対応テーブルは、バックライト電源チップ220の設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときに使用される必要がある“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルである。例えば、第2対応テーブルを表4に示す。
バックライトコントローラ220によってバックライトを調節する具体的な一手法は以下のとおりである。
電子機器200が電源投入されるとき、バックライトコントローラ220は、バックライトレジスタReg_Isetからデフォルトの期待輝度値(予め設定された値、又は電子機器200が前回にスイッチオフされたときの値)を読み出す。例えば、期待輝度値は259であり、要約テーブル内の259なる期待輝度値は、第2対応テーブル内の6なるサブテーブル輝度値に対応しており、すなわち、259なる期待輝度値は、第2の抵抗ブランチ274に対応している。バックライトコントローラ220は、アジャスタブル抵抗回路270内の第2の抵抗ブランチ274を設定ピンISETに接続するように制御する。また、バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内で、サブテーブル輝度値6に対応するデューティサイクルが2.14%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクルが2.14%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は20mAであり、20×2.14%=4.28mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、4.28mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
電子機器200の動作過程において、3つの要因が期待輝度値の変化を生じさせ得る。
1つ目は、ユーザが手動で期待輝度値を変更する。
バックライト輝度の調節制御が、電子機器の設定インタフェースにて提供される。調節制御は概して、図4に示すようなボタン420及びドラッグバー440を含むドラッグ調節制御である。ユーザは、ボタン420をドラッグバー440の異なる位置にドラッグして期待輝度値を変更する。
2つ目は、アプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックに従って期待輝度値を変更する。
バックライトコントローラ220によって期待輝度値に対して行われる調節は、オペレーティングシステムレベルで制御するものである。オペレーティングシステムはアプリケーション層を含んでおり、アプリケーション層にて、例えば、インスタントメッセージングプログラム、電子書籍読書プログラム、電話プログラム、及びショートメッセージサービスプログラムといった様々なアプリケーションプログラムが実行される。或るアプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックによって期待輝度値を変更する。例えば、アプリケーションプログラムが電子書籍読書プログラムであるとき、夜間読書モードにおいて期待輝度値が50に変更される。別の一例では、アプリケーションプログラムが電話プログラムであるとき、通話モードにおいて期待輝度値が0に変更される。
3つ目は、オペレーティングシステムが、周辺光強度に従って期待輝度値を変更する。
通常、電子機器上に更に光センサが配設され、その光センサを用いることによって周辺光強度が収集される。オペレーティングシステムは、周辺光強度に従って期待輝度値を変更することができる。例えば、周辺光強度がAであるときには期待輝度値が100に設定され、周辺光強度がBであるときには期待輝度値が200に設定される。
この実施形態において、期待輝度値を変更する手法に限定は課されない。
取り得る一実施形態において、259なるデフォルトの期待輝度値が、ユーザによって手動で258に変更される。バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、258なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第2対応テーブル内の4であること、すなわち、258なる期待輝度値に対応する抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であることを見出す。この場合、設定ピンISETに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であるため、抵抗ブランチは切り換えられる必要がない。バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内で、4なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが1.76%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクル1.76%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は20mAであり、20×1.76%=0.352mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、0.352mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
取り得る他の一実施形態において、259なるデフォルトの期待輝度値が、ユーザによって手動で50に変更される。バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、50なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第1対応テーブル内の100であること、すなわち、50なる期待輝度値に対応する抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチ272であることを見出す。この場合、設定ピンISETに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であるため、バックライトコントローラ220は、設定ピンISETに接続されている第2の抵抗ブランチ274を、第1の抵抗ブランチ272に切り換える必要がある。バックライトコントローラ220は、先ず、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路270の制御端C1に送る。切り換え信号を受け取った後、アジャスタブル抵抗回路270は、設定ピンISETと第1の抵抗ブランチ272とを接続する。次いで、バックライトコントローラ220は、第1対応テーブル内で、100なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクル20%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は0.2mAであり、0.2×20%=0.04mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、0.04mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
ユーザによって手動で期待輝度値が50から260まで変更される場合、バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、260なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第2対応テーブル内の8であること、すなわち、260なる期待輝度値に対応する抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であることを見出す。この場合、設定ピンISETに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチ272であるため、バックライトコントローラ220は、設定ピンISETに接続されている第1の抵抗ブランチ272を、第2の抵抗ブランチ274に切り換える必要がある。バックライトコントローラ220は、先ず、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路270の制御端C1に送る。切り換え信号を受け取った後、アジャスタブル抵抗回路270は、第2の抵抗ブランチ274と設定ピンISETとを接続する。次いで、バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内で、8なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが2.52%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクル2.52%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は20mAであり、20×2.52%=0.504mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、0.504mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
しかしながら、実験においてエンジニアが見出すことには、期待輝度値が50から260に直接切り換えられると、駆動電流が0.04mAから0.504mAに急に変化し、変化振幅が10倍よりも大きいため、ユーザの視点からは、バックライトがちらついた後に突然明るくなる。バックライトのちらつきは、ユーザの眼をくらませるとともに、バックライト源280の物理的寿命の消費を加速させる。より好適な一実施形態では、ユーザの眼がバックライト変化過程によりよく適応することができるとともにバックライト源280の物理的寿命が保護されるように、駆動電流が徐々に変化される必要がある。
具体的には、ユーザによって手動で期待輝度値が50から260まで変更される場合、バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、50なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第1対応テーブル内の100であること、すなわち、260なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第2対応テーブル内の8であること見出す。
切り換え信号を送る前に、バックライトコントローラ220は、切り換え前の現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、100%なる最大デューティサイクル1まで徐々に増大させる。詳細は以下のとおりである。
バックライトコントローラ220は、先ず、第1対応テーブル内の100なるサブテーブル輝度値に1を加算して、101なるサブテーブル輝度値を取得し、第1対応テーブル内で、101なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20.19%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが20.19%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.04038mAである。
次いで、バックライトコントローラ220は、第1対応テーブル内の101なるサブテーブル輝度値に1を加算して、102なるサブテーブル輝度値を取得し、第1対応テーブル内で、102なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20.38%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが20.38%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.04076mAである。
次いで、バックライトコントローラ220は、第1対応テーブル内の102なるサブテーブル輝度値に1を加算して、103なるサブテーブル輝度値を取得し、第1対応テーブル内で、103なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20.57%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが20.57%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.04114mAである。
同様にすることにより、第1対応テーブル内の最大値511を得るまでサブテーブル輝度値に逐次に1を加算すると、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクルが100%であるPWM信号を出力する。この場合、図5に示すように、駆動電流は0.2mAである。
切り換え信号を送った後、バックライトコントローラ220は更に、切り換え後に出力されるPWM信号のデューティサイクルを、最小デューティサイクル2から、260なる期待輝度値に対応するデューティサイクル2.52%まで徐々に増大させる必要がある。詳細は以下のとおりである。
サブテーブル輝度値が第1対応テーブル内の最大値511まで上昇されると、バックライトコントローラ220は、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路270の制御端C1に送る。切り換え信号を受け取った後、アジャスタブル抵抗回路270は、第2の抵抗ブランチ274と設定ピンISETとを接続する。第1の抵抗ブランチ272が第2の抵抗ブランチ274に切り換えられた後、バックライトコントローラ220は、サブテーブル輝度値を、第2対応テーブル内の0なる最小サブテーブル輝度値に更新し、第2対応テーブル内で、0なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが、1%なる最小デューティサイクル2であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが1%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.2mAである。
バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内の0なるサブテーブル輝度値に1を加算して、1なるサブテーブル輝度値を取得し、第2対応テーブル内で、1なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが1.19%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが1.19%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.238mAである。
同様にすることにより、第2対応テーブル内の8なるサブテーブル輝度値を得るまでサブテーブル輝度値に逐次に1を加算すると、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクルが2.52%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.504mAである。
明らかなように、駆動電流は、0.04mAから、0.04038mA、0.04076mA、…、0.2mA、0.238mA、…、0.504mAまで徐々に増大される。ユーザの視点からは、バックライトが徐々に明るくなる。ちらつきが存在しないとともに、バックライト源280の物理的寿命を保護することができる。
加えて、ユーザは、暗い環境内でのバックライト変化に対してかなり敏感である。しかしながら、第1対応テーブル内の2つの隣り合う駆動電流の調節ステップ幅が0.00038mAであり、第2対応テーブル内の2つの隣り合う駆動電流間の調節ステップ幅が0.038mAであるため、本発明のこの実施形態においては、より低いバックライト輝度における調節ステップ幅が、より高いバックライト輝度における調節ステップ幅よりも小さい。ユーザは、2つの隣り合う駆動電流間の変化を知覚しにくい。すなわち、低めのバックライト輝度におけるバックライト傾斜プロセスの方が細かくてソフトである。
なお、バックライト調節プロセスにおいては、より小さい期待輝度値がより大きい期待輝度値へと調節されることもあるし、より大きい期待輝度値がより小さい期待輝度値へと調節されることもある。
要するに、本発明のこの実施形態にて提供される電子機器においては、バックライト電源チップの設定ピンが、アジャスタブル抵抗回路に接続され、アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチから第2の抵抗ブランチへと切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライトLEDによって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
本発明のこの実施形態にて提供される電子機器によれば、いっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲を実装するように、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲と第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲とが、連続した電流値調節範囲へと組み合わされることができるよう、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1=R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2が設定され得る。このいっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲によれば、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換えが行われるときにちらつきが存在しない。
本発明のこの実施形態にて提供される電子機器によれば、期待輝度値が第1のサブテーブル輝度値から第2のサブテーブル輝度値まで変更されるプロセスにおいて、次第に1を加算すること又は次第に1を減算することによって、第1のサブテーブル輝度値が第2のサブテーブル輝度値まで徐々に変化され、それにより、駆動電流が徐々に変化され、バックライトが徐々に変化され、そして、ユーザの眼がバックライト変化過程によりよく適応し得るとともに、バックライト源の物理的寿命が保護される。
本発明のこの実施形態にて提供される電子機器によれば、小さめの電流値調節範囲の方で、2つの隣り合う駆動電流間の調節ステップ幅が小さく、それにより、ユーザは暗い環境内でのバックライト変化に対してかなり敏感であるものの、ユーザは2つの隣り合う駆動電流間の変化を知覚しにくい。すなわち、低めのバックライト輝度におけるバックライト傾斜プロセスの方が細かくてソフトである。
図5を参照して学ぶことができることには、第1対応テーブル及び第2対応テーブル双方が512個のサブテーブル輝度値を持つので、バックライトコントローラ220は、1024個の輝度レベルでバックライト輝度を調節する能力を持っている。しかしながら、メモリ240が、要約テーブル、第1対応テーブル、及び第2対応テーブルという3つの表を格納する必要がある。オプションの一実施形態において、要約テーブル、第1対応テーブル、及び第2対応テーブルは、1つのテーブルに統合されることができる。バックライトレジスタがなおも9ビットである場合、そのテーブルを表5に示す。
この場合、2つの隣り合うデューティサイクル間の調節ステップ幅が0.19%から0.38%に変更され、バックライトコントローラ220は512個の輝度レベルでのみバックライト輝度を調節することができる。期待輝度値[0,255]に対応する抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、期待輝度値[256,511]に対応する抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチである。
なお、第1の抵抗ブランチの抵抗値R1と第2の抵抗ブランチの抵抗値R2とが異なるので、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲及び第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲に関して、3つのケースが存在し得る。
1つ目は、これら2つの電流値調節範囲は互いに交わらない。このケースでは、R1>R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1<R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2である。例えば、第1の抵抗ブランチ272に対応する電流値調節範囲が[0.0015mA,0.15mA]であり、第2の抵抗ブランチ274に対応する電流値調節範囲が[0.16mA,16mA]である。オプションで、これら2つの電流値調節範囲間の範囲が比較的小さいとき、例えば、0.15mAと0.16mAとの間の差が0.01mAのみであるとき、2つの抵抗ブランチが切り換えられるときの駆動電流ジャンプが比較的弱く、それ故に、ユーザがこのジャンプに気付くことは殆どない。
2つ目は、これら2つの電流値調節範囲が境界値で交わる。このケースでは、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1=R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2である。例えば、第1の抵抗ブランチ272に対応する電流値調節範囲が[0.0015mA,0.15mA]であり、第2の抵抗ブランチ274に対応する電流値調節範囲が[0.15mA,15mA]である。これら2つの抵抗ブランチが切り換えられるとき、駆動電流遷移は存在せず、すなわち、これら2つの電流値調節範囲が、連続した電流値調節範囲を形成するように接続され得る。
3つ目は、これら2つの電流値調節範囲は、ある区間のセグメント内で交わる。例えば、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲が[0.0015mA,0.15mA]であり、第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲が[0.10mA,10mA]である。このケースでは、これら2つの電流値調節範囲が互いに交わらないように又は境界値でのみ交わるように、或る対応テーブル内の電流値調節範囲の最小デューティサイクル及び/又は最大デューティサイクルが前もって変更される。例えば、第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲が[0.15mA,10mA]に変更されるように、第2の抵抗ブランチの最小デューティサイクルが変更される。
バックライトコントローラによってバックライト調節を実行する方法を要約する。図6を参照するに、図6は、本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法の方法フローチャートを示している。この方法は、図2に示した実施形態にて提供されるバックライトコントローラ220によって実行され得る。この方法は、以下のステップを含む。
ステップ601:期待輝度値を取得し、期待輝度値は、バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用される。
電子機器が電源投入されるとき、期待輝度値はデフォルトの期待輝度値である。
電子機器の動作過程において、期待輝度値を変更することは、これらに限られないが、以下の3つの手法を含む。
1つ目は、ユーザが手動で期待輝度値を変更する。
2つ目は、アプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックに従って期待輝度値を変更する。
3つ目は、オペレーティングシステムが、周辺光強度に従って期待輝度値を変更する。
ステップ602:期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定し、抵抗ブランチは、第1の抵抗ブランチ又は第2の抵抗ブランチのいずれかである。
バックライトコントローラは、表2に示した要約テーブル、又は表5に示した対応テーブルにクエリーすることによって、期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定する。
ステップ603:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なるとき、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。
ステップ604:バックライト電源チップにPWM信号を送り、PWM信号のデューティサイクルは期待輝度値に対応している。
バックライトコントローラは、表3に示した第1対応テーブル、又は表4に示した第2対応テーブル、又は表5に示した対応テーブルにクエリーすることによって、期待輝度値に対応するデューティサイクルを決定する。そして、バックライトコントローラは、そのデューティサイクルを満たすPWM信号をバックライト電源チップの入力ピンINに送る。
バックライト電源チップは、基準電流に基づいて、且つPWM信号のデューティサイクルに従って、駆動電流を生成して、該駆動電流をバックライト源に送るように構成され、バックライト源は、駆動電流に従ってバックライトを放出するように構成される。
要するに、この実施形態にて提供されるバックライト調節方法によれば、バックライトコントローラが、期待輝度値を取得し、該期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なるときに、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流は基準電流に基づいて生成されるので駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライト源によって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
バックライト輝度の急な変化及びちらつきを回避するために、バックライトコントローラは更に、バックライト切り換えプロセスにおいて、駆動電流に対する傾斜調節を実行し得る。
R1>R2及びR1<R2という2つの抵抗値条件と、より小さい期待輝度値がより大きい期待輝度値に調節される又はより大きい期待輝度値がより小さい期待輝度値に調節されるという2つの調節ケースとが存在するので、合計4つの取り得る実施形態が存在する。
第1実施形態では、R1>R2であるとともに、第1の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値が、第2の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値に調節される。
第2実施形態では、R1<R2であるとともに、第1の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値が、第2の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値に調節される。
第3実施形態では、R1>R2であるとともに、第2の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値が、第1の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値に調節される。
第4実施形態では、R1<R2であるとともに、第2の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値が、第1の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値に調節される。
図7Aを参照するに、図7Aは、本発明の他の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートを示している。この方法は、図2に示した実施形態にて提供されるバックライトコントローラ220によって実行されることができ、また、上記第1実施形態でのバックライト調節を実行するために使用される。この方法は、以下のステップを含む。
ステップ701:期待輝度値を取得し、期待輝度値は、バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用される。
電子機器が電源投入されるとき、期待輝度値はデフォルトの期待輝度値である。
電子機器の動作過程において、期待輝度値を変更することは、これらに限られないが、以下の3つの手法を含む。
1つ目は、ユーザが手動で期待輝度値を変更する。
2つ目は、アプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックに従って期待輝度値を変更する。
3つ目は、オペレーティングシステムが、周辺光強度に従って期待輝度値を変更する。
ステップ702:期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定し、抵抗ブランチは、第1の抵抗ブランチ又は第2の抵抗ブランチのいずれかである。
バックライトコントローラは、表2に示した要約テーブル、又は表5に示した対応テーブルにクエリーすることによって、期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定する。
ステップ703:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1まで徐々に増大させる。
最大デューティサイクル1は、設定ピンが第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
バックライトコントローラが現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1まで徐々に増大させるときに使用される調節ステップ幅は限定されない。調節ステップ幅は、例えば表3又は表4に示した0.19%といった、2つの隣り合うサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクル間の差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、例えば表5に示した0.38%といった、2つの隣り合う期待輝度値に対応するデューティサイクルの差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、その他の取り得る値であってもよい。
ステップ704:切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。
設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであるとき、切り換え信号は、第2の抵抗ブランチと設定ピンとを接続するようにアジャスタブル抵抗回路をトリガーするために使用される。
設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであるとき、切り換え信号は、第1の抵抗ブランチと設定ピンとを接続するようにアジャスタブル抵抗回路をトリガーするために使用される。
ステップ705:期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーする。
バックライトコントローラは、要約テーブル、第1対応テーブル、及び第2対応テーブル内で、期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーし、あるいは、バックライトコントローラは、表5に示した対応テーブル内で、期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーする。
ステップ706:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最小デューティサイクル2から、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に増大させる。
最小デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルである。
バックライトコントローラが現在出力されているPWM信号の最小デューティサイクル2を期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に増大させるときに使用される調節ステップ幅は限定されない。調節ステップ幅は、例えば表3又は表4に示した0.19%といった、2つの隣り合うサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクル間の差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、例えば表5に示した0.38%といった、2つの隣り合う期待輝度値に対応するデューティサイクルの差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、その他の取り得る値であってもよい。
要するに、この実施形態にて提供されるバックライト調節方法によれば、切り換え信号が送られる前、ステップ703に従ってPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度は急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。切り換え信号が送られた後、ステップ706に従ってPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度は急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。
同様に、第2実施形態では、図7Bに示すように、ステップ703がステップ703aで置き換えられ得るとともに、ステップ706がステップ706aで置き換えられ得る。
ステップ703a:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル1まで徐々に低減させる。
最小デューティサイクル1は、設定ピンが第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
ステップ706a:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最大デューティサイクル2から、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に低減させる。
最大デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
同様に、第3実施形態では、図7cに示すように、ステップ703がステップ703bで置き換えられ得るとともに、ステップ706がステップ706bで置き換えられ得る。
ステップ703b:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル2まで徐々に低減させる。
最小デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルである。
ステップ706b:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最大デューティサイクル1から、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に低減させる。
最大デューティサイクル1は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
同様に、第4実施形態では、図7Cに示すように、ステップ703がステップ703cで置き換えられ得るとともに、ステップ706がステップ706cで置き換えられ得る。
ステップ703c:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル2まで徐々に増大させる。
最大デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
ステップ706c:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最小デューティサイクル1を、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に増大させる。
最小デューティサイクル1は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小最大デューティサイクルである。
当業者が理解し得ることには、これらの実施形態のステップの全て又は一部は、ハードウェア又は関連ハードウェアに命令するプログラムによって実装され得る。プログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納され得る。記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクを含み得る。
以上の説明は、単に本発明の実施形態例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。本発明の精神及び原理を逸脱することなく為される如何なる変更、均等物、置換、及び改良も、本発明の保護範囲に入るものである。
本発明の実施形態は、液晶ディスプレイの分野に関し、特に、バックライト回路、電子機器、及びバックライト調節方法に関する。
例えばスマートフォン及びタブレットコンピュータなどの電子機器は、表示コンポーネントとして液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、略してLCD)を用いている。
LCDは、バックライト回路によって提供されるバックライトを用いるだけで通常の表示を行うことができる。バックライト回路は、バックライトコントローラによって制御される。バックライト回路は、バックライト電源チップと、該バックライト電源チップに接続されたバックライト発光ダイオード(Light Emitting Diode、略してLED)とを含む。動作過程において、バックライト電源チップは、バックライトコントローラによって送られるパルス幅変調(Pulse−Width Modulation、略してPWM)信号を受け取る。バックライト電源チップは、パルス幅変調信号に従ってバックライトLEDに駆動電流を出力する。バックライトLEDは、駆動電流に従ってバックライトを放出する。駆動電流の大きさとバックライト強度とは正の相関関係にあり、すなわち、より大きい駆動電流はより高いバックライト強度を示し、より小さい駆動電流はより低いバックライト強度を示す。
バックライト電源チップのハードウェア性能によって制限されて、バックライト電源チップによって出力される駆動電流の大きさは、限られた範囲内に収まってしまう。結果として、バックライトLEDによって出力されるバックライト輝度も、限られた輝度範囲内に収まってしまう。換言すれば、バックライトLEDによって出力される最低輝度又は最高輝度は、設計において開発者の期待する理想的な輝度ではなく、バックライトLEDによって実際に出力されることができる限られた輝度である。
バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは、限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライトLEDによって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまうという問題、を解決するために、本発明の実施形態は、バックライト回路、電子機器、及びバックライト調節方法を提供する。技術的ソリューションは以下のとおりである。
第1の態様によれば、本発明の一実施形態はバックライト回路を提供し、当該バックライト回路は、バックライト電源チップと、アジャスタブル抵抗回路とを含み、上記バックライト電源チップは、基準電流を設定するように構成された設定ピンと、入力ピンと、出力ピンとを含み、上記アジャスタブル抵抗回路の一端が上記設定ピンに接続され、上記アジャスタブル抵抗回路の他端が接地され、上記アジャスタブル抵抗回路は、第1の抵抗ブランチと、第2の抵抗ブランチとを含み、該第1の抵抗ブランチ及び該第2の抵抗ブランチは、異なる基準電流を生成するために使用される異なる抵抗値を有し、上記アジャスタブル抵抗回路は制御端を有し、該制御端は、切り換え信号を受け取るとともに、該切り換え信号に従って、上記設定ピンに接続される抵抗ブランチを、上記第1の抵抗ブランチと上記第2の抵抗ブランチとの間で切り換えるように構成され、且つ上記バックライト電源チップは、上記基準電流に基づいて、且つ上記入力ピンによって受け取られるPWM信号のデューティサイクルに従って、駆動電流を生成するとともに、上記出力ピンを用いることによって上記駆動電流を出力するように構成され、上記駆動電流は、バックライト源を駆動してバックライトを送出するために使用される。
第1の態様にて提供されるバックライト回路においては、バックライト電源チップの設定ピンが、アジャスタブル抵抗回路に接続され、該アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流は基準電流に基づいて生成されるので駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライト源によって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
上記第1の態様の第1の取り得る実装において、上記アジャスタブル抵抗回路は、セレクタスイッチと、少なくとも2つの抵抗ブランチとを含み、該少なくとも2つの抵抗ブランチのうちのいずれか1つが上記第1の抵抗ブランチであり、該少なくとも2つの抵抗ブランチのうちの他のものが上記第2の抵抗ブランチであり、上記セレクタスイッチは、上記制御端と、選択端とを含み、且つ上記選択端は、上記制御端によって受け取られる上記切り換え信号に従って、上記設定ピンに接続される抵抗ブランチを、上記第1の抵抗ブランチと上記第2の抵抗ブランチとの間で切り換えるように構成される。この実装では、セレクタスイッチ及び少なくとも2つの抵抗ブランチがアジャスタブル抵抗回路内に配置され、3つの抵抗ブランチ、4つの抵抗ブランチ、又は更に多くの抵抗ブランチがアジャスタブル抵抗回路内に実装されることで、駆動電流に関するいっそう大きい電流値調節範囲を実現する。
上記第1の態様の上記第1の取り得る実装を参照するに、第2の取り得る実装において、上記アジャスタブル抵抗回路は、直列に接続された第1の抵抗及び第2の抵抗を含み、上記第1の抵抗及び上記第2の抵抗が上記第1の抵抗ブランチを形成し、上記第2の抵抗が上記第2の抵抗ブランチを形成し、又は上記第1の抵抗及び上記第2の抵抗が上記第2の抵抗ブランチを形成し、上記第2の抵抗が上記第1の抵抗ブランチを形成する。この実装では、回路が、単純な形態を持つとともに、回路基板上で容易に設計されて製造されるように、直列抵抗を用いることによって、アジャスタブル抵抗回路内の抵抗ブランチが実装される。
上記第1の態様の上記第1の取り得る実装を参照するに、第3の取り得る実装において、上記アジャスタブル抵抗回路は、並列に接続された第3の抵抗及び第4の抵抗を含み、上記第3の抵抗が上記第1の抵抗ブランチを形成し、且つ上記第4の抵抗が上記第2の抵抗ブランチを形成する。この実装では、回路が、単純な形態を持つとともに、回路基板上で容易に設計されて製造されるように、並列抵抗を用いることによって、アジャスタブル抵抗回路内の抵抗ブランチが実装される。
上記第1の態様、又は上記第1の態様の上記第1の取り得る実装、又は上記第1の態様の上記第2の取り得る実装、又は上記第1の態様の上記第3の取り得る実装を参照するに、第5の取り得る実装において、上記切り換え信号は、期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチとは異なる場合に、バックライトコントローラによって送られ、且つ、上記期待輝度値は、上記バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用される。
第2の態様によれば、本発明の一実施形態は電子機器を提供し、当該電子機器は、バックライトコントローラと、メモリと、上記第1の態様、又は上記第1の態様のいずれかの取り得る実装にて提供される上記バックライト回路及び上記バックライト源とを含み、上記メモリは、上記バックライトコントローラに接続され、上記メモリは、上記バックライトコントローラの実行可能プログラムを格納し、
上記バックライトコントローラは、上記バックライト回路の上記入力ピンに接続されるとともに、上記PWM信号を上記バックライト電源チップに送るように構成され、上記バックライトコントローラは、上記バックライト回路内の上記制御端に接続されるとともに、上記切り換え信号を上記アジャスタブル抵抗回路に送るように構成され、且つ
上記バックライト回路内の上記バックライト電源チップの上記出力ピンは、上記バックライト源に接続され、上記バックライト源は、上記駆動電流に従ってバックライトを放出するように構成される。
上記第2の態様の第1の取り得る実装において、上記バックライトコントローラは中央演算処理ユニット(Central Processing Unit、略してCPU)であり、又は上記バックライトコントローラ220はグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、略してGPU)であり、又は上記バックライトコントローラ220はLCDドライバ集積回路(Driver integrated circuit、略してDrive IC)である。
上記第2の態様の第2の取り得る実装において、上記バックライトコントローラは、上記メモリ内の命令を実行するように構成され、上記バックライトコントローラは、上記命令を実行することによって、以下の第3の態様、又は第3の態様のいずれかの取り得る実装にて提供されるバックライト調節方法を遂行する。
第3の態様によれば、本発明の一実施形態は、第2の態様に従った電子機器の上記バックライトコントローラに適用されるバックライト調節方法を提供し、当該方法は、上記バックライトコントローラにより期待輝度値を取得し、該期待輝度値は、上記バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用され、上記バックライトコントローラにより、上記期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定し、該抵抗ブランチは、上記第1の抵抗ブランチ又は上記第2の抵抗ブランチのいずれかであり、上記期待輝度値に対応する上記抵抗ブランチが、上記設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なる場合に、上記バックライトコントローラにより、切り換え信号を上記アジャスタブル抵抗回路の制御端に送り、且つ、上記バックライトコントローラにより、PWM信号を上記バックライト電源チップに送り、上記PWM信号のデューティサイクルは上記期待輝度値に対応し、上記バックライト電源チップは、上記基準電流に基づいて、且つ上記PWM信号の上記デューティサイクルに従って、駆動電流を生成するとともに、該駆動電流を上記バックライト源に送るように構成され、上記バックライト源は上記駆動電流に従ってバックライトを放出するように構成される、ことを含む。
第3の態様にて提供されるバックライト調節方法によれば、バックライトコントローラが、期待輝度値を取得し、該期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なるときに、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流は基準電流に基づいて生成されるので駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライト源によって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
上記第3の態様の第1の取り得る実装において、上記切り換え信号を上記アジャスタブル抵抗回路の上記制御端に送る前に、当該方法は更に、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1まで徐々に増大させることを含み、上記最大デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、又は、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル1まで徐々に低減させることを含み、上記最小デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、又は、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル2まで徐々に低減させることを含み、上記最小デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、又は、上記設定ピンに接続されている上記抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル2まで徐々に増大させることを含み、上記最大デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。この実装では、切り換え信号が送られる前にPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度が急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。
上記第3の態様の第2の取り得る実装において、上記PWM信号を上記バックライト電源チップに送ることは、上記PWM信号のデューティサイクルが上記期待輝度値に対応するとして、上記期待輝度値に対応する上記デューティサイクルをクエリーし、そして、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル2から上記デューティサイクルまで徐々に増大させ、上記最小デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、又は、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第2の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル2から上記デューティサイクルまで徐々に低減させ、上記最大デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、又は、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1から上記デューティサイクルまで徐々に低減させ、上記最大デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、又は、切り換え後に上記設定ピンに接続される抵抗ブランチが上記第1の抵抗ブランチであり且つ上記第1の抵抗ブランチの抵抗値が上記第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さい場合に、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル1から上記デューティサイクルまで徐々に増大させ、上記最小デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルである、ことを含む。この実装では、切り換え信号が送られた後にPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度が急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。
以上の全ての態様、又は全ての態様の全ての取り得る実装を参照するに、取り得る一実装において、上記第1の抵抗ブランチの抵抗値R1及び上記第2の抵抗ブランチの抵抗値R2が、以下の条件:
R1≧R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1;又は
R1≦R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2
を満たし、
ただし、上記最小デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、上記最大デューティサイクル1は、上記設定ピンが上記第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルであり、上記最小デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルであり、上記最大デューティサイクル2は、上記設定ピンが上記第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。この実装では、いっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲を実装するように、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲と第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲とを、連続した電流値調節範囲へと組み合わせることができるよう、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1=R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2と仮定される。このいっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲によれば、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換えが行われるときにちらつきが存在しない。
本発明の実施形態における技術的ソリューションをいっそう明瞭に説明するため、以下、実施形態を説明するのに必要な添付図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明において添付図面は単に本発明の一部の実施形態を示すに過ぎず、当業者はなおも、創作努力なしで、添付図面からその他の図を導き出し得る。
既存の電子機器の概略構成図である。
本発明の一実施形態に従った電子機器の概略構成図である。
本発明の一実施形態に従ったアジャスタブル抵抗回路の概略構成図である。
本発明の他の一実施形態に従ったアジャスタブル抵抗回路の概略構成図である。
本発明の他の一実施形態に従ったアジャスタブル抵抗回路の概略構成図である。
本発明の一実施形態に従った電子機器の概略構成図である。
図4に示した電子機器がバックライト調節を実行するときの概略原理図である。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートである。
本発明の目的、技術的ソリューション、及び利点をいっそう明瞭にするため、以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1を参照するに、図1は、既存の電子機器100の概略構成図を示している。電子機器100は、バックライトコントローラ120、メモリ140、バックライト電源チップ160、及びバックライト源180を含んでいる。
バックライトコントローラ120は中央演算処理ユニット(Central Processing Unit、略してCPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ120はグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、略してGPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ120はLCDドライバ集積回路(Driver integrated circuit、略してDrive IC)であってもよい。
メモリ140は、バックライトコントローラ120の実行可能命令を格納する。メモリ140は、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、略してSRAM)、電気的消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory、略してEEPROM)、消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、略してEPROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(Programmable Read−Only Memory、略してPROM)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、略してROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなど、如何なるタイプの又は組み合わせの揮発性記憶デバイス及び不揮発性記憶デバイスによって実装されてもよい。
バックライト電源チップ160は、PWM信号に基づいて駆動電流を出力する集積回路チップである。バックライト電源チップ160は、入力ピンIN、設定ピンISET、及び出力ピンOUTを含んでいる。バックライト電源チップ160の内部が基準電流源回路162を含んでいる。
入力ピンINは、バックライトコントローラ120に接続されている。
設定ピンISETは、バックライト電源チップ160の内部の基準電流源回路162に接続されている。設定ピンISETは更に、バックライト電源チップ160の外部の抵抗RISETの一端に接続され、抵抗RISETの他端は接地されている。
基準電流源回路162は、基準電流IFB_fullを提供するように構成されており、基準電流を計算するための公式は以下のとおりである:
IFB_full=VISET_full/RISET×KISET_full 公式1
VISET_fullは、その電圧値が固定されて不変である基準電圧である。KISET_fullは固定パラメータであり、KISET_fullは基準電流源回路162内の電子素子の電気的性能によって決定される。明らかなように、VISET_full、RISET、KISET_fullの3つのパラメータは全て固定値であるため、基準電流源回路162によって提供される基準電流の電流値も固定値である。
また、バックライト電源チップ160の一方のピンは電源VBATに接続され、他方のピンは接地されている。
バックライト源180は、一般にバックライトLEDである。バックライト源180の一端は電源VBATに接続され、他端はバックライト電源チップ160の出力ピンOUTに接続される。
動作において、バックライトコントローラ120は、所定のバックライト制御ポリシーに従って期待輝度値を生成する。期待輝度値は、バックライトコントローラ120によって期待されるバックライト源180によって放出されるバックライト輝度である。例えば、所定のバックライト制御ポリシーは、周辺光の輝度が暗くなるとき、期待輝度値が低下され、そして、周辺光の輝度が明るくなるとき、期待輝度値が上昇されるというものである。
期待輝度値は、一般に9ビット又は11ビットの2進数で表され、バックライトレジスタReg_Isetに格納される。この実施形態では、9ビットによる表現が一例として用いられる。期待輝度値は000000000、すなわち、10進表記で0であり、又は期待輝度値は111111111、すなわち、10進表記で511である。なお、期待輝度値は、輝度レベル又は輝度タップ位置の単なる表し方であり、実際の物理量における輝度値とは等しくない。
バックライトコントローラ120は、予め格納された“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルから、期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーする。“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、メモリ140に格納されている。表1は、一例としての“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルを示している。読み取り及び理解の容易さのために、以下の説明では、全ての期待輝度値が10進表記で表される。
明らかなように、期待輝度値の値域は[0,511]であり、デューティサイクルの値域は[1%、100%]であるため、2つの隣り合う期待輝度値間のデューティサイクルの調節ステップ幅はおよそ0.19%である。バックライトコントローラ120は、そのデューティサイクルを満足するPWM信号をバックライト電源チップ160の入力ピンに送る。例えば、期待輝度値が4であり、バックライトコントローラ120は、そのデューティサイクルが1.76%であるPWM信号をバックライト電源チップ160の入力ピンに送る。
バックライト電源チップ160は、PWM信号を受け取った後、PWM信号のデューティサイクルに従って、基準電流に基づいて駆動電流を生成する。駆動電流の大きさ及びPWM信号のデューティサイクルは、正比例の関係にある。駆動電流の電流値を計算するための公式は、以下のとおりである:
IFBX=IFB_full×Duty 公式2
IFB_fullは基準電流であり、Dutyはデューティサイクルである。
例えば、PWM信号のデューティサイクルが1%であり、且つ基準電流が20mAである場合、駆動電流=20mA×1%=0.2mAである。別の一例で、PWM信号のデューティサイクルが100%であり、且つ基準電流が20mAである場合、駆動電流=20mA×100%=20mAである。
バックライト電源チップ160の物理的性能によって制限されて、バックライト電源チップ160によって受け取られることができる最小デューティサイクルは1%であり、故に、バックライト電源チップ160によって出力されることができる最小駆動電流は、1%×基準電流にほぼ等しく、そして、最大駆動電流は100%×基準電流にほぼ等しく、すなわち、駆動電流の電流値調節範囲は、[1%×IFB_full,100%×IFB_full]である。表1の例を参照するに、電流値調節範囲は[0.2mA、20mA]である。明らかなように、電流値調節範囲は比較的限られたものである。
駆動電流の電流値調節範囲が比較的限られたものであるため、一部の暗い状態では、最小の駆動電流を用いてバックライト源180を駆動するが、バックライト源180によって放出されるバックライトが依然としてかなり強く、それによりユーザの眼をくらませる。同様に、一部の明るい条件では、最大の駆動電流を用いてバックライト源180を駆動するが、バックライト源180によって放出されるバックライトが依然として弱すぎて、液晶ディスプレイ上に表示されるコンテンツをはっきりと見ることができない。
また、電流値調節範囲内の最大調節ステップ数は512ステップであり、2つの隣り合うバックライト輝度値間の駆動電流の電流値の変化は、基準電流のおよそ0.19%である。
上の公式2によれば、駆動電流の電流値が基準電流に関係することを学ぶことができる。本発明は、より小さい電流値を持つ駆動電流、又はより大きい電流値を持つ駆動電流を得るために、本発明の一実施形態は、より大きい電流値域を有する駆動電流が基準電流の変更に基づいて得られる技術的ソリューションを提供する。また、上の公式1を参照するに、基準電流を変更する必要がある場合に抵抗RISETの抵抗値を変更してもよいことを学ぶことができる。以上の考えに基づき、以下の実施形態が提供される。
図2を参照するに、図2は、本発明の一実施形態に従った電子機器200の概略構成図を示している。電子機器200は、バックライトコントローラ220、メモリ240、バックライト電源チップ260、アジャスタブル抵抗回路270、及びバックライト源280を含んでいる。
バックライトコントローラ220は中央演算処理ユニット(Central Processing Unit、略してCPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ220はグラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、略してGPU)であってもよいし、あるいはバックライトコントローラ220はLCDドライバ集積回路(Driver integrated circuit、略してDrive IC)であってもよい。
メモリ240は、バックライトコントローラ220の実行可能命令を格納する。メモリ240は、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、略してSRAM)、電気的消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory、略してEEPROM)、消去可能・プログラム可能読み出し専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、略してEPROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(Programmable Read−Only Memory、略してPROM)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、略してROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなど、如何なるタイプの又は組み合わせの揮発性記憶デバイス及び不揮発性記憶デバイスによって実装されてもよい。
バックライト電源チップ260は、入力ピンIN、基準電流を設定するように構成された設定ピンISET、及び出力ピンOUTを含んでいる。バックライト電源チップ260の内部が更に基準電流源回路262を含んでいる。
入力ピンINは、バックライトコントローラ220に接続されている。動作において、バックライトコントローラ220は、入力ピンINにPWM信号を送るように構成される。
アジャスタブル抵抗回路270の一端は設定ピンISETに接続され、アジャスタブル抵抗回路270の他端は接地されている。アジャスタブル抵抗回路270は、第1の抵抗ブランチ272及び第2の抵抗ブランチ274を含んでいる。第1の抵抗ブランチ272の抵抗値は、第2の抵抗ブランチ274の抵抗値とは異なる。なお、図2は第1の抵抗ブランチ272及び第2の抵抗ブランチ274を示しているが、これは抵抗ブランチの数についての限定を構成するものではない。例えば、図3Aは更に別の抵抗ブランチを含む複数の抵抗ブランチを示している。
アジャスタブル抵抗回路270は、制御端C1を含んでいる。制御端C1は、バックライトコントローラ220に接続されている。バックライトコントローラ220は、駆動電流の調節範囲を変更する必要がある場合に制御端C1に切り換え信号を送るように構成される。
制御端C1は、切り換え信号を受け取り、切り換え信号に従って、設定ピンISETに接続される抵抗ブランチを、第1の抵抗ブランチ272から第2の抵抗ブランチ274に切り換えるように構成される。バックライト電源チップ260は基準電流源回路262を含んでおり、基準電流源回路262は基準電流を提供するように構成される。設定ピンISETに接続される抵抗ブランチの抵抗値が変化するとき、バックライト電源チップ260における基準電流の電流値も変化する。基準電流の大きさ及び設定ピンISETに接続される抵抗ブランチの抵抗値は、反比例の関係にある。
バックライト電源チップ260の出力ピンOUTは、バックライト源280の一端に接続されている。バックライト源280は、一般にバックライトLEDである。オプションで、バックライト源460の他端は電源VBATに接続される。
オプションで、バックライト電源チップ260及びアジャスタブル抵抗回路270は、電子機器のメイン基板上に集積され得る。該メイン基板上には、一般に、バックライトコントローラ220、メモリ240、及び他の電子デバイスが配置されている。バックライト電源チップ260は、メイン基板に配置された集積回路チップである。バックライト電源チップ260は、メイン基板上の導電ラインを用いることによってアジャスタブル抵抗回路270に電気的に接続される。
オプションで、設定ピンISETは、異なる実施形態では、例えばフルスケール設定ピンといった異なる名称を有し得るが、それらの設定ピンは全て、基準電流を設定するように構成されたピンである。この実施形態において、設定ピンISETの名称について特定の限定は課されない。
図3Aを参照するに、図3Aは、一例としてのアジャスタブル抵抗回路270の概略構成図を示している。このアジャスタブル抵抗回路270は、セレクタスイッチ271、第1の抵抗ブランチ272、及び第2の抵抗ブランチ274を含んでいる。
セレクタスイッチ271は、制御端C1と選択端C2とを含んでいる。
制御端C1は、バックライトコントローラ220に接続するように構成される。
選択端C2は、制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、設定ピンISETと、第1の抵抗ブランチ272又は第2の抵抗ブランチ274のいずれかとを接続するように構成される。
オプションで、明るい条件において、選択端C2は、制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、設定ピンISETと、より小さい抵抗値を持つ抵抗ブランチとを接続し、それにより、バックライト電源チップ260における基準電流の電流値がいっそう大きい電流値になるようにして、同じデューティサイクルの条件でいっそう大きい駆動電流を出力し、より高いバックライト輝度を得るようにする。暗い条件において、選択端C2は、制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、設定ピンISETと、より大きい抵抗値を持つ抵抗ブランチとを接続し、それにより、バックライト電源チップ260における基準電流の電流値がいっそう小さい電流値になるようにして、同じデューティサイクルの条件でいっそう小さい駆動電流を出力し、より低いバックライト輝度を得るようにする。
オプションで、制御端C1は、汎用入出力(General Purpose Input Output、略してGPIO)を満たす制御端C1である。
オプションで、アジャスタブル抵抗回路270内に2つの抵抗ブランチが存在する。しかしながら、実施形態要求に従って、3つ、4つ、又は更に多くの抵抗ブランチが配置されてもよい。この実施形態において、アジャスタブル抵抗回路270内の抵抗ブランチの数について限定は課されない。
オプションで、アジャスタブル抵抗回路270は、集積可変抵抗器を用いることによって実装される。
オプションで、アジャスタブル抵抗回路270内の抵抗ブランチは、直列回路又は並列回路を用いることによって実装される。
例えば、図3Bを参照するに、図3Bは、直列回路を用いることによって実装されるアジャスタブル抵抗回路270の概略構成図を示している。このアジャスタブル抵抗回路270は、セレクタスイッチ271と、直列に接続された第1の抵抗RISET1及び第2の抵抗RISET2とを含んでいる。
第1の抵抗RISET1及び第2の抵抗RISET2が第2の抵抗ブランチ274を形成し、第2の抵抗RISET2が第1の抵抗ブランチ272を形成する。
第2の抵抗RISET2の一端が設定ピンISETに接続され、第2の抵抗RISET2の他端が第1の抵抗RISET1の一端に接続され、そして、第1の抵抗RISET1の他端が接地される。制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、セレクタスイッチ271における選択端C2がディスエーブルされるとき、設定ピンISETは第2の抵抗ブランチ274に接続され、セレクタスイッチ271における選択端C2がイネーブルされるとき、設定ピンISETは第1の抵抗ブランチ272に接続される。
例えば、図3Cを参照するに、図3Cは、並列回路を用いることによって実装されるアジャスタブル抵抗回路270の概略構成図を示している。このアジャスタブル抵抗回路270は、セレクタスイッチ271と、直列に接続された第3の抵抗RISET1及び第4の抵抗RISET2とを含んでいる。
第3の抵抗RISET1が第1の抵抗ブランチ272を形成し、第4の抵抗RISET2が第2の抵抗ブランチ274を形成する。第3の抵抗RISET1及び第4の抵抗RISET2は異なる抵抗値を持つ。
第3の抵抗RISET1の一端及び第4の抵抗RISET2の一端が接地される。第3の抵抗RISET1の他端及び第4の抵抗RISET2の他端が、セレクタスイッチ271の選択端C2を用いることによって、設定ピンISETに接続される。制御端C1によって受け取られる切り換え信号に従って、セレクタスイッチ271における選択端が第3の抵抗RISET1に接続されるとき、設定ピンISETは第1の抵抗ブランチ272に接続され、セレクタスイッチ271における選択端が第4の抵抗RISET2に接続されるとき、設定ピンISETは第2の抵抗ブランチ274に接続される。
当業者が予見し得ることには、アジャスタブル抵抗回路270の多数の実装が存在する。この実施形態は、単に一例としてのアジャスタブル抵抗回路270の2つの実装を示すにすぎず、アジャスタブル抵抗回路270の特定の実装について限定は課されない。
公式2によれば、デューティ比の値域が不変であるとき、基準電流の電流値が変化することで、駆動電流の電流値調節範囲が、図1に示される1つの電流値調節範囲[最小デューティサイクル×IFB_full,最大デューティサイクル×IFB_full]から、2つの電流値調節範囲[最小デューティサイクル1×I1,最大デューティサイクル1×I1]及び[最小デューティサイクル2×I2,最大デューティサイクル2×I2]へと増加されることを学ぶことができる。I1は、設定ピンISETが第1の抵抗ブランチ272に接続されるときの基準電流であり、I2は、設定ピンISETが第2の抵抗ブランチ274に接続されるときの基準電流である。
第1の抵抗ブランチ272の抵抗値がR1であり、第2の抵抗ブランチ274の抵抗値がR2であると仮定する。
電流値調節範囲[最小デューティサイクル1×I1,最大デューティサイクル1×I1]における最大駆動電流が、電流値調節範囲[最小デューティサイクル2×I2,最大デューティサイクル2×I2]における最小駆動電流以下であること、すなわち、最大デューティサイクル1×I1≦最小デューティサイクル2×I2であることを確保するためには、公式1を参照して、R1及びR2が以下の条件:
R1≧R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1
を満たす必要がある。
あるいは、電流値調節範囲[最小デューティサイクル1×I1,最大デューティサイクル1×I1]における最小駆動電流が、電流値調節範囲[最小デューティサイクル2×I2,最大デューティサイクル2×I2]における最大駆動電流以上であること、すなわち、最小デューティサイクル1×I1≧最大デューティサイクル2×I2であることを確保するためには、公式1を参照して、R1及びR2が以下の条件:
R1≦R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2
を満たす必要がある。
なお、最小デューティサイクル1及び最小デューティサイクル2は通常は同じであり、それらの双方が1%である。しかしながら、取り得る一実施形態において、最小デューティサイクル1及び最小デューティサイクル2は異なることがあり、例えば、最小デューティサイクル1=10%、及び最小デューティサイクル2=1%であることがある。同様に、最大デューティサイクル1及び最大デューティサイクル2は通常は同じであり、それらの双方が100%である。しかしながら、取り得る一実施形態において、最大デューティサイクル1及び最大デューティサイクル2は異なることがあり、例えば、最大デューティサイクル1=100%、及び最大デューティサイクル2=90%であることがある。これは、この実施形態において限定されることではない。この実施形態では、最小デューティサイクル1及び最小デューティサイクル2が同じであり、それらの双方が1%であるとともに、最大デューティサイクル1及び最大デューティサイクル2 が同じであり、それらの双方が100%である一例を用いて説明する。
この実施形態では、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1である一例を説明に用いる。VISET_full=1.229V、KISET_full=1030、R1=6340K、及びR2=63.4Kであると仮定する。第1の抵抗ブランチ272に対応する電流値調節範囲は[0.002mA,0.2mA]であり、第2の抵抗ブランチ274に対応する電流値調節範囲は[0.2mA,20mA]である。
アジャスタブル抵抗回路270内の2つの抵抗ブランチを用いることによってバックライト調節を実行するために、メモリ240は3つの対応テーブルを格納し得る。これら3つの対応テーブルは、それぞれ、期待輝度値とサブテーブル(subtable)輝度値との間の要約対応テーブル、第1の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブル、及び第2の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルである。第1の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、略して第1対応テーブルとして参照されることがある。第2の“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、略して第2対応テーブルとして参照されることがある。容易に理解されることには、対応テーブルは、単に対応を記述するために使用されており、対応テーブルの提示形態は表に限定されない。また、理解及び説明の容易さのために、この実施形態では3つの対応テーブルを用いている。これは、表の数についての限定を構成するものではなく、3つの対応テーブルを1つのテーブルに統合することもできる。
期待輝度値とサブテーブル輝度値との間の要約対応テーブルは、略して要約テーブルとして参照されることがある。要約テーブル内の期待輝度値の値域のうち一部における期待輝度値は、第1対応テーブル内のサブテーブル輝度値に対応しており、すなわち、値域の該一部における期待輝度値は第1の抵抗ブランチに対応している。要約テーブル内の期待輝度値の値域のうち別の一部における期待輝度値は、第2対応テーブル内のサブテーブル輝度値に対応しており、すなわち、値域の該別の一部における期待輝度値は第2の抵抗ブランチに対応している。例えば、要約テーブルを表2に示す。
表2において、期待輝度値が0から255までであるとき、その期待輝度値は第1の抵抗ブランチに対応している。このケースでは、第1対応テーブルにおける期待輝度値とサブテーブル輝度値との間の対応は、サブテーブル輝度値=期待輝度値/255×511の四捨五入値である。期待輝度値が256から511までであるとき、その期待輝度値は第2の抵抗ブランチに対応している。このケースでは、第2対応テーブルにおける期待輝度値とサブテーブル輝度値との間の対応は、サブテーブル輝度値=(期待輝度値−256)/255×511の四捨五入値である。
第1対応テーブルは、バックライト電源チップ260の設定ピンISETが第1の抵抗ブランチに接続されるときに実際に使用される“サブテーブル輝度値−デューティサイクル”対応テーブルである。例えば、第1対応テーブルを表3に示す。
第2の“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルは、略して第2対応テーブルとして参照されることがある。第2対応テーブルは、バックライト電源チップ260の設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときに使用される必要がある“期待輝度値−デューティサイクル”対応テーブルである。例えば、第2対応テーブルを表4に示す。
バックライトコントローラ220によってバックライトを調節する具体的な一手法は以下のとおりである。
電子機器200が電源投入されるとき、バックライトコントローラ220は、バックライトレジスタReg_Isetからデフォルトの期待輝度値(予め設定された値、又は電子機器200が前回にスイッチオフされたときの値)を読み出す。例えば、期待輝度値は259であり、要約テーブル内の259なる期待輝度値は、第2対応テーブル内の6なるサブテーブル輝度値に対応しており、すなわち、259なる期待輝度値は、第2の抵抗ブランチ274に対応している。バックライトコントローラ220は、アジャスタブル抵抗回路270内の第2の抵抗ブランチ274を設定ピンISETに接続するように制御する。また、バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内で、サブテーブル輝度値6に対応するデューティサイクルが2.14%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクルが2.14%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は20mAであり、20×2.14%=0.428mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、0.428mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
電子機器200の動作過程において、3つの要因が期待輝度値の変化を生じさせ得る。
1つ目は、ユーザが手動で期待輝度値を変更する。
バックライト輝度の調節制御が、電子機器の設定インタフェースにて提供される。調節制御は概して、図4に示すようなボタン420及びドラッグバー440を含むドラッグ調節制御である。ユーザは、ボタン420をドラッグバー440の異なる位置にドラッグして期待輝度値を変更する。
2つ目は、アプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックに従って期待輝度値を変更する。
バックライトコントローラ220によって期待輝度値に対して行われる調節は、オペレーティングシステムレベルで制御するものである。オペレーティングシステムはアプリケーション層を含んでおり、アプリケーション層にて、例えば、インスタントメッセージングプログラム、電子書籍読書プログラム、電話プログラム、及びショートメッセージサービスプログラムといった様々なアプリケーションプログラムが実行される。或るアプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックによって期待輝度値を変更する。例えば、アプリケーションプログラムが電子書籍読書プログラムであるとき、夜間読書モードにおいて期待輝度値が50に変更される。別の一例では、アプリケーションプログラムが電話プログラムであるとき、通話モードにおいて期待輝度値が0に変更される。
3つ目は、オペレーティングシステムが、周辺光強度に従って期待輝度値を変更する。
通常、電子機器上に更に光センサが配設され、その光センサを用いることによって周辺光強度が収集される。オペレーティングシステムは、周辺光強度に従って期待輝度値を変更することができる。例えば、周辺光強度がAであるときには期待輝度値が100に設定され、周辺光強度がBであるときには期待輝度値が200に設定される。
この実施形態において、期待輝度値を変更する手法に限定は課されない。
取り得る一実施形態において、259なるデフォルトの期待輝度値が、ユーザによって手動で258に変更される。バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、258なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第2対応テーブル内の4であること、すなわち、258なる期待輝度値に対応する抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であることを見出す。この場合、設定ピンISETに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であるため、抵抗ブランチは切り換えられる必要がない。バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内で、4なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが1.76%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクル1.76%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は20mAであり、20×1.76%=0.352mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、0.352mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
取り得る他の一実施形態において、259なるデフォルトの期待輝度値が、ユーザによって手動で50に変更される。バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、50なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第1対応テーブル内の100であること、すなわち、50なる期待輝度値に対応する抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチ272であることを見出す。この場合、設定ピンISETに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であるため、バックライトコントローラ220は、設定ピンISETに接続されている第2の抵抗ブランチ274を、第1の抵抗ブランチ272に切り換える必要がある。バックライトコントローラ220は、先ず、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路270の制御端C1に送る。切り換え信号を受け取った後、アジャスタブル抵抗回路270は、設定ピンISETと第1の抵抗ブランチ272とを接続する。次いで、バックライトコントローラ220は、第1対応テーブル内で、100なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクル20%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は0.2mAであり、0.2×20%=0.04mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、0.04mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
ユーザによって手動で期待輝度値が50から260まで変更される場合、バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、260なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第2対応テーブル内の8であること、すなわち、260なる期待輝度値に対応する抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチ274であることを見出す。この場合、設定ピンISETに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチ272であるため、バックライトコントローラ220は、設定ピンISETに接続されている第1の抵抗ブランチ272を、第2の抵抗ブランチ274に切り換える必要がある。バックライトコントローラ220は、先ず、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路270の制御端C1に送る。切り換え信号を受け取った後、アジャスタブル抵抗回路270は、第2の抵抗ブランチ274と設定ピンISETとを接続する。次いで、バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内で、8なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが2.52%であることを見出し、そして、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクル2.52%であるPWM信号をバックライト電源チップ260の入力ピンINに送る。この場合、バックライト電源チップ260における基準電流は20mAであり、20×2.52%=0.504mAの駆動電流が出力ピンOUTを用いることによって出力され、そして、バックライト源280が、0.504mAの駆動電流に従ったバックライトを外部に出力する。
しかしながら、実験においてエンジニアが見出すことには、期待輝度値が50から260に直接切り換えられると、駆動電流が0.04mAから0.504mAに急に変化し、変化振幅が10倍よりも大きいため、ユーザの視点からは、バックライトがちらついた後に突然明るくなる。バックライトのちらつきは、ユーザの眼をくらませるとともに、バックライト源280の物理的寿命の消費を加速させる。より好適な一実施形態では、ユーザの眼がバックライト変化過程によりよく適応することができるとともにバックライト源280の物理的寿命が保護されるように、駆動電流が徐々に変化される必要がある。
具体的には、ユーザによって手動で期待輝度値が50から260まで変更される場合、バックライトコントローラ220は、要約テーブル内で、50なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第1対応テーブル内の100であること、及び、260なる期待輝度値に対応するサブテーブル輝度値が第2対応テーブル内の8であること見出す。
切り換え信号を送る前に、バックライトコントローラ220は、切り換え前の現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、100%なる最大デューティサイクル1まで徐々に増大させる。詳細は以下のとおりである。
バックライトコントローラ220は、先ず、第1対応テーブル内の100なるサブテーブル輝度値に1を加算して、101なるサブテーブル輝度値を取得し、第1対応テーブル内で、101なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20.19%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが20.19%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.04038mAである。
次いで、バックライトコントローラ220は、第1対応テーブル内の101なるサブテーブル輝度値に1を加算して、102なるサブテーブル輝度値を取得し、第1対応テーブル内で、102なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20.38%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが20.38%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.04076mAである。
次いで、バックライトコントローラ220は、第1対応テーブル内の102なるサブテーブル輝度値に1を加算して、103なるサブテーブル輝度値を取得し、第1対応テーブル内で、103なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが20.57%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが20.57%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.04114mAである。
同様にすることにより、第1対応テーブル内の最大値511を得るまでサブテーブル輝度値に逐次に1を加算すると、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクルが100%であるPWM信号を出力する。この場合、図5に示すように、駆動電流は0.2mAである。
切り換え信号を送った後、バックライトコントローラ220は更に、切り換え後に出力されるPWM信号のデューティサイクルを、最小デューティサイクル2から、260なる期待輝度値に対応するデューティサイクル2.52%まで徐々に増大させる必要がある。詳細は以下のとおりである。
サブテーブル輝度値が第1対応テーブル内の最大値511まで上昇されると、バックライトコントローラ220は、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路270の制御端C1に送る。切り換え信号を受け取った後、アジャスタブル抵抗回路270は、第2の抵抗ブランチ274と設定ピンISETとを接続する。第1の抵抗ブランチ272が第2の抵抗ブランチ274に切り換えられた後、バックライトコントローラ220は、サブテーブル輝度値を、第2対応テーブル内の0なる最小サブテーブル輝度値に更新し、第2対応テーブル内で、0なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが、1%なる最小デューティサイクル2であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが1%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.2mAである。
バックライトコントローラ220は、第2対応テーブル内の0なるサブテーブル輝度値に1を加算して、1なるサブテーブル輝度値を取得し、第2対応テーブル内で、1なるサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクルが1.19%であることを見出し、そして、そのデューティサイクルが1.19%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.238mAである。
同様にすることにより、第2対応テーブル内の8なるサブテーブル輝度値を得るまでサブテーブル輝度値に逐次に1を加算すると、バックライトコントローラ220は、そのデューティサイクルが2.52%であるPWM信号を入力ピンINに送る。この場合、駆動電流は0.504mAである。
明らかなように、駆動電流は、0.04mAから、0.04038mA、0.04076mA、…、0.2mA、0.238mA、…、0.504mAまで徐々に増大される。ユーザの視点からは、バックライトが徐々に明るくなる。ちらつきが存在しないとともに、バックライト源280の物理的寿命を保護することができる。
加えて、ユーザは、暗い環境内でのバックライト変化に対してかなり敏感である。しかしながら、第1対応テーブル内の2つの隣り合う駆動電流の調節ステップ幅が0.00038mAであり、第2対応テーブル内の2つの隣り合う駆動電流間の調節ステップ幅が0.038mAであるため、本発明のこの実施形態においては、より低いバックライト輝度における調節ステップ幅が、より高いバックライト輝度における調節ステップ幅よりも小さい。ユーザは、2つの隣り合う駆動電流間の変化を知覚しにくい。すなわち、低めのバックライト輝度におけるバックライト傾斜プロセスの方が細かくてソフトである。
なお、バックライト調節プロセスにおいては、より小さい期待輝度値がより大きい期待輝度値へと調節されることもあるし、より大きい期待輝度値がより小さい期待輝度値へと調節されることもある。
要するに、本発明のこの実施形態にて提供される電子機器においては、バックライト電源チップの設定ピンが、アジャスタブル抵抗回路に接続され、アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチから第2の抵抗ブランチへと切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライトLEDによって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
本発明のこの実施形態にて提供される電子機器によれば、いっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲を実装するように、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲と第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲とが、連続した電流値調節範囲へと組み合わされることができるよう、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1=R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2が設定され得る。このいっそう大きい変化範囲を持つ電流値調節範囲によれば、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換えが行われるときにちらつきが存在しない。
本発明のこの実施形態にて提供される電子機器によれば、期待輝度値が第1のサブテーブル輝度値から第2のサブテーブル輝度値まで変更されるプロセスにおいて、次第に1を加算すること又は次第に1を減算することによって、第1のサブテーブル輝度値が第2のサブテーブル輝度値まで徐々に変化され、それにより、駆動電流が徐々に変化され、バックライトが徐々に変化され、そして、ユーザの眼がバックライト変化過程によりよく適応し得るとともに、バックライト源の物理的寿命が保護される。
本発明のこの実施形態にて提供される電子機器によれば、小さめの電流値調節範囲の方で、2つの隣り合う駆動電流間の調節ステップ幅が小さく、それにより、ユーザは暗い環境内でのバックライト変化に対してかなり敏感であるものの、ユーザは2つの隣り合う駆動電流間の変化を知覚しにくい。すなわち、低めのバックライト輝度におけるバックライト傾斜プロセスの方が細かくてソフトである。
図5を参照して学ぶことができることには、第1対応テーブル及び第2対応テーブル双方が512個のサブテーブル輝度値を持つので、バックライトコントローラ220は、1024個の輝度レベルでバックライト輝度を調節する能力を持っている。しかしながら、メモリ240が、要約テーブル、第1対応テーブル、及び第2対応テーブルという3つの表を格納する必要がある。オプションの一実施形態において、要約テーブル、第1対応テーブル、及び第2対応テーブルは、1つのテーブルに統合されることができる。バックライトレジスタがなおも9ビットである場合、そのテーブルを表5に示す。
この場合、2つの隣り合うデューティサイクル間の調節ステップ幅が0.19%から0.38%に変更され、バックライトコントローラ220は512個の輝度レベルでのみバックライト輝度を調節することができる。期待輝度値[0,255]に対応する抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、期待輝度値[256,511]に対応する抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチである。
なお、第1の抵抗ブランチの抵抗値R1と第2の抵抗ブランチの抵抗値R2とが異なるので、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲及び第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲に関して、3つのケースが存在し得る。
1つ目は、これら2つの電流値調節範囲は互いに交わらない。このケースでは、R1>R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1<R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2である。例えば、第1の抵抗ブランチ272に対応する電流値調節範囲が[0.0015mA,0.15mA]であり、第2の抵抗ブランチ274に対応する電流値調節範囲が[0.16mA,16mA]である。オプションで、これら2つの電流値調節範囲間の範囲が比較的小さいとき、例えば、0.15mAと0.16mAとの間の差が0.01mAのみであるとき、2つの抵抗ブランチが切り換えられるときの駆動電流ジャンプが比較的弱く、それ故に、ユーザがこのジャンプに気付くことは殆どない。
2つ目は、これら2つの電流値調節範囲が境界値で交わる。このケースでは、R1=R2×最大デューティサイクル2/最小デューティサイクル1、又はR1=R2×最小デューティサイクル1/最大デューティサイクル2である。例えば、第1の抵抗ブランチ272に対応する電流値調節範囲が[0.0015mA,0.15mA]であり、第2の抵抗ブランチ274に対応する電流値調節範囲が[0.15mA,15mA]である。これら2つの抵抗ブランチが切り換えられるとき、駆動電流遷移は存在せず、すなわち、これら2つの電流値調節範囲が、連続した電流値調節範囲を形成するように接続され得る。
3つ目は、これら2つの電流値調節範囲は、ある区間のセグメント内で交わる。例えば、第1の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲が[0.0015mA,0.15mA]であり、第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲が[0.10mA,10mA]である。このケースでは、これら2つの電流値調節範囲が互いに交わらないように又は境界値でのみ交わるように、或る対応テーブル内の電流値調節範囲の最小デューティサイクル及び/又は最大デューティサイクルが前もって変更される。例えば、第2の抵抗ブランチに対応する電流値調節範囲が[0.15mA,10mA]に変更されるように、第2の抵抗ブランチの最小デューティサイクルが変更される。
バックライトコントローラによってバックライト調節を実行する方法を要約する。図6を参照するに、図6は、本発明の一実施形態に従ったバックライト調節方法の方法フローチャートを示している。この方法は、図2に示した実施形態にて提供されるバックライトコントローラ220によって実行され得る。この方法は、以下のステップを含む。
ステップ601:期待輝度値を取得し、期待輝度値は、バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用される。
電子機器が電源投入されるとき、期待輝度値はデフォルトの期待輝度値である。
電子機器の動作過程において、期待輝度値を変更することは、これらに限られないが、以下の3つの手法を含む。
1つ目は、ユーザが手動で期待輝度値を変更する。
2つ目は、アプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックに従って期待輝度値を変更する。
3つ目は、オペレーティングシステムが、周辺光強度に従って期待輝度値を変更する。
ステップ602:期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定し、抵抗ブランチは、第1の抵抗ブランチ又は第2の抵抗ブランチのいずれかである。
バックライトコントローラは、表2に示した要約テーブル、又は表5に示した対応テーブルにクエリーすることによって、期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定する。
ステップ603:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なるとき、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。
ステップ604:バックライト電源チップにPWM信号を送り、PWM信号のデューティサイクルは期待輝度値に対応している。
バックライトコントローラは、表3に示した第1対応テーブル、又は表4に示した第2対応テーブル、又は表5に示した対応テーブルにクエリーすることによって、期待輝度値に対応するデューティサイクルを決定する。そして、バックライトコントローラは、そのデューティサイクルを満たすPWM信号をバックライト電源チップの入力ピンINに送る。
バックライト電源チップは、基準電流に基づいて、且つPWM信号のデューティサイクルに従って、駆動電流を生成して、該駆動電流をバックライト源に送るように構成され、バックライト源は、駆動電流に従ってバックライトを放出するように構成される。
要するに、この実施形態にて提供されるバックライト調節方法によれば、バックライトコントローラが、期待輝度値を取得し、該期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なるときに、切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。アジャスタブル抵抗回路が、バックライト電源チップにおける基準電流を変化させ、それにより、駆動電流は基準電流に基づいて生成されるので駆動電流の電流値調節範囲を変化させるように、設定ピンに接続される抵抗ブランチを、切り換え信号に従って、第1の抵抗ブランチと第2の抵抗ブランチとの間で切り換える。これは、バックライト電源チップの限られたハードウェア性能に起因して、バックライト電源チップは限られた電流値調節範囲内でしか駆動電流を出力することができないので、バックライト源によって出力される輝度が限られた輝度範囲内に収まってしまう、という問題を解決し、バックライト強度がより低い輝度又はより高い輝度に到達するように、いっそう大きい電流値調節範囲内で駆動電流を出力するよう、異なる抵抗ブランチを用いることによってバックライト電源における基準電流を変化させる。
バックライト輝度の急な変化及びちらつきを回避するために、バックライトコントローラは更に、バックライト切り換えプロセスにおいて、駆動電流に対する傾斜調節を実行し得る。
R1>R2及びR1<R2という2つの抵抗値条件と、より小さい期待輝度値がより大きい期待輝度値に調節される又はより大きい期待輝度値がより小さい期待輝度値に調節されるという2つの調節ケースとが存在するので、合計4つの取り得る実施形態が存在する。
第1実施形態では、R1>R2であるとともに、第1の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値が、第2の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値に調節される。
第2実施形態では、R1<R2であるとともに、第1の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値が、第2の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値に調節される。
第3実施形態では、R1>R2であるとともに、第2の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値が、第1の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値に調節される。
第4実施形態では、R1<R2であるとともに、第2の抵抗ブランチに対応するより小さい期待輝度値が、第1の抵抗ブランチに対応するより大きい期待輝度値に調節される。
図7Aを参照するに、図7Aは、本発明の他の一実施形態に従ったバックライト調節方法のフローチャートを示している。この方法は、図2に示した実施形態にて提供されるバックライトコントローラ220によって実行されることができ、また、上記第1実施形態でのバックライト調節を実行するために使用される。この方法は、以下のステップを含む。
ステップ701:期待輝度値を取得し、期待輝度値は、バックライト源によって放出される期待バックライト輝度を指し示すために使用される。
電子機器が電源投入されるとき、期待輝度値はデフォルトの期待輝度値である。
電子機器の動作過程において、期待輝度値を変更することは、これらに限られないが、以下の3つの手法を含む。
1つ目は、ユーザが手動で期待輝度値を変更する。
2つ目は、アプリケーションプログラムが、そのアプリケーションプログラムの制御ロジックに従って期待輝度値を変更する。
3つ目は、オペレーティングシステムが、周辺光強度に従って期待輝度値を変更する。
ステップ702:期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定し、抵抗ブランチは、第1の抵抗ブランチ又は第2の抵抗ブランチのいずれかである。
バックライトコントローラは、表2に示した要約テーブル、又は表5に示した対応テーブルにクエリーすることによって、期待輝度値に対応する抵抗ブランチを決定する。
ステップ703:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1まで徐々に増大させる。
最大デューティサイクル1は、設定ピンが第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
バックライトコントローラが現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル1まで徐々に増大させるときに使用される調節ステップ幅は限定されない。調節ステップ幅は、例えば表3又は表4に示した0.19%といった、2つの隣り合うサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクル間の差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、例えば表5に示した0.38%といった、2つの隣り合う期待輝度値に対応するデューティサイクルの差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、その他の取り得る値であってもよい。
ステップ704:切り換え信号をアジャスタブル抵抗回路の制御端に送る。
設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであるとき、切り換え信号は、第2の抵抗ブランチと設定ピンとを接続するようにアジャスタブル抵抗回路をトリガーするために使用される。
設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであるとき、切り換え信号は、第1の抵抗ブランチと設定ピンとを接続するようにアジャスタブル抵抗回路をトリガーするために使用される。
ステップ705:期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーする。
バックライトコントローラは、要約テーブル、第1対応テーブル、及び第2対応テーブル内で、期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーし、あるいは、バックライトコントローラは、表5に示した対応テーブル内で、期待輝度値に対応するデューティサイクルをクエリーする。
ステップ706:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最小デューティサイクル2から、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に増大させる。
最小デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルである。
バックライトコントローラが現在出力されているPWM信号の最小デューティサイクル2を期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に増大させるときに使用される調節ステップ幅は限定されない。調節ステップ幅は、例えば表3又は表4に示した0.19%といった、2つの隣り合うサブテーブル輝度値に対応するデューティサイクル間の差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、例えば表5に示した0.38%といった、2つの隣り合う期待輝度値に対応するデューティサイクルの差であってもよいし、あるいは、調節ステップ幅は、その他の取り得る値であってもよい。
要するに、この実施形態にて提供されるバックライト調節方法によれば、切り換え信号が送られる前、ステップ703に従ってPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度は急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。切り換え信号が送られた後、ステップ706に従ってPWM信号が徐々に変化し、バックライト輝度は急には変化されず、それにより、バックライト輝度のちらつきが回避される。
同様に、第2実施形態では、図7Bに示すように、ステップ703がステップ703aで置き換えられ得るとともに、ステップ706がステップ706aで置き換えられ得る。
ステップ703a:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル1まで徐々に低減させる。
最小デューティサイクル1は、設定ピンが第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルである。
ステップ706a:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最大デューティサイクル2から、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に低減させる。
最大デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
同様に、第3実施形態では、図7Cに示すように、ステップ703がステップ703bで置き換えられ得るとともに、ステップ706がステップ706bで置き換えられ得る。
ステップ703b:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最小デューティサイクル2まで徐々に低減させる。
最小デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最小デューティサイクルである。
ステップ706b:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも大きいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最大デューティサイクル1から、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に低減させる。
最大デューティサイクル1は、設定ピンが第1の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
同様に、第4実施形態では、図7Dに示すように、ステップ703がステップ703cで置き換えられ得るとともに、ステップ706がステップ706cで置き換えられ得る。
ステップ703c:期待輝度値に対応する抵抗ブランチが、設定ピンに接続されている抵抗ブランチとは異なり、且つ、設定ピンに接続されている抵抗ブランチが第2の抵抗ブランチであり、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを最大デューティサイクル2まで徐々に増大させる。
最大デューティサイクル2は、設定ピンが第2の抵抗ブランチに接続されるときの最大デューティサイクルである。
ステップ706c:切り換え後に設定ピンに接続される抵抗ブランチが第1の抵抗ブランチであり、且つ、第1の抵抗ブランチの抵抗値が第2の抵抗ブランチの抵抗値よりも小さいとき、現在出力されているPWM信号のデューティサイクルを、最小デューティサイクル1を、期待輝度値に対応するデューティサイクルまで徐々に増大させる。
最小デューティサイクル1は、設定ピンが第1の抵抗ブランチに接続されるときの最小最大デューティサイクルである。
当業者が理解し得ることには、これらの実施形態のステップの全て又は一部は、ハードウェア又は関連ハードウェアに命令するプログラムによって実装され得る。プログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納され得る。記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクを含み得る。
以上の説明は、単に本発明の実施形態例に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。本発明の精神及び原理を逸脱することなく為される如何なる変更、均等物、置換、及び改良も、本発明の保護範囲に入るものである。